JP3561219B2 - 発熱抵抗式流量測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、流体通路の流体が順方向と逆方向に変化する流れを有する時にその流れ方向を判別すると共に、その流量に応じた信号を出力する発熱抵抗式流量測定装置に係り、特に、内燃機関の吸入空気流量を測定するのに適する発熱抵抗式流量測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の装置としては、例えば特開昭62−812号公報記載の熱線式空気流量計がある。この公知例には、順方向及び逆方向の流れを検出するための発熱抵抗体の素子構造や、方向判別,流量信号の出力回路構成ならびにその検出メカニズムについて具体的に記載されているが、曲がり部のある副通路内に発熱抵抗体を設けその発熱抵抗体へ逆流を導く通路構成についての記載が無く、逆流の測定が明確に可能な通路構成は、主通路中に検出素子を副通路を設けずに設置したものと、単純な円管路中に設置したものが記載されている。
【0003】
内燃機関の吸入空気のように、定常流から逆流を伴う脈動流まで全域で精度良く流量検出するためには、まず第1に、逆流が生じた場合の流量測定装置のプラス誤差を低減するために、順方向の流量から逆方向の流量を差し引いた流量検出を行う必要がある。そして、前出の公報記載の技術は、順方向と逆方向の両方の流量信号を出力可能としたものであり、この誤差の低減についてすでに配慮されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術の発熱抵抗式流量測定装置は、曲がり部のある副通路を有するものは、主通路に逆流が発生しても副通路内に逆流が生じず、正確な逆流の測定が困難なものであり、また、副通路を設けずに主通路中に測定素子を設置したものや単純な円管路中に設置したものは、測定流体が脈動すると出力信号がマイナス誤差を示すという問題を有していた。このマイナス誤差は、発熱抵抗体の放熱特性の非線形性と応答遅れによるものであり、順方向の流れが脈動となることにより生じるものであるため、逆方向の流量を計測することで解決できない問題であった。
【0005】
したがって、本発明の目的は、逆流を伴う脈動流のように順方向と逆方向の流れが混在する流体の流量を適正に検出することができる発熱抵抗式流量測定装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、内燃機関の吸気通路内に設けられる副通路内に、少なくとも2個の発熱抵抗体を上流側と下流側に近接して設置し、上流側と下流側の該発熱抵抗体の放熱量の差から空気の流れ方向が順方向であるか逆方向であるかを判別すると共に、順方向と逆方向の流量に対応した信号を出力する発熱抵抗式流量測定装置において、
前記副通路は、少なくとも1つの曲がり部を有し内部に前記発熱抵抗体を備える第1の流路と、前記吸気通路に逆流が生じたときに該逆流を前記第1の流路に取り込む第2の流路とを含むことにより達成される。
【0007】
【作用】
本発明の構成は、流量を検出する発熱抵抗体を副通路内に設け、副通路に流入した順方向の流れが脈動時に主通路の流れよりも高い慣性効果を持つように、副通路の順方向流れに対する流路長さを主通路の同一部分の長さより長くし、マイナス誤差を相殺するものであり、また、逆方向の流れの流量計測も達成できるように、副通路に逆方向の流れを導く流路を設けたものである。
【0008】
換言すれば、順方向と逆方向の流れ方向を判別するとともに、流量の計測を行う発熱抵抗式流量測定装置は、前記のように公知の技術であるが、その作用効果を維持しながら脈動流によるマイナスの計測誤差を回避する技術については開示されておらず、本発明はその対策を実施したものである。
【0009】
さらに詳細について説明すると、発熱抵抗式流量測定装置の流量に対する出力は、発熱抵抗体から流体への放熱の物理現象により非直線の特性を示している。このため、脈動流の計測に際しては、放熱特性あるいは制御回路による検出遅れからその計測値はマイナス誤差を生じる。そこで、脈動流によるマイナス誤差を相殺するように、脈動流により計測値を持ち上げる副通路構造を用いる。すなわち、流量を検出する発熱抵抗体を副通路内に配置し、副通路の全長を同一部分の主通路長さより長く形成すると、主通路に生じる脈動流に対して、副通路内の脈動流は主通路より大きな慣性効果を有するようになる。このため、副通路内の脈動流の平均流速が持ち上げられるため、計測値にプラス誤差を生じさせることができ、前述のマイナス誤差と相殺することができる。
