JPH1071737A - サーマルヘッドの製造方法 - Google Patents

サーマルヘッドの製造方法

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JPH1071737A
JPH1071737A JP14062597A JP14062597A JPH1071737A JP H1071737 A JPH1071737 A JP H1071737A JP 14062597 A JP14062597 A JP 14062597A JP 14062597 A JP14062597 A JP 14062597A JP H1071737 A JPH1071737 A JP H1071737A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】補強電極を窒化物薄膜上に形成した際、両者の
界面近傍に多くの気泡が残存して両者間の密着強度を低
下させていた。 【解決手段】セラミック基板上にグレーズ層を形成し、
その表面に窒化物薄膜を被着させる工程と、前記窒化物
薄膜上に、導体成分、ガラス成分及び有機成分から成
り、かつ、前記導体成分及びガラス成分の合量に対する
PbOの含有率をx重量%、Bi2 3 の含有率をy重
量%で表したとき、x、y値を図1の下記座標A、B、
C、Dの内部領域(但し、線分上を含む)に位置させて
なる導電ペーストを塗布するとともに、これを600〜
700℃の温度で焼き付けて補強電極を形成する工程
と、前記窒化物薄膜上に発熱抵抗体及び共通電極を、該
共通電極の一部が前記補強電極上にまで延在するように
して被着させる工程と、によってサーマルヘッドを製造
する。 座標A(0,8) B(7,0) C(3,0) D
(0,2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワードプロセッサや
ファクシミリ等のプリンタ機構として組み込まれるサー
マルヘッドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ワードプロセッサ等のプリンタ機
構として組み込まれるサーマルヘッドは、例えば図6に
示す如く、グレーズ層12を有したアルミナセラミック
ス製の基板11上に、その上面全域を覆うようにして窒
化物薄膜13を被着させるとともに該窒化物薄膜13上
に補強電極14、発熱抵抗体15、電極層16及び保護
膜17をそれぞれ被着させた構造を有しており、印字信
号に基づいて前記電極層16に所定の電力を印加し、発
熱抵抗体15を選択的にジュール発熱させるとともに、
該発熱した熱を感熱記録媒体に伝導させ、感熱記録媒体
に所定の印字画像を形成することによってサーマルヘッ
ドとして機能する。
【0003】尚、前記グレーズ層12は、発熱抵抗体1
5の発する熱を蓄積及び放散してサーマルヘッドの熱応
答特性を良好に維持するためのもので、ガラスや耐熱性
樹脂等の低熱伝導性材料により形成される。
【0004】また、前記窒化物薄膜13は、発熱抵抗体
15や電極層16をエッチング等によって微細加工する
際、グレーズ層12の表面がエッチング液との接触によ
って浸食されないようにグレーズ層12を保護するため
のもので、Si3 4 (窒化珪素)、SiAlON(サ
イアロン)等の窒素元素を含む無機質材料により形成さ
れる。
【0005】また、前記補強電極14は電極層16を電
気的に補強するためのものであり、該補強電極14を電
極層16に電気的に接続させておくことにより電極層1
6で大きな電圧降下が発生するのを防止するようになっ
ている。
【0006】このような従来のサーマルヘッドは、通
常、以下の製法によって製作される。 (1)まず、グレーズ層12を有したセラミック基板1
1を準備し、続いて前記基板11の上面全域にわたって
窒化物薄膜13を被着させる。
【0007】(2)次に、前記窒化物薄膜13上に所定
の導電ペーストを従来周知のスクリーン印刷法等によっ
て印刷塗布し、これを高温で焼き付けて補強電極14を
形成する。このとき使用される導電ペーストは、導電性
を付与するための導体成分と、接着材としてのガラス成
分と、ペーストの粘度を調整して外形を保持するための
有機成分(有機溶剤、バインダー等)とで構成されてお
り、該ペーストの焼き付け作業を低温度で効率良く行う
ためにガラス成分の一種としてBi2 3 (酸化ビスマ
ス)やPbO(酸化鉛)が添加されていた。尚、Bi2
3 やPbOの含有率は、導電ペースト中の導体成分及
びガラス成分の合量に対して10〜15重量%の範囲で
