JPH1074340A - 光ディスクの製造方法 - Google Patents

光ディスクの製造方法

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JPH1074340A
JPH1074340A JP24712296A JP24712296A JPH1074340A JP H1074340 A JPH1074340 A JP H1074340A JP 24712296 A JP24712296 A JP 24712296A JP 24712296 A JP24712296 A JP 24712296A JP H1074340 A JPH1074340 A JP H1074340A
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JP
Japan
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stamper
disk substrate
disk
optical disk
curable resin
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JP24712296A
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Minoru Kawasaki
実 川崎
Wataru Ogawa
渉 小川
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1ディスク基板上に積層する第2ディスク
基板を内周から外周にかけて均一の厚み形成する。 【解決手段】 成形済み側の第1ディスク基板5と、未
成形側の第2ディスク基板15を転写する第2スタンパ
14との間に溶融したウレタンアクリレート系紫外線硬
化樹脂を介在せて、このウレタンアクリレート系紫外線
硬化樹脂に第2スタンパ14に刻まれたピット列を転写
して未成形側の第2ディスク基板15を成形する時に、
成形済み側の第ディスク基板15と一体にウレタンアク
リレート系紫外線硬化樹脂を介して第2スタンパ14ス
タンパを回転させ、且つ、この時の回転速度をウレタン
アクリレート系紫外線硬化樹脂が内周から外周に向かっ
て広がる速度と略同一に設定している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、コンパクトディスク(C
D),ROM型コンパクトディスク(CD−ROM),
対話型コンパクトディスク(CD−I),ビデオディス
ク(VD)などの円板状の光ディスクは、音声情報,画
像情報,文字情報などの記録情報を凹状ピットに変換し
て収録していることは周知である。
【0003】ところで、光ディスクに記録する情報を大
容量化するために、多層構造による光ディスクの製造方
法の一例が特公平8−23941号公報に開示されてい
る。
【0004】図1は一般的な光ディスクに記録された記
録ピットの形状を説明するための斜視図、図2は従来の
光学式情報記録担体及びその製造方法を説明するために
径方向に断面して工程順に示した断面図である。図3は
複数のディスク基板を積層して製造する光ディスクの製
造方法において、硬化樹脂を用いてディスク基板を成形
する際、硬化樹脂の粘土とディスク基板の内外周の厚み
差とを説明するための図である。
【0005】まず、図1に示した如く、一般的に、円盤
状の光ディスクは、音声情報,画像情報,文字情報など
の記録情報をディジタル的に0,1の信号に変換して、
更にこれらを凹状ピットPに変換して凹状ピットPを螺
旋状又は同心円状のトラックTに沿ったピット列として
記録している。この際、光ディスクを径方向に断面した
時には隣り合うトラックTとの間は凸状に形成されてい
ることから、以下の説明では光ディスクを径方向に断面
した断面図を用いて説明する。
【0006】図2に示した従来の光学式情報記録担体及
びその製造方法は、特公平8−23941号公報に開示
されており、ここでは簡略に説明する。
【0007】まず、図2(a)に示した如く、第1記録
ピットP1を担持した透明基板101を用意する。この
透明基板101は、その表面に螺旋状又は同心円状のト
