JP3668328B2 - 内視鏡的血管採取システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば内視鏡的に伏在静脈等の皮下血管を採取する内視鏡的血管採取システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡的に伏在静脈等の皮下血管を採取する方法として、例えば米国特許第4,793,346号明細書および米国特許第5,373,840号明細書が知られている。
【0003】
米国特許第4,793,346号明細書は、下肢の表皮を皮切し、その皮切部から静脈の外径よりやや大きな内径のチューブを挿入すると共に、チューブの先端に設けられたナイフに電流を流し、チューブを回転させながら進行させ、側枝をナイフによって焼灼して切断し、静脈を採取する方法である。
【0004】
また、米国特許第5,373,840号明細書は、縦方向の延びるチャンネルを有する内視鏡を用い、患者の身体の皮切部より取り出す血管の一端を体外に出し、内視鏡のチャンネルを通じてグリップ手段で血管をつかみ、チャンネルを通じて血管を切離する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者は、盲目的にナイフ付きのチューブを押し進める方法であり、伏在静脈は通常真直ではないため、採取しようとする伏在静脈を切断する恐れがある。また、ナイフからの電流により伏在静脈自身に熱による損傷を与える恐れがある。
【0006】
また、伏在静脈は、皮下という腔のないところにあるが、後者の方法では、内視鏡を血管に沿って進めるために、内視鏡のチャンネルを通して各種の処置具を挿入し、組織を剥離しつつ、血管の処置も行わなければいけない。したがって、操作が煩雑となり、処置の時間が長くなるという問題がある。また、内視鏡の対物レンズが血液等により汚れた場合、全ての機器を一度体外に取り出さなければならないという煩雑さがある。
【0007】
この発明は前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、伏在静脈等の血管を内視鏡観察下で簡単に安全に採取することができる内視鏡的血管採取システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明に係る内視鏡的血管採取システムは、皮切部より挿入して、採取対象血管に沿って採取対象血管の周囲組織の少なくとも一部を剥離させる剥離子と、前記採取対象血管を採取するための処置空間を作成するために、前記剥離子にて剥離された領域を拡張する腔拡張具と、前記腔拡張具にて拡張された領域に挿入され、前記採取対象血管を採取するための処置空間を確保する、細長で略円弧状の横断面を有する腔確保具と、前記腔確保具の少なくとも一端側で前記略円弧状の横断面の略中央部に設けられ、前記処置空間を観察するための内視鏡を挿通する第1の開口部と、前記腔確保具の前記第1の開口部の位置よりも前記横断面の側方に設けられ、前記内視鏡による観察下で採取対象血管を採取するための処置具を挿通する第2の開口部とを具備することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の各実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図28は第1の実施形態を示し、まず、内視鏡的血管採取方法として下肢の血管を採取する手順を概略的に説明すると、図1は下肢を示し、大腿部の鼠頸部A上部から足首Bに亘る伏在静脈等の採取対象血管(以下、血管という)Cの全長に亘って採取する場合、血管Cの直上で、鼠頸部A上方、膝Dの上、膝Dの下、足首Bの上の4カ所にメス等によって皮切部E1,E2,E3,E4を設ける。
【0011】
そして、各皮切部E1,E2,E3,E4の部位にて剥離鉗子等により血管Cを露出させる。さらに各皮切部E1,E2,E3,E4より肉眼で観察可能な距離について血管Cの直上組織を同様の剥離鉗子等で剥離する。
【0012】
次に、図2(a)は図1のX−X線に沿う断面であり、100は表皮、200は皮下組織、300は血管上結合組織であり、この血管上結合組織300の下部に前記血管Cが存在する。まず、図2(b)に示すように、剥離子10を用い血管Cとその周囲組織とを剥離して腔Gを形成する。ここでは膝Dの上の皮切部E2と鼠頸部Aの上方の皮切部E1の間の血管Cの採取について述べる。他の領域についても同様である。
【0013】
剥離子10に硬性内視鏡20を挿入して固定する。剥離子10の先端部を鼠頸部Aの上方の皮切部E1より膝Dの上の皮切部E2に向かって血管Cの上方に沿わせるようにして挿入する。
【0014】
この場合、剥離子10の先端部が透明部材で形成されているため、硬性内視鏡20で血管Cや側枝Fを鮮明に観察できる。剥離子10の挿入に際しては、硬性内視鏡20で血管Cの進行を確認しつつ、少し押し込み、また少し戻すという操作により徐々に進める。剥離子10を膝Dの上の皮切部E2まで血管Cに沿って貫通させる。
【0015】
次に、剥離子10を体内に留置したまま硬性内視鏡20を抜き取り、図2(c)に示すように、剥離子10の手元側端部の鼠頸部Aの上方の皮切部E1側に組織保護具30を取り付ける。そして、剥離子10を膝Dの上の皮切部E2から引き、組織保護具30を剥離子10で剥離した腔G内へ引き込む。なお、組織保護具30の断面方向の断面積は剥離子10の断面方向の断面積とほぼ等しいため、組織保護具30の挿入に際してはほとんど力を必要としない。組織保護具30は後述するように手元側が皮切部E1の開口より大きいT字型となっており、その部位が鼠頸部Aの上部の皮切部E1に当接するまで挿入した後、剥離子10を組織保護具30より切り離す。
【0016】
次に、腔Gの拡張を行う。組織保護具30の上面の溝30aに合わせて、先端がテーパ状に細くなったガイド棒40を鼠頸部Aの上部の皮切部E1から膝Dの上の皮切部E2まで挿入する。なお、ガイド棒40の先端部近傍には把持したときに指が引っかかるように凹凸が設けられている。
【0017】
ガイド棒40の末端部、つまり鼠頸部Aの上部の皮切部E1側に最も小型の腔作成具50を装着する。腔作成具50は先端側が偏平の略菱形状で、その幅が小さいものから大きいものまで複数個用意されている。また、腔作成具50の後端側には棒状部材が取り付けられており、棒状部材の端部には他のサイズの腔作成具50との接続機構を持っている。
【0018】
次に、図2(d)に示すように、ガイド棒40の先端部をゆっくり引き、腔作成具50の突起を組織保護具30の溝30aに沿わせて鼠頸部Aの上方の皮切部E1から膝Dの上の皮切部E2まで通過させる。このとき、少なくとも腔作成具50の先端側で幅が最大となる部位は、膝Dの上の皮切部E2より外にあり、末端側は鼠頸部Aの上部の皮切部E1より外にある。
【0019】
次に、大きい腔作成具50を腔G内の腔作成具50の末端部に取り付け、腔作成具50の菱形部を持ち、ゆっくり引き腔作成具50を組織保護具30の溝30aに沿って通過させる。同様の操作を腔Gが必要な大きさになるまで繰り返して行う。
【0020】
次に、図2(e)に示すように、腔確保具60の留置を行う。後述する挿入補助具に腔確保具60を装着し、挿入補助具の先端に腔作成具50を取り付け、腔拡張方法と同様に、腔作成具50の菱形部を持ち、膝Dの上の皮切部E2から引き込む。
【0021】
なお、腔確保具60の断面方向の最大断面積より、最終(最も大きい)の腔作成具50の断面方向の断面積が長くなるまで腔拡張を行うため、腔確保具60の引き込みには、ほどんど力を必要としない。腔確保具60が膝Dの上の皮切部E2より出た時点で、腔作成具50を取り外し、体外に取り出す。また、組織保護具30も体外に取り出す。以上より血管Cが腔確保具60で作られた腔Gの中に露出する。
