JPH1072318A - 紫外線遮断機能を有する保湿剤分散体及びこれを配合してなる化粧料 - Google Patents

紫外線遮断機能を有する保湿剤分散体及びこれを配合してなる化粧料

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JPH1072318A
JPH1072318A JP8224367A JP22436796A JPH1072318A JP H1072318 A JPH1072318 A JP H1072318A JP 8224367 A JP8224367 A JP 8224367A JP 22436796 A JP22436796 A JP 22436796A JP H1072318 A JPH1072318 A JP H1072318A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無機紫外線遮断機能素材の分散性が良く、前記
素材の高い光活性や触媒活性を抑制し、化粧料中での安
定性に優れ、非常に優れた紫外線遮断機能を付与できる
保湿剤分散体であると共に、化粧料に配合したとき簡単
な分散処理操作で高分散度に配合できる保湿剤分散体及
びそれを含有する化粧料を提供する。 【解決手段】1,3ブチレングリコールがメカノケミカ
ル反応により吸着した超微粒子二酸化チタンを1,3ブ
チレングリコールに分散して含有する保湿剤分散体及び
それを含有する化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧料用保湿剤分
散体、及びそれを含有する化粧料に関し、より詳細に
は、無機紫外線遮断機能素材の分散性が良く、高い紫外
線防御効果を有し、化粧料の中での安定性に優れた化粧
料用保湿剤分散体及びそれを含有する化粧料に関するも
のであり、さらには化粧料の製造の簡略化に寄与する保
湿剤分散体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、紫外線は皮膚にさまざまな悪影響
をもたらすことが知られている。紫外線は、波長が40
0〜320nmの長波長紫外線(UV−A波)と320
〜290nmの中波紫外線(UV−B波)と290nm
以下の紫外線(UV−C波)に分類される。
【0003】UV−C波はオゾン層において吸収され、
地上にほとんど到達しない。地上に到達するUV−B波
は皮膚に一定量以上の光量が照射されると紅斑や水泡を
形成し、メラニン形成を促進する。また、UV−A波
は、UV−B波に比較して紅斑の惹起が非常に弱く、実
質上紅斑を起こさず皮膚を黒化させるとされている。さ
らには、皮膚への浸透性が高く、皮膚中の蛋白質である
コラーゲンの架橋形成を促進し、コラーゲンの弾力性や
保水力を低下させ、しわの発生を惹起させるとともに、
しみ、そばかすの原因にもなり皮膚の老化をもたらす。
UV−A波は、皮膚組織の過酸化脂質を増大させるため
に皮膚ガンの原因にもなることも知られている。
【0004】このような紫外線障害から皮膚を保護する
目的で、これまでに各種の紫外線吸収剤を配合した化粧
料が開発され市販されている。これらの化粧料等には、
ベンゾフェノン類、アミノ安息香酸類、ケイ皮酸エステ
ル類、ベンゾトリアゾール類、サリチル類、ジベンゾイ
ルメタン類の合成紫外線吸収剤と微粒子の酸化チタン、
酸化亜鉛、酸化鉄等の無機顔料が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】単一粒子径が10〜5
0nmと限定された超微粒子酸化チタンは、生物学的作
用がもっとも強く、皮膚に紅斑や炎症を生じさせる29
0〜320nmの紫外線を反射散乱させ、しかも可視光
線を良く通過させる特徴を有する。しかし、市販されて
いる微粒子粉末は、強い表面活性や吸着している微量水
分により粒子間で強い凝集力が生じてくる。そのため、
光散乱の光学物性を示す粒子サイズは、Rayleig
h領域の散乱からMie領域の散乱が中心的に作用し、
実質、透明感が低下している。よって、超微粒子酸化チ
タンを配合した化粧料においては、塗布した化粧膜の青
白さが目立ったり、前記超微粒子酸化チタンの強い表面
活性により、機械力により分散させた粒子が経時により
再凝集し、SPF(Sun Protection Factor:日焼け止め
指数)値が低下し、望む紫外線防御効果が得られにく
い。
【0006】また超微粒子酸化チタンの単一粒子の平均
粒子径が0.01〜0.09μmの凝集物の平均粒子径
は1.2〜5.0μm(レーザー法による測定)である
が、強い活性点が残っているために紫外線の照射を受け
ると、吸着水を分解し酸化力の極めて強いOHおよびO
2フリーラジカルを発生させそのフリーラジカルによ
り、化粧品用法定タール色素を変色、褪色させたり、一
般化粧品用油剤を変質させたりする。
【0007】一方、無処理の超微粒子酸化チタンは、紫
外線防御効果について微粒子酸化亜鉛に対して3〜4倍
の力価を有しており、高SPF値を出すのに有用である
が実際に化粧料に配合した場合、化粧膜に青白さが生
じ、化粧効果を損なうために高SPF値を望むには問題
がある。また、表面活性が強いために経時により、再凝
集を起こしSPF値が低下する原因にもなっている。
【0008】酸化亜鉛は、表面活性が強く、微粒子間の
凝集が強い。この表面活性度は法定色素の褪色度合いか
ら判断すると微粒子酸化チタンの約5倍の活性があるよ
うである。また、酸化亜鉛は触媒活性も強く、化粧料油
剤の変臭分解を招く欠点がある。
【0009】特に乳化物においては、乳化物に適度な粘
度をもたせるために、増粘剤が用いられているが、酸化
亜鉛は表面活性が強いために、それらの増粘剤とともに
凝集し、紫外線防御効果が望めないばかりか、乳化物の
安定性を損なう欠点も持っている。さらには、合成紫外
線吸収剤と酸化亜鉛の併用乳化物組成物においては、微
量の鉄や酸化イオンの存在や酸化亜鉛の存在下で経時的
に淡黄色〜淡橙色の結晶が析出存在したり、乳化物が着
色したりして外観からも商品価値を損なう欠点があっ
た。
【0010】一方、化粧品業界では、製造コストの低減
化が加速的に進行し、化粧品の製造工程の省力化が重要
な課題となっている。消費者の基本的ニーズに紫外線防
御効果があることから、超微粒子二酸化チタン、超微粒
子酸化亜鉛および微粒子酸化亜鉛等の無機紫外線遮断機
能素材を分散含有する分散体の必要性、つまり、化粧品
メーカーが、それらの粉体を粉砕、分散させることな
く、その分散体を直接利用することにより、工程の簡略