ラックTに第1記録ピットP1が配列されたニッケルス
タンパ(図示せず)を用いて、透明樹脂を射出成形して
得られたものである。
【0008】次に、図2(b)に示した如く、透明基板
101の第1記録ピットP1を担持した表面に第1反射
層102を膜付けする。第1反射層102は、同号公報
の第1実施例で珪素(Si)が蒸着され、第2実施例で
誘電体多層反射層が蒸着されている。
【0009】次に、図2(c)に示した如く、透明スタ
ンパ103のピット面上に、液状の放射線硬化型樹脂1
04を供給し、この上に透明基板101の第1反射層1
02を載置する。
【0010】次に、図2(d)に示した如く、透明スタ
ンパ103側から放射線を照射して放射線硬化型樹脂1
04を硬化させると共に、透明スタンパ103の第2記
録ピットP2を放射線硬化型樹脂104に転写する。
【0011】次に、図2(e)に示した如く、放射線硬
化型樹脂104の硬化後、透明スタンパ103を剥離す
る。
【0012】次に、図2(f)に示した如く、放射線硬
化型樹脂104の第2記録ピットP2を担持した表面に
第2反射層105を膜付けする。第2反射層105は、
同号公報の第1実施例でアルミニウム(Al)が蒸着さ
れ、第2実施例で誘電体多層反射層が蒸着されている。
【0013】次に、図2(g)に示した如く、第2反射
層105を保護する放射線硬化型樹脂からなる保護層1
06を積層して、反射光帯域が互いに異なる第1反射層
102,第2反射層105を積層した光ディスクを得て
いる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来の光学式情報記録担体及びその製造方法によれば、光
ディスクは反射光帯域が互いに異なる第1反射層10
2,第2反射層105を有しているので、1枚の光ディ
スクで2枚分の情報量を得ることができ、大容量化を図
ることができるものの、以下の〜項に記載した問題
点が生じている。
【0015】.前述した図2(c),(d)の工程に
おいて、成形済み側の透明基板101と、透明スタンパ
103との間に放射線硬化型樹脂104を介在させて、
この放射線硬化型樹脂104に透明スタンパ103に刻
まれたピット列を転写して未成形側のディスク基板を成
形する時に、図3に示した如く、従来方法では、放射線
硬化型樹脂104で成形したディスク基板は、硬化型樹
脂104の粘土により多少の差はあるもののディスク基
板の内外周の厚み差が大きく、ディスク基板が内周から
外周にかけて均一の厚みに形成されていない。この理由
を調べて見ると、成形時に放射線硬化型樹脂104内に
入り込んだ気泡が抜け出ていないことが判明した。
【0016】.図示しないニッケルスタンパに形成さ
れた第1記録ピットP1と、透明スタンパ103に形成
された第2記録ピットP2とは寸法関係に何等の指定も
ないことから、これらの第1,第2記録ピットP1,P
2を転写した光ディスクを再生した時に、第1,第2記
録ピットP1,P2による再生信号パターンの判別がで
きにくい。
【0017】、放射線硬化型樹脂104及び放射線硬
化型樹脂からなる保護層106を硬化させるには放射線
を照射しなければならないので、既存の設備を使用でき
得ず、且つ、作業者への安全性などを考慮する必要があ
り、光ディスクの生産性が劣っているなどの問題点があ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、複数のディスク基板を積層して
光ディスクを形成する光ディスクの製造方法において、
成形済み側のディスク基板と、未成形側のディスク基板
を転写するスタンパとの間に溶融した紫外線硬化樹脂を
介在せて、該紫外線硬化樹脂に前記スタンパに刻まれた
ピット列を転写して未成形側のディスク基板を成形する
時に、前記成形済み側のディスク基板と一体に前記紫外
線硬化樹脂を介して前記スタンパを回転させ、且つ、こ
の時の回転速度を前記紫外線硬化樹脂が内周から外周に
向かって広がる速度と略同一に設定したことを特徴とす
る光ディスクの製造方法である。
【0019】また、上記発明の光ディスクの製造方法に
おいて、前記成形済み側のディスク基板は、電鋳処理さ
れたニッケルスタンパを成形型として、記録情報を所定
巾の凹状ピットに変換して該凹状ピットを螺旋状又は同
