JPH1074338A - 光ディスク及びその製造方法 - Google Patents

光ディスク及びその製造方法

Info

Publication number
JPH1074338A
JPH1074338A JP8247121A JP24712196A JPH1074338A JP H1074338 A JPH1074338 A JP H1074338A JP 8247121 A JP8247121 A JP 8247121A JP 24712196 A JP24712196 A JP 24712196A JP H1074338 A JPH1074338 A JP H1074338A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
disk substrate
stamper
disk
reflective layer
pits
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8247121A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Kawasaki
実 川崎
Wataru Ogawa
渉 小川
Toyohito Asanuma
豊人 浅沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
Priority to JP8247121A priority Critical patent/JPH1074338A/ja
Publication of JPH1074338A publication Critical patent/JPH1074338A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1,第2ディスク基板の信号特性を良好に
する。 【解決手段】 第1スタンパ(ニッケルスタンパ)4を
成形型として、記録情報を所定巾Wの凹状ピットOP
に変換して凹状ピットOPを螺旋状又は同心円状のトラ
ックTに複数形成し、且つ、隣り合うトラックT間を凸
状にして第1ディスク基板5を成形する一方、第2スタ
ンパ(石英スタンパ)15を成形型として、記録情報を
所定巾Wと異なる巾Wの凸状ピットTPに変換して
凸状ピットTPを螺旋状又は同心円状のトラックTに複
数形成し、且つ、隣り合うトラックT間を凹状にして第
2ディスク基板15を成形して、第1ディスク基板5と
第2ディスク基板15とを半透明反射層6を介して積層
し、且つ、半透明反射層6と反対側の第2ディスク基板
15上に反射層16を膜付けして光ディスク18,19
を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、コンパクトディスク(C
D),ROM型コンパクトディスク(CD−ROM),
対話型コンパクトディスク(CD−I),ビデオディス
ク(VD)などの円板状の光ディスクは、音声情報,画
像情報,文字情報などの記録情報を凹状ピットに変換し
て収録していることは周知である。
【0003】ところで、光ディスクに記録する情報を大
容量化するために、多層構造による光ディスクの一例が
特公平8−23941号公報に開示されている。
【0004】図1は一般的な光ディスクに記録された記
録ピットの形状を説明するための斜視図、図2は従来の
光学式情報記録担体及びその製造方法を説明するために
径方向に断面して工程順に示した断面図である。
【0005】まず、図1に示した如く、一般的に、円盤
状の光ディスクは、音声情報,画像情報,文字情報など
の記録情報をディジタル的に0,1の信号に変換して、
更にこれらを凹状ピットPに変換して凹状ピットPを螺
旋状又は同心円状のトラックTに沿ったピット列として
記録している。この際、光ディスクを径方向に断面した
時には隣り合うトラックTとの間は凸状に形成されてい
ることから、以下の説明では光ディスクを径方向に断面
した断面図を用いて説明する。
【0006】図2に示した従来の光学式情報記録担体及
びその製造方法は、特公平8−23941号公報に開示
されており、ここでは簡略に説明する。
【0007】まず、図2(a)に示した如く、第1記録
ピットP1を担持した透明基板101を用意する。この
透明基板101は、その表面に螺旋状又は同心円状のト
ラックTに第1記録ピットP1が配列されたニッケルス
タンパ(図示せず)を用いて、透明樹脂を射出成形して
得られたものである。
【0008】次に、図2(b)に示した如く、透明基板
101の第1記録ピットP1を担持した表面に第1反射
層102を膜付けする。第1反射層102は、同号公報
の第1実施例で珪素(Si)が蒸着され、第2実施例で
誘電体多層反射層が蒸着されている。
【0009】次に、図2(c)に示した如く、透明スタ