【0022】
次に、腔確保具60の内視鏡ガイド筒70に硬性内視鏡80を挿入し、腔Gの全体を観察する。もし剥離子10が血管Cの直上の層を通過した場合、血管Cは完全に露出した状態となっているが、剥離子10が血管Cを膜状組織を介して通過するような場合、血管Cの上側の血管上結合組織300が覆った状態となっており、この血管上結合組織300をまず除去する必要がある。血管上結合組織300の除去は後述する。
【0023】
次に、内視鏡的血管採取方法および採取に用いる器具の詳細を説明する。
【0024】
図3および図4は剥離子10および硬性内視鏡20を示す。この硬性内視鏡20は観察光学系と照明光学系を内挿する硬性の挿入部2と、この挿入部2の基端部に設けられた内視鏡接続部 3を有する内視鏡本体部 4とから構成されている。
【0025】
挿入部2の先端部には挿入部2の軸線に対して傾斜する斜視型の観察窓および照明窓を有する先端構成部5が設けられている。内視鏡本体部4にはライトガイドケーブル(図示しない)と接続されるコネクタ7および内視鏡本体部4の軸部8の軸線に対して直交する方向に突出する接続ピン9が設けられている。
【0026】
前記剥離子 10は細長い管状の本体部11と先端部12とから構成されている。本体部11は内視鏡本体部4の軸部8に対して嵌合可能な太径パイプ部13と、この太径パイプ部13の先端部に接続され硬性内視鏡20の挿入部2が挿入可能な細径パイプ部14およびこの細径パイプ部14の先端部に接続され硬性内視鏡20の先端構成部5を覆う透明な観察部15とから構成されている。
【0027】
図5に示すように観察部15は透明な合成樹脂材料によって円筒状に形成されており、その先端部は軸線に対して傾斜する傾斜面16によって閉塞されて前記先端部12が形成されている。傾斜面16は観察部15の周壁部と肉厚を略等しくしており、これによって傾斜面16がプリズムにならないようにして鮮明に透視できるようにしている。さらに、先端部12は、組織への挿入性を良くするために平面視で、先細になるように両側部17がカットされていると共に、その最先端部分は血管に傷を付けないように鈍的形状をなしている。
【0028】
また、観察部15の軸方向の長さL=30mm程度であり、観察部15の直径φAとし、細径パイプ部 14の直径φBとすると、φA>φBに形成されている。さらに、観察部15の先端部12を残してその後方に位置する下部にはその軸方向の亘って円弧状の凹溝18が形成されており、血管Cをガイドとして剥離子10を押し進めることができるようになっており、同時に血管Cの保護も兼ねている。
【0029】
また、太径パイプ部13の基端部には内視鏡本体部4の軸部8に対して嵌合する段付き嵌合部19が設けられ、この段付き嵌合部19の底部にはゴムリング等の弾性部材19aが収納されている。段付き嵌合部19の周壁には接続ピン9と係合するL字状に屈曲した一対のスリット21が設けられている。そして、接続ピン9とスリット21とを係合することによって硬性内視鏡20と剥離子10とが接続され、同時に弾性部材19aが軸部8によって圧縮され、硬性内視鏡20と剥離子10とが回り止めされる回転規制部材22を構成している。
【0030】
次に作用について説明する。
【0031】
硬性内視鏡20の挿入部2を剥離子10に挿入し、剥離子10の段付き嵌合部19を内視鏡本体部4の軸部8に嵌合し、接続ピン9とスリット21とを位置決めした後、硬性内視鏡20もしくは剥離子10を回すと、接続ピン9がスリット21に係合し、同時に弾性部材19aが軸部8によって圧縮され、硬性内視鏡20と剥離子10とが回転規制された状態に接続される。
【0032】
このように硬性内視鏡20の挿入部2に剥離子10を嵌合すると、図5に示すように、先端構成部5が剥離子10の観察部15の内部で、先端近傍に位置し、観察部15の傾斜面16が斜め上向きになるのに対し、先端構成部5の観察方向Oは斜め下向きとなる。
【0033】
図6(a)は硬性内視鏡20に剥離子10を装着し、皮切部E1に挿入した状態を示す、皮切部E1から剥離子10の先端部12を挿入すると、先端部12は血管上結合組織300に到達する。このときの硬性内視鏡20の観察像は、図6(b)に示すようになり、硬性内視鏡20の視野内に剥離子10の先端部12と血管上結合組織300を含む血管Cが入る。
【0034】
この状態で、剥離子10を押し進めると、剥離子10の先端部12が血管Cと血管上結合組織300とが剥離され、血管Cが露出し、血管Cの途中の側枝Fも露出して硬性内視鏡20の視野内に入る。したがって、硬性内視鏡20によって血管Cを観察しながら血管Cと血管上結合組織300とを剥離することができる。
【0035】
このとき、剥離子10の観察部15には凹溝18が設けられているため、凹溝18が血管Cと嵌合して剥離子10を血管Cに沿って押し進めることができ、また先端部12は先細であるが、その最先端部分は鈍的形状をなしているため、血管Cに傷を付けることなく剥離できる。
【0036】
次に、組織保護具30について説明すると、図7に示すように構成されている。すなわち、保護具本体31は、皮下組織内へと挿入可能な板状の長尺部材として形成されており、保護対象となる皮下組織を覆って保護することができる幅と、皮切部E1とE2との間隔よりやや長い長さを有している。また、保護具本体31の基端部には幅方向に張り出した張出部32が設けられている。この張出部32は前記皮切部E1から皮下組織内へ挿入不可能な幅で張り出している。
【0037】
また、保護対象となる皮下組織を覆う保護具本体31の保護面33、つまり下面は、凹凸のない滑らかな平面に形成されている。また、保護面33と反対側の面、つまり上面34には溝30aが軸方向に全長に亘って形成されている。
【0038】
なお、保護具本体31を皮下組織内へ容易に挿入できるように、保護具本体31の先端側は先細りのテーパ状に形成されている。また、組織を傷付けないように、保護具本体31の先端縁は滑らかな鈍形状に形成されている。また、保護具本体31の先端には、剥離子10等と着脱自在に接続可能な接続部35が設けられている。
【0039】
次に、組織保護具30用いて保護対象となる皮下組織を覆って保護する場合には、鼠頸部Aの上部の皮切部E1から突出している剥離子10の接続部10aに保護具31の接続部35を接続する。この接続は、図8の(a)に示すように、捩じ込み式のものであっても、また、図8の(b)に示すようにラッチ係合式のものであっても良い。
【0040】
次に、剥離子10の基端部の接続部10aに保護具本体31の接続部35を接続した状態で、剥離子10を皮下組織内から引き出して保護具本体31を血管Cと血管上結合組織300の間の剥離空間に引き込む。この時、保護具本体31の断面積を剥離子10の断面積以下としておけば、保護具本体31を血管Cと血管上結合組織300との間に容易に挿入することができる。
【0041】
図9は、剥離子10に代わって保護具本体31が血管Cと血管上結合組織300との間に挿入されて留置された状態を示している。この状態では、保護具本体31から剥離子10が取り外され、血管Cが保護具本体31の保護面33によって上側から完全に覆われている。また、この状態では、張出部32が皮切部E1に当接して皮切部E2側への保護具本体31のずれが防止される。
【0042】
