JPH1046343A - 液体原料気化装置及びガス噴射装置 - Google Patents

液体原料気化装置及びガス噴射装置

Info

Publication number
JPH1046343A
JPH1046343A JP10280997A JP10280997A JPH1046343A JP H1046343 A JPH1046343 A JP H1046343A JP 10280997 A JP10280997 A JP 10280997A JP 10280997 A JP10280997 A JP 10280997A JP H1046343 A JPH1046343 A JP H1046343A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
raw material
vaporizer
flow path
gas
pressure generating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10280997A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukio Fukunaga
由紀夫 福永
Takeshi Murakami
武司 村上
Naoaki Kogure
直明 小榑
Akihisa Hongo
明久 本郷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP10280997A priority Critical patent/JPH1046343A/ja
Publication of JPH1046343A publication Critical patent/JPH1046343A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高誘電体の素材となる液体原料を、気化のた
めの十分な滞留時間をもって効率良く気化するととも
に、気化後の変質を防止して安定な原料供給を行なう。 【解決手段】 互いに対向して相対的に回転する内外の
筒状壁1,5の少なくとも一方に、原料流入口6に連通
する螺旋状の流路13が形成され、筒状壁の少なくとも
一方を加熱する加熱手段16が設けられ、流路の下流側
に、回転に伴って流路内を流れる原料ガスの背圧を保持
する圧力発生部32a,32bが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液体を原料
とする薄膜気相成長装置に用いる気化装置及びガス噴射
装置に係り、特に、チタン酸バリウム/ストロンチウム
等の高誘電率薄膜材料を気化し、噴射するのに好適な液
体原料気化装置及びガス噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体産業における集積回路の集
積度の向上はめざましく、現状のメガビットオーダか
ら、将来のギガビットオーダを睨んだDRAMの研究開
発が行われている。かかるDRAMの製造のために必要
な大容量素子の製造に用いる誘電体薄膜として、誘電率
が10以下であるシリコン酸化膜やシリコン窒化膜、誘
電率が20程度である五酸化タンタル(Ta25)薄膜
に替わって、誘電率が300程度であるチタン酸バリウ
ム(BaTiO3)、あるいはチタン酸ストロンチウム
(SrTiO3)又はこれらの混合物であるチタン酸バリ
ウムストロンチウム等の金属酸化物薄膜材料が有望視さ
れている。
【0003】ところで、このような素材の成膜を行なう
方法として化学気相成長(CVD)が有望とされてお
り、この場合、最終的に反応槽内で原料ガスを被成膜基
板に安定的に供給する必要がある。原料ガスは気化特性
を安定化するため、常温で固体のBa(DPM)2 ,Sr
(DPM)2 などを有機溶剤(例えばTHFなど)に溶
解させたものを加熱して気化するようにしている。この
ような気化装置として、例えば、液体原料あるいはこれ
を霧化したものをヒータで加熱した箱状の気化器の内部
に噴射して気化するものが知られており、伝熱特性を向
上させるためにノズルの前に気化板を配置したものも提
案されている。
【0004】そして、前述のようにして気化装置内で気
化させた原料ガスを原料ガス配管を介して反応炉(成膜
室)内に導入し、噴射ヘッドに導いて反応ガス輸送管か
ら供給される反応ガス(酸化ガス)と混合し、被成膜基
板に向けて噴射して反応させて、被成膜基板の表面に薄
膜(酸化膜)を形成するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような高誘電体
の原料ガスは、気化温度と分解温度が接近している、
これらの気化温度と有機溶剤の気化温度に差がある、
これらの蒸気圧が非常に低い、などの特性を有してお
り、気化が難しく、また気化した後にガスを安定な状態
で維持するのが困難である。
