JPH1074746A - 液体原料気化装置 - Google Patents

液体原料気化装置

Info

Publication number
JPH1074746A
JPH1074746A JP14854297A JP14854297A JPH1074746A JP H1074746 A JPH1074746 A JP H1074746A JP 14854297 A JP14854297 A JP 14854297A JP 14854297 A JP14854297 A JP 14854297A JP H1074746 A JPH1074746 A JP H1074746A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
raw material
liquid raw
liquid
section
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14854297A
Other languages
English (en)
Inventor
Kuniaki Horie
邦明 堀江
Tsutomu Nakada
勉 中田
Hidenao Suzuki
秀直 鈴木
Takeshi Murakami
武司 村上
Yuji Abe
祐士 阿部
Yuji Araki
裕二 荒木
Fumio Kuriyama
文夫 栗山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP14854297A priority Critical patent/JPH1074746A/ja
Publication of JPH1074746A publication Critical patent/JPH1074746A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高誘電体の素材となる複雑な気化特性を持つ
ような液体原料を効率良く気化するとともに、微少量を
精度良く制御し、気化装置内や配管内の詰まりを防止で
きるようなコンパクトな気化装置を提供する。 【解決手段】 液体原料Lを液化温度以下に保ちなが
ら定量づつ供給する供給部と、供給部より供給された液
体原料Lを液化温度以上に加熱する気化部とを備え、供
給部と気化部の間には、液体原料Lを連続的に授受する
ために微少の隙間t1,t2を保って形成された架橋部B
rが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液体を原料
とする薄膜気相成長装置に用いる気化装置に係り、特
に、チタン酸バリウム/ストロンチウム等の高誘電体あ
るいは強誘電体薄膜材料を気化させるのに好適な液体原
料気化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体産業における集積回路の集
積度の向上はめざましく、現状のメガビットオーダか
ら、将来のギガビットオーダを睨んだDRAMの研究開
発が行われている。かかるDRAMの製造のために必要
な大容量素子の製造に用いる誘電体薄膜として、誘電率
が10以下であるシリコン酸化膜やシリコン窒化膜、誘
電率が20程度である五酸化タンタル(Ta25 )薄膜
に替わって、誘電率が300程度であるチタン酸バリウ
ム(BaTiO3 )、あるいはチタン酸ストロンチウム
(SrTiO3 )又はこれらの混合物であるチタン酸バリ
ウムストロンチウム等の金属酸化物薄膜材料が有望視さ
れている。また、更に誘電率が高いPZT、PLZT、
Y1等の強誘電体の薄膜材料も有望視されている。
【0003】このような素材の成膜を行なう方法とし
て、化学気相成長(CVD)が有望とされており、この
場合、反応槽内で原料ガスを被成膜基板に安定的に供給
する必要がある。原料ガスは、常温で固体のBa(DP
M)2 ,Sr(DPM)2 などを液状化し、さらに気化
特性を安定化するために有機溶剤(例えば、THFな
ど)を混合させたものを加熱して気化するようにしてい
る。このような気化を行なう装置として、液体原料をス
プレーノズルや超音波振動子によって一旦霧化し、これ
を高温度領域に送ってガス化する技術が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な高誘電体あるいは強誘電体の原料ガスを安定的に気化
させるのは非常に困難である。これは、これらの原料
の気化温度と分解温度が接近している、気化温度と有
機溶剤の気化温度に差がある、蒸気圧が非常に低い、
などの理由による。
【0005】例えば、Ba(DPM)2 ,Sr(DP
M)2 をTHF中に溶解した液体原料では、溶剤の液相
範囲は図11のaの領域であり、原料の液相範囲はa+
cである。従って、領域aの原料を気化させるために領
域cを通過する際に、溶剤のみが気化して原料が析出
し、通路を塞いだり、濃度変化による品質悪化を招くの