心円状のトラックに複数形成し、且つ、隣り合うトラッ
ク間を凸状に成形した後に前記半透明反射層を膜付けす
る一方、前記未成形側のディスク基板は、エッチング処
理された石英スタンパを成形型として、記録情報を前記
所定巾と異なる巾の凸状ピットに変換して該凸状ピット
を螺旋状又は同心円状のトラックに複数形成し、且つ、
隣り合うトラック間を凹状に成形した後に反射層を膜付
けして光ディスクを製造することを特徴とした光ディス
クの製造方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係わる光ディスク
の製造方法の一実施例を図3乃至図5を参照して詳細に
説明する。
【0021】図4は本発明に係わる光ディスクの製造方
法を説明するために径方向に断面して工程順に示した断
面図、図5は本発明に係わる光ディスクの製造方法にお
いて、第1,第2ディスク基板のピット形状による信号
パターンを説明するための図である。
【0022】本発明に係わる光ディスクの製造方法を説
明する前に、ここで用いられる第1,第2ディスク基板
用の第1,第2カッティング盤1,11及び第1,第2
スタンパ4,14を作成する工程について順を追って説
明する。
【0023】まず、図4(工程1)に示した如く、第1
ディスク基板用の第1カッティング盤1を作成するに
は、円盤状のガラス盤2の表面を精度良く研磨加工した
後、これにラジカル酸素処理を施して濡れ性を改善し
て、有機高分子樹脂レジストの密着性を向上させてレジ
スト膜3をガラス盤2上に膜付する。この後、レジスト
膜3上に記録情報を所定巾Wで楕円状のピット列とし
て露光記録し、ここでレジスト膜3をエッチング処理す
ることにより第1カッティング盤1を得る。上記第1カ
ッティング盤1は、記録情報を所定巾Wの凹状ピット
OPに変換して凹状ピットOPを螺旋状又は同心円状の
トラックTに複数形成し、且つ、隣り合うトラックT間
を凸状に形成したものである。
【0024】次に、図4(工程2)に示した如く、第1
カッティング盤1から周知のニッケル電鋳処理により、
第1スタンパ(ニッケルスタンパ)4を作成する。この
第1スタンパ4は、第1カッティング盤1の凹凸状を反
転させて、所定巾Wの凸状ピットTPを有して隣り合
うトラックT間を凹状に転写したものである。この際、
第1スタンパ4上に残っている有機高分子樹脂レジスト
をラジカル酸素アッシングにより完全に除去している。
【0025】一方、図4(工程3)に示した如く、第2
カッティング盤11を作成するには、円盤状の石英盤1
2の表面を精度良く研磨加工した後、有機高分子樹脂レ
ジストを用いてレジスト膜13を石英盤12上に膜付す
る。そして、第2カッティング盤11は、第1カッティ
ング盤1と異なって石英盤12上にレジスト膜13を膜
付した状態のままである。ここで、第2カッティング盤
11に石英盤12を採用した理由を説明すると、下記す
るように石英盤12は直接エッチング処理が可能であり
そのまま第2スタンパ14として作成することができる
からである。
【0026】次に、図4(工程4)に示した如く、第2
カッティング盤11のレジスト膜13上に記録情報を前
記所定巾Wと異なる巾Wで楕円状のピット列として
露光記録し、ここでレジスト膜3と石英盤12とを同時
にエッチング処理する。
【0027】次に、図3(工程5)に示した如く、エッ
チング処理後、石英盤12に残されたレジスト膜3を除
去して第2スタンパ14を得る。上記第2スタンパ14
は、第1スタンパ4の記録情報とは異なる記録情報を前
記所定巾Wと異なる巾Wの凹状ピットOPに変換し
て凹状ピットOPを螺旋状又は同心円状のトラックTに
複数形成し、且つ、隣り合うトラックT間を凸状に形成
したものである。この実施例では、第2スタンパ14の
凹状ピットOPの巾は、前記第1スタンパ4の凸状ピッ
トTPの巾より巾広く形成しているが、これに限ること
なく、両者の巾が異なっていれば良いものである。従っ
て、第2スタンパ14は、巾Wの凹状ピットOPを有
して隣り合うトラックT間を凸状に形成したものである
から、前記第1スタンパ14とはピットの巾が異なると
共に、ピット列の凹凸関係が反転している。
【0028】次に、第1,第2ディスク基板用の第1,
第2スタンパ4,14を夫々準備した後、光ディスクの
