JPH1074667A - Lc回路及びその容量調整方法 - Google Patents

Lc回路及びその容量調整方法

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JPH1074667A
JPH1074667A JP8229939A JP22993996A JPH1074667A JP H1074667 A JPH1074667 A JP H1074667A JP 8229939 A JP8229939 A JP 8229939A JP 22993996 A JP22993996 A JP 22993996A JP H1074667 A JPH1074667 A JP H1074667A
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electrode
capacitance
teeth
inductance
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JP8229939A
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Hiroyuki Kita
弘幸 北
Yasuyuki Tanaka
康行 田中
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単一の容量発生電極で、2種類の切断を行
い、容量成分の粗調整と微調整を可能にしたLC回路の
LC回路及びその容量調整方法を提供する。 【解決手段】前記基板10の表面にインダクタンス導体
膜1と、これと接続したインダクタンス側櫛歯電極指2
1a、22a・・・及びグランド側櫛歯電極指21b、
22b、・・・とから成る容量発生電極2とを形成し、
誘電体基板10の裏面に該容量発生電極2と対向するよ
うにグランド側導体膜3を形成するとともに、前記グラ
ンド側櫛歯電極指21b、22b・・・の所定数の電極
指を切断し、次いで、前記インダクタンス側櫛歯電極2
1a、22a・・・の所定数の電極指を切断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、LC回路及びその
LC回路の容量調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】LC回路は、電子回路の共振部やフィル
タ部などにに多用されている回路構成であり、このLC
回路の回路定数を変化させることになり、電子回路全体
の特性を調整することがある。その例として、圧制御発
振器(以下、単にVCOという)などがある。
【0003】従来のVCOは、主に共振回路部、負性抵
抗回路部、増幅回路部から構成されている。この共振回
路部にLC回路が使用されている。ここで、LC回路の
回路定数、調整に容易な容量成分を調整して、共振周波
数の調整を行っている。
【0004】一般に、LC回路は、図7に示すように、
誘電体基板10上に、インダクスタンス成分を発生する
インダクタンス導体膜1と、2つの櫛歯電極5A、5B
から成る容量発生電極5とから構成されている。
【0005】容量発生電極5を構成する一方の櫛歯電極
5Aは、共通電極50Aと、該共通電極50Aから所定
間隔で複数延出された櫛歯電極指51a、52a、53
a・・・とから成っており、また、他方の櫛歯電極5B
も、共通電極50Bと、所定間隔で複数延出された櫛歯
電極指51b、52b、53b・・・とからなってい
る。そして、この一対の櫛歯電極5A、5Bは、櫛歯電
極指51a、52a、53a・・・、51b、52b、
53b・・・とが互い噛み合うように夫々配置されてい
る。
【0006】これにより、櫛歯電極指51aと櫛歯電極
指51bとの対向部分で、櫛歯電極指51bと櫛歯電極
指52aとの噛み合い部分で、櫛歯電極指52aと櫛歯
電極指52bとの噛み合い部分で、また同様にして夫々
所定容量が発生し、結果として、共通電極50Aと50
Bとの間で容量成分が発生することになる。
【0007】このような容量発生電極の一方の櫛歯電極
