JPH07297637A - 共振回路基板 - Google Patents

共振回路基板

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JPH07297637A
JPH07297637A JP9017294A JP9017294A JPH07297637A JP H07297637 A JPH07297637 A JP H07297637A JP 9017294 A JP9017294 A JP 9017294A JP 9017294 A JP9017294 A JP 9017294A JP H07297637 A JPH07297637 A JP H07297637A
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JP
Japan
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conductor
conductors
circuit board
capacitance
frequency
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JP9017294A
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Koichiro Kanai
幸一郎 金井
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は基板が小型化し、且つ周波数の調整
範囲が広く、さらに粗調整・微調整も任意に行うことが
できる共振回路基板を提供することになる。 【構成】複数の誘電体層1a〜1dと、該誘電体層の第
1の層間(1aと1b)に配置したアース導体層5と、
該誘電体層の第2の層(1bと1c)間に該アース導体
層5と対向するように配置した容量電極パターン6a〜
6cとから成る多層回路基板1の表面に、インダクタン
ス発生導体であるマイクロストリップ導体2と、該マイ
クロストリップ導体2の線路長を調整するための複数の
スタブ導体3a〜3eと、前記マイクロストリップ導体
2及び前記容量電極パターン6a〜6cに接続するトリ
ミング導体4a〜4cとを形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電圧制御型発振回路な
どに用いられるマイクロストリップ線路、コイルパター
ンなどのインダクタンス成分を発生する導体を含むL−
C共振回路基板に関し、特に共振周波数調整において、
調整幅が広く、且つ粗調整及び微調整が可能な共振回路
基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、移動体通信機などに用いられ
る電圧制御型発振回路(VCO)は、図5に示すよう
に、主に共振回路部X、負性抵抗回路部Y、増幅回路部
Zとから構成されている。
【0003】図5において、共振回路部Xはマイクロス
トリップ線路SL1 、SL2 、可変容量ダイオードC
v、コンデンサC1 〜C5 、抵抗R1 〜R2 から成る共
振回路部であり、YはトランジスタQ1 、抵抗R5 〜R
6 、コンデンサC6 〜C8 から成る負性抵抗回路部であ
り、ZはトランジスタQ2 、マイクロストリップ線路S
3 、抵抗R3 〜R4 、コンデンサC9 〜C11から成る
増幅回路部である。
【0004】このようなVCOの回路において、共振回
路部Xのコントロール端子Vtより所定電圧(以下、制
御電圧という)が印加されると、可変容量ダイオードC
vの両端の電圧が変化し、この電圧に応じた所定容量が
発生する。これにより、マイクロストリップ線路SL1
のインダクタンス成分と、可変容量ダイオードCvの制
御電圧によって変動する容量、コンデンサC2 〜C4
容量の合成容量とによって、所定周波数で共振して、そ
の共振信号がコンデンサC5 を介して負性抵抗回路部Y
に出力される。そして、負性抵抗回路部Y及び増幅回路
Zの動作して、出力端子RF−OUTより所定周波数の
発振信号が導出される。
【0005】上述のVCOの回路において、制御電圧に
よって発振信号の発振周波数が概略直線的に変化する