【0010】
しかし、上記のプラス誤差を生じる副通路は、逆方向の流れを十分に発熱抵抗体に導くことができない構成である。このため副通路に逆流を導入する第2の流路を設け、主通路に逆流が発生したときに該逆流を副通路に導くようにしたものである。例えば、曲がり部を有することによって、発熱抵抗体を内部に備えた第1の流路は、主通路の長さよりも長く慣性効果の大きい副通路となる。また、第1の流路の発熱抵抗体の下流で第1の流路と連通する第2の流路は、主通路に発生する逆流に対して垂直な面に出口開口部を有し、逆流を第1の流路、即ち副通路に導く流路となる。
【0011】
ここで、主通路に逆流を持たない脈動流が発生したときには、副通路内の流れは主に第1の流路を流れ、逆流発生時は逆流を第2の流路により副通路に導くような副通路を構成することが、充分な効果を得るために必要である。
【0012】
一方、第1の流路の入口開口面を、吸気通路の主流に対してほぼ直角な断面に形成し、出口開口面を主流に対してほぼ平行に形成しているのは、主通路に順流が流れるとき、第1の流路の入口に動圧を生じさせて圧力を高め、出口を主流と垂直な合流面とすることで圧力を低くし、第1の流路の入口と出口の間の圧力差を大きくして、第1の流路を流れる流体が流れ易くするものである。
【0013】
また、吸気通路に逆流が生じたときの該逆流に対する第2の流路の入口開口面を、その逆流の主流方向に対してほぼ直角な断面に形成しているのは、第2の流路の通気抵抗が比較的大きくても、逆流により第2の流路の入口に動圧を生じさせて、逆流を副通路に導き易くするものである。
【0014】
さらに、第1の流路と第2の流路との分岐部(合流部)を互いにほぼ直角に形成していること、また、該分岐部から各々の流路の出口までの通気抵抗において、第1の流路に対して第2の流路の方を大きくしているのは、順方向の流れが第1の流路を流れるとき、第2の流路の方へ流れ難くするためである。
【0015】
またさらに、第2の流路の通気抵抗を、逆流に対する通気抵抗の方が順流の時より小さくするのは、第2の流路の通気抵抗が大きい程、順方向の流れは第2の流路を流れ難くなり、第1の流路を流れるためのマイナス誤差は低減するが、大きすぎると逆方向の流れの導入量が少なくなり、流れ方向の判別及び逆方向の流量検出が劣ることになるため、したがって反対に、逆流に対する通気抵抗を小さくし、逆流を導き易くするためである。
【0016】
また、逆流が第1の流路に流れ込む第2の流路の出口開口部を、逆流の流れ方向に対して発熱抵抗体と重ならない位置にシフトして形成しているのは、逆流を伴う脈動流の周波数が異なる領域持つとき、あるいは、広範囲の周波数帯で逆流が発生するときに、高周波域での逆流が発熱抵抗体部分に流れる量を低減し、高周波域にて逆流の検出量が大きくなり過ぎることを防止するためである。
【0017】
さらにまた、第2の流路が複数の流路によって構成されるのは、各流路の長さが異なり逆流導入に時間差(変化)が生じ、各周波数域での逆流検出量が適切に行えるからである。
【0018】
【実施例】
以下、本発明による実施例について、図1〜図10を参照し説明する。
【0019】
図1は、本発明による一実施例の発熱抵抗式流量測定装置を示す横断面図である。図2は、図1の左側(上流側)から見た外観図である。
【0020】
ベース部材7の上面には、電子回路8及びハウジング9が固定され、外部機器と電気的に接続するためのコネクタ11はハウジング9に一体化され、ハウジング9の上面はカバー10によって覆われている。感温抵抗体の一種であって流量検出と流れ方向判別のための発熱抵抗体1と、体温度検出用の感温抵抗体2とは電子回路8と電気的に接続されホルダ19に固定されている。
【0021】
発熱抵抗体1は、板状基板面に少なくとも2つの感温抵抗体を上流側と下流側に形成したものである。副通路3は、ベース部材7に対し垂直な面に開口する入口開口面301と、入口開口面301からベース部材に対し平行な通路とベース部材に対し垂直な通路から成って直角に曲がった曲がり部303を有する第1の流路302と、ベース部材7に対し平行な面に開口する出口開口面305とから構成される。換言すれば、副通路3はL字形の流路で、通気通路としての主通路5を流れる空気の主流方向に垂直な面に形成された入口開口面301,直角に曲がった曲がり部303を有する第1の流路302,主通路5の主流方向と平行な面に形成された出口開口面305から構成される。