5Aは、例えばインダクタンス導体膜1に接続されて、
LC回路となっていた。
【0008】このような構成のLC回路において、例え
ば共振周波数を調整する方法として、LC回路の容量成
分を調整することが一般的に行われている。具体的に
は、容量発生電極5の噛み合う櫛歯電極指51a、51
b、52a、52b、53a、53b・・・を矢印Wの
ようにレーザー光線の照射によって順次切断して、容量
成分を徐々に減少させることによって、容量成分の調整
をおこない、もって共振周波数の調整をおこなってい
た。
【0009】即ち、調整前の容量成分は、互いに噛み合
うように配置された櫛歯電極指51a、51b、52
a、52b、53a、53b・・・の噛み合い距離、噛
み合い間隔、噛み合い数によって決定され、調整後の容
量成分は、切断によって残存し、容量の発生に寄与する
櫛歯電極指によって決まることになる。また、1本の櫛
歯電極指の切断による容量の変化量も、1本の櫛歯電極
指とそれと噛み合う櫛歯電極指との間で発生する容量に
相当することになる。
【0010】このようなLC回路において、容量調整可
能な容量を範囲を広くし、また、微調整を可能にするこ
とが求められている。このため、従来より、2種類の容
量発生電極を形成し、1つを粗調整用容量発生電極に用
い、もう1つを微調整用容量発生電極に用いていた。粗
調整用容量発生電極では、櫛歯電極指の噛み合い距離、
間隔、噛み合い数などを所定に設定し、容量を大きくし
ていた。
【0011】この2種類の容量発生電極により、容量調
整可能な範囲を広くし、粗調整用容量発生電極で補えな
い細かな容量調整を行い、微調整用容量発生電極で行
い、全体として、所期の容量値に極めて近似した容量値
を得ていた。
【0012】例えば、VCOにおいては、発振周波数特
性を共振回路部を構成するLC回路の容量成分調整によ
り、所期の発振周波数特性に近似させていた。これは、
回路を構成する全ての発振周波数の変動要因(回路を形
成する体の導体膜のパターンズレなど)を、この容量成
分の調整によって補っていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のLC回
路では、容量成分の調整に、粗調整と微調整を行う場合
には、少なくとも2種類以上の容量発生電極が必要とな
り、単一容量発生電極で粗調整及び微調整などの2種類
の容量調整を行うことができなかった。
【0014】また、単純に容量発生電極の数が増大して
も、回路の大型化を招いてしまうという問題点があっ
た。
【0015】本発明は、上述の問題点を鑑みて案出され
たものであり、その目的は、単一の容量発生電極で、粗
調整、微調整等の2種類の調整が可能なLC回路および
そのの容量調整方法を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】第1の発明によれば、誘
電体材料から成る基板と、前記基板の裏面に形成され、
グランド電位となる導体膜と、前記基板の表面に形成さ
れ、インダクタンス成分を発生する導体と、前記基板裏
面の導体膜が形成された領域に対応する表面に、前記イ
ンダクタンス成分を発生する導体と接続し、且つ切断さ
れ得る複数の櫛歯電極指を有する第1櫛歯電極と、グラ
ンド電位となり、且つ切断され得る複数の櫛歯電極指を
有する第2櫛歯電極とを、その櫛歯電極指どうしが噛み
合うように配置させて形成される容量発生電極とを設け
て成るLC回路である。
【0017】また、第2の発明は、上述の第1の発明の
LC回路の容量調整方法であって、前記第2櫛歯電極の
櫛歯電極指の所定数のみを切断する第1の切断工程と、
該第1の切断工程によって切断された第2櫛歯電極の櫛
歯電極指と隣接する第1櫛歯電極の所定櫛歯電極指を切
断する第2の切断工程とから成ることを特徴とするLC
回路の容量調整方法である。
【0018】
【作用】以上のように、第1の発明によれば、容量発生
電極は、誘電体基板の裏面のグランド側導体膜に基板の
厚み方向に対向するように形成されている。
【0019】そして、容量発生電極は、互いに噛み合う
インダクタンス側の第1櫛歯電極とグランド電位側の第
2櫛歯電極指とから構成されている。
