JPH1073582A - Pda検出器用データ処理装置 - Google Patents

Pda検出器用データ処理装置

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JPH1073582A
JPH1073582A JP24891296A JP24891296A JPH1073582A JP H1073582 A JPH1073582 A JP H1073582A JP 24891296 A JP24891296 A JP 24891296A JP 24891296 A JP24891296 A JP 24891296A JP H1073582 A JPH1073582 A JP H1073582A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定者による多波長テーブルの入力設定操作
の負担を軽減する。 【解決手段】 まず、標準試料の三次元クロマトグラム
のデータから各時刻毎に最大相対強度を有する波長のデ
ータを抽出し、時間−相対強度の二次元クロマトグラム
を作成する(S1)。そして、このクロマトグラムに対
しピーク検出を行ない(S2)、検出したピークトップ
の情報を基に多波長テーブル中の波長、及び、同定テー
ブル中の保持時間を自動的に設定する(S3、S4)。
未知試料の成分を同定する際には、多波長テーブルに設
定した波長毎に二次元クロマトグラムを描出し(S
5)、そのクロマトグラムに対し同定テーブルに設定し
たパラメータを参照して成分同定を行なう(S6)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体クロマトグラ
フ装置等に用いられるフォトダイオードアレイ検出器
(以下、「PDA検出器」という)用のデータ処理装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】PDA検出器は多数の小さなフォトダイ
オードを直線的に配列したものであって、複数の波長の
光強度を同時に測定することができる。図6はPDA検
出器の概略構成図である。重水素ランプ等の光源10か
ら出射された光はレンズ11で集光され、スリット12
を介して測定セル13に照射される。測定セル13内の
Z形状の流通セル13aには、液体クロマトグラフのカ
ラムで分離された液体試料が流される。光はこの流通セ
ル13a内の液体試料中を通過して回折格子14に到達
し、ここで波長分散されてPDA15に入射される。P
DA15の各フォトダイオードではそれぞれ異なる波長
に対する検出信号が得られるので、PDA15に接続さ
れたデータ処理装置20にて演算処理を行なうことによ
り、時間t、波長λ及び相対強度Sのディメンジョンを
有する三次元クロマトグラムが作成される。
【0003】上記三次元クロマトグラムでは、通常、成
分毎に最大強度の現われる波長λが相違する。このた
め、三次元クロマトグラムに対し所定の処理を行なって
試料の定性分析又は定量分析を行なう際には、まず、測
定対象の未知試料に含まれると推定される所定成分に対
応したピークが現われるクロマトグラムを得るために最
適な波長条件(波長λの中心値及び帯域幅)を一覧表に
した多波長テーブルを測定者が予め入力設定する。ま
た、この多波長テーブルに記述した波長λのピークを同
定するための保持時間等を記した同定テーブルを測定者
が入力設定する。保持時間等のパラメータは送液流量、
カラムの種類等の分析条件により大きく相違するため、
一般には一定量の既知成分を含む標準試料を予め分析し
た結果が参照される。測定時には、測定者は目的とする
成分毎に多波長テーブルの中のいずれの波長を使用する
のかを指示する。データ処理装置20では、設定された
多波長テーブル内の所定の波長に対応する二次元クロマ
トグラムを描出し、その二次元クロマトグラムに対し同
定テーブルに記した条件に従ってピーク同定を行なって
成分を同定し、更に、ピーク波形の面積計算等の演算処
理を実行することにより定量分析を行なう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のデータ処理装置
では上述のような手順で分析を行なっていたが、特に多
数の成分を含む試料を分析する場合には、多波長テーブ