【0006】ところが、上記のような従来の技術では、
箱状の気化器の壁やその内部に配置した気化板からの伝
熱により原料を加熱して気化するので、気化効率が充分
でない。また、反応槽内は、例えば5torr程度の数
torrのオーダーであって、気化装置との間に大きな
圧力差があり、原料は気化装置内を通過するうちに徐々
に減圧されるが、減圧と同時に体積が膨張するため、気
化装置内の通過速度が徐々に加速されて、原料は完全な
気化が行われないまま気化装置内を高速で通過してしま
う虞れがある。
【0007】従って、これを防止して、気化装置内での
完全な原料の気化を行わせるためには、原料の気化のた
めの十分な滞留時間を得る必要があるが、その場合には
気化装置が大型化し、気化装置から反応室に至る原料ガ
ス配管が長くなり、ガスが析出しやすくなるなどの問題
があった。また、この原料ガス配管を保温するための作
業や設備コストが嵩むという課題もあった。
【0008】更に、原料ガスと反応ガスとを別々の系統
で個別に反応槽内に導入すると、被成膜基板表面での原
料ガスと反応ガスのそれぞれの濃度が一様でなくなっ
て、この濃度の不均衡がそのまま基板表面の成膜厚さや
膜質のバラツキに繋がってしまうといった問題もあっ
た。
【0009】この発明は、高誘電体の素材となる液体原
料を、気化のための十分な滞留時間をもって効率良く気
化するとともに、気化後の変質を防止して安定な原料供
給を行なうことを目的とする。また、この発明の他の目
的は、原料ガスと反応ガスとの混合を効率よく行えるよ
うにしたコンパクトな気化装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、互いに対向して相対的に回転する内外の筒状壁の少
なくとも一方に、原料流入口に連通する螺旋状の流路が
形成され、前記筒状壁の少なくとも一方を加熱する加熱
手段が設けられ、前記流路の下流側に、前記回転に伴っ
て該流路内を流れる原料ガスの背圧を保持する圧力発生
部が設けられていることを特徴とする液体原料気化装置
である。このような構成により、コンパクトな構成で加
熱による気化反応のための長い流路を形成するととも
に、壁との接触効率を高くして、高い気化効率を維持す
ることができる。しかも、圧力発生部によって、この上
流側の流路内の背圧を保持して有機溶剤のみが先に気化
するのを防止すると共に、流路内の原料にこれが完全に
気化するのに十分な滞留時間を与えることができる。
【0011】請求項2に記載の発明は、前記内外の筒状
壁が、前記流路の下流側で成膜容器に取り付けられてい
ることを特徴とする請求項1に記載の液体原料気化装置
である。これにより、成膜容器と液体原料気化装置を一
体化し、設置スペースの節約、気化原料の供給配管の短
縮化、熱媒体経路の短縮化などの作用が得られる。
【0012】請求項3に記載の発明は、前記流路の下流
側に、該流路に沿って流れる原料ガスと外部から導入さ
れる反応ガスとの混合空間が形成されていることを特徴
とする請求項1又は2に記載の液体原料気化装置であ
り、気化装置の内部に設けられた混合空間で原料ガスと
反応ガスとが互いに混合される。
【0013】請求項4に記載の発明は、前記圧力発生部
が、前記筒状壁の前記流路の下流側端部に連結され、前
記混合空間内で回転する羽根車を有することを特徴とす
る請求項3に記載の液体原料気化装置である。羽根車
(圧力発生部)で原料ガスのスムーズな流れが阻止され
て、この上流側の圧力が保持されるとともに、特に原料
ガスと反応ガスとが羽根車で均一に撹拌混合され、この
撹拌効果により均一に混合させた混合ガスがシャワーヘ
ッド内に導入される。
【0014】請求項5に記載の発明は、前記圧力発生部
が、前記内外の筒状体の互いに対向する対向面の少なく
とも一方に形成された凹凸部によって構成されているこ
とを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の液
体原料気化装置であり、凹凸部(圧力発生部)は、例え
ば細ピッチで形成されていて、原料がこの凹凸部をスム
ーズに通過することを阻止されて、この上流側の圧力が
保持される。
【0015】請求項6に記載の発明は、前記流路の下流
側端部に、前記原料ガスを被処理物に向けて噴出するノ
ズルを備えたシャワーヘッドが連結されていることを特
徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の液体原料
気化装置である。
【0016】請求項7に記載の発明は、前記シャワーヘ
ッドが回転する前記筒状壁と一体に連結されていること
を特徴とする請求項6に記載の液体原料気化装置であ
り、気化後の原料ガス(または原料ガスと反応ガスとの
混合ガス)がシャワーヘッドの内部に導入されて混合さ
れ、これが被処理物に向けて均一に噴射される。
【0017】請求項8に記載の発明は、前記筒状壁の前
記流路の下流側に段差面を介して小径部が形成されてい
ることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載
の液体原料気化装置である。この段差面が流路を延長す
ることで背圧を発生させる。
【0018】請求項9に記載の発明は、前記圧力発生部
が前記段差部に形成された遠心羽根で構成されているこ
とを特徴とする請求項8に記載の液体原料気化装置であ
り、遠心羽根(圧力発生部)の回転によって原料ガスに
逆流が生じ、この逆流によって原料のスムーズな流れが
阻止されて、この上流側の圧力が保持される。
【0019】請求項10に記載の発明は、外側の筒状壁
が固定され、内側の筒状壁が回転するようになっている
ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の
液体原料気化装置である。
【0020】請求項11に記載の発明は、液体原料を加
熱して気化する気化装置と、気化した原料を反応室内の
基板に向けて噴射する噴射ヘッドとが熱的に一体に構成
されていることを特徴とするガス噴射装置である。これ
により、気化した原料は移送の過程での温度の変化を受
けることなく噴射ヘッドに送られる。従って、原料ガス
が事前の反応や析出を起こすことが防止され、これらの
箇所で詰まりや不純物の生成を生じることがないので、
成膜室内の基板に安定に供給され、成膜室において良好
な品質の気相成長がなされる。
【0021】請求項12に記載の発明は、液体原料を加
熱して気化する気化装置と、気化した原料を反応室内の
基板に向けて噴射する噴射ヘッドとが実質的に一体のケ
ーシングに収容されて構成されていることを特徴とする
ガス噴射装置である。これにより、気化した原料は移送
の過程での温度の変化を受けることなく、かつ配管を通
すことなく最短の経路で噴射ヘッドに送られる。従っ
て、原料ガスが事前の反応や析出を起こすことが防止さ
れ、これらの箇所で詰まりや不純物の生成を生じること
ないので、成膜室内の基板に安定に供給され、成膜室に
おいて良好な品質の気相成長がなされる。
【0022】請求項13に記載の発明は、前記一体のケ
ーシングには、前記気化装置と前記噴射ヘッドに共通の
加熱媒体流路が形成されていることを特徴とする請求項
12に記載のガス噴射装置である。これにより、気化装
置と前記噴射ヘッドを簡単な構成で所定の温度に維持す
ることができる。
【0023】
【実施例】以下、添付の図面を参照してこの発明の実施
例を説明する。図1は、この発明の一実施例の縦型の気
化装置を示すもので、ここでは上から下に向かって原料
が流される形式のものが示されている。この図におい
て、符号1は外筒であり、耐熱性を有する金属等の素材
から下部の平板状の基部2と上部のモータ部3とが一体
に形成されて、上端開口部は、塞板4で閉塞されてい
る。また、符号5は上記外筒1の内部に上記外筒1と微
小な隙間を持つように設置された内筒であり、これも耐
熱性を有する金属等の素材から構成されている。そし
て、外筒1と内筒5とのクリアランスは、回転において
接触せず、簡単に分解可能であって且つ壁に沿った短絡
通路が極力少なくなるような寸法に設定されている。
【0024】外筒1の上部には、霧化した原料をこの内
部に流入させる複数の原料流入口6が、接線方向に延び
て等間隔に配置されている。この原料流入口6の数や取
付位置は、状況に応じて適宜選択可能である。更に、外
筒1には、前記基部2のやや上方に位置して大径部7が
形成され、この大径部7の内部に円環状のガス溜部8が
設けられているとともに、このガス溜部8に反応ガスを
供給する反応ガス流入口9と、ガス溜部8と外筒1の内
部を連通する連通孔10が設けられている。
【0025】前記内筒5の外周面には、断面が台形状の
突条11が螺旋状に延びて形成され、従って、この突条
11の間に同様に螺旋状に延びる溝12が形成されてい
る。この溝12によって、前記原料流入口6に連通する
螺旋状の流路13が内筒5と外筒1の間に形成されてい
る。この流路13は、上記原料流入口6から下方に延び
ており、この原料流入口6よりやや上方まで突出する内
筒5には、原料の上方への流出を防止する環状突起14
が設けられている。
【0026】外筒1の壁内部には、前記原料流入口6よ
り下方のほぼ全域に亘って加熱手段としての熱媒体流路
16が設けられ、さらに、内筒5や外筒1に取り付けら
れたセンサ(図示略)からの信号に基づいて、この熱媒
体流路16内を流れる熱媒体の温度及び流量を制御する
制御手段が設けられている。更に、外筒1の周囲などに
は必要に応じて断熱材が配されている。
【0027】前記内筒5は、前記外筒1のモータ部3内
に内蔵された駆動モータ17の出力軸(ロータ)18に
連結され、この駆動モータ17の駆動に伴って回転する
ようになっている。更に、前記出力軸18は、磁気軸受
19によって、一定の隙間を保持したまま回転自在に支
承されているとともに、この磁気軸受19の上下方向の
