JPH1071119A - 内視鏡的血管採取システム - Google Patents

内視鏡的血管採取システム

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JPH1071119A
JPH1071119A JP8176242A JP17624296A JPH1071119A JP H1071119 A JPH1071119 A JP H1071119A JP 8176242 A JP8176242 A JP 8176242A JP 17624296 A JP17624296 A JP 17624296A JP H1071119 A JPH1071119 A JP H1071119A
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良一 小納
Hitoshi Kira
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Ryoji Masubuchi
良司 増渕
Takahiro Ogasaka
高宏 小賀坂
Hiroshi Okabe
洋 岡部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】伏在静脈等の血管を内視鏡観察下で簡単に安全
に採取することができる内視鏡的血管採取システムを提
供することにある。 【解決手段】皮切部より挿入する剥離子10によって採
取対象血管に沿って少なくとも採取対象血管の周囲組織
の一部を剥離し、その剥離領域を腔拡張具によって拡張
し、その拡張領域に挿入される血管採取に充分な処置空
間を確保するための腔確保具60からなる内視鏡的血管
採取システムにおいて、前記腔確保具60は処置空間を
観察可能な内視鏡20、および採取対象血管を採取する
ための処置具を挿入自在にしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば内視鏡的
に伏在静脈等の皮下血管を採取する内視鏡的血管採取シ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】内視鏡的に伏在静脈等の皮下血管を採取
する方法として、例えば米国特許第4,793,346
号明細書および米国特許第5,373,840号明細書
が知られている。
【0003】米国特許第4,793,346号明細書
は、下肢の表皮を皮切し、その皮切部から静脈の外径よ
りやや大きな内径のチューブを挿入すると共に、チュー
ブの先端に設けられたナイフに電流を流し、チューブを
回転させながら進行させ、側枝をナイフによって焼灼し
て切断し、静脈を採取する方法である。
【0004】また、米国特許第5,373,840号明
細書は、縦方向の延びるチャンネルを有する内視鏡を用
い、患者の身体の皮切部より取り出す血管の一端を体外
に出し、内視鏡のチャンネルを通じてグリップ手段で血
管をつかみ、チャンネルを通じて血管を切離する方法で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者
は、盲目的にナイフ付きのチューブを押し進める方法で
あり、伏在静脈は通常真直ではないため、採取しようと
する伏在静脈を切断する恐れがある。また、ナイフから
の電流により伏在静脈自身に熱による損傷を与える恐れ
がある。
【0006】また、伏在静脈は、皮下という腔のないと
ころにあるが、後者の方法では、内視鏡を血管に沿って
進めるために、内視鏡のチャンネルを通して各種の処置
具を挿入し、組織を剥離しつつ、血管の処置も行わなけ
ればいけない。したがって、操作が煩雑となり、処置の
時間が長くなるという問題がある。また、内視鏡の対物
レンズが血液等により汚れた場合、全ての機器を一度体
外に取り出さなければならないという煩雑さがある。
【0007】この発明は前記事情に着目してなされたも
ので、その目的とするところは、伏在静脈等の血管を内
視鏡観察下で簡単に安全に採取することができる内視鏡
的血管採取システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は前記目的を達
成するために、皮切部より挿入する剥離子によって採取
対象血管に沿って少なくとも採取対象血管の周囲組織の
一部を剥離し、その剥離領域を腔拡張具によって拡張
し、その拡張領域に挿入される血管採取に充分な処置空
間を確保するための腔確保具からなる内視鏡的血管採取
システムにおいて、前記腔確保具は処置空間を観察可能
な内視鏡、および採取対象血管を採取するための処置具
を挿入自在にしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の各実施の形態を
図面に基づいて説明する。
【0010】図1〜図28は第1の実施形態を示し、ま
ず、内視鏡的血管採取方法として下肢の血管を採取する
手順を概略的に説明すると、図1は下肢を示し、大腿部
の鼠頸部A上部から足首Bに亘る伏在静脈等の採取対象
血管(以下、血管という)Cの全長に亘って採取する場
合、血管Cの直上で、鼠頸部A上方、膝Dの上、膝Dの
下、足首Bの上の4カ所にメス等によって皮切部E1,
E2,E3,E4を設ける。
【0011】そして、各皮切部E1,E2,E3,E4
の部位にて剥離鉗子等により血管Cを露出させる。さら
に各皮切部E1,E2,E3,E4より肉眼で観察可能
な距離について血管Cの直上組織を同様の剥離鉗子等で
剥離する。
【0012】次に、図2(a)は図1のX−X線に沿う
断面であり、100は表皮、200は皮下組織、300
は血管上結合組織であり、この血管上結合組織300の
下部に前記血管Cが存在する。まず、図2(b)に示す
ように、剥離子10を用い血管Cとその周囲組織とを剥
離して腔Gを形成する。ここでは膝Dの上の皮切部E2
と鼠頸部Aの上方の皮切部E1の間の血管Cの採取につ
いて述べる。他の領域についても同様である。
【0013】剥離子10に硬性内視鏡20を挿入して固
定する。剥離子10の先端部を鼠頸部Aの上方の皮切部
E1より膝Dの上の皮切部E2に向かって血管Cの上方
に沿わせるようにして挿入する。
【0014】この場合、剥離子10の先端部が透明部材
で形成されているため、硬性内視鏡20で血管Cや側枝
Fを鮮明に観察できる。剥離子10の挿入に際しては、
硬性内視鏡20で血管Cの進行を確認しつつ、少し押し
込み、また少し戻すという操作により徐々に進める。剥
離子10を膝Dの上の皮切部E2まで血管Cに沿って貫
通させる。
【0015】次に、剥離子10を体内に留置したまま硬
性内視鏡20を抜き取り、図2(c)に示すように、剥
離子10の手元側端部の鼠頸部Aの上方の皮切部E1側
に組織保護具30を取り付ける。そして、剥離子10を
膝Dの上の皮切部E2から引き、組織保護具30を剥離
子10で剥離した腔G内へ引き込む。なお、組織保護具
30の断面方向の断面積は剥離子10の断面方向の断面
積とほぼ等しいため、組織保護具30の挿入に際しては
ほとんど力を必要としない。組織保護具30は後述する
ように手元側が皮切部E1の開口より大きいT字型とな
っており、その部位が鼠頸部Aの上部の皮切部E1に当
接するまで挿入した後、剥離子10を組織保護具30よ
り切り離す。
【0016】次に、腔Gの拡張を行う。組織保護具30
の上面の溝30aに合わせて、先端がテーパ状に細くな
ったガイド棒40を鼠頸部Aの上部の皮切部E1から膝
Dの上の皮切部E2まで挿入する。なお、ガイド棒40
の先端部近傍には把持したときに指が引っかかるように
凹凸が設けられている。
【0017】ガイド棒40の末端部、つまり鼠頸部Aの
上部の皮切部E1側に最も小型の腔作成具50を装着す
る。腔作成具50は先端側が偏平の略菱形状で、その幅
が小さいものから大きいものまで複数個用意されてい
る。また、腔作成具50の後端側には棒状部材が取り付
けられており、棒状部材の端部には他のサイズの腔作成
具50との接続機構を持っている。
【0018】次に、図2(d)に示すように、ガイド棒
40の先端部をゆっくり引き、腔作成具50の突起を組
織保護具30の溝30aに沿わせて鼠頸部Aの上方の皮
切部E1から膝Dの上の皮切部E2まで通過させる。こ
のとき、少なくとも腔作成具50の先端側で幅が最大と
なる部位は、膝Dの上の皮切部E2より外にあり、末端
側は鼠頸部Aの上部の皮切部E1より外にある。
【0019】次に、大きい腔作成具50を腔G内の腔作
成具50の末端部に取り付け、腔作成具50の菱形部を
持ち、ゆっくり引き腔作成具50を組織保護具30の溝
30aに沿って通過させる。同様の操作を腔Gが必要な
大きさになるまで繰り返して行う。
【0020】次に、図2(e)に示すように、腔確保具
60の留置を行う。後述する挿入補助具に腔確保具60
を装着し、挿入補助具の先端に腔作成具50を取り付
け、腔拡張方法と同様に、腔作成具50の菱形部を持
ち、膝Dの上の皮切部E2から引き込む。
【0021】なお、腔確保具60の断面方向の最大断面
積より、最終(最も大きい)の腔作成具50の断面方向
の断面積が長くなるまで腔拡張を行うため、腔確保具6
0の引き込みには、ほどんど力を必要としない。腔確保
具60が膝Dの上の皮切部E2より出た時点で、腔作成
具50を取り外し、体外に取り出す。また、組織保護具
30も体外に取り出す。以上より血管Cが腔確保具60
で作られた腔Gの中に露出する。
【0022】次に、腔確保具60の内視鏡ガイド筒70
に硬性内視鏡80を挿入し、腔Gの全体を観察する。も
し剥離子10が血管Cの直上の層を通過した場合、血管
Cは完全に露出した状態となっているが、剥離子10が
血管Cを膜状組織を介して通過するような場合、血管C
の上側の血管上結合組織300が覆った状態となってお
り、この血管上結合組織300をまず除去する必要があ
る。血管上結合組織300の除去は後述する。
【0023】次に、内視鏡的血管採取方法および採取に
用いる器具の詳細を説明する。
【0024】図3および図4は剥離子10および硬性内
視鏡20を示す。この硬性内視鏡20は観察光学系と照
明光学系を内挿する硬性の挿入部2と、この挿入部2の
基端部に設けられた内視鏡接続部 3を有する内視鏡本
体部 4とから構成されている。
【0025】挿入部2の先端部には挿入部2の軸線に対
して傾斜する斜視型の観察窓および照明窓を有する先端
構成部5が設けられている。内視鏡本体部4にはライト
ガイドケーブル(図示しない)と接続されるコネクタ7
および内視鏡本体部4の軸部8の軸線に対して直交する
方向に突出する接続ピン9が設けられている。
【0026】前記剥離子 10は細長い管状の本体部1
1と先端部12とから構成されている。本体部11は内
視鏡本体部4の軸部8に対して嵌合可能な太径パイプ部
13と、この太径パイプ部13の先端部に接続され硬性
内視鏡20の挿入部2が挿入可能な細径パイプ部14お
よびこの細径パイプ部14の先端部に接続され硬性内視
鏡20の先端構成部5を覆う透明な観察部15とから構
成されている。
【0027】図5に示すように観察部15は透明な合成
樹脂材料によって円筒状に形成されており、その先端部
は軸線に対して傾斜する傾斜面16によって閉塞されて
前記先端部12が形成されている。傾斜面16は観察部
15の周壁部と肉厚を略等しくしており、これによって
傾斜面16がプリズムにならないようにして鮮明に透視
できるようにしている。さらに、先端部12は、組織へ
の挿入性を良くするために平面視で、先細になるように
両側部17がカットされていると共に、その最先端部分
は血管に傷を付けないように鈍的形状をなしている。
【0028】また、観察部15の軸方向の長さL=30
mm程度であり、観察部15の直径φAとし、細径パイ
プ部 14の直径φBとすると、φA>φBに形成され
ている。さらに、観察部15の先端部12を残してその
後方に位置する下部にはその軸方向の亘って円弧状の凹
溝18が形成されており、血管Cをガイドとして剥離子
10を押し進めることができるようになっており、同時