が、実際には、マイクロストリップ線路SL1 は誘電体
基板上に厚膜手法でマイクロストリップ導体として形成
されること、共振回路部Xを構成する各電子部品に特性
上のばらつきがあることなどから、制御電圧−発振周波
数特性の傾きがばらついてしまう。このため、特共振回
路部Xにおいける共振周波数の調整が必要となる。
【0006】この共振周波数を調整するためには、L−
Cの共振回路におけるインダクタンス成分(L成分)と
可変容量ダイオードCv以外のコンデンサC2 〜C4
容量成分(C成分)を調整して、制御電圧−発振周波数
特性の傾きがばらつきを調整する。
【0007】例えば、裏面にアース導体膜が形成された
誘電体基板上に、例えば図6(a)に示すようにインダ
クタンス成分を発生するマイクロストリップ線路SL1
に相当するマイクロストリップ導体61及び該マイクロ
ストリップ導体61の一端に接続する複数のスタブ導体
62a〜62dを形成しておき、選択的にスタブ導体6
2a〜62dを順次切断することにより、マイクロスト
リップ線路SL1 の線路長を変化させて周波数の調整を
行っていた。尚、63、64はアース導体膜に接続する
ビアホール導体である。
【0008】別の手段としては、誘電体基板上に、図6
(b)に示すように、インダクタンス成分を発生するコ
イルパターン導体65及び該コイルパターン導体65の
一端に接続するコンデンサC4 に相当する互いに噛み合
う1対の櫛歯電極パターン66、64を形成しておく。
尚、櫛歯電極パターン66、64には夫々互いに対向し
あう櫛歯電極指66a〜66e、67a〜67dが形成
されている。そして、この櫛歯電極指66a〜66e、
67a〜67dを選択的に除去切断して、コンデンサC
4 の容量成分を変化させて周波数の調整を行っていた。
尚、68、69はアース導体膜に接続するビアホール導
体である。
【0009】しかし、上述のいずれの構造であっても、
スタブ導体62a〜62bの選択的な切断又は櫛歯電極
指66a〜66e、67a〜67dの選択的な切断にお
いては、周波数の変動幅は均一幅であり、直線的な調整
しかできなかった。
【0010】さらに、調整可能な周波数幅を広くするた
めには、この調整手段を非常に多く形成しなければなら
ない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際には、イ
ンダクタンス成分を発生するマイクロストリップ体6
1、コイルパターン導体65が形成された基板上に、非
常に多くのスタブ導体や櫛歯電極パターンを形成するこ
とは実際に基板の占有面積を増加させることになる。
【0012】また、誘電体基板上に、周波数の変化率の
大きい粗調整用のスタブ導体又は櫛歯電極パターンと、
周波数の変化率の小さい微調整用のスタブ導体又は櫛歯
電極パターンとを形成することも考えられるが、この場
合であっても周波数の変化率の大きい粗調整用のスタブ
導体又は櫛歯電極パターンは、基板上での占有面積が比
較的大きなものとなってしまう。
【0013】尚、容量の調整によって粗調整を行うため
に、その容量が大きな容量で変動することが重要とな
る。そこで、図6(a)において、基板の厚み方向を利
用して、基板表面の電極パターンと基板裏面とのアース
導体パターン(コンデンサC4の一端がアース導体に接
地しているため)を形成することも考えられる。この場
合、占有面積に限度があるため、基板の厚みを薄くし
て、容量を大きくするが、基板の厚みを薄くすること
は、マイクロストリップ線路SL1 のQ値の劣化を発生
させることになる。
【0014】本発明は上述の問題点に鑑みて案出された
ものであり、その目的は、占有面積が極小化され、且つ
周波数の調整範囲が広く、さらに粗調整・微調整も任意
に行うことができる共振回路基板を提供することにな
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、何れの手
段によっても達成される。
【0016】第1の発明は、複数の誘電体層と、該誘電
体層の第1の層間に配置したアース導体層と、該誘電体
層の第2の層間に該アース導体層と対向するように配置
した容量電極パターンとから成る多層回路基板の表面
に、インダクタンス発生導体と、該インダクタンス発生