両側には、停電時等、磁気軸受19が作動しない場合の
緊急時に出力軸18を支承するタッチダウン軸受20が
配置されている。前記内筒5の回転方向は、この回転に
伴って原料が螺旋形の流路13に沿って順次下方に強制
的に送られる方向に設定されている。
【0028】なお、磁気軸受19としては、アクティブ
制御型磁気軸受が通常用いられるが、これに限られるも
のではなく、例えば永久磁石を用いたパッシブ型を用い
ることができる。また、タッチダウン軸受20は、ころ
がり軸受が通常使用されるが、周囲が高温となるため、
セラミックス軸受等が望ましい。また、ころがり軸受に
限定されるものではなく、冷却機構を併用して、すべり
軸受を使用することもできる。
【0029】内筒5の前記連通口10に臨む位置には、
混合空間21が形成されているとともに、内筒5の下端
には、中空円盤状で下面に多数の噴射ノズル22を有す
るシャワーヘッド23が一体に連接されている。更に、
内筒5の内部には、前記混合空間21とシャワーヘッド
23の内部とを繋ぐ内部通路24が形成されている。
【0030】前記シャワーヘッド23は、外筒1の基部
2の下方に、密封容器26内の成膜室25に突出してお
り、下面を成膜室25に臨ませている。つまり。気化装
置は、成膜室25の上端開口部を基部2で塞ぐように該
密封容器26の上端に取り付けられている。シャワーヘ
ッド23は、成膜室25内の保持台27に保持された半
導体ウェハ等の被処理物28に対向するようになってい
る。なお、前記密封容器26には、処理後の排気を外部
に排出する排気口29が設けられている。
【0031】内筒5の外周面には、前記内部通路24の
上下に、細ピッチの凹部30と該凹部30に挟まれた凸
部31によって構成された圧力発生部32a,32bが
形成されている。上側の圧力発生部32aは内筒5の回
転に伴って流路13に沿って徐々に気化しつつ順次下方
に送られる原料のスムーズな流れを阻止して、原料ガス
の背圧を保持するためのものである。
【0032】この部分の圧力変化を説明すると、図2に
示すように、原料流入口6(地点a)からは、有機溶剤
の分離を防ぐため、例えば500torr以上の圧力で
原料が供給され、気化した原料ガスは、シャワーヘッド
23の噴射ノズル22(地点c)から5torr程度の
圧力の成膜室25内に噴射される。この圧力発生部32
aは、この原料ガスの下流へのスムーズな流れを阻止し
て、上流側の圧力を保持する。つまり、圧力発生部32
a(地点b)を境として、この下流側で急激な圧力低下
が起こるようになっている。このように流路13の下流
側に圧力発生部32aを設けることにより、原料ガスの
流路13内での十分な滞留時間を確保し、原料ガスを徐
々に減圧しながら膨張させる。これにより、原料ガスが
完全に気化しないまま流路13を流れてしまうことが防
止される。
【0033】一方、下方に位置する圧力発生部32b
は、前記混合空間21で混合した原料ガスと反応ガスと
の混合ガスがこの下方に流下してしまうことを防止する
シールとしての役割を果たす。
【0034】このような気化装置は、原料流入口6に霧
化あるいは一部霧化した原料を供給して用いられるが、
そのための供給装置として、この実施例では、超音波振
動子33に、一方のノズル34よりアルゴン等のキャリ
アガスを供給しつつ、原料液体を他方のノズル35より
滴下して霧化させるようにした霧化装置が備えられてい
る。なお、この霧化装置の下側の空間36は、液状又は
固体状原料をトラップする部分である。
【0035】なお、図4に示すように、外側ノズル37
にアルゴン等のキャリアガスを、内側ノズル38に原料
ガスを供給して霧吹きの原理で霧化させようにした周知
の二重構造の2流体ノズル39を用いたもの、更にはこ
の2流体ノズル39に対向して加熱板40を設けて、単
に霧化させるだけでなく、少なくともその一部を気化さ
せるようにした供給装置を用いてもよいことは勿論であ
る。
【0036】以下に、上記のように構成した気化装置の
作用を説明する。ここに、気化装置は、内部を成膜室2
5とした密封容器26の上端開口部に該開口部を外筒1
の基部2で塞ぐように取り付けられる。
【0037】先ず、常温で固体のBa(DPM)2 ,S
r(DPM)2 などの原料を気化特性を安定化するため有
機溶剤(例えば、THF)に溶解させたものを液体原料
として用いる。この液体原料を上述した霧化装置により
霧化した(図4の場合は一部霧化、一部気化した)状態
で気化装置の原料流入口6からこの内部に流入させ、同
時に、駆動モータ17を駆動させて内筒5を回転させ
る。すると、原料は内筒5の外周面の流路13内に入
り、この回転に伴って、順次強制的に下方に送られ、こ
の途中で、加熱された外筒1の壁と接触しながら熱交換
して徐々に気化される。
【0038】この時、原料は螺旋運動をしながら下降
し、気体中に霧状態で存在する原料液体は遠心力により
外側に飛ばされ、強制的に外筒1の壁面と接触させられ