に血管Cの保護も兼ねている。
【0029】また、太径パイプ部13の基端部には内視
鏡本体部4の軸部8に対して嵌合する段付き嵌合部19
が設けられ、この段付き嵌合部19の底部にはゴムリン
グ等の弾性部材19aが収納されている。段付き嵌合部
19の周壁には接続ピン9と係合するL字状に屈曲した
一対のスリット21が設けられている。そして、接続ピ
ン9とスリット21とを係合することによって硬性内視
鏡20と剥離子10とが接続され、同時に弾性部材19
aが軸部8によって圧縮され、硬性内視鏡20と剥離子
10とが回り止めされる回転規制部材22を構成してい
る。
【0030】次に作用について説明する。
【0031】硬性内視鏡20の挿入部2を剥離子10に
挿入し、剥離子10の段付き嵌合部19を内視鏡本体部
4の軸部8に嵌合し、接続ピン9とスリット21とを位
置決めした後、硬性内視鏡20もしくは剥離子10を回
すと、接続ピン9がスリット21に係合し、同時に弾性
部材19aが軸部8によって圧縮され、硬性内視鏡20
と剥離子10とが回転規制された状態に接続される。
【0032】このように硬性内視鏡20の挿入部2に剥
離子10を嵌合すると、図5に示すように、先端構成部
5が剥離子10の観察部15の内部で、先端近傍に位置
し、観察部15の傾斜面16が斜め上向きになるのに対
し、先端構成部5の観察方向Oは斜め下向きとなる。
【0033】図6(a)は硬性内視鏡20に剥離子10
を装着し、皮切部E1に挿入した状態を示す、皮切部E
1から剥離子10の先端部12を挿入すると、先端部1
2は血管上結合組織300に到達する。このときの硬性
内視鏡20の観察像は、図6(b)に示すようになり、
硬性内視鏡20の視野内に剥離子10の先端部12と血
管上結合組織300を含む血管Cが入る。
【0034】この状態で、剥離子10を押し進めると、
剥離子10の先端部12が血管Cと血管上結合組織30
0とが剥離され、血管Cが露出し、血管Cの途中の側枝
Fも露出して硬性内視鏡20の視野内に入る。したがっ
て、硬性内視鏡20によって血管Cを観察しながら血管
Cと血管上結合組織300とを剥離することができる。
【0035】このとき、剥離子10の観察部15には凹
溝18が設けられているため、凹溝18が血管Cと嵌合
して剥離子10を血管Cに沿って押し進めることがで
き、また先端部12は先細であるが、その最先端部分は
鈍的形状をなしているため、血管Cに傷を付けることな
く剥離できる。
【0036】次に、組織保護具30について説明する
と、図7に示すように構成されている。すなわち、保護
具本体31は、皮下組織内へと挿入可能な板状の長尺部
材として形成されており、保護対象となる皮下組織を覆
って保護することができる幅と、皮切部E1とE2との
間隔よりやや長い長さを有している。また、保護具本体
31の基端部には幅方向に張り出した張出部32が設け
られている。この張出部32は前記皮切部E1から皮下
組織内へ挿入不可能な幅で張り出している。
【0037】また、保護対象となる皮下組織を覆う保護
具本体31の保護面33、つまり下面は、凹凸のない滑
らかな平面に形成されている。また、保護面33と反対
側の面、つまり上面34には溝30aが軸方向に全長に
亘って形成されている。
【0038】なお、保護具本体31を皮下組織内へ容易
に挿入できるように、保護具本体31の先端側は先細り
のテーパ状に形成されている。また、組織を傷付けない
ように、保護具本体31の先端縁は滑らかな鈍形状に形
成されている。また、保護具本体31の先端には、剥離
子10等と着脱自在に接続可能な接続部35が設けられ
ている。
【0039】次に、組織保護具30用いて保護対象とな
る皮下組織を覆って保護する場合には、鼠頸部Aの上部
の皮切部E1から突出している剥離子10の接続部10
aに保護具31の接続部35を接続する。この接続は、
図8の(a)に示すように、捩じ込み式のものであって
も、また、図8の(b)に示すようにラッチ係合式のも
のであっても良い。
【0040】次に、剥離子10の基端部の接続部10a
に保護具本体31の接続部35を接続した状態で、剥離
子10を皮下組織内から引き出して保護具本体31を血
管Cと血管上結合組織300の間の剥離空間に引き込
む。この時、保護具本体31の断面積を剥離子10の断
面積以下としておけば、保護具本体31を血管Cと血管
上結合組織300との間に容易に挿入することができ
る。
【0041】図9は、剥離子10に代わって保護具本体
31が血管Cと血管上結合組織300との間に挿入され
て留置された状態を示している。この状態では、保護具
本体31から剥離子10が取り外され、血管Cが保護具
本体31の保護面33によって上側から完全に覆われて
いる。また、この状態では、張出部32が皮切部E1に
当接して皮切部E2側への保護具本体31のずれが防止
される。
【0042】この状態で、今度は、図10に示すよう
に、保護具本体31の基端部にガイド棒40の先端側を
皮切部E1から導入し、このガイド棒40を組織保護具
30の溝30aに沿って押し進める。ガイド棒40の先
端側が皮切部E1から突出したら、処置具としての腔作
成具50をガイド棒40に接続し、そのままガイド棒4
0を皮切部E1から外部に引き出して、腔作成具50を
血管Cと血管上結合組織300の間の剥離空間に引き込
む。この時、図11に示すように、腔作成具50は、そ
の下面に長手方向に沿って形成された突起50aが溝3
0aにガイドされながら引き込まれる。これによって、
血管Cと血管上結合組織300との剥離状態が腔作成具
50の拡張部38によって広げられて、血管Cの上側す
なわち組織保護具30の上側に処置作業を行なうのに十
分な広さの腔Gが形成される。この場合、血管Cは組織
保護具30によって保護されているため、腔作成具50
による腔作成作業によって血管Cが傷付けられることは
ない。なお、ガイド棒40の先端側の外周面には指掛け
用の凹凸が形成されており、ガイド棒40の先端側を把
持して引張る操作を滑ることなく容易に行なえるように
なっている。
【0043】また、前記腔作成具50は、先端側が偏平
の略菱形状の拡張部38の幅が小さいものから大きいも
のまで複数個用意されている。また、腔作成具50の後
端側には棒状部材が取り付けられており、棒状部材の端
部には他のサイズの腔作成具50との接続機構を持って
おり、拡張部38の幅が小さいものから大きいものを順
次接続して腔Gを徐々に拡張することができるようにな
っている。
【0044】以上のようにして血管Cの上側に所定の大
きさの腔Gを形成したら、次に腔確保具60によって腔
Gを確保する。
【0045】図12および図13は腔確保具60を示
し、この腔確保具60は、その本体62は円筒体を径方
向に2分割した半円筒状または円弧状であり、合成樹脂
材料またはステンレス材料によって形成されている。
【0046】本体62の長手方向の両端には開口63が
設けられていると共に、側壁部64には長手方向に亘っ
て横穴65が対称的に設けられている。さらに、本体6
2の両端部には内視鏡ガイド筒70が一体に設けられて
いる。この内視鏡ガイド筒70は、その上半円部が側壁
部64の上部に突出し、下半円部が側壁部64の下部に
突出しており、本体62の内部の空洞部67のスペース
を広く確保している。また、本体62の両端面、下面お
よび横穴65の内周面は丸みが付けられ、皮下組織に傷
を付けないように形成されている。
【0047】図14および図15は腔確保具60の挿入
補助具71を示し、これは円錐筒状体を径方向に2分割
した形状に形成されている。挿入補助具71の先端部7
2は組織に傷を付けないよう丸みが付けられている。挿
入補助具71の基端部は腔確保具60の本体62と略同
一の曲率に形成され、接続時に段差が付かないように形
成されている。
【0048】この挿入補助具71の基端部には後方に突
出する弾性を有する一対の接続片73が突出して設けら
れ、この接続片73には腔確保具60の本体62の横穴
65の端部に係合する係合凸部74が設けられている。
【0049】このように構成された挿入補助具71を腔
確保具60の本体62の端部に位置決めし、接続片73
を本体62の内部に挿入すると、接続片73の弾性によ
って係合凸部74が本体62の横穴65に弾性係合し、
本体62に対して挿入補助具71がワンタッチで接続さ
れる。
【0050】したがって、腔確保具60を皮下組織の留
置スペースに挿入する際に、挿入補助具60のテーパ面
によって皮下組織を押し広げながら挿入でき、腔確保具
60の挿入の容易化を図ることができる。
【0051】図16〜図18は挿入補助具71を用い、
腔確保具60を皮下組織に挿入する操作を示すもので、
挿入補助具71の先端部72にねじ穴75が設けられ、
このねじ穴75には牽引部材としての拡張具79が接続
されており、この拡張具79はシャフト81とシャフト
81の端部に設けられた偏平状の拡張部82とから構成
されている。
【0052】拡張具80の拡張部82を挿入操作の先端
部として一方の皮切部E1から皮下組織に導入し、皮切
部E2から拡張部82を導出させる。この状態で、拡張
部82を取手として握り、矢印方向に引っ張ると、まず
挿入補助具71のテーパ面によって皮下組織を押し広げ
ながら挿入され、続いて腔確保具60が皮下組織に挿入
され、腔確保具60の両端部が皮切部E1,E2から露
出した状態に留置される。留置後、挿入補助具71と腔
確保具60とを分離する。
【0053】腔確保具60を皮下組織の下部に留置する
と、腔確保具60の空洞部67によって腔Gが確保され
る。そこで、図19に示すように、腔確保具60の本体
62の一方の内視鏡ガイド筒70に硬性内視鏡80の挿
入部80aを挿入し、挿入部80aの先端部を腔Gに挿
入する。また、本体62の一端側から横穴65を介して
処置具、例えば鋏鉗子91を挿入し、鉗子部91aを腔
Gに挿入する。さらに、本体62の一方の開口63から
処置具、例えばフックプローブ92を挿入してフック部
92aを腔Gに挿入する。
【0054】このように本体62の一端側から硬性内視
鏡80、鋏鉗子91およびフックプローブ92を同時に
挿入することができ、硬性内視鏡80によって腔Gを観
察しながらフックプローブ92によって血管上結合組織
300を血管Cから引き離し、その血管上結合組織30
0を鋏鉗子91によって切断して血管上結合組織300
を血管Cから切り離すことができる。
【0055】図20は硬性内視鏡80における腔G内の
観察像であり、本体62の内周壁、開口63、横穴6
5、血管上結合組織300、血管Cおよび血管Cの途中
から横方向に延びる側枝Fを観察することができる。
【0056】図21は鋏鉗子91を鋏ガイド93のガイ
ド溝94に入れ、鋏鉗子91をガイド溝94内を摺動し
て血管上結合組織300にアプローチしやすくした状態
を示す。図22は鋏鉗子91によって血管上結合組織3
00を切断する直前を示す。図23は鋏鉗子91によっ
て血管上結合組織300を切断し、血管Cおよび側枝F
が露出した状態を示す。
【0057】図24は処置具としてのクリップアプライ
ヤ95によってクリップ96を変形させ、側枝Fを途中
を挟んだ状態を示す。図25は2個のクリップ96によ
って挟まれた側枝Fの途中を鋏鉗子91によって切断す
る直前および切断した状態を示す。側枝Fを切断した
後、以上の操作を、他の皮切部E2−E3間およびE3
−E4間についても同様に行い、最終的に1本の血管
(60〜90cm)を採取する。
【0058】前記フックプローブ92は、図26に示す
ように、例えばステンレス材料からなるシャフト92a
と、このシャフト92aの両端に設けられた第1と第2
のフック92b,92cとから構成されている。
【0059】第1と第2のフック92b,92cは基本
的に同形状であるが、第1のフック92bは右回りに半
円形状に湾曲しており、第2のフック92cは左回りに
半円形状に湾曲しており、第1と第2のフック92b,
92cはシャフト92bの軸に対して垂直となるように
