JPH1074968A - 太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

太陽電池およびその製造方法

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JPH1074968A
JPH1074968A JP8231543A JP23154396A JPH1074968A JP H1074968 A JPH1074968 A JP H1074968A JP 8231543 A JP8231543 A JP 8231543A JP 23154396 A JP23154396 A JP 23154396A JP H1074968 A JPH1074968 A JP H1074968A
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chalcopyrite
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solar cell
substrate
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JP8231543A
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English (en)
Inventor
Takumi Yamada
巧 山田
Takashi Nishioka
孝 西岡
Goji Kawakami
剛司 川上
Takeshi Yamada
武 山田
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/541CuInSe2 material PV cells

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  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】カルコパイライト単結晶薄層の形成方法を確立
し、それによって、カルコパイライトのホモ接合を構成
要素としてもつ太陽電池の製造を可能とする。 【解決手段】真空の成長チャンバ1中で、基板ホルダ2
に保持され、加熱された基板上に、蒸発、昇華により、
原料セル21〜25とそれらのシャッタ11〜15の開
閉によって、太陽電池を構成する元素の原料を個別に、
あるいは2以上の原料を同時に、順次繰り返して供給
し、カルコパイライト薄膜を成長させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高効率太陽電池およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CuInSe2、CuGaSe2、CuI
nS2、およびそれらの固溶体を代表とするカルコパイ
ライト型半導体は、その吸収係数の高さから太陽電池材
料として有望視されている。
【0003】従来、これらの半導体からなる太陽電池
は、Moなどの金属電極上に多結晶薄膜を堆積すること
により作製されている。この一般的な構造は、Mo電極
上に吸収層となるp型カルコパイライト層(1)と、C
dSなどからなるバッファ層(2)、ZnOからなるn
型層兼電流取り出し電極までの抵抗を低減するための透
明導電膜(3)とで構成されているものである。
【0004】従来、(1)は同時蒸着法、セレン化法、
電着法などで多結晶薄膜が形成されていた。また、
(2)においては、溶液成長法が主流であるが、その他
に蒸着法なども試みられている。また、(3)において
は、スパッタ法またはCVD法が用いられる。
【0005】カルコパイライト型半導体の成膜の難しさ
に、その組成による構造変化が挙げられる。CuInS
2(CIS)を例にとると、CuとInの比(In/
Cu)が若干1を上回ったp型が最も太陽電池に適して
いる膜である。一方、大幅に1を下回った場合は、Cu
xSといった異種相が多結晶粒界に現れ、電流が短絡
し、また大幅に1を上回った場合は、n型となり太陽電
池には適さない。また、多結晶を用いた太陽電池の高効
率化のためには、その粒界でのキャリアの再結合を抑制
するためになるべく粒径を大きくしなければならない
が、In/Cu比は粒径にも影響を与えることが公知で
あり、Cuが多い膜ほどその粒径は大きい。
【0006】以上のように高性能カルコパイライト薄膜