【0022】
そして、該曲がり部303の発熱抵抗体1の受感部の直下流に、ベース部材に対し平行で、逆方向の流れを導入するための第2の流路309が形成される。さらに、発熱抵抗体1が第1の流路302内に位置するように、副通路構成部材4がベース部材7に固定される。
【0023】
一方、主通路5を構成する流量計ボディ6の壁面には、副通路構成部材4を差し込むための挿入穴14及びベース部材7を取り付ける取付固定面15が設けられている。この流量計ボディ6に、副通路3の第1の流路302が主通路5の順方向流れ方向17と平行になるように、副通路構成部材4を挿入穴14から主通路5内に差し込み、挿入穴14の周囲がシールされるように取付固定面15とベース部材7の底面の間にゴムパッキン16を挟んで、ベース部材7が主通路外壁に ネジ18により固定されている。
【0024】
図3は、本発明による他の実施例の発熱抵抗式流量測定装置を示す横断面図である。上記実施例に対して、さらに種々の精度向上を図った構成及び副通路構成部材とベース部材の固定法を具体化した実施例である。図4は、図3の左側(上流側)から見た外観図である。さらに、図5は、図3の第1の流路と第2の流路の部分拡大図である。図3〜図5を同時に参照し説明する。
【0025】
ターミナル13がホルダ19の内部を貫通するようにターミナル13をホルダ19と一体化し、ベース部材7の穴部を通してベース部材7とホルダ19が固定される。電子回路8は、ベース部材7あるいはホルダ19の上面に固定され、ターミナル13とワイヤ等の導電性部材22を介して電気的に接続される。また、ハウジング9もベース部材7の上面に固定され、ハウジング9の上面は、カバー10を固定することによって覆われる。
【0026】
一方、ターミナル13の電子回路8に対し反対側の端部には、各々2個の発熱抵抗体1及び感温抵抗体2が上下流に重なるように配置され、電気的に接続固定される。本実施例では2個の感温抵抗体2は副通路3の直角なる曲がり部303内部の、内側コーナ近くに位置するように固定し、2個の発熱抵抗体1は副通路3の第1の流路302内部の、感温抵抗体2よりもベース部材7に近い位置に近接して上下流に重なるように固定している。
【0027】
副通路構成部材4によって、主通路5の主流方向に垂直な面に形成された入口開口面301,曲がり部303を有する第1の流路302,主通路5の主流方向と平行な面に形成された出口開口面305から構成されるL字形の副通路3に、順方向の流れに対して広がり管路となっているノズル状の第2の流路309が構成されている。該ノズル状の第2の流路309は、発熱抵抗体1の方向に突出した形状で設けられているが、第1の流路302内に位置する第2の流路309の出口開口部320は、図示のように、逆流の流れ方向に対して発熱抵抗体1と重ならない位置にシフトされ形成されている。換言すれば、発熱抵抗体1の配設位置は、逆流の主流方向の延長線上から外れた位置にある。なお、感温抵抗体2も逆流の主流方向から外れた位置にあっても可である。
【0028】
上記のように第2の流路309をノズル状にしているのは、第2の流路に順流が流れるときの通気抵抗を逆流の時よりも大きくするためであり、換言すれば、順方向の流れは流れ難くし逆流は流れ易くし、マイナス誤差の補正を適切に行って測定精度を向上するためである。また、発熱抵抗体1と重ならない位置にシフトしているのは、高周波域で生じる逆流による発熱抵抗体1への影響を回避し、高周波域での測定誤差が大きくならないようにするためである。
【0029】
また、主通路5に逆流が生じたときの該逆流に対する第2の流路の入口開口面323を、その逆流の主流方向に対してほぼ垂直に形成する。このようにして、第2の流路309の通気抵抗が比較的大きくても、逆流により第2の流路309の入口に動圧を生じさせて、逆流を副通路3に導き易くするものである。
【0030】
更に、副通路3内に取り込む空気を広範囲に導く、特に主通路5の中心付近から導くことを目的として設けた周囲に壁を残して堀り込んだ受皿状入口306、出口部の流れを安定化することより設けた両側に壁のある傾斜面307、該傾斜面の先端を出口開口面305より下方に出張らせた出口庇308、及び、ホルダ19を挿入する穴401とホルダ19との接合面402が、副通路構成部材4に形成されている。