偏って設けられている。
【0060】第1と第2のフック92b,92cは偏平
板状部材を略C字状に湾曲したものであり、その先端部
は先細りに形成され、生体組織に穿刺しやすく、引っ掛
けやすい形状になっている。
【0061】図27はフックプローブ92の使用状態を
示し、図は硬性内視鏡80の観察像であり、同図(a)
は腔確保具60の開口65aの右寄りからフックプロー
ブ92を挿入し、第1のフック92aによって右側から
アプローチした場合であり、同図(b)は腔確保具60
の開口65aの左寄りからフックプローブ92を挿入
し、第2のフック92cによって左側からアプローチし
た場合である。いずれも血管Cの途中に第1または第2
のフック92b,92cを引っ掛けて引き上げた状態を
示すが、血管上結合組織300を血管Cから引き離し、
その血管上結合組織300を鋏鉗子91によって切断し
て血管上結合組織300を血管Cから切り離すこともで
きる。
【0062】さらに、硬性内視鏡80は腔確保具60の
略上面に設置され、硬性内視鏡80に対して右側と左側
の開口65aより各種処置具が挿入されるが、この時、
フックプローブ92自身で血管Cを剥離するような場合
には、術者が右利きの場合、右手でフックプローブ92
を持ち、右側の開口65aからフックプローブ92を挿
入したほうが操作性がよい。この時、右回りに湾曲した
第1のフック3が硬性内視鏡17の視野をけらず適して
いる。一方、他の処置具を使うときには、左手でフック
プローブ1を持ち、右手で他の処置具を持った方がよ
い。この場合は、左回りに湾曲している第2のフック4
であることが硬性内視鏡17の視野をけらず適してい
る。
【0063】なお、フックプローブ92は、図28に示
すように、シャフト92aの端部から一体に湾曲するフ
ック98としてもよい。このフック98は正面視では略
C字状に湾曲しているが、フック98の手前側の縁部9
8aは傾斜している。さらに、フック98の肉厚は手前
側の縁部98aに向かって漸次肉薄になっている。
【0064】図29〜図47は第2の実施形態を示し、
第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付してい
る。
【0065】まず、内視鏡的に血管を採取する方法とし
て下肢の血管を採取する手順を概略的に説明すると、図
29は下肢を示し、大腿の鼠頸部Aから膝Dの上に亘る
伏在静脈等の採取対象血管(以下、血管という)Cを採
取する場合、血管Cの直上で大腿の鼠頸部Aにメス等に
より皮切部E1を設ける。
【0066】そして皮切部E1より剥離鉗子等により血
管Cを露出させる。さらに、皮切部E1より肉眼で観察
可能な距離について、血管Cの直上組織を同様の剥離鉗
子等で剥離する。
【0067】図30は図29のW−W線に沿う断面図で
あり、図30(a)に示す、100は表皮、200は皮
下組織、300は血管上結合組織であり、この血管上結
合組織300の下部に前記血管Cが存在する。まず、図
30(b)に示すように、剥離子10を用い血管Cとそ
の周囲組織とを剥離して腔Gを形成する。
【0068】剥離子10に硬性内視鏡20を挿入して固
定する。剥離子10の先端部を鼠頸部Aの皮切部E1よ
り膝Dに向かって血管Cの上方に沿わせるようにして挿
入する。
【0069】この場合、剥離子10の先端部が透明部材
で形成されているため、硬性内視鏡20で血管Cや側枝
Fを鮮明に観察できる。剥離子10の挿入に際しては、
硬性内視鏡20で血管Cの進行を確認しつつ、少し押し
込み、また少し戻すという操作により徐々に進める。剥
離子10を膝Dの近傍まで血管Cに沿って挿通する。次
に剥離子10の先端部直上の皮膚に小切開を行ない、剥
離子10の先端部を皮切部E2より体外へ貫通させる。
【0070】次に、剥離子10を体内に留置したまま硬
性内視鏡20を抜き取り、剥離子10の手元側端部の鼠
頸部Aの皮切部E1側に組織保護具30を取り付ける。
そして、図30(c)に示すように、剥離子10を膝D
の上の皮切部E2から引き、組織保護具30を剥離子1
0で剥離した腔G内へ引き込む。なお、組織保護具30
の断面方向の断面積は剥離子10の断面方向の断面積と
ほぼ等しいため、組織保護具30の挿入に際してはほと
んど力を必要としない、組織保護具30は剥離子10の
手元側端部が皮切部E2より引き出した後、剥離子10
を組織保護具30より切り離し、組織保護具30を腔G
内に留置する。
【0071】次に、図39に示す、腔作成具50を用い
て腔Gの拡張を行う。腔作成具50は組織保護具30の
上面の溝30aに合わせて、図38に示す、先端がテー
パ状に細くなったダイレーターフック101を膝D上方
の皮切部E2から、鼠頸部Aの皮切部E1まで挿入す
る。
【0072】腔作成具50は先端側が偏平の略菱形形状
で、その幅が小さいものから大きいものまで複数個(例
えば50a〜50d)用意されている。ダイレーターフ
ック101の先端部に最も小型の腔作成具50aを装着
する。なお、皮切部E1の切開部の大きさは、腔作成具
50の最も大きいサイズのものが挿入可能な大きさとし
てある。
【0073】次に、図30(d)に示すように、ダイレ
ーターフック101のハンドル部を持ち、腔作成具50
の突起52を組織保護具30の溝30aに沿わせて鼠頸
部Aの皮切部E1から、膝Dの上方の皮切部E2近傍ま
でゆっくり引く。
【0074】腔作成具50aが皮切部E2まで到達後、
ダイレーターフック101を押し、腔拡張具50aを鼠
頸部Aの皮切部E1まで戻し、皮切部E1から腔拡張具
50aを取り出し、ダイレーターフック101から取り
外す。次に大きい腔拡張具50bを同様の操作で挿入・
摘出する。同様の操作を順次大きな腔拡張具50cにつ
いて行い最終的に最も大きい腔拡張具50dまで行う。
【0075】次に図30(e)に示すように、腔確保具
60の留置を行う。図41に示すように、腔確保具60
の先端部61bのガイド凸部60aを組織保護具30の
溝30aに沿わせて鼠頸部Aの皮切部E1より膝Dの上
方の皮切部E2まで挿入する。
【0076】なお、腔確保具60の断面方向の最大断面
積より、最終(最も大きい)の腔作成具50aの断面方
向の断面積が大きくなるまで腔拡張を行うため、腔確保
具60の挿入には、ほとんど力を必要としない。以上よ
り血管Cが腔確保具60で作られた腔Gの中に露出す
る。
【0077】次に、腔確保具60の内視鏡ガイド筒62
fに硬性内視鏡20を挿入し、腔Gの全体を観察する。
もし剥離子10が血管Cの直上の層を通過した場合、血
管Cは完全に露出した状態となっているが、剥離子10
が血管Cを膜状組織を介して通過するような場合、血管
Cの上側の血管上結合組織300が覆った状態となって
おり、この血管上結合組織300をまず除去する必要が
ある。血管上結合組織300の除去は後述する。
【0078】次に、内視鏡的血管採取方法および採取に
用いる器具の詳細を説明する。
【0079】図31は硬性内視鏡20を示し、図32は
剥離子10を示す。この硬性内視鏡20は観察光学系と
照明光学系を内挿する硬性の挿入部2と、この挿入部2
の基端部は設けられた内視鏡接続部3を有する内視鏡本
体部4とから構成されている。
【0080】挿入部2の先端部には挿入部2の軸線に対
して傾斜する傾斜型の観察窓および照明窓を有する先端
構成部5が設けられている。内視鏡本体部4にはライト
ガイドケーブル(図示しない)と接続されるコネクタ7
が設けられている。
【0081】前記剥離子10は細長い管状で硬性内視鏡
20が挿入可能なパイプからなる本体部11と本体部1
1の手元側の太径パイプ部13と本体部11の先端側に
接続され硬性内視鏡20の先端構成部5を覆う透明な先
端部12とから構成されている。
【0082】図32に示すように、先端部12は透明な
合成樹脂材料によって略円筒状に構成されており、かつ
閉塞されて形成されている。斜面15aと観察部15b
との稜線部16は、血管を傷つけないよう鈍的形状をし
ている。これまでの検討結果よりこの稜線部16には少
なくとも曲率半径1mm以上、望ましくは曲率半径3m
m程度のR面が必要であり、稜線部16の曲率半径を小
さくすると血管、特に側枝の切断が生じることが判明し
た。
【0083】また、先端部12の軸方向の長さは約20
mm程度で、先端部12の直径をφAとし、本体部11
の直径φBとすると、φA>φBの形成されている。こ
れまでの検討結果より、φAは約8.5mm、φBは約
6mmとすると、血管に損傷を与えず、かつ効率的に血
管周囲の剥離が可能であることが判明した。
【0084】太径パイプ部13は、後述するシースホル
ダー110に嵌合するとともに、太径パイプ部13の直
径φCは、先端部12の直径φAより小さくしてある。
【0085】また、図33に示すように、太径パイプ部
13の基端部にはシースホルダー110に設けられたピ
ン18aと係合する係合溝17aが設けられ、常に剥離
子10を内視鏡2に装着したとき、剥離子10の回転方
向の位置が自動的に定まるようにしてある。さらに、太
径パイプ部13には、後述する組織保護具30を引っ掛
けるようなスリット13aが設けられている。
【0086】シースホルダー110は、硬性内視鏡20
との接続部18bと、剥離子10との接続部18cより
構成されている。硬性内視鏡20との接続部18bは、
硬性内視鏡20のライトガイド(図示しない)のコネク
タ7へ固定が可能となっている。一方、剥離子 10と
の接続部18cには、固定ねじ18dが設けられてい
る。そして、剥離子10を固定ねじ18dで締め付けて
固定するようになっている。また、接続部18cには、
位置決めピン18aが設けられ、剥離子10の太径パイ
プ部13の基端部の係合溝17と係合するようになって
いる。
【0087】次に、作用について説明する。
【0088】硬性内視鏡20のシースホルダー110を
挿入し、ライトガイド(図示しない)のコネクタ7にシ
ースホルダー110の接続部18bを固定する。次に、
剥離子10を硬性内視鏡20の挿入部2に挿入し、剥離
子10の係合溝17とシースホルダー110の位置決め
ピン18aの向きに合わせた状態で係合し、固定ねじ1
8dをねじ込み、剥離子10を硬性内視鏡20に対して
固定する。
【0089】このように硬性内視鏡20の挿入部2に剥
離子10を嵌合すると、図32に示すように、先端構成
部5が剥離子10の先端部12の内部で、先端近傍に位
置し、先端部12の斜面15aが斜め上向きになるのに
対し、先端構成部5の観察方向中心Oは斜め下向きとな
る。
【0090】図34(a)は硬性内視鏡20に剥離子1
0を装着し、皮切部E1に挿入した状態を示す。皮切部
E1から剥離子10の先端部12を表皮100と血管C
の間で、血管C近傍の血管上結合組織300または皮下
脂肪層200に挿入する。この時の硬性内視鏡20の観
察像は、図34(b)に示すようになり、硬性内視鏡2
0の視野内に剥離子10の先端部12と血管上組織30
0を含む血管Cが入る。
【0091】この状態で、剥離子10を押し進めると、
血管Cと血管上組織300の間が剥離され、血管Cが露
出し、血管Cの途中の側枝Fも露出して硬性内視鏡20
の視野内に入る。この時、観察部15bと斜面15aの
稜線部16がエッジの場合、側枝Fを切断するが、曲率
半径3mm程度のR面としてあるため、側枝Fを切断す
ることなく剥離子10の挿入が可能である。以上より、
硬性内視鏡20によって血管Cを観察しながら血管Cと
血管上組織300とを剥離することができる。
【0092】剥離子10を血管Cに沿って採取領域全長
にわたり挿入した後、皮膚100を通して剥離子10の
先端部12を確認し、剥離子10の先端部12直上に剥
離子10が貫通可能な大きさの皮切E2を設け、皮切E
2より剥離子10の先端部を突出させる。
【0093】次にシースホルダー110の固定ねじ18
dを緩め、剥離子10から硬性内視鏡20を抜去し、剥
離子10のみを皮切部E1から皮切部E2まで貫通した
状態で留置する。
【0094】次に、組織保護具30について説明する