この状態で、今度は、図10に示すように、保護具本体31の基端部にガイド棒40の先端側を皮切部E1から導入し、このガイド棒40を組織保護具30の溝30aに沿って押し進める。ガイド棒40の先端側が皮切部E1から突出したら、処置具としての腔作成具50をガイド棒40に接続し、そのままガイド棒40を皮切部E1から外部に引き出して、腔作成具50を血管Cと血管上結合組織300の間の剥離空間に引き込む。この時、図11に示すように、腔作成具50は、その下面に長手方向に沿って形成された突起50aが溝30aにガイドされながら引き込まれる。これによって、血管Cと血管上結合組織300との剥離状態が腔作成具50の拡張部38によって広げられて、血管Cの上側すなわち組織保護具30の上側に処置作業を行なうのに十分な広さの腔Gが形成される。この場合、血管Cは組織保護具30によって保護されているため、腔作成具50による腔作成作業によって血管Cが傷付けられることはない。なお、ガイド棒40の先端側の外周面には指掛け用の凹凸が形成されており、ガイド棒40の先端側を把持して引張る操作を滑ることなく容易に行なえるようになっている。
【0043】
また、前記腔作成具50は、先端側が偏平の略菱形状の拡張部38の幅が小さいものから大きいものまで複数個用意されている。また、腔作成具50の後端側には棒状部材が取り付けられており、棒状部材の端部には他のサイズの腔作成具50との接続機構を持っており、拡張部38の幅が小さいものから大きいものを順次接続して腔Gを徐々に拡張することができるようになっている。
【0044】
以上のようにして血管Cの上側に所定の大きさの腔Gを形成したら、次に腔確保具60によって腔Gを確保する。
【0045】
図12および図13は腔確保具60を示し、この腔確保具60は、その本体62は円筒体を径方向に2分割した半円筒状または円弧状であり、合成樹脂材料またはステンレス材料によって形成されている。
【0046】
本体62の長手方向の両端には開口63が設けられていると共に、側壁部64には長手方向に亘って横穴65が対称的に設けられている。さらに、本体62の両端部には内視鏡ガイド筒70が一体に設けられている。この内視鏡ガイド筒70は、その上半円部が側壁部64の上部に突出し、下半円部が側壁部64の下部に突出しており、本体62の内部の空洞部67のスペースを広く確保している。また、本体62の両端面、下面および横穴65の内周面は丸みが付けられ、皮下組織に傷を付けないように形成されている。
【0047】
図14および図15は腔確保具60の挿入補助具71を示し、これは円錐筒状体を径方向に2分割した形状に形成されている。挿入補助具71の先端部72は組織に傷を付けないよう丸みが付けられている。挿入補助具71の基端部は腔確保具60の本体62と略同一の曲率に形成され、接続時に段差が付かないように形成されている。
【0048】
この挿入補助具71の基端部には後方に突出する弾性を有する一対の接続片73が突出して設けられ、この接続片73には腔確保具60の本体62の横穴65の端部に係合する係合凸部74が設けられている。
【0049】
このように構成された挿入補助具71を腔確保具60の本体62の端部に位置決めし、接続片73を本体62の内部に挿入すると、接続片73の弾性によって係合凸部74が本体62の横穴65に弾性係合し、本体62に対して挿入補助具71がワンタッチで接続される。
【0050】
したがって、腔確保具60を皮下組織の留置スペースに挿入する際に、挿入補助具60のテーパ面によって皮下組織を押し広げながら挿入でき、腔確保具60の挿入の容易化を図ることができる。
【0051】
図16〜図18は挿入補助具71を用い、腔確保具60を皮下組織に挿入する操作を示すもので、挿入補助具71の先端部72にねじ穴75が設けられ、このねじ穴75には牽引部材としての拡張具79が接続されており、この拡張具79はシャフト81とシャフト81の端部に設けられた偏平状の拡張部82とから構成されている。
【0052】
拡張具80の拡張部82を挿入操作の先端部として一方の皮切部E1から皮下組織に導入し、皮切部E2から拡張部82を導出させる。この状態で、拡張部82を取手として握り、矢印方向に引っ張ると、まず挿入補助具71のテーパ面によって皮下組織を押し広げながら挿入され、続いて腔確保具60が皮下組織に挿入され、腔確保具60の両端部が皮切部E1,E2から露出した状態に留置される。留置後、挿入補助具71と腔確保具60とを分離する。
【0053】
腔確保具60を皮下組織の下部に留置すると、腔確保具60の空洞部67によって腔Gが確保される。そこで、図19に示すように、腔確保具60の本体62の一方の内視鏡ガイド筒70に硬性内視鏡80の挿入部80aを挿入し、挿入部80aの先端部を腔Gに挿入する。また、本体62の一端側から横穴65を介して処置具、例えば鋏鉗子91を挿入し、鉗子部91aを腔Gに挿入する。さらに、本体62の一方の開口63から処置具、例えばフックプローブ92を挿入してフック部92aを腔Gに挿入する。
【0054】
このように本体62の一端側から硬性内視鏡80、鋏鉗子91およびフックプローブ92を同時に挿入することができ、硬性内視鏡80によって腔Gを観察しながらフックプローブ92によって血管上結合組織300を血管Cから引き離し、その血管上結合組織300を鋏鉗子91によって切断して血管上結合組織300を血管Cから切り離すことができる。
【0055】
図20は硬性内視鏡80における腔G内の観察像であり、本体62の内周壁、開口63、横穴65、血管上結合組織300、血管Cおよび血管Cの途中から横方向に延びる側枝Fを観察することができる。
【0056】
図21は鋏鉗子91を鋏ガイド93のガイド溝94に入れ、鋏鉗子91をガイド溝94内を摺動して血管上結合組織300にアプローチしやすくした状態を示す。図22は鋏鉗子91によって血管上結合組織300を切断する直前を示す。図23は鋏鉗子91によって血管上結合組織300を切断し、血管Cおよび側枝Fが露出した状態を示す。
【0057】
図24は処置具としてのクリップアプライヤ95によってクリップ96を変形させ、側枝Fを途中を挟んだ状態を示す。図25は2個のクリップ96によって挟まれた側枝Fの途中を鋏鉗子91によって切断する直前および切断した状態を示す。側枝Fを切断した後、以上の操作を、他の皮切部E2−E3間およびE3−E4間についても同様に行い、最終的に1本の血管(60〜90cm)を採取する。
【0058】
前記フックプローブ92は、図26に示すように、例えばステンレス材料からなるシャフト92aと、このシャフト92aの両端に設けられた第1と第2のフック92b,92cとから構成されている。
【0059】
第1と第2のフック92b,92cは基本的に同形状であるが、第1のフック92bは右回りに半円形状に湾曲しており、第2のフック92cは左回りに半円形状に湾曲しており、第1と第2のフック92b,92cはシャフト92bの軸に対して垂直となるように偏って設けられている。
【0060】
第1と第2のフック92b,92cは偏平板状部材を略C字状に湾曲したものであり、その先端部は先細りに形成され、生体組織に穿刺しやすく、引っ掛けやすい形状になっている。
【0061】
図27はフックプローブ92の使用状態を示し、図は硬性内視鏡80の観察像であり、同図(a)は腔確保具60の開口65aの右寄りからフックプローブ92を挿入し、第1のフック92aによって右側からアプローチした場合であり、同図(b)は腔確保具60の開口65aの左寄りからフックプローブ92を挿入し、第2のフック92cによって左側からアプローチした場合である。いずれも血管Cの途中に第1または第2のフック92b,92cを引っ掛けて引き上げた状態を示すが、血管上結合組織300を血管Cから引き離し、その血管上結合組織300を鋏鉗子91によって切断して血管上結合組織300を血管Cから切り離すこともできる。
