JP7122462B2 - 物理量検出装置 - Google Patents

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Description

本開示は、物理量検出装置に関する。
従来から熱式流量計に関する発明が知られている(下記特許文献1を参照)。この従来の熱式流量計は、回路パッケージと、その回路パッケージが搭載されたハウジングと、を有する。この回路パッケージは、リードフレームと、そのリードフレームに実装される回路部品とが樹脂材で一体にモールドされている。また、この回路パッケージは、被計測気体が通過する場所に露出して配置される流路露出部と、その流路露出部に設けられて前記被計測気体の流量を検出する流量検出部と、を有している。この従来の熱式流量計は、その流路露出部の少なくとも一部に、前記リードフレームとの間が電気的に接続された導電部が設けられている(同文献、請求項1等を参照)。この従来の熱式流量計によれば、流路露出部の汚損による検出性能の劣化を防止できる(同文献、第0008段落を参照)。
特開2017-150829号公報
特許文献1に記載された従来の熱式流量計は、回路パッケージの流路露出部の端部において、被計測気体の流れが、計測用流路面の方を流れる被計測気体の流れと、その反対側の非計測面の方を流れる気体の流れとに分流される(同文献、第0030段落、図3Aおよび図3B等を参照)。この回路パッケージの計測用流路面は、流量検出部が配置された凹溝の底面である。この構成では、計測用流路面の方を流れる被計測気体の流れは、回路パッケージの端部において分流されるのと同時に凹溝に流入して断面積が絞られる。そのため、流路検出部において被計測気体の流れが安定せず、流量検出部のノイズ性能の向上に課題がある。
本開示は、従来よりも流量検出部のノイズ性能を向上させることが可能な物理量検出装置を提供する。
本開示の一態様は、被計測気体の流路の壁面から突出して配置されて該被計測気体の流れ方向に沿う幅を有する板状のチップパッケージを備えた物理量検出装置であって、前記チップパッケージは、流量検出部と、前記流路よりも断面積が絞られて前記流量検出部が配置された増速流路と、該増速流路が設けられた計測面と、該計測面と反対側の非計測面と、前記流路を前記計測面に臨む計測流路と前記非計測面に臨む非計測流路に仕切る隔流部と、を有し、前記チップパッケージの幅方向において前記増速流路の端部と前記隔流部の端部とが離隔していることを特徴とする物理量検出装置である。
本開示の上記一態様によれば、流量検出部が配置された増速流路を流れる被計測気体の流れを従来よりも安定させ、流量検出部のノイズ性能を向上させることが可能な物理量検出装置を提供することができる。
物理量検出装置を備えた内燃機関制御システムの一例を示すシステム図。 本開示の実施形態1に係る物理量検出装置の正面図。 図2に示す物理量検出装置のカバーを取り外した状態の正面図。 図3に示す物理量検出装置のチップパッケージの正面図。 図4AのIV(B)-IV(B)線に沿うチップパッケージの断面図。 図4Aのチップパッケージの変形例1を示す正面図。 図5AのV(B)-V(B)線に沿うチップパッケージの断面図。 図4Aのチップパッケージの変形例2を示す正面図。 図6AのVI(B)-VI(B)線に沿うチップパッケージの断面図。 図4Aのチップパッケージの変形例3を示す正面図。 図7AのVII(B)-VII(B)線に沿うチップパッケージの断面図。 図7Aに示すチップパッケージの側面図。 図4Aのチップパッケージの変形例4を示す正面図。 図8AのVIII(B)-VIII(B)線に沿うチップパッケージの断面図。 図8Aに示すチップパッケージの側面図。 図4Aのチップパッケージの変形例5を示す正面図。 図9Aに示すチップパッケージの側面図。 図4Aのチップパッケージの変形例6を示す正面図。 図10Aに示すチップパッケージの側面図。 図4Aのチップパッケージの変形例7を示す正面図。 図11Aに示すチップパッケージの側面図。 図4Aのチップパッケージの変形例8を示す正面図。 図12Aに示すチップパッケージの側面図。 図4Aのチップパッケージの変形例9を示す正面図。 図4Aのチップパッケージの変形例10を示す正面図。 図4Aのチップパッケージの変形例11を示す正面図。 図15AのXV(B)-XV(B)線に沿うチップパッケージの断面図。 図15Aに示すチップパッケージの側面図。 図4Aのチップパッケージの変形例12を示す正面図。 図16AのXVI(B)-XVI(B)線に沿うチップパッケージの断面図。 図4Aのチップパッケージの変形例13を示す正面図。 図17AのXVII(B)-XVII(B)線に沿うチップパッケージの断面図。 図17Aに示すチップパッケージの側面図。 図17Cのチップパッケージの変形例を示す側面図。 図4Aのチップパッケージの変形例14を示す正面図。 図18AのXVIII(B)-XVIII(B)線に沿うチップパッケージの断面図。 図18Aに示すチップパッケージの側面図。
以下、図面を参照して本開示の物理量検出装置の実施形態を説明する。
図1は、本開示の実施形態に係る物理量検出装置20を使用した電子燃料噴射方式の内燃機関制御システム1の一例を示すシステム図である。内燃機関制御システム1では、エンジンシリンダ11とエンジンピストン12を備える内燃機関10の動作に基づいて、吸入空気が被計測気体2としてエアクリーナ21から吸入される。吸入空気は、主通路22である吸気ボディと、スロットルボディ23と、吸気マニホールド24を介してエンジンシリンダ11の燃焼室に導かれる。
燃焼室に導かれた吸入空気である被計測気体2の物理量は、物理量検出装置20で測定される。さらに、物理量検出装置20で測定された物理量に基づいて、燃料噴射弁14より燃料が供給され、吸入空気と共に混合気の状態で燃焼室に導かれる。なお、本実施形態では、燃料噴射弁14は内燃機関10の吸気ポートに設けられ、吸気ポートに噴射された燃料が吸入空気に混合され、その燃料と吸入空気との混合気が、吸気弁15を介して燃焼室に導かれる。燃焼室に導かれた混合気は、点火プラグ13の火花着火によって爆発的に燃焼して機械エネルギを発生する。
燃焼後の気体は排気弁16から排気管に導かれ、排気ガス3として排気管から車外に排出される。燃焼室に導かれる吸入空気である被計測気体2の流量は、アクセルペダルの操作に基づいてその開度が変化するスロットルバルブ25により制御される。また、燃焼室に導かれる吸入空気の流量に基づいて燃料供給量が制御される。スロットルバルブ25の開度を制御して燃焼室に導かれる吸入空気の流量を制御することにより、内燃機関10が発生する機械エネルギを制御することができる。
物理量検出装置20は、エアクリーナ21を介して取り込まれて主通路22を流れる吸入空気である被計測気体2の流量、温度、湿度、圧力などの物理量を測定する。物理量検出装置20は、吸入空気の物理量に応じた電気信号を出力する。物理量検出装置20の出力信号は制御装置4に入力される。
また、スロットルバルブ25の開度を計測するスロットル角度センサ26の出力が制御装置4に入力され、さらに内燃機関10のエンジンピストン12や吸気弁15や排気弁16の位置や状態、さらに内燃機関10の回転速度を計測するために、回転角度センサ17の出力が、制御装置4に入力される。排気ガス3の状態から燃料量と空気量との混合比の状態を計測するために、酸素センサ28の出力が制御装置4に入力される。
制御装置4は、物理量検出装置20の出力である吸入空気の物理量と、回転角度センサ17の出力に基づき計測された内燃機関10の回転速度とに基づいて、燃料噴射量や点火時期を演算する。これらの演算結果に基づいて、燃料噴射弁14から供給される燃料量、また点火プラグ13により点火される点火時期が制御される。燃料供給量や点火時期は、実際には、さらに物理量検出装置20で測定される温度や、スロットル角度の変化状態、エンジン回転速度の変化状態、酸素センサ28で計測された空燃比の状態に基づいて、きめ細かく制御されている。
制御装置4は、さらに内燃機関10のアイドル運転状態において、スロットルバルブ25をバイパスする空気量をアイドルエアコントロールバルブ27により制御し、アイドル運転状態での内燃機関10の回転速度を制御する。
内燃機関10の主要な制御量である燃料供給量や点火時期は、いずれも物理量検出装置20の出力を主パラメータとして演算される。したがって、物理量検出装置20の測定精度の向上や、経時変化の抑制、信頼性の向上が、車両の制御精度の向上や信頼性の確保に関して重要である。
