JPH1073465A - 発熱抵抗体式空気流量測定装置 - Google Patents
発熱抵抗体式空気流量測定装置Info
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- JPH1073465A JPH1073465A JP8231620A JP23162096A JPH1073465A JP H1073465 A JPH1073465 A JP H1073465A JP 8231620 A JP8231620 A JP 8231620A JP 23162096 A JP23162096 A JP 23162096A JP H1073465 A JPH1073465 A JP H1073465A
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Abstract
空気流量測定装置を提供する。 【解決手段】発熱抵抗体式空気流量測定装置は、空気が
流れる主空気通路22を形成する主空気通路体20と、主空
気通路体内に挿入されて空気流量を測定する発熱抵抗体
3,4等を包含する測定モジュール52とを備え、測定モジ
ュール52は、主流線に対し垂直方向に開口した入口開口
部11と、縦通路13aと、横通路13bと、主流線に対し平
行方向に開口した出口開口部12とからなるL字形の副空
気通路13を形成している副空気通路体10の内部に、発熱
抵抗体等を保有し、主空気通路体20は、副空気通路体10
の上流側の内部側壁周囲に絞り21を有し、空気流れ23が
絞り21の先端から主流線に平行方向に延展して形成する
流束領域Dの内側に、入口開口部11と出口開口部12の両
開口部が配設されている。
Description
る空気流量計に係わり、特に、自動車の内燃機関の吸入
空気流量の測定に好適な発熱抵抗体式空気流量測定装置
に関する。
流量測定装置の脈動流下における計測精度の向上を図る
従来技術として、特開平2ー1518号公報に示すL字
形の検出管を持つ通路構造のものが開示されている。即
ち、逆方向の流れに対して壁を設ける事により、発熱抵
抗体に直接逆流が当たらない様な通路構造としたもので
ある。このような通路構造とすることにより、逆流を伴
わないまでも脈動振幅が大きくなった場合に生じる発熱
抵抗体式空気流量測定装置の検出値の低下、いわゆる二
値現象の改善が図られる。
特開平1−110220号公報に開示されたものがあ
る。この構造は、主流方向に対するほぼ直管の距離の短
い検出管の中の絞りのすぐ下流に発熱抵抗体を配置する
構造である。
れの方向を区別して測定する事は不可能である。このた
め、回転数を一定に保ちスロットルバルブを徐々に開け
てブースト圧を変えて発熱抵抗体式空気流量計の平均出
力をプロットすると、例えば、図12に示すように、あ
るブースト圧以降で真の流速(流量)に対して徐々に増加
してプラス側の計測誤差を示すような跳ね上がり現象が
発生する。これは、図13に示すように発熱抵抗体式空
気流量計の脈動振幅が徐々に大きくなりB点以降で逆流
が発生する為である。逆流が発生すると発熱抵抗体は流
れの方向を判別できないため、順流でも逆流でも同様に
検出してしまうため平均出力が増加してしまうのであ
る。また、この現象は特に、4気筒以下のエンジンで1
000から2000rpmの比較的低回転領域で起こり
易く、それ以上の気筒数のエンジンでは起こり難い現象
である事が知られている。
逆方向の流れに対して壁を設けることにより、発熱抵抗
体に直接逆流が当たらないような通路構造とすることで
逆流による誤差は低減可能ではある。しかし、その低減
量は半分でしかない。これは逆流が生じる場合にはその
分順流も増加するためである。そして、エンジン及びそ
の吸気管路構成上、吸気管路内の逆流の発生を無くすこ
とは困難である。従って、逆流による誤差低減のために
は順流分から逆流分を差し引く構成や、順流のみの計測
だけではなく逆流も計測する構成等の複雑なる方法を採
らなければならない。
実車装着時の逆流を伴う脈動流下における測定精度(含