【0062】
さらに、硬性内視鏡80は腔確保具60の略上面に設置され、硬性内視鏡80に対して右側と左側の開口65aより各種処置具が挿入されるが、この時、フックプローブ92自身で血管Cを剥離するような場合には、術者が右利きの場合、右手でフックプローブ92を持ち、右側の開口65aからフックプローブ92を挿入したほうが操作性がよい。この時、右回りに湾曲した第1のフック3が硬性内視鏡17の視野をけらず適している。一方、他の処置具を使うときには、左手でフックプローブ1を持ち、右手で他の処置具を持った方がよい。この場合は、左回りに湾曲している第2のフック4であることが硬性内視鏡17の視野をけらず適している。
【0063】
なお、フックプローブ92は、図28に示すように、シャフト92aの端部から一体に湾曲するフック98としてもよい。このフック98は正面視では略C字状に湾曲しているが、フック98の手前側の縁部98aは傾斜している。さらに、フック98の肉厚は手前側の縁部98aに向かって漸次肉薄になっている。
【0064】
図29〜図47は第2の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付している。
【0065】
まず、内視鏡的に血管を採取する方法として下肢の血管を採取する手順を概略的に説明すると、図29は下肢を示し、大腿の鼠頸部Aから膝Dの上に亘る伏在静脈等の採取対象血管(以下、血管という)Cを採取する場合、血管Cの直上で大腿の鼠頸部Aにメス等により皮切部E1を設ける。
【0066】
そして皮切部E1より剥離鉗子等により血管Cを露出させる。さらに、皮切部E1より肉眼で観察可能な距離について、血管Cの直上組織を同様の剥離鉗子等で剥離する。
【0067】
図30は図29のW−W線に沿う断面図であり、図30(a)に示す、100は表皮、200は皮下組織、300は血管上結合組織であり、この血管上結合組織300の下部に前記血管Cが存在する。まず、図30(b)に示すように、剥離子10を用い血管Cとその周囲組織とを剥離して腔Gを形成する。
【0068】
剥離子10に硬性内視鏡20を挿入して固定する。剥離子10の先端部を鼠頸部Aの皮切部E1より膝Dに向かって血管Cの上方に沿わせるようにして挿入する。
【0069】
この場合、剥離子10の先端部が透明部材で形成されているため、硬性内視鏡20で血管Cや側枝Fを鮮明に観察できる。剥離子10の挿入に際しては、硬性内視鏡20で血管Cの進行を確認しつつ、少し押し込み、また少し戻すという操作により徐々に進める。剥離子10を膝Dの近傍まで血管Cに沿って挿通する。次に剥離子10の先端部直上の皮膚に小切開を行ない、剥離子10の先端部を皮切部E2より体外へ貫通させる。
【0070】
次に、剥離子10を体内に留置したまま硬性内視鏡20を抜き取り、剥離子10の手元側端部の鼠頸部Aの皮切部E1側に組織保護具30を取り付ける。そして、図30(c)に示すように、剥離子10を膝Dの上の皮切部E2から引き、組織保護具30を剥離子10で剥離した腔G内へ引き込む。なお、組織保護具30の断面方向の断面積は剥離子10の断面方向の断面積とほぼ等しいため、組織保護具30の挿入に際してはほとんど力を必要としない、組織保護具30は剥離子10の手元側端部が皮切部E2より引き出した後、剥離子10を組織保護具30より切り離し、組織保護具30を腔G内に留置する。
【0071】
次に、図39に示す、腔作成具50を用いて腔Gの拡張を行う。腔作成具50は組織保護具30の上面の溝30aに合わせて、図38に示す、先端がテーパ状に細くなったダイレーターフック101を膝D上方の皮切部E2から、鼠頸部Aの皮切部E1まで挿入する。
【0072】
腔作成具50は先端側が偏平の略菱形形状で、その幅が小さいものから大きいものまで複数個(例えば50a〜50d)用意されている。ダイレーターフック101の先端部に最も小型の腔作成具50aを装着する。なお、皮切部E1の切開部の大きさは、腔作成具50の最も大きいサイズのものが挿入可能な大きさとしてある。
【0073】
次に、図30(d)に示すように、ダイレーターフック101のハンドル部を持ち、腔作成具50の突起52を組織保護具30の溝30aに沿わせて鼠頸部Aの皮切部E1から、膝Dの上方の皮切部E2近傍までゆっくり引く。
【0074】
腔作成具50aが皮切部E2まで到達後、ダイレーターフック101を押し、腔拡張具50aを鼠頸部Aの皮切部E1まで戻し、皮切部E1から腔拡張具50aを取り出し、ダイレーターフック101から取り外す。次に大きい腔拡張具50bを同様の操作で挿入・摘出する。同様の操作を順次大きな腔拡張具50cについて行い最終的に最も大きい腔拡張具50dまで行う。
【0075】
次に図30(e)に示すように、腔確保具60の留置を行う。図41に示すように、腔確保具60の先端部61bのガイド凸部60aを組織保護具30の溝30aに沿わせて鼠頸部Aの皮切部E1より膝Dの上方の皮切部E2まで挿入する。
【0076】
なお、腔確保具60の断面方向の最大断面積より、最終(最も大きい)の腔作成具50aの断面方向の断面積が大きくなるまで腔拡張を行うため、腔確保具60の挿入には、ほとんど力を必要としない。以上より血管Cが腔確保具60で作られた腔Gの中に露出する。
【0077】
次に、腔確保具60の内視鏡ガイド筒62fに硬性内視鏡20を挿入し、腔Gの全体を観察する。もし剥離子10が血管Cの直上の層を通過した場合、血管Cは完全に露出した状態となっているが、剥離子10が血管Cを膜状組織を介して通過するような場合、血管Cの上側の血管上結合組織300が覆った状態となっており、この血管上結合組織300をまず除去する必要がある。血管上結合組織300の除去は後述する。
【0078】
次に、内視鏡的血管採取方法および採取に用いる器具の詳細を説明する。
【0079】
図31は硬性内視鏡20を示し、図32は剥離子10を示す。この硬性内視鏡20は観察光学系と照明光学系を内挿する硬性の挿入部2と、この挿入部2の基端部は設けられた内視鏡接続部3を有する内視鏡本体部4とから構成されている。
【0080】
挿入部2の先端部には挿入部2の軸線に対して傾斜する傾斜型の観察窓および照明窓を有する先端構成部5が設けられている。内視鏡本体部4にはライトガイドケーブル(図示しない)と接続されるコネクタ7が設けられている。
【0081】
前記剥離子10は細長い管状で硬性内視鏡20が挿入可能なパイプからなる本体部11と本体部11の手元側の太径パイプ部13と本体部11の先端側に接続され硬性内視鏡20の先端構成部5を覆う透明な先端部12とから構成されている。
【0082】
図32に示すように、先端部12は透明な合成樹脂材料によって略円筒状に構成されており、かつ閉塞されて形成されている。斜面15aと観察部15bとの稜線部16は、血管を傷つけないよう鈍的形状をしている。これまでの検討結果よりこの稜線部16には少なくとも曲率半径1mm以上、望ましくは曲率半径3mm程度のR面が必要であり、稜線部16の曲率半径を小さくすると血管、特に側枝の切断が生じることが判明した。
【0083】
また、先端部12の軸方向の長さは約20mm程度で、先端部12の直径をφAとし、本体部11の直径φBとすると、φA>φBの形成されている。これまでの検討結果より、φAは約8.5mm、φBは約6mmとすると、血管に損傷を与えず、かつ効率的に血管周囲の剥離が可能であることが判明した。
【0084】
太径パイプ部13は、後述するシースホルダー110に嵌合するとともに、太径パイプ部13の直径φCは、先端部12の直径φAより小さくしてある。
【0085】