化を図れる分散体へのニーズが高まっている。
【0011】かかる状況において市場に上市されている
分散体には、分散剤としてトリメチルシロキシケイ酸を
用い、超微粒子二酸化チタンや超微粒子酸化亜鉛をシリ
コーン油に分散させた分散体があり、これらの分散体自
身は安定である。しかし、この分散体は、乳化物に配合
した場合、増粘剤により凝集してしまい、望むSPF
値、PFA(UVAのカットを示す指標)値が得られな
いばかりか、配合した乳化物の安定性をも損なう欠点を
もっている。なお、PFA値は、SPFアナライザー
(Optometrics社 SPF−290 Analyzer)で測定
することができる値であり、この値が大きいものほど紫
外線を透過させにくい。
【0012】また、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ
を用い、超微粒子二酸化チタン等を水に分散させた水分
散体は、化粧料に用いられる保湿剤との相互作用によ
り、ポリアクリル酸ソーダが水飴状になり分離し、分散
体としての機能を果たさない欠点をもっている。
【0013】本発明の第一の目的は、上記従来技術とは
異なる新規な化粧料用の保湿剤分散体、及びそれを含有
する化粧料を提供することにある。
【0014】また本発明の第二の目的は、上記の従来技
術の問題点を解決し、無機紫外線遮断機能素材の分散性
が良く、無機紫外線遮断機能素材の高い光活性や触媒活
性を抑制し、化粧料中での安定性に優れ、非常に優れた
紫外線遮断機能を付与することができる保湿剤分散体で
あると共に、化粧料に配合したとき簡単な分散処理操作
で高分散度に配合できる保湿剤分散体およびそれを含有
する化粧料を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の実情に鑑
み、本発明者等は、無機紫外線遮断機能素材について、
化粧料に配合したときに、本来有する紫外線遮断機能を
完全に発揮するような形態を種々検討した。その結果、
無機紫外線遮断機能素材、前記素材の分散を補助する分
散剤(或いは、前記素材を固定する固定化剤を前記2種
にさらに加えたもの)にあらかじめ強力な剪断力をか
け、メカノケミカル反応による吸着および素材粒子の分
散工程を経た混合体を保湿剤に均一分散させた形態であ
れば、従来技術の問題点がいずれも解決し、配合した系
の安定性を向上させるのに加え、化粧料に配合して使用
したときの肌への均一膜としての付着性、伸展性等の悪
さのある従来の無機紫外線遮断機能素材の有する欠点を
解決し、従来技術にない優れた効果があることを見出
し、本発明を完成した。
【0016】即ち本発明によれば、次の保湿剤分散体及
びそれを含有する化粧料により、上記目的を達成するこ
とができる。 保湿剤分子がメカノケミカル反応により吸着した無機
紫外線遮断機能素材を保湿剤に分散して含有する保湿剤
分散体(請求項1)。 前記保湿剤分散体を含有する化粧料(請求項8)。
【0017】なお、上述のように、本発明の保湿剤分散
体及びこれを含有する化粧料は、前記分散剤及び前記固
定化剤のいずれか又は双方を必須としない。従って、前
記分散剤と前記固定化剤を用いることなく、無機紫外線
遮断機能素材と保湿剤に強力な剪断力をかけ、メカノケ
ミカル反応による吸着および素材粒子の分散工程を経た
混合体を保湿剤に均一分散させた形態でも、従来技術の
問題点がいずれも解決し、配合した系の安定性を向上さ
せるのに加え、化粧料に配合して使用したときの肌への
均一膜としての付着性、伸展性等の悪さのある従来の無
機紫外線遮断機能素材の有する欠点を解決することがで
きる。
【0018】上記保湿剤分散体は、以下の態様がそれぞ
れ好ましい。前記無機紫外線遮断機能素材の分散を補助
する分散剤を含有させる(請求項2)。前記無機紫外線
遮断機能素材は、無機紫外線遮断機能素材を固定する固
定化剤に固定させる(請求項3)。
【0019】前記無機紫外線遮断機能素材:前記分散
剤:前記保湿剤(前記無機紫外線遮断機能素材に吸着し
た保湿剤分子を含む)の重量比は、1:0.2〜0.
9:2〜9.5にする(請求項4)。前記無機紫外線遮
断機能素材:前記固定化剤:前記分散剤:前記保湿剤
(前記無機紫外線遮断機能素材に吸着した保湿剤分子を
含む)の重量比は、1:0.4〜0.9:0.2〜0.
6:2〜9.5にする(請求項5)。
【0020】前記無機紫外線遮断機能素材を9.5重量
%以上含有させる(請求項6)。前記無機紫外線遮断機
能素材20〜50重量%と前記保湿剤(前記無機紫外線
遮断機能素材に吸着した保湿剤分子を含む)50〜80
重量%を含有させる(請求項7)。
【0021】上記本発明の化粧料は、好ましくは前記保
湿剤分散体を3.5〜80重量%含有させる(請求項
9)。また、好ましくは、保湿剤分散体(前記無機紫外
線遮断機能素材20〜50重量%と前記保湿剤(前記無
機紫外線遮断機能素材に吸着した保湿剤分子を含む)5
0〜80重量%を含有する保湿剤分散体)を0.5〜8
0重量%含有させる(請求項10)。なお、本願発明に
おいて数値範囲の記載は、両端値のみならず、その中に
含まれる全ての任意の中間値を含むものとする。
【0022】
【発明の実施の形態】
(保湿剤分散体)保湿剤分散体は、保湿剤分子がメカノ
ケミカル反応により吸着した無機紫外線遮断機能素材を
保湿剤に分散して含有する。
【0023】本発明に用いられる無機紫外線遮断機能素
材としては、酸化チタン、鉄含有酸化チタン(鉄成分の
含有率は、好ましくは、TiO2の重量に対し1〜30
重量%)、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウ
ム、酸化鉄の超微粒子無機酸化物又は水和酸化物があ
り、分散剤との親和性、耐候性を向上させる目的でアル
ミニウム、チタン、ジルコニウム、ケイ素、スズ等の酸
化物又は水酸化物で表面を被覆したものを用いても良
い。
【0024】本発明に適用される無機紫外線遮断機能素
材が二酸化チタンの場合、好ましくは、平均単一粒子径
0.01〜5.0μm(紡錘状粒子の場合については短
軸0.01〜0.03μm、長軸0.05〜0.1μ
m)、比表面積25〜120m2/g(簡易BET
法)、吸油量17〜60程度のものである。
【0025】また、無機紫外線遮断機能素材が酸化亜鉛
の場合、その製法は、フランス法・アメリカ法・湿式法
等の公知の方法で製造したものを用いることができる。
それらの製法により製造される酸化亜鉛として好ましい
ものは、単一平均粒子径0.01〜0.60μm(空気
通過法)、比重5.4〜5.6、屈折率1.9〜2.