で、気化の際は液体原料を一気に高温領域に持っていく
必要があると考えられる。
【0006】また、原料の供給は成膜の種類によっても
異なるが、かなり微速度で行なう場合もある。上記のよ
うな材料であると、原料を必要量以上気化すると後処理
が困難となり、配管詰まりや品質の低下、歩留まりの低
下につながる。従って、気化装置においては微少量まで
の制御を行なう必要がある。
【0007】上記の従来の技術においては、スプレーノ
ズルを用いて霧化する場合は、かなりの高圧でキャリア
ガスを送るので微少量を制御しながら霧化するのが困難
である。また、超音波振動子を用いる場合、気化温度に
近い高温に耐える素材を見つけることが困難であり、安
定した気化を行なうことができない。さらに、原料ガス
の気化はできるだけ反応槽の直前で行って気相での搬送
経路を短くするのが好ましいが、霧化してから気化する
上記装置はコンパクトな構成とするのが困難であった。
また、両者とも霧化、スプレー部分に広い空間が必要な
ため原料の滞留が起こり、その部分での原料の変質や原
料供給の制御性に劣るという問題があった。
【0008】この発明は、高誘電体あるいは強誘電体の
素材となる複雑な気化特性を持つような液体原料を効率
良く気化するとともに、微少量を精度良く制御し、気化
装置内や配管内の詰まりを防止できるようなコンパクト
な気化装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、液体原料を気化温度以下に保ちながら定量づつ供給
する供給部と、上記供給部より供給された液体原料を気
化温度以上に加熱する気化部とを備え、上記供給部と上
記気化部の間に、液体原料を連続的に授受するために微
少の隙間を保って形成された架橋部が形成されているこ
とを特徴とする液体原料気化装置である。
【0010】これにより、低温の供給部と高温の気化部
を直接に接触させることがないので、両者の間での熱移
動が抑えられ、液体原料が液相温度と気相温度の中間領
域に長い間存在することが防止される。しかも、液滴状
態での移送ではなく、液体の表面張力により架橋部を形
成して移送するので、微少流量であっても気化部に連続
的に液体原料が供給され、従って、原料濃度の微視的な
変化も小さい。
【0011】請求項2に記載の発明は、上記架橋部に
は、液体原料にキャリアガスを接触させるためのガス導
入口が開口していることを特徴とする請求項1に記載の
液体原料気化装置である。キャリアガスを気化部の前に
液体原料に接触させて、気化とキャリアガスとの混合を
同時に行えば、工程や装置構成が簡単になるだけでな
く、キャリアガスの冷却作用によって、架橋部で早期に
気化して円滑な液体移動が損なわれる事態の発生を防止
する。
【0012】請求項3に記載の発明は、上記隙間の寸法
を調整する隙間調整機構が設けられていることを特徴と
する請求項1に記載の液体原料気化装置である。請求項
4に記載の発明は、上記隙間調整機構を駆動する駆動手
段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の
液体原料気化装置である。これにより、原料液体の物性
や必要な気化量に応じて隙間寸法を調整し、円滑な気化
作業が行われる。
【0013】請求項5に記載の発明は、上記架橋部が、
上記供給部の原料供給用の細孔の先端に臨んで配置され
たニードル部を有することを特徴とする請求項1に記載
の液体原料気化装置である。請求項6に記載の発明は、
上記細孔が、筒状ノズルに形成されていることを特徴と
する請求項5に記載の液体原料気化装置である。請求項
7に記載の発明は、上記細孔が、径が2mm以下である
ことを特徴とする請求項5に記載の液体原料気化装置で
ある。
【0014】請求項8に記載の発明は、上記架橋部は、
下流に向かうに従い断面が狭くなる導入部を有すること
を特徴とする請求項1に記載の液体原料気化装置である
ので、供給部から気化部に液体原料の導入が円滑に行わ
れる。
【0015】請求項9に記載の発明は、液体原料を気化
温度以下に保ちながら定量づつ供給する供給部と、上記
供給部より供給された液体原料を気化温度以上に加熱す
る気化部と、上記供給部と上記気化部の間で液体原料を
連続的に授受するために微少の隙間を保って形成された
架橋部とを有する気化装置と、気化した原料を成膜室内
の基板に向けて噴射する噴射ヘッドとが熱的に一体に構
成されていることを特徴とするガス噴射装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照してこの
発明の実施の形態を説明する。図1ないし図5は第1の
実施の形態を示すもので、この液体原料気化装置は、上
側の液体原料供給部Aと下側の気化部Bとが液体原料流
入口を取り囲む縁部において接合されて構成されてい
る。
【0017】供給部Aは、筒状の容器1の中央に上下を
挿通するように液体原料供給管2が設けられており、そ