ンパ103のピット面上に、液状の放射線硬化型樹脂1
04を供給し、この上に透明基板101の第1反射層1
02を載置する。
【0010】次に、図2(d)に示した如く、透明スタ
ンパ103側から放射線を照射して放射線硬化型樹脂1
04を硬化させると共に、透明スタンパ103の第2記
録ピットP2を放射線硬化型樹脂104に転写する。
【0011】次に、図2(e)に示した如く、放射線硬
化型樹脂104の硬化後、透明スタンパ103を剥離す
る。
【0012】次に、図2(f)に示した如く、放射線硬
化型樹脂104の第2記録ピットP2を担持した表面に
第2反射層105を膜付けする。第2反射層105は、
同号公報の第1実施例でアルミニウム(Al)が蒸着さ
れ、第2実施例で誘電体多層反射層が蒸着されている。
【0013】次に、図2(g)に示した如く、第2反射
層105を保護する放射線硬化型樹脂からなる保護層1
06を積層して、反射光帯域が互いに異なる第1反射層
102,第2反射層105を積層した光ディスクを得て
いる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来の光学式情報記録担体及びその製造方法によれば、光
ディスクは反射光帯域が互いに異なる第1反射層10
2,第2反射層105を有しているので、1枚の光ディ
スクで2枚分の情報量を得ることができ、大容量化を図
ることができるものの、図示しないニッケルスタンパに
形成された第1記録ピットP1と、透明スタンパ103
に形成された第2記録ピットP2とは寸法関係に何等の
指定もないことから、これらの第1,第2記録ピットP
1,P2を転写した光ディスクを再生した時に、第1,
第2記録ピットP1,P2による再生信号パターンの判
別ができにくい。
【0015】また、放射線硬化型樹脂104及び放射線
硬化型樹脂からなる保護層106を硬化させるには放射
線を照射しなければならないので、既存の設備を使用で
き得ず、且つ、作業者への安全性などを考慮する必要が
あり、光ディスクの生産性が劣っているなどの問題点が
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、第1の発明は、記録情報を所定
巾の凹状ピットに変換して該凹状ピットを螺旋状又は同
心円状のトラックに複数形成し、且つ、隣り合うトラッ
ク間を凸状に形成した第1ディスク基板と、記録情報を
前記所定巾と異なる巾の凸状ピットに変換して該凸状ピ
ットを螺旋状又は同心円状のトラックに複数形成し、且
つ、隣り合うトラック間を凹状に形成した第2ディスク
基板と、前記第1ディスク基板と前記第2ディスク基板
との間に介在させた半透明反射層と、前記半透明反射層
と反対側の前記第2ディスク基板上に膜付けした反射層
とで形成したことを特徴とする光ディスクである。
【0017】また、上記発明の光ディスクにおいて、前
記第2ディスク基板は、収縮率6〜11%,ヤング率1
300〜4000Kg/cm,ショア硬度D60〜7
5からなるウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂を用
いて形成したことを特徴とする光ディスクである。
【0018】また、上記発明の光ディスクにおいて、前
記半透明反射層は、微量の活性化金属が添加されている
無機物質からなり、且つ、前記ウレタンアクリレート系
紫外線硬化樹脂に対して接着力があるもの用いたことを
特徴とする光ディスクである。
【0019】更に、第2の発明は、電鋳処理されたニッ
ケルスタンパを成形型として、記録情報を所定巾の凹状
ピットに変換して該凹状ピットを螺旋状又は同心円状の
トラックに複数形成し、且つ、隣り合うトラック間を凸
状にして第1ディスク基板を成形する一方、エッチング
処理された石英スタンパを成形型として、記録情報を前
記所定巾と異なる巾の凸状ピットに変換して該凸状ピッ
トを螺旋状又は同心円状のトラックに複数形成し、且
つ、隣り合うトラック間を凹状にして第2ディスク基板
を成形して、前記第1ディスク基板と前記第2ディスク
基板とを半透明反射層を介して積層し、且つ、前記半透
明反射層と反対側の前記第2ディスク基板上に反射層を
膜付けして光ディスクを製造することを特徴とした光デ
ィスクの製造方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係わる光ディスク
及びその製造方法の一実施例を図3乃至図7を参照して
詳細に説明する。
【0021】図3は本発明に係わる光ディスク及びその
製造方法を説明するために径方向に断面して工程順に示
した断面図、図4は本発明に係わる光ディスクにおい
て、第1,第2ディスク基板のピット形状による信号パ
ターンを説明するための図である。
【0022】本発明に係わる光ディスク及びその製造方
法を説明する前に、ここで用いられる第1,第2ディス