また、図33に示すように、太径パイプ部13の基端部にはシースホルダー110に設けられたピン18aと係合する係合溝17aが設けられ、常に剥離子10を内視鏡2に装着したとき、剥離子10の回転方向の位置が自動的に定まるようにしてある。さらに、太径パイプ部13には、後述する組織保護具30を引っ掛けるようなスリット13aが設けられている。
【0086】
シースホルダー110は、硬性内視鏡20との接続部18bと、剥離子10との接続部18cより構成されている。硬性内視鏡20との接続部18bは、硬性内視鏡20のライトガイド(図示しない)のコネクタ7へ固定が可能となっている。一方、剥離子 10との接続部18cには、固定ねじ18dが設けられている。そして、剥離子10を固定ねじ18dで締め付けて固定するようになっている。また、接続部18cには、位置決めピン18aが設けられ、剥離子10の太径パイプ部13の基端部の係合溝17と係合するようになっている。
【0087】
次に、作用について説明する。
【0088】
硬性内視鏡20のシースホルダー110を挿入し、ライトガイド(図示しない)のコネクタ7にシースホルダー110の接続部18bを固定する。次に、剥離子10を硬性内視鏡20の挿入部2に挿入し、剥離子10の係合溝17とシースホルダー110の位置決めピン18aの向きに合わせた状態で係合し、固定ねじ18dをねじ込み、剥離子10を硬性内視鏡20に対して固定する。
【0089】
このように硬性内視鏡20の挿入部2に剥離子10を嵌合すると、図32に示すように、先端構成部5が剥離子10の先端部12の内部で、先端近傍に位置し、先端部12の斜面15aが斜め上向きになるのに対し、先端構成部5の観察方向中心Oは斜め下向きとなる。
【0090】
図34(a)は硬性内視鏡20に剥離子10を装着し、皮切部E1に挿入した状態を示す。皮切部E1から剥離子10の先端部12を表皮100と血管Cの間で、血管C近傍の血管上結合組織300または皮下脂肪層200に挿入する。この時の硬性内視鏡20の観察像は、図34(b)に示すようになり、硬性内視鏡20の視野内に剥離子10の先端部12と血管上組織300を含む血管Cが入る。
【0091】
この状態で、剥離子10を押し進めると、血管Cと血管上組織300の間が剥離され、血管Cが露出し、血管Cの途中の側枝Fも露出して硬性内視鏡20の視野内に入る。この時、観察部15bと斜面15aの稜線部16がエッジの場合、側枝Fを切断するが、曲率半径3mm程度のR面としてあるため、側枝Fを切断することなく剥離子10の挿入が可能である。以上より、硬性内視鏡20によって血管Cを観察しながら血管Cと血管上組織300とを剥離することができる。
【0092】
剥離子10を血管Cに沿って採取領域全長にわたり挿入した後、皮膚100を通して剥離子10の先端部12を確認し、剥離子10の先端部12直上に剥離子10が貫通可能な大きさの皮切E2を設け、皮切E2より剥離子10の先端部を突出させる。
【0093】
次にシースホルダー110の固定ねじ18dを緩め、剥離子10から硬性内視鏡20を抜去し、剥離子10のみを皮切部E1から皮切部E2まで貫通した状態で留置する。
【0094】
次に、組織保護具30について説明すると、図35に示すように構成されている。すなわち、保護具本体31は皮下組織内へと挿入可能な板状の長尺部材として形成されており、保護対象となる皮下組織を覆って保護することができる幅と、皮切部E1と皮切部E2との間隔よりやや長い長さを有している。また保護具本体31の基端部には幅方向に張り出した張出部32が設けられている。この張出部32は前記皮切部E1から皮下組織内へ挿入不可能な幅で張り出している。
【0095】
また、保護対象となる皮下組織を覆う保護具本体31の保護面33、つまり下面は凹凸の無い滑らかな平面に形成されている。また保護面33と反対側の面、つまり上面34には溝30aが軸方向に全長に亘って形成されている。
【0096】
なお、組織保護具30を皮下組織内に容易に挿入できるように、組織保護具31の先端側は先細りのテーパー状に形成されている。また、組織を傷つけないように、保護具本体31の先端縁は滑らかな鈍形状に形成されている。図36は、組織保護具30と剥離子10の接続方法について示す。組織保護具30の先端側には剥離子10のスリット13aに引っ掛かって着脱自在に接続可能な接続穴31aが設けられている。
【0097】
次に、組織保護具30を用いて保護対象となる皮下組織を覆って保護する場合には、皮切部E1から突出している剥離子10のスリット13aに、組織保護具30の接続穴31aを接続する。この状態で、剥離子10の皮切部E2から突出している先端部12を引き、剥離子10を皮下組織内から引き出すと共に、組織保護具30を血管Cと血管上結合組織300の間の剥離腔に引き込む。このとき、組織保護具30の断面積を剥離子10の断面積以下としておけば、組織保護具30を血管Cと血管上結合組織300との間に容易に挿入することができる。
【0098】
図37は、剥離子10に代わって組織保護具30が血管Cと血管上結合組織300との間に挿入されて留置された状態を示している。この状態では、組織保護具30から剥離子10が取り外され、血管Cが組織保護具30の保護面33によって上側から完全に覆われている。
【0099】
図38はダイレーターフック101を示し、図39は腔作成具50を示す。
【0100】
ダイレーターフック101の先端部40aは、先端に向かって傾斜した形状となっている。したがって、ダイレーターフック101を組織保護具30の溝31aに沿わせて皮下組織内に挿通させる際、先端部40aが皮下組織を引っかけることはない。
【0101】
また、ダイレーターフック101の先端部40aには腔作成具50と接続するためのフック40bが設けられている。一方、腔作成具50にはダイレーターフック101のフック40bと係合する接続穴51が設けられている。なおフック40bと接続穴51は、ダイレーターフック101の軸線上に対し、腔作成具50の長手軸線を約90°回転した向きでのみ、接続可能な構造となっている。
【0102】
この状態で、今度は図40に示すように、皮切部E2より、組織保護具30の溝30aに沿ってダイレーターフック101を導入し、皮切部E1まで挿通し、先端部40aを皮切部E1から突出させる。
【0103】
ダイレーターフック101の先端部40aに最小サイズの腔拡張具50aを取り付け、血管Cと血管上結合組織300の間の剥離空間に引き込む。このとき、図30(d)に示すように、腔作成具50はその下面に長手方向に沿って形成された突起52が溝30aにガイドされながら引き込まれる。これによって、血管Cと血管上結合組織300との剥離状態が腔作成具50の拡張部38によって広げられて、血管Cの上側すなわち組織保護具30の上側に、剥離子10で形成された腔より広い腔が形成される。
【0104】
最小サイズの腔拡張具50aを皮切部E2まで引き込んだ後、ダイレーターフック101を押して腔作成具50aを皮切部E1より取り出す。ダイレーターフック101より腔作成具50aを取り外し、次に大きい腔作成具50bを装着し、同様に皮切部E1より引き込み、皮切部E2まで挿通後、皮切部E1まで戻す。この操作を最大の大きさの腔作成具50dまで順次行う。
【0105】
最大の大きさの腔作成具50dを挿通し、血管Cの上側に所定の大きさの腔Gを形成したら、次に腔確保具60によって腔Gを確保する。
【0106】
図41(a)(b)(c)は腔確保具60を示す、腔確保具60の後端側61aには開口62aおよび硬性内視鏡20を挿入する内視鏡用開口62bを有するアーチ状の土台62cと、先端側61bには円錐筒状体を径方向に2分割した形状の先端部62dより形成されている。