て、熱交換が促進される。また、流路の断面は軸方向に
偏平な形状であるので、壁との間の大きな接触面積が確
保され、これによっても高い熱交換が促進される。な
お、流路13内は、全体に同一断面積とすることにより
圧力変動を押さえ、生成物の形成を防止するようにして
いる。
【0039】そして、流路13に沿って送られてきた原
料は、多数の凹部30及び凸部31で構成された圧力発
生部32aでその下方へのスムーズな流れが阻止され、
これによって、原料は内筒5の流路13内に高い圧力を
保持したまま膨張することなく所定時間滞留し、完全に
気化した後、圧力発生部32a内を徐々に通過して混合
空間21内に入る。
【0040】完全に気化した原料ガスは、混合空間21
内に入ると急速に減圧して膨張し、反応ガス流入口9か
ら導入された反応ガス(酸化ガス)と混合され、この混
合された混合ガスが内筒5の内部通路24を通過して、
シャワーヘッド23内に入る。そして、この混合ガスが
成膜室25内に位置するシャワーヘッド23の噴射ノズ
ル22から半導体ウェハ等の被処理物28に向けて噴射
されて、この表面に薄膜が形成される。
【0041】ここに、成膜室25内の圧力は、例えば5
torr程度であるため、混合空間21で混合された混
合ガスは、この圧力勾配により急速に加速されてシャワ
ーヘッド23内に入り、噴射ノズル22から下方に噴出
される。
【0042】この時、シャワーヘッド23は、内筒5と
一体に回転するため、この回転によって原料ガスと反応
ガスとを撹拌混合させてそれぞれの濃度を均一にしなが
ら、しかも遠心作用によってより均一に混合ガスを被処
理物28の全面に向けて噴射させて、膜厚が一定で均質
な薄膜を被処理物28の表面に形成することができる。
処理後の排気ガスは、密封容器26に設けられた排気口
29から外部に排気される。
【0043】図5は、この発明の他の実施例を示すもの
で、この実施例は、シャワーヘッドと気化装置を別体と
したものである。シャワーヘッド41は密閉容器26の
天板を兼ねる基板2の下側に固設され、その間に混合空
間42を形成している。シャワーヘッド41には、上下
に貫通する多数のガス流路(噴射ノズル)43と、この
噴射ノズル43を囲むオイル循環流路44が形成されて
いる。このオイルの温度は、温度センサ等を介して、例
えば250℃に制御される。
【0044】そして、内筒5の下端には、圧力発生部を
構成する羽根車45が連結され、この羽根車45は前記
混合空間42の内部に収容される大きさに設定されてい
る。基板2の上側には、反応ガスを導入する反応ガス流
入口46、ガス溜部47、及びガス溜部47を混合空間
42に連通する連通孔48が設けられている。なお、こ
の例では、内筒5は中空にして軽量化され、加熱手段と
しては外筒1の内部に埋設した高周波ヒータ49aと、
この外周面に巻き付けたコイルヒータ49bが用いられ
ている。
【0045】この実施例の場合、内筒5の回転に伴っ
て、流路13に沿って順次強制的に下方に送られてくる
原料は、徐々に気化して混合空間45に入る。ここにお
いて羽根車45が内筒5と一体に回転することにより、
ここでのスムーズな流れが阻止され、これによって、原
料は内筒5の流路13内に高い圧力を保持したまま膨張
することなく滞留し、完全に気化した後、混合空間42
内に入る。
【0046】この混合空間42内では、導入された反応
ガスと原料ガスが羽根車45の回転によって十分に撹拌
混合され、これによって、原料ガスや反応ガスのそれぞ
れの濃度分布のバラツキによる成膜厚さや膜質のバラツ
キの発生が防止される。
【0047】図6及び図7は、この発明の更に他の実施
例を示すもので、この実施例は、内筒5の下部に段差面
50を介して小径部51を形成しており、この小径部5
1の外側に、反応ガス流入口52、ガス溜部53及び連
通孔54が設けられている。前記段差面50には、圧力
発生部を構成する複数の羽根片55を有する遠心羽根5
6が設けられている。
【0048】この遠心羽根56はガスを逆流させるよう
に作用するので、流路13に沿って送られてきた原料
は、遠心羽根56で構成された圧力発生部でその下方へ
のスムーズな流れが阻止される。これによって、原料は
内筒5の流路13内に高い圧力を保持したまま膨張する
ことなく滞留し、完全に気化した後に混合空間42内に
入る。
【0049】なお、この実施例の場合、混合空間42が
羽根車45よりも大きく形成されており、この羽根車4
5はガスを逆流させるよりも、主に原料ガスと反応ガス
とを撹拌混合させるためのものである。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の気化装
置によれば、加熱による気化反応のための長い流路を筒
状壁の間に構成し、しかもこの筒状壁を相対的に回転さ
せることで、流れが遠心方向への速度成分を持つので壁
との接触効率が高く、加熱用ヒータの配置やメンテナン
スも容易で操作性が良い。しかも、圧力発生部によっ