0、比表面積4.0〜80m2/g(BET法)範囲の
ものである。
【0026】本発明に用いる固定化剤は、無機紫外線遮
断機能素材を固定できるものであれば良く、好ましく
は、セリサイト(絹雲母)、白雲母、黒雲母、リチア雲
母、合成雲母等のイライト族、カオリオナイト、ナクラ
イト、デッカイト、ハロイサイト等のカオリン族、珪線
石、藍晶石等のシリマナイト族、タルク(滑石)、蛇紋
石等のマグネシウムシリケート系である。
【0027】固定化剤の好ましい平均粒子径は、0.2
〜20μm(堀場製作所製の装置を用いたレーザー回析
法による平均粒子径)で、固定化剤の好ましい平均的厚
さは、0.01〜3.0μm(樹脂で包埋し、その切片
をSEM観察する方法による)である。
【0028】本発明に用いられる分散剤は、保湿剤にお
ける無機紫外線遮断機能素材の分散を補助するものであ
れば良く、好ましくは、層状ケイ酸塩鉱物や、スメクタ
イト族に属する粘土鉱物であり、例えばモンモリロナイ
ト、ベントナイト、バイデライト、ノントロナイト、サ
ポナイト、及びヘクトライト等であり、これらは天然又
は合成品のいずれでも良い。また、クニピア(クニミネ
工業社)、ラポナイト(ラポルテ社)、スメクトン(ク
ニミネ工業社)、フッ素四ケイ素雲母(トピー工業
社)、ビーガム(バンダービルド社)及び微細結晶セル
ロース(旭化成製)例えばアビセルRC591等の市販
品を用いることができる。
【0029】本発明に用いられる保湿剤は、化粧料に含
有させて使用することのできる各種の保湿剤を用いるこ
とができ、例えば、1,3ブチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリ
ン、ポリエチレングリコール、ジグリセリン、エリスリ
トール、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコー
ル、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、マン
ニトール、トリグリセリン、テトラグリセリン、マルト
トリオース、グルコース、フルクトース、ショ糖、デン
プン分解糖マルトース、コンドロイチン硫酸、ヒアルロ
ン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲ
ン、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、d,lピロリドンカル
ボン酸塩、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ
抽出物、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、テトラ
グリセリン、オクタグリセリン、ノナグリセリン、デカ
グリセリン等がある。また、固体の保湿剤については水
等の溶媒に溶解させて使用するのが望ましい。
【0030】保湿剤分散体における無機紫外線遮断機能
素材と固定化剤と分散剤と保湿剤の比率(重量比)は、
1:0.4〜0.9:0.2〜0.6:2〜9.5であ
る。また、無機紫外線遮断機能素材と分散剤と保湿剤の
比率(重量比)は、1:0.2〜0.9:2〜9.5で
ある。本発明の保湿剤分散体が固定化剤及び分散剤を含
有しない場合、無機紫外線遮断機能素材と保湿剤の比率
(重量比)は、1:2〜9.5(無機紫外線遮断機能素
材の含有率に換算しておよそ9.5〜33重量%)にす
ることができる。
【0031】さらに、本発明の保湿剤分散体が固定化剤
及び分散剤を含有しない場合、保湿剤分散体における無
機紫外線遮断機能素材の含有率を20〜50重量%にす
ることができ、好ましくは30〜48重量%、さらに好
ましくは40〜45重量%である。保湿剤分散体中の無
機紫外線遮断機能素材の濃度を20重量%以上にする場
合は、高SPF値や高PFA値の化粧料を得るために、
保湿剤分散体を化粧料に高濃度で配合する必要がなくな
り、処方構成上からの制限や、使用感上の制限を受ける
ことをより少なくすることができる。また、前記濃度を
50重量%以下にする場合は、保湿剤分散体がペースト
状になりやすく、保湿剤分散体の製造上での作業性が良
好であり、かつ保湿剤分散体中の無機紫外線遮断機能素
材の分散性をより良好にすることができる。
【0032】次に本発明の保湿剤分散体の製造例につい
て述べる。本発明の保湿剤分散体は、分散剤、固定化剤
及び無機紫外線遮断機能素材をヘンシェルミキサー、ナ
ウターミキサー、V型ブレンダー等の混合機又は混合分
散機で予備混合した後、必要により衝撃式粉砕機(例え
ば、バンダムミル、パルベライザー等)で粉砕した後、
振動ボールミル、ペブルミル等を用いて無機紫外線遮断
機能素材粒子のさらなる分散向上を図るとともにそれら
の粒子の一部を固定化剤及び分散剤の表面に固定する一
種のメカノケミカル反応を利用し、固定化剤や分散剤へ
の粒子の固定化を図る。なお、分散剤及び固定化剤を用
いない場合は、上記工程は不要である。
【0033】この様に処理した又は処理しない無機紫外
線遮断機能素材粉末に保湿剤を加え、サンドミル、振動
ボールミル、ペブルミル、ディスクミル、アトライタ
ー、ダイノミル、コボールミル、オングミル、スーパー
ミル、バスケットミル等の分散機を用いて無機紫外線遮
断機能素材を分散させることにより、保湿剤分散体が得
られる。
【0034】保湿剤分散体の製造工程において、分散機
の種類、粉砕や分散用のメディアの選定、最適な粉砕や
分散条件の設定は、高度な保湿剤分散体を調整するのに
重要であり、例えば横型、堅型のサンドミルでは、用い
るメディアとして、真比重が大きく、硬く耐磨耗性の高
いジルコニアビーズが好ましく、更には、直径0.5m
mのジルコニアビーズが特に望ましい。
【0035】また、ボールミル類を用いる場合には、ベ
ッセル及びビーズはベッセルやビーズの磨耗した物の混
入の防止、分散効率の向上等を配慮した場合には、ジル
コニア材質或いはアルミナ材質を用いるのが好適であ
る。さらに、仕込量については、保湿剤分散体の原材料
の総量に、用いるボールが漬かる量にすることは、分散
効率から望ましい。用いるボールの大きさは、同一直径
のボールを全量用いるよりも直径の異なるボールを混合
使用する方が分散効率が高まるので好ましい。
【0036】この様にして得られた保湿剤分散体は、無
機紫外線遮断機能素材の分散に非常に適した条件で作製
された後、所望の系に配合させるため、本来有する無機
紫外線遮断能が十分に発揮される。これに対して、通
常、化粧料に粉末(無機紫外線遮断機能素材等の本発明
の保湿剤分散体を構成する原料粉末)を配合する様な方
法では、無機紫外線遮断機能素材の凝集物が多々散在
し、望むべき紫外線遮断効果が得られないばかりか、強
い活性点が残っているために、紫外線の照射を受けて化
粧品用法定タール色素を変色、褪色させたり、化粧品用
油剤を変色、変質させたりする。又、通常の方法で無機
紫外線遮断機能素材等の粉末を配合した場合、ディスパ
ーや、ホモミキサー等を用いて、一時的強力に分散させ
ても、無機紫外線遮断機能素材の表面活性が強いために
経時変化で容易に再凝集を起こし、SPF値の低下を起
こす。
【0037】[作用機序]本発明の保湿剤分散体及びこ
れを含有する化粧料の分散安定化について次に説明す