あった。
【0008】(3)次に、前記グレーズ層12上に窒化
物薄膜13を介してTaN等の抵抗材料とAl等の金属
材料とをスパッタリング法等の薄膜形成技術によって順
次被着させるとともに該被着させたTaN及びAlを従
来周知のフォトリソグラフィー技術を採用することによ
って発熱抵抗体13及び電極層16を所定パターンに加
工し、最後に前記発熱抵抗体13及び電極層16上にS
3 4 等から成る保護膜17をスパッタリング等によ
って被着させることによってサーマルヘッドが完成して
いた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のサーマルヘッドの製造方法によれば、前記補
強電極14を導電ペーストの焼き付けによって窒化物薄
膜13上に形成する際、導電ペースト中に含まれている
多量のBi2 3 やPbOと、窒化物薄膜13を形成す
るSi3 4 等の窒素成分とが激しく化学反応を起こ
し、両者の界面近傍で多量のガス(N2 )を発生する。
このため、窒化物薄膜13と補強電極14との界面近傍
には多くの気泡が残存することとなり、この両者間の密
着強度が大幅に低下してしまう。そして、このような補
強電極14に感熱記録媒体の摺接等によって外力が印加
されると、補強電極14が窒化物薄膜13より比較的容
易に剥離し、サーマルヘッドとしての機能が短時間で喪
失される欠点を有していた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記欠点に鑑み
案出されたもので、本発明のサーマルヘッドの製造方法
は、セラミック基板上にグレーズ層を帯状に形成すると
ともに該グレーズ層の表面及びセラミック基板の露出表
面に窒化物薄膜を被着させる工程と、前記窒化物薄膜上
に導電ペーストを塗布するとともに、これを600〜7
00℃の温度で焼き付けて補強電極を形成する工程と、
前記窒化物薄膜上に発熱抵抗体及び共通電極を、該共通
電極の一部が前記補強電極上にまで延在するようにして
被着させる工程と、を含み、前記導電ペーストが、導体
成分、ガラス成分及び有機成分から成り、かつ、前記導
体成分及びガラス成分の合量に対するBi2 3 の含有
率をx重量%、PbOの含有率をy重量%で表したと
き、前記x、y値が図1の下記座標A、B、C、Dの内
部領域(但し、線分上を含む)にあることを特徴とする
ものである。
【0011】座標A(0,8) B(7,0) C
(3,0) D(0,2) また本発明の製造方法は、セラミック基板の上面の略全
域にわたってグレーズ層を形成するとともに該グレーズ
層の表面に窒化物薄膜を被着させる工程と、前記窒化物
薄膜上に導電ペーストを塗布するとともに、これを60
0〜700℃の温度で焼き付けて補強電極を形成する工
程と、前記窒化物薄膜上に発熱抵抗体及び共通電極を、
該共通電極の一部が前記補強電極上にまで延在するよう
にして被着させる工程と、を含み、前記導電ペースト
が、導体成分、ガラス成分及び有機成分から成り、か
つ、前記導体成分及びガラス成分の合量に対するBi2
3 の含有率をx重量%、PbOの含有率をy重量%で
表したとき、前記x、y値が図1の下記座標A、B、
C、Dの内部領域(但し、線分上を含む)にあることを
特徴とするものである。
【0012】座標A(0,8) B(7,0) C
(3,0) D(0,2)
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は、本発明の製法にかかる導電
ペースト中のBi2 3 、PbOの含有率を示すxyグ
ラフ、図2は本発明の一形態によって製作したサーマル
ヘッドの斜視図、図3は図2のX−X線断面図であり、
1はセラミック基板、2はグレーズ層、3は窒化物薄
膜、4は補強電極、5は発熱抵抗体、6は個別電極、7
は共通電極(電極層)、8は保護膜である。
【0014】同図に示すサーマルヘッドは、アルミナセ
ラミックス製のセラミック基板1上に、グレーズ層2、
窒化物薄膜3、補強電極4、発熱抵抗体5、個別電極6
及び共通電極7等をそれぞれ被着させた構造を有してい
る。
【0015】前記グレーズ層2は、セラミック基板1の
上面に断面円弧状(幅W:0.5mm〜1.0mm、厚
みT:22μm〜55μm)を成すように被着されてお
り、ガラスや耐熱性樹脂等の低熱伝導性材料により形成
され、発熱抵抗体5の発する熱を適当な温度となるよう
に蓄積してサーマルヘッドの熱応答特性を良好に保つよ
うになっている。
【0016】また、前記窒化物薄膜3は、グレーズ層2
が形成されたセラミック基板1の上面全域にわたり0.