【0031】
また、図5に示すように、発熱抵抗体1の配設位置322は、主通路5の主流方向と平行な第1の流路302の中心線よりも、ホルダ19(ベース部材7)に近い方向にシフトされ、 第2の流路309の中心線321は、上記の第1の流路302の中心線とほぼ同一線上に配設される。したがって、第2の流路の入口開口面323から流れ込み、出口に相当する第2の流路309の出口開口部320から吐出する、第2の流路の中心線321を有する逆流の流れは、発熱抵抗体1の配設位置322からずらして形成されている。すなわち、第1の流路内に形成される第2の流路の逆流に対する出口開口部は、逆流の流れ方向に対して発熱抵抗体と重ならない位置にシフトして形成されていることになる。
【0032】
また、受皿状入口306の底面と第1の流路302の内壁との間に、肉盗み穴403を設け、副通路構成部材4を均肉化しプラスチック成形のひけによる形状変化を防止するとともに、材料費及び重量を低減している。
【0033】
この副通路構成部材4は、ホルダ挿入穴401にホルダ19を差し込み、接合面402でホルダ19と接着固定される。ここで、ホルダ19に設けた段差と副通路構成部材4の接合面402により溝部404が形成される。この溝部404はOリング20の装着溝であり、Oリング20により主通路壁面の挿入穴14がシールされる構成となっている。上記により、回路部と副通路部及び挿入穴シール用のOリングが一体化したモジュールが構成される。
【0034】
これを前記の実施例と同様に流量計ボディ6に固定することにより、発熱抵抗式流量測定装置が完成される。本実施例では、挿入穴シール用のOリングがモジュールに装着されているため、ゴムパッキンは不要である。また本実施例では、ハウジング9をベース部材7とともにネジ18にて固定しハウジングの固定強度を増加したものを示しており、さらに、流量計ボディ6の主通路5の入口面に整流格子21を装着し、計測精度をより改善したものを示している。
【0035】
図6は、本発明による別の実施例の発熱抵抗式流量測定装置を示す横断面図である。図7は、図6の左側(上流側)から見た外観図である。
【0036】
図8は、図6のA−A断面図である。
【0037】
本実施例では、副通路3を主通路5とともに流量計ボディ6に一体形成している。副通路3は、前記の実施例と同様に、L字形の第1の流路302と、逆方向の流れを導入する第2の流路309により構成される。流量計ボディ6と一体に形成するため、副通路3は、主通路5の直径方向に第1の流路を溝状(下流側が開いた形状)として橋渡しした形状で形成され、第1の流路の下流側を塞ぐバックプレート310を固定して副通路3が完成されるようにしている。
【0038】
従って、第2の流路309はバックプレート310と一体に第1の流路の曲がり部303の下流で、第1の流路302と直角方向に形成され、第1の流路の出口開口部305は、第1の流路の両側に設けられている。この出口開口面305の上流にはひさし状の突起308が両側に形成され、第1の流路の入口開口部301は受皿状500の底面を傾斜させた形状としている。
【0039】
また、第2の流路の開口面も同様に傾斜底面を持つ受皿状500に形成している。本実施例の発熱抵抗体1は、円筒形ボビンの上流面と下流面に膜状の感温抵抗体を形成したもので、順方向と逆方向の流れを検出でき、ターミナル13に固定され電子回路8と電気的に接続している。従って、発熱抵抗体1が副通路3の内部に位置するように、ホルダ19を流量計ボディ6の挿入穴に差し込みハウジング9を流量計ボディ6に固定することにより、発熱抵抗式流量測定装置が完成される。
【0040】
図9は、本発明によるもう一つ別の実施例の発熱抵抗式流量測定装置を示す横断面図である。本実施例は、第2の流路309が複数の流路から構成されているものである。そして、電子回路8を内装保護するハウジング9と副通路3を一体形成し、副通路3とハウジング9の大部分が主通路5内に位置するように吸気通路の壁面に設けた穴14から挿入され、コネクタ11が吸気通路の外側になるように固定された、発熱抵抗式流量測定装置の実施例を示すものである。
【0041】