る。なお、無機紫外線遮断機能素材として、超微粒子二
酸化チタンと超微粒子酸化亜鉛を用いている。
【0038】(1)保湿剤分散体中に超微粒子二酸化チ
タンと超微粒子酸化亜鉛が分散している状態を想定した
場合、固定化剤の表面に超微粒子酸化チタンと超微粒子
酸化亜鉛が固定され分散している状態と、超微粒子酸化
亜鉛が分散している状態、超微粒子二酸化チタンが分散
している状態が考えられる。
【0039】第一の、固定化剤の表面に超微粒子二酸化
チタンと超微粒子酸化亜鉛が固定し分散している場合、
固定化剤の表面は(−)チャージの電荷を帯び、超微粒
子酸化亜鉛は(+)チャージを帯びている。又超微粒子
酸化チタンは、固体酸及び固体塩基の両方の性質をもっ
ているために固体表面と相反する電荷が作用し、メカノ
ケミカル反応的操作の中で固着するものと思われる。こ
うして出来た粒子表面は、例えば固定化剤の(−)チャ
ージに対して、超微粒子酸化亜鉛の余剰の(+)チャー
ジがあり、このチャージと保湿剤とが作用しあい保湿剤
が吸着する。
【0040】第二に、超微粒子酸化亜鉛は表面電荷が
(+)チャージのため、保湿剤の(−)チャージと引き
合い吸着する。第三に、超微粒子酸化チタンは、酸点、
塩基点の双方の性質を有するために、保湿剤との相互作
用があり、保湿剤を吸着すると推測される。つまり、保
湿剤が粒子(無機紫外線遮断機能素材の粒子)の表面に
吸着することによりその粒子の凝集が妨げられ、分散安
定化が達成される。いわゆる立体安定効果によるものと
思われる。
【0041】分散剤が存在すると、それらの粒子(無機
紫外線遮断機能素材の粒子)間に、ある場合は線状に、
ある場合は複雑に絡み合い或いは、スメクタイト族の粘
土鉱物がナトリウムイオンと用いた酸化亜鉛の一部解離
した亜鉛イオンとのイオン交換により、チキソトロピー
性のある構造粘性を形成し、粒子の沈降、保湿剤からの
粒子の分離を抑制していると推測される。
【0042】化粧料中での安定化について、通常の乳化
法の場合、保湿剤系に増粘剤を湿潤させ、更に精製水を
加えて乳化を行うが、この場合特に表面活性の強い超微
粒子酸化チタンや超微粒子酸化亜鉛が、増粘剤と反応
し、凝集体を作る。例えば、増粘剤であるカルボキシメ
チルセルロースナトリウムは、水溶液においてNaがは
ずれてNa陽イオンになり水溶液はアルカリ性を示すと
ともにセルロース本体は(−)チャージの電荷を帯びる
ので、(+)チャージした超微粒子酸化チタンや超微粒
子酸化亜鉛と反応しやすい。
【0043】これに対して、本発明の保湿剤分散体は、
無機紫外線遮断機能素材に保湿剤が吸着していて、例え
ば増粘剤のカルボキシメチルセルロースナトリウムが接
近していても、(−)チャージの電荷を帯びたセルロー
ス本体に対して保湿剤分子がバリヤ効果を示すために無
機紫外線遮断機能素材との反応を防止しているため、高
SPF値を示すと考えられる。
【0044】(2)また、固定化剤及び分散剤が存在し
ない保湿剤分散体中に超微粒子二酸化チタンと微粒子酸
化亜鉛が分散している状態を想定した場合、それらの無
機紫外線遮断機能素材に保湿剤がメカノケミカル反応に
より強固に吸着し、分散していると考えられる。
【0045】かかる保湿剤分散体は、その製造過程にお
いて、無機紫外線遮断機能素材と保湿剤に強力なシェア
(剪断力)をかけ無機紫外線遮断機能素材の表面を摩砕
したり、前記素材の粒子を粉砕する事により、その表面
には、格子欠陥やイオン化された部分、結合部分が破断
された部分等が露出する事になる。微粒子酸化亜鉛は超
微粒子酸化亜鉛よりも表面活性は低いが、この様な形で
メカノケミカル反応を行う事により、微粒子酸化亜鉛の
表面の活性は著しく高まる。つまり微粒子酸化亜鉛の表
面電荷は強い(+)チャージを帯びる事により、その部
分に保湿剤の官能基、例えば(δ-)を帯びたOH基が
接近し、電気的に結合し、保湿剤と一体化したり、微細
酸化亜鉛の粉砕により破断したダングリングボンドに保
湿剤が強固に吸着したりして、それらの酸化亜鉛の表面
は一種の電気二重層的な膜を果していると推測される。
超微粒子二酸化チタンも同様に表面が摩砕される事によ
り表面活性が高くなると共に、固体酸、塩基点の双方を
もち合わせているために保湿剤との相互作用があり保湿
剤が強固に吸着され分散安定化が達成されると思われ
る。
【0046】保湿剤中に無機紫外線遮断機能素材を高濃
度で分散させる場合は、保湿剤自身の粘度に加え、無機
紫外線遮断機能素材の高い体積濃度とそれに伴う構造粘
性により、粒子の沈降、保湿剤からの粒子の分離を抑制
していると推測される。
【0047】化粧料中での安定化について、通常の乳化
法の場合、保湿剤系に増粘剤を湿潤させ、更に精製水を
加えて乳化を行うが、この場合特に表面活性の強い超微
粒子酸化チタンや超微粒子酸化亜鉛が、増粘剤と反応
し、凝集体を作る。例えば、増粘剤であるカルボキシメ
チルセルロースナトリウムは、水溶液においてNaがは
ずれてNa陽イオンになり水溶液はアルカリ性を示すと
ともにセルロース本体は(−)チャージの電荷を帯びる
ので、(+)チャージした超微粒子酸化チタンや超微粒
子酸化亜鉛と反応しやすい。
【0048】これに対して、本発明の保湿剤分散体は、
無機紫外線遮断機能素材に保湿剤が吸着していて、例え
ば増粘剤のカルボキシメチルセルロースナトリウムが接
近していても、(−)チャージの電荷を帯びたセルロー
ス本体に対して保湿剤分子がバリヤ効果を示すために無
機紫外線遮断機能素材との反応を防止しているため、高
SPF値を示すと考えられる。
【0049】超微粒子二酸化チタンや超微粒子酸化亜鉛
は表面活性が非常に強く、特に後者の方が特に強い。こ
のために、処方に有機紫外線吸収剤を配合した場合は、
無機紫外線遮断機能素材の表面活性に由来する触媒活性
や発生するフリーラジカルにより、有機紫外線吸収剤が
変色し化粧料が黄色〜橙色に変色、変質し、有機紫外線
吸収剤本来の機能を果たさなくなる。更には、無機紫外
線遮断機能素材の表面から一部解離したイオンと有機紫
外線吸収剤が反応し着色した沈降物が生じたり、それら
(前記一部解離したイオン)の強い表面電荷と有機紫外
線吸収剤とが反応したりして沈降物が生じ同様に有機紫
外線吸収剤の機能を消失させてしまいやすい。
【0050】一方、本発明の保湿剤分散体は、保湿剤が
メカノケミカル反応により無機紫外線遮断機能素材に強
力に吸着していて、無機紫外線遮断機能素材の活性点が
封鎖されている上に更に保湿剤が一種の電気二重層的な
役目をしているために、無機紫外線遮断機能素材との反
応を防止しているので、高SPF値や高PFA値を示す
と考えられる。
【0051】(化粧料)本発明の化粧料は、本発明の保
湿剤分散体を含有する。本発明の保湿剤分散体の含有率
は、通常は化粧料全体の重量に対し、好ましくは3.5
〜80重量%、より好ましくは7.0〜70重量%であ
る。3.5重量%よりも少ない量では、日光照射による
肌の乾燥や炎症、色素沈着等の皮膚機能の低下を防止で
きない傾向があり、80重量%を越えた量を用いても、
紫外線防御効果の増加強度は、配合量の割合には低く、
不経済であるとともに化粧料としての伸びが悪く均一膜
としての付着性、密着性も低下し、紫外線防御効果の長
時間持続性に欠けるという傾向がある。又、必要に応じ