製造工程について順を追って説明する。
【0029】まず、図4(工程6)に示した如く、第1
スタンパ4を成形型として、ポリアクリレートとか、ポ
リカーボネートなどの透明樹脂を用いて、射出成形法又
は圧縮成形法もしくはPP法などによって、第1ディス
ク基板5を作成する。
【0030】上記第1ディスク基板5は、第1スタンパ
4の凸状ピットTPを反転させて、所定巾Wの凹状ピ
ットOPを有して隣り合うトラックT間を凸状に転写し
たものであるから、これにより、第1カッティング盤1
と同様の凹凸状になる。
【0031】次に、図4(工程7)に示した如く、第1
ディスク基板5に形成した凹凸状の面上に、蒸着または
スパッタにより半透明反射膜層6を膜付けする。ここ
で、半透明反射膜層6の材料として、微量の活性化金属
で例えばAl,Cuなどが添加されている無機物質で例
えばAuとかSiOとかZnSなどを用い、且つ、半
透明反射膜層6の材料は、後述する第2ディスク基板1
5の材料となるウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂
に対して接着力があるもの選択している。
【0032】次に、図4(工程8)に示した如く、第1
ディスク基板5に膜付けした半透明反射膜層6上に、収
縮率6〜11%,ヤング率1300〜4000Kg/c
,ショア硬度D60〜75からなるウレタンアクリ
レート系紫外線硬化樹脂を用意する。この際、ウレタン
アクリレート系紫外線硬化樹脂は、放射線を用いること
なく、紫外線を照射すれば硬化する材料であるので、既
存の設備を用いることができる。
【0033】そして、PP法により第2スタンパ14を
成形型として、ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂
の上から第2スタンパ14を転写することにより、第2
ディスク基板15が半透明反射膜層6上に積層した状態
で得られる。
【0034】ここでは、第2ディスク基板15を内周か
ら外周にかけて均一の厚み形成するため、成形済み側の
第1ディスク基板5と、未成形側の第2ディスク基板1
5を転写する第2スタンパ14との間に溶融したウレタ
ンアクリレート系紫外線硬化樹脂を介在せて、このウレ
タンアクリレート系紫外線硬化樹脂に第2スタンパ14
に刻まれたピット列を転写して未成形側の第2ディスク
基板15を成形する時に、成形済み側の第ディスク基板
15と一体にウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂を
介して第2スタンパ14スタンパを回転させ、且つ、こ
の時の回転速度をウレタンアクリレート系紫外線硬化樹
脂が内周から外周に向かって広がる速度と略同一に設定
している。これにより、図3に示した如く、本発明の方
法では、ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂の粘土
が極端に小さい200cps以下の場合を除いて、20
0〜1000cpsの広範囲に亘って、第2ディスク基
板15の内外周の厚み差が小さく、第2ディスク基板1
5が内周から外周にかけて均一の厚みに形成されること
が判明した。この理由は、成形済み側の第ディスク基板
15と一体にウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂を
介して第2スタンパ14を回転させているため、成形時
の回転によりウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂内
に入り込んだ気泡が内周から外周に向かって移動し、最
後に気泡が外周部から空気中に抜け出るため、内外周の
厚み差が小さくなることが判明した。
【0035】更に、第2スタンパ14を転写する際、第
1ディスク基板5の各トラックと第2ディスク基板15
の各トラックとが径方向に略一致するように第2スタン
パ14を取り付けている。
【0036】また、第2ディスク基板15を転写した後
の状態では、半透明反射膜層6を介して第1ディスク基
板5側の凹状ピットOP内にウレタンアクリレート系紫
外線硬化樹脂が進入している共に、第2スタンパ14側
では第2スタンパ14の凹凸状を反転させて、巾W
凸状ピットTPを有して隣り合うトラックT間を凹状に