導体の線路長を調整するための複数のスタブ導体と、前
記インダクタンス発生導体及び前記容量電極パターンに
接続するトリミング導体を形成した共振回路基板であ
る。
【0017】第2の発明は、複数の誘電体層と、該誘電
体層の第1の層間に配置したアース導体層と、該誘電体
層の第2の層間に該アース導体層と対向するように配置
した容量電極パターンとから成る多層回路基板の表面
に、インダクタンス発生導体と、容量の調整が可能な可
変容量手段と、前記可変容量手段及び前記容量電極パタ
ーンに接続するトリミング導体を形成した共振回路基板
である。
【0018】第3の発明は、複数の誘電体層から成る多
層回路基板内に、アース導体層を配置し、該アース導体
層と対向して、異なる容量を発生する複数の容量電極パ
ターンを配置するとともに、前記多層回路基板の表面
に、インダクタンス発生導体と該インダクタンス発生導
体及び複数の容量電極パターンに接続するトリミング導
体を形成した共振回路基板である。
【0019】
【作用】いずれの発明においても、調整可能な周波数幅
に広くし、且つ粗調整を行うための手段は容量成分で行
われ、この容量は多層回路基板の内部に形成されてい
る。従って、多層回路基板の表面には、インダクタンス
発生導体、インダクタンス発生導体に接続する周波数の
調整のための切断対象導体(スタブ導体、トリミング導
体)が形成されている。
【0020】第1の発明においては、周波数の微調整用
の手段がインダクタンス発生導体の線路長を変化させる
ためのスタブ導体であり、周波数の粗調整用の手段が多
層基板の内部に形成された容量成分であり、基板の表面
には、インダクタンス発生導体、スタブ導体及び容量成
分と接続し、選択的に切断されるトリミング導体であ
る。
【0021】第2の発明においては、周波数の微調整用
の手段が一対の櫛歯電極パターンで発生する容量であ
り、周波数の粗調整用の手段が多層基板の内部に形成さ
れた容量成分であり、基板の表面にはインダクタンス発
生導体、占有面積が小さい一対の櫛歯電極パターン及び
容量成分と接続し且つ選択的に切断されるトリミング導
体である。
【0022】第3の発明においては、周波数の微調整用
の手段及び粗調整の手段が何れも多層基板の内部に形成
された容量成分(異なる容量の得られる第1の容量成分
と第2の容量成分)であり、基板の表面には、インダク
タンス発生導体及び第1の容量成分、第2の容量成分と
接続し、選択的に切断される第1のトリミング導体、第
2のトリミング導体である。
【0023】従って、何れの発明においては、共振周波
数の粗調整はC成分の変化によって行っていること、粗
調整を行うこの比較的大きな容量を多層回路基板を構成
する所定の誘電体層を挟むようにして配置された容量電
極パターンとアース導体層間で発生させていることであ
り、これにより、大きな占有面積を必要とする粗調整用
容量手段を多層回路基板内に配置しており、基板表面に
は、インダクタンス発生導体や占有面積が小さい微調整
用のスタブ導体や微調整用可変容量手段や大容量成分と
接続して選択的に切断されるトリミング導体のみである
ため、基板の平面面積が小さくなる。
【0024】また、粗調整用手段と微調整用手段を併用
しているため、周波数の調整可変幅が広く、且つ細かな
調整を行うことができる。
【0025】結局、このような共振回路基板を用いて例
えば電圧制御発振器を構成した場合、共振特性のばらつ
きがなく、小型で高性能の電圧制御発振器となる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の共振回路を図面に基づいて説
明する。尚、実施例では、図5に示した電圧制御発振回
路に使用する共振回路を用いて説明する。
【0027】図1は、本発明の第1の発明に相当する共
振回路基板の分解斜視図であり、図5中の点線Wで囲ま
れたマイクロストリップ線路SL1 とコンデンサC4
に相当する。
【0028】共振回路基板1は、複数、例えば4層の誘
電体層1a〜1dから構成され、基板1の表面及び内部
に各種導体膜が形成されて構成されている。
【0029】基板1の表面には、インダクタンス発生導
体であるマイクロストリップ線路SL1 に相当するマイ