て、この圧力発生部より上流側の流路内の圧力を保持し
て、この急激な降下を防止することができる。従って、
高誘電体の素材となる液体原料を気化装置内や配管内の
詰まりを防止しつつ、効率良く、且つ十分な滞留時間を
持って完全に原料を気化することができるコンパクトな
気化装置を提供することができる。
【0051】また、内部に原料ガスと外部から導入され
る反応ガスとの混合空間を形成することにより、原料ガ
スと反応ガスとを予め混合させた混合ガスを成膜室内に
導入することができ、しかも例えば回転する内筒に連結
した羽根車等によって混合ガスを撹拌混合させてことに
より、これらのガスの成膜室内の濃度分布をより均一に
して、膜厚や膜質の均一化を図ることができる。
【0052】更に、内筒を回転させ、この内筒に原料ガ
スと反応ガスの混合ガスを被処理物に向けて噴出する中
空のシャワーヘッドを連結し、内筒の内部に混合空間と
シャワーヘッドの内部とを繋ぐ内部通路を設けることに
より、内筒とシャワーヘッドとを一体に回転させて、気
化後の原料ガスと反応ガスとの混合ガスをシャワーヘッ
ドの回転に伴って撹拌混合させながら、これを被処理物
に向けて均一に噴射させて、膜厚や膜質の均一化を図る
ことができる。
【0053】また、液体原料を加熱して気化する気化装
置と、気化した原料を反応室内の基板に向けて噴射する
噴射ヘッドとが熱的に一体に構成したことにより、気化
した原料は移送の過程での温度の変化を受けることなく
噴射ヘッドに送られ、原料ガスが事前の反応や析出を起
こすことが防止される。従って、これらの箇所で詰まり
や不純物の生成を生じることないので、成膜室内の基板
に安定に供給され、成膜室において良好な品質の気相成
長がなされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の全体の断面図である。
【図2】図1に示す実施例における原料の流れに沿った
圧力分布を示すグラフである。
【図3】図1の要部の拡大図である。
【図4】この発明の気化装置に用いる霧化ないし気化装
置の他の例である。
【図5】この発明の気化装置の他の実施例の全体断面図
である。
【図6】この発明の気化装置の更に他の実施例の要部を
示す断面図である。
【図7】図6の実施例の遠心羽根を示す図である。
【符号の説明】
1,5 筒状壁(外筒、内筒) 6 原料流入口 9,46,52 反応ガス流入口 13 流路 16 熱媒体流路(加熱手段) 17 駆動モータ 21,42 混合空間 22,43 噴射ノズル 23,41 シャワーヘッド 24 内部通路 25 成膜室 28 被処理物 32a,32b 圧力発生部 45 羽根車(圧力発生部) 49a 高周波ヒータ(加熱手段) 49b コイルヒータ(加熱手段) 50 段差面 55 羽根片 56 遠心羽根(圧力発生部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本郷 明久 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向して相対的に回転する内外の
    筒状壁の少なくとも一方に、原料流入口に連通する螺旋
    状の流路が形成され、 前記筒状壁の少なくとも一方を加熱する加熱手段が設け
    られ、 前記流路の下流側に、前記回転に伴って該流路内を流れ
    る原料ガスの背圧を保持する圧力発生部が設けられてい
    ることを特徴とする液体原料気化装置。
  2. 【請求項2】 前記内外の筒状壁が、前記流路の下流側
    で成膜容器に取り付けられていることを特徴とする請求
    項1に記載の液体原料気化装置。
  3. 【請求項3】 前記流路の下流側に、該流路に沿って流
    れる原料ガスと外部から導入される反応ガスとの混合空
    間が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の液体原料気化装置。
  4. 【請求項4】 前記圧力発生部が、前記筒状壁の前記流
    路の下流側端部に連結され、前記混合空間内で回転する
    羽根車を有することを特徴とする請求項3に記載の液体
    原料気化装置。
  5. 【請求項5】 前記圧力発生部が、前記内外の筒状壁の
    互いに対向する対向面の少なくとも一方に形成された凹
    凸部を有することを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れかに記載の液体原料気化装置。
  6. 【請求項6】 前記流路の下流側端部に、前記原料ガス
    を被処理物に向けて噴出するノズルを備えたシャワーヘ
    ッドが連結されていることを特徴とする請求項1ないし
    5のいずれかに記載の液体原料気化装置。
  7. 【請求項7】 前記シャワーヘッドが回転する前記筒状
    壁と一体に連結されていることを特徴とする請求項6に