ク基板用の第1,第2カッティング盤1,11及び第
1,第2スタンパ4,14を作成する工程について順を
追って説明する。
【0023】まず、図3(工程1)に示した如く、第1
ディスク基板用の第1カッティング盤1を作成するに
は、円盤状のガラス盤2の表面を精度良く研磨加工した
後、これにラジカル酸素処理を施して濡れ性を改善し
て、有機高分子樹脂レジストの密着性を向上させてレジ
スト膜3をガラス盤2上に膜付する。この後、レジスト
膜3上に記録情報を所定巾Wで楕円状のピット列とし
て露光記録し、ここでレジスト膜3をエッチング処理す
ることにより第1カッティング盤1を得る。上記第1カ
ッティング盤1は、記録情報を所定巾Wの凹状ピット
OPに変換して凹状ピットOPを螺旋状又は同心円状の
トラックTに複数形成し、且つ、隣り合うトラックT間
を凸状に形成したものである。
【0024】次に、図3(工程2)に示した如く、第1
カッティング盤1から周知のニッケル電鋳処理により、
第1スタンパ(ニッケルスタンパ)4を作成する。この
第1スタンパ4は、第1カッティング盤1の凹凸状を反
転させて、所定巾Wの凸状ピットTPを有して隣り合
うトラックT間を凹状に転写したものである。この際、
第1スタンパ4上に残っている有機高分子樹脂レジスト
をラジカル酸素アッシングにより完全に除去している。
【0025】一方、図3(工程3)に示した如く、第2
カッティング盤11を作成するには、円盤状の石英盤1
2の表面を精度良く研磨加工した後、有機高分子樹脂レ
ジストを用いてレジスト膜13を石英盤12上に膜付す
る。そして、第2カッティング盤11は、第1カッティ
ング盤1と異なって石英盤12上にレジスト膜13を膜
付した状態のままである。ここで、第2カッティング盤
11に石英盤12を採用した理由を説明すると、下記す
るように石英盤12は直接エッチング処理が可能であり
そのまま第2スタンパ14として作成することができる
からである。
【0026】次に、図3(工程4)に示した如く、第2
カッティング盤11のレジスト膜13上に記録情報を前
記所定巾Wと異なる巾Wで楕円状のピット列として
露光記録し、ここでレジスト膜3と石英盤12とを同時
にエッチング処理する。
【0027】次に、図3(工程5)に示した如く、エッ
チング処理後、石英盤12に残されたレジスト膜3を除
去して第2スタンパ14を得る。上記第2スタンパ14
は、第1スタンパ4の記録情報とは異なる記録情報を前
記所定巾Wと異なる巾Wの凹状ピットOPに変換し
て凹状ピットOPを螺旋状又は同心円状のトラックTに
複数形成し、且つ、隣り合うトラックT間を凸状に形成
したものである。この実施例では、第2スタンパ14の
凹状ピットOPの巾は、前記第1スタンパ4の凸状ピッ
トTPの巾より巾広く形成しているが、これに限ること
なく、両者の巾が異なっていれば良いものである。従っ
て、第2スタンパ14は、巾Wの凹状ピットOPを有
して隣り合うトラックT間を凸状に形成したものである
から、前記第1スタンパ14とはピットの巾が異なると
共に、ピット列の凹凸関係が反転している。
【0028】次に、第1,第2ディスク基板用の第1,
第2スタンパ4,14を夫々準備した後、光ディスクの
製造工程について順を追って説明する。
【0029】まず、図3(工程6)に示した如く、第1
スタンパ4を成形型として、ポリアクリレートとか、ポ
リカーボネートなどの透明樹脂を用いて、射出成形法又
は圧縮成形法もしくはPP法などによって、第1ディス
ク基板5を作成する。
【0030】上記第1ディスク基板5は、第1スタンパ
4の凸状ピットTPを反転させて、所定巾Wの凹状ピ
ットOPを有して隣り合うトラックT間を凸状に転写し
たものであるから、これにより、第1カッティング盤1
と同様の凹凸状になる。
【0031】次に、図3(工程7)に示した如く、第1
ディスク基板5に形成した凹凸状の面上に、蒸着または
スパッタにより半透明反射膜層6を膜付けする。ここ
で、半透明反射膜層6の材料として、微量の活性化金属
で例えばAl,Cuなどが添加されている無機物質で例
えばAuとかSiOとかZnSなどを用い、且つ、半
透明反射膜層6の材料は、後述する第2ディスク基板1
5の材料となるウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂
に対して接着力があるもの選択している。
【0032】次に、図3(工程8)に示した如く、第1
ディスク基板5に膜付けした半透明反射膜層6上に、収
縮率6〜11%,ヤング率1300〜4000Kg/c
,ショア硬度D60〜75からなるウレタンアクリ
レート系紫外線硬化樹脂を用意する。この際、ウレタン
アクリレート系紫外線硬化樹脂は、放射線を用いること
なく、紫外線を照射すれば硬化する材料であるので、既
存の設備を用いることができる。尚、ウレタンアクリレ