特に近年、車両の省燃費に関する要望が非常に高く、また排気ガス浄化に関する要望が非常に高い。これらの要望に応えるには、物理量検出装置20により測定される被計測気体2である吸入空気の物理量の測定精度の向上が極めて重要である。また、物理量検出装置20が高い信頼性を維持していることも大切である。
物理量検出装置20が搭載される車両は、比較的に温度や湿度の変化が大きい環境で使用される。物理量検出装置20は、その使用環境における温度や湿度の変化への対応や、塵埃や汚染物質などへの対応も、考慮されていることが望ましい。また、物理量検出装置20は、内燃機関10からの発熱の影響を受ける吸気管に装着される。このため、内燃機関10の発熱が主通路22である吸気管を介して物理量検出装置20に伝わる。物理量検出装置20は、被計測気体と熱伝達を行うことにより被計測気体の流量を測定するので、外部からの熱の影響をできるだけ抑制することが重要である。
車両に搭載される物理量検出装置20は、以下で説明するように、単に発明が解決しようとする課題の欄に記載された課題を解決し、発明の効果の欄に記載された効果を奏するだけではない。以下で説明するように、物理量検出装置20は、上述した様々な課題を十分に考慮し、製品として求められている様々な課題を解決し、種々の効果を奏している。
物理量検出装置20が解決する具体的な課題や奏する具体的な効果は、以下の実施形態に関する記載の中で説明する。
図2は、図1に示す物理量検出装置20の正面図である。図3は、図2に示す物理量検出装置20のカバー202を取り外した状態の正面図である。なお、図3では、回路基板207を封止する封止材の図示を省略している。
物理量検出装置20は、主通路22の通路壁に設けられた取り付け孔から主通路22の内部に挿入されて利用される。物理量検出装置20は、ハウジング201と、ハウジング201に取り付けられるカバー202とを備えている。ハウジング201は、合成樹脂材料を射出成形することによって構成されており、カバー202は、たとえばアルミニウム合金などの導電性材料からなる板状部材によって構成されている。カバー202は、薄い板状に形成されて、広い平坦な冷却面を有している。
ハウジング201は、主通路22である吸気ボディに固定されるフランジ201fと、フランジ201fから突出して外部機器との電気的な接続を行うために吸気ボディから外部に露出するコネクタ201cと、フランジ201fから主通路22の中心に向かって突出するように延びる計測部201mを有している。
フランジ201fは、たとえば、所定の板厚からなる平面視略矩形状を有しており、角部に貫通孔を有している。フランジ201fは、たとえば、角部の貫通孔に固定ネジが挿通されて主通路22のネジ穴に螺入されることにより、主通路22に固定される。
コネクタ201cは、たとえば、その内部に4本の外部端子と、補正用端子とが設けられている。外部端子は、物理量検出装置20の計測結果である流量や温度などの物理量を出力するための端子および物理量検出装置20が動作するための直流電力を供給するための電源端子である。補正用端子は、製造された物理量検出装置20の計測を行い、それぞれの物理量検出装置20に関する補正値を求めて、物理量検出装置20内部のメモリに補正値を記憶するのに使用する端子である。
計測部201mは、フランジ201fから主通路22の中心方向に向かって延びる薄くて長い形状を成し、幅広な正面221と背面、および幅狭な一対の側面である上流端面223と下流端面224を有している。計測部201mは、たとえば、主通路22に設けられた取り付け孔から内部に挿入され、フランジ201fを主通路22に当接させてねじで主通路22に固定することで、フランジ201fを介して主通路22に固定される。
計測部201mは、物理量検出装置20を主通路22に取り付けた状態で、主通路22の内壁から主通路22の中心軸22aに向かって突出している。そして、正面221と背面が主通路22の中心軸22aに沿って平行に配置され、計測部201mの幅狭な上流端面223と下流端面224のうち計測部201mの短手方向一方側の上流端面223が主通路22の上流側を向くように配置され、計測部201mの短手方向他方側の下流端面224が主通路22の下流側を向くように配置される。
計測部201mの正面221は、短手方向に沿って上流端面223から下流端面224まで平坦である。一方、計測部201mの背面は、下流端面224側の角部が面取りされており、かつ、短手方向中間位置から下流端面224まで移行するにしたがって正面に漸次接近する方向に傾斜している。これにより、計測部201mの断面形状は、いわゆる流線型になっている。したがって、主通路22の上流から流れてきた被計測気体2を計測部201mの正面221および背面に沿って円滑に下流に導くことができ、被計測気体2に対する計測部201mの流体抵抗を小さくすることができる。
計測部201mは、突出方向の端部が段差状に形成されており、物理量検出装置20を主通路22に取り付けた状態で、主通路22の上流側の下面226と、主通路22の下流側の下面227とを有している。計測部201mは、上流側の下面226よりも下流側の下面227の方が突出方向に突出し、上流側の下面226と下流側の下面227との間を結ぶ段差面228が主通路22の上流側を向くように配置される。
また、計測部201mは、フランジ201fと反対側で上流側の下面226よりも突出した先端部201tの段差面228に、吸入空気などの被計測気体2の一部を計測部201m内の副通路に取り込むための入口231が開口して設けられている。そして、計測部201mの先端部201tの下流端面224には、計測部201m内の副通路に取り込んだ被計測気体2を主通路22に戻すための第1出口232および第2出口233が開口して設けられている。
つまり、計測部201mは、主通路22における被計測気体2の流れ方向の上流側に向けて配置される第1壁部としての上流端面223を有する。また、計測部201mは、第1壁部としての上流端面223よりも主通路22における被計測気体2の流れ方向の下流側の位置において被計測気体2の流れ方向の上流側に向けて配置される第2壁部として先端部201tの段差面228を有する。この先端部201tの段差面228に、副通路の入口231が開口している。
物理量検出装置20は、副通路の入口231が、フランジ201fから主通路22の中心方向に向かって延びる計測部201mの先端部201tに設けられているので、主通路22の内壁面近傍ではなく、内壁面から離れた中央部に近い部分の気体を副通路に取り込むことができる。このため、物理量検出装置20は、主通路22の内壁面から離れた部分の気体の流量を測定することができ、熱などの影響による計測精度の低下を抑制できる。
主通路22の内壁面近傍では、主通路22の温度の影響を受け易く、気体の本来の温度に対して被計測気体2の温度が異なる状態となり、主通路22内の主気体の平均的な状態と異なることになる。特に主通路22がエンジンの吸気ボディである場合は、エンジンからの熱の影響を受け、高温に維持されていることが多い。このため主通路22の内壁面近傍の気体は、主通路22の本来の気温に対して高いことが多く、計測精度を低下させる要因となる。また、主通路22の内壁面近傍では流体抵抗が大きく、主通路22の平均的な流速に比べ、流速が低くなる。このため、主通路22の内壁面近傍の気体を被計測気体2として副通路に取り込むと、主通路22の平均的な流速に対する流速の低下が計測誤差につながるおそれがある。
物理量検出装置20は、フランジ201fから主通路22の中央に向かって延びる薄くて長い計測部201mの先端部201tに入口231が設けられているので、主通路22の内壁面近傍の流速低下に関係する計測誤差を低減できる。また、物理量検出装置20は、フランジ201fから主通路22の中央に向かって延びる計測部201mの先端部201tに入口231が設けられているだけでなく、副通路の第1出口232および第2出口233も計測部201mの先端部201tに設けられているので、さらに計測誤差を低減することができる。
物理量検出装置20は、計測部201mが主通路22の外壁から中央に向かう軸に沿って長く伸びる形状を成しているが、上流端面223および下流端面224の幅は、正面221の幅よりも狭く、計測部201mが板状の形状を成している。これにより、物理量検出装置20は、被計測気体2に対しては流体抵抗を小さい値に抑えることができる。