    記載の液体原料気化装置。
  8. 【請求項8】 前記筒状壁の前記流路の下流側に段差面
    を介して小径部が形成されていることを特徴とする請求
    項1ないし7のいずれかに記載の液体原料気化装置。
  9. 【請求項9】 前記圧力発生部が前記段差部に形成され
    た遠心羽根で構成されていることを特徴とする請求項8
    に記載の液体原料気化装置。
  10. 【請求項10】 外側の筒状壁が固定され、内側の筒状
    壁が回転するようになっていることを特徴とする請求項
    1ないし9のいずれかに記載の液体原料気化装置。
  11. 【請求項11】 液体原料を加熱して気化する気化装置
    と、気化した原料を反応室内の基板に向けて噴射する噴
    射ヘッドとが熱的に一体に構成されていることを特徴と
    するガス噴射装置。
  12. 【請求項12】 液体原料を加熱して気化する気化装置
    と、気化した原料を反応室内の基板に向けて噴射する噴
    射ヘッドとが実質的に一体のケーシングに収容されて構
    成されていることを特徴とするガス噴射装置。
  13. 【請求項13】 前記一体のケーシングには、前記気化
    装置と前記噴射ヘッドに共通の加熱媒体流路が形成され
    ていることを特徴とする請求項12に記載のガス噴射装
    置。
JP10280997A 1996-04-05 1997-04-04 液体原料気化装置及びガス噴射装置 Pending JPH1046343A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10280997A JPH1046343A (ja) 1996-04-05 1997-04-04 液体原料気化装置及びガス噴射装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11028296 1996-04-05
JP8-110282 1996-04-05
JP10280997A JPH1046343A (ja) 1996-04-05 1997-04-04 液体原料気化装置及びガス噴射装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1046343A true JPH1046343A (ja) 1998-02-17

Family

ID=26443489

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10280997A Pending JPH1046343A (ja) 1996-04-05 1997-04-04 液体原料気化装置及びガス噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1046343A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001335940A (ja) * 2000-02-01 2001-12-07 Applied Materials Inc 基板処理システムにおける材料蒸着方法及び装置
KR100443290B1 (ko) * 2002-05-02 2004-08-09 주성엔지니어링(주) 액체원료 기화장치
JP2007046155A (ja) * 2005-07-14 2007-02-22 Noda Screen:Kk 成膜方法、および装置
WO2009122966A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 東京エレクトロン株式会社 液体原料気化器及びそれを用いた成膜装置
JP2010161392A (ja) * 1998-06-01 2010-07-22 Foundation For Advancement Of International Science 半導体又は液晶製造用装置並びに液体材料ガスの気化方法
KR101217517B1 (ko) * 2007-11-30 2013-01-02 (주)에이디에스 증착 원료 분사 장치 및 이를 구비하는 박막 증착 장치
WO2020026845A1 (ja) * 2018-08-02 2020-02-06 東京エレクトロン株式会社 成膜装置
CN112359344A (zh) * 2020-09-30 2021-02-12 北京北方华创微电子装备有限公司 半导体工艺设备及其进气机构

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010161392A (ja) * 1998-06-01 2010-07-22 Foundation For Advancement Of International Science 半導体又は液晶製造用装置並びに液体材料ガスの気化方法