【0107】
さらに、先端部62dの下面側にはガイド凸部60aが設けられ、組織保護具30の溝30aには嵌合するように形成されている。土台62cと先端部62dの間には4本の硬性のシャフト62e、および硬性内視鏡20を挿通可能な内視鏡ガイド筒62fが設けられている。したがって、腔確保具60の全長に亘ってシャフト62eと土台62cおよび先端部62dにより形成される側面開口62gが形成される。
【0108】
以上のように構成した腔確保具60を、組織保護具30のガイド溝30aに沿って皮切部 E1より腔確保具60で作成した腔内に皮切部E2近傍まで挿入する。腔拡張具50で作成した腔は腔確保具60の断面積より大きいこと、および先端部63がテーパー状になっていることより、ほとんど抵抗無く挿入が可能である。なお、皮切部E2は小切開であり、腔確保具60の先端部63を貫通することはできない。
【0109】
図42(a)は腔確保具60を腔内に挿入した状態を示す。続いて腔確保具60を留置したまま、組織保護具30を皮切部E1側よりゆっくり引き抜く。図42(b)は腔確保具60の留置を完了した状態を示す。
【0110】
以上より、腔確保具60は後端側61aの一部を皮切部E1より突出した状態で、皮切部E1から皮切部E2に亘って留置され、伏在静脈である血管Cの直上に腔Gが確保される。
【0111】
次に、図43に示すように、腔確保具60の後端側61aの土台62cの内視鏡用開口62bより硬性内視鏡20から、腔G内へ挿入する。内視鏡用テレビカメラ99aは硬性内視鏡20に接続され、内視鏡画像はモニター99bに表示される。術者は硬性内視鏡20をスライドさせることにより、処置領域全長を容易に観察可能である。
【0112】
また腔確保具60の一方の側面開口62gを介して処置具、例えば鋏鉗子91を挿入し、鉗子部91aを腔Gに挿入する。さらに他方の側面開口62gから例えばフックプローブ92を挿入して、フック部92aを腔Gに挿入する。
【0113】
このように、腔確保具60の後端側61bから硬性内視鏡20、鋏鉗子91およびフックプローブ92を同時に挿入することができ、硬性内視鏡20によって腔Gを観察しながらフックプローブ92によって血管上結合組織300を血管Cから引き離し、その血管上結合組織300を鋏鉗子91によって切断し、血管上結合組織300を血管Cから引き離すことができる。
【0114】
図44は硬性内視鏡20における腔G内の観察像であり、腔確保具60のシャフト64、側面開口62g、先端部62d、および血管Cや血管Cの途中から横方向に延びる側枝Fを観察することができる。
【0115】
図45は処置具としてのクリップアプライヤ95によってクリップ96を変形させ、側枝Fの途中を挟んだ状態を示す。図46は2個のクリップ96によって挟まれた側枝Fの途中を鋏鉗子91によって切断する直前および切断した状態を示し、図47は側枝Fの途中を鋏鉗子91によって切断した状態を示す。
【0116】
以上の操作を皮切部E1から皮切部E2に亘り行い、最終的に皮切部E1と皮切部E2の部位で血管Cを切断し、腔G内より採取する。これにより約25cmの血管Cの摘出が完了する。
【0117】
さらに長い血管が必要な場合には、膝上の皮切部E2より鼠頸部Aに向かって同様の処置を行うと共に、皮切部E2より膝方向に対しても同様の処置を行うことで、皮切部E2を中心として鼠頸部側と足首側の血管を一度に50〜60cmの血管Cを採取することができる。
【0118】
図47は、図26に示す第1の実施形態のフックプローブ92の使用状態を示し、硬性内視鏡20の観察像であり、図47(a)は腔確保具60の側面開口62gの右寄りからフックプローブ92を挿入し、第1のフック92bによって右側からアプローチした場合であり、図47(b)は腔確保具60の側面開口62gの左寄りからフックプローブ92を挿入し、第2のフック92cによって左側からアプローチした場合である。いずれも血管Cの途中に第1と第2のフック92b,92cを引っ掛けて引き上げた状態を示すが、血管上結合組織300を血管Cから引き離し、その血管上結合組織300を鋏鉗子91によって切断して血管上結合組織300を血管Cから切り離すこともできる。
【0119】
さらに、硬性内視鏡20は腔確保具60の略上面に設置され、硬性内視鏡20に対して右側と左側の側面開口62gより各種処置具が挿入されるが、このとき、フックプローブ92自身で血管Cを剥離するような場合には、術者が右利きの場合、右手でフックプローブ92を持ち、右側の側面開口61cからフックプローブ92を挿入した方が操作性がよい。このとき、右回りに湾曲した第1のフック92bが硬性内視鏡20の視野をけらず適している。一方、他の処置具を使うときには、左手でフックプローブ 92を持ち、右手で他の処置具を持った方がよい。この場合は、左回りに湾曲している第2のフック92cであることが硬性内視鏡20の視野をけらず適している。
【0120】
本実施形態によれば、血管に損傷を与えることなく、また皮膚に大きな切開を加えることなく血管の摘出が可能となり、術後の合併症のリスクが軽減できると共に、美容的にも優れた結果が得られる。
【0121】
ところで、従来の内視鏡的血管採取術においては、下肢の伏在静脈等の皮下血管を採取する場合、メス等によって表皮をその皮下の血管に沿って切開し、さらに表皮の下層の脂肪組織、血管上結合組織まで切開して採取しようとする長さの血管を露出させ、露出した血管の両端を切断して体外に採取する手技もある。
【0122】
しかし、このような採取術は、表皮に大きな切開を加えるため、治癒までの時間が長くかかるとともに、切開部が瘢痕状となり硬化するため、足を動かすとき、引きつって痛みを感じるという問題がある。
【0123】
そこで、特公平4−10328号公報に示すように表皮の一部をメス等によって皮切し、その皮切部から内視鏡用案内管を皮下組織に挿入し、内視鏡によって観察しながら処置することが試みられている。
【0124】
このように内視鏡によって観察しながら処置する際には、前述した各実施形態で示したフックプローブ92が適しているが、従来においては、米国特許第5,318,582号明細書、米国特許第5,346,503号明細書および米国特許第5,356,419号明細書に示すようなフック型プローブが用いられている。このフック型プローブは、シャフトの一端にフックが、他端にハンドルが設けられ、ハンドルを持って先端のフックを組織に引っ掛けて排除したり、組織の一部を切除することができる。
【0125】
しかしながら、この従来のフック型プローブにあっては、シャフトの一端に設けられたフックの形状のみが異なる複数種類のプローブが処置部の状況に応じて選択的に使用されている。したがって、処置部の状況が変わる度毎に助手とのプローブの受け渡しが必要となり、手術に時間がかかっていた。
【0126】
また、例えば血管を周囲組織から剥離する場合には、把持鉗子で周囲組織を摘み上げ、鋏鉗子で切断することが一般に行なわれている。しかし、この方法では、操作が煩雑であり、また、手術時間が長くなる。
【0127】
そこで、以下に示す実施形態では、術者と助手との間での器具の受け渡しの操作を減らし、手術時間を短縮することができるフックプローブについて説明することとする。
【0128】
図48〜図50は第3の実施形態を示し、軸方向に進退自在な2本のシャフトと、これらシャフトの先端部に設けられシャフトの進退操作によって開閉し、シャフトの側方に突出する前後一対のフックと、前記シャフトを進退操作する操作部とからなる開閉式フックプローブに関し、130は開閉式フックプローブである。開閉式フックプローブ130の操作部131には先端側に開口する内腔132が設けられ、この内腔132の中心部には基端部が操作部131に固定され、先端部が内腔132から前方に突出するシャフト133が設けられている。このシャフト133には軸方向に進退自在なパイプ134が嵌合されている。