む低バラツキ精度)の向上を図り、低価格で取扱性に優
れた発熱抵抗体式空気流量測定装置を提供することにあ
る。
抵抗体式空気流量測定装置は、被測定流体が流れる主空
気通路を形成する主空気通路体と、前記主空気通路体内
に挿入されて前記被測定流体の流量を測定する発熱抵抗
体等を包含する測定モジュールとを備える発熱抵抗体式
空気流量測定装置において、前記測定モジュールは、前
記被測定流体の主流線に対し垂直方向に開口した入口開
口部と前記主流線に対し平行方向に開口した出口開口部
とを含む略L字形の副空気通路を形成している副空気通
路体の内部に、前記発熱抵抗体等を有し、前記主空気通
路体は、前記副空気通路体の上流側に位置する内部側壁
周囲に絞りを有し、前記被測定流体が前記絞りの先端か
ら前記主流線に平行方向に延展して形成する流束領域の
内側に、前記入口開口部と前記出口開口部の両開口部が
配設されているものである。
域の流速増加分が該流束領域内に配設された両開口部を
有する副空気通路体を流れる逆流の影響分を低減するの
で、測定精度の向上が図られる。
て、図1〜図11を参照し説明する。図1は、 本発明
による一実施例の 発熱抵抗体式空気流量測定装置を示
す正面(断面)図である。図2は、図1の上流側から視た
側面図である。図1,図2を同時に参照して説明する。
発熱抵抗体式空気流量測定装置(以下、流量測定装置と
いう)は、流量測定用の測定モジュール52と、 主空気
通路22を形成するボディ53(即ち、主空気通路体2
0)と、 ボディ53に測定モジュール52を取り付ける
部品としてのネジ54aやシール54b等を含む構成で
ある。
3としての主空気通路体20の壁面には、穴25が開け
られており、 該穴25に測定モジュール52(の副空気
通路体10)が挿入されて、 主空気通路体20の取付面
とハウジング1の取付面とがネジ7等で機械的強度を保
つように固定されている。また、測定モジュール52と
ボディ53(主空気通路体20)の間にシール54bを取
り付けて気密性が保たれている。
回路を搭載する回路基板2を内蔵するハウジング1と非
導電性部材から成る副空気通路体10とから主に構成さ
れ、副空気通路体10には、空気流量検出のための発熱
抵抗体3と、吸入空気温度を補償するための感温抵抗体
4とが、導電性部材から成る支持体5を介して、回路基
板2と電気的に接続されるように配置されている。すな
わち、ハウジング1,回路基板2,発熱抵抗体3,感温
抵抗体4,副空気通路体10等が、測定モジュール52
として一体化されている。
ついて、回路構成から説明する。図3は、図1の発熱抵
抗体式空気流量測定装置を示す回路構成図である。流量
測定装置の回路基板2に形成されている駆動回路は、大
きく分けてブリッジ回路とフィードバック回路から成り
立っている。吸入空気流量測定を行うための発熱抵抗体
3(RH),吸入空気温度を補償するための感温抵抗体4
(RC),抵抗R10及びR11で上記ブリッジ回路を組
み、オペアンプOP1を使いフィードバックをかけなが
ら発熱抵抗体RHと感温抵抗体RCの間に一定温度差を
保つように発熱抵抗体RHに加熱電流Ihを流して、空
気流量に応じた出力信号V2を出力する。つまり、流速
の速い場合には、発熱抵抗体RHから奪われる熱量が多
いため加熱電流Ihを多く流す。これに対して流速の遅
い場合には、発熱抵抗体Rhから奪われる熱量が少ない
ため加熱電流も少なくて済むものである。そして、発熱
抵抗体Rhから奪われる熱量は、空気の流れの方向によ
らず順流でも逆流でも同じであるため、逆流時にも加熱
電流Ihが流れて、流量測定装置の跳ね上がり現象が生
じるのである。
構成について詳説する。「L字形の検出管を形成してい
る通路構造」としての副空気通路体10は、順方向空気
流れ23の主流線に対して、垂直方向に開口している副
空気通路入口11と、該副空気通路入口11から主流線
に平行に延長している縦通路13aと、該縦通路13a
に連通し略直角に曲がって主流線に垂直に延長している
横通路13bと、該横通路14の終端にあって、主流線