転写したものとなる。従って、第1,第2ディスク基板
5,15を積層した状態では、第1ディスク基板5に形
成した所定巾Wの凹状ピットOPと、第2ディスク基
板15に形成した前記所定巾Wと異なる巾Wの凸状
ピットTPとが、互いに対向し合っている。
【0037】次に、図4(工程9)に示した如く、第1
ディスク基板5に半透明反射膜層6を介して第2ディス
ク基板15を積層した状態で、第2ディスク基板15に
形成した凸凹状の面上に、蒸着またはスパッタを用いて
例えばAl,AlTiなどによる反射層16を膜付す
る。この際、反射層16を膜付する前に、第2ディスク
基板15に形成した凸凸状の面上をラジカル酸素処理を
施しても良い。
【0038】次に、図4(工程10)に示した如く、第
2ディスク基板15に反射層16を膜付した上に、円盤
状のプラスチックシート17を接着剤を用いて貼り合わ
せて、片面読みだし用の光ディスク18を得る。この
際、片面読みだし用の光ディスク18は、第1ディスク
基板5側からレーザ光を照射し、半透明反射膜層6及び
反射層16から反射した戻り光を夫々読み出すものであ
る。
【0039】また、上記プラスチックシート17の材料
としては、例えばPC樹脂シートとかPVD樹脂シート
とかPET樹脂シートなどを用いている。また、上記接
着剤には、例えばエポキシ樹脂接着剤とかホットメルト
接着剤接着材とか紫外線硬化樹脂接着剤を用いている。
【0040】一方、図4(工程11)に示した如く、図
4(工程9)で第2ディスク基板15に反射層16を膜
付けした状態のもので記録情報が異なるものを2種類用
意し、夫々の反射層16,16を互いに対向させて、反
射層16,16間に例えばエポキシ樹脂接着剤とかホッ
トメルト接着剤接着材とか紫外線硬化樹脂接着剤を用い
て貼り合わせて、両面読みだし用の光ディスク19を得
る。この両面読みだし用の光ディスク19は、上下の第
1ディスク基板5,5側からレーザ光を照射し、各半透
明反射膜層6,6及び各反射層16,16から反射した
戻り光を夫々読み出すものである。尚、反射層16,1
6同士を貼り合わせる前にラジカル酸素処理を施しても
良い。
【0041】そして、上記の工程より製造された光ディ
スク18,19は、第1スタンパ(ニッケルスタンパ)
4を成形型として、記録情報を所定巾Wの凹状ピット
OPに変換して凹状ピットOPを螺旋状又は同心円状の
トラックTに複数形成し、且つ、隣り合うトラックT間
を凸状にして第1ディスク基板5を成形する一方、第2
スタンパ(石英スタンパ)15を成形型として、記録情
報を所定巾Wと異なる巾Wの凸状ピットTPに変換
して凸状ピットTPを螺旋状又は同心円状のトラックT
に複数形成し、且つ、隣り合うトラックT間を凹状にし
て第2ディスク基板15を成形して、第1ディスク基板
5と第2ディスク基板15とを半透明反射層6を介して
積層し、且つ、半透明反射層6と反対側の第2ディスク
基板15上に反射層16を膜付けしたものであるから、
これらの光ディスク18,19にレーザ光を照射して半
透明反射膜層6,反射層16からの反射した戻り光を夫
々読み出すと、図5に示した如く、半透明反射膜層6に
よる戻り光を再生した信号パターンSと、反射層16
による戻り光を再生した信号パターンSとが異なるた
め、両信号パターンS,Sを容易に判別することが
でき、従来例で説明した光ディスクよりも再生特性が良
好になる。
【0042】
【発明の効果】以上詳述した本発明に係わる光ディスク
の製造方法において、請求項1記載によると、成形済み
側のディスク基板と、未成形側のディスク基板を転写す
るスタンパとの間に溶融した紫外線硬化樹脂を介在せ
て、該紫外線硬化樹脂に前記スタンパに刻まれたピット
列を転写して未成形側のディスク基板を成形する時に、
前記成形済み側のディスク基板と一体に前記紫外線硬化
樹脂を介して前記スタンパを回転させ、且つ、この時の
回転速度を前記紫外線硬化樹脂が内周から外周に向かっ
て広がる速度と略同一に設定したため、成形時の回転に
より紫外線硬化樹脂内に入り込んだ気泡が内周から外周
に向かって移動し、最後に気泡が外周部から空気中に抜
け出るため、未成形側のディスク基板の内外周の厚み差
が小さくなるので、光ディスクの製造品質が向上する。
この際、紫外線硬化樹脂は、放射線を用いることなく、