計測部201mには、副通路234を形成するための副通路溝250と、回路基板207を収容するための回路室235が設けられている。回路室235と副通路溝250は、計測部201mの正面に凹設されており、計測部201mの短手方向一方側と他方側に分かれて配置されている。回路室235は、主通路22における被計測気体2の流れ方向の上流側の位置に配置され、副通路234は、回路室235よりも主通路22における被計測気体2の流れ方向の下流側の位置に配置される。なお、主通路22における被計測気体2の流れ方向において、回路室235の上流側の壁部の上流側の面を、計測部201mの上流端面223とすることで省スペース化が可能となる。
副通路溝250は、カバー202との協働により副通路234を形成する。副通路234は、計測部201mの突出方向である計測部201mの長手方向に沿って延在して設けられている。副通路234を形成する副通路溝250は、第1副通路溝251と、第1副通路溝251の途中で分岐する第2副通路溝252とを有している。
第1副通路溝251は、計測部201mの先端部201tの段差面228に開口する入口231と、計測部201mの先端部201tの下流端面224に開口する第1出口232との間に亘って、計測部201mの短手方向に沿って延在するように形成されている。
入口231は、主通路22における被計測気体2の流れ方向の上流側を向くように開口されている。第1副通路溝251は、カバー202との間に、入口231から主通路22の中心軸22aに沿って延びて第1出口232に至る第1副通路234aを形成する。
第1副通路234aは、主通路22内を流れる被計測気体2を入口231から取り込み、その取り込んだ被計測気体2を第1出口232から主通路22に戻す。第1副通路234aは、入口231から主通路22内における被計測気体2の流れ方向に沿って延在し、第1出口232に接続されている。第1副通路234aは、入口231と第1出口232との間に分岐部236を有している。
分岐部236は、主通路22の中心軸22aに沿って延びる第1副通路234aにおいて、順流時の被計測気体2の上流側で入口231の近傍に設けられている。ここで、被計測気体2は、順流時に、図1に示すように、エアクリーナ21から内燃機関10へ向けて主通路22の中心軸22aに沿って流れる。主通路22を流れる被計測気体2は、順流時に、入口231から第1副通路234aに取り込まれ、第1副通路234a内を第1出口232へ向けて流れるととともに、分岐部236から第2副通路234bへ流入する。
第2副通路溝252は、第1副通路溝251の途中位置で計測部201mの基端部すなわちフランジ201fへ向けて分岐して、計測部201mの長手方向すなわち主通路22の中心軸22aに交差する方向、たとえば中心軸22aにおおむね直交する方向に延びている。さらに、第2副通路溝252は、計測部201mのフランジ201fの近傍で先端部201tへ向けて、たとえばU字状または円弧状に湾曲して折り返し、計測部201mの長手方向すなわち主通路22の中心軸22aに交差する方向、たとえば中心軸22aにおおむね直交する方向に延びている。
第2副通路溝252は、最終的に、計測部201mの下流端面224へ向けて、たとえば円弧状に湾曲するように曲折し、第2出口233に接続されている。第2出口233は、主通路22における被計測気体2の流れ方向の下流側を向くように開口されている。第2出口233は、第1出口232とほぼ同等または若干大きい開口面積を有しており、第1出口232よりも計測部201mの長手方向の基端部側に隣接した位置に形成されている。第2副通路溝252は、カバー202との間に、第1副通路234aからフランジ201fへ向けて分岐して第2出口233に至る第2副通路234bを形成する。
第2副通路234bは、第1副通路234aから分岐されて流れ込んだ被計測気体2を通過させて第2出口233から主通路22に戻す。第2副通路234bは、計測部201mの長手方向に沿って往復する経路を有する。より詳細には、第2副通路234bは、たとえば、直線状の上流部237と、円弧状またはU字状の湾曲部238と、直線状の下流部239とを有している。
上流部237は、たとえば、第1副通路234aの分岐部236から分岐され、主通路22の中心軸22aに交差する方向におおむね直線状にまっすぐ延びている。上流部237は、たとえば、主通路22の中心軸22aにおおむね直交する方向、すなわち第1副通路234aの分岐部236からフランジ201fへ向かう方向へ延びている。
湾曲部238は、たとえば、フランジ201fの近傍で上流部237の下流側の端部に接続され、主通路22の中心軸22aに向けて折り返すように湾曲している。湾曲部238は、たとえば、円弧状またはU字状の形状を有し、第2副通路234bを180度、逆方向に折り返すように湾曲している。
下流部239は、たとえば、フランジ201fの近傍で湾曲部238の下流側の端部に接続され、主通路22の中心軸22aに向けておおむね直線状にまっすぐに延びている。
下流部239は、たとえば、上流部237とおおむね平行に計測部201mの先端部201tへ向けて延び、第1副通路234aにおける分岐部236よりも下流側へ向けて延びている。下流部239は、先端部201tの第2出口233の近傍で主通路22の中心軸22aに沿う方向に湾曲して、第2出口233に接続されている。
第2副通路234bは、湾曲形状を有している。より具体的には、第2副通路234bの上流部237は、第1副通路234aの分岐部236から分岐され、主通路22の中心軸22aに交差する方向に延びている。第2副通路234bの湾曲部238は、上流部237から主通路22の中心軸22aに向けて折り返すように湾曲している。第2副通路234bの下流部239は、湾曲部238から主通路22の中心軸22aに向けて延びている。これら上流部237と湾曲部238と下流部239とによって、第2副通路234bの湾曲形状が形成されている。
なお、図示は省略するが、たとえば、第2出口233を省略し、第1副通路234aの分岐部236よりも下流側に第2副通路234bの下流部239を接続させ、第2副通路234bを第1副通路234aに合流させてもよい。
第2副通路234bは、たとえば上流部237に流量検出部205が配置されている。
より詳細には、第2副通路234bの上流部237において、流量検出部205は、第1副通路234aと湾曲部238の中間部に配置されている。第2副通路234bは、上記のような湾曲形状を有することで、通路長さをより長く確保することができ、主通路22内の被計測気体2に脈動が生じた場合に、流量検出部205への影響を小さくすることができる。
上記構成によれば、計測部201mの突出方向である長手方向に沿って副通路234を形成することができ、副通路234の長さを十分に長く確保できる。これにより、物理量検出装置20は、十分な長さの副通路234を備えることができる。したがって、物理量検出装置20は、流体抵抗を小さい値に抑えられるとともに高い精度で被計測気体2の物理量を計測することが可能である。
第1副通路234aは、入口231から計測部201mの短手方向すなわち主通路22の中心軸22aに沿って延びて第1出口232に至るので、入口231から第1副通路234a内に侵入した塵埃などの異物をそのまま第1出口232から排出させることができる。これにより、異物が第2副通路234bに侵入するのを抑制し、第2副通路内234bに配置された流量検出部205に影響を与えるのを抑制することができる。
第1副通路234aの入口231と第1出口232は、入口231の方が第1出口232よりも大きな開口面積を有している。入口231の開口面積を第1出口232よりも大きくすることによって、第1副通路234aに流入した被計測気体2を、第1副通路234aの途中で分岐している第2副通路234bにも確実に導くことができる。
第1副通路溝251の入口231の近傍には、計測部201mの長手方向における入口231の中央位置に突起部253が設けられている。突起部253は、入口231の大きさを計測部201mの長手方向に二等分し、二等分された入口231のそれぞれの開口面積を第1出口232および第2出口233の開口面積よりも小さくしている。突起部253は、入口231から第1副通路234aに侵入可能な異物の大きさを第1出口232および第2出口233よりも小さいものだけに規制し、異物によって第1出口232や第2出口233が塞がれるのを防ぐことができる。
回路基板207は、計測部201mの短手方向一方側に設けられた回路室235に収容されている。回路基板207は、計測部201mの長手方向に沿って延在する長方形の形状を有しており、その表面には、流量検出部205を有するチップパッケージ208と、圧力センサ204と、温湿度センサ206と、吸気温度センサ203とが実装されている。