ルを入力設定したり各成分毎に最適な波長を入力したり
する操作は手間を要し、作業効率が悪くなるのみならず
入力ミスによる分析の誤りを生じる恐れもあった。
【0005】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、測定者
による入力設定操作の負担を軽減することのできるPD
A検出器用データ処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明は、クロマトグラフにより分離された
試料成分を検出するPDA検出器用のデータ処理装置に
おいて、 a)PDA検出器から得られる検出信号を基に作成された
三次元クロマトグラムから各時刻毎に最大強度を示す波
長のデータを抽出して二次元クロマトグラムを作成する
最大強度クロマトグラム作成手段と、 b)該最大強度クロマトグラム作成手段にて作成された二
次元クロマトグラムに対しピーク検出を行なうピーク検
出手段と、 c)該ピーク検出手段で検出したピークトップに対応する
波長により多波長テーブルを作成する多波長テーブル作
成手段と、 d)前記ピーク検出手段で検出したピークトップに対応す
る保持時間により同定テーブルを作成する同定テーブル
作成手段と、 e)三次元クロマトグラムより前記多波長テーブル中の波
長毎に二次元クロマトグラムを作成する波長固定クロマ
トグラム作成手段と、 f)該波長固定クロマトグラム作成手段にて作成された二
次元クロマトグラムに対し前記同定テーブル中のパラメ
ータを用いて波形解析を行なう解析手段と、を備えるこ
とを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に係るPDA検出器用デー
タ処理装置では、まず、最大強度クロマトグラム作成手
段は、標準試料のクロマトグラフ分析を行なって得られ
た時間、波長及び相対強度の三次元クロマトグラムのデ
ータから各時刻毎に最大相対強度を有する波長のデータ
を抽出し、時間−相対強度の二次元クロマトグラムを作
成する。つまり、このクロマトグラムは、複数の波長に
対するデータが混在したものとなっている。ピーク検出
手段は、そのクロマトグラムに対し所定の基準に照らし
てピーク検出を行なう。そして、検出された各ピークの
情報を基に、多波長テーブル作成手段は各ピークトップ
の波長を列記した多波長テーブルを、同定テーブル作成
手段は多波長テーブル中の波長のピークトップの現われ
る保持時間を列記した同定テーブルを自動的に作成す
る。
【0008】次に未知試料のデータ処理に際し、波長固
定クロマトグラム作成手段は、三次元クロマトグラムの
データから多波長テーブルに記述されている波長毎に時
間−相対強度の二次元クロマトグラムを作成する。つま
り、このクロマトグラムは同一波長に対するデータのみ
から描出したものである。解析手段は、この二次元クロ
マトグラムに対しピーク検出を行ない、同定テーブル中
の対応する保持時間でもってピークを同定し、更に、面
積計算、定量計算等の演算処理を行ない定性分析や定量
分析を実行する。
【0009】
【発明の効果】本発明に係るPDA検出器用データ処理
装置によれば、クロマトグラフにて採取したデータに基
づき自動的に多波長テーブル及び同定テーブルが作成さ
れるため、従来のように測定者自らが手作業によりこれ
らのテーブルを入力する操作が不要になる。このため、
分析効率が向上すると共に単純な入力ミスによる分析の
誤りを防止することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明のPDA検出器用データ処理装
置の一実施例を図1〜図5を参照して説明する。図1は
本データ処理装置の構成を機能的に示す図であり、例え
ばCPUを中心とするパーソナルコンピュータによりそ
の機能が実現される。
【0011】三次元クロマト用メモリ21には、PDA
検出器で採取された、時間t、波長λ及び相対強度Sの
3つのディメンジョンを有するデータが格納される。こ
のメモリ21から読出し制御部22により適宜のデータ
が読み出され、最大強度検出部23又は二次元クロマト
用メモリ24に入力される。二次元クロマト用メモリ2
4は、時間−相対強度のクロマトグラムを構成するデー
タが記憶されるメモリである。ピーク検出部25はこの