05〜0.4μmの厚みをもって被着されており、Si
3 4 (窒化珪素)、SiAlON(サイアロン)等の
窒素元素を含む無機質材料により形成され、後述する発
熱抵抗体5、個別電極6及び共通電極7をエッチング等
によって微細加工する際にグレーズ層2の表面がエッチ
ング液との接触により浸食されるのを有効に防止する作
用を為す。
【0017】また、前記補強電極4は窒化物薄膜3上に
15μm〜32μmの厚みをもって被着されており、例
えば銀により形成され、後述する共通電極7と電気的に
接続されることによって共通電極7における大きな電流
の流れを許容するようになっている。尚、このような補
強電極4中にはPbOやBi2 3 が所定の割合で含有
されている。より具体的には、Bi2 3 、PbOの含
有率は、Bi2 3 の含有率をx重量%、PbOの含有
率をy重量%で表したとき、前記x、y値が図1のxy
グラフにおいて下記座標A、B、C、Dの内部領域(但
し、線分上を含む)に位置するようになっている。
【0018】座標A(0,8) B(7,0) C
(3,0) D(0,2) また、前記発熱抵抗体5はグレーズ層2の頂部付近に窒
化物薄膜3を介して複数個、被着配列されており、Ta
N,TaSiO2 等の抵抗材料により形成されているた
め、後述する個別電極6及び共通電極7を介して外部電
源からの電力が印加されるとジュール発熱を起こし、印
字画像を形成するのに必要な所定の温度、例えば200
℃〜350℃の温度に発熱する。
【0019】また、前記個別電極6及び共通電極7は各
発熱抵抗体5の両端に接続されており、これらの電極
6、7によって外部電源からの電力を発熱抵抗体5に印
加するようになっている。尚、前記共通電極7はその一
部が前記補強電極4上まで延在され、該延在部で補強電
極4と電気的に接続される。
【0020】そして、これら発熱抵抗体5、共通電極7
等はSiO2 (酸化珪素)やSi34 から成る保護膜
8によって被覆され、これによって発熱抵抗体5等を大
気中に含まれる水分等の接触による酸化腐食や感熱記録
媒体の摺接による摩耗から保護するようになっている。
【0021】かかるサーマルヘッドは、個別電極6及び
共通電極7間に印字信号に対応させて所定の電力を印加
し、発熱抵抗体5を選択的にジュール発熱させるととも
に、該発熱した熱を感熱記録媒体に伝導させ、感熱記録
媒体に所定の印字画像を形成することによってサーマル
ヘッドとして機能する。
【0022】次に、上述したサーマルヘッドの製造方法
を図4(a)〜(d)を用いて説明する。
【0023】(1)先ず図4(a)に示す如く、セラミ
ック基板1上にグレーズ層2を帯状に形成し、次に図4
(b)に示す如く、前記グレーズ層2の表面及びセラミ
ック基板1の露出表面に窒化物薄膜3を被着させる。
【0024】前記セラミック基板1は、Al2 3 、S
iO2 、MgO等のセラミックス原料粉末に適当な有機
溶剤、溶媒を添加混合して泥漿状と成すとともにこれを
従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等
を採用することによってセラミックグリーンシートを形
成し、しかる後、前記セラミックグリーンシートを所定
形状に打ち抜き加工するとともに高温で焼成することに
よって製作され、このようなセラミック基板1の上面所
定領域に所定のガラスペーストを従来周知のスクリーン
印刷法等によって印刷塗布し、更に該ペーストを約10
00℃〜1200℃の高温で焼き付けることによってグ