ート系紫外線硬化樹脂の上記諸特性については、図5乃
至図7を用いて後述する。
【0033】そして、PP法により第2スタンパ14を
成形型として、ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂
の上から第2スタンパ14を転写することにより、第2
ディスク基板15が半透明反射膜層6上に積層した状態
で得られる。
【0034】ここでは、第2スタンパ14を転写する
際、第1ディスク基板5の各トラックと第2ディスク基
板15の各トラックとが径方向に略一致するように第2
スタンパ14を取り付けている。
【0035】また、第2ディスク基板15を転写した後
の状態では、半透明反射膜層6を介して第1ディスク基
板5側の凹状ピットOP内にウレタンアクリレート系紫
外線硬化樹脂が進入している共に、第2スタンパ14側
では第2スタンパ14の凹凸状を反転させて、巾W
凸状ピットTPを有して隣り合うトラックT間を凹状に
転写したものとなる。従って、第1,第2ディスク基板
5,15を積層した状態では、第1ディスク基板5に形
成した所定巾Wの凹状ピットOPと、第2ディスク基
板15に形成した前記所定巾Wと異なる巾Wの凸状
ピットTPとが、互いに対向し合っている。
【0036】次に、図3(工程9)に示した如く、第1
ディスク基板5に半透明反射膜層6を介して第2ディス
ク基板15を積層した状態で、第2ディスク基板15に
形成した凸凹状の面上に、蒸着またはスパッタを用いて
例えばAl,AlTiなどによる反射層16を膜付す
る。この際、反射層16を膜付する前に、第2ディスク
基板15に形成した凸凸状の面上をラジカル酸素処理を
施しても良い。
【0037】次に、図3(工程10)に示した如く、第
2ディスク基板15に反射層16を膜付した上に、円盤
状のプラスチックシート17を接着剤を用いて貼り合わ
せて、片面読みだし用の光ディスク18を得る。この
際、片面読みだし用の光ディスク18は、第1ディスク
基板5側からレーザ光を照射し、半透明反射膜層6及び
反射層16から反射した戻り光を夫々読み出すものであ
る。
【0038】また、上記プラスチックシート17の材料
としては、例えばPC樹脂シートとかPVD樹脂シート
とかPET樹脂シートなどを用いている。また、上記接
着剤には、例えばエポキシ樹脂接着剤とかホットメルト
接着剤接着材とか紫外線硬化樹脂接着剤を用いている。
【0039】一方、図3(工程11)に示した如く、図
3(工程9)で第2ディスク基板15に反射層16を膜
付けした状態のもので記録情報が異なるものを2種類用
意し、夫々の反射層16,16を互いに対向させて、反
射層16,16間に例えばエポキシ樹脂接着剤とかホッ
トメルト接着剤接着材とか紫外線硬化樹脂接着剤を用い
て貼り合わせて、両面読みだし用の光ディスク19を得
る。この両面読みだし用の光ディスク19は、上下の第
1ディスク基板5,5側からレーザ光を照射し、各半透
明反射膜層6,6及び各反射層16,16から反射した
戻り光を夫々読み出すものである。尚、反射層16,1
6同士を貼り合わせる前にラジカル酸素処理を施しても
良い。
【0040】そして、上記の工程より製造された光ディ
スク18,19は、第1スタンパ(ニッケルスタンパ)
4を成形型として、記録情報を所定巾Wの凹状ピット
OPに変換して凹状ピットOPを螺旋状又は同心円状の
トラックTに複数形成し、且つ、隣り合うトラックT間
を凸状にして第1ディスク基板5を成形する一方、第2
スタンパ(石英スタンパ)15を成形型として、記録情
報を所定巾Wと異なる巾Wの凸状ピットTPに変換
して凸状ピットTPを螺旋状又は同心円状のトラックT
に複数形成し、且つ、隣り合うトラックT間を凹状にし
て第2ディスク基板15を成形して、第1ディスク基板
5と第2ディスク基板15とを半透明反射層6を介して
積層し、且つ、半透明反射層6と反対側の第2ディスク
基板15上に反射層16を膜付けしたものであるから、
これらの光ディスク18,19にレーザ光を照射して半
透明反射膜層6,反射層16からの反射した戻り光を夫
々読み出すと、図4に示した如く、半透明反射膜層6に
よる戻り光を再生した信号パターンSと、反射層16
による戻り光を再生した信号パターンSとが異なるた
め、両信号パターンS,Sを容易に判別することが
でき、従来例で説明した光ディスクよりも再生特性が良
好になる。
【0041】ここで、先に図3(工程7)で説明したウ
レタンアクリレート系紫外線硬化樹脂の諸特性について
の実験を行った結果を、図5乃至図7を用いて更に詳述
する。
【0042】まず、図5はウレタンアクリレート系紫外
線硬化樹脂の収縮率に対してニッケルスタンパ,石英ス
タンパからの剥離特性を示した図である。
【0043】図5中、△印はニッケルスタンパからの剥