クロストリップ導体膜2、該マイクロストリップ導体膜
2の一端に被着形成した複数のスタブ導体3a〜3e、
マイクロストリップ導体膜2の一端とコンデンサC4
を接続する例えば3つのトリミング導体膜4a〜4cが
夫々形成されている。
【0030】また、誘電体層1aと誘電体層1bとの間
には第1のアース導体膜5が形成されている。誘電体層
1bと誘電体層1cとの間にはコンデンサC4 に相当す
る容量を発生するための例えば3つの容量電極パターン
6a〜6cが形成されている。誘電体層1cと誘電体層
1dとの間には第2のアース導体膜7が形成されてい
る。
【0031】マイクロストリップ導体膜2の他端には、
誘電体層1aの厚みを貫通して第1のアース導体膜5と
接続するするようにビアホール導体2z(図では点線で
示す)が形成されている。また、スタブ導体3a〜3e
の中でマイクロストリップ導体膜2の他端(アースに接
地)に遠いスタブ導体(図では3e)には、誘電体層1
aの厚みを貫通して第1のアース導体膜5と接続するす
るようにビアホール導体3zが形成されている。さら
に、各トリミング導体膜4a〜4cの一端には、誘電体
層1aの厚み、第1のアース導体膜5、誘電体層1bの
厚みを貫通して各容量電極パターン6a〜6cと一対一
に接続するビアホール導体6z・・・が形成されてい
る。尚、ビアホール導体6z・・・は、第1のアース導
体膜5と短絡しないように、その一部5a〜5cが除去
されている。
【0032】また、図1には示していないが、第1のア
ース導体膜5と第2のアース導体膜7とは、ビアホール
導体や多層基板の端面を利用して互いに電気的に接続さ
れている。
【0033】以上の構成によって、各容量電極パターン
6a〜6cと第1、第2のアース導体膜5、7との間
(誘電体層1b、1cの厚み)で比較的大きな容量が発
生し、マイクロストリップ導体2及びスタブ導体3a〜
3eでインダクタンス成分が発生し、これによりL−C
共振回路が達成される。実際には容量成分はコンデンサ
4 に相当する容量電極パターン6a〜6cで発生する
容量以外に、コンデンサC2 〜C3 、Cvの各容量とが
合成され、共振回路のC成分となる。
【0034】次に、共振周波数の調整について説明す
る。共振周波数の調整方法としては、粗調整方法、微調
整方法のを単独または併用して行う。
【0035】粗調整方法は、トリミング導体4a〜4c
を順次切断することによって達成される。例えば、トリ
ミング導体を何れも切断しない場合は、図2の特性図の
点A4の周波数の変化の状態である。
【0036】次に、容量電極パターン6a〜6cと接続
するトリミング導体4a〜4cの1つ、例えば4aのみ
を切断すると、周波数が9MHz上昇して、点B4 のよ
うになる。同様に、トリミング導体4a〜4cをさらに
1つのトリミング導体4bを切断する(切断したトリミ
ング導体は4a、4b)と、さらに周波数が9MHz上
昇して点C4 となり、全てのトリミング導体4a〜4c
を切断すると、点D4となる。
【0037】これは、共振周波数の変化に大きく影響を
及ぼす、基板1の内部に形成した比較的大きな容量が順
次減少するためである。
【0038】微調整方法は、マイクロストリップ導体2
の一端に形成した複数のスタブ導体3a〜3dの中心部
分を順次切断することによって行われる。これによっ
て、L−C共振回路のL成分が変化して共振周波数が減
少する。尚、スタブ導体3eはビアーホール導体3zが
形成されており、このスタブ導体3eを切断することに
よって、このビアーホール導体3zに影響を与え、マイ
クロストリップ導体2とアース導体5との接続が断線し
てしまうことを考慮して、スタブ導体3eを切断の対象
としていないが、ビアーホール導体3zの形成位置など
をよって、スタブ導体3eを切断の対象としてもよい。
【0039】例えば、トリミング導体4a〜4cのいず
れも切断していない状態(点AO の共振周波数に相当)
で、スタブ導体3a〜3dを順次切断すると、図2にお
ける点AO から点A1 、A2 、A3 、A4 と周波数が約
2.2MHzづつ減少する。
【0040】同様に、トリミング導体4a〜4cの1つ
のみが切断された状態(点BO の共振周波数に相当)
で、スタブ導体3a〜3dを順次切断すると、図2にお