レーズ層2がセラミック基板1上に被着形成される。
【0025】また前記窒化物薄膜3は、Si3 4 、S
iAlON、SiON等をグレーズ層2の表面及びセラ
ミック基板1の露出表面に従来周知のスパッタリング法
等によって0.05〜0.4μmの厚みに被着させるこ
とにより形成される。
【0026】(2)次に、図4(c)に示す如く、前記
窒化物薄膜3上に所定の導電ペーストを塗布するととも
に該ペーストを焼き付けて補強電極4を形成する。
【0027】このような導電ペーストとしては、導体成
分(Au、Ag、Cu等)、ガラス成分(SiO2 、B
2 3 、PbO等)及び有機成分(有機溶剤、バインダ
ー等)を所定の比率で混合し、かつ、前記導体成分及び
ガラス成分の合量に対するBi2 3 の含有率をx重量
%、PbOの含有率をy重量%で表したとき、前記x、
y値を図1のxyグラフにおいて下記座標A、B、C、
Dの内部領域(但し、線分上を含む)に位置させた導電
ペーストが用いられる。
【0028】座標A(0,8) B(7,0) C
(3,0) D(0,2) かかる導電ペーストを従来周知のスクリーン印刷法等に
よって前記窒化物薄膜3上に例えば25〜58μmの厚
みに印刷塗布し、しかる後、該塗布したペーストを60
0〜700℃で焼き付けることによって窒化物薄膜3上
に補強電極4が被着形成される。
【0029】以上のようにして補強電極4を形成すれ
ば、窒化物薄膜3と補強電極4との界面近傍でガス(N
2 )が発生することは殆どなく、両者を極めて強固に被
着させておくことができる。従って、補強電極4に感熱
記録媒体の摺接等によって外力が印加されても、補強電
極4が窒化物薄膜3より容易に剥離してしまうことはな
く、サーマルヘッドを長期間にわたり良好な状態で機能
させることができる。
【0030】ここで本発明の作用効果について、表1を
用いて説明する。
【0031】
【表1】
【0032】表1は、密着強度測定用の実験サンプル
(No.1〜24) を24個作製して各サンプルのSi3 4
薄膜−導電膜間の密着強度を0.6φ軟銅線垂直折り曲
げピールテストにより測定した結果と、該測定の後、各
サンプルを用いて更に150℃、1000時間の熱エー
ジングを行い、同様のピールテストによって再度、密着
強度を測定した結果とを示すもので、密着強度に関して
○△×の3段階で総合評価を行った。○は十分な密着性
が得られたもの、△は密着強度が低かったもの、×は密
着強度が極めて低かったものである。尚、この測定に用
いた24個のサンプルは、グレーズ層を有したAl2
3 基板の上面にSi3 4 薄膜をスパッタリング法にて
0.1μmの厚みに被着させ、その上にBi2 3 、P
bOの含有率を異ならせた24種類の導電ペーストをス
クリーン印刷によってそれぞれ印刷塗布するとともに、
これらを630℃の温度で焼き付け導電膜を形成するこ
とによって得たものである。また表1に記載のBi2
3 含有率xとは導電ペースト中の導体成分及びガラス成
分の合量に対するBi2 3 の含有率を、またPbO含
有率yとは導電ペースト中の導体成分及びガラス成分の
合量に対するPbOの含有率をそれぞれ重量%で表した
ものである。
【0033】かかる測定結果によれば、Bi2 3 とP
bOの含有率(x,y)を(0,15)、(0,10)、(0,1) 、
(0,0.5) 、(15,0)、(10,0)、(1,0) 、(0.5,0) 、(1,1)
、(1,8) 、(5,3) に設定したサンプルNo.1、No.2、No.