に対して平行に開口している副空気通路出口12とから
成る略L字形の副空気通路13(縦通路13aと横通路
14)を形成している。なお、一般に、発熱抵抗体3や
感温抵抗体4などの発熱抵抗体等は、縦通路13aの内
部部位に配設されている。
0は、挿入された副空気通路体10の上流側に、主空気
通路体20の内部側壁周囲に形成された絞り21を有
し、上述した副空気通路体10の入口開口部(面)として
の副空気通路入口11と、出口開口部(面)としての副空
気通路出口12との両開口部(面)は、被測定流体として
の順方向空気流れ23が絞り21の先端から主流線に対
して平行方向に延展して形成する流束領域D(図1に示
すように絞り21の先端から主流線に対して平行方向に
延展している流線G1,G2で囲まれた内側の領域、例え
ば、主空気通路体20が図2に示すような円管であれば
内径Dに相当する流束領域)の、内側に入るように配設
されている。
0が挿入される主空気通路体20の形状は、ほぼ円筒状
(円管)であり、主空気通路体10が形成する主空気通路
22を流れる 被測定流体としての空気流の流束が成す
有効断面積は、 副空気通路体10の出入口開口部(とし
ての副空気通路入口11と副空気通路出口12)の配置
箇所を包含しているものである。
位置する主空気通路体20の内部側壁周囲に、絞り21
を設けている。絞り21の断面形状は、主空気通路22
とほぼ同じ中心軸を有するベンチェリ形の断面であっ
て、絞り21の上流側はほぼ円弧形状を有し、絞り21
の下流側は順方向空気流れ23に対してほぼ垂直となっ
ている。さらに、絞り21と、副空気通路体10の副空
気通路入口11及び副空気通路出口12との出入口配置
構成は、図2に示すように、上流側から視たときに、絞
り内径D(図示の流束領域D)の内側に、両方の副空気通
路入口11及び副空気通路出口12が配置されるものと
なっている。そして、副空気通路入口11は、図1に示
す流線G1の内側近傍の通路壁側の位置に、かつ、副空
気通路出口12は、図1に示す流線G2の内側近傍の通
路壁側の位置に配設されることが望ましい。
(ベルマウス状)とするのは、絞り21の下流側の通路中
心付近の空気流れを乱さないためであり、また、絞り2
1の下流側半分を空気流れの主流線方向に対してほぼ垂
直形状とするのは、後述の図5に示すように、絞り21
の下流側で順方向空気流れ23に対して剥離を生じ易く
するためである。これにより、絞り径内側の下流で流れ
を乱さずに脈動時の順流流速を増加させることが可能と
なる。
流量測定装置の特徴は、被測定流体が流れる主空気通路
を形成する主空気通路体と、前記主空気通路体内に挿入
されて前記被測定流体の流量を測定する発熱抵抗体等を
包含する測定モジュールとを備える発熱抵抗体式空気流
量測定装置において、前記測定モジュールは、前記被測
定流体の主流線に対し垂直方向に開口した入口開口部
と、該入口開口部から前記主流線に平行に延長した縦通
路と、該縦通路に連通し略直角に曲がって前記主流線に
垂直に延長した横通路と、該横通路の終端にあって前記
主流線に対し平行方向に開口した出口開口部とからなる
略L字形の副空気通路を形成している副空気通路体を有
して該副空気通路体の内部に前記発熱抵抗体等を保有
し、前記主空気通路体は、前記副空気通路体の上流側に
位置する内部側壁周囲に絞りを有し、前記被測定流体が
前記絞りの先端から前記主流線に平行方向に延展して形
成する流束領域の内側に、前記入口開口部と前記出口開
口部の両開口部が配設されていることにあると言える。
りを有する本発明の特徴とする構成によって、逆流影響
による跳ね上がり誤差および二値現象が低減されるメカ
ニズムについて、図4,5を用いて絞りの有無の比較か
ら説明する。図4は、本実施例の絞りによる跳ね上がり
誤差低減のメカニズムを示す図である。図5は、本実施
例の絞りによる二値現象低減のメカニズムを示す図であ
る。
4(a)と図4(b)である。従来の絞り無しの場合には、
主空気通路中に図4(a)に示す流速波形のような逆流が