回路基板207は、すべてのセンサに共通する搭載部を有しており、様々なセンサの実装パターンに対して共通して利用可能である。回路基板207の表面は、たとえば、主通路22を流れる被計測気体2にほぼ平行に配置される。これにより、計測部201mの薄型化が可能になり、主通路22を流れる被計測気体2の圧力損失を低減することができる。
チップパッケージ208は、回路基板207に実装され、先端部に流量検出部205が設けられている。チップパッケージ208の先端部は、回路基板207の長手方向の中央位置で、回路基板207から第2副通路234b内に突出した状態で実装されている。これにより、チップパッケージ208の先端部に設けられた流量検出部205が、第2副通路234b内に配置されている。チップパッケージ208は、副通路234と回路室235との間に亘って配置されている。なお、本実施形態の物理量検出装置20の特徴部分であるチップパッケージ208のより詳細な構成については、後述する。
チップパッケージ208が副通路234と回路室235との間に亘って配置されていることで、回路室235と副通路234が分離され、チップパッケージ208に配置された流量検出部205への流れが副通路234の形状によって律速される。そのため、副通路234内に被計測気体2の流れを阻害する障壁物がない構成となり、被計測気体2の安定的な流れを流量検出部205へ供給することができる。したがって、流量検出部の流速感度、ノイズ性能や脈動特性を維持しつつ、計測部201mを小型化することが可能である。
圧力センサ204は、チップパッケージ208よりも回路基板207の長手方向基端部側に実装されており、温湿度センサ206は、チップパッケージ208よりも回路基板207の長手方向先端側に実装されている。そして、回路基板207の表面には、吸気温度センサ203のリードが接続されている。吸気温度センサ203は、温湿度センサ206よりも回路基板207の長手方向先端側の位置にリードが接続され、センサ本体が回路基板207から長手方向にはみ出して計測部201mの外部に露出した位置に配置されるように実装されている。
吸気温度センサ203は、計測部201mのフランジ201f側の上流端面223と、先端部201tの段差面228との間に配置されている。吸気温度センサ203は、回路基板207に実装され、計測部201mの外に露出して設けられている。吸気温度センサ203は、円柱状のセンサ本体と、センサ本体の軸方向両端部から互いに離間する方向に向かって突出する一対のリードとを有するアキシャルリード部品によって構成されている。計測部201mには、吸気温度センサ203を保護するためのプロテクタ202aが設けられている。
計測部201mには、その長手方向に沿って基端部側から先端部側に向かって、すなわち、計測部201mの突出方向に向かって、圧力センサ204と、流量検出部205と、温湿度センサ206と、吸気温度センサ203とが、この順に配置されている。圧力センサ204は、被計測気体2の圧力を測定し、流量検出部205は、被計測気体2の流量を測定する。温湿度センサ206は、被計測気体2の湿度を測定し、吸気温度センサは、被計測気体2の温度を測定する。
以下、図4Aから図18Cまでを参照して、本実施形態の物理量検出装置20の特徴部分であるチップパッケージ208のいくつかの構成例を詳細に説明する。図4Aは、図3に示す物理量検出装置20が備えるチップパッケージ208の構成の一例を示す正面図である。図4Bは、図4AのIV(B)-IV(B)線に沿うチップパッケージ208の断面図である。
チップパッケージ208は、前述のように、物理量検出装置20のハウジング201の計測部201mに設けられた被計測気体2の流路である副通路234(図3参照)の壁面から突出して配置され、被計測気体2の流れ方向に沿う幅Wを有する板状に設けられている。チップパッケージ208は、たとえば図4Aに示す例においては、チップパッケージ208の幅方向Dwに直交し、突出方向に平行な中心線Lを含む面Pに対しておおむね面対称となる構成を有している。
チップパッケージ208は、たとえば、流量検出部205と、計測面208aと、非計測面208bと、増速流路208cと、隔流部208dと、を有している。また、チップパッケージ208は、たとえば、リードフレーム208fと、封止部208rとを有している。
流量検出部205は、リードフレーム208fに実装された流量センサである。流量検出部205は、たとえば、LSIなどの半導体チップによって駆動される。この構成では、流量検出部205と駆動用の半導体チップが別体で配置されているが、小型化させるために機能を一体化させたワンチップ構成としてもよい。流量検出部205は、たとえば、封止部208rによって形成された凹溝状の増速流路208cの底壁部208eに配置されている。流量検出部205は、前述のように、チップパッケージ208の一部が、ハウジング201の計測部201mに設けられた第2副通路234b内に突出することで、第2副通路234bの上流部237に配置され、この上流部237を流れる気体の流量を検出する。
流量検出部205は、たとえば、シリコン(Si)などの半導体を素材とする半導体基板205sと、この半導体基板205sに設けられたダイヤフラム205dおよび空洞部と、を備えている。ダイヤフラム205dは、半導体基板205sに設けられた薄膜状の部分である。ダイヤフラム205dは、たとえば、半導体基板205sに凹状の空洞部を形成することによって設けられている。
流量検出部205は、増速流路208cに臨むダイヤフラム205dの表面に、図示を省略する発熱抵抗体と、感温抵抗体と、固定抵抗と、複数の電極パッドなどを備えている。より具体的には、流量検出部205は、たとえば、被計測気体2の流れ方向において、発熱抵抗体の両側に一対の感温抵抗体を有し、これら一対の感温抵抗体の温度差に基づいて空気の流量を測定する、熱式空気流量計である。
計測面208aと非計測面208bは、おおむね平板状に設けられたチップパッケージ208の一方の面と他方の面である。より具体的には、計測面208aと非計測面208bは、平板状に成形された封止部208rの表裏面である。計測面208aには、流量検出部205および増速流路208cが設けられている。非計測面208bは、計測面208aと反対側の面であり、流量検出部205および増速流路208cを有しない比較的に平坦な面である。非計測面208bは、チップパッケージ208の突出方向における先端側の部分と、チップパッケージ208の突出方向における基端側の部分との間に、チップパッケージ208の厚さ方向の段差を有している。
増速流路208cは、物理量検出装置20内の被計測気体2の流路である第2副通路234bよりも断面積が絞られた流路であり、中央部に流量検出部205が配置されている。増速流路208cは、第2副通路234bにおけるチップパッケージ208の突出方向に対向してチップパッケージ208の幅方向Dwに延びる一対の側壁部208sを有している。また、増速流路208cは、一対の側壁部208sの間に底壁部208eを有している。
すなわち、増速流路208cは、たとえば、チップパッケージ208の計測面208aに、チップパッケージ208の幅方向Dwに延びる凹溝状に設けられ、チップパッケージ208の幅方向Dwにおける底壁部208eの中央部に流量検出部205が配置されている。増速流路208cは、たとえば、チップパッケージ208の幅方向Dwの両端部から中央部へ向けて徐々に幅が狭まる絞り形状を有している。この絞り形状により、増速流路208cを流れる被計測気体2が整流され、流量検出部205に対するノイズの影響を低減することができる。
なお、チップパッケージ208の幅方向Dwにおける増速流路208cの両端部208ce,208ceの位置は、図4Aに示す位置に限定されない。増速流路208cの両端部208ce,208ceの位置は、たとえば、チップパッケージ208の幅方向Dwにおける流量検出部205の両端縁と、チップパッケージ208の幅方向Dwにおける隔流部208dの両端部208de,208deとの間であればよく、流量検出部205の両端縁に隣接していてもよい。
隔流部208dは、たとえば被計測気体2の流路である物理量検出装置20の第2副通路234bを、チップパッケージ208の計測面208aに臨む計測流路と、チップパッケージ208の非計測面208bに臨む非計測流路に仕切る部分である。隔流部208dは、たとえば、チップパッケージ208が配置された第2副通路234bの上流部237を流れる被計測気体2の流れ方向に沿って配置された平板状の部分である。