の上端には原料配管が接続され、下端部のノズル3は後
述するように気化部Bの液体原料流入口4に臨んで開口
している。筒状容器1の内部は液体原料供給管2を液体
原料が安定であるような所定温度(図13における領域
a)に維持する保温用ジャケット5となっており、容器
1の底板6に熱媒体(冷却水)の流入口7が、天板8に
流出口9が設けられている。
【0018】気化部Bは、それぞれがジャケット構造を
有する外殻部10と内殻部11とからなり、これらが同
芯に配置されて構成されている。外殻部10の内壁12
と内殻部11は、それぞれ上部が所定角度の円錐面状
に、下部が円筒面状に形成されており、これらの面の間
には上から下に向かう流路Rが形成されている。外殻部
10の天板13中央の開口部に、内殻部11先端のニー
ドル部14が臨ませられて液体原料流入口4が形成され
ている。ニードル部14と開口部の間に取り付けられた
環状部材4aにより液体原料を導く導入部が形成されて
いる。外殻部10の下部にはジャケット15を挿通して
気化原料流出口16が形成されている。
【0019】これらの内外壁は、それぞれ液体原料に対
して濡れ性の良い、例えば、ステンレスのような素材で
形成されており、表面は所定の粗度となるように、例え
ば、表面粗さが0.1mm程度になるように酸洗、サン
ドブラスト等により仕上げられている。また、外殻部1
0の内壁12と内殻部11の円錐面どうしは微少な隙間
1をもって対向して流路Rを構成している。この隙間
1の寸法は、取り扱う液体原料の種類や温度、圧力な
どの条件によって異なるが、供給された液体原料が毛管
現象によって対向面間にただちに液膜状に広がり、瞬時
に加熱・気化され、気化速度に応じて連続的に新たに供
給された液体もただちに追随して液膜に広がり気化して
いくような値に設定される。
【0020】流路Rを形成する内殻部側の壁面には、図
3及び図4に示すように、ガス化した原料を流出させる
溝17が形成されている。この溝17は、円錐面の稜線
に沿って延び、下部に向かうに従い数が増えていく、あ
るいは溝断面積が増加していく、つまり対向面の表面積
に占める割合が大きくなるように配置されている。この
溝17の深さや幅は、気化した原料とキャリアガスを円
滑に流通させることができるように実験的に求めること
ができる。非常に濡れ性の悪い液体原料の場合は、この
溝は少なくし、あるいは無くした方が良い。
【0021】内殻部11と外殻部10は、内殻部11の
下部外面に形成されたフランジ18と外殻部11底面の
間をボルト19により締結して連結されている。外殻部
10及び内殻部11のそれぞれのジャケット15,20
には、熱媒体であるオイルを供給する配管21,22,
23,24がそれぞれ接続されている。
【0022】次に、供給部Aと気化部Bを連絡する部分
の構成を説明する。供給部Aの底板6と気化部Bの天板
13は縁部において連結されている。図5に示すよう
に、液体原料供給管2の先端のノズル3は内殻部11の
先端のニードル部14との間に一定の隙間t2をもって
配置されている。この隙間t2の寸法は、この装置が必
要とする最小限の液体原料供給速度において、原料供給
管2の先端のノズル3から供給される液体原料Lがニー
ドル部14との間にブリッジ(架橋部)Brを形成して
連続的に流れるような値になっている。
【0023】供給部Aの底板6と気化部Bの天板13の
間には、液体原料流入口4の周囲を取り囲むように空間
Sが形成され、これは上記底板6と天板13の間の縁部
近傍部分に配置されたシール部材25によって密閉され
ている。気化部Bの天板13、又は供給部Aの底板6に
は、空間Sに開口するキャリアガス導入流路26,27
が形成されている。前者はキャリアガスを冷却して供給
する場合に用いられ、後者はキャリアガスを予熱して供
給する場合に用いられる。天板13の開口部には、ノズ
ル14を取り囲む環状部材4aが螺合され、この環状部
材4aと底板6との隙間(キャリアガス流路)を調整す
ることができるようになっている。
【0024】以下、このように構成された液体原料気化
装置の作用を説明する。供給部Aのジャケット5には、
所定温度の冷却水が供給され、原料供給管2の温度を所
定温度に維持している。この温度は、図13に示す領域
aのうち、領域cかつbに近い箇所(例えば、点X)に
設定する。液体原料Lは原料配管から流量を制御された
状態で原料供給管2に流入し、ここでXの温度に維持さ
れて下端から気化部Bの原料流入口4に供給される。
【0025】原料流入口4では、ノズル3とニードル部
14が微少な隙間t2をもって設定されているので、微
少流量であっても液体原料LがブリッジBrを形成して
連続的に流れる。すなわち、比較的流量が多い場合は、
図5(a)に示すように平均的に流れ、微少流量の場合
は図5(b)に示すようにノズル3とニードル部14の
間に表面張力によってブリッジBrが形成され、これか