6、No.7、No.8、No.9、No.13、No.14 、No.15 、No.20
、No.24 ではSi3 4 薄膜と導電膜との間に十分な
密着強度が得られなかったのに対し、前記含有率(x,
y)を図1のxyグラフにおいて下記座標A、B、C、
Dの内部領域(但し、線分上を含む)に位置させたサン
プルNo.3、No.4、No.5、No.10 、No.11 、No.12 、No.1
6 、No.17 、No.18 、No.19 、No.21 、No.22 、No.23
ではSi3 4 薄膜と導電膜との密着強度が極めて高か
かったことが判る。
【0034】座標A(0,8) B(7,0) C
(3,0) D(0,2) ここで、Si3 4 薄膜と導電膜との密着強度が極めて
低かったサンプルについてその要因を分析するに、Bi
2 3 含有率xを0重量%とし、PbO含有率yを2重
量%よりも小さく設定したサンプルNo.6、No.7、PbO
含有率yを0重量%とし、Bi2 3 含有率xを3重量
%よりも小さく設定したサンプルNo.13、No.14 および
Bi2 3 含有率x、PbO含有率yをそれぞれ1重量
%に設定したサンプルNo.15 では、その焼き付け時にガ
ラス成分が十分に軟化されず、導電膜の焼き付けが不完
全であったことが判った。またPbO含有率yを8重量
%よりも大きく設定したサンプルNo.1、No.2、Bi2
3 含有率xを7重量%よりも大きく設定したサンプルN
o.8、No.9、Bi2 3 含有率xを1重量%とし、Pb
O含有率yを8重量%に設定したサンプルNo.20 および
Bi2 3 含有率xを5重量%とし、PbO含有率yを
3重量%に設定したサンプルNo.24 では、PbOもしく
はBi2 3 と下地となるSi3 4 薄膜中の窒素成分
とが激しく化学反応を起こし、両者の界面近傍で多量の
ガス(N2 )を発生し、Si3 4 薄膜と導電膜との界
面近傍に多くの気泡が残存していたことが判った。
【0035】従って、導電ペースト中の導体成分及びガ
ラス成分の合量に対するBi2 3の含有率x(重量
%)とPbOの含有率y(重量%)は、図1の下記座標
A、B、C、Dの内部領域(但し、線分上を含む)に位
置するよう設定されなければならない。
【0036】座標A(0,8) B(7,0) C
(3,0) D(0,2) 尚、上述の実験では導電ペーストを630℃の温度で焼
き付けて導電膜を形成したが、この焼き付け温度が60
0℃よりも低いと、導電ペースト中のガラス成分が十分
に軟化されず、焼き付けが不完全なものとなる恐れがあ
り、また700℃を超えると導電ペースト中に含まれて
いるPbOやBi2 3 と窒化物薄膜3中の窒素成分と
が激しく化学反応を起こし、両者の界面近傍で多量のガ
ス(N2)が発生するため、窒化物薄膜3と補強電極4
との密着強度が弱くなる恐れがある。従って、導電ペー
ストの焼き付け温度は600〜700℃の範囲内に設定
しなければならない。
【0037】(3)最後に、図4(d)に示す如く、前
記窒化物薄膜3が被着されたグレーズ層2上に発熱抵抗
体5、個別電極6及び共通電極7を該共通電極7が前記
補強電極4上まで延在されるようにして被着させ、更に
これらを保護膜8によって被覆する。
【0038】前記発熱抵抗体5、個別電極6及び共通電
極7は、従来周知のスパッタリング法及びフォトリソグ
ラフィー技術等を採用することによってグレーズ層2、
補強電極4等の上に一部、窒化物薄膜3を介して被着さ
れ、具体的には、TaN、Alをスパッタリング法等に
よって所定の厚み(TaNは0.01〜0.5μmの厚
み、Alは0.5μm〜2.0μmの厚み)に被着さ
せ、しかる後、フォトリソグラフィー技術を採用し、T
aN及びAlを所定パターンに加工することによって被
着形成される。
【0039】また前記保護膜8は、SiO2 、Si3
4 等を発熱抵抗体5等の上に従来周知のスパッタリング
法等によって3.5〜13.5μmの厚みに被着させ、
発熱抵抗体5等を保護膜8によって被覆することで製品
としてのサーマルヘッドが完成する。
【0040】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の変更、改良等が可能であり、例えば、上記実施
形態においては、本発明の製法をグレーズ層2をセラミ