と、図35に示すように構成されている。すなわち、保
護具本体31は皮下組織内へと挿入可能な板状の長尺部
材として形成されており、保護対象となる皮下組織を覆
って保護することができる幅と、皮切部E1と皮切部E
2との間隔よりやや長い長さを有している。また保護具
本体31の基端部には幅方向に張り出した張出部32が
設けられている。この張出部32は前記皮切部E1から
皮下組織内へ挿入不可能な幅で張り出している。
【0095】また、保護対象となる皮下組織を覆う保護
具本体31の保護面33、つまり下面は凹凸の無い滑ら
かな平面に形成されている。また保護面33と反対側の
面、つまり上面34には溝30aが軸方向に全長に亘っ
て形成されている。
【0096】なお、組織保護具30を皮下組織内に容易
に挿入できるように、組織保護具31の先端側は先細り
のテーパー状に形成されている。また、組織を傷つけな
いように、保護具本体31の先端縁は滑らかな鈍形状に
形成されている。図36は、組織保護具30と剥離子1
0の接続方法について示す。組織保護具30の先端側に
は剥離子10のスリット13aに引っ掛かって着脱自在
に接続可能な接続穴31aが設けられている。
【0097】次に、組織保護具30を用いて保護対象と
なる皮下組織を覆って保護する場合には、皮切部E1か
ら突出している剥離子10のスリット13aに、組織保
護具30の接続穴31aを接続する。この状態で、剥離
子10の皮切部E2から突出している先端部12を引
き、剥離子10を皮下組織内から引き出すと共に、組織
保護具30を血管Cと血管上結合組織300の間の剥離
腔に引き込む。このとき、組織保護具30の断面積を剥
離子10の断面積以下としておけば、組織保護具30を
血管Cと血管上結合組織300との間に容易に挿入する
ことができる。
【0098】図37は、剥離子10に代わって組織保護
具30が血管Cと血管上結合組織300との間に挿入さ
れて留置された状態を示している。この状態では、組織
保護具30から剥離子10が取り外され、血管Cが組織
保護具30の保護面33によって上側から完全に覆われ
ている。
【0099】図38はダイレーターフック101を示
し、図39は腔作成具50を示す。
【0100】ダイレーターフック101の先端部40a
は、先端に向かって傾斜した形状となっている。したが
って、ダイレーターフック101を組織保護具30の溝
31aに沿わせて皮下組織内に挿通させる際、先端部4
0aが皮下組織を引っかけることはない。
【0101】また、ダイレーターフック101の先端部
40aには腔作成具50と接続するためのフック40b
が設けられている。一方、腔作成具50にはダイレータ
ーフック101のフック40bと係合する接続穴51が
設けられている。なおフック40bと接続穴51は、ダ
イレーターフック101の軸線上に対し、腔作成具50
の長手軸線を約90°回転した向きでのみ、接続可能な
構造となっている。
【0102】この状態で、今度は図40に示すように、
皮切部E2より、組織保護具30の溝30aに沿ってダ
イレーターフック101を導入し、皮切部E1まで挿通
し、先端部40aを皮切部E1から突出させる。
【0103】ダイレーターフック101の先端部40a
に最小サイズの腔拡張具50aを取り付け、血管Cと血
管上結合組織300の間の剥離空間に引き込む。このと
き、図30(d)に示すように、腔作成具50はその下
面に長手方向に沿って形成された突起52が溝30aに
ガイドされながら引き込まれる。これによって、血管C
と血管上結合組織300との剥離状態が腔作成具50の
拡張部38によって広げられて、血管Cの上側すなわち
組織保護具30の上側に、剥離子10で形成された腔よ
り広い腔が形成される。
【0104】最小サイズの腔拡張具50aを皮切部E2
まで引き込んだ後、ダイレーターフック101を押して
腔作成具50aを皮切部E1より取り出す。ダイレータ
ーフック101より腔作成具50aを取り外し、次に大
きい腔作成具50bを装着し、同様に皮切部E1より引
き込み、皮切部E2まで挿通後、皮切部E1まで戻す。
この操作を最大の大きさの腔作成具50dまで順次行
う。
【0105】最大の大きさの腔作成具50dを挿通し、
血管Cの上側に所定の大きさの腔Gを形成したら、次に
腔確保具60によって腔Gを確保する。
【0106】図41(a)(b)(c)は腔確保具60
を示す、腔確保具60の後端側61aには開口62aお
よび硬性内視鏡20を挿入する内視鏡用開口62bを有
するアーチ状の土台62cと、先端側61bには円錐筒
状体を径方向に2分割した形状の先端部62dより形成
されている。
【0107】さらに、先端部62dの下面側にはガイド
凸部60aが設けられ、組織保護具30の溝30aには
嵌合するように形成されている。土台62cと先端部6
2dの間には4本の硬性のシャフト62e、および硬性
内視鏡20を挿通可能な内視鏡ガイド筒62fが設けら
れている。したがって、腔確保具60の全長に亘ってシ
ャフト62eと土台62cおよび先端部62dにより形
成される側面開口62gが形成される。
【0108】以上のように構成した腔確保具60を、組
織保護具30のガイド溝30aに沿って皮切部 E1よ
り腔確保具60で作成した腔内に皮切部E2近傍まで挿
入する。腔拡張具50で作成した腔は腔確保具60の断
面積より大きいこと、および先端部63がテーパー状に
なっていることより、ほとんど抵抗無く挿入が可能であ
る。なお、皮切部E2は小切開であり、腔確保具60の
先端部63を貫通することはできない。
【0109】図42(a)は腔確保具60を腔内に挿入
した状態を示す。続いて腔確保具60を留置したまま、
組織保護具30を皮切部E1側よりゆっくり引き抜く。
図42(b)は腔確保具60の留置を完了した状態を示
す。
【0110】以上より、腔確保具60は後端側61aの
一部を皮切部E1より突出した状態で、皮切部E1から
皮切部E2に亘って留置され、伏在静脈である血管Cの
直上に腔Gが確保される。
【0111】次に、図43に示すように、腔確保具60
の後端側61aの土台62cの内視鏡用開口62bより
硬性内視鏡20から、腔G内へ挿入する。内視鏡用テレ
ビカメラ99aは硬性内視鏡20に接続され、内視鏡画
像はモニター99bに表示される。術者は硬性内視鏡2
0をスライドさせることにより、処置領域全長を容易に
観察可能である。
【0112】また腔確保具60の一方の側面開口62g
を介して処置具、例えば鋏鉗子91を挿入し、鉗子部9
1aを腔Gに挿入する。さらに他方の側面開口62gか
ら例えばフックプローブ92を挿入して、フック部92
aを腔Gに挿入する。
【0113】このように、腔確保具60の後端側61b
から硬性内視鏡20、鋏鉗子91およびフックプローブ
92を同時に挿入することができ、硬性内視鏡20によ
って腔Gを観察しながらフックプローブ92によって血
管上結合組織300を血管Cから引き離し、その血管上
結合組織300を鋏鉗子91によって切断し、血管上結
合組織300を血管Cから引き離すことができる。
【0114】図44は硬性内視鏡20における腔G内の
観察像であり、腔確保具60のシャフト64、側面開口
62g、先端部62d、および血管Cや血管Cの途中か
ら横方向に延びる側枝Fを観察することができる。
【0115】図45は処置具としてのクリップアプライ
ヤ95によってクリップ96を変形させ、側枝Fの途中
を挟んだ状態を示す。図46は2個のクリップ96によ
って挟まれた側枝Fの途中を鋏鉗子91によって切断す
る直前および切断した状態を示し、図47は側枝Fの途
中を鋏鉗子91によって切断した状態を示す。
【0116】以上の操作を皮切部E1から皮切部E2に
亘り行い、最終的に皮切部E1と皮切部E2の部位で血
管Cを切断し、腔G内より採取する。これにより約25
cmの血管Cの摘出が完了する。
【0117】さらに長い血管が必要な場合には、膝上の
皮切部E2より鼠頸部Aに向かって同様の処置を行うと
共に、皮切部E2より膝方向に対しても同様の処置を行
うことで、皮切部E2を中心として鼠頸部側と足首側の
血管を一度に50〜60cmの血管Cを採取することが
できる。
【0118】図47は、図26に示す第1の実施形態の
フックプローブ92の使用状態を示し、硬性内視鏡20
の観察像であり、図47(a)は腔確保具60の側面開
口62gの右寄りからフックプローブ92を挿入し、第
1のフック92bによって右側からアプローチした場合
であり、図47(b)は腔確保具60の側面開口62g
の左寄りからフックプローブ92を挿入し、第2のフッ
ク92cによって左側からアプローチした場合である。
いずれも血管Cの途中に第1と第2のフック92b,9
2cを引っ掛けて引き上げた状態を示すが、血管上結合
組織300を血管Cから引き離し、その血管上結合組織
300を鋏鉗子91によって切断して血管上結合組織3
00を血管Cから切り離すこともできる。
【0119】さらに、硬性内視鏡20は腔確保具60の
略上面に設置され、硬性内視鏡20に対して右側と左側
の側面開口62gより各種処置具が挿入されるが、この
とき、フックプローブ92自身で血管Cを剥離するよう
な場合には、術者が右利きの場合、右手でフックプロー
ブ92を持ち、右側の側面開口61cからフックプロー
ブ92を挿入した方が操作性がよい。このとき、右回り
に湾曲した第1のフック92bが硬性内視鏡20の視野
をけらず適している。一方、他の処置具を使うときに
は、左手でフックプローブ 92を持ち、右手で他の処
置具を持った方がよい。この場合は、左回りに湾曲して
いる第2のフック92cであることが硬性内視鏡20の
視野をけらず適している。
【0120】本実施形態によれば、血管に損傷を与える
ことなく、また皮膚に大きな切開を加えることなく血管
の摘出が可能となり、術後の合併症のリスクが軽減でき
ると共に、美容的にも優れた結果が得られる。
【0121】ところで、従来の内視鏡的血管採取術にお
いては、下肢の伏在静脈等の皮下血管を採取する場合、
メス等によって表皮をその皮下の血管に沿って切開し、
さらに表皮の下層の脂肪組織、血管上結合組織まで切開
して採取しようとする長さの血管を露出させ、露出した
血管の両端を切断して体外に採取する手技もある。
【0122】しかし、このような採取術は、表皮に大き
な切開を加えるため、治癒までの時間が長くかかるとと
もに、切開部が瘢痕状となり硬化するため、足を動かす
とき、引きつって痛みを感じるという問題がある。
【0123】そこで、特公平4−10328号公報に示
すように表皮の一部をメス等によって皮切し、その皮切
部から内視鏡用案内管を皮下組織に挿入し、内視鏡によ
って観察しながら処置することが試みられている。
【0124】このように内視鏡によって観察しながら処
置する際には、前述した各実施形態で示したフックプロ
ーブ92が適しているが、従来においては、米国特許第
5,318,582号明細書、米国特許第5,346,
503号明細書および米国特許第5,356,419号
明細書に示すようなフック型プローブが用いられてい
る。このフック型プローブは、シャフトの一端にフック
が、他端にハンドルが設けられ、ハンドルを持って先端
のフックを組織に引っ掛けて排除したり、組織の一部を
切除することができる。
【0125】しかしながら、この従来のフック型プロー
ブにあっては、シャフトの一端に設けられたフックの形
状のみが異なる複数種類のプローブが処置部の状況に応
じて選択的に使用されている。したがって、処置部の状
況が変わる度毎に助手とのプローブの受け渡しが必要と
なり、手術に時間がかかっていた。
【0126】また、例えば血管を周囲組織から剥離する
場合には、把持鉗子で周囲組織を摘み上げ、鋏鉗子で切
断することが一般に行なわれている。しかし、この方法
では、操作が煩雑であり、また、手術時間が長くなる。
【0127】そこで、以下に示す実施形態では、術者と
助手との間での器具の受け渡しの操作を減らし、手術時
間を短縮することができるフックプローブについて説明
することとする。