太陽電池の作製にあたっては、組成の精密な制御が必要
不可欠となっており、その上で、上述した性質をよりよ
く理解した総合的な最適作製プロセスが求められてい
る。
【0007】現在、最も成功している例は、In/Cu
比を途中で変えて多層に蒸着していく方法である。それ
は、蒸着のプロセスを3段階に分け、全体として組成が
In/Cu≒1になるように調節する方法である。さら
に、太陽電池として効率を高いものにするために、CI
SにGaあるいはSを添加して禁制帯幅を広げる試みが
活発である。その際に、カルコパイライト層に内部電界
を作るために添加するGaあるいはSの濃度に傾斜がつ
けられている。このようにして作製されたp型カルコパ
イライト層とCdSバッファ層およびn型ZnO層との
組み合わせで、効率が17%を越える太陽電池が作製さ
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したカルコパイラ
イト多結晶薄膜を有する太陽電池では、前述の(1)の
製造方法においては、その組成制御法の改善と結晶品質
の改善(すなわち、結晶粒径の大型化と結晶粒界の異相
の除去)とが不十分である。また、前述の(2)におけ
るCdSの溶液成長法も簡便な方法で比較的よい特性が
得られているものの、Cdの毒性の問題と、その廃液処
理の問題がクローズアップされており、Cdを使用しな
いバッファ層の研究が急務とされている。また、(1)
と(2)を別々の堆積/成長方法で作製するために、そ
の界面特性は必ずしもいいものとは言えない。
【0009】一般に、太陽電池において、同一種類の半
導体のp型薄層とn型薄層とが直接面接触してpn接合
を形成していることがきわめて望ましいことであるが、
そのようなpn接合(ホモ接合)構造をもつカルコパイ
ライト薄膜太陽電池は、その吸収係数の大きさにも関わ
らず、従来、作製されていない。その主な理由は2つあ
り、その1つは、高品質のn型カルコパイライト薄層を
従来の方法で作製することがきわめて困難であることで
あり、他の一つは、従来の方法で作製したp型カルコパ
イライト薄層は多結晶集合体であるため、結晶粒界に生
成される異種固態相による光電流の内部短絡が起こり、
たとえ従来法によってカルコパイライトのホモ接合をも
つ太陽電池を作製したとしても、その光電変換効率がき
わめて低いものになってしまうことである。
【0010】従来のカルコパイライト薄膜太陽電池にお
いては、上述の異種固態相による光電流の内部短絡を防
止するために、n型半導体薄層を直接堆積することがで
きず、p型カルコパイライト薄層とn型半導体薄層との
間に前述の高抵抗バッファ層を形成することが不可欠で
ある。この高抵抗バッファ層は、他の種類の太陽電池で
は不必要であり、カルコパイライト薄膜太陽電池特有の
構造となっている。したがって、これが構造複雑化、製
造工程の増加および複雑化の一因となっている。
【0011】本発明の目的は、カルコパイライト単結晶
薄層の形成方法を確立し、それによって、カルコパイラ
イトのホモ接合を構成要素としてもつ太陽電池の製造を
可能とすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明では、真空中で、加熱された単結晶基板上に
原料気体を供給してカルコパイライト薄層を基板上に成
長させる際に、原料気体を個別に、あるいは複数種を組
み合わせて同時に、順次繰り返して基板に供給すること
により、層の化学組成の精密な制御を可能とし、その結
果として高品質のカルコパイライト単結晶薄層の形成を
可能とする。
【0013】すなわち、本発明の太陽電池は、同種のp
型カルコパイライト薄膜とn型カルコパイライト薄膜と
が面接触してホモpn接合を形成していることを特徴と
する。
【0014】また、本発明の太陽電池の製造方法は、真
空中で、加熱した基板上に、蒸発、昇華、あるいはガス
により、太陽電池を構成する元素の原料を個別に、ある
いは2以上の原料を同時に、順次繰り返して供給し、カ
ルコパイライト薄膜を含んでなる太陽電池を製造するこ
とを特徴とする。
【0015】さらに、前記カルコパイライト薄膜が、C
uInSe2、CuGaSe2、CuInS2、CuGa
2、またはそれらの少なくとも2種以上を組み合わせ
た固溶体からなることを特徴とする。
【0016】本発明では、組成を精密に制御するため
に、単結晶薄膜成長により太陽電池を実現し、その成長