ら内殻部表面に延びて流れる。いずれの場合も、液滴状
とならないので気化する量が微視的に変動することがな
く、ガス濃度の微少の変動もない。
【0026】原料流入口4を取り囲む環状空間Sには、
キャリアガス流路26あるいは27からキャリアガスが
供給されて原料流入口4に流入する。このキャリアガス
はニードル部14の周囲の導入部4aを通り、気化した
原料ガスを同伴しながら内殻部11の溝17に流入す
る。一方、ニードル部14に供給された液体原料Lは、
図4に示すように、その表面に沿って流れて内殻部11
と外殻部10の内壁12間に流入し、液と壁との付着力
(毛管現象)により溝には入りにくいので、対向面間の
隙間t1のみに流入する。
【0027】ここにおいて、内殻部11と外殻部10の
双方が液体原料Lを加熱し、液体原料Lの濡れ性が良く
なり、即ち表面張力が下がり、しかも隙間t1が充分狭
くなっているので、液体状態の原料は速やかに隙間t1
に流入してそこで保持される。液体原料Lは壁面で加熱
され、順次気化して溝に流入し、キャリアガスと混合し
て下方に流れ、気化原料流出口16から流出する。この
ように、液体原料Lが狭い隙間t1に膜状に広がった状
態で加熱されるので、図13に示す領域cを瞬時に通過
して気化領域bの点Yに移行する。従って、溶媒のみが
気化して原料の分解物、重合物、酸化金属等が析出する
などの事態の発生が防止される。
【0028】また、この装置においては、供給部Aと気
化部Bが縁部において連結され、その内側には空間Sが
形成されている。従って、温度を厳密に管理すべきノズ
ル3やニードル部14は、接合部分から遠くなってお
り、かつ接合面に気密性を有するテフロンのような断熱
材を使用しているため、熱伝導による影響を受けにく
く、該当部分を必要な一定温度に維持することが容易で
ある。保温部で気化直前までの温度にまで加熱しておく
と、加熱部での気化効率を上げることもできる。この場
合、特に保温部での温度コントロールが重要となり、加
熱部からの熱の移動を最小限に抑えなければならない。
【0029】図6は、ノズル3先端の形状が異なる他の
実施の形態を示すものである。同図(a)は、先端孔3
aがテーパ状に開いており、ニードル部14との間に互
いに対向する面を形成して、液溜まりの保持性を良くし
たものであり、同図(b)は、逆に先端孔3bが狭まる
テーパ状として液体の流出方向が広がらないようにした
ものである。この他に、曲線断面等の適宜の形状が選択
でき、またこれに対応してニードル部14の先端形状を
変えることも可能である。
【0030】図7及び図8は、この発明の他の実施の形
態を示すもので、液体原料Lの流量や物性に応じて対向
面間の隙間t1の寸法を可変としたものである。図7に
おいては、内殻部11の下部外面に形成されたフランジ
28と外殻部10底面の間に、両者を上下方向に摺動可
能に支持するガイドピン29と、両者の隙間を調整する
調整用ネジ30とが設けられている。ガイドピン29に
は両者を互いに近付ける方向に押圧するバネ31が支持
されており、また、これらのガイドピン29と調整用ネ
ジ30は、複数が周方向に交互に配置されている。
【0031】このような構成により、調整用ネジ30を
押し込むと内殻部11が下方に移動して隙間t1が広が
り、その隙間t1はバネ31の付勢力によりその状態で
保持される。なお、この図には記載していないが、調整
後の位置に両者を固定する別のネジを設けてもよい。ま
た、この装置では、対向面どうしの隙間t1とノズル3
及びニードル部14の隙間t2が連動するが、両者を個
別に調整するために、例えば、供給部Aにノズル位置を
調整する手段を設けてもよい。
【0032】図8は、さらに隙間調整手段に駆動機構を
設けて、隙間t1の調整を迅速かつ精度良く行えるよう
にしたものである。すなわち、内殻部11と外殻部10
は、ガイドピン29と、ガイドピン29に設けたバネ3
1により支持されている。そして、また、外殻部10の
外周にはネジ溝32が形成され、これに大径のナット部
材33が螺合され、このナット部材33の外周には歯3
4が形成されている。一方、固定ベース35には減速機
を有する電動モータ36が設置され、この電動モータ3
6には、上記ナット部材33の歯34と噛み合う歯車3
7が設けられている。
【0033】この構成により、電動モータ36を駆動す
ると所定のピッチで内殻部11が上下に動き、対向面間
の隙間t1及びノズル3とニードル部14の間の隙間t2
の寸法が変化する。なお、上述したように、供給部Aに
ノズル位置だけ調整する機構を設けても良く、また、駆
動手段として、他の同効の手段を用いることができるの
は勿論である。
【0034】図9は、この発明の気化装置のさらに他の
実施の形態を示すもので、先の実施の形態では気化原料
流出口16が液体原料の流路に対して直交する方向に形
成されていたが、この例では、両者が同一軸線上に設け
られ、従って、気化原料の乱流や淀みが減少し、圧力変