二次元クロマト用メモリ24に格納されたデータに対し
ピーク検出を行ない、検出したピーク情報に基づいて多
波長テーブル及び同定テーブルを作成し、それぞれ多波
長テーブルメモリ26及び同定テーブルメモリ27に記
憶する。また、ピーク同定部28は同定テーブル中のパ
ラメータを参照してクロマトグラムのピークを同定し、
演算処理部29はその同定されたピーク波形に所定の波
形処理及び演算処理を施すことにより成分の定量分析を
実行する。
【0012】次に、上記構成のデータ処理装置の処理内
容を図2のフローチャートに沿って説明する。まず、三
次元クロマト用メモリ21には、標準試料をクロマトグ
ラフ分析して得られたデータが蓄積される。読出し制御
部22は、三次元クロマト用メモリ21からデータを順
次読み出して最大強度検出部23へ送る。最大強度検出
部23は、同一時刻の複数の波長λに対する相対強度S
のデータの中で相対強度Sが最大であるデータを抽出
し、このデータを二次元クロマト用メモリ24に記憶さ
せる。これにより、各時刻毎に最大強度を呈する波長λ
のデータを連ねた二次元クロマトグラムが作成される
(ステップS1)。このような処理機能は、従来のこの
種の装置に搭載されているもので、例えばMAXPLO
T機能と呼ばれている。すなわち、この処理では、図3
(a)に示すような三次元クロマトグラムから、その三
次元クロマトグラムを時間(t)軸及び相対強度(S)
軸を含む平面方向から見てクロマトグラムカーブの稜線
を平面に投射したような二次元クロマトグラム(図3
(b)参照)が作成される。
【0013】次に、ピーク検出部25は、上記二次元ク
ロマトグラムに対し所定の基準に照らしてピーク検出を
行なう(ステップS2)。ピーク検出の基準としては、
例えば、クロマトグラムカーブの傾斜が所定の開始傾斜
値以上となった時点でピーク開始と判断し、その後傾斜
が零となった時点を経過して傾斜値が負となり、その絶
対値が所定の終了傾斜値以下となった時点でピーク終了
と判定する方法とすることができる。この場合、ピーク
内で傾斜が零となった時点をピークトップとする。この
ピーク検出処理により、図3(b)の例では5個のピー
クが検出されている。
【0014】続いて、上記ピーク検出結果から多波長テ
ーブルを作成し、これを多波長テーブルメモリ26に格
納する(ステップS3)。すなわち、各ピークのピーク
トップに対応する波長λはそのデータからわかるから、
この波長(図3(b)のλ1、λ2、…λ5)を多波長テ
ーブルの各チャンネルに設定する。図4は多波長テーブ
ルの一例を示している。この多波長テーブルでは、1つ
のチャンネルchに対し1つの波長λが設定されると共
に、波長毎に許容範囲を示す帯域幅が設定されるように
している。帯域幅は、例えば、設定される波長λの値が
含まれる波長範囲に応じて予め定めるようにしておくと
よい。
【0015】更に、上記ピーク検出結果から同定テーブ
ルを作成し、これを同定テーブルメモリ27に格納する
(ステップS4)。すなわち、多波長テーブルに設定し
た波長λのピークトップが現われる時間つまり保持時間
(図3(b)のt1、t2、…t5)を、多波長テーブル
の各チャンネルに対応させて同定テーブルに設定する。
図5は同定テーブルの一例を示している。この同定テー
ブル中のチャンネルchは、多波長テーブル中のチャン
ネルchと同一のものを指す。すなわち、図4及び図5
の例では、例えばch1の成分は波長200nmで保持
時間3.4分にピークを有していることを示している。
なお、同定用テーブルを構成する情報の種類はデータ処
理装置により異なるが、ピークの保持時間のほか、例え
ば、ピーク形状(ピーク面積やピーク高さ)やピーク同
定のための検出窓幅等を格納するようにしてもよい。
【0016】上述のように波長テーブル及び同定テーブ
ルが自動的に作成されたならば、これに基づいて未知試
料の成分の同定を行なう際には、以下のように従来のデ
ータ処理装置と同様の処理を実行する。すなわち、この
とき、三次元クロマト用メモリ21には未知試料をクロ
マトグラフ分析して得られたデータが蓄積される。読出
し制御部22は、多波長テーブルに設定された波長にお
けるデータをチャンネル毎にチャンネル番号の若い順に
三次元クロマト用メモリ21から読み出し、二次元クロ