【0129】
そして、シャフト133の先端部には第1のフック135が固定され、パイプ134の先端部には第2のフック136が固定されている。第1のフック135と第2のフック136は基本的に同一形状で、略C字状に湾曲してシャフト133およびパイプ134の側方に突出している。
【0130】
パイプ134の基端部には操作部131の内腔132に位置する固定部材137が取り付けられ、この固定部材137には操作部131に設けられた長孔138を貫通して外部に突出するピン139が突設されている。そして、このピン139の先端部には操作ボタン140が設けられ、術者が操作部131を握り、操作ボタン140を進退することにより、パイプ134が進退して第1と第2のフック135,136の開閉するようになっている。
【0131】
したがって、第1と第2のフック135,136によって組織を挟み、組織を採取することができると共に、図50に示す硬性内視鏡の観察像のように、開閉式フックプローブ130を腔Gに挿入し、第1と第2のフック135,136を閉じた状態で、血管上結合組織300にアプローチし、血管Cの下側に第1と第2のフック135,136を潜らせ、ついで第1と第2のフック135,136を開くことにより、血管上結合組織300を引き開いて血管Cを露出させることもできる。
【0132】
また、前記実施形態によれば、第1のフック135を固定し、第2のフック136を可動式にしたが、逆にしてもよく、両方を可動にしてもよい。さらに、第1と第2のフック135,136の外側縁部を鋭利に形成することにより、第1と第2のフック135,136を離間する方向に移動させたときに組織を切り開くことができる。
【0133】
本実施形態によれば、血管の周囲組織からの剥離を複数の処置具を使うことなく、開閉式フックプローブ1本で、容易かつ短時間でできるという効果がある。図51は第4の実施形態を示し、図51(a)は縦断側面図、図51(b)は矢印U方向から見た矢視図である。141は開閉式フックプローブを示す。開閉式フックプローブ141は、操作部142と、この操作部142に設けられたシャフト部143およびシャフト部143の先端部に設けられたフック部144とから構成されている。
【0134】
操作部142について説明すると、先端に開口部145を有し、後端に閉塞部146を有する円筒体147が設けられ、この円筒体147の側壁には長軸方向に沿って長孔148が設けられている。さらに、閉塞部146の外周部には雄ねじ部149が形成されていると共に閉塞部146の軸心部には雌ねじ部150が形成されている。
【0135】
雌ねじ部150にはすり割り151を有する固定部材152がねじ込み固定されている。固定部材152の先端部の外周はテーパー形状をしており、さらにその中心には軸方向に貫通する穴が形成されている。前記テーパー側端部では穴の内径部が小径化され、段部153を有している。
【0136】
固定部材152の雄ねじ部149にはキャップ154がねじ込み固定されている。このキャップ154の内奥部には前記固定部材152の先端部に嵌合するテーパ穴155が設けられている。
【0137】
さらに、前記円筒体147の内部には軸方向に貫通孔156aを有するスライダ156が軸方向に移動自在に挿入されている。このスライダ156は前記長孔148を案内として円筒体147の軸方向にスライド自在な操作ボタン157と固定されている。また、円筒体147の内部で前記スライダ156と閉塞部146との間にはコイルスプリング158が介在され、このコイルスプリング158の付勢力によってスライダ156は円筒体147の先端方向に付勢されている。
【0138】
また、前記シャフト部143について説明すると、シャフト160と、このシャフト160に軸方向にスライド自在に嵌合するパイプ161とから形成されている。そして、シャフト160の基端部はスライダ156の貫通孔156aを貫通して固定部材152に固定され、パイプ161の基端部はスライダ156に固定されている。そして、スライダ156の前後方向の移動によってパイプ161が進退するようになっている。
【0139】
また、前記フック部144について説明すると、第1のフック162と第2のフック163とからなり、第1のフック162の基端部は前記シャフト160の先端部に固定され、第2のフック163の基端部は前記パイプ161の基端部に固定されている。
【0140】
第1のフック162は半円弧状に形成され、その先端が鋭利である尖端部162aを有している。第2のフック153も第1のフック152と同様に半円弧状に形成され、その先端が鋭利である尖端部163aを有している。さらに、第1と第2のフック162,163の基端部には互いに係合する凹凸部164が形成されている。
【0141】
したがって、操作部142の操作ボタン157に手指を掛け、コイルスプリング158の付勢力に抗して後退させると、スライダ156が円筒体147の内部に引き込まれる。スライダ156の後退に伴ってパイプ161を介して第2のフック163が第1のフック162から離れて開き、操作ボタン157から手指を放すと、コイルスプリング158の付勢力によってスライダ156が前進し、パイプ161を介して第2のフック163が第1のフック162と当接する。
【0142】
したがって、第3の実施形態と同様に、開閉式フックプローブ141を腔Gに挿入し、第1と第2のフック162,163を閉じた状態で、血管上結合組織300にアプローチし、血管Cの下側に第1と第2のフック162,163を潜らせ、ついで第1と第2のフック162,163を開くことにより、血管上結合組織300を引き開いて血管Cを露出させることもできる。
【0143】
また、前記実施形態によれば、第1のフック162を固定し、第2のフック163を可動式にしたが、逆にしてもよく、両方を可動にしてもよい。さらに、第1と第2のフック162,163の外側縁部を鋭利に形成することにより、第1と第2のフック162,163を離間する方向に移動させたときに組織を切り開くことができる。
【0144】
また、本実施形態の開閉式フックプローブ141はユーザーによる組み立てが可能である。すなわち、第2のフック163を有するパイプ161に対し、第2のフック163側から第1のフック162を有するシャフト160を挿入する。そして、第1のフック162と第2のフック163の凹凸部164を位置合わせした状態で、シャフト160およびパイプ161を操作部142挿入する。
【0145】
この際、スライダ156と閉塞部146との間にコイルスプリング158を挟み、さらに、長孔148で操作ボタン157の軸部分をガイドする。そして、シャフト160の先端部を固定部材152の段部153に突き当てる。ついで、円筒体147の雄ねじ部149にキャップ154をねじ込むことでテーパ穴155が固定部材152のテーパ部に押し当てられ、シャフト160を締め付け固定することができる。
【0146】
このように開閉式フックプローブ141を分解可能としたことから洗浄性がさらに向上し、また、第1と第2のフック162,163に凹凸部164を設け、さらにシャフト160の固定部材152に突き当て用の段部153を設けたことにより第1と第2のフック162,163の先端位置を合わせた状態での組み立てが容易になった。
【0147】
また、コイルスプリング158を装着することで、通常の状態ではフック部144は閉じた状態になり、不用意に爪の鋭利な部分で生体組織を傷つけることが無く、安全に処置ができる。