動に起因する析出が防止されて気化が円滑に行われる。
また、この構成は、後述するように気化器を噴射ヘッド
と一体化する場合に便利であり、取付場所に応じて気化
原料の流出方向を選べる選択肢を増やす意味でも有用で
ある。
【0035】すなわち、この例では、内殻部111が上
下に円錐部を有して形成され、また、外殻部112a,
112bの内壁もこれに沿った形状となっており、下端
中央に気化原料流出口116が形成されている。外殻部
112a,112bは、上下に分割されて構成され、そ
れぞれの部分に熱媒体を流すジャケット115a,11
5bが形成されている。また、これらのジャケット11
5a,115bに熱媒を供給する熱媒流路120a,1
20b,121a,121bが設けられている。上側の
流入口側103の流路R1は隙間が0.3mm程度であ
るのに対して、下側の流路R2は流出口に向かうに従い
順次広がるように形成されている。
【0036】内殻部111はやはり内部にジャケット部
122が形成され、下側の外殻部112bの内側に周方
向にいくつかが突出して形成された支持部100により
支持されており、これには内殻部111の内側のジャケ
ット部122に熱媒を供給する熱媒流路123,124
が形成されている。この例では、熱媒はジャケット部1
22の内部に下方に延びる配管123aから供給され、
降温した後に上方に延びる配管124aから排出される
ようになっている。
【0037】図10は、図9の気化装置と成膜室内の基
板に向けて噴射する噴射ヘッドとが一体に構成されたガ
ス噴射ヘッド130を示すもので、これは、上部を覆う
ほぼ円錐状のケーシング142と下面を覆うノズル盤1
44から構成され、内部には整流空間であるレジューサ
部Rdが形成されている。レジューサ部Rdは、気化し
たガスの膨張を吸収して急激な圧力変動を気化装置の一
部をなすとともに、原料ガスと反応ガス(酸化ガス)を
混合してノズル盤144のノズル146に送る混合室の
役割を持つ噴射ヘッド130の一部でもある。
【0038】ケーシング142の上部には反応ガス(例
えば、酸化ガス)を供給するための反応ガス配管148
が開口して設けられている。反応ガス配管148は周方
向に複数均等に配置しても、円環状に開口するようにし
てもよい。ケーシング142とノズル盤144はフラン
ジ142a,144aを介して結合され、気相成長装置
150の成膜室152の上部を覆うように取り付けられ
ている。ノズル盤144は基板ホルダ154に保持され
た基板Wに所定間隔で対向して配置される。
【0039】ケーシング142及びノズル盤144の内
部には、ほぼ全域に亘って加熱手段としての熱媒体流路
156,158が設けられている。該熱媒体流路15
6,158は熱媒体配管160,162を介して熱媒体
供給装置に接続され、これには、所定位置に取り付けら
れたセンサ(図示略)からの信号に基づいて熱媒体の温
度及び流量を制御する制御手段が設けられている。これ
らのケーシング142や熱媒体配管160,162の周
囲などには必要に応じて断熱材が配されている。
【0040】このように構成されたガス噴射装置におい
ては、原料容器170に収納されている液体原料Lは、
原料ポンプ172により原料輸送管176を介して気化
装置Vに送られて気化される。気化した原料ガスはレジ
ューサ部Rdに送られ、徐々に流路が拡大する過程で圧
力変動や乱流の発生を避けながら整流され、かつ反応ガ
スと合流して混合され、ノズル盤161のノズル22か
ら基板Wに向けて噴射され、さらに排気孔164から排
気される。
【0041】このガス噴射装置では、気化ガスをレジュ
ーサ部Rdに導いて整流して直接にノズル146から噴
射するので、気化ガスが余分な経路を経ず、従って、気
化した原料が変質したり経路に詰まりを生じる余地がな
い。しかも、これらの部分は熱的に一体であるので温度
変化もないから一層安定なガス供給が行われ、保温する
部分も少ないので加熱のための負荷も小さい。
【0042】そして、レジューサ部Rdの上部に反応ガ
スを供給し、気化ガスの膨張エネルギーを利用すること
で均一な混合状態が得られる。しかもレジューサ部Rd
の下部にノズル盤144が配置されているので、レジュ
ーサ部Rdの作用で整流されたガスが一様に各ノズル1
46に分散して供給され、成膜室152内での均一なガ
ス分布が得られる。
【0043】図11は、この発明のさらに他の実施の形
態の気化部Bを示すもので、一対の平板38の間に流路
Rを形成している。図11は、扇状の平板の例であり、
中心側が液体原料流入口39、外周側が気化原料流出口
40となる。このような平板38が一対、隙間t1をも
って対向しており、平板38の外側は加熱媒体を流すジ
ャケットが形成され、上方には供給部Aが、下方には気
化したガスを流出させる流路Rが設けられている(図示
略)。供給部Aと気化部Bの間の連絡部は、図1の実施
の形態と同様のキャリアガス混入用空間が形成されてお