マト用メモリ24へ送る。これにより、まず、図3
(c)に示すような、ch1に設定された波長λ1にお
ける時間t−相対強度Sの二次元クロマトグラムが作成
される(ステップS5)。
【0017】そして、ピーク検出部25はこの二次元ク
ロマトグラムに対しピーク検出を行ない、ピーク同定部
28は検出されたピークを同定テーブルを参照して同定
する(ステップS6)。すなわち、同定テーブルには、
上述のように各チャンネルの成分の保持時間やピーク同
定のための検出窓幅等の情報が格納されているから、c
h1の成分に対する保持時間と検出窓幅とからピーク同
定窓を設定し、ピークトップがこのピーク同定窓内に存
在したならばch1の成分であると同定する。ここでチ
ャンネル番号と成分名との対応付けを行なうためには、
同定テーブルが作成された時点で各チャンネル番号にお
ける成分を調べ、成分名を同定テーブル中に記述してお
くようにするとよい。
【0018】次に、多波長テーブル中の全波長に対する
同定処理が実行されたか否かが判断され(ステップS
7)、全波長に対する同定処理が終了していないと判断
されたときにはステップS5に戻り、多波長テーブルに
設定されている次のチャンネル番号の波長λにおけるデ
ータを三次元クロマト用メモリ21から読み出し二次元
クロマトグラムを作成する。そして、先と同様に成分同
定を繰り返す。
【0019】ステップS7にて全波長に対する同定処理
が終了したと判断されたときには、ステップS8へと進
み、演算処理部29は、同定したピークのピーク形状か
らピーク面積を算出し、そのピーク面積からその成分の
定量計算を実行する。
【0020】なお、以上説明した実施例は一例であっ
て、本発明の趣旨に沿って適宜変形や修正を行なえるこ
とは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例のPDA検出器用データ処理
装置の機能的構成図。
【図2】 本実施例の装置におけるデータ処理手順を示
すフローチャート。
【図3】 本実施例のデータ処理の過程で描出されるク
ロマトグラム。
【図4】 本実施例で作成される多波長テーブルの一例
を示す図。
【図5】 本実施例で作成される同定テーブルの一例を
示す図。
【図6】 PDA検出器の一般的な概略構成図。
【符号の説明】
15…フォトダイオードアレイ(PDA) 20…デ
ータ処理装置 21…三次元クロマト用メモリ 22…読
出し制御部 23…最大強度検出部 24…二
次元クロマト用メモリ 25…ピーク検出部 26…多
波長テーブルメモリ 27…同定テーブルメモリ 28…ピ
ーク同定部 29…演算処理部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロマトグラフにより分離された試料成
    分を検出するPDA検出器用のデータ処理装置におい
    て、 a)PDA検出器から得られる検出信号を基に作成された
    三次元クロマトグラムから各時刻毎に最大強度を示す波
    長のデータを抽出して二次元クロマトグラムを作成する
    最大強度クロマトグラム作成手段と、 b)該最大強度クロマトグラム作成手段にて作成された二
    次元クロマトグラムに対しピーク検出を行なうピーク検
    出手段と、 c)該ピーク検出手段で検出したピークトップに対応する
    波長により多波長テーブルを作成する多波長テーブル作
    成手段と、 d)前記ピーク検出手段で検出したピークトップに対応す
    る保持時間により同定テーブルを作成する同定テーブル
    作成手段と、 e)三次元クロマトグラムより前記多波長テーブル中の波
    長毎に二次元クロマトグラムを作成する波長固定クロマ
    トグラム作成手段と、 f)該波長固定クロマトグラム作成手段にて作成された二
    次元クロマトグラムに対し前記同定テーブル中のパラメ
    ータを用いて波形解析を行なう解析手段と、 を備えることを特徴とするPDA検出器用データ処理装
    置。
JP24891296A 1996-08-30 1996-08-30 Pda検出器用データ処理装置 Expired - Lifetime JP3541577B2 (ja)

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