離特性を示し、○印は石英スタンパからの剥離特性を示
している。同図において、ニッケルスタンパ,石英スタ
ンパからの剥離特性が良好の状態はクロスカット塗膜残
存率が小さい場合である。尚、クロスカット塗膜残存率
とは適当な大きさにカットした試験片の剥離状態を示す
ものである。同図から明らかなように、クロスカット塗
膜残存率が50%以下の場合に対応させると、ニッケル
スタンパではウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂の
収縮率が5〜6%と範囲が狭い。これに対して、石英ス
タンパではウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂の収
縮率が6〜11%の時にクロスカット塗膜残存率が小さ
くなり石英スタンパからの剥離特性が良好な値を示して
いる。この際、石英スタンパでは収縮率が12%以上で
剥離特性が更に良好になるが、この場合にはピット形状
の寸法が小さくなるので採用できない。従って、ウレタ
ンアクリレート系紫外線硬化樹脂を用いてディスク基板
を成形する場合には、ニッケルスタンパより石英スタン
パの方が剥離特性が良く、これに伴ってピットの転写も
良好となる。尚、図5中の実験を行った時のウレタンア
クリレート系紫外線硬化樹脂の塗膜の硬化条件は、塗膜
の厚さが50〜60μm/cmで、紫外線照度は20〜
21mW/cm(365nm)、照射時間は1分、照
射距離は40mmである。
【0044】次に、図6はウレタンアクリレート系紫外
線硬化樹脂のヤング率及びショア硬度に対する歪み量を
示した図である。
【0045】図6中、○印はウレタンアクリレート系紫
外線硬化樹脂のヤング率に対する歪み量を示し、△印は
ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂のショア硬度に
対する歪み量を示している。同図において、ウレタンア
クリレート系紫外線硬化樹脂のヤング率1300〜40
00Kg/cm,ショア硬度D60〜75の時に、歪
み量が20mm/g以下を示し、第2ディスク基板15
を積層しても光ディスク18,19の反りが少ないこと
が判明した。尚、図6中の実験を行った時のウレタンア
クリレート系紫外線硬化樹脂の塗膜の硬化条件は、紫外
線照度が20〜21mW/cm(365nm)で、照
射時間は1分、照射距離は40mmである。また、歪み
量の測定は、厚さ0.5mm、10mm×100mmの
ポリカーボネート樹脂にウレタンアクリレート系紫外線
硬化樹脂を塗布し、硬化後の反り量と塗布量とを測定
し、反り量を塗布量で割った値である。
【0046】次に、図7はウレタンアクリレート系紫外
線硬化樹脂のヤング率に対して各種の素材への接着力を
示した図である。
【0047】図7中、○印は半透明反射層SiOへの
接着力を示し、●印は半透明反射層SiOにAlを添
加した時の接着力を示し、△印は半透明反射層Auへの
接着力を示し、▲印は半透明反射層AuにCuを添加し
た時の接着力を示し、□印は反射層Alへの接着力を示
し、×印はポリカーボネート樹脂(PC)基板への接着
力を示している。同図から明らかなように、接着性のな
い無機化学物質で例えばSiO,Auなどからなる半
透明反射層に微量の活性化金属で例えばAl,Cuなど
を添加することにより、ウレタンアクリレート系紫外線
硬化樹脂の接着力が向上していることが判明した。尚、
図7中の実験を行った時の接着条件は、紫外線の照度は
20〜21mW/cm(365nm)で、硬化時間は
1分、照射距離は40mm、接着層は50〜60μm、
各種の素材は1mm厚さの10×100mmのアクリル
板である。
【0048】
【発明の効果】以上詳述した本発明に係わる光ディスク
及びその製造方法において、請求項1及び請求項4記載
によると、本発明に係わる光ディスクは、ニッケルスタ
ンパを成形型として、記録情報を所定巾の凹状ピットに
変換して凹状ピットを螺旋状又は同心円状のトラックに
複数形成し、且つ、隣り合うトラック間を凸状にして第
1ディスク基板を成形する一方、石英スタンパを成形型
として、記録情報を前記所定巾と異なる巾の凸状ピット
に変換して凸状ピットを螺旋状又は同心円状のトラック
に複数形成し、且つ、隣り合うトラック間を凹状にして
第2ディスク基板を成形して、第1ディスク基板と第2
ディスク基板とを半透明反射層を介して積層し、且つ、
半透明反射層と反対側の第2ディスク基板上に反射層を
膜付けしているので、これにより光ディスクにレーザ光
を照射して半透明反射膜層,反射層から反射した戻り光
を夫々読み出すと、半透明反射膜層による戻り光を再生
した信号パターンと、反射層による戻り光を再生した信
号パターンとが異なるため、両信号パターンを容易に判
別することができ、従来例で説明した光ディスクよりも
再生特性が良好になる。