ック基板1上に部分的に形成した部分グレーズタイプの
サーマルヘッドを製造する場合に適用したが、これに代
えて、図5に示すような、グレーズ層2’をセラミック
基板1の上面の略全域に形成した全面グレーズタイプの
サーマルヘッドを製造する場合に適用しても良い。この
場合、上記実施形態における“セラミック基板1の上面
にグレーズ層2を部分的に形成し、該グレーズ層2の表
面及びセラミック基板1の露出表面に窒化物薄膜を被着
させる工程”に代えて、“セラミックス基板1の上面の
略全域にわたってグレーズ層2’を形成するとともに該
グレーズ層2’の表面に窒化物薄膜3を被着させる工
程”が必要になる。
【0041】
【発明の効果】本発明の製法によれば、補強電極を窒化
物薄膜上に導電ペーストの焼き付けによって形成する
際、窒化物薄膜と補強電極との界面近傍でガスが発生す
ることは殆どなく、両者を極めて強固に被着させておく
ことができる。従って、補強電極に感熱記録媒体の摺接
等による外力が印加されても、補強電極が窒化物薄膜よ
り容易に剥離してしまうことはなく、サーマルヘッドを
長期間にわたり良好な状態で機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製法にかかる導電ペースト中のBi2
3 、PbOの含有率を示すxyグラフである。
【図2】本発明の製法によって製作したサーマルヘッド
の斜視図である。
【図3】図2のX−X線断面図である。
【図4】(a)〜(d)は本発明の製法を説明するため
の各工程毎の断面図である。
【図5】本発明の製法の他の形態によって製作したサー
マルヘッドの断面図である。
【図6】従来のサーマルヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1・・・セラミック基板 2・・・グレーズ層 3・・・窒化物薄膜 4・・・補強電極 5・・・発熱抵抗体 6・・・個別電極 7・・・共通電極 8・・・保護膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック基板上にグレーズ層を帯状に形
    成するとともに該グレーズ層の表面及びセラミック基板
    の露出表面に窒化物薄膜を被着させる工程と、 前記窒化物薄膜上に導電ペーストを塗布するとともに、
    これを600〜700℃の温度で焼き付けて補強電極を
    形成する工程と、 前記窒化物薄膜上に発熱抵抗体及び共通電極を、該共通
    電極の一部が前記補強電極上にまで延在するようにして
    被着させる工程と、を含み、 前記導電ペーストが、導体成分、ガラス成分及び有機成
    分から成り、かつ、前記導体成分及びガラス成分の合量
    に対するBi2 3 の含有率をx重量%、PbOの含有
    率をy重量%で表したとき、前記x、y値が図1の下記
    座標A、B、C、Dの内部領域(但し、線分上を含む)
    にあることを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。 座標A(0,8) B(7,0) C(3,0) D
    (0,2)
  2. 【請求項2】セラミック基板の上面の略全域にわたって
    グレーズ層を形成するとともに該グレーズ層の表面に窒
    化物薄膜を被着させる工程と、 前記窒化物薄膜上に導電ペーストを塗布するとともに、
    これを600〜700℃の温度で焼き付けて補強電極を
    形成する工程と、 前記窒化物薄膜上に発熱抵抗体及び共通電極を、該共通
    電極の一部が前記補強電極上にまで延在するようにして
    被着させる工程と、を含み、 前記導電ペーストが、導体成分、ガラス成分及び有機成
    分から成り、かつ、前記導体成分及びガラス成分の合量
    に対するBi2 3 の含有率をx重量%、PbOの含有
    率をy重量%で表したとき、前記x、y値が図1の下記
    座標A、B、C、Dの内部領域(但し、線分上を含む)
    にあることを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。 座標A(0,8) B(7,0) C(3,0) D
    (0,2)
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