ける点BO から点B1 、B2 、B3 、B4 と周波数が徐
々に減少する。同様に、トリミング導体4a〜4cの2
つのみが切断された状態(点CO の共振周波数に相当)
で、スタブ導体3a〜3dを順次切断すると、点CO
ら点C1 、C2 、C3 、C4 と周波数が徐々に減少し、
トリミング導体4a〜4cが全て切断された状態で、ス
タブ導体3a〜3dを順次切断すると、点DO から点D
1 、D2 、D3 、D4 と周波数が徐々に減少することに
なる。
【0041】即ち、予め共振回路を設計する場合、制御
電圧−発振周波数のばらつきを想定して、共振周波数を
例えば、点A4 〜点DO の範囲に設定しておき、任意の
スタブ導体3a〜3dの切断、任意のトリミング導体4
a〜4cの切断、また両者の組み合わせによって、所望
の周波数に調整することができる。
【0042】また、粗調整用の調整は周波数調整幅を広
くすることに大きく寄与でき、目的とする周波数に迅速
に到達することができ、しかも、スタブ導体3a〜3d
との組み合わせによって精度の高い調整が可能となる。
【0043】尚、スタブ導体3a〜3dを全て切断した
時の周波数変化量を、トリミング導体4a〜4cの1つ
を切断した時の変化量とすれば、スタブ導体3a〜3d
の切断による変化量分に対応する精度高い調整が、周波
数調整の全ての領域で行うことができる。
【0044】また、構造的には、誘電体多層回路基板1
の表面には、マイクロストリップ導体2及び切断の対象
となるスタブ導体3a〜3eとトリミング導体4a〜4
cが形成されており、基板における専有面積が比較的大
きなL−C共振回路の共振周波数に大きな変化率をもた
らす手段、即ち容量成分が多層回路基板1の内部に形成
されている。
【0045】このため、スタブ導体3a〜3eとトリミ
ング導体4a〜4cなどの切断処理、具体的にはレーザ
ー照射などの光学的な処理、サンドブラスト、罫欠きな
どの機械的な処理を多層回路基板1の表面のみで行える
ため、実際の調整が非常に簡単となり、L−C共振回路
の共振周波数に大きな変化率をもたらす手段が多層回路
基板1の内部に形成されていることから、この必要面積
が基板1の表面になんら影響を与えず、共振回路全体を
小型化することができる。
【0046】次に、上述の共振回路の製造方法を簡単に
説明する。
【0047】まず、各誘電体層1a〜1dとなる誘電体
セラミックグリーンシートを用意する。次に、各グリー
ンシートのビアホール導体となる位置にパンチング加工
によりスルーホールを形成する。
【0048】次に、各誘電体層1a〜1cのスルーホー
ル内に、Ag、Cuなどの低抵抗導体材料を主成分とす
る導電性ペーストを充填を行う。さらに、各誘電体層1
b〜1d上に、Ag、Cuなどの低抵抗導体材料を主成
分とする導電性ペーストをスクリーン印刷によって第1
のアース導体5となる導体膜、容量電極パターン6a〜
6cに相当する導体膜、第2のアース導体7となる導体
膜を形成する。
【0049】次に、各グリーンシートを順次積層し、熱
圧着を行い、所定形状に分割するための分割溝を形成す
る。
【0050】次に、このグリーンシートの積層体を焼成
する。尚、上述の導電性ペーストにAg系導体を用いた
場合、大気雰囲気や中性雰囲気で、Cu系導体を用いた
場合、還元性雰囲気や中性雰囲気で焼成処理を行う。
【0051】次に、焼成された積層体の表面に、マイク
ロストリップ導体2となる導体膜、スタブ導体3a〜3
eとなる導体膜、トリミング導体4a〜4cとなる導体
膜を上述の導電性ペーストを用いて被着形成し、焼きつ
け処理を行う。
【0052】最後に、分割溝に沿って所定形状に分割処
理して、多層回路基板が達成する。
【0053】尚、表面の各導体膜の被着形成を、グリー
ンシートの積層後に行い、グリーンシートの積層体と一
括的に焼成処理しても構わない。また、この基板上に他
の電子部品を搭載させる場合、マイクロストリップ導体
2となる導体膜、スタブ導体3a〜3eとなる導体膜、
トリミング導体4a〜4cとなる導体膜を形成すると同
時に所定配線パターンを形成して、分割処理する前後に
各種電子部品を半田接合することもできる。
【0054】尚、上述の実施例において、コンデンサC
4 に相当する容量は、容量電極パターン6a〜6cと対