【0049】また、請求項2記載によると、第2ディス
ク基板は、収縮率6〜11%,ヤング率1300〜40
00Kg/cm,ショア硬度D60〜75からなるウ
レタンアクリレート系紫外線硬化樹脂を用いて形成した
ため、石英スタンパから第2ディスク基板を転写性良く
剥離することができ、且つ、反りなどの発生がなく、光
ディスクの生産性向上に大いに寄与できる。この際、ウ
レタンアクリレート系紫外線硬化樹脂は、放射線を用い
ることなく、紫外線を照射すれば硬化する材料であるの
で、既存の設備を用いることができる。
【0050】更に、請求項3記載によると、微量の活性
化金属が添加されている無機物質からなり、且つ、ウレ
タンアクリレート系紫外線硬化樹脂に対して接着力があ
るもの用いたことにより、光ディスクの多層化が可能と
なり、大容量の光ディスクを量産性良く提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な光ディスクに記録された記録ピットの
形状を説明するための斜視図である。
【図2】従来の光学式情報記録担体及びその製造方法を
説明するために径方向に断面して工程順に示した断面図
である。
【図3】本発明に係わる光ディスク及びその製造方法を
説明するために径方向に断面して工程順に示した断面図
である。
【図4】本発明に係わる光ディスクにおいて、第1,第
2ディスク基板のピット形状による信号パターンを説明
するための図である。
【図5】ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂の収縮
率に対してニッケルスタンパ,石英スタンパからの剥離
特性を示した図である。
【図6】ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂のヤン
グ率及びショア硬度に対する歪み量を示した図である。
【図7】ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂のヤン
グ率に対して各種の素材への接着力を示した図である。
【符号の説明】
4…ニッケルスタンパ(第1スタンパ)、 5…第1ディスク基板、 6…半透明反射膜層、 14…石英スタンパ(第2スタンパ)、 15…第2ディスク基板、 16…反射層、 18…両面読みだし用の光ディスク、 19…両面読みだし用の光ディスク、 OP…凹状ピット、 TP…凸状ピット、 T…トラック、 W…凹状ピットの巾、 W…凸状ピットの巾。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録情報を所定巾の凹状ピットに変換して
    該凹状ピットを螺旋状又は同心円状のトラックに複数形
    成し、且つ、隣り合うトラック間を凸状に形成した第1
    ディスク基板と、 記録情報を前記所定巾と異なる巾の凸状ピットに変換し
    て該凸状ピットを螺旋状又は同心円状のトラックに複数
    形成し、且つ、隣り合うトラック間を凹状に形成した第
    2ディスク基板と、 前記第1ディスク基板と前記第2ディスク基板との間に
    介在させた半透明反射層と、 前記半透明反射層と反対側の前記第2ディスク基板上に
    膜付けした反射層とで形成したことを特徴とする光ディ
    スク。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光ディスクにおいて、 前記第2ディスク基板は、収縮率6〜11%,ヤング率
    1300〜4000Kg/cm,ショア硬度D60〜
    75からなるウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂を
    用いて形成したことを特徴とする光ディスク。
  3. 【請求項3】請求項2記載の光ディスクにおいて、 前記半透明反射層は、微量の活性化金属が添加されてい
    る無機物質からなり、且つ、前記ウレタンアクリレート
    系紫外線硬化樹脂に対して接着力があるもの用いたこと
    を特徴とする光ディスク。
  4. 【請求項4】電鋳処理されたニッケルスタンパを成形型
    として、記録情報を所定巾の凹状ピットに変換して該凹
    状ピットを螺旋状又は同心円状のトラックに複数形成
    し、且つ、隣り合うトラック間を凸状にして第1ディス
    ク基板を成形する一方、エッチング処理された石英スタ
    ンパを成形型として、記録情報を前記所定巾と異なる巾
    の凸状ピットに変換して該凸状ピットを螺旋状又は同心
    円状のトラックに複数形成し、且つ、隣り合うトラック
    間を凹状にして第2ディスク基板を成形して、前記第1
    ディスク基板と前記第2ディスク基板とを半透明反射層
    を介して積層し、且つ、前記半透明反射層と反対側の前