【0128】図48〜図50は第3の実施形態を示し、
軸方向に進退自在な2本のシャフトと、これらシャフト
の先端部に設けられシャフトの進退操作によって開閉
し、シャフトの側方に突出する前後一対のフックと、前
記シャフトを進退操作する操作部とからなる開閉式フッ
クプローブに関し、130は開閉式フックプローブであ
る。開閉式フックプローブ130の操作部131には先
端側に開口する内腔132が設けられ、この内腔132
の中心部には基端部が操作部131に固定され、先端部
が内腔132から前方に突出するシャフト133が設け
られている。このシャフト133には軸方向に進退自在
なパイプ134が嵌合されている。
【0129】そして、シャフト133の先端部には第1
のフック135が固定され、パイプ134の先端部には
第2のフック136が固定されている。第1のフック1
35と第2のフック136は基本的に同一形状で、略C
字状に湾曲してシャフト133およびパイプ134の側
方に突出している。
【0130】パイプ134の基端部には操作部131の
内腔132に位置する固定部材137が取り付けられ、
この固定部材137には操作部131に設けられた長孔
138を貫通して外部に突出するピン139が突設され
ている。そして、このピン139の先端部には操作ボタ
ン140が設けられ、術者が操作部131を握り、操作
ボタン140を進退することにより、パイプ134が進
退して第1と第2のフック135,136の開閉するよ
うになっている。
【0131】したがって、第1と第2のフック135,
136によって組織を挟み、組織を採取することができ
ると共に、図50に示す硬性内視鏡の観察像のように、
開閉式フックプローブ130を腔Gに挿入し、第1と第
2のフック135,136を閉じた状態で、血管上結合
組織300にアプローチし、血管Cの下側に第1と第2
のフック135,136を潜らせ、ついで第1と第2の
フック135,136を開くことにより、血管上結合組
織300を引き開いて血管Cを露出させることもでき
る。
【0132】また、前記実施形態によれば、第1のフッ
ク135を固定し、第2のフック136を可動式にした
が、逆にしてもよく、両方を可動にしてもよい。さら
に、第1と第2のフック135,136の外側縁部を鋭
利に形成することにより、第1と第2のフック135,
136を離間する方向に移動させたときに組織を切り開
くことができる。
【0133】本実施形態によれば、血管の周囲組織から
の剥離を複数の処置具を使うことなく、開閉式フックプ
ローブ1本で、容易かつ短時間でできるという効果があ
る。図51は第4の実施形態を示し、図51(a)は縦
断側面図、図51(b)は矢印U方向から見た矢視図で
ある。141は開閉式フックプローブを示す。開閉式フ
ックプローブ141は、操作部142と、この操作部1
42に設けられたシャフト部143およびシャフト部1
43の先端部に設けられたフック部144とから構成さ
れている。
【0134】操作部142について説明すると、先端に
開口部145を有し、後端に閉塞部146を有する円筒
体147が設けられ、この円筒体147の側壁には長軸
方向に沿って長孔148が設けられている。さらに、閉
塞部146の外周部には雄ねじ部149が形成されてい
ると共に閉塞部146の軸心部には雌ねじ部150が形
成されている。
【0135】雌ねじ部150にはすり割り151を有す
る固定部材152がねじ込み固定されている。固定部材
152の先端部の外周はテーパー形状をしており、さら
にその中心には軸方向に貫通する穴が形成されている。
前記テーパー側端部では穴の内径部が小径化され、段部
153を有している。
【0136】固定部材152の雄ねじ部149にはキャ
ップ154がねじ込み固定されている。このキャップ1
54の内奥部には前記固定部材152の先端部に嵌合す
るテーパ穴155が設けられている。
【0137】さらに、前記円筒体147の内部には軸方
向に貫通孔156aを有するスライダ156が軸方向に
移動自在に挿入されている。このスライダ156は前記
長孔148を案内として円筒体147の軸方向にスライ
ド自在な操作ボタン157と固定されている。また、円
筒体147の内部で前記スライダ156と閉塞部146
との間にはコイルスプリング158が介在され、このコ
イルスプリング158の付勢力によってスライダ156
は円筒体147の先端方向に付勢されている。
【0138】また、前記シャフト部143について説明
すると、シャフト160と、このシャフト160に軸方
向にスライド自在に嵌合するパイプ161とから形成さ
れている。そして、シャフト160の基端部はスライダ
156の貫通孔156aを貫通して固定部材152に固
定され、パイプ161の基端部はスライダ156に固定
されている。そして、スライダ156の前後方向の移動
によってパイプ161が進退するようになっている。
【0139】また、前記フック部144について説明す
ると、第1のフック162と第2のフック163とから
なり、第1のフック162の基端部は前記シャフト16
0の先端部に固定され、第2のフック163の基端部は
前記パイプ161の基端部に固定されている。
【0140】第1のフック162は半円弧状に形成さ
れ、その先端が鋭利である尖端部162aを有してい
る。第2のフック153も第1のフック152と同様に
半円弧状に形成され、その先端が鋭利である尖端部16
3aを有している。さらに、第1と第2のフック16
2,163の基端部には互いに係合する凹凸部164が
形成されている。
【0141】したがって、操作部142の操作ボタン1
57に手指を掛け、コイルスプリング158の付勢力に
抗して後退させると、スライダ156が円筒体147の
内部に引き込まれる。スライダ156の後退に伴ってパ
イプ161を介して第2のフック163が第1のフック
162から離れて開き、操作ボタン157から手指を放
すと、コイルスプリング158の付勢力によってスライ
ダ156が前進し、パイプ161を介して第2のフック
163が第1のフック162と当接する。
【0142】したがって、第3の実施形態と同様に、開
閉式フックプローブ141を腔Gに挿入し、第1と第2
のフック162,163を閉じた状態で、血管上結合組
織300にアプローチし、血管Cの下側に第1と第2の
フック162,163を潜らせ、ついで第1と第2のフ
ック162,163を開くことにより、血管上結合組織
300を引き開いて血管Cを露出させることもできる。
【0143】また、前記実施形態によれば、第1のフッ
ク162を固定し、第2のフック163を可動式にした
が、逆にしてもよく、両方を可動にしてもよい。さら
に、第1と第2のフック162,163の外側縁部を鋭
利に形成することにより、第1と第2のフック162,
163を離間する方向に移動させたときに組織を切り開
くことができる。
【0144】また、本実施形態の開閉式フックプローブ
141はユーザーによる組み立てが可能である。すなわ
ち、第2のフック163を有するパイプ161に対し、
第2のフック163側から第1のフック162を有する
シャフト160を挿入する。そして、第1のフック16
2と第2のフック163の凹凸部164を位置合わせし
た状態で、シャフト160およびパイプ161を操作部
142挿入する。
【0145】この際、スライダ156と閉塞部146と
の間にコイルスプリング158を挟み、さらに、長孔1
48で操作ボタン157の軸部分をガイドする。そし
て、シャフト160の先端部を固定部材152の段部1
53に突き当てる。ついで、円筒体147の雄ねじ部1
49にキャップ154をねじ込むことでテーパ穴155
が固定部材152のテーパ部に押し当てられ、シャフト
160を締め付け固定することができる。
【0146】このように開閉式フックプローブ141を
分解可能としたことから洗浄性がさらに向上し、また、
第1と第2のフック162,163に凹凸部164を設
け、さらにシャフト160の固定部材152に突き当て
用の段部153を設けたことにより第1と第2のフック
162,163の先端位置を合わせた状態での組み立て
が容易になった。
【0147】また、コイルスプリング158を装着する
ことで、通常の状態ではフック部144は閉じた状態に
なり、不用意に爪の鋭利な部分で生体組織を傷つけるこ
とが無く、安全に処置ができる。
【0148】図52は第5の実施形態を示し、図52
(a)は側面図、図52(b)は正面図である。フック
プローブ165の基端部にはグリップ166が設けら
れ、このグリップ166にはフックマーク167とアッ
プマーク168が刻まれている。
【0149】フックマーク167は先端部のC字形状の
フック169の曲がり方向とその大きさによって変更す
るものである。また、アップマーク168はフック16
9の先端部の向きを示している。
【0150】このように構成することにより、フックマ
ーク167を見ることでフック169の形状・大きさの
確認ができ、グリップ166を見ただけでフック169
の形状が判り、また、アップマーク168によりフック
169の先端方向が判るので、使い勝手が向上する。
【0151】図53は第6の実施形態を示し、図53
(a)は縦断側面図、図53(b)は矢印H方向から見
た矢視図である。基本的構成は第4の実施形態と同じで
あるが、コイルスプリング158がない構造である。こ
のように構成することにより、フック部144の開閉に
対する負荷がなく、術者は、フック部144の微妙な開
閉操作が可能となり、より微細な処置が可能となる。ま
た、分解時にバラバラとなる部品が少なくなり操作性が
向上する。
【0152】以上説明してきた各実施形態は、明細書の
冒頭で説明した従来技術に比べれば遥かに低侵襲であ
る。しかし、皮膚を約4cmにわたって切開し、また、皮
下に同様な大きさの剥離腔を作る必要がある。そこで、
第7の実施形態では、前述した各実施形態よりもさらに
低侵襲な内視鏡的血管採取システムを提供する。
【0153】この第7の実施形態において内視鏡的に血
管を採取する場合、例えば下肢の血管を採取する場合に
は、前述した第2の実施形態と同様、図29に示すよう
に、大腿の鼠頸部Aから膝Dの上に亘る伏在静脈等の採
取対象血管Cの直上で大腿の鼠頸部Aにメス等により皮
切部E1を設ける。そして、皮切部E1において剥離鉗
子等により血管Cを露出させる。さらに、皮切部E1を
通じて肉眼観察可能な距離で、血管Cの直上組織を同様
の剥離鉗子等で剥離する。
【0154】次に、第2の実施形態で示した剥離子10
(図32参照)に硬性内視鏡20を挿入して固定する。
そして、この挿入固定状態で、剥離子10の先端部12
を鼠頸部Aの皮切部E1から膝Dに向かって血管Cの上
方に沿わせるようにして挿入する(図34参照)。この
場合、剥離子10の先端部12が透明部材で形成されて
いるため、硬性内視鏡20で血管Cや側枝Fを鮮明に観
察できる。なお、剥離子10の挿入に際しては、硬性内
視鏡20で血管Cの進行を確認しつつ、剥離子10を少
し押し込み又少し戻すという操作により徐々に進める。
これによって、剥離子10を膝Dの近傍まで血管Cに沿
って挿入したら、次に、剥離子10の先端部12の直上
の皮膚に小切開を加え、その皮切部E2を通じて剥離子
10の先端部12を体外へ導出させる。
【0155】次に、剥離子10を体内に留置したまま、
剥離子10から硬性内視鏡20を抜き取り、鼠頸部Aの
皮切部E1側に位置する剥離子10の手元側端部に組織
保護具30を取り付ける。そして、剥離子10を膝Dの
上の皮切部E2から引き出して、組織保護具30を剥離
子10で剥離した腔G内へ引き込む。なお、この場合、
組織保護具30の幅方向の断面積は剥離子10の幅方向
の断面積とほぼ等しいため、組織保護具30の挿入に際
してほとんど力を必要としない。その後、組織保護具3
0は、剥離子10の手元側端部が皮切部E2から引き出
された後に、剥離子10から切り離され、腔G内に留置
される(図37参照)。
【0156】次に、図54に示すように、硬性内視鏡2