り、また、供給部Aと気化部Bの間の熱伝導が液体原料
流入口に影響しないようになっている。
【0044】図11(a)には、溝の配置の例が示して
あり、流出口40に向かうに従い数が増える点は図3の
場合と同様である。原料流入口39の部分の断面は図1
1(b)に示す通りであり、狭い隙間t1の流路Rの上
部にV字状の断面を持つ導入部41が形成されており、
これにノズル3の先端が所定の隙間t2をもって臨ませ
られている。導入部41から流路Rへの移行部分は角を
形成せずに滑らかに移行するようになっている。
【0045】このような平板状の加熱壁によっても、先
の実施の形態と同様に、迅速な加熱による均質なガス化
と、微少な流量制御という作用効果が得られる。この場
合、全体の気化装置が平板状となるので、装置の構成が
簡単となり、製造コストも低下する。また、設置スペー
スが小さくて良いので、気化装置全体をコンパクトなも
のとすることができる。
【0046】なお、図12は原料流入口部分の他の構成
を示すもので、(a)は複数の平板38が並列配置され
ている場合、(b)は漏斗状の導入部42を有するもの
である。(b)の場合は、図1の形式の気化部あるいは
図11の形式の気化部のいずれにも用いることができ
る。なお、平板38の形状は扇状に限られず、長方形、
円形等任意である。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、低温の供給部と高温の気化部を直接に接触させるこ
とがないので、両者の間での熱移動が抑えられ、液体原
料が液相温度と気相温度の中間領域に長い間存在するこ
とが防止される。しかも、液滴状態での移送ではなく、
液体の表面張力により架橋部を形成して移送するので、
微少流量であっても気化部に連続的に液体原料が供給さ
れ、従って、原料濃度の微視的な変化も小さい。
【0048】さらに、架橋部に、液体原料にキャリアガ
スを接触させるためのガス導入口を開口させることで、
キャリアガスを気化部の前に液体原料に接触させて、気
化とキャリアガスとの混合を同時に行い、工程や装置構
成を簡単にすることができるとともに、キャリアガスの
冷却作用によって、架橋部で早期に気化して円滑な液体
移動が損なわれる事態の発生を防止することができる。
また、隙間の寸法を調整する隙間調整機構を設けること
により、原料液体の物性や必要な気化量に応じて隙間寸
法を調整し、円滑な気化作業を行うことができるなどの
優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態の液体原料気化装置の
全体の断面図である。
【図2】図1の中心部を拡大して示す断面図である。
【図3】図2の要部であるニードルの外形を示す図であ
り、(a)正面図、(b)平面図である。
【図4】図3の要部を拡大して示す横断面図である。
【図5】図1の要部であるノズルの先端とニードルの部
分の拡大図である。
【図6】図5の部分の他の例である。
【図7】この発明の気化装置のさらに他の実施の形態で
ある。
【図8】この発明の気化装置のさらに他の実施の形態で
ある。
【図9】この発明の気化装置のさらに他の実施の形態で
ある。
【図10】この発明の気化装置と一体ガス噴射ヘッドを
示す断面図である。
【図11】この発明の気化装置のさらに他の実施の形態
である。
【図12】原料流入口の部分のさらに他の実施の形態を
示す図である。
【図13】液体原料の物性を示すグラフの一例である。
【符号の説明】
2,3,102,103 供給流路 4 液体原料流入口 4a,41,42 導入部 11,12,111,112 壁 15,115 加熱手段 16,116 気化原料流出口 17 溝 26,27 ガス導入路 t1 ,t2 隙間 R,R1,R2 流路 L 液体原料 Br 架橋部
フロントページの続き (72)発明者 村上 武司 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 阿部 祐士 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 荒木 裕二 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 栗山 文夫 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体原料を気化温度以下に保ちながら定
    量づつ供給する供給部と、上記供給部より供給された液
    体原料を気化温度以上に加熱する気化部とを備え、 上記供給部と上記気化部の間には、液体原料を連続的に
    授受するために微少の隙間を保って形成された架橋部が
    形成されていることを特徴とする液体原料気化装置。
  2. 【請求項2】 上記架橋部には、液体原料にキャリアガ
    スを接触させるためのガス導入口が開口していることを