ベース部材7の上面には、電子回路8及びハウジング9が固定され、外部機器と電気的に接続するためのコネクタ11はハウジング9に一体化され、ハウジング9の上面はカバー10によって覆われている。流量検出と流れ方向判別のための発熱抵抗体1と流体温度検出用の感温抵抗体2は、板状基盤に一体形成的に構成され電子回路8と電気的に接続されて、ホルダ19に固定されてからハウジング9に固定されるか、または、直接ハウジング9に固定される。L字型の副通路3は、第1の流路302と、 逆方向の流れを導入するための2本の第2の流路309a,309bとを含み形成される。発熱抵抗体1は、曲がり部303の上流に配置され、2本の第2の流路309a,309bは、発熱抵抗体1の上流側と下流側において分岐している。ここで、発熱抵抗体1の順流に対する上流側で分岐している第2の流路309aは、下流側で分岐している第2の流路309bよりも、かなり長い流路長を持つように、曲がり部を有する流路となっている。そして、第2の流路309bは、第1の流路302の壁面に設けた穴状の非常に短い流路としている。
【0042】
このように長さの異なる複数の(2本の)第2の流路309a,309bを発熱抵抗体1の上流側と下流側に設けると、主通路5に逆流が発生したとき、下流側の第2の流路309bより第1の流路302に導かれた逆流は、わずかな時間差を持っているので上流側の第2の流路309aに導かれる逆流によって、打ち消されるように作用する。そのために、発熱抵抗体1の所定部分を流れる逆流量を脈動流の周波数によって異なるように制限でき、高周波域での逆流量の検出し過ぎを防止できる。
【0043】
図10は、本発明による発熱抵抗式流量測定装置を用いた内燃機関の制御システムを示す図である。電子燃料噴射方式の内燃機関を制御する制御システムの一実施例を示す図である。
【0044】
エアクリーナ100から吸入された吸入空気101は、発熱抵抗式流量測定装置のボディ102,吸気ダクト103,スロットルボディ104及び燃料が供給されるインジェクタ105を備えたマニホールド106を経て、エンジンシリンダ107に吸入される。一方、エンジンシリンダで発生したガス108は排気マニホールド109を経て排出される。
【0045】
発熱抵抗式流量測定装置の、回路モジュール110から出力される空気流量信号,スロットル角度センサ111から出力されるスロットルバルブ開度信号,排気マニホールド109に設けられた酸素濃度計112から出力される酸素濃度信号及びエンジン回転速度計113から出力される回転速度信号を入力するコントロールユニット114は、これらの信号を演算して最適な燃料噴射量とアイドルエアコントロールバルブ開度を求め、その値に基づいて前記インジェクタ105及びアイドルエアコントロールバルブ115を制御する。
【0046】
ここで、 前記のように吸入空気がエアクリーナ100からエンジンシリンダ107に向けて流れていれば、本発明のような逆方向の流れを検出する機能を有する発熱抵抗式流量測定装置は不要であるが、スロットルバルブ116の開度が大きくなると、エンジンシリンダ107に吸入される空気が時間的に一定ではなく、断続的であるために吸入空気は脈動流となり、特にその吸気の脈動周期、すなわちエンジン回転数と吸気系の有する固有振動数の共振により、脈動流の振幅は非常に大きくなり、逆方向の流れを伴うほどになる。つまり、特定のエンジン回転数でのみ、逆流を生じる流れが発生するため、あらゆるエンジン運転条件でエンジンシリンダ107に吸入される空気流量を正確に測定するためには、本発明のように順方向と逆方向の流量を検出し、定常流から逆流を伴う脈動流まで正確に測定可能な発熱抵抗式流量測定装置が必要である。
【0047】
【発明の効果】
前記の内燃機関の吸入空気流量の測定を基に本発明の効果を説明する。
【0048】
図11は、従来の逆方向の流量検出をしていない発熱抵抗式流量測定装置により測定された空気流量を縦軸に、スロットルバルブ下流の圧力を横軸にし、エンジン回転数をパラメータとして測定した結果を示したものである。図12は、本発明の図3〜図5に示した実施例を採用し、同じ測定をした結果を示したものである。図11に示す従来品では、実際にエンジンシリンダに吸入される空気流量は、点線のようにほぼ直線となるはずだが、脈動流によるマイナス誤差や逆方向流れによる大きなプラス誤差を生じ、実線のようになる。
【0049】
一方、図12に示す開発品では、従来品で生じていたマイナス誤差をほとんど無くし、逆流によるプラス誤差を全回転数域で1/10程度に低減することが可能となる。
【0050】