方法は、真空中で、所定の適度な温度に加熱された基板
に、例えば、I族であるCu、III族であるGaあるい
はIn、VI族であるSあるいはSeの各原料を個別
に、あるいは2以上の原料を組み合わせて同時に、順次
繰り返して供給することにより行う。このように原料を
供給するには、例えば原料セルのシャッタ(後述の図1
参照)の開閉により行う。例えば、すべての原料セルの
シャッタを閉じた後、Cuセルのシャッタを開け、Cu
原料を1秒間だけ基板に供給し、Cuセルのシャッタを
閉じた後、直ちにInセルのシャッタを開け、In原料
を1秒間だけ供給し、再び、Inセルのシャッタを閉じ
た後、Seセルのシャッタを開け、Se原料を3秒間供
給する。これらの各原料を順次繰り返して基板に供給す
ることにより、形成しようとする半導体単結晶を層状に
成長させていく。ここで示した成長手順は、もちろん単
なる一例であり、シャッタの開閉時間、原料供給の順序
は、種々変更可能である。また、順次繰り返して供給す
る原料は、いつも1種類とは限らず、2つ以上を適宜組
み合わせて、同時に供給してもよい。例えば、Cuセル
とInセルのシャッタを同時に開けて、CuとInを同
時に1秒間供給した後、シャッタを閉じて、その後、S
eセルのシャッタを開けてSeを供給してもよい。な
お、基板としては、微傾斜基板を使用するのが望まし
い。このような原料の供給方法による薄膜形成方法は、
一般に、MEE(マイグレイション エンハンスト エピ
タキシ(Migration Enhanced Epitaxy))法と呼ばれてい
る。
【0017】なお、すべての原料を同時に供給する場合
を考えると、基板表面に小島状に結晶成長し、その結
果、島と島とが結合するときに、アンチフェイズドメイ
ンが生じ、結晶欠陥となる。カルコパイライト結晶の構
造は、I族とIII族からなる2種類のカチオン(すなわ
ち、イオン結晶中の陽イオン)が、単位胞の中でC軸に
沿って規則正しく整列しており、カルコパイライト結晶
以外の基板を用いた、いわゆる、ヘテロエピタキシの場
合、結晶島の中のカチオンの整列の仕方は、4通り個別
に考えられる。
【0018】この結晶島の成長が進むに伴い、結合する
に至ってアンチフェイズドメインとなる。一般に、Ga
As/Siのヘテロエピタキシで言われているアンチフ
ェイズドメインの場合は、カチオン同志もしくはアニオ
ン同志の結合により形成されるが、カルコパイライトの
場合には、上述したようにカチオンとアニオンの副格子
が決定されても、上記のような結晶島の結合によって容
易にアンチフェイズドメインとなり得る。そのため、欠
陥のない単結晶を形成することは困難である。
【0019】しかしながら、本発明による順次繰り返し
供給の手法によれば、カチオン原子の表面泳動が活発に
なるため、成長表面上の表面拡散距離が長くなり、隣の
サイトに収まる原子と強い相互作用をしながら、成長サ
イトを探すようになる。また、少なくともカチオン供給
時に、アニオンが供給されないため、結晶の小島が形成
されず、カチオン層とアニオン層の層状の成長が交互に
進むこととなる。したがって、上記アンチフェイズドメ
インは形成されない。また、I族とIII族の原料の供給
量は、例えばセル温度とシャッタの開閉時間の2通りで
制御可能なため、より精密に制御できるようになると共
に、表面泳動が活発で泳動原子間の相互作用が強い本手
法では、広範囲にわたって化学量論比(すなわち、スト
イキオメトリ)を満足するように、原子の配列が起こ
る。したがって、本発明によれば、高品質の単結晶薄膜
が得られる。こうして得られた高品質の単結晶薄膜は、
多結晶薄膜では実現困難であったカルコパイライト等の
n型薄膜についても、高品質のものが得られるため、い
わゆる、ホモ接合の太陽電池を実現することができる。
また、従来の構造であるp型カルコパイライト層とCd
Sバッファ層の太陽電池も同様に容易に作製できること
は言うまでもない。
【0020】以上の成長方法により、高品質単結晶のp
型カルコパイライト薄層の成膜が可能となり、該p型薄
層を用いた太陽電池の高性能化が容易に実現できる。こ
れにより、従来の課題であった薄膜の組成制御と結晶品
質が改善される。さらに、従来、実現が困難とされてき
たn型カルコパイライト薄層が形成できるに至り、カル
コパイライト半導体を用いてpn接合を実現した高効率
太陽電池の作製を実現することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて詳細に説明する。