隔流部208dは、第2副通路234bの中心線に直交する第2副通路234bの径方向に沿って延びている。より詳細には、隔流部208dは、第2副通路234bの径方向に対向する一方の側壁から他方の側壁へ向けて延びている。チップパッケージ208の幅方向Dwにおける隔流部208dの端部208deは、チップパッケージ208の幅方向Dwにおける増速流路208cの端部208ceとの間に間隔Dを有している。すなわち、チップパッケージ208の幅方向Dwにおいて、増速流路208cの端部208ceと隔流部208dの端部とが離隔している。
図4Aに示す例では、チップパッケージ208の幅方向Dwにおいて、増速流路208cの両端部208ce,208ceと、隔流部208dの両端部208de,208deとが離隔している。すなわち、チップパッケージ208の幅方向Dwにおいて、隔流部208dの一方の端部208deと、増速流路208cの一方の端部208ceとの位置が異なるだけでなく、隔流部208dの他方の端部208deと、増速流路208cの他方の端部208ceとの位置も異なっている。
より具体的には、増速流路208cの両端部208ce,208ceは、たとえば、隔流部208dの両端部208de,208deよりも、チップパッケージ208の幅方向Dwの内側に位置している。すなわち、隔流部208dの両端部208de,208deは、増速流路208cの両端部208ce,208ceよりも、チップパッケージ208の幅方向Dwに突出している。
図4Aおよび図4Bに示す例において、隔流部208dは、増速流路208cを画定する封止部208rの凸状部よりも厚さが薄い平板状に設けられている。これにより、隔流部208dは、チップパッケージ208の計測面208a側において、チップパッケージ208の幅方向Dwにおける封止部208rの凸状部の両端部から、チップパッケージ208の幅方向Dwの外側に突出するように設けられている。
また、隔流部208dは、チップパッケージ208の非計測面208b側において、チップパッケージ208の幅方向Dwの一端から他端まで、チップパッケージ208の厚さ方向の段差を有しない平坦な面を有している。なお、隔流部208dは、たとえば、チップパッケージ208の非計測面208b側において、流量検出部205に対応する位置に、ポリイミドテープなどの封止材に覆われたリードフレーム208fの一部を露出させる凹部を有している。
リードフレーム208fは、たとえば銅などの導電性を有する金属製の平板状の部材であり、封止部208rから突出してチップパッケージ208の端子部となる部分を含むパターン形状を有している。リードフレーム208fの一方の面には、たとえば、流量検出部205や、流量検出部205を駆動するLSIなどの電子部品が実装されている。リードフレーム208fは、たとえば、流量検出部205のダイヤフラム205dに臨む空洞部とチップパッケージ208の外部とを連通して空洞部の密閉を防止する通気通路を画定している。
封止部208rは、センサ素子である流量検出部205に設けられたダイヤフラム205dを露出させた状態で、チップパッケージ208の端子部を構成するリードフレーム208fの一部を除く部分を封止する樹脂部である。封止部208rは、たとえばトランスファーモールドによって形成されている。封止部208rは、前述のように、流量検出部205が配置される増速流路208cを形成している。また、封止部208rは、増速流路208cおよび隔流部208dが設けられたチップパッケージ208の突出方向の先端側の部分の厚さが、リードフレーム208fの端子部分が露出したチップパッケージ208の基端側の部分の厚さよりも薄くされている。これにより、封止部208rは、非計測面208bの先端側の部分と基端側の部分との間に段差を有している。
また、図4Aおよび図4Bに示す例において、封止部208rは、チップパッケージ208の突出方向において増速流路208cの両側に設けられた凸状部を有している。この封止部208rの凸状部は、増速流路208cの底壁部208eおよび隔流部208dに対して封止部208rの厚さ方向に突出し、増速流路208cを画定している。この封止部208rの突出部は、チップパッケージ208の幅方向Dwにおける両端に、封止部208rの厚さ方向の段差を有し、隔流部208dとの間に曲面部を有している。この封止部208rの曲面部は、図4Bに示すように、チップパッケージ208の突出方向から見て、円弧状の凹曲面形状を有している。
以下、本実施形態の物理量検出装置20の作用を説明する。
物理量検出装置20は、たとえば前述のように、図1に示す主通路22である吸気ボディに設けられた取り付け孔に、図2に示す計測部201mが挿入された状態で、フランジ201fが主通路22に固定される。これにより、物理量検出装置20は、計測部201mが主通路22の中心に向かって突出するように配置され、入口231が主通路22における被計測気体2の順流時の上流側を向くように配置される。
たとえば、内燃機関10の回転に伴う吸入空気の脈動により、被計測気体2がエアクリーナ21から内燃機関10へ向けて流れる順流だけでなく、被計測気体2が内燃機関10からエアクリーナ21へ向けて流れる逆流が発生する場合がある。順流時において、被計測気体2は、物理量検出装置20の入口231から図3に示す副通路234へ取り込まれ、その一部は第1副通路234aを通過して第1出口232から主通路22に排出され、他の一部は分岐部236において第2副通路234bへ流入する。
ここで、本実施形態の物理量検出装置20は、前述のように、被計測気体2の流路である第2副通路234bの壁面から突出して配置されてその被計測気体2の流れ方向に沿う幅Wを有する板状のチップパッケージ208を備えている。このチップパッケージ208は、前述のように、流量検出部205と、増速流路208cと、その増速流路208cが設けられた計測面208aと、その計測面208aと反対側の非計測面208bと、隔流部208dと、を有している。増速流路208cは、被計測気体2の流路である第2副通路234bよりも断面積が絞られ、流量検出部205が配置されている。隔流部208dは、第2副通路234bを、計測面208aに臨む計測流路と非計測面208bに臨む非計測流路に仕切っている。そして、チップパッケージ208の幅方向Dwにおいて増速流路208cの端部208ceと隔流部208dの端部208deとが離隔している。
この構成により、物理量検出装置20の入口231から第1副通路234aへ流入し、さらに第2副通路234bへ流入した被計測気体2は、隔流部208dによって、計測面208aに臨む計測流路と、非計測面208bに臨む非計測流路に分流される。非計測面208bに臨む非計測流路に分流された被計測気体2は、非計測流路を通過し、さらに第2副通路234bの湾曲部238および下流部239を通過して、第2出口233から主通路22へ排出される。
一方、隔流部208dによって、計測面208aに臨む計測流路に分流された被計測気体2は、隔流部208dの端部208deから増速流路208cの端部208ceまで、隔流部208dに沿ってチップパッケージ208の幅方向Dwに流れる。この過程で、隔流部208dの端部208deにおける分流によって乱れた被計測気体2の流れが整流されて安定する。そして、この整流された被計測気体2の一部が、増速流路208cへ流入して流速が増加し、流量検出部205によって流量が検出される。
このように、本実施形態の物理量検出装置20は、被計測気体2を分流させる隔流部208dの端部208deと、被計測気体2の流速を増加させる増速流路208cの端部208ceとを、チップパッケージ208の幅方向Dwの異なる位置に配置している。これにより、隔流部208dの端部208deと増速流路208cの端部208ceとが、チップパッケージ208の幅方向Dwの同一の位置にある場合と比較して、流量検出部205における被計測気体2の流れを安定させることができる。したがって、本実施形態の物理量検出装置20によれば、従来よりも流量検出部205のノイズ性能を向上させることができる。
また、本実施形態の物理量検出装置20は、チップパッケージ208の幅方向Dwにおいて、増速流路208cの両端部208ce,208ceと隔流部208dの両端部208de,208deとが離隔している。この構成により、本実施形態の物理量検出装置20は、被計測気体2の逆流時にも、被計測気体2の順流時と同様の効果を得ることができる。