向する第1のアース導体5及び第2のアース導体7との
間で発生する容量の合成であるが、容量電極パターン6
a〜6cと対向するアース導体として、容量電極パター
ン6a〜6cの形状を大きくする必要があるが、一方の
みのアース導体としても構わない。特に、第1のアース
導体5は、マイクロストリップ導体2と容量電極パター
ン6a〜6cとが直に対向することを遮断することにも
作用しているので、第1のアース導体5を省略する場合
には、マイクロストリップ導体2と容量電極パターン6
a〜6とが対向しないようするため、基板形状が大きく
なること、また、マイクロストリップ導体2と第2のア
ース導体7との間隔が増加することによる特性の変化し
てしまうことなどを考慮すれば、省略することのできる
アース導体は、第2のアース導体7が望ましい。
【0055】次に、第2の発明を図3に基づいて説明す
る。
【0056】第1の発明は、周波数の微調整をスタブ導
体による主にL成分で、周波数の粗調整をC成分で行っ
ているが、本実施例では、両調整をC成分で行うもので
ある。
【0057】その構造は、図3に示すように、マイクロ
ストリップ導体2の一端に互いに噛み合う一対の櫛歯状
の容量電極パターン31、32が形成されている。ま
た、マイクロストリップ導体2の一端に接続する容量電
極パターン31から延びるようにトリミク電極4a〜4
cが形成されている。尚、トリミク電極4a〜4cは、
第1の発明と同様に、内部に形成された容量電極パター
ン6a〜6cにビアホール導体6z・・を介して接続さ
れている。
【0058】一対の櫛歯状の容量電極パターン31、3
2は、夫々の容量電極パターン31、32から延びる櫛
歯電極指31a、31b・・・、32a、32b・・・
どうしが対向して、その対向距離、対向間隔に対応して
所定容量が発生する。この容量は、多層回路基板1の内
部で発生する容量、即ち容量電極パターン6a、6b、
6cと第1及び第2のアース導体5、7に誘電体層1
b、1cを介して発生する容量に比較して、非常に小さ
い容量となる。
【0059】従って、各櫛歯電極指31a、31b・・
・、32a、32b・・・やその基部をレーザー照射な
どの光学的的な切断処理、サンドブラスト、罫欠き処理
などの機械的な切断処理によって、順次切断することに
より、容量成分の微小な変化が達成できる。
【0060】尚、この実施例では、粗調整及び微調整の
両方をC成分の変化によっておこなっているため、粗調
整及び微調整では、共振周波数が上昇する方向となる。
【0061】従って、粗調整において、トリミング導体
4a〜4cを全く切断していない場合は、図2の点A4
に相当して、1つのトリミング導体例えば4aを切断す
ることにより、点B4 に共振周波数が上昇し、2つのト
リミング導体例えば4a、4bを切断することにより、
点C4 に共振周波数が上昇し、全てのトリミング導体例
えば4a〜4cを切断することにより、点D4 に共振周
波数が上昇する。
【0062】また、微調整において、点A4 、点B4
点C4 、点D4 を切片として、櫛歯電極指31a、31
b・・・、32a、32b・・・を順次切断することに
より、微調整用の容量成分が減少して、合成容量が順次
減少していく。即ち、例えば粗調整終了後、点A4 の共
振周波数が、点A3 、点A2 、点A1 、点AO と共振周
波数を順次上昇させることができ、同様に、点B4 の共
振周波数を点B3 、点B2 、点B1 、点BO と、点C4
の共振周波数を点C3 、点C2 、点C1 、点CO と、点
4 の共振周波数を点D3 、点D2 、点D1 、点DO
共振周波数を順次上昇させることができる。
【0063】従って、この各櫛歯電極指31a、31b
・・・、32a、32b・・・のみの切断、トリミング
導体4a〜4cのみの切断、さらに両者の切断によって
周波数の可変幅を広くして、且つ精度の高い、迅速な調
整が達成される。
【0064】また、構造的には、第1の発明と同様に、
誘電体多層回路基板1の表面には、マイクロストリップ
導体2及び切断の対象となる一対の櫛歯状の容量電極パ
ターン31、32とトリミング導体4a〜4cが形成さ
れており、粗調整用容量成分が多層回路基板1の内部に