【0020】このため、調整対象となる容量発生電極で
発生する容量成分は、従来のように、第1櫛歯電極を構
成する櫛歯電極指と第2櫛歯電極を構成する櫛歯電極指
との間に発生する第1の容量と、第1櫛歯電極と誘電体
基板の裏面のグランド側導体膜との間に発生する第2の
容量とがある。この第1櫛歯電極の櫛歯電極指の一本あ
たりの第1の容量と第2の容量とでは、その構成から当
然、第1の容量が大きくなる。
【0021】従って、上述のLC回路では、切断され得
る櫛歯電極指によって、2種類の容量変化率を有する容
量調整が可能となる。
【0022】第2の発明によれば、第1の発明による回
路の調整方法、即ち、第1及び第2の櫛歯電極の櫛歯電
極指の切断順次を規定している。
【0023】先ず、第1の切断工程でグランド側の櫛歯
電極指を順次切断して、第1の容量を減少させて、容量
変化率の大きい粗調整を行う。
【0024】次に、第2の切断工程を行い、第1の容量
を発生していないインダクタンス側櫛歯電極指を切断し
て、第2の容量を減少させて、所期の容量特性に合致さ
せるようにする。
【0025】即ち、本発明によれば、単一の容量発生電
極を用い、さらに、この容量発生電極と対向する誘電体
基板の裏面側にグランド側導体膜を形成しておき、切断
方法として、まず、誘電体基板の裏面側の導体膜と同電
位の櫛歯電極指を順次切断し、次いで、もう一方の櫛歯
電極指を切断することによって、LC回路の専有面積を
極小化した状態で、容量成分の粗調整、微調整を可能す
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明のLC回路及びその
容量調整方法を図面に基づいて説明する。尚、説明上、
LC回路は電圧制御発振回路(VCO)の共振回路部に
用いられる場合を例に説明する。
【0027】図1は、LC回路が形成された回路基板の
部分平面図であり、図2はその断面図である。
【0028】回路基板は、誘電体基板10と、誘電体基
板10の表面に形成されたインダクタンス成分を発生す
る導体(以下、インダクタンス導体膜という)1、容量
成分を発生する容量発生電極2と、誘電体基板10の裏
面に形成されたグランド側導体膜3とから成っている。
【0029】また、誘電体基板10の表面及び裏面に
は、上述の構成部材以外に、電圧制御発振回路(VC
O)を構成する他の回路部、例えば、共振回路部、負性
抵抗回路部や増幅回路部なども必要に応じて形成しても
構わない。即ち、共振回路部、負性抵抗回路部、増幅回
路部を構成するために、所定配線導体が形成され、さら
に、マイクロストリップ線路、可変容量ダイオード、コ
ンデンサ、抵抗、トランジスタなども搭載しても構わな
い。
【0030】インダクタンス導体膜1は、集中定数型、
分布定数型のインダクタンス成分を発生するものであ
り、例えば、所定形状のコイル導体膜、誘電体基板10
の裏面に形成されたグランド側導体膜3を利用したスト
リップ線路、マイクロストリップ線路などが例示でき
る。
【0031】このようなインダクタンス導体膜1は、誘
電体基板1の表面に、銅などの導電性ペーストを用い
て、所定形状に印刷され、焼きつけられて形成される。
【0032】容量発生電極2は、インダクタンス導体膜
1と接続する第1櫛歯電極(以下、インダクタンス側櫛
歯電極という)2Aとグランド電位に接続する第2櫛歯
電極(以下、グランド側櫛歯電極という)2Bとから構
成されている。インダクタンス側櫛歯電極2Aは、イン
ダクタンス導体膜1の一部と電気的に接続する帯状の共
通電極20Aと、該共通電極20Aから所定間隔で複数
延出されたインダクタンス側櫛歯電極指21a、22
a、23a・・・とから成っている。グランド側櫛歯電
極2Bは、グランド側導体膜3と電気的に接続する帯状
の共通電極20Bと、該共通電極20Bから所定間隔で
複数延出されたグランド側櫛歯電極指21b、22b、
23b・・・とから成っている。
【0033】インダクタンス側櫛歯電極2Aとグランド
側櫛歯電極2Bとの配置構造は、両帯状の共通電極20
A、20Bが夫々所定距離をおいて並設されており、両