より詳細には、前述のように、内燃機関10の回転に伴う吸入空気の脈動により、被計測気体2が内燃機関10からエアクリーナ21へ向けて流れる逆流が発生する場合がある。この場合、物理量検出装置20の第2副通路234bにおいて、被計測気体2が第2出口233から第1副通路234aへ向けて逆流することがある。しかし、本実施形態の物理量検出装置20は、前述の構成により、被計測気体2の逆流時における上流側に位置する増速流路208cの端部208ceと隔流部208dの端部208deとが、チップパッケージ208の幅方向Dwに離隔している。
これにより、被計測気体2の逆流時においても、計測面208aに臨む計測流路に分流された被計測気体2は、隔流部208dの端部208deから増速流路208cの端部208ceまで、隔流部208dに沿ってチップパッケージ208の幅方向Dwに流れる。
この過程で、隔流部208dの端部208deにおける分流によって乱れた被計測気体2の流れが整流されて安定する。そして、この整流された被計測気体2の一部が、増速流路208cへ流入して流速が増加し、流量検出部205によって流量が検出される。したがって、本実施形態の物理量検出装置20によれば、被計測気体2の逆流時においても、流量検出部205のノイズ性能を向上させることができる。
また、本実施形態の物理量検出装置20において、増速流路208cの両端部208ce,208ceは、隔流部208dの両端部208de,208deよりも、チップパッケージ208の幅方向Dwの内側に位置している。
この構成により、被計測気体2の順流時において、被計測気体2は、まず、被計測気体2の上流側に位置する隔流部208dの端部208deによって計測面208a側の計測流路と、非計測面208b側の計測流路に分流される。そして、計測面208a側に分流された被計測気体2を、隔流部208dによって整流した後に、増速流路208cによって流速を増加させることができる。さらに、増速流路208cを通過した被計測気体2は、増速流路208cの下流側の隔流部208dに沿って流れて整流された後、非計測面208bに臨む被計測流路を流れた被計測気体2と合流する。これにより、流量検出部205における被計測気体2の流れをより安定させ、流量検出部205のノイズ性能をより向上させることができる。たとえば、従来の構成では、流量検出部205に対向する面から流量検出部205へ延伸する増速流路を設置としている。この構成では、流れを安定させることでノイズ性能を向上させることができるが、たとえば、被計測気体2に汚損物が混在した場合、流量検出部205に汚損物を吹き付ける作用となり、耐汚損性能の悪化が懸念される。そのため本実施形態の物理量検出装置20では、耐汚損性能の向上とノイズ性能の向上とを両立させることができる。
同様に、被計測気体2の逆流時において、被計測気体2は、まず、被計測気体2の逆流時の上流側に位置する隔流部208dの端部208deによって計測面208a側の計測流路と、非計測面208b側の計測流路に分流される。そして、計測面208a側に分流された被計測気体2を、隔流部208dによって整流した後に、増速流路208cによって流速を増加させることができる。さらに、増速流路208cを通過した被計測気体2は、増速流路208cの逆流時の下流側の隔流部208dに沿って流れて整流された後、非計測面208bに臨む被計測流路を流れた被計測気体2と合流する。これにより、流量検出部205における被計測気体2の流れをより安定させ、流量検出部205のノイズ性能をより向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、流量検出部205が配置された増速流路208cを流れる被計測気体2の流れを従来よりも安定させ、流量検出部205のノイズ性能を向上させることが可能な物理量検出装置20を提供することができる。
なお、本実施形態の物理量検出装置20が備えるチップパッケージ208の構成は、図4Aおよび図4Bに示す構成に限定されない。以下、図1から図3を援用し、図5Aから図18Cを参照して、物理量検出装置20が備えるチップパッケージ208の変形例1から変形例14までを説明する。
図5Aは、図4Aのチップパッケージ208の変形例1を示す正面図である。図5Bは、図5AのV(B)-V(B)線に沿うチップパッケージ208の断面図である。
図4Aおよび図4Bに示すチップパッケージ208は、増速流路208cを画定する封止部208rの突出部が、チップパッケージ208の幅方向Dwの両端において、隔流部208dとの間に曲面部を有していた。これに対し、図5Aおよび図5Bに示す変形例1のチップパッケージ208において、封止部208rの突出部は、チップパッケージ208の幅方向Dwにおける両端面が、隔流部208dとおおむね直交し、隔流部208dとの間に曲面部を有しない。変形例1のチップパッケージ208を備えた物理量検出装置20によっても、図4Aおよび図4Bに示すチップパッケージ208を備えた物理量検出装置20と同様の効果を奏することができる。
図6Aは、図4Aのチップパッケージ208の変形例2を示す正面図である。図6Bは、図6AのVI(B)-VI(B)線に沿うチップパッケージ208の断面図である。
図4Aおよび図4Bに示すチップパッケージ208は、チップパッケージ208の幅方向Dwに直交し、突出方向に平行な中心線Lを含む面Pに対しておおむね面対称となる構成を有していた。これに対し、図6Aおよび図6Bに示す変形例2のチップパッケージ208は、チップパッケージ208の幅方向Dwに直交し、突出方向に平行な中心線Lを含む面Pに対して非対称の構成を有している。より詳細には、変形例2に係る物理量検出装置20は、チップパッケージ208の幅方向Dwにおいて、増速流路208cの一方の端部208ceと隔流部208dの一方の端部208deとが離隔し、増速流路208cの他方の端部208ceと隔流部208dの他方の端部208deとが一致している。
この構成では、増速流路208cの端部208ceと隔流部208dの端部208deとが一致しているチップパッケージ208の幅方向Dwの端部が、被計測気体2の上流側に位置する場合、被計測気体2が増速流路208cに流入する前の整流効果は期待できない。しかし、被計測気体2の下流側では、増速流路208cの端部208ceと隔流部208dの端部208deとが離隔しているため、増速流路208cを通過した被計測気体2は、隔流部208dによって整流された後に、非計測面208b側の非計測流路を流れた被計測気体2に合流する。
一方、増速流路208cの端部208ceと隔流部208dの端部208deとが一致しているチップパッケージ208の幅方向Dwの端部が、被計測気体2の下流側に位置する場合、被計測気体2が増速流路208cを通過した後の整流効果は期待できない。しかし、被計測気体2の上流側では、増速流路208cの端部208ceと隔流部208dの端部208deとが離隔している。そのため、隔流部208dの隔流部208dで分流された被計測気体2は、隔流部208dによって整流された後に、増速流路208cに流入する。ただし、この構成では、被計測気体2の逆流の取り込み量を低減することができる。そのため、逆流検知機能が不要な要求や低脈動振幅比のみの検知要求に対応するためには有効的な構成といえる。
したがって、変形例2に係るチップパッケージ208を備えた物理量検出装置20によっても、増速流路208cの両端部208ce,208ceと隔流部208dの両端部208de,208deが一致している場合と比較して、流量検出部205における被計測気体2の流れを安定させ、流量検出部205のノイズ性能を向上させることができる。
図7Aは、図4Aのチップパッケージ208の変形例3を示す正面図である。図7Bは、図7AのVII(B)-VII(B)線に沿うチップパッケージの断面図である。図7Cは、図7Aに示すチップパッケージ208の側面図である。
変形例3に係る物理量検出装置20は、図7Aから図7Cに示すチップパッケージ208を備えている。このチップパッケージ208において、増速流路208cは、チップパッケージ208の突出方向に対向してチップパッケージ208の幅方向Dwに沿って延びる一対の側壁部208s,208sを有している。このチップパッケージ208は、幅方向Dwにおいて、一方の側壁部208sの長さが、他方の側壁部208sの長さよりも長い。