形成されている。このため、櫛歯状の容量電極パターン
31、32とトリミング導体4a〜4cなどの切断処理
などを多層回路基板1の表面のみで行えるため、実際の
調整が非常に簡単となる。
【0065】また、共振回路全体を小型化することがで
きる。
【0066】次に、第3の発明を図4に基づいて説明す
る。
【0067】第1、第2の発明において、周波数の微調
整のための手段が基板1の表面に形成されており、周波
数の粗調整のための手段が基板1の内部に形成されてい
るが、本実施例では、両調整をC成分で、且つその容量
を全て基板1の内部で発生している。
【0068】その構造は、図4に示すように、誘電体層
1c上には、比較的大きな容量を発生させるための大き
い面積の容量電極パターン6a〜6c(便宜的に第1の
容量電極パターンという)が形成されているとともに、
比較的小さな容量を発生させるための小さな面積の第2
の容量電極パターン33a〜33dが形成されている。
尚、第2の容量電極パターン33a〜33dの面積は、
夫々の面積の合計が1つの第1の容量電極パターンと略
等しく、個々の第2の容量電極パターン33a〜33c
の面積は、その合成した面積を第2の容量電極パターン
33a〜33dの数、例えば4つで均等に分割した面積
に相当する。
【0069】また、基板1の表面には、マイクロストリ
ップ導体2、該マイクロストリップ導体2の一端に接続
し、第1のトリミング導体4a〜4c、第2のトリミン
グ導体34a〜34dが形成されている。尚、第1のト
リミング導体4a〜4cはビアホール導体6zを介して
第1の容量電極パターン6a〜6cに接続し、第2のト
リミング導体34a〜34dは、ビアホール導体34z
・・・を介して第2の容量電極パターン33a〜33d
に接続する。
【0070】即ち、第2のトリミング導体34a〜34
dを順次切断することにより、周波数の微調整が可能と
なり、第1のトリミング導体4a〜4cを順次切断する
ことにより、周波数の粗調整が可能となり、結果とし
て、第1の発明や第2の発明同様に、周波数の可変幅を
広くして、且つ精度の高い、迅速な調整が達成される。
【0071】また、構造的には、第1の発明、第2の発
明と同様に、多層回路基板1の表面には、マイクロスト
リップ導体2及び切断の対象となる第1のトリミング導
体4a〜4cと第2のトリミング導体34a〜34dと
が形成されており、特に、L−C共振回路の共振周波数
に大きな変化率をもたらす手段、即ち容量成分が多層回
路基板1の内部に形成されている。このため、第1のト
リミング導体4a〜4c、第2のトリミング導体34a
〜34dなどの切断処理などを多層回路基板1の表面の
みで行えるため、実際の調整が非常に簡単となる。ま
た、L−C共振回路の共振周波数に大きな変化率をもた
らす手段、即ち大きな面積を必要とする手段が多層回路
基板1の内部に形成されていることから、この必要面積
が基板1の表面になんら影響を与えず、共振回路全体を
小型化することができる。
【0072】尚、本実施例において、各容量電極パター
ン6a〜6c、33a〜33dが同一誘電体層間、即ち
1bと1cに形成されているが、夫々を異なる層間に形
成してもよい。この時、誘電体層の全体の層数が5層、
6層となることもある。
【0073】また、上述の各実施例において、共振回路
基板は電圧制御発振器を用いるものとして説明している
が、共振回路を用いる全ての機器、例えばフィルタ部品
などにも広く用いることができる。
【0074】また、上述の実施例において、L−C共振
回路のインダクタンス成分をマイクロストリップ導体に
よって発生しているが、マイクロストリップ導体に替え
てコイルパターン導体としても構わない。
【0075】
【発明の効果】以上、本発明の第1乃至第3の発明によ
れば、L−Cの共振回路の周波数を調整する手段とし
て、微調整用手段と粗調整用手段が併用されているた
め、周波数の可変範囲が広く、精度の高い、且つ迅速な
調整が可能となる。
【0076】しかも、特に基板での占有面積が大きくな
る粗調整用手段を多層回路基板の内部、即ち容量電極パ
ターンとアース導体膜との間の容量で発生させているの
で、基板の平面面積が増大することを抑えることがで
き、基板の小型化が達成できる。