    特徴とする請求項1に記載の液体原料気化装置。
  3. 【請求項3】 上記隙間の寸法を調整する隙間調整機構
    が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液
    体原料気化装置。
  4. 【請求項4】 上記隙間調整機構を駆動する駆動手段が
    設けられていることを特徴とする請求項3に記載の液体
    原料気化装置。
  5. 【請求項5】 上記架橋部は、上記供給部の原料供給用
    の細孔の先端に臨んで配置されたニードル部を有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の液体原料気化装置。
  6. 【請求項6】 上記細孔は、筒状ノズルに形成されてい
    ることを特徴とする請求項5に記載の液体原料気化装
    置。
  7. 【請求項7】 上記細孔は、径が2mm以下であること
    を特徴とする請求項5に記載の液体原料気化装置。
  8. 【請求項8】 上記架橋部は、下流に向かうに従い断面
    が狭くなる導入部を有することを特徴とする請求項1に
    記載の液体原料気化装置。
  9. 【請求項9】 液体原料を気化温度以下に保ちながら定
    量づつ供給する供給部と、上記供給部より供給された液
    体原料を気化温度以上に加熱する気化部と、上記供給部
    と上記気化部の間で液体原料を連続的に授受するために
    微少の隙間を保って形成された架橋部とを有する気化装
    置と、気化した原料を成膜室内の基板に向けて噴射する
    噴射ヘッドとが熱的に一体に構成されていることを特徴
    とするガス噴射装置。
JP14854297A 1996-05-23 1997-05-22 液体原料気化装置 Pending JPH1074746A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14854297A JPH1074746A (ja) 1996-05-23 1997-05-22 液体原料気化装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15158796 1996-05-23
JP8-151587 1996-05-23
JP14854297A JPH1074746A (ja) 1996-05-23 1997-05-22 液体原料気化装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1074746A true JPH1074746A (ja) 1998-03-17

Family

ID=26478698

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14854297A Pending JPH1074746A (ja) 1996-05-23 1997-05-22 液体原料気化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1074746A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007100207A (ja) * 2005-09-09 2007-04-19 Lintec Co Ltd 低温度で液体原料を気化させることのできる液体原料の気化方法および該方法を用いた気化器
JP2008300871A (ja) * 2008-08-18 2008-12-11 Watanabe Shoko:Kk 気化器、薄膜形成装置及びmocvd装置
WO2012086728A1 (ja) * 2010-12-21 2012-06-28 株式会社渡辺商行 気化器
JP2012169671A (ja) * 2012-05-28 2012-09-06 Watanabe Shoko:Kk 気化器
US8557122B2 (en) 2010-03-05 2013-10-15 Tohoku University Ballast water treatment equipment, a ballast water detoxifying treatment system using the same, and a method for treating the ballast water
JP2016143798A (ja) * 2015-02-03 2016-08-08 株式会社リンテック 気化器

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007100207A (ja) * 2005-09-09 2007-04-19 Lintec Co Ltd 低温度で液体原料を気化させることのできる液体原料の気化方法および該方法を用いた気化器
JP4601535B2 (ja) * 2005-09-09 2010-12-22 株式会社リンテック 低温度で液体原料を気化させることのできる気化器