図7Aに示す例では、チップパッケージ208の突出方向における先端側の側壁部208sの幅方向Dwにおける長さを、チップパッケージ208の突出方向における基端側の側壁部208sの幅方向Dwにおける長さよりも短くしている。しかし、図7Aに示す例とは逆に、基端側の側壁部208sの幅方向Dwにおける長さを、先端側の側壁部208sの幅方向Dwにおける長さよりも短くしてもよい。このような変形例3のチップパッケージ208を備えた物理量検出装置20によっても、図4Aおよび図4Bに示すチップパッケージ208を備える物理量検出装置20と同様の効果を奏することができる。
図8Aは、図4Aのチップパッケージ208の変形例4を示す正面図である。図8Bは、図8AのVIII(B)-VIII(B)線に沿うチップパッケージの断面図である。図8Cは、図8Aに示すチップパッケージ208の側面図である。
変形例4に係る物理量検出装置20は、図8Aから図8Cに示すチップパッケージ208を備えている。このチップパッケージ208において、増速流路208cの両端部208ce,208ceは、隔流部208dの両端部208de,208deよりも、チップパッケージ208の幅方向Dwの外側に位置する。
この構成により、物理量検出装置20の入口231から第1副通路234aへ流入し、さらに第2副通路234bへ流入した被計測気体2は、第1副通路234aよりも流路断面積が絞られた増速流路208cに流入して流速が増加する。流速が増加した被計測気体2の流れは、側壁部208sに沿ってチップパッケージ208の幅方向Dwに流れる過程で整流されて安定する。この安定した被計測気体2が、隔流部208dによって、計測面208aに臨む計測流路と、非計測面208bに臨む非計測流路に分流され、流量検出部205によって流量が検出される。
これにより、隔流部208dの端部208deと増速流路208cの端部208ceとが、チップパッケージ208の幅方向Dwの同一の位置にある場合と比較して、流量検出部205における被計測気体2の流れを安定させることができる。したがって、変形例4のチップパッケージ208を備えた物理量検出装置20によれば、図4Aおよび図4Bに示すチップパッケージ208を備えた物理量検出装置20と同様に、従来よりも流量検出部205のノイズ性能を向上させることができる。
図9Aは、図4Aのチップパッケージ208の変形例5を示す正面図である。図9Bは、図9Aに示すチップパッケージ208の側面図である。
変形例5に係る物理量検出装置20は、図9Aおよび図9Bに示すチップパッケージ208を備えている。このチップパッケージ208において、増速流路208cは、チップパッケージ208の突出方向に対向して幅方向Dwに沿って延びる一対の側壁部208s,208sを有している。一方の側壁部208sは、被計測気体2の流路である第2副通路234bの壁面に設けられ、他方の側壁部208sは、チップパッケージ208に設けられている。そして、第2副通路234bに設けられた一方の側壁部208sとチップパッケージ208の先端部との間に、間隙Gが設けられている。
すなわち、この変形例5に係る物理量検出装置20は、増速流路208cを画定する一対の側壁部208s,208sのうちの一方の側壁部208sを、被計測気体2の流路である副通路234を画定するハウジング201に設けている。この変形例5に係る物理量検出装置20によっても、図4Aおよび図4Bに示すチップパッケージ208を備えた物理量検出装置20と同様の効果を奏することができる。
図10Aは、図4Aのチップパッケージ208の変形例6を示す正面図である。図10Bは、図10Aに示すチップパッケージ208の側面図である。
変形例6に係る物理量検出装置20は、図10Aおよび図10Bに示すチップパッケージ208を備えている。このチップパッケージ208は、図9Aおよび図9Bに示す変形例5のチップパッケージ208と同様に、増速流路208cの一対の側壁部208sのうち一方の側壁部208sが被計測気体2の流路である第2副通路234bの壁面に設けられている。さらに、変形例6に係るチップパッケージ208では、第2副通路234bの壁面に設けられた一方の側壁部208sとチップパッケージ208の先端部とがチップパッケージ208の厚さ方向に対向している。
この構成により、第2副通路234bの壁面に設けられた側壁部208sとチップパッケージ208の先端部との間に間隙Gが形成される。これにより、増速流路208cの底壁部208eに付着した水滴が、毛細管現象によって間隙Gに導入され、増速流路208cから除去される。そのため、流量検出部205に水滴が付着して水没するリスクを低減することができる。
図11Aは、図4Aのチップパッケージ208の変形例7を示す正面図である。図11Bは、図11Aに示すチップパッケージ208の側面図である。
変形例7に係る物理量検出装置20は、図11Aおよび図11Bに示すチップパッケージ208を備えている。このチップパッケージ208において、増速流路208cは、チップパッケージ208の突出方向に対向してチップパッケージ208の幅方向Dwに沿って延びる一対の側壁部208s,208sを有している。この一対の側壁部208s,208sのうち、一方の側壁部208sは、被計測気体2の流路である第2副通路234bの壁面である。チップパッケージ208の先端部は、第2副通路234bの壁面である一方の側壁部208sとの間に間隙Gを有し、この一方の側壁部208sに近づくほど非計測面208bに近づくように傾斜する傾斜面208iを有している。
この構成により、増速流路208cの底壁部208eに水滴が付着した場合でも、たとえば、重力の作用によって、水滴を傾斜面208iに沿って第2副通路234bの壁面である側壁部208sに向けて移動させることができる。これにより、増速流路208cの底壁部208eに付着した水滴が速やかに除去され、流量検出部205に水滴が付着して水没するリスクを低減することができる。
図12Aは、図4Aのチップパッケージ208の変形例8を示す正面図である。図12Bは、図12Aに示すチップパッケージ208の側面図である。
変形例8に係る物理量検出装置20は、図12Aおよび図12Bに示すチップパッケージ208を備えている。このチップパッケージ208は、図11Aおよび図11Bに示す変形例7に係るチップパッケージ208と同様に、増速流路208cを画定する一対の側壁部208s,208sのうち、一方の側壁部208sは、被計測気体2の流路である第2副通路234bの壁面である。この変形例8のチップパッケージ208の先端部は、第2副通路234bの壁面に設けられた凹部Rに収容されている。このように、ハウジング201の第2副通路234bに凹部Rが設けられている場合でも、変形例7に係るチップパッケージ208と同様の効果を奏することができる。
図13は、図4Aのチップパッケージの変形例9を示す正面図である。図14は、図4Aのチップパッケージの変形例10を示す正面図である。
変形例9に係る物理量検出装置20は、図13に示すチップパッケージ208を備え、変形例10に係る物理量検出装置20は、図14に示すチップパッケージ208を備えている。なお、図14に示す変形例10に係るチップパッケージ208は、図11Aに示す変形例8に係るチップパッケージ208と同様に、増速流路208cを画定する一対の側壁部208sのうち、一方の側壁部208sは、被計測気体2の流路である第2副通路234bの壁面である。これら変形例9および変形例10に係るチップパッケージ208の突出方向における先端部は、先端に近付くほど幅方向Dwの寸法すなわち幅Wが減少する先細形状を有している。
この構成により、チップパッケージ208の先端部に付着した水滴は、先細形状の先端部の斜面に沿って移動する。これにより、チップパッケージ208の先端部に付着した水滴を先細形状の先端部の先端に集めることができ、水滴が自重によってチップパッケージ208の先端から効率よく除去される。これにより、チップパッケージ208の先端部に付着した水滴が速やかに除去され、流量検出部205に水滴が付着して水没するリスクを低減することができる。
図15Aは、図4Aのチップパッケージの変形例11を示す正面図である。図15Bは、図15AのXV(B)-XV(B)線に沿うチップパッケージ208の断面図である。図15Cは、図13Aに示すチップパッケージ208の側面図である。
変形例11に係る物理量検出装置20は、図15Aから図15Cに示すチップパッケージ208を備えている。このチップパッケージ208は、計測面208aの幅方向Dwの両側に傾斜面208iを有している。これらの傾斜面208iは、チップパッケージ208の幅方向Dwの端縁に近づくほど非計測面208bに近づくように傾斜している。