紫外線吸収剤を併用し、無機紫外線遮断機能素材の光散
乱力と有機紫外線吸収剤の相乗作用により、高SPF、
高PFAを出すこともできる。
【0052】固定化剤及び分散剤を含有しない保湿剤分
散体を含有する化粧料の場合には、保湿剤分散体の含有
率の範囲をさらに拡大することができ、通常は化粧料全
体の重量に対し、好ましくは0.5〜80重量%、より
好ましくは7.0〜70重量%である。0.5重量%よ
りも少ない量では、日光照射による肌の乾燥や炎症、色
素沈着等の皮膚機能の低下を防止できない傾向があり、
80重量%を越えた量を用いても、紫外線防御効果の増
加強度は、配合量の割合には低く、不経済であるととも
に化粧料としての伸びが悪く均一膜としての付着性、密
着性も低下し、紫外線防御効果の長時間持続性に欠ける
という傾向がある。なお、必要に応じ紫外線吸収剤を併
用し、無機紫外線遮断機能素材の光散乱力と有機紫外線
吸収剤の相乗作用により、高SPF、高PFAを出すこ
ともできる。
【0053】本発明に用いられる有機紫外線吸収剤とし
ては、従来から化粧料に用いられているものであれば良
く、その代表的な化合物を以下に例示する。
【0054】(1)安息香酸系紫外線吸収剤 パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリ
ン、N,Nジプロポキシパラアミノ安息香酸エチル、
N,N−ジエトキシパラアミノ安息香酸エチル、N,N
−ジメチルパラアミノ安息香酸アミル、N,N−ジメチ
ルパラアミノ安息香酸オクチル、N−ジメチルパラアミ
ノ安息香酸ブチル等。
【0055】(2)アントラニル酸系紫外線吸収剤 ホモメンチルN−N−アセチルアントラニレート等。
【0056】(3)サリチル酸系紫外線吸収剤 アルミサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメン
チルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサ
リシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノ
−ルフェニルサリシレート、ジプロピレングリコ−ルサ
リシレート等。
【0057】(4)桂皮酸系紫外線吸収剤 イソフェルラ酸、フェルラ酸、カフェー酸、エチル−4
イソプロピル桂皮酸、メチル−2,5−ジイソプロピ
ル、プロピル−p−メトキシ桂皮酸、イソアミル−p−
メトキシ桂皮酸、オクチル−p−メトキシ桂皮酸,2−
エトキシエチル−p−メトキシ桂皮酸、シクロヘキシル
−p−メトキシ桂皮酸、エチル−α−シアノ−β−フェ
ニル桂皮酸、2−エチルヘキル−α−シアノ−β−フェ
ニル桂皮酸、グリセルモノ−2−エチルヘキサノイル−
ジパラトメキシ桂皮酸等。
【0058】(5)ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノンスルフォン酸ナトリウム、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒ
ドロキシ−4−メトロキシベンゾフェノン2、ジメトキ
シベンゾフェノンスルフォン酸ナトリウム、4−フェニ
ルベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベ
ンゾフェノン等。
【0059】(6)その他の紫外線吸収剤 ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、3−(4−メチル
ベンジリデン)d,l−カンファー、2−(2−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,
2−ヒドロキシ−5−メチルベンゾキサゾール、2,
2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンズトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−
ブチル−ジベンゾイルメタン等。
【0060】紫外線吸収剤の中でも、特に化粧料に用い
られているものは、例えば2−エチルヘキシルパラジメ
チルアミノベンゾエート(エスカロール507、バンダ
イク社)、パラメトキシケイ皮酸と2,4ジイソプロピ
ルケイ皮酸メチルとの混合物(ネオヘリオパンHアンド
R、ハーマンライマー社)、メトキシケイ皮酸オクチル
(ネオヘリオパンAV、ハーマンライマー社)、4−t
ert−ブチル−4’メトキシ−ジベンゾイルメタン
(パルソール1789、ジボダン社)、オキソベンゾン
(シーソルブ101、シプロ化成)、2−ヒドロキシ4
−メトキシベンゾフェノン5−スルフォン酸(シーソル
ブ101S、シプロ化成)等であり、より好ましくはこ
れらの1種以上を用いる。
【0061】本発明の化粧料には前述した紫外線吸収剤
を化粧料の全重量に対して0.001〜20重量%で含
有させることができ、好ましくは0.01〜10重量%
含有させる。この配合量0.001重量%よりも少なす
ぎると紫外線吸収剤と保湿剤分散体の併用効果が得られ
なくなる傾向が強くなり、20重量%を越えても得られ
る効果が変わらず不経済であるばかりか、化粧料として
の使用感、特に伸びの重さが際立ち、紫外線吸収剤の感
触、つまり、べたつき感がめだち好ましくない。
【0062】また、本発明の保湿剤分散体と前述した紫
外線吸収剤を化粧料中に配合しても紫外線吸収剤の結晶
やコンプレックス形成による黄色〜橙色の析出物、或い
は、それらによる化粧料の着色化が見られず、安定的に
配合でき、高SPF、高PFA値が得られる。
【0063】本発明の化粧料の種類としては、いずれも
使用でき、例えば、基礎化粧料等に使用できる。格別な
限定はないが、使用部位の面積がより広い化粧料に用い
るほうがより好適である。例えば、ローション、乳液、
クリーム、乳化型ファンデーション等をあげることがで
きる。
【0064】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明について更に詳
しく説明するが、以下の実施例によって、本発明が何ら
限定を受けないことはいうまでもない。なお、実施例中
の配合割合はすべて重量部である。
【0065】 [実施例1] O/W型乳液 (油相A) 蜜ロウ 0.35 鯨ロウ 0.70 トリ(ラウリル、ミリスチン、パルミチン、ステアリン酸) グリセライド 0.70 ショトウ脂肪酸エステル 1.78 オリーブ油 0.70 ヘーゼルナッツ油 0.70 トコフェロール 0.01 トリ−2−エチルヘキ酸グリセリン 0.04 ステアリン酸 0.70 モノステアリン酸グリセリン 1.79 ソルビタントリオレート 0.77 モノオレイン酸グリセリン 0.77 ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン) シロキサン共重合体 0.70 ポリオキシエチレンフィトスタノール 0.88 メチルパラベン 0.14
【0066】 (保湿剤分散体液B) 保湿剤分散体(TiO2:ZnO=1:2) 35.08 精製水 0.20 (中和液C) 水酸化カリウム 0.14 精製水 43.85
【0067】本実施例における前記保湿剤分散体は、
0.03g/40cm2塗布した時のSPFが36.