生じても、発熱抵抗体だけでは流れの方向を検知できな
いために、実際には図中斜線に示したような流速のゼロ
付近で折り返した波形となる。また、図4(a)に示す副
空気通路効果の波形のように、前述のL字形副空気通路
を採用することにより副空気通路中には逆流の侵入を無
くすことができる。
逆流まで生じる流速振幅が有ると、副空気通路の効果に
より副空気通路の中には逆流の進入は無くなるが、発熱
抵抗体の応答遅れを考慮した波形の平均値は、逆流が生
じた分は差し引かないので、その分だけ順流が増加する
ことになり、ΔU1増加してしまう。このΔU1が逆流
による検出誤差となる。
に絞りを配置すると絞りの下流側で剥離渦が生じるため
に、副空気通路配置部では、主空気通路有効断面積が狭
くなり、平均流速U2はU1よりも速くなり、更に脈動
振幅も増加する。しかし、逆流に対しては、副空気通路
配置部の通路有効断面積を絞る手段が無いため、すなわ
ち、 副空気通路の上流側の絞りは、逆流に対しては無
関係となるので、 逆流(逆流量)の影響としてのΔU1
とΔU2とは、ほぼ同じ値を示す。つまり、副空気通路
の上流側に絞りを配置したことにより、逆流量を変えず
に平均流速のみ増加させることが可能となる。
差(跳ね上がり誤差)としては、上記の関係、すなわち、
U1<U2, ΔU1=ΔU2 から、(ΔU1/U
1)>(ΔU2/U2)の関係式が成立ち、副空気通路の
上流に絞りを設けた場合の方が、逆流による計測誤差を
小さくすることが可能となる。
果として、逆流を伴わないまでも脈動振幅が大きくなっ
た場合に生じる流量測定装置の検出値の低下、いわゆる
二値現象の改善があげられる。図13に示すように、二
値現象は回転数一定に保って徐々にスロットルバルブを
開けて吸入負圧を変化させた場合に生じる出力の低下で
ある。これは発熱抵抗体の空気流量(流速)に関する出力
特性が非線形な関係にあるために生じるものである。
値に対して二つの異なる運転条件が存在してしまうた
め、エンジンの制御系は正確な燃料制御ができなくなっ
てしまうのである。従来技術で述べた通り、この現象は
絞りの無い曲がりを有するL字形副空気通路内に発熱抵
抗体を配置することである程度回避することは可能であ
る。しかし、全てのエンジンに関して二値現象を改善す
るためには、L字形副空気通路の形状の各エンジンに対
しての最適化が必要となる。これに対し、本発明による
発熱抵抗体式空気流量測定装置が備える副空気通路上流
側の絞りが、全てのエンジンに関して二値現象を改善す
るに有効なものである。これについて、絞りの有無で比
較した流速分布の図5(a)と図5(b)を参照して説明す
る。
管路における空気流の流速分布は、定常時はほぼ放物線
に近い分布を示す。しかし、脈動流下においては、流速
振幅が徐々に大きくなると、その分布形状は放物線形状
から平坦形状に近づく流速分布となる。 これを絞りの
有無で比較してみると、絞り無しの場合は、 図5(a)
のようになり、絞り有りの場合は、図5(b)のようにな
る。
空気通路22の壁面付近は絞り21の影となるため、空
気が流れ難くなる。そのために空気流は、それ以外の部
分、即ち、絞り21の領域D(例えば、円管の内径D)の
下流部分で、流速が極端に速くなるのである。更に、こ
れは図中に示す絞り21の内径下流部分の通路中心より
も、中心からずれた通路壁側の位置における流速の増加
分が多くなる。なお、この点に、前述した副空気通路入
口11は流線G1の内側近傍の通路壁側の位置に、副空
気通路出口12は流線G2の内側近傍の通路壁側の位置
に配設する理由がある。
通路壁側の位置における流速増加分ΔU1’と、図5
(b)に示す通路壁側の位置における流速増加分ΔU2’
との間に、ΔU1’<ΔU2’の関係があるので、領域
Dの下流部分に、副空気通路の出入口を配置すれば、脈
動振幅の増加に伴って、副空気通路内を流れる流速も増
加する。そのために、発熱抵抗体の出力が非線形性で低
下したとしても、副空気通路を流れる流速を増加させる
流速増加分が、その低下分をキャンセルすることが可能