【0022】基板としては、例えばSi、GaAs、I
nP、GaP等の単結晶基板を用いる。MBE(分子線
エピタキシ)成長装置内で、例えば、I族(Cu)、II
I族(In、Ga)、VI族(Se、S)用セルのシャ
ッタの開閉をそれぞれ単独に制御することにより、元素
に応じて個別に供給することが可能となる。なお、原料
の供給とは、蒸発、昇華により、あるいはガスを用い
て、太陽電池を構成する1つの元素の原料を個別に、あ
るいは必要に応じて2以上の原料を適宜組み合わせて同
時に、順次繰り返して供給することを含む。
【0023】図1は、本発明による方法で薄膜を成長さ
せるのに使用するMEE(マイグレイション エンハン
スト エピタキシ(Migration Enhanced Epitaxy))装置
の構成を示す図である。なお、該成長装置の構成は、半
導体成長として一般に用いられている分子線エピタキシ
(MBE)装置と同型である。(例えば、後述の実施の
形態1では、図3のp型CuInGaSe2(CIG
S)層2とn型CuInGaSe2層3とを形成するの
に用いた。) 図において、1は成長チャンバ(真空容器)、2はヒー
タと熱電対を備えた基板ホルダ、21〜25は原料を入
れるセルで、21はCuセル、22はInセル、23は
Gaセル、24はSeセル、25はSセル、また、11
〜15はセル21〜25のシャッタである。
【0024】すなわち、成長チャンバ1の内部に、基板
ホルダ2が設置され、それに基板が載置、保持され、基
板ホルダ2内に内蔵されているヒータによって例えば5
00℃に加熱される。成長チャンバ7内には5個のシャ
ッタ11〜15が、Cuセル21、Inセル22、Ga
セル23、Seセル24、およびSセル25に、それぞ
れ近接して設置されている。すなわち、それぞれのセル
21〜25には、カルコパイライト薄層を形成するため
の原料が入れられていて、加熱され、蒸発あるいは昇華
により、それぞれのセル21〜25に対応するシャッタ
11〜15が開かれたときにのみ、セル21〜25に入
れられている原料(元素)が気体となって基板に供給さ
れる。すなわち、シャッタ11〜15の開閉により、セ
ル21〜25内の原料の分子線をオンオフする。なお、
該シャッタ11〜15では、数万回の使用に耐えること
ができるように、マグネットカップリング式の直線導入
器を使用している。
【0025】図2は、本発明の方法における原料気体供
給の手順の一例を示す図である。ここでは、CuInG
aSe2層を形成するときの原料供給の手順の一例を示
す。
【0026】すなわち、すべての原料セル(図1の21
〜25)のシャッタを閉じた後、Cuセル(21)のシ
ャッタを開け、Cu原料を1秒間だけ基板に供給し、C
uセル(21)のシャッタ(11)を閉じた後、直ちに
Inセル(22)とGaセル(23)のシャッタ(1
2、13)を開け、In原料とGa原料を1秒間だけ供
給し、再び、Inセル(22)とGaセル(23)のシ
ャッタ(12、13)を閉じた後、Seセル(24)の
シャッタ(14)を開け、Se原料を3秒間供給する。
この薄層形成原料を順次繰り返して基板に供給すること
により、CuInGaSe2単結晶を層状に成長させて
いく。
【0027】なお、Seは蒸気圧が高いため、シャッタ
を閉めた場合の残留圧力が問題となるような場合は、S
eの代わりに、H2Seなどのガスを用いて、バルブの
開閉により、該ガスの供給を制御してもよい。
【0028】実施の形態1 図3は、本発明の実施の形態1の太陽電池の断面構造を
示す図である。
【0029】図において、31はp型GaAs基板、3
2はp型CuInGaSe2層、33はn型CuInG
aSe2層、34はZnO透明電導膜、35は反射防止
膜、36は電流取り出し電極である。
【0030】すなわち、p型GaAs基板31の上にp
型CuInGaSe2層32が形成され、その上にn型
CuInGaSe2層33が形成され、その上にZnO
透明電導膜34が形成され、さらにその上に反射防止膜
35と電流取り出し電極36とが形成されている。な
お、ZnO透明電導膜34は、n型層が高品質であれ
ば、形成しなくてもよい。
【0031】図3におけるカルコパイライト薄層である
p型CuInGaSe2層32およびn型CuInGa
Se2層33は、いずれも上記のMEE法により、図1
のMEE装置を使用して形成した。したがって、いずれ