5、PFAが23.3であり、保湿剤分散体中のTiO
2とZnOの濃度(乳液における濃度)は10重量%で
ある。また、前記保湿剤分散体における無機紫外線遮断
機能素材(超微粒子二酸化チタンと微細酸化亜鉛):分
散剤(ベントナイト):保湿剤(プロピレングリコー
ル)の重量比は、1:0.4:2.1である。なお、S
PF値とPFA値は、後述の測定法により求めた(以下
同様)。 (製法)油相Aを80℃に加温した中に、80℃に加温
した保湿剤分散体液Bを加え粗乳化を行い、ついで80
℃に加温した中和液Cを加えてより乳化させた後、30
℃まで冷却して、水相Wに油相Oが分散するO/W型乳
液を得た。この乳液を0.08g/40cm2に塗布し
た時のSPF値は45.7であり、PFA値は25.8
である。
【0068】 [実施例2] W/O型乳液 (油相A) デカメチルシクロペンタシロキサン 11.0 オキシエチレン・オキシプロピレン共重合体10重量%含有 オクタメチルシクロテトラシロキサン溶液 21.0 ジメチルポリシロキサン 1.0 ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.2 ブチルパラベン 0.25 ソルビタンモノパルミテート 2.0
【0069】 (水相B) 食塩 2.0 デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2 メチルパラベン 0.2 保湿剤分散体 45.0 精製水 17.15
【0070】本実施例における前記保湿剤分散体は、
0.03g/40cm2塗布した時のSPFが47.
0、PFAが25.9であり、保湿剤分散体中のTiO
2の濃度(乳液における濃度)は10重量%である。ま
た、前記保湿剤分散体における無機紫外線遮断機能素材
(超微粒子二酸化チタン):固定化剤(タルク):分散
剤(ラポナイト):保湿剤(1,3ブチレングリコー
ル)の重量比は、1:0.4:0.3:2.8である。
油相Aを50℃に加温し、別に50℃に加温した水相B
を加え乳化し、30℃まで冷却してW/O型乳液が得ら
れた。0.08g/40cm2に塗布した時のこの乳液
のSPF値は25.3、PFA値は13.5であった。
【0071】 [実施例3] カーマインローション (A液) 精製水 44.71 保湿剤分散体 8.8 食塩 0.2 (B液) エチルアルコール 9.0 メントール 0.005 カンフル 0.025 メチルパラベン 0.25 2−エチルヘキシルパラジメチルアミノベンゾエート 0.01
【0072】 (C液) ソルビトール 1.0 ポリエチレングリコール 0.5 精製水 35.5 本実施例における前記保湿剤分散体は、0.03g/4
0cm2塗布した時のSPF値が25.8、PFA値が
15.1であり、保湿剤分散体中のZnOの濃度(カー
マインローションにおける濃度)は2.5重量%であ
る。また、前記保湿剤分散体における無機紫外線遮断機
能素材(微細酸化亜鉛):分散剤(ビーガムF):保湿
剤(プロピレングリコールと1,3ブチレングリコール
(重量比1:1))の重量比は、1:0.2:2.32
である。
【0073】A液にB液を加え、次いでC液を加えてカ
ーマインローションを得た。このカーマインローション
を0.08g/40cm2に塗布した時のSPF値は1
0.2、PFA値は5.1であった。
【0074】 [実施例4] 乳化型クリームファンデーション (油相A) ブチルパラベン 0.08 ステアリン酸 1.36 モノステアリン酸グリセリン 2.33 モノステアリン酸ポリエチレングリコール 0.39 モノステアリン酸ポリオキシソルビタン 1.17 トリ−2−エチルヘキ酸グリセリン 2.04 着色顔料 1.00
【0075】 (水相B) 保湿剤分散体(TiO2:ZnO=1:1) 70.2 トリエタノールアミン 0.54 精製水 20.5 本実施例における前記保湿剤分散体は、0.03g/4
0cm2で塗布した時のSPF値は21.6、PFA値
は14.3である。また、前記保湿剤分散体におけるT
iO2とZnOの合計の濃度は20重量%である。そし
て、前記保湿剤分散体における無機紫外線遮断機能素材
(超微粒子二酸化チタンと微細酸化亜鉛):固定化剤
(タルクとセリサイト(重量比1:1)):分散剤(サ
ポナイト):保湿剤(ジプロピレングリコール)の重量
比は、1:0.4:0.6:3.0である。
【0076】油相Aを85℃で加温し、溶解、分散させ
た後、85℃に加温した水相Bを徐々に加え、乳化す
る。30℃まで冷却した後、乳化型クリームファンデー
ションを0.08g/40cm2に塗布した時のSPF
値は40.3、PFA値31.8であった。
【0077】[比較例1]実施例1における保湿剤分散
体の構成成分(微細酸化亜鉛、超微粒子二酸化チタン、
保湿剤及び固定化剤)を本発明の保湿剤分散体にしない
以外は前記実施例1と同様に乳化した。その結果、SP
F値16.1、PFA値11.8の乳化物を得た。
【0078】[比較例2]比較例1と同様に、実施例2
における保湿剤分散体の構成成分を保湿剤分散体にしな
い以外は前記実施例2と同様に乳化した。その結果(超
微粒子TiO2の濃度5重量%)、SPF値8.9、P
FA値6.9の乳化物を得た。
【0079】[比較例3]比較例1と同様に、実施例3
における保湿剤分散体の構成成分を保湿剤分散体にしな
い以外は前記実施例3と同様に乳化した。その結果、S
PF値5.1、PFA値3.8の乳化物を得た。
【0080】[比較例4]比較例1と同様に、実施例4
における保湿剤分散体の構成成分を保湿剤分散体にしな
い以外は前記実施例4と同様に乳化した。その結果、S
PF値21.6、PFA値15.0の乳化物を得た。
【0081】 [実施例5] O/W型乳液 (油相A) スクワラン 4.0 オリーブ油 5.5 精製ホホバ油 1.5 ステアリルアルコール 0.6 d−δ−トコフェロール 0.02 ポリオキシエチレンベヘニルエーテル 1.6 グリセリルモノステアレート 0.5 グリセリルモノオレート 0.2
【0082】 (保湿剤分散体液B) 保湿剤分散体(TiO2:ZnO=1:2) 22.2 カルボキシビニルポリマー 0.05 精製水 31.9
【0083】 (中和液C) 水酸化カリウム 0.09 精製水 31.84
【0084】本実施例における前記保湿剤分散体は、無
機紫外線遮断機能素材(超微粒子二酸化チタンと微細酸
化亜鉛)45重量%と1、3ブチレングリコール55重
量%から成り、0.03g/40cm2塗布した時のS
PFが38.7、PFAが25.6である。また、保湿
剤分散体中のTiO2とZnOの合計の濃度(乳液にお
ける濃度)は10重量%である。なお、この保湿剤分散
体は、後述の保湿剤分散体の製造例4と同様の方法で製
造したものである。
【0085】(製法)油相Aを80℃に加温した中に、
80℃に加温した保湿剤分散体液Bを加え粗乳化を行
い、ついで80℃に加温した中和液Cを加えてより乳化
させた後、30℃まで冷却して、水相Wに油相Oが分散
するO/W型乳液を得た。この乳液を0.08g/40
cm2に塗布した時のSPF値は48.9であり、PF
A値は26.9である。
【0086】 [実施例6] W/O型乳液 (油相A) デカメチルシクロペンタシロキサン 11.0 オキシエチレン・オキシプロピレン共重合体10重量%含有 オクタメチルシクロテトラシロキサン溶液 21.0 ジメチルポリシロキサン 1.0 ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.2 ブチルパラベン 0.25
【0087】 (水相B) 硫酸マグネシウム 2.0 デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2 メチルパラベン 0.2 保湿剤分散体 12.5 精製水 51.65
【0088】油相Aを50℃に加温し、別に50℃に加
温した水相Bを加え乳化し、30℃まで冷却してW/O
型乳液が得られた。0.08g/40cm2に塗布した
時のこの乳液のSPF値は26.4、PFA値は14.