0を再び装着した剥離子10を、組織保護具30の上面
側の溝30aに沿わせながら、皮切部E1から挿入して
皮切部E2まで貫通させて引き抜く。これによって、剥
離腔Gが少し拡張される。
【0157】次に、図55に示すように、図56に示す
第2の剥離子10Aを、組織保護具30の上面の溝30
aに沿わせながら、皮切部E1から挿入して皮切部E2
まで貫通させて引き抜く。第2の剥離子10Aは、図5
6に示すように、その先端部12Aの幅方向の断面積が
剥離子10の先端部12のそれよりも大きくなってい
る。また、この先端部12Aは、透明材料により形成さ
れ、その形状が剥離子10の先端部12に類似してい
る。したがって、第2の剥離子10Aを皮切部E1から
挿入して皮切部E2まで貫通させて引き抜くと、剥離腔
Gはさらに拡張されて後述する腔確保具60Aが挿入可
能な大きさとなる。
【0158】図57は、本実施形態に係る腔確保具17
2を示している。図示のように、腔確保具172は、外
套管172Aと、外套管172A内に挿入可能な2つの
内筒管172B,172Cとから構成されている。外套
管172Aは、略円筒形状をなしており、その両端が開
口している。また、外套管172Aはその両端部を除く
その略全長にわたって側面が所定の深さ切り欠かれてお
り、これによって、側方に開口する側口173が形成さ
れている。なお、外套管172Aの外径は約10mmか
ら20mmが適当である。
【0159】腔確保具172の第1の内筒管172B
は、その内部に硬性内視鏡20を挿通することができ
る。硬性内視鏡20は、内筒管172B内に挿通された
状態では、内筒管172Bの手元側に設けられた固定ネ
ジ174によって内筒管172Bに対して固定される。
また、腔確保具172の第2の内筒管172Cは、血管
を処置するための後述する処置具をその内部に挿通する
ことができる。
【0160】なお、組織を傷付けないように、外套管1
72Aと各内筒管172B,172Cの両端開口縁はエ
ッジを有していない。
【0161】図58には、外套管172Aに着脱自在に
取り付けられ且つ外套管172Aの挿入を案内補助する
ための挿入補助具175が示されている。図示のよう
に、挿入補助具175は、先端がテーパ状に形成された
先端部175aと、先端部175aにネジ固定により着
脱自在に取り付けられる支持部175bとからなる。支
持部175bは、長尺な軸部176と、軸部176の端
部に設けられた手元部177とからなる。
【0162】挿入補助具 175を外套管172Aに取
り付けた状態が図59に示されている。このように取り
付ける手順としては、例えば、挿入補助具175の軸部
176を外套管172A内に挿入して手元部177を外
套管172Aの一方側の開口端面に当接させた状態で、
外套管172Aの他方側の開口から突出する軸部176
のネジ部に先端部175aを捩じ込んで、先端部175
aの手元側端面を外套管172Aの他方側の開口端面に
当接させれば良い。これによって、先端部175aの当
接状態が支持部175bによって支持され、挿入補助具
175は外套管172Aを挟み込むような状態で外套管
172Aに取り付けられる。
【0163】挿入補助具175が取り付けられた外套管
172Aは、第2の剥離子10Aによって拡張された腔
G内に挿入されて留置される。外套管172Aを皮下内
腔Gへ挿入する場合は、まず、外套管172Aに取り付
けられた挿入補助具175の先端部175aを組織保護
具30の溝30aに沿わせながら一方の皮切E1から他
方の皮切E2へと貫通させる。そして、貫通後、外套管
172Aから挿入補助具175を取り外す。この状態が
図60に示されている。
【0164】以上の作業が終了したら、今度は、外套管
172A内に第1の内筒管172Bと第2の内筒管17
2Cとを挿入し、その後、組織保護具30を腔G内から
抜き取る。この状態が図61に示されている。また、こ
の状態の断面図が図62に示されている。図62に示す
ように、腔確保具172が血管Cに沿って皮下に留置さ
れた状態では、外套管172Aにより組織が上方に持ち
上げられる(圧排される)とともに、第1の内筒管17
2Bと第2の内筒管172Cとによって血管Cとその周
囲組織300とが下方に押圧(圧排)され、これによ
り、血管Cを周囲組織300から分離するための処置が
可能な処置空間(腔)Gが確保される。
【0165】この図62の状態で、今度は、図63の
(a)に示すように、第1の内筒管172B内に硬性内
視鏡20を挿入する。なお、この場合、硬性内視鏡20
によって良好な視野を得るためには、硬性内視鏡20の
対物レンズを組織に接触させない状態で硬性内視鏡20
の先端部を第1の内筒管172Bの先端近傍部内に位置
させることが望ましい。つまり、そのような状態で硬性
内視鏡20を第1の内筒管172Bに挿入固定できるよ
うに第1の内筒管172Bの長さを設定することが望ま
しい。この望ましい状態における内視鏡観察像が図63
の(b)に示されている。図示のように、血管Cとその
側枝Fとが明瞭に観察され、その遠方に第2の内筒管1
72Cが見える。
【0166】図63の状態で、第1の内筒管172Bを
外套管172A内で移動させれば、一方の皮切部 E1
から他方の皮切部E2までの皮下腔Gを観察することが
できる。また、第1の内筒管172Bと第2の内筒管1
72Cとの間隔を変えることにより、処置空間(腔)G
の大きさを調整することができる。
【0167】図64の(a)は、血管Cを周囲組織30
0から剥離するために、第3の実施形態で示した開閉式
フックプローブ130を第2の内筒管172Cを通じて
処置空間(腔)G内に挿入した状態を示している。ま
た、この時の内視鏡観察像が図64の(b)に示されて
いる。図から分かるように、開閉式フックプローブ13
0と硬性内視鏡20とは互いに外套管172Aの反対側
から挿入されているため、開閉式フックプローブ130
を右方向に動かすと、内視鏡観察像上では開閉式フック
プローブ130が左方向へ動く結果となる。したがっ
て、開閉式フックプローブ130の操作が非常に難しく
なる。
【0168】そこで、本実施形態では、図65に示す内
視鏡システム500が使用される。この内視鏡システム
500において、硬性内視鏡20で得られたイメージ
は、直角に曲がった光学系を有するビデオアダプター5
01を介して、撮像素子(図示しない)を内蔵したテレ
ビカメラ502に伝えられ、ここで光学信号が電気信号
に変換されて、CCU(カメラコントロールユニット)
503に送られる。CCU503からの信号は、画像反
転装置504へ送られ、この画像反転装置504で左右
反転した映像に変換されて、モニタ505へ送られる。
したがって、術者は、実際の処置具の移動方向と合致し
た映像を見ることができる。
【0169】開閉式フックプローブ130によって血管
Cを周囲組織300から剥離する場合は、まず、内視鏡
システム500によって実際の処置具の移動方向と合致
した映像を見ながら、開閉式フックプローブ130の先
端フック135,136を閉じ、その状態で、先端フッ
ク135,136を周囲組織300に刺入して血管Cの
下側をくぐらせて反対側に貫通させる(図64の(b)
参照)。そして、この状態から今度はフック135,1
36を徐々に開いていって血管Cを周囲組織300から
剥離する。血管Cが周囲組織300から剥離された状態
が 図66の(a)に示されている。以上の操作は血管
Cの摘出長さにわたって行なわれる。この場合、必要に
応じて、図示しない腹腔鏡用剥離鉗子等を使用しても良
い。
【0170】血管Cを摘出長さ(例えば約25cm)に
わたって剥離したら、 図66の(b)に示すように、
側枝Fの2箇所にクリップ96,96を打ち(図66の
(b)参照)、クリップ96,96間の側枝F部位を鋏
鉗子で切断する(図66の(c)参照)。そして、この
ような側枝Fの切断作業を血管Cの摘出長さにわたって
行なえば、血管Cを体外に摘出することができる。な
お、さらに長い血管を摘出する必要がある場合には、同
様の操作を連続して行なえば良い。これにより、鼠頸部
Aから足首にいたる血管を摘出することもできる。
【0171】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、非常に小さな皮切から血管を損傷させることなく容
易に摘出することができる。なお、本実施形態(無論、
前述した各実施形態も同様)によれば、血管だけでな
く、皮下の神経の摘出も行なうことができる。
【0172】図67および図68は本発明の第8の実施
形態を示している。本実施形態は第7の実施形態におけ
る腔確保具172の変形例であり、それ以外の構成およ
び手技は第7の実施形態と同じである。
【0173】図68に示すように、本実施形態の腔確保
具 180は略円筒形状をなしている。腔確保具180
の中央の側面は所定の深さ切り欠かれており、これによ
って、側方に開口して処置空間(腔)Gを形成するため
の側口181が形成される。腔確保具180を皮下腔内
へ挿入・留置する方法および反転画像を得る内視鏡シス
テムは第7の実施形態と全く同じである。
【0174】図68の(a)は腔確保具180を皮下腔
内に留置した状態を、また、図68の(b)は腔確保具
180内に挿入された硬性内視鏡20による内視鏡観察
像をそれぞれ示している。腔確保具180の側口181
の位置を一方の皮切部E1から他方の皮切部E2まで移
動させることにより、血管Cの全長の観察および処置が
できる。なお、血管Cの周囲組織300からの分離方法
は第7の実施形態と同じである。
【0175】図69は本発明の第9の実施形態を示して
いる。本実施形態は第8の実施形態における腔確保具1
80の変形例であり、それ以外の構成および手技は第8
の実施形態と同じである。
【0176】図示のように、本実施形態の腔確保具19
0は、略円筒形状の本体部190aと、本体部190a
の両端にそれぞれネジにより着脱自在な延長部190
b,190bとからなる。本体部190aの中央の側面
は所定の深さ切り欠かれており、これによって、側方に
開口して処置空間(腔)Gを形成するための側口191
が形成される。したがって、本実施形態の腔確保具19
0は、本体部190aと延長部190b,190bとを
接続した状態では、第8の実施形態の腔確保具180と
同様の形状となる。
【0177】第8の実施形態の腔確保具180はその全
長が比較的長くなるが、本実施形態の腔確保具190
は、これを分離式にしたことにより処置領域の長さに応
じてその全長を調整することができるため、操作性が向
上する。また、延長部190bの長さを複数種用意すれ
ば、使用する処置具の長さに応じた最適な長さの延長部
190bを選択使用できるため、さらに操作性が向上す
る。
【0178】図70ないし図76は本発明の第10の実
施形態を示している。本実施形態は第7の実施形態の腔
確保具172の変形例である。したがって、第7の実施
形態と同一の構成部分については同一の符号を付してそ
の説明を省略する。
【0179】図70に示すように、本実施形態に係る腔
確保具172´の外套管172Aは、側口173を挟ん
だその両端の円筒部位201,201に切欠210,2
10を有している。これらの切欠210,210は円筒
部位201の全長にわたって形成されている。また、図
71に示すように、腔確保具172´の第1および第2
の内筒管172B,172Cの先端部にはそれぞれ、中
央に凹部203を有する突起部204が設けられてい
る。図72は、図58に示した挿入補助具175を腔確
保具172´の外套管172Aに取り付けた状態を示し
ている。図73は、腔確保具172´の外套管172A
に取り付けられた挿入補助具175の先端部175aを
組織保護具30の溝30aに沿わせながら一方の皮切E
1から他方の皮切E2へと貫通させ、その貫通後、外套
管172Aから挿入補助具175を取り外した状態を示
している。図74は、本実施形態の腔確保具172´に
おいて、図73の状態の外套管172A内に第1の内筒