    記第2ディスク基板上に反射層を膜付けして光ディスク
    を製造することを特徴とした光ディスクの製造方法。
JP8247121A 1996-08-29 1996-08-29 光ディスク及びその製造方法 Pending JPH1074338A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8247121A JPH1074338A (ja) 1996-08-29 1996-08-29 光ディスク及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8247121A JPH1074338A (ja) 1996-08-29 1996-08-29 光ディスク及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1074338A true JPH1074338A (ja) 1998-03-17

Family

ID=17158754

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8247121A Pending JPH1074338A (ja) 1996-08-29 1996-08-29 光ディスク及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1074338A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011044231A (ja) * 2010-10-28 2011-03-03 Sharp Corp 光情報記録媒体及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011044231A (ja) * 2010-10-28 2011-03-03 Sharp Corp 光情報記録媒体及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3763763B2 (ja) 光情報記録媒体の製造方法
JPH02223030A (ja) 光学式情報記録担体及びその製造方法
JPH01191349A (ja) 情報記録媒体、情報記録媒体用基板の製造方法及び情報記録媒体用基板の成形用型
WO2005088629A1 (ja) 多層情報記録媒体及びその製造方法
JP3338660B2 (ja) 光ディスク
KR20020008049A (ko) 다층 광학 기록 매체의 제조방법
EP1100081B1 (en) Disk-like multilayer information recording medium and production method thereof
JP2003077187A (ja) 光ディスクの製造方法
US20050167865A1 (en) Multilayer optical recording medium manufacturing method and multilayer optical recording system
CN101061541B (zh) 光盘的制造方法和光盘
JP2000036135A (ja) 多層情報記録媒体の製造方法
JPH0997452A (ja) 多層光学記録媒体の製造方法
JPH1074338A (ja) 光ディスク及びその製造方法
JP2003085837A (ja) 光記録媒体の製造方法及び光記録媒体
JP4266044B2 (ja) 情報記録媒体
WO2003056553A1 (fr) Support d'enregistrement optique multicouche et procede de fabrication
US20040184397A1 (en) Optical recording medium, method of producing the same and protective film-forming resin
JP3460402B2 (ja) 多層光学記録媒体とその製造方法
JP2007133970A (ja) 光記録媒体およびその製造方法
JPH1074340A (ja) 光ディスクの製造方法
JPS6326465B2 (ja)
JPH10106047A (ja) 光学記録媒体の製造方法
JPH09134547A (ja) 光学記録媒体およびその製造方法
JPH0954985A (ja) 光デイスク及び光デイスクの製造方法
JP2008027506A (ja) 多層光記録媒体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040305

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040625