共通電極20A、20Bの上述の所定距離部分に、両共
通電極20A、20Bから延びるインダクタンス側櫛歯
電極指21a、22a、23a・・・、グランド側櫛歯
電極指21b、22b、23b・・・が配置されてい
る。特に、インダクタンス側櫛歯電極指21a、22
a、23a・・・とグランド側櫛歯電極指21b、22
b、23b・・・と互いに噛み合うように配置されてい
る。例えば、両共通電極20A、20Bの上述の所定距
離部分の一方の開口側から、インダクタンス側櫛歯電極
指21a、グランド側櫛歯電極指21b、インダクタン
ス側櫛歯電極指22a、グランド側櫛歯電極指22b、
インダクタンス側櫛歯電極指23a、グランド側櫛歯電
極指23b・・・・と配列されている。
【0034】例えば、例えば、グランド側櫛歯電極指2
1bに着目するは、このグランド側櫛歯電極指21b
は、間隔Δdをおいてインダクタンス側櫛歯電極指22
aとインダクタンス側櫛歯電極指23aと対向隣接しあ
っており、インダクタンス側櫛歯電極指22a、インダ
クタンス側櫛歯電極指23aと、長さΔlの交差長を有
している。
【0035】尚、帯状のグランド側共通電極20Bとイ
ンダクタンス側櫛歯電極指21a、22a、23a・・
・の先端部分との間には、グランド側櫛歯電極指21
b、22b、23b・・・の根本部分のみが存在する領
域が形成される。この領域を、本発明では、グランド側
櫛歯電極指切断領域Xという。同時に、帯状のインダク
タンス側共通電極20Aとグランド側櫛歯電極指21
b、22b、23b・・・の先端部分との間には、イン
ダクタンス側櫛歯電極指21a、22a、23a・・・
の根本部分のみが存在する領域が形成される。この領域
を、本発明では、インダクタンス側櫛歯電極指切断領域
Yという。
【0036】この容量発生電極2は、誘電体基板10の
表面に、上述のインダクタンス導体膜1と同様に、銅な
どの導電性ペーストを用いて、所定形状に印刷して焼き
つけすることによって形成される。
【0037】グランド側導体膜3は、誘電体基板10の
裏面に、少なくとも容量発生電極2に対向するように形
成されいる。同時に、このグランド側導体膜3は、誘電
体基板10の厚み方向を通じて、容量発生電極2のグラ
ンド側共通電極20Bに電気的に接続されている。その
接続方法は、例えば誘電体基板10の端面を利用して接
続用導体膜が形成されて達成されたり、また、誘電体基
板10の厚みを貫通する導通スルーホールや導通ビアホ
ールなどによって達成されたりする。
【0038】このグランド側導体膜3は、容量発生電極
2は、インダクタンス側導体膜1の動作によっては、イ
ンダクタンス側導体膜1が形成された領域にも渡って形
成されることもある。
【0039】このようなグランド側導体膜3は、誘電体
基板10の裏面に、銅などの導電性ペーストを用いて所
定形状に印刷され、焼きつけによって形成される。
【0040】以上のように形成されたLC回路におい
て、容量発生電極2で発生する容量を図3を用いて説明
すると、インダクタンス側櫛歯電極指21aとこれに隣
接配置されたグランド側櫛歯電極指21bとの間(誘電
体基板10の表面の平面方向)に第1の容量C11が発生
する。同様に、グランド側櫛歯電極指21bとこれに隣
接するインダクタンス側櫛歯電極指22aとの間に第1
の容量C12が発生し、インダクタンス側櫛歯電極指22
aとこれに隣接配置されたグランド側櫛歯電極指22b
との間に第1の容量C22が発生し、グランド側櫛歯電極
指22bとこれに隣接するインダクタンス側櫛歯電極指
23aとの間に第1の容量C23が発生する。即ち、イン
ダクタンス側櫛歯電極指22a、22b・・・・とグラ
ンド側櫛歯電極指22a、22b・・・との間に第1の
容量が発生することになる。
【0041】同時に、インダクタンス側櫛歯電極指21
aと誘電体基板10の裏面に形成されたグランド側導体
膜3との間(誘電体基板の厚み方向に)に第2の容量C
1 が発生する。同時に、インダクタンス側櫛歯電極指2
2a、23a・・・とグランド側導体膜3との間に第2
の容量C2 、C3 ・・・が発生することになる。
【0042】従って、容量発生電極2の2つの共通電極