の層も単結晶薄層であり、両者の接合はホモ接合となっ
ている。このとき、p型CuInGaSe2層32を形
成する場合には、層の化学組成における(In+Ga)
/Cuの比を1より若干小さくし、n型CuInGaS
2層33を形成する場合には、その比を1より若干大
きくすることにより、伝導型を制御した。この微量な調
整は、セル温度による制御でも、シャッタの開閉時間に
よる制御でも、どちらでも可能である。また、本実施の
形態では、基板温度は500℃で成長させたが、MEE
法の特性を考慮すると、300℃程度まで低温化するこ
とは可能である。
【0032】n型CuInGaSe2層33の形成後
は、その上に、ZnO透明電導膜34、電流取り出し電
極36、反射防止膜35の順に形成する。これらの膜
は、カルコパイライトホモ接合形成後の基板を、MEE
装置の成長チャンバ1(図1)に隣接する別の真空チャ
ンバ内に搬送してから、形成した。
【0033】以上のようにして形成したカルコパイライ
ト各薄層は、良好な単結晶であり、太陽電池の光電変換
効率を測定したところ、22%であり、従来値と比較し
て大幅に向上した。
【0034】実施の形態2 図4は、本発明の実施の形態2の太陽電池の断面構造を
示す図である。
【0035】図において、41はp型GaAs基板、4
2はp型CuInGaSe2層、43はCdSバッファ
層、44はn型層兼抵抗低減用ZnO透明導電膜、45
は反射防止膜、46は電流取り出し電極である。
【0036】すなわち、p型GaAs基板41上に、単
結晶p型CuInGaSe2層42を、図1に示したM
EE装置を用いてMEE法により成長し、その上にCd
Sバッファ層43、ZnO透明導電膜44、電流取り出
し電極46、反射防止膜45を形成した。上記実施の形
態1と同様に、良好な単結晶p型カルコパイライト層で
あるCuInGaSe2層42が得られた。さらに、C
dSバッファ層43とp型CuInGaSe2層42と
の界面の欠陥が低減され、界面における再結合電流を低
減することができ、同じ構造で従来法で作製された太陽
電池と比較して効率3%の向上が確認された。
【0037】実施の形態3 図5は、本発明の実施の形態3の太陽電池の断面構造を
示す図である。
【0038】図において、51はp型GaAs基板、5
2はp型CuIn(S,Se)2層、53はn型CuI
n(S,Se)2層、54はZnO透明電導膜、55は
反射防止膜、56は電流取り出し電極である。
【0039】すなわち、p型GaAs基板51上に、p
型CuIn(S,Se)2層52、n型CuIn(S,
Se)2層53を順次、図1に示したMEE装置を用い
てMEE法で堆積した。このときの伝導型の制御は、p
型の場合、In/Cuの比を1より若干小さくする。n
型の場合は1より若干大きくすることで行った。この微
量な調整は、セル温度による制御でも、シャッタの開閉
時間による制御でも、どちらでも可能である。SとSe
の供給は同時に行い、Cu、In、(S+Se)の順
で、繰り返し供給した。SとSeの組成比はセルの設定
温度、つまり分子線強度により制御した。基板温度は、
Sの再蒸発を考慮して350℃で行った。その上に、Z
nO透明導電膜54、電流取り出し電極56、反射防止
膜55を形成した。これらの膜は、基板をMEE装置の
成長チャンバに隣接する真空チャンバ内に搬送し、形成
した。
【0040】以上のようにして作製したカルコパイライ
ト各層は良好な単結晶であり、太陽電池としての効率は
20%と、従来の値を大幅に向上した。
【0041】実施の形態4 図6は、本発明の実施の形態4の太陽電池の断面構造を
示す図である。
【0042】図において、61はp型GaAs基板、6
2はp型CuIn(S,Se)2層、63はCdSバッ
ファ層、64はn型層兼抵抗低減用ZnO透明電導膜、
65は反射防止膜、66は電流取り出し電極である。
【0043】すなわち、p型GaAs基板61上に、単
結晶p型CuIn(S,Se)2層62をMEE成長
し、その上にCdSバッファ層63、ZnO透明電導膜
64、電流取り出し電極66、反射防止膜65を作製し
た。p型CuIn(S,Se)262層の形成方法は、
上記実施の形態3と同じであり、良好な単結晶p型カル
コパイライト層であるCuIn(S,Se)262層が
得られた。さらに、その上に堆積したCdSバッファ層
63とp型CuIn(S,Se)2層62との界面の欠
陥が低減され、界面における再結合電流を低減すること