となるものである。しかしながら、絞り寸法(内径D)を
あまりに小さくすると、この流速増加分が大きくなり過
ぎて、逆流の発生が無いにも関わらず発熱抵抗体の出力
が増加してしまう現象が生じる。このために逆流影響の
低減や二値現象低減を考慮すると、主空気通路20の有
効断面積A1と絞り21の有効断面積A2(領域Dの有
効断面積)との比は、後述するような最適な値に設定し
なければならない。
速の速い位置で効果が大きくなるため、副空気通路出入
口が絞り21の領域D(例えば、円管の内径D)の下流部
分の内側に配置されることが重要である。つまり、空気
流の主流線方向に対してほぼ垂直に開口している副空気
通路入口11は、流れの動圧が直接かかる配置構造とし
なければならず、空気流の主流線方向に対してほぼ平行
に開口している副空気通路出口12は、出口上流に動圧
を与え、かつ剥離渦を生じさせて出口の吸い出し効果を
高める配置構造とすることが必要となる。 また、副
空気通路出口12に関しては、主流線方向に対してほぼ
平行に開口しているので、主空気通路体20の壁面と空
気流との衝突による損失をも抑えなければならず、その
ために、副空気通路出口12は適切に該壁面から離して
配置しなければならない。
際に実車を用いて実験的に検討した結果を、図6,図7
を参照して説明する。図6は、絞りの寸法と跳ね上がり
誤差との関係を示す図である。図7は、絞りの出入口相
対位置と出力ノイズとの関係を示す図である。実験内容
としては、台上エンジンを用いて図12に示すように、
回転数を一定に保ちながら徐々にスロットルを開けて、
スロットル全開時の発熱抵抗体の示す検出誤差を絞り寸
法(内径D)を変えてプロットしたものである。実験によ
れば、図5(b),図6に示すように、絞りの大きさとし
ては、副空気通路が配置される主空気通路の有効断面積
A1と絞り内径Dの有効断面積A2の絞り比R(A2/
A1)≧70(%)の範囲で、逆流による跳ね上がり誤差
の低減効果が得られた。
と、逆に出力が増加に転じることが判明した。これは前
記した通り絞り下流では振幅が大きくなると、検出する
流速そのものが増加するためである。参考のため逆流の
発生のない回転数での同一検討結果も示したが、絞り比
R<70%で出力が急激に増加する事を確認した。この
ため、副空気通路が配置される主空気通路の断面積A1
と絞り内径の断面積A2の比としては、R(A2/A1)
≧70%が妥当であると考える。しかし、絞り比R=1
00(%)の絞り無しの場合(従来技術相当)を考慮すれ
ば、跳ね上がり誤差を低減するには、90≧R≧70
(%)の範囲が望ましいと言える。特に、誤差を半減する
場合であれば、80≧R≧70(%)の範囲が望ましく、
また、跳ね上がり誤差の低減効果は、80≧R≧70
(%)の範囲であって、図1に示す、絞り21から入口開
口部11までの距離Lが、L=0.7Dの関係にある近
辺距離にあれば、良好であるという実験結果が得られて
いる。
係と、定常流下における流量測定装置の出力ノイズとの
関係について、図7を参照して説明する。図7におい
て、縦軸は出力ノイズの値を、横軸は図6と同じように
絞り比Rを示している。なお、本実験検討に用いたサン
プル品の絞り寸法は、絞り比R=約60(%)である。し
たがって、絞り比Rが60(%)以下の範囲であるという
ことは、副空気通路の出入口位置が、それぞれ絞り21
の陰の領域(図1に示す主流線方向G1,G2で囲まれた
外側である壁側の領域)に入るものである。
(%)の範囲では、出力ノイズは、絞り比Rが小さくなる
につれて小さくなった。しかし、60%以下の範囲で
は、明らかに出力ノイズの増大が認められた。すなわ
ち、副空気通路の出入口の両位置が、領域D(図1に示
す主流線方向G1,G2で囲まれた内側の領域)にある場
合に出力ノイズは小さくなることである。基本的には絞
り比Rを大きくして、即ち、絞り寸法を小さくして、流
速を速めれば、出力ノイズを小さくできることが判明し
た。そして、上流側に絞りが有りその下流側が剥離を起