管172Bと第2の内筒管172Cとを挿入した後、組
織保護具30を腔G内から抜き取った状態を示してい
る。この状態の断面図が図75に示されている。なお、
本実施形態の腔確保具172´において、外套管172
A内への第1および第2の内筒管172B,172Cの
挿入は、第1および第2の内筒管172B,172Cの
突起部204を外套管172Aの切欠210,210に
挿入した状態で行われる。この場合、突起部204の凹
部203が血管Cに沿って移動される。図75に示すよ
うに、腔確保具172´が血管Cに沿って皮下に留置さ
れた状態では、外套管172Aにより組織が上方に持ち
上げられる(圧排される)とともに、第1の内筒管17
2Bと第2の内筒管172Cとによって血管Cとその周
囲組織300とが下方に押圧(圧排)され、これによ
り、血管Cを周囲組織300から分離するための処置が
可能な処置空間(腔)Gが確保される。特に、第1およ
び第2の内筒管172B,172Cの突起部204は、
その中央の凹部203によって血管Cの両端(両側組
織)を押さえる。
【0180】この図75の状態で、第1の内筒管172
B内に硬性内視鏡20を挿入した状態が図76の(a)
に示されている。また、この時の内視鏡観察像が図76
の(b)に示されている。図77の(a)は、血管Cを
周囲組織300から剥離するために、第3の実施形態で
示した開閉式フックプローブ130を第2の内筒管17
2Cを通じて処置空間(腔)G内に挿入した状態を示し
ている。また、この時の内視鏡観察像が図77の(b)
に示されている。図から分かるように、第1および第2
の内筒管172B,172Cの突起部204の凹部20
3によって血管Cの両端(両側組織)を押さえるように
しているため、血管Cが周囲組織から突出するようにな
り、先端フック135,136を周囲組織300に刺入
して血管Cの下側をくぐらせて反対側に貫通させる処置
が容易となる。
【0181】図78および図79は本発明の第11の実
施形態を示している。本実施形態の腔確保具180´
は、第8の実施形態における腔確保具180の側口18
1の近傍下側に、血管Cの沿うように配置され且つ血管
Cを周囲組織から浮き上がらせるための窪み部220,
220を有している。なお、それ以外の構成は第8の実
施形態と同一である。
【0182】図80は本発明の第12の実施形態を示し
ている。本実施形態の腔確保具190´は、第9の実施
形態における腔確保具190の側口191の近傍下側
に、血管Cの沿うように配置され且つ血管Cを周囲組織
から浮き上がらせるための窪み部220,220を有し
ている。なお、それ以外の構成は第9の実施形態と同一
である。
【0183】図81ないし図83は本発明の第13の実
施形態を示している。本実施形態は腔作成具および組織
保護具に関するものである。図81の(a)(b)に示
すように、本実施形態に係る腔作成具50´は、偏平形
状の板部231と、板部231の基端側に設けられた略
半球状の膨大部230とからなる。膨大部230は、そ
の先端側から徐々に高さが高くなり、最大の高さとなる
頂部から基端側に向かって徐々にその高さが低くなるよ
うに形成されている。板部231の先端側下面部位と、
板部231の基端側から膨大部230の基端にわたる下
面部位とにはそれぞれ、図82に示す組織保護具30
´,30´´の溝部30aに係合可能な突起52が形成
されている。また、板部231の先端部には、図38に
示したダイレータフック101のフック40bと係合す
る接続穴51が設けられている。
【0184】腔作成具50´は、その外周の長さが小さ
いものから大きいものまで複数個用意されている。図8
1の(c)〜(f)はその一例を示したものである。図
81の(c)に示すように、最も外周長が短い第1の腔
作成具50a´は、その幅がW1に設定されている。図
81の(d)に示すように、第1の腔作成具50a´よ
りもその外周長が長い第2の腔作成具50b´もW1の
幅に設定されている。さらに、図81の(e)に示すよ
うに、第2の腔作成具50b´よりもその外周長が長い
第3の腔作成具50c´および最も外周長が長い第4の
腔作成具 50d´は、その幅がW2に設定されてい
る。
【0185】なお、本実施形態では、図81の(c)〜
(f)に示すように、腔作成具50´として4種類のも
のが用意されているが、無論、5種類以上もしくはそれ
以下のものが用意されていても良い。
【0186】図82の(a)および(b)には、本実施
形態において使用される組織保護具30´,30´´が
示されている。図82の(a)に示すように、第1の組
織保護具30´は、図35に示した組織保護具30とそ
の形状が同一(したがって、図35に示した組織保護具
30と同一の部位については同一符号を付してその説明
を省略する)のものであるが、幅寸法がW3に設定され
ている。この幅W3は、第1および第2の腔作成具50
a´,50b´の幅W1以上に設定されている。言い換
えれば、第1および第2の腔作成具50a´、50b´
が第1の組織保護具30´から幅方向にはみ出さないよ
うに、W3≧W1に設定されている。
【0187】図82の(b)に示すように、第2の組織
保護具30´´は、その幅が第1の組織保護具30´の
幅W3よりも大きいW4に設定されている。この幅W4
は、第3および第4の腔作成具50c´,50d´が第
2の組織保護具30´´から幅方向にはみ出さないよう
に、W4≧W2に設定されている。また、第2の組織保
護具30´´の先端部下面には、第1の組織保護具30
´の溝部30aに係合可能な突起240が設けられてい
る。
【0188】以上説明した本実施形態の組織保護具30
´,30´´および腔作成具 50a´〜50d´を使
用して皮下組織に腔を形成する場合には、まず、第2の
実施形態で述べたと同様にして第1の組織保護具30´
を皮下組織内に留置し(図37参照)、2つの皮切部E
1,E2を通じて皮下組織内を貫通されたダイレータフ
ック101の先端部に最も小型の腔作成具50a´を装
着する。そして、ダイレーターフック101のハンドル
部を持ち、腔作成具50a´の突起52を第1の組織保
護具30´の溝30aに係合させながら沿わせた状態
で、ダイレーターフック101を皮切部E1から皮切部
E2近傍までゆっくり引く。これによって腔作成具50
a´がダイレーターフック101の案内によって皮下組
織内に挿入されていく。腔作成具50a´が皮切部E2
まで到達後、ダイレーターフック101を押し、腔拡張
具50a´を皮切部E1まで戻し、皮切部E1から腔拡
張具50a´を取り出し、ダイレーターフック101か
ら取り外す。次に大きい腔拡張具50b´を同様の操作
で挿入・摘出する。腔拡張具50b´による拡張が終了
したら、今度は、第1の組織保護具30´を第2の組織
保護具30´´と交換する。この交換は、第2の組織保
護具30´´の突起240を第1の組織保護具30´の
溝部30aに係合させた状態で溝部30aに沿って押し
進め、第2の組織保護具30´´が第1の組織保護具3
0´とほぼ同様な配置状態まで皮下組織内に挿入された
状態で、第1の組織保護具30´をゆっくりと外部に引
き抜くことによりなされる。第2の組織保護具30´´
への交換が終了したら、同様の拡張操作を第3の腔拡張
具50c´について行ない、最終的に最も大きい腔拡張
具50d´まで行なう。これによって、腔が段階的に拡
張される。
【0189】図83は、腔作成具50´によって結合組
織300が上下方向に引張力を受けて徐々に剥離されて
いく様子を示した断面図である。このような剥離状態
は、前述した膨大部230の形状特性によって有効にな
される。なお、膨大部230が頂部を堺に高さが両側で
低くなっていることに伴い、腔作成具50´を皮下通過
途中に反対方向に動かしても、大きな力量を要さないで
済む。なお、図83に示すように、血管Cは組織保護具
30´(30´´)の真下に存在する場合(図中破線で
示す)と、組織保護具30´(30´´)の下方から外
れた位置に存在する場合(図中実線で示す)とがある。
したがって、血管Cが組織保護具30´(30´´)の
下方から外れた位置に存在する場合には腔作成具によっ
て血管Cを傷付けてしまう虞があるが、本実施形態で
は、腔作成具50´の幅を組織保護具30´(30´
´)の幅よりも小さく設定して腔作成具50´が組織保
護具30´(30´´)の幅方向にはみ出さないように
しているため、どのような状況下においても血管Cを傷
付けてしまうことがない。
【0190】前記実施形態によれば、次のような構成が
得られる。
【0191】(付記1)表皮の少なくとも2カ所に皮切
部を設け、皮切部直下の採取対象血管を露出させる第1
の段階と、前記一方の皮切部より他方の皮切部まで採取
対象血管に沿って剥離手段を挿入することにより、採取
対象血管と少なくともその周囲組織の一部を剥離して剥
離部を形成する第2の段階と、前記一方の皮切部から他
方の皮切部まで貫通した状態で前記剥離部に挿入して留
置した腔確保手段によって、採取対象血管の近傍に処置
領域となる腔を確保する第3の段階と、前記腔確保手段
により形成した処置領域となる腔内に内視鏡および処置
手段を挿入し、内視鏡観察下の処置手段によって、採取
対象血管を採取する第4の段階とを具備したことを特徴
とする内視鏡的血管採取方法。
【0192】(付記2)前記第1の段階の皮切部は、2
〜5cm程度の切開であることを特徴とする付記1記載
の内視鏡的血管採取方法。
【0193】(付記3)前記第2の段階は、剥離手段に
挿入された硬性内視鏡の観察下で行われることを特徴と
する付記1記載の内視鏡的血管採取方法。
【0194】(付記4)前記剥離手段は、剥離子である
ことを特徴とする付記1または3記載の内視鏡的血管採
取方法。
【0195】(付記5)腔確保手段は、腔に留置される
腔確保具であることを特徴とする付記1記載の内視鏡的
血管採取方法。
【0196】(付記6)前記処置手段は、鋏鉗子である
ことを特徴とする付記1記載の内視鏡的血管採取方法。
【0197】(付記7)前記処置手段は、フックプロー
ブであることを特徴とする付記1記載の内視鏡的血管採
取方法。
【0198】(付記8)表皮の少なくとも2カ所に皮切
部を設け、皮切部直下の採取血管を露出させる第1の手
段と、前記一方の皮切部より他方の皮切部まで採取血管
に沿って剥離子を挿入し、採取血管とその周囲組織とを
剥離して腔を形成する第2の手段と、前記一方の皮切部
から前記腔に腔確保具を挿入して留置し、採取血管の上
部に腔を確保する第3の手段と、前記腔確保具によって
形成された腔内に内視鏡および処置具を挿入し、内視鏡
観察下で採取血管を採取する第4の手段とを具備したこ
とを特徴とする内視鏡的血管採取装置。
【0199】(付記9)表皮の少なくとも2カ所に皮切
部を設け、皮切部直下の採取血管を露出させる第1の手
段と、前記一方の皮切部より他方の皮切部まで採取血管
に沿って剥離子を挿入し、採取血管とその周囲組織とを
剥離して腔を形成する第2の手段と、前記一方の皮切部
から前記腔に腔作成具を挿入して腔をさらに拡張する第
3の手段と、前記一方の皮切部から前記腔に腔確保具を
挿入して留置し、採取血管の上部に腔を確保する第4の
手段と、前記腔確保具によって形成された腔内に内視鏡
および処置具を挿入し、内視鏡観察下で採取血管を採取
する第5の手段とを具備したことを特徴とする内視鏡的
血管採取装置。
【0200】(付記10)表皮の少なくとも2カ所に皮
切部を設け、皮切部直下の採取血管を露出させる第1の
手段と、前記一方の皮切部より他方の皮切部まで採取血
管に沿って剥離子を挿入し、採取血管とその周囲組織と
を剥離して腔を形成する第2の手段と、前記一方の皮切
部から前記腔に組織保護具を挿入して採取血管を保護す
る第3の手段と、、前記一方の皮切部から前記腔に腔作
成具を挿入して腔をさらに拡張する第4の手段と、前記
一方の皮切部から前記腔に腔確保具を挿入して留置し、
採取血管の上部に腔を確保する第5の手段と、前記腔確
保具によって形成された腔内に内視鏡および処置具を挿