【0077】結局、このような共振回路基板を用いて例
えば電圧制御発振器を構成した場合、共振特性のばらつ
きがなく、小型で高性能の電圧制御発振器となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の共振回路基板の分解斜視図であ
る。
【図2】第1の発明の共振回路基板による周波数の調整
度合いを示す特性図である。
【図3】第2の発明の共振回路基板の分解斜視図であ
る。
【図4】第3の発明の共振回路基板の分解斜視図であ
る。
【図5】一般的な電圧制御発振器の回路構成を説明する
回路図である。
【図6】(a)は従来の共振回路基板の平面図であり、
(b)は従来の他の共振回路基板の平面図である。
【符号の説明】
X・・・・共振回路部 Y・・・・負性抵抗回路部 Z・・・・増幅回路部 SL1 、SL2 、SL2 ・・マイクロストリップ線路 Cv・・・・・・・・・・・可変容量ダイオード C1 〜C11 ・・・・・・・コンデンサ R1 〜R4 ・・・抵抗 1・・・・・・多層回路基板 1a〜1c・・誘電体層 2・・・・マイクロストリップ導体 3a〜3e・・スタブ導体 31〜32・・櫛歯状の容量電極パターン 33a〜33d・・第2のトリミング導体 4a〜4c・・・トリミング導体 5・・・・第1のアース導体 6a〜6c・・・容量電極パターン 34a〜34d・・第2の容量電極パターン 7・・・・第2の導体パターン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の誘電体層と、該誘電体層の第1の
    層間に配置したアース導体層と、該誘電体層の第2の層
    間に該アース導体層と対向するように配置した容量電極
    パターンとから成る多層回路基板の表面に、インダクタ
    ンス発生導体と、該インダクタンス発生導体の線路長を
    調整するための複数のスタブ導体と、前記インダクタン
    ス発生導体及び前記容量電極パターンに接続するトリミ
    ング導体を形成したことを特徴とする共振回路基板。
  2. 【請求項2】 複数の誘電体層と、該誘電体層の第1の
    層間に配置したアース導体層と、該誘電体層の第2の層
    間に該アース導体層と対向するように配置した容量電極
    パターンとから成る多層回路基板の表面に、インダクタ
    ンス発生導体と、容量の調整が可能な可変容量手段と、
    前記可変容量手段及び前記容量電極パターンに接続する
    トリミング導体を形成したことを特徴とする共振回路基
    板。
  3. 【請求項3】 複数の誘電体層から成る多層回路基板内
    に、アース導体層を配置し、該アース導体層と対向し
    て、異なる容量を発生する複数の容量電極パターンを配
    置するとともに、前記多層回路基板の表面に、インダク
    タンス発生導体と該インダクタンス発生導体及び複数の
    容量電極パターンに接続するトリミング導体を形成した
    ことを特徴とする共振回路基板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0926932A2 (en) * 1997-12-26 1999-06-30 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. A multi-layer circuit board including a reactance element and a method of trimming a reactance element in a circuit board
EP1172882A2 (en) * 2000-07-11 2002-01-16 Murata Manufacturing Co., Ltd. Resonator

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EP1172882A3 (en) * 2000-07-11 2003-07-02 Murata Manufacturing Co., Ltd. Resonator

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