2Aと2Bとの間では、第1の容量と第2の容量とが並
列的に接続された合成容量が、さらに、インダクタンス
側櫛歯電極指21a、22a、23a・・・の数だけ並
列に合成された総容量となる。この総容量を含めた全体
のLC回路の等価回路図は図4のようになる。
【0043】ここで、インダクタンス側櫛歯電極指とグ
ランド側櫛歯電極指との間で発生する第1の容量とイン
ダクタンス側櫛歯電極指とグランド側導体膜3との間で
発生する第2の容量の比較を行うと、通常、櫛歯電極指
は基板の専有面積を極小化するために、極めて細い形状
であり、交差長さΔlの割に表面面積が非常に狭い状態
であり、しかも、対向間隔Δdに対して、誘電体基板1
0の厚みが非常に大きいことから、第1の容量が第2の
容量に比較して大きい値となる。
【0044】以上のように、切断され得るインダクタン
ス側櫛歯電極の櫛歯電極指、グランドライン側櫛歯電極
の櫛歯電極指によって、第1の容量と第2の容量が同時
に発生し、その容量全体が並列接続されていることから
大きな容量となる。即ち、従来に比較して、容量発生電
極の形状が同一であっても、調整可能な容量範囲は増加
して、また、その範囲内で2種類の調整が可能となる。
【0045】従って、全体として、小型化のLC回路を
構成でき、しかも、調整が多彩に行うことができるよう
になる。
【0046】次に、初期の等価回路が図4で示されるL
C回路の容量成分調整方法を説明する。
【0047】第1の切断工程として、容量成分の粗調整
を行う。具体的には、グランド側櫛歯電極指21b、2
2b・・の根元部分である切断領域Xに矢印A方向にY
AG等のレーザー光線を照射しながら走査してして、グ
ランド側櫛歯電極指21b、22b・・・と順次切断す
る。
【0048】この時、切断によって容量発生電極2部分
の容量成分は減少するが、実際に、これにともなって、
VCOの発振周波数の変動(周波数の上昇)する。この
発振周波数をモニタリングしながら、VCOの所期発振
周波数へと調整することによって、容量成分の調整状態
をみて、グランド側櫛歯電極指21b、22b・・・の
切断本数の制御を行う。
【0049】例えば、レーザー光線を照射して、グラン
ド側櫛歯電極指21bを切断することによって、インダ
クタンス側櫛歯電極指21aとの間の第1の容量C11
びインダクタンス側櫛歯電極指21bとの間の第1の容
量C12が発生しなくなる。
【0050】続いて、レーザー光線を照射しながら走査
して、2番目のグランド側櫛歯電極指22bを切断する
ことによって、この2番目のグランド側櫛歯電極指22
bを挟むように隣接するインダクタンス側櫛歯電極指2
1b、21cとの間に発生する第1の容量C22、C23
発生しなくなる。
【0051】この時、インダクタンス側櫛歯電極指21
a、21bは切断されることがないため、誘電体基板1
0の裏面のグランド側導体膜3との間で発生する第2の
容量の変動がないことは重要である。
【0052】即ち、容量発生電極2の容量を構成する比
較的大きな容量の第1の容量が順次減少してき、第2の
容量の変動がないことから、大きな変動率の調整、即ち
粗調整が行われていることになる。
【0053】このグランド側櫛歯電極指21b、22
b、23b・・・の切断による粗調整によって、VCO
から出力される発振周波数は、比較的大きな変動率でも
って、周波数が上昇することになる。
【0054】そして、VCOの発振周波数のモニタリン
グによって、調整時の発振周波数が所期の発振周波数に
近づいた時点で粗調整工程である第1の切断工程を終了
する。
【0055】次に、第2の切断工程として、容量成分の
微調整を行う。具体的には、インダクタンス側櫛歯電極
指21a、22aの根元部分である切断領域Yに矢印B
方向にYAG等のレーザー光線を照射しながら走査して
して、インダクタンス側櫛歯電極指21a、22a・・
・と順次切断する。
【0056】この時、切断対象となるインダクタンス側
櫛歯電極指は、第1の切断工程によって切断されたグラ
ンド側櫛歯電極指の数Nと同一数であるN番目のインダ
クタンス側櫛歯電極指か、または、N−1番目のインダ