こしていると、換言すれば、副空気通路の出入口の両位
置が絞り21の陰の領域にあると、主空気通路の流れが
乱れて出力ノイズを大きくしてしまうことが判明した。
速の値は、出入口の圧力差で決まるため、出入口双方と
も上流の流れを乱さない工夫が必要となる。このため副
空気通路の上流側に絞りなどを配置する場合には、出力
ノイズの面からの副空気通路出入口と絞り寸法の相対位
置に対して配慮することが必要であると言える。そし
て、図6と図7の結果から、跳ね上がり誤差および出力
ノイズの低減を図るには、90≧R≧70(%)の範囲が
望ましいと言える。
0を参照し説明する。図8は、本発明による他の実施例
の発熱抵抗体式空気流量測定装置を示す断面図である。
エアクリーナ68のエアクリーナクリーンサイド41の
一部に、主空気通路を形成する絞り付き直管41aを一
体化した流量測定装置の横断面を示している。図におい
て、吸気系を形成する吸気管構成部材の一つであるエア
クリーナ68は、主空気通路体20としての絞り付き直
管41aを一体形成するエアクリーナクリーンサイド4
1とエアクリーナダーティサイドとエアフィルタエレメ
ント43とから構成される。
ド41(エアフィルタ43の下流側に位置するダクト)の
吸気出口部位に絞り21を設け、 その下流に、主空気
通路体20としての絞り付き直管41aを一体で連接
し、該絞り付き直管41aの壁面に設けた穴25に、図
1に示した測定モジュール52(の副空気通路体10)を
挿入したものである。本実施例では、既存の吸気管構成
部材としてのエアクリーナ68に、絞り21と穴25と
を備える主空気通路体20を兼用させる構成であるの
で、専用空気通路レス化が図れ、顧客カーメーカでのシ
ステムコストの低減が可能となる。
抗体式空気流量測定装置を示す断面図である。エアクリ
ーナクリーンサイド41の一部に絞り21を設け、更に
エアクリーナクリーンサイド41に主空気通路体20を
接合した流量測定装置を示している。図10は、図9の
接合部を示す部分拡大図である。連結部としてのインロ
ー部47と接合部48との詳細を示している。
じであるが、エアクリーナ68の吸気出口部位としての
出口開口部を、ベルマウス状の絞り21として構成し、
その下流に流量測定装置の主空気通路体20としてのボ
ディ53を、インロー部47と接合部48とにおいて接
着或いはネジ止め等により機械的に連結した構成であ
る。すなわち、発熱抵抗体式空気流量測定装置を構成す
る主空気通路体の該主空気通路体から分離した絞りを、
主空気通路体が連接される当該吸気管構成部材の吸気出
口部位に有するものである。本実施例では、既存の吸気
管構成部材に、絞り21を兼用させるので、専用絞りレ
ス化が図れること、ならびに、既存の絞りの無い発熱抵
抗体式空気流量測定装置が流用できることにより、顧客
カーメーカでのシステムコストの低減が可能となる。
した一実施例の電子燃料噴射制御方式の内燃機関を示す
図である。本実施例の発熱抵抗体式空気流量測定装置か
ら得られる空気流量信号を用いて、燃料の供給量を制御
する内燃機関の燃料制御システムの実施例を示してい
る。図において、吸入される吸入空気67は、エアクリ
ーナ68,流量測定装置のボディ53,ダクト55,ス
ロットルボディ58,燃料が供給されるインジェクタ6
0を備える吸気マニホールド59などから形成される吸
気系を経て、エンジンシリンダ62に吸入される。一
方、エンジンシリンダ62で発生した排気ガス63は、
排気マニホールド64を経て排出される。
力される空気流量信号,スロットル角度センサ57から
出力される スロットルバルブ角度信号, 排気マニホー
ルド64に設けられた酸素濃度計65から出力される酸
素濃度信号,エンジン回転速度計61から出力されるエ
ンジン回転速度信号等を入力するコントロールユニット
66は、これらの信号を逐次演算して、最適な燃料噴射
量とアイドルエアコントロールバルブ開度を求め、その
値を使ってインジェクタ60及びアイドルエアコントロ
ールバルブ56が吸入空気流量に見合った燃料の供給量