従って、定常流から脈動流、さらに逆流を伴う脈動流となる流体の流量を、順方向と逆方向の方向判別をすると共に、流量に対応した信号を出力する高精度の発熱抵抗式流量測定装置を提供する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の発熱抵抗式流量測定装置を示す横断面図である。
【図2】図1の左側(上流側)から見た外観図である。
【図3】本発明による他の実施例の発熱抵抗式流量測定装置を示す横断面図である。
【図4】図3の左側(上流側)から見た外観図である。
【図5】図3の第1の流路と第2の流路の部分拡大図である。
【図6】本発明による別の実施例の発熱抵抗式流量測定装置を示す横断面図である。
【図7】図6の左側(上流側)から見た外観図である。
【図8】図6のA−A断面図である。
【図9】本発明によるもう一つ別の実施例の発熱抵抗式流量測定装置を示す横断面図である。
【図10】本発明による発熱抵抗式流量測定装置を用いた内燃機関の制御システムを示す図である。
【図11】従来の流量測定装置による内燃機関の吸入空気流量測定結果を示す図である。
【図12】本実施例の流量測定装置による内燃機関の吸入空気流量測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1…発熱抵抗体、2…感温抵抗体、3…副通路、4…副通路構成部材、5…主通路、6…流量計ボディ、7…ベース部材、8…電子回路、9…ハウジング、
10…カバー、11…コネクタ、13…ターミナル、14…挿入穴、15…取付固定面、16…ゴムパッキン、17…順方向流れ方向、18…ネジ、19…ホルダ、20…Oリング、21…整流格子、22…導電性部材、
100…エアクリーナ、101…吸入空気、102…発熱抵抗式流量測定装置、
103…吸気ダクト、104…スロットルボディ、105…インジェクタ、 106…マニホールド、107…エンジンシリンダ、108…ガス、109…排気マニホールド、110…回路モジュール、111…スロットル角度センサ、
112…酸素濃度計、113…回転速度計、114…コントロールユニット、
115…アイドルエアコントロールバルブ、116…スロットルバルブ、
301…入口開口面、302…第1の流路、303…曲がり部、305…出口開口面、306…受皿状入口、307…傾斜面、308…出口庇、
309,309a,309b…第2の流路、310…バックプレート、320…出口開口部、321…第2の流路の中心線、322…発熱抵抗体の配設位置、323…第2の流路の入口開口面、401…ホルダ挿入穴、402…接合面、403…肉盗み穴、404…溝部、500…受皿状

Claims (6)

  1. 副通路が曲がり部を有する第1の流路を備え、主通路に設置されている副通路構成部材と、前記副通路の第1の流路に設置された発熱抵抗体とを備えた発熱抵抗式流量測定装置において、前記副通路は前記主通路の逆流を前記発熱抵抗体に導く2本の逆流流路を形成され、一方の逆流流路は前記主通路と前記発熱抵抗体よりも上流側の前記第1の流路を接続し、他方の逆流流路は前記主通路と前記発熱抵抗体よりも下流側の前記第1の流路を接続するように形成されていることを特徴とする発熱抵抗式流量測定装置。
  2. 請求項1において、前記2本の逆流流路は長さが異なることを特徴とする発熱抵抗式流量測定装置。
  3. 請求項2において、前記主通路と前記発熱抵抗体よりも上流側の前記第1の流路を接続する一方の逆流流路は前記他方の逆流流路よりも長い流路長を有することを特徴とする発熱抵抗式流量測定装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、前記主通路と前記発熱抵抗体よりも下流側の前記第1の流路を接続する前記他方の逆流流路は、前記第1の流路を構成する前記曲がり部よりも下流側の壁面に設けられている穴であることを特徴とする発熱抵抗式流量測定装置。
  5. 請求項4において、前記発熱抵抗体は前記他方の逆流流路穴の出口開口部から流入する前記逆流の主流方向の延長線上から外れた位置に設置されていることを特徴とする発熱抵抗式流量測定装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の発熱抵抗式流量測定装置と、インジェクタと、前記発熱抵抗式流量測定装置の信号に基づいて前記インジェクタを制御するコントロールユニットとを備えた内燃機関の制御システム。
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