クタンス側櫛歯電極指となる。これは、切断したインダ
クタンス側櫛歯電極指によって、第1の容量が減少しな
いようにするためである。
【0057】この切断によって、切断されたインダクタ
ンス側櫛歯電極指21a、22a、23a・・・と誘電
体基板10の裏面側のグランド側導体膜3との間で発生
する第2の容量C1 、C2 、C3 ・・・のみを順次減少
させることができる。
【0058】例えば、インダクタンス側櫛歯電極指21
aの根元部分で切断することによって、第2の容量C1
が減少し、続いてインダクタンス側櫛歯電極指22aを
切断することによって、第2の容量C2 が減少する。
【0059】この第1の容量が発生していないインダク
タンス側櫛歯電極指のみの切断によって、比較的容量値
が小さい第2の容量が順次小さくなり、その結果、変動
率の非常に小さい容量調整、発振周波数の調整が行われ
ることになる。
【0060】従って、第1の切断工程では、比較的大き
な容量値を有する第1の容量の調整(粗調整)が行わ
れ、この第2の工程では、比較的小さな容量値を有する
第2の容量の調整(微調整)が行われ、全体として、単
一の容量発生電極2でもって、粗調整及び微調整が同時
に可能となる。
【0061】図5には、第1の切断工程におけるグラン
ド側櫛歯電極指の順次切断数及び第2の切断工程におけ
るインダクタンス側櫛歯電極指の順次切断数の変化によ
るVCOの発振周波数の変化状態を示す。
【0062】従って、従来のように、粗調整用の容量発
生電極と微調整用の容量発生電極ととを設けて、粗調
整、微調整を達成していたのに対して、単一の容量発生
電極2で同様の機能を達成することができるため、誘電
体基板10に対する容量発生電極2の専有率が減少し、
小型化を達成することができるなる。
【0063】〔他の実施例〕上述の実施例では、容量発
生電極2の第1の容量、第2の容量及び切断による各容
量の減少を明確にするために、第1の切断工程及び第2
の切断工程において、各櫛歯電極指を切断する部分を異
なる電位の櫛歯電極指と対向していない各櫛歯電極指の
根元部分で行っているが、第1の切断工程では、インダ
クタンス側櫛歯電極指とグランド側櫛歯電極指との交差
部分で切断して、第1の容量の一部及び第2の容量の一
部を減少させるように調整し、第2の切断工程では、切
断されたインダクタンス側櫛歯電極指を、第1の切断に
よる切断部分と櫛歯電極指の根元部分の間の任意の箇所
で切断してもよい。
【0064】また、第1の切断工程では、グランド側櫛
歯電極指との交差部分で切断して、第1の容量のみを減
少させるように調整し、所期容量を考慮して、第1の切
断で切断された櫛歯電極指と隣接する第2の容量のみを
発生する櫛歯電極指を任意の部分で、直線上または斜め
に切断してもよい。この第2の切断箇所によっては、所
期の容量値(目標の周波数)に完全に一致させることが
できる。
【0065】また、上述の実施例では、誘電体基板10
の裏面のグランド側導体膜3と対向する基板表面側に1
つの容量発生電極2を形成し、また、インダクタンス導
体膜1を形成したが、図6に示すように、容量発生電極
2にインダクタンス側櫛歯電極指、グランド側櫛歯電極
指との交差長の異なる部分20を形成しても構わない。
【0066】また同時に、極めて大きい容量値の変化率
を達成するために、切断可能な配線パターンに接続され
たチップコンデンサ24を付加しても構わない。
【0067】尚、このようなLC回路は、上述のように
電圧制御型発振回路の共振回路部の一部に用いられてい
るが、その他に各種ノイズフィルタなど各種電子部品の
回路に用いることができる。
【0068】
【発明の効果】以上のように第1の発明では、1対の櫛
歯電極からなる容量発生電極において、容量発生電極に
対応するように、一方の櫛歯電極と同電位の導体膜を形
成したため、1対の櫛歯電極から発生する容量は、1対
の櫛歯電極の噛み合いから発生する容量と、他方の櫛歯
電極と導体膜との対向部分から成る容量となる。したが
って、広い範囲の容量調整が可能なLC回路となる。
【0069】また、これらの容量がすべて櫛歯電極によ
って発生するため、この容量の何れか、または両方を切