を制御する。そして、本実施例の流量測定装置を採用し
た電子燃料噴射方式内燃機関であれば、吸入空気流量が
適正に測定できるので、電子燃料噴射制御が適切に行わ
れ、排ガス中の未燃ガスの量を減らすことが可能とな
る。
成される流束領域の流速増加分が、実車装着時の逆流を
伴うような脈動流下における跳ね上がり誤差や二値現象
の悪影響を改善し、低価格で精度の良い発熱抵抗体式空
気流量測定装置を提供する効果がある。そして、ドライ
バーがアクセルを踏み込んだときの適切な流量制御が可
能となり、例えば、電子燃料噴射方式内燃機関の排ガス
清浄化に効果がある。
測定装置を示す正面(断面)図である。
路構成図である。
カニズムを示す図である。
ムを示す図である。
である。
示す図である。
流量測定装置を示す断面図である。
流量測定装置を示す断面図である。
の電子燃料噴射制御方式の内燃機関を示す図である。
誤差を説明する図である。
説明する図である。
感温抵抗体、5…支持体、7…ネジ、10…副空気通路
体、11…副空気通路入口(入口開口部)、12…副空気
通路出口(出口開口部)、13a…縦通路、13b…横通
路、20…主空気通路体、21…絞り、22…主空気通
路、23…順方向空気流れ、24…逆方向空気流れ、2
5…穴、41…エアクリーナクリーンサイド、41a…
絞り付き直管、42…エアクリーナダーティサイド、4
3…エアフィルタエレメント、47…インロー部、48
…接合部、52…測定モジュール、53…ボディ、54
a…ネジ、54b…シール、55…ダクト、56…アイ
ドルエアコントロールバルブ、57…スロットル角度セ
ンサ、58…スロットルボディ、59…吸気マニホール
ド、60…インジェクタ、61…回転速度計、62…エ
ンジンシリンダ、63…排気ガス、64…排気マニホー
ルド、65…酸素濃度計、66…コントロールユニッ
ト、67…吸入空気、68…エアクリーナ
Claims (6)
- 【請求項1】被測定流体が流れる主空気通路を形成する
主空気通路体と、前記主空気通路体内に挿入されて前記
被測定流体の流量を測定する発熱抵抗体等を包含する測
定モジュールとを備える発熱抵抗体式空気流量測定装置
において、 前記測定モジュールは、前記被測定流体の主流線に対し
垂直方向に開口した入口開口部と前記主流線に対し平行
方向に開口した出口開口部とを含む略L字形の副空気通
路を形成している副空気通路体の内部に、前記発熱抵抗
体等を有し、 前記主空気通路体は、前記副空気通路体の上流側に位置
する内部側壁周囲に絞りを有し、 前記被測定流体が前記絞りの先端から前記主流線に平行
方向に延展して形成する流束領域の内側に、前記入口開
口部と前記出口開口部の両開口部が配設されていること
を特徴とする発熱抵抗体式空気流量測定装置。 - 【請求項2】請求項1において、前記絞りの寸法は、前
記絞り位置における前記主空気通路の有効断面積に対す
る前記絞りの有効断面積の比の関係が70〜90(%)の
範囲となっていることを特徴とする発熱抵抗体式空気流
量測定装置。 - 【請求項3】請求項1において、前記絞りの形状は、当
該絞りの上流側半分がほぼ円弧形状であり、下流側半分
が前記主流線方向に対しほぼ垂直形状であることを特徴
とする発熱抵抗体式空気流量測定装置。 - 【請求項4】請求項1記載の発熱抵抗体式空気流量測定
装置を構成する主空気通路体の絞りと測定モジュールが
挿入される穴とを有して、当該吸気管構成部材が前記主
空気通路体を兼用することを特徴とする吸気管構成部
材。 - 【請求項5】請求項1記載の発熱抵抗体式空気流量測定
装置を構成する主空気通路体の該主空気通路体から分離
した絞りを、前記主空気通路体が連接される当該吸気管
構成部材の吸気出口部位に有することを特徴とする吸気
管構成部材。 - 【請求項6】請求項1記載の発熱抵抗体式空気流量測定
装置から得られる空気流量信号を用いて、燃料の供給量
を制御することを特徴とする内燃機関の燃料制御システ
ム。
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