7であった。本実施例における前記保湿剤分散体は、無
機紫外線遮断機能素材(超微粒子二酸化チタンと微細酸
化亜鉛)40重量%とプロピレングリコール60重量%
から成る。また、前記保湿剤分散体中の超微粒子二酸化
チタンと微細酸化亜鉛の合計の濃度(乳液における濃
度)は5重量%である。なお、この保湿剤分散体は、後
述の保湿剤分散体の製造例4と同様の方法で製造したも
のである。
【0089】 [実施例7] カーマインローション (A液) 精製水 44.71 保湿剤分散体 8.33 食塩 0.2
【0090】 (B液) エチルアルコール 9.0 メントール 0.005 カンフル 0.025 メチルパラベン 0.25 2−エチルヘキシルパラジメチルアミノベンゾエート 0.01
【0091】 (C液) ソルビトール 1.0 ポリエチレングリコール 0.5 精製水 35.97
【0092】本実施例における前記保湿剤分散体は、無
機紫外線遮断機能素材(微細酸化亜鉛)30重量%とグ
リセリン70重量%から成り、0.03g/40cm2
塗布した時のSPF値が28.8、PFA値が17.3
である。保湿剤分散体中のZnOの濃度(カーマインロ
ーションにおける濃度)は2.5重量%である。なお、
この保湿剤分散体は、後述の保湿剤分散体の製造例3と
同様の方法で製造したものである。
【0093】A液にB液を加え、次いでC液を加えてカ
ーマインローションを得た。このカーマインローション
を0.08g/40cm2に塗布した時のSPF値は1
1.4、PFA値は6.2であった。
【0094】 [実施例8] 乳化型クリームファンデーション (油相A) ブチルパラベン 0.08 ステアリン酸 1.36 モノステアリン酸グリセリン 2.33 モノステアリン酸ポリエチレングリコール 0.39 モノステアリン酸ポリオキシソルビタン 1.17 トリ−2−エチルヘキ酸グリセリン 2.04 着色顔料 1.00
【0095】 (水相B) 保湿剤分散体(TiO2:ZnO=1:1) 70.2 トリエタノールアミン 0.54 精製水 20.5
【0096】本実施例における前記保湿剤分散体は、無
機紫外線遮断機能素材(超微粒子二酸化チタンと微細酸
化亜鉛(重量比1:1))20重量%とジプロピレング
リコール80重量%から成り、0.08g/40cm2
で塗布した時のSPF値は85.9、PFA値は78.
3である。また、前記保湿剤分散体中の超微粒子二酸化
チタンと微細酸化亜鉛の合計の濃度(乳化型クリームフ
ァンデーションにおける濃度)は14.0重量%であ
る。なお、この保湿剤分散体は、後述の保湿剤分散体の
製造例4と同様の方法で製造したものである。
【0097】油相Aを85℃で加温し、溶解、分散させ
た後、85℃に加温した水相Bを徐々に加え、乳化す
る。これを30℃まで冷却して乳化型クリームファンデ
ーションを得た。得られた乳化型クリームファンデーシ
ョンを0.08g/40cm2に塗布した時のSPF値
は41.5、PFA値32.8であった。
【0098】[比較例5]実施例5における保湿剤分散
体の構成成分(微細酸化亜鉛、超微粒子二酸化チタン及
び保湿剤)を本発明の保湿剤分散体にしない以外は前記
実施例5と同様に乳化した。その結果、SPF値15.
4、PFA値10.0の乳化物を得た。 [比較例6]比較例5と同様に、実施例6における保湿
剤分散体の構成成分を保湿剤分散体にしない以外は前記
実施例6と同様に乳化した。その結果、SPF値7.
9、PFA値5.6の乳化物を得た。
【0099】[比較例7]比較例5と同様に、実施例7
における保湿剤分散体の構成成分を保湿剤分散体にしな
い以外は前記実施例7と同様に乳化した。その結果、S
PF値5.0、PFA値3.9の乳化物を得た。 [比較例8]比較例5と同様に、実施例8における保湿
剤分散体の構成成分を保湿剤分散体にしない以外は前記
実施例8と同様に乳化した。その結果、SPF値20.
4、PFA値15.0の乳化物を得た。
【0100】保湿剤分散体の製造例を次に示す。 [製造例1]単一粒子の平均粒子径0.03〜0.05
μmの超微粒子二酸化チタン(石原産業製、TTO−5
5A)59.6gと単一粒子の平均粒子径0.28μm
の微細酸化亜鉛(堺化学製)19.4gと単一粒子の平
均粒子径8.0μmのタルク(浅田製粉製、JA46
R)38gとケイ酸アルミニウムマグネシウム(ビンダ
ービルド社製、ビーガムF)33.6gとケイ酸マグネ
シウム(ラポルテインダストリーリミテッド社製、ラポ
ナイトXLS)5.2gとベントナイト(クニミネ工業
社製、クニピアF)11.6gを混合した後、粉砕機で
均一混合粉砕する。これをアルミナ材質のボールミルに
仕込み、24時間混合磨砕、粉砕する。この混合、磨
砕、粉砕した粉末に1,3ブチレングリコール(協和発
酵社製)360gを仕込48時間、混合、磨砕、分散処
理して保湿剤分散体を得る。
【0101】[製造例2]単一粒子の平均粒子径0.0
1〜0.03μmの超微粒子二酸化チタン(石原産業
製、TTO−S−1)140gと単一粒子径4.8μm
のセリサイト(三信鉱業)38g、単一粒子の平均粒子
径8.0μm(林化成社製Sタルク)38g、ケイ酸ア
ルミニウムマグネシウム(ビンダービルド社製、ビーガ
ムF)、ケイ酸マグネシウム(ラポルテインダストリー
リミテッド社製、ラポナイトXLS)9.7g、スメク
タイト(クニミネ工業社製、スメクトン)23.5gを
混合した後、粉砕機で混合、粉砕する。この粉砕物を3
60gのプロピレングリコールに加え、均一分散した後
コボールミル(神鋼パンテック社製)で3回通し、保湿
剤分散体を得る。
【0102】[製造例3]単一平均粒子径0.04μm
の超微粒子二酸化チタン(石原産業製、TTO−55
A)320gを1.8リットルのアルミナ製ボールミル
に仕込み、次いで480gの1,3ブチレングリコール
を仕込み、72時間ボールミル処理して保湿剤分散体を
得る。 [製造例4]単一平均粒子径0.01〜0.03μm超
微粒子二酸化チタン(石原産業製TTO−S−1)48
0gと平均粒子径0.28μmの微細酸化亜鉛720g
をプロピレングリコール(旭電化製)1.440gに分
散させる。この分散液をコボールミル(神鋼パンテック
社製)で4回通しして保湿剤分散体を得る。
【0103】前記実施例1〜4と5〜8で用いた保湿剤
分散体の経時安定性を評価するために、製造直後のも
の、常温で屋外に1年間放置後のもの、及び40℃で3
カ月間放置後のものについて、SPF値とPFA値の測
定及び状態観察を行った。状態観察は、常温で屋外に放
置したものについては6カ月後と1年後に行い、40℃
で放置したものについては1カ月後と3カ月後に行っ
た。その結果を表1及び表3に示す。
【0104】また、実施例1〜4と5〜8の化粧料及び
比較例1〜4と5〜8の乳化物についても、製造直後の
もの、常温で屋外に1年間放置後のもの、及び40℃で
3カ月間放置後のものについて、SPF値とPFA値の
測定及び状態観察を行った。状態観察は、常温で屋外に
放置したものについては6カ月後と1年後に行い、40