US7975993B2 (en) 2005-09-09 2011-07-12 Lintec Co., Ltd Method for vaporizing liquid material capable of vaporizing liquid material at low temperature and vaporizer using the same
US8162298B2 (en) 2005-09-09 2012-04-24 Lintec Co., Ltd Method for vaporizing liquid material capable of vaporizing liquid material at low temperature and vaporizer using the same
JP2008300871A (ja) * 2008-08-18 2008-12-11 Watanabe Shoko:Kk 気化器、薄膜形成装置及びmocvd装置
US8557122B2 (en) 2010-03-05 2013-10-15 Tohoku University Ballast water treatment equipment, a ballast water detoxifying treatment system using the same, and a method for treating the ballast water
WO2012086728A1 (ja) * 2010-12-21 2012-06-28 株式会社渡辺商行 気化器
JP6013917B2 (ja) * 2010-12-21 2016-10-25 株式会社渡辺商行 気化器及び気化方法
JP2016195273A (ja) * 2010-12-21 2016-11-17 株式会社渡辺商行 気化器
JP2012169671A (ja) * 2012-05-28 2012-09-06 Watanabe Shoko:Kk 気化器
JP2016143798A (ja) * 2015-02-03 2016-08-08 株式会社リンテック 気化器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5951923A (en) Vaporizer apparatus and film deposition apparatus therewith
US7673856B2 (en) Vaporizer and various devices using the same and an associated vaporizing method
US6269221B1 (en) Liquid feed vaporization system and gas injection device
KR100496914B1 (ko) 기화장치
US20070166457A1 (en) Vaporizer, film forming apparatus including the same, method of vaporization and method of forming film
KR100492258B1 (ko) 반응가스분출헤드
US20060070575A1 (en) Solution-vaporization type CVD apparatus
WO2003079422A1 (fr) Vaporisateur, differents dispositifs dans lesquels il intervient, et procede de vaporisation
JP4391413B2 (ja) 気化器、分散器、成膜装置、及び、気化方法
JPH1074746A (ja) 液体原料気化装置
JP3649267B2 (ja) 反応ガス噴射ヘッド
US20060270222A1 (en) Method of Depositing CVD Thin Film
JP5427344B2 (ja) 気化装置、及び、気化装置を備えた成膜装置
JP5016416B2 (ja) 気化器及び気化方法
JPH1074745A (ja) 液体原料気化装置
WO2005020304A1 (ja) 薄膜成膜装置
JPH1046343A (ja) 液体原料気化装置及びガス噴射装置
JPH11302850A (ja) ガス噴射装置
JPH11335845A (ja) 液体原料気化装置
KR100507961B1 (ko) 액체원료기화시스템및가스분사장치
JPH108255A (ja) 液体原料気化装置
JPH10280149A (ja) ガス噴射装置
JP5845325B2 (ja) 気化装置、及び、気化装置を備えた成膜装置
JPH1071329A (ja) 液体原料気化装置
JP2008205506A (ja) 気化器及びそれを用いた各種装置並びに気化方法