紫外線を照射すれば硬化する材料であるので、既存の設
備を用いることができる。
【0043】また、請求項2記載によると、上記請求項
1記載の光ディスクの製造方法において、前記成形済み
側のディスク基板は、電鋳処理されたニッケルスタンパ
を成形型として、記録情報を所定巾の凹状ピットに変換
して凹状ピットを螺旋状又は同心円状のトラックに複数
形成し、且つ、隣り合うトラック間を凸状に成形した後
に前記半透明反射層を膜付けする一方、前記未成形側の
ディスク基板は、エッチング処理された石英スタンパを
成形型として、記録情報を前記所定巾と異なる巾の凸状
ピットに変換して凸状ピットを螺旋状又は同心円状のト
ラックに複数形成し、且つ、隣り合うトラック間を凹状
に成形した後に反射層を膜付けして光ディスクを製造し
ているため、これにより光ディスクにレーザ光を照射し
て半透明反射膜層,反射層から反射した戻り光を夫々読
み出すと、半透明反射膜層による戻り光を再生した信号
パターンと、反射層による戻り光を再生した信号パター
ンとが異なるため、両信号パターンを容易に判別するこ
とができ、従来例で説明した光ディスクの製造方法より
も再生特性が良い光ディスクを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な光ディスクに記録された記録ピットの
形状を説明するための斜視図である。
【図2】従来の光学式情報記録担体及びその製造方法を
説明するために径方向に断面して工程順に示した断面図
である。
【図3】複数のディスク基板を積層して製造する光ディ
スクの製造方法において、硬化樹脂を用いてディスク基
板を成形する際、硬化樹脂の粘土とディスク基板の内外
周の厚み差とを説明するための図である。
【図4】本発明に係わる光ディスクの製造方法を説明す
るために径方向に断面して工程順に示した断面図であ
る。
【図5】本発明に係わる光ディスクの製造方法におい
て、第1,第2ディスク基板のピット形状による信号パ
ターンを説明するための図である。
【符号の説明】
4…ニッケルスタンパ(第1スタンパ)、 5…第1ディスク基板、 6…半透明反射膜層、 14…石英スタンパ(第2スタンパ)、 15…第2ディスク基板、 16…反射層、 18…両面読みだし用の光ディスク、 19…両面読みだし用の光ディスク、 OP…凹状ピット、 TP…凸状ピット、 T…トラック、 W…凹状ピットの巾、 W…凸状ピットの巾。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のディスク基板を積層して光ディスク
    を形成する光ディスクの製造方法において、 成形済み側のディスク基板と、未成形側のディスク基板
    を転写するスタンパとの間に溶融した紫外線硬化樹脂を
    介在せて、該紫外線硬化樹脂に前記スタンパに刻まれた
    ピット列を転写して未成形側のディスク基板を成形する
    時に、前記成形済み側のディスク基板と一体に前記紫外
    線硬化樹脂を介して前記スタンパを回転させ、且つ、こ
    の時の回転速度を前記紫外線硬化樹脂が内周から外周に
    向かって広がる速度と略同一に設定したことを特徴とす
    る光ディスクの製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光ディスクの製造方法にお
    いて、 前記成形済み側のディスク基板は、電鋳処理されたニッ
    ケルスタンパを成形型として、記録情報を所定巾の凹状
    ピットに変換して該凹状ピットを螺旋状又は同心円状の
    トラックに複数形成し、且つ、隣り合うトラック間を凸
    状に成形した後に前記半透明反射層を膜付けする一方、 前記未成形側のディスク基板は、エッチング処理された
    石英スタンパを成形型として、記録情報を前記所定巾と
    異なる巾の凸状ピットに変換して該凸状ピットを螺旋状
    又は同心円状のトラックに複数形成し、且つ、隣り合う
    トラック間を凹状に成形した後に反射層を膜付けして光
    ディスクを製造することを特徴とした光ディスクの製造
    方法。
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