入し、内視鏡観察下で採取血管を採取する第6の手段と
を具備したことを特徴とする内視鏡的血管採取装置。
【0201】(付記11)前記第1の手段の皮切部は、
2〜5cm程度の切開であることを特徴とする付記8記
載の内視鏡的血管採取装置。
【0202】(付記12)前記第2の手段は、剥離子に
挿入された硬性内視鏡の観察下で行われることを特徴と
する付記8記載の内視鏡的血管採取装置。
【0203】(付記13)軸方向に進退自在な2本のシ
ャフトと、これらシャフトの先端部に設けられシャフト
の進退操作によって開閉し、シャフトの側方に突出する
前後一対のフックと、前記シャフトを進退操作する操作
部とからなる開閉式フックプローブ。
【0204】(付記14)前記前後一対のフックのう
ち、前部のフックは固定で、後部のフックが前後方向に
移動自在であることを特徴とする付記13記載の開閉式
フックプローブ。
【0205】(付記15)前記前後一対のフックのう
ち、後部のフックは固定で、前部のフックが前後方向に
移動自在であることを特徴とする付記13記載の開閉式
フックプローブ。
【0206】(付記16)軸方向に進退自在な2本のシ
ャフトを、グリップ本体に対し、着脱自在に固定したこ
とを特徴とする付記13記載の開閉式フックプローブ。
【0207】(付記17)前後一対のフックはそれが閉
じた状態での相対する部分に凹凸部を設けたことを特徴
とする付記13記載の開閉式フックプローブ。
【0208】(付記18)皮切部より挿入する剥離子に
よって採取対象血管に沿って少なくとも採取対象血管の
周囲組織の一部を剥離し、その剥離領域を腔拡張具によ
って拡張し、その拡張領域に挿入される血管採取に充分
な処置空間を確保するための腔確保具からなる内視鏡的
血管採取システムにおいて、前記腔確保具は処置空間を
観察可能な内視鏡、および採取対象血管を採取するため
の処置具を挿入自在にしたことを特徴とする内視鏡的血
管採取システム。
【0209】(付記19)腔作成具の幅が組織保護具の
幅以下に設定されていることを特徴とする付記10に記
載の内視鏡的血管採取装置。
【0210】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、採取血管の周囲に腔を形成し、この腔に体外から内
視鏡、処置具を挿入することができ、伏在静脈等の血管
を内視鏡観察下で簡単に、かつ安全に採取することがで
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示し、下肢に皮切
部を形成した状態の図。
【図2】同実施形態の採取方法を示し、図1のX−X線
に沿う断面図。
【図3】同実施形態の硬性内視鏡と剥離子の斜視図。
【図4】同実施形態の硬性内視鏡と剥離子の接続部の断
面図。
【図5】同実施形態の剥離子を示し、(a)は平面図、
(b)は縦断側面図、(c)はY−Y線に沿う断面図。
【図6】同実施形態の使用状態を示し、(a)は剥離操
作時の縦断側面図、(b)同操作時の視野を示す図。
【図7】同実施形態の組織保護具を示し、(a)は斜視
図、(b)はZ−Z線に沿う断面図。
【図8】同実施形態の剥離子と組織保護具との接続部の
斜視図。
【図9】同実施形態の組織保護具を皮切部間に挿入した
状態の斜視図。
【図10】同実施形態の皮切部間に挿入した組織保護具
に腔作成具を接続した状態の斜視図。
【図11】同実施形態の組織保護具と腔作成具が引き組
織に挿入された状態の断面図。
【図12】同実施形態の腔確保具の斜視図。
【図13】同実施形態の腔確保具の正面図および縦断側
面図。
【図14】同実施形態の腔確保具に挿入補助具を接続す
る前の斜視図。
【図15】同実施形態の腔確保具に挿入補助具を接続し
た状態の斜視図。
【図16】同実施形態の腔確保具を皮下組織に挿入する
作用説明図。
【図17】同実施形態の腔確保具を皮下組織に挿入する
作用説明図。
【図18】同実施形態の腔確保具を皮下組織に挿入する
作用説明図。
【図19】同実施形態の腔確保具に硬性内視鏡、処置具
を挿入した状態を示す斜視図。
【図20】同実施形態の硬性内視鏡の観察像を示す図。
【図21】同実施形態の硬性内視鏡の観察像を示す図。
【図22】同実施形態の硬性内視鏡の観察像を示す図。
【図23】同実施形態の硬性内視鏡の観察像を示す図。
【図24】同実施形態の硬性内視鏡の観察像を示す図。
【図25】同実施形態の硬性内視鏡の観察像を示す図。
【図26】同実施形態のフックプローブの斜視図。
【図27】同実施形態のフックプローブの使用状態の斜
視図。
【図28】同実施形態のフックプローブのフックの変形
例を示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は
Q−Q線に沿う断面図。
【図29】この発明の第2の実施形態を示し、下肢に皮
切部を形成した状態の図。
【図30】同実施形態の採取方法を示し、図29のW−
W線に沿う断面図。
【図31】同実施形態の硬性内視鏡の側面図。
【図32】同実施形態の剥離子を示し、(a)は平面
図、(b)は縦断側面図、(c)は正面図、(d)は観
察部の縦断側面図、(e)はa−a線断面図、(f)は
b−b線断面図、(g)はc−c線断面図。
【図33】同実施形態のシースホルダーを示し、(a)
は上面図、(b)は縦断側面図。
【図34】同実施形態の使用状態を示し、(a)は剥離
操作時の縦断側面図、(b)同操作時の視野を示す図。
【図35】同実施形態の組織保護具を示し、(a)は斜
視図、(b)はG−G線に沿う断面図。
【図36】同実施形態の剥離子と組織保護具との接続部
を示し、(a)は斜視図、 (b)は縦断側面図。
【図37】同実施形態の組織保護具を皮切部間に挿入し
た状態の斜視図。
【図38】同実施形態の腔形成具とダイレーターフック
の接続部を示し、(a)は斜視図、(b)は縦断側面図
および平面図。
【図39】同実施形態の腔作成具を示し、(a)は拡張
部の異なる腔作成具の下面図、(b)はV−V線に沿う
断面図。
【図40】同実施形態の皮切部間に挿入した組織保護具
に腔作成具を接続する状態の斜視図。
【図41】同実施形態の腔確保具を示し、(a)は斜視
図、(b)は正面図、(c)は縦断側面図。
【図42】(a)(b)は同実施形態の腔確保具を皮下
組織に挿入する作用説明図。
【図43】同実施形態の腔確保具に硬性内視鏡、処置具
を挿入した状態を示す斜視図。
【図44】同実施形態の硬性内視鏡の観察像を示す図。
【図45】同実施形態の硬性内視鏡の観察像を示す図。
【図46】同実施形態の硬性内視鏡の観察像を示す図。
【図47】同実施形態のフックプローブの使用状態の斜
視図。
【図48】この発明の第3の実施形態を示す開閉式フッ
クプローブの斜視図。
【図49】同実施形態の開閉式フックプローブの縦断側
面図。
【図50】同実施形態の使用状態の観察像を示す図。
【図51】この発明の第4の実施形態を示す開閉式フッ
クプローブを示し、(a)は縦断側面図、(b)は矢印
U方向から見た矢視図。
【図52】この発明の第5の実施形態を示す開閉式フッ
クプローブを示し、(a)は側面図、(b)は正面図。
【図53】この発明の第6の実施形態を示す開閉式フッ
クプローブを示し、(a)は縦断側面図、(b)は矢印
H方向から見た矢視図。
【図54】本発明の第7の実施形態に係るシステムにお
いて、剥離子を組織保護具の上面側の溝に沿わせながら
一方の皮切部から挿入して他方の皮切部まで貫通させる
様子を示す図。
【図55】第7の実施形態に係るシステムを構成する剥
離子を組織保護具の上面側の溝に沿わせながら一方の皮
切部から挿入して他方の皮切部まで貫通させる様子を示
す図。
【図56】第7の実施形態に係るシステムを構成する剥
離子の側面図。
【図57】第7の実施形態に係るシステムを構成する腔
確保具の分解斜視図。
【図58】図57の腔確保具の外套管の挿入を案内補助
するための挿入補助具の斜視図。
【図59】図57の挿入補助具を図57の腔確保具の外
套管に装着した状態を示す側断面図。
【図60】図57の腔確保具の外套管を皮下組織内に挿
入した状態を示す斜視図。
【図61】図60の状態から外套管内に内筒管を挿入し
た状態を示す図。
【図62】(a)は図61の縦断側面図、(b)は、
(a)のJーJ線に沿う断面図、(c)は(a)のKー
K線に沿う断面図。
【図63】(a)は図62の(a)の状態で内筒管内に
硬性内視鏡を挿入した状態を示す縦断側面図、(b)は
(a)の状態における内視鏡による観察像。
【図64】(a)は図63の(a)の状態で内筒管内に
フックプローブを挿入した状態を示す縦断側面図、
(b)は(a)の状態における内視鏡による観察像。
【図65】内視鏡システムの概略構成図。
【図66】内視鏡による観察像;
【図67】本発明の第8の実施形態に係る腔確保具の斜
視図。
【図68】(a)は図67の腔確保具を皮下組織内に挿
入した状態で内筒管内に硬性内視鏡を挿入した状態を示
す縦断側面図、(b)は(a)の状態における内視鏡に
よる観察像。
【図69】(a)は本発明の第9の実施形態に係る腔確
保具の分解斜視図、(b)は(a)の腔確保具の組立状
態における縦断側面図。
【図70】本発明の第10の実施形態に係る腔確保具の
外套管の斜視図。
【図71】本発明の第10の実施形態に係る腔確保具の
分解斜視図。
【図72】図58の挿入補助具を図70の外套管に装着
した状態を示す側断面図。
【図73】図71の腔確保具の外套管を皮下組織内に挿
入した状態を示す斜視図。
【図74】図73の状態から外套管内に内筒管を挿入し
た状態を示す図。
【図75】(a)は図74の縦断側面図、(b)は
(a)のLーL線に沿う断面図、(c)は(a)のMー
M線に沿う断面図。
【図76】(a)は図75の(a)の状態で内筒管内に
硬性内視鏡を挿入した状態を示す縦断側面図、(b)は
(a)の状態における内視鏡による観察像。
【図77】(a)は図76の(a)の状態で内筒管内に
フックプローブを挿入した状態を示す縦断側面図、
(b)は(a)の状態における内視鏡による観察像。
【図78】本発明の第11の実施形態に係る腔確保具の
斜視図。
【図79】(a)は図78の腔確保具を皮下組織内に挿
入した状態で内筒管内に硬性内視鏡を挿入した状態を示
す縦断側面図、(b)は(a)の状態における内視鏡に
よる観察像。
【図80】(a)は本発明の第12の実施形態に係る腔
確保具の分解斜視図、(b)は(a)の腔確保具の組立
状態における縦断側面図。
【図81】(a)は本発明の第13の実施形態に係る腔
作成具の斜視図、(b)は (a)の腔作成具の側面
図、(c)〜(f)は腔作成具の正面図。
【図82】(a)(b)は本発明の第13の実施形態に
係る組織保護具の平面図、 (c)は(b)の組織保護
具の先端部断面図。
【図83】図81の腔作成具と図82の組織保護具とを
皮下組織内に挿入した状態を示す断面図。
【符号の説明】
10…剥離子 20,80…硬性内視鏡 30…組織保護具 50…腔作成具 60…腔確保具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小賀坂 高宏 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 岡部 洋 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮切部より挿入する剥離子によって採取
    対象血管に沿って少なくとも採取対象血管の周囲組織の
    一部を剥離し、その剥離領域を腔拡張具によって拡張
    し、その拡張領域に挿入される血管採取に充分な処置空
    間を確保するための腔確保具からなる内視鏡的血管採取
    システムにおいて、 前記腔確保具は処置空間を観察可能な内視鏡、および採
    取対象血管を採取するための処置具を挿入自在にしたこ
    とを特徴とする内視鏡的血管採取システム。
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