この構成により、チップパッケージ208の傾斜面208iに水滴を付着しにくくすることができる。また、被計測気体2の流路である第2副通路234bの圧力損失を低減させ、第2副通路234bを流れる被計測気体2の流速を増加させることができる。
図16Aは、図4Aのチップパッケージ208の変形例12を示す正面図である。図16Bは、図16AのXVI(B)-XVI(B)線に沿うチップパッケージ208の断面図である。
変形例12に係る物理量検出装置20は、図16Aおよび図16Bに示すチップパッケージ208を備えている。このチップパッケージ208は、図6Aに示す変形例2に係るチップパッケージ208と同様に、幅方向Dwにおいて、増速流路208cの一方の端部208ceと隔流部208dの一方の端部208deとが離隔し、増速流路208cの他方の端部208ceと隔流部208dの他方の端部208deとが一致している。
また、変形例12に係る物理量検出装置20において、チップパッケージ208は、図15Aから図15Cに示す変形例11に係るチップパッケージ208と同様に、計測面208aの幅方向Dwの両側に傾斜面208iを有している。この傾斜面208iは、チップパッケージ208の幅方向Dwの端縁に近づくほど非計測面208bに近づくように傾斜している。また、増速流路208cはチップパッケージ208の突出方向に対向して幅方向Dwに沿って延びる一対の側壁部208sと、その一対の側壁部208sの間の底壁部208eとを有している。変形例12に係るチップパッケージ208において、底壁部208eは、隔流部208dの端部208deに一致している端部208ceの端部208ceに近づくほど非計測面208bに近づくように傾斜した傾斜底面208ieを有する。この構成により、増速流路208cを流れる被計測気体2の整流効果を向上させ、流量検出部205のノイズを低減することができる。
図17Aは、図4Aのチップパッケージ208の変形例13を示す正面図である。図17Bは、図17AのXVII(B)-XVII(B)線に沿うチップパッケージ208の断面図である。
図17Cは、図17Aに示すチップパッケージ208の側面図である。図17Dは、図17Cのチップパッケージ208の変形例を示す側面図である。
変形例13に係る物理量検出装置20は、図17Aから図17Dに示すチップパッケージ208を備えている。このチップパッケージ208は、傾斜底面208ieの反対側の非計測面208bに、傾斜底面208ieに沿う傾斜面208ibを有する。この構成により、計測面208a側の計測流路の断面積D1と、非計測面208b側の被計測流路の断面積D2との比D1/D2を変化させて、被計測気体2の流れを調整することができる。
図18Aは、図4Aのチップパッケージ208の変形例14を示す正面図である。図18Bは、図18AのXVIII(B)-XVIII(B)線に沿うチップパッケージ208の断面図である。図18Cは、図18Aに示すチップパッケージの側面図である。
変形例14に係る物理量検出装置20は、図18Aから図18Cに示すチップパッケージ208を備えている。このチップパッケージ208は、第1傾斜部208ifと第2傾斜部208isとを有している。第1傾斜部208ifは、計測面208aにおいて幅方向Dwの両端に近づくほど増速流路208cの深さdを浅くするように傾斜している。また、第2傾斜部208isは、計測面208aにおいて幅方向Dwの両端に近づくほど隔流部208dの厚さtを薄くするように傾斜している。変形例14に係るチップパッケージ208を備えた物理量検出装置20によっても、図4Aおよび図4Bに示すチップパッケージ208を備えた物理量検出装置20と同様の効果を奏することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、従来よりも流量検出部205のノイズ性能を向上させることが可能な、物理量検出装置20を提供することができる。
以上、図面を用いて本開示に係る物理量検出装置の実施形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本開示に含まれるものである。
2 被計測気体
20 物理量検出装置
205 流量検出部
208 チップパッケージ
208a 計測面
208b 非計測面
208c 増速流路
208ce 端部
208d 隔流部
208de 端部
208e 底壁部
208i 傾斜面
208ib 傾斜面
208ie 傾斜底面
208if 第1傾斜部
208is 第2傾斜部
208s 側壁部
234b 第2副通路(流路)
d 深さ
Dw 幅方向
G 間隙
R 凹部
t 厚さ
W 幅

Claims (11)

  1. 被計測気体の流路の直線状の部分の壁面から突出して配置されて該被計測気体の流れ方向に沿う幅を有する板状のチップパッケージを備えた物理量検出装置であって、
    前記チップパッケージは、流量検出部と、前記チップパッケージの幅方向に延び前記流路よりも断面積が絞られて前記流量検出部が配置された増速流路と、該増速流路が設けられた計測面と、該計測面と反対側の非計測面と、前記流路を前記計測面に臨む計測流路と前記非計測面に臨む非計測流路に仕切る隔流部と、を有し、
    前記チップパッケージの幅方向において前記増速流路の端部と前記隔流部の端部とが離隔して、前記増速流路の前記端部と前記隔流部の前記端部との間に、前記増速流路の底壁部と面一の平坦な面が形成されていることを特徴とする物理量検出装置。
  2. 前記幅方向において、前記増速流路の両端部と前記隔流部の両端部とが離隔し
    前記増速流路の前記両端部は、前記隔流部の前記両端部よりも前記幅方向の内側に位置することを特徴とする請求項1に記載の物理量検出装置。
  3. 前記幅方向において、前記増速流路の一方の前記端部と前記隔流部の一方の前記端部とが離隔して、前記増速流路の該一方の前記端部と前記隔流部の該一方の前記端部との間に前記平坦な面が形成され、前記増速流路の他方の前記端部と前記隔流部の他方の前記端部とが一致していることを特徴とする請求項1に記載の物理量検出装置。
  4. 前記増速流路は、前記チップパッケージの突出方向に対向して前記幅方向に沿って延びる一対の側壁部を有し、
    前記幅方向において、一方の前記側壁部の長さは、他方の前記側壁部の長さよりも長いことを特徴とする請求項に記載の物理量検出装置。
  5. 前記増速流路は、前記チップパッケージの突出方向に対向して前記幅方向に沿って延びる一対の側壁部を有し、
    一方の前記側壁部は、前記流路の壁面に設けられ、
    前記一方の前記側壁部と前記チップパッケージの先端部との間に間隙が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の物理量検出装置。
  6. 前記一方の前記側壁部と前記チップパッケージの前記先端部とが前記チップパッケージの厚さ方向に対向していることを特徴とする請求項に記載の物理量検出装置。
  7. 前記増速流路は、前記チップパッケージの突出方向に対向して前記幅方向に沿って延びる一対の側壁部を有し、
    一方の前記側壁部は、前記流路の壁面であり、
    前記チップパッケージの先端部は、前記一方の前記側壁部との間に間隙を有し、前記一方の前記側壁部に近づくほど前記非計測面に近づくように傾斜する傾斜面を有することを特徴とする請求項に記載の物理量検出装置。
  8. 前記チップパッケージの前記先端部は、前記流路に設けられた凹部に収容されていることを特徴とする請求項に記載の物理量検出装置。
  9. 前記チップパッケージの突出方向における先端部は、先端に近付くほど前記幅方向の寸法が減少する先細形状を有することを特徴とする請求項または請求項に記載の物理量検出装置。
  10. 前記チップパッケージは、前記計測面の前記幅方向の両側において、前記平坦な面の前記幅方向の外側に傾斜面を有し、
    前記傾斜面は、前記チップパッケージの前記幅方向の端縁に近づくほど前記計測面に近づくように傾斜していることを特徴とする請求項に記載の物理量検出装置。
  11. 前記チップパッケージは、第1傾斜部と第2傾斜部とを有し、
    前記第1傾斜部は、前記計測面において前記幅方向の両端に近づくほど前記増速流路の深さを浅くするように傾斜し、
    前記第2傾斜部は、前記幅方向における前記計測面の両側の前記平坦な面の外側で、前記計測面前記幅方向の両端に近づくほど前記隔流部の厚さを薄くするように傾斜していることを特徴とする請求項に記載の物理量検出装置。
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