℃で放置したものについては1カ月後と3カ月後に行っ
た。さらに使用感についても試験した。これらの結果を
表2及び表4に示す。
【0105】
【表1】
【0106】
【表3】
【0107】以上の結果から、本発明の保湿剤分散体
は、長期間にわたり状態の変化がなく、SPF値、PF
A値の変化が極めて少なく、分散性、安定性が優れてい
ることが分かる。
【0108】
【表2】
【0109】
【表4】
【0110】なお、状態観察の結果において、◎は製造
直後のものから全く変化していないことを示し、△は粒
子の凝集がかなり見られるが、分離はしていないことを
示し、×は粒子の凝集が著しく、分離状態になっている
ことを示す。本発明の実施例の化粧料は、SPF値、P
FA値ともに、経時変化がほとんど見られなかったのに
対し、比較例のものは粒子の凝集によるSPF値、PF
A値の低下が見られ、また、比較例3及び比較例7にお
いては、経時で着色化も見られた。
【0111】(SPF値及びPFA値の測定法)日焼け
止め指数SPF値及びPFA値は、次の手順によりSP
Fアナライザー(Optometrics社、SPF−
290、Analyzer)で測定することができ、前
記SPF値及びPFA値は次の手順により測定した。 縦100mm×横100mm×高さ3mmの石英板に
3M社のトランスポアサージカルテープを貼り、その上
に6.4cm×6.4cm(40cm2)の試料塗布用
領域を確保する。 前記試料塗布用領域に、試料をスポンジパフで0.0
3gおよび0.08g(0.75mg/cm2、2.0
mg/cm2)塗布し、15分放置する。 前記SPFアナライザーを用いて前記試料を塗布した
表面に16mmφの照射面積の測定光をあて、9スポッ
ト測定し、9つの測定値の平均値をSPF値およびPF
A値とする。 なお試料によっては上記の操作を数回繰り返し平均値
を取る。
【0112】
【発明の効果】請求項1〜7の保湿剤分散体は、保湿剤
分子がメカノケミカル反応により吸着した無機紫外線遮
断機能素材を保湿剤に分散して含有するので、以下の基
本的効果を奏することができる。 無機紫外線遮断機能素材を長期間良好に分散させるこ
とができる。 無機紫外線遮断機能素材の光活性や触媒活性を抑制す
ることができる。従って、化粧料に含有させる他の成分
に悪影響を及ぼしたり、他の成分と共に凝集したりしな
い。例えば、化粧品用法定タール色素を変色、褪色させ
たり、一般化粧品用油剤を変質させたりしない。また、
増粘剤と共に凝集しない。
【0113】化粧料に配合しても無機紫外線遮断機能
素材を長期間良好に分散させることができる。従って、
紫外線遮断機能を長期にわたって十分に発揮させること
ができる。 化粧料に配合して使用した場合でも使用感が良好であ
り、肌への均一膜としての付着性、伸展性等に優れる。
【0114】化粧料を簡略に製造することができる。
即ち、化粧品業界では、製造コストの低減化が加速的に
進行し、化粧品の製造工程の省力化が重要な課題となっ
ている。そして、消費者の基本的ニーズに紫外線防御効
果があることから、無機紫外線遮断剤としての超微粒子
二酸化チタン、超微粒子酸化亜鉛および微粒子酸化亜鉛
等のような無機紫外線遮断機能素材の分散体の要求が高
まっている。本発明の保湿剤分散体によれば、化粧品メ
ーカーが無機紫外線遮断機能素材の粉体を粉砕、分散さ
せることなく、本発明の分散体を直接利用することによ
り、工程の簡略化を図ることができる。また、化粧料に
配合する際も簡単な分散処理操作で高濃度で配合するこ
とができる。
【0115】請求項2〜7の保湿剤分散体は、上記基本
的効果がより一層良好である。請求項8〜10の化粧料
は、請求項1〜7のいずれかに記載の保湿剤分散体を含
有するので、以下の基本的効果を奏することができる。 無機紫外線遮断機能素材を長期間良好に分散させるこ
とができる。従って、紫外線遮断機能を長期にわたって
十分に発揮させることができる。
【0116】無機紫外線遮断機能素材は、光活性や触
媒活性を抑制されているので、化粧料に含有させる他の
成分は悪影響を受けない。例えば、化粧品用法定タール
色素は変色、褪色しないし、一般化粧品用油剤も変質し
ない。また、増粘剤は、無機紫外線遮断機能素材と共に
凝集しない。 化粧料としての使用感が良好であり、肌への均一膜と
しての付着性、伸展性等に優れる。請求項9〜10の化
粧料は、上記基本的効果がより一層良好である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】保湿剤分子がメカノケミカル反応により吸
    着した無機紫外線遮断機能素材を保湿剤に分散して含有
    することを特徴とする保湿剤分散体。
  2. 【請求項2】前記無機紫外線遮断機能素材の分散を補助
    する分散剤を含有することを特徴とする請求項1に記載
    の保湿剤分散体。
  3. 【請求項3】前記無機紫外線遮断機能素材は、無機紫外
    線遮断機能素材を固定する固定化剤に固定していること
    を特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の保湿剤分
    散体。
  4. 【請求項4】前記無機紫外線遮断機能素材:前記分散
    剤:前記保湿剤(前記無機紫外線遮断機能素材に吸着し
    た保湿剤分子を含む)の重量比は、1:0.2〜0.
    9:2〜9.5であることを特徴とする請求項2に記載
    の保湿剤分散体。
  5. 【請求項5】前記無機紫外線遮断機能素材:前記固定化
    剤:前記分散剤:前記保湿剤(前記無機紫外線遮断機能
    素材に吸着した保湿剤分子を含む)の重量比は、1:
    0.4〜0.9:0.2〜0.6:2〜9.5であるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の保湿剤分散体。
  6. 【請求項6】前記無機紫外線遮断機能素材を9.5重量
    %以上含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の保湿剤分散体。
  7. 【請求項7】前記無機紫外線遮断機能素材20〜50重
    量%と前記保湿剤(前記無機紫外線遮断機能素材に吸着
    した保湿剤分子を含む)50〜80重量%を含有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の保湿剤分散体。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の保湿剤分
    散体を含有することを特徴とする化粧料。
  9. 【請求項9】前記保湿剤分散体を3.5〜80重量%含
    有することを特徴とする請求項8に記載の化粧料。
  10. 【請求項10】請求項7に記載の保湿剤分散体を0.5
    〜80重量%含有することを特徴とする請求項8に記載
    の化粧料。
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