断除去することになり、2種類の異なる変化率を有する
容量成分の調整が可能なLC回路となる。
【0070】第2の発明では、1つの容量発生電極に対
して異なる2つの切断を行っている。即ち、主にインダ
クタンス側櫛歯電極指とグランド側櫛歯電極指の対向部
分に発生する第1の容量を削除する粗調整工程と、イン
ダクタンス側櫛歯電極指とグランド側導体膜との間に発
生する第2の容量を削除する微調整工程である。
【0071】これにより、2種類の容量変動率の調整が
可能となり、しかも、このように2種類の容量調整を達
成する容量発生電極として、基板占有率が減少し、回路
基板の小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るLC回路が形成された回路基板の
部分平面図である。
【図2】本発明に係るLC回路が形成された回路基板の
断面図である。
【図3】本発明に係るLC回路の容量発生電極で発生す
る容量を説明する概略図である。
【図4】本発明に係るLC回路の等価図である。
【図5】本発明に係るLC回路をVCOに用いた時の各
櫛歯電極指切断による発振周波数の変化状態を示す特性
図である。
【図6】本発明に係る他の実施例の平面図である。
【図7】従来のLC回路の平面図である。
【符号の説明】
10・・・誘電体基板 1・・・・インダクタンス導体膜 2・・・・容量発生電極 21a、22a、23a・・・・・インダクタンス側櫛
歯電極指 21b、22b、23b・・・・・グランド側櫛歯電極
指 3・・・・・・・・・グランド側導体膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体材料から成る基板と、 前記基板の裏面に形成され、グランド電位となる導体膜
    と、 前記基板の表面に形成され、インダクタンス成分を発生
    する導体と、 前記基板裏面の導体膜が形成された領域に対応する表面
    に、前記インダクタンス成分を発生する導体と接続し、
    且つ切断され得る複数の櫛歯電極指を有する第1櫛歯電
    極と、グランド電位となり、且つ切断され得る複数の櫛
    歯電極指を有する第2櫛歯電極とを、その櫛歯電極指ど
    うしが噛み合うように配置させて形成される容量発生電
    極とを設けて成るLC回路。
  2. 【請求項2】 誘電体材料から成る基板と、 前記基板の裏面に形成され、グランド電位となる導体膜
    と、 前記基板の表面に形成され、インダクタンス成分を発生
    する導体と、 前記基板裏面の導体膜が形成された領域に対応する表面
    に、前記インダクタンス成分を発生する導体と接続する
    第1櫛歯電極と、グランド電位となる第2櫛歯電極と
    を、その櫛歯電極指どうしが噛み合うように配置させて
    形成される容量発生電極とを設けてなるLC回路の容量
    調整方法であって、 前記第2櫛歯電極の櫛歯電極指の所定数のみを切断する
    第1の切断工程と、 該第1の切断工程によって切断された第2櫛歯電極の櫛
    歯電極指と隣接する第1櫛歯電極の所定櫛歯電極指を切
    断する第2の切断工程とから成ることを特徴とするLC
    回路の容量調整方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002198763A (ja) * 2000-12-26 2002-07-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 共振器
US6445564B1 (en) 1999-02-25 2002-09-03 Fujitsu Limited Power supply bypass capacitor circuit for reducing power supply noise and semiconductor integrated circuit device having the capacitor circuit
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