ができ、同じ構造で従来法で作製された太陽電池と比較
して効率3%の向上が確認された。
【0044】以上本発明を実施の形態に基づいて具体的
に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変
更可能であることは勿論である。例えば、基板や各層の
導電型は反対の導電型の場合もあり得ることは言うまで
もない。また、原料セルの中に入れる原料は単体に限ら
ず、化合物を入れてもよい。また、例えば、蒸気圧の高
いPを供給する場合、供給源としてを使用してもよい。
この場合、Pだけ蒸発してGaはセル中に残存する。さ
らに、図1の装置の成長チャンバ1内で、カルコパイラ
イト薄層に連続してバッファ層等をMBEあるいはME
E法で形成してもよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高品質単結晶カルコパイライト薄層を形成することが可
能となり、その結果、従来実現困難であったカルコパイ
ライトのホモ接合を構成要素としてもつ高光電変換効率
の太陽電池の製造が可能となる。また、従来のカルコパ
イライト薄層と高抵抗バッファ層とを構成要素としても
つ太陽電池においても、本発明によるカルコパイライト
薄層の形成方法を用いることにより、各層の品質向上と
界面での欠陥低減が可能となるので、太陽電池の光電変
換効果を従来よりも高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による太陽電池の作製に用いる薄膜形成
装置の構成図である。
【図2】本発明の方法における原料気体供給の手順の一
例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1で作製した太陽電池の断
面構造図である。
【図4】本発明の実施の形態2で作製した太陽電池の断
面構造図である。
【図5】本発明の実施の形態3で作製した太陽電池の断
面構造図である。
【図6】本発明の実施の形態4で作製した太陽電池の断
面構造図である。
【符号の説明】
1…成長チャンバ、2…基板ホルダ、11、12、1
3、14、15…シャッタ、21…Cuセル、22…I
nセル、23…Gaセル、24…Seセル、25…Sセ
ル、31…p型GaAs基板、32…p型CuInGa
Se2層、33…n型CuInGaSe2層、34…Zn
O透明電導膜、35…反射防止膜、36…電流取り出し
電極、41…p型GaAs基板、42…p型CuInG
aSe2層、43…CdSバッファ層、44…n型層兼
抵抗低減用ZnO透明導電膜、45…反射防止膜、46
…電流取り出し電極、51…p型GaAs基板、52…
p型CuIn(S,Se)2層、53…n型CuIn
(S,Se)2層、54…ZnO透明電導膜、55…反
射防止膜、56…電流取り出し電極、61…p型GaA
s基板、62…p型CuIn(S,Se)2層、63…
CdSバッファ層、64…n型層兼抵抗低減用ZnO透
明電導膜、65…反射防止膜、66…電流取り出し電
極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 武 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同種のp型カルコパイライト薄膜とn型カ
    ルコパイライト薄膜とが面接触してホモpn接合を形成
    していることを特徴とする太陽電池。
  2. 【請求項2】前記カルコパイライト薄膜が、CuInS
    2、CuGaSe2、CuInS2、CuGaS2、また
    はそれらの少なくとも2種以上を組み合わせた固溶体か
    らなることを特徴とする請求項1記載の太陽電池。
  3. 【請求項3】真空中で、加熱した基板上に、蒸発、昇
    華、あるいはガスにより、太陽電池を構成する元素の原
    料を個別に、あるいは2以上の原料を同時に、順次繰り
    返して供給し、カルコパイライト薄膜を含んでなる太陽
    電池を製造することを特徴とする太陽電池の製造方法。
  4. 【請求項4】前記カルコパイライト薄膜が、CuInS
    2、CuGaSe2、CuInS2、CuGaS2、また
    はそれらの少なくとも2種以上を組み合わせた固溶体か
    らなることを特徴とする請求項3記載の太陽電池の製造
    方法。
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