JP2001335940A (ja) * 2000-02-01 2001-12-07 Applied Materials Inc 基板処理システムにおける材料蒸着方法及び装置
JP2013064200A (ja) * 2000-02-01 2013-04-11 Applied Materials Inc 基板処理システムにおける材料蒸着方法及び装置
KR100443290B1 (ko) * 2002-05-02 2004-08-09 주성엔지니어링(주) 액체원료 기화장치
JP2007046155A (ja) * 2005-07-14 2007-02-22 Noda Screen:Kk 成膜方法、および装置
KR101217517B1 (ko) * 2007-11-30 2013-01-02 (주)에이디에스 증착 원료 분사 장치 및 이를 구비하는 박막 증착 장치
KR101177216B1 (ko) 2008-03-31 2012-08-24 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 액체 원료 기화기 및 그것을 이용한 성막 장치
JP2009246168A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Tokyo Electron Ltd 液体原料気化器及びそれを用いた成膜装置
WO2009122966A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 東京エレクトロン株式会社 液体原料気化器及びそれを用いた成膜装置
WO2020026845A1 (ja) * 2018-08-02 2020-02-06 東京エレクトロン株式会社 成膜装置
CN112513322A (zh) * 2018-08-02 2021-03-16 东京毅力科创株式会社 成膜装置
JPWO2020026845A1 (ja) * 2018-08-02 2021-08-05 東京エレクトロン株式会社 成膜装置
US11414754B2 (en) 2018-08-02 2022-08-16 Tokyo Electron Limited Film forming apparatus
CN112513322B (zh) * 2018-08-02 2023-09-26 东京毅力科创株式会社 成膜装置
CN112359344A (zh) * 2020-09-30 2021-02-12 北京北方华创微电子装备有限公司 半导体工艺设备及其进气机构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6036783A (en) Liquid material vaporizer apparatus and gas ejection device
US6282368B1 (en) Liquid feed vaporization system and gas injection device
JP4986163B2 (ja) Mocvd用気化器及び成膜装置
US5951923A (en) Vaporizer apparatus and film deposition apparatus therewith
US20060070575A1 (en) Solution-vaporization type CVD apparatus
KR20050106509A (ko) 기화 장치 및 그것을 사용한 막형성 장치, 그리고 기화방법 및 막형성 방법
KR20040101309A (ko) 기화기 및 그것을 이용한 각종 장치와 기화방법
JPH1046343A (ja) 液体原料気化装置及びガス噴射装置
JP4391413B2 (ja) 気化器、分散器、成膜装置、及び、気化方法
JPH09235675A (ja) 液体原料気化装置
KR20040091738A (ko) Cvd박막 퇴적의 방법
JPH11269653A (ja) 液体材料気化装置
JPH10168572A (ja) 反応ガス噴射ヘッド
JP5016416B2 (ja) 気化器及び気化方法
JP2000252270A (ja) ガス噴射ヘッド
KR100425672B1 (ko) 복합산화물박막제조용화학기상증착장치
JPH1187327A (ja) 液体原料気化装置
JPH1074746A (ja) 液体原料気化装置
KR100507961B1 (ko) 액체원료기화시스템및가스분사장치
JP2006303534A (ja) Cvd用気化器、溶液気化式cvd装置及びcvd用気化方法
JPH108255A (ja) 液体原料気化装置
KR20040007439A (ko) 강유전체 박막, 금속 박막 또는 산화물 박막 및 그제조방법, 제조장치 그리고 상기 박막을 사용한전자·전기 디바이스
JPH10280149A (ja) ガス噴射装置
JPH1074745A (ja) 液体原料気化装置
JPH1018041A (ja) 液体原料気化装置