【0148】
図52は第5の実施形態を示し、図52(a)は側面図、図52(b)は正面図である。フックプローブ165の基端部にはグリップ166が設けられ、このグリップ166にはフックマーク167とアップマーク168が刻まれている。
【0149】
フックマーク167は先端部のC字形状のフック169の曲がり方向とその大きさによって変更するものである。また、アップマーク168はフック169の先端部の向きを示している。
【0150】
このように構成することにより、フックマーク167を見ることでフック169の形状・大きさの確認ができ、グリップ166を見ただけでフック169の形状が判り、また、アップマーク168によりフック169の先端方向が判るので、使い勝手が向上する。
【0151】
図53は第6の実施形態を示し、図53(a)は縦断側面図、図53(b)は矢印H方向から見た矢視図である。基本的構成は第4の実施形態と同じであるが、コイルスプリング158がない構造である。このように構成することにより、フック部144の開閉に対する負荷がなく、術者は、フック部144の微妙な開閉操作が可能となり、より微細な処置が可能となる。また、分解時にバラバラとなる部品が少なくなり操作性が向上する。
【0152】
以上説明してきた各実施形態は、明細書の冒頭で説明した従来技術に比べれば遥かに低侵襲である。しかし、皮膚を約4cmにわたって切開し、また、皮下に同様な大きさの剥離腔を作る必要がある。そこで、第7の実施形態では、前述した各実施形態よりもさらに低侵襲な内視鏡的血管採取システムを提供する。
【0153】
この第7の実施形態において内視鏡的に血管を採取する場合、例えば下肢の血管を採取する場合には、前述した第2の実施形態と同様、図29に示すように、大腿の鼠頸部Aから膝Dの上に亘る伏在静脈等の採取対象血管Cの直上で大腿の鼠頸部Aにメス等により皮切部E1を設ける。そして、皮切部E1において剥離鉗子等により血管Cを露出させる。さらに、皮切部E1を通じて肉眼観察可能な距離で、血管Cの直上組織を同様の剥離鉗子等で剥離する。
【0154】
次に、第2の実施形態で示した剥離子10(図32参照)に硬性内視鏡20を挿入して固定する。そして、この挿入固定状態で、剥離子10の先端部12を鼠頸部Aの皮切部E1から膝Dに向かって血管Cの上方に沿わせるようにして挿入する(図34参照)。この場合、剥離子10の先端部12が透明部材で形成されているため、硬性内視鏡20で血管Cや側枝Fを鮮明に観察できる。なお、剥離子10の挿入に際しては、硬性内視鏡20で血管Cの進行を確認しつつ、剥離子10を少し押し込み又少し戻すという操作により徐々に進める。これによって、剥離子10を膝Dの近傍まで血管Cに沿って挿入したら、次に、剥離子10の先端部12の直上の皮膚に小切開を加え、その皮切部E2を通じて剥離子10の先端部12を体外へ導出させる。
【0155】
次に、剥離子10を体内に留置したまま、剥離子10から硬性内視鏡20を抜き取り、鼠頸部Aの皮切部E1側に位置する剥離子10の手元側端部に組織保護具30を取り付ける。そして、剥離子10を膝Dの上の皮切部E2から引き出して、組織保護具30を剥離子10で剥離した腔G内へ引き込む。なお、この場合、組織保護具30の幅方向の断面積は剥離子10の幅方向の断面積とほぼ等しいため、組織保護具30の挿入に際してほとんど力を必要としない。その後、組織保護具30は、剥離子10の手元側端部が皮切部E2から引き出された後に、剥離子10から切り離され、腔G内に留置される(図37参照)。
【0156】
次に、図54に示すように、硬性内視鏡20を再び装着した剥離子10を、組織保護具30の上面側の溝30aに沿わせながら、皮切部E1から挿入して皮切部E2まで貫通させて引き抜く。これによって、剥離腔Gが少し拡張される。
【0157】
次に、図55に示すように、図56に示す第2の剥離子10Aを、組織保護具30の上面の溝30aに沿わせながら、皮切部E1から挿入して皮切部E2まで貫通させて引き抜く。第2の剥離子10Aは、図56に示すように、その先端部12Aの幅方向の断面積が剥離子10の先端部12のそれよりも大きくなっている。また、この先端部12Aは、透明材料により形成され、その形状が剥離子10の先端部12に類似している。したがって、第2の剥離子10Aを皮切部E1から挿入して皮切部E2まで貫通させて引き抜くと、剥離腔Gはさらに拡張されて後述する腔確保具60Aが挿入可能な大きさとなる。
【0158】
図57は、本実施形態に係る腔確保具172を示している。図示のように、腔確保具172は、外套管172Aと、外套管172A内に挿入可能な2つの内筒管172B,172Cとから構成されている。外套管172Aは、略円筒形状をなしており、その両端が開口している。また、外套管172Aはその両端部を除くその略全長にわたって側面が所定の深さ切り欠かれており、これによって、側方に開口する側口173が形成されている。なお、外套管172Aの外径は約10mmから20mmが適当である。
【0159】
腔確保具172の第1の内筒管172Bは、その内部に硬性内視鏡20を挿通することができる。硬性内視鏡20は、内筒管172B内に挿通された状態では、内筒管172Bの手元側に設けられた固定ネジ174によって内筒管172Bに対して固定される。また、腔確保具172の第2の内筒管172Cは、血管を処置するための後述する処置具をその内部に挿通することができる。
【0160】
なお、組織を傷付けないように、外套管172Aと各内筒管172B,172Cの両端開口縁はエッジを有していない。
【0161】
図58には、外套管172Aに着脱自在に取り付けられ且つ外套管172Aの挿入を案内補助するための挿入補助具175が示されている。図示のように、挿入補助具175は、先端がテーパ状に形成された先端部175aと、先端部175aにネジ固定により着脱自在に取り付けられる支持部175bとからなる。支持部175bは、長尺な軸部176と、軸部176の端部に設けられた手元部177とからなる。
【0162】
挿入補助具 175を外套管172Aに取り付けた状態が図59に示されている。このように取り付ける手順としては、例えば、挿入補助具175の軸部176を外套管172A内に挿入して手元部177を外套管172Aの一方側の開口端面に当接させた状態で、外套管172Aの他方側の開口から突出する軸部176のネジ部に先端部175aを捩じ込んで、先端部175aの手元側端面を外套管172Aの他方側の開口端面に当接させれば良い。これによって、先端部175aの当接状態が支持部175bによって支持され、挿入補助具175は外套管172Aを挟み込むような状態で外套管172Aに取り付けられる。
【0163】
挿入補助具175が取り付けられた外套管172Aは、第2の剥離子10Aによって拡張された腔G内に挿入されて留置される。外套管172Aを皮下内腔Gへ挿入する場合は、まず、外套管172Aに取り付けられた挿入補助具175の先端部175aを組織保護具30の溝30aに沿わせながら一方の皮切E1から他方の皮切E2へと貫通させる。そして、貫通後、外套管172Aから挿入補助具175を取り外す。この状態が図60に示されている。
【0164】
以上の作業が終了したら、今度は、外套管172A内に第1の内筒管172Bと第2の内筒管172Cとを挿入し、その後、組織保護具30を腔G内から抜き取る。この状態が図61に示されている。また、この状態の断面図が図62に示されている。図62に示すように、腔確保具172が血管Cに沿って皮下に留置された状態では、外套管172Aにより組織が上方に持ち上げられる(圧排される)とともに、第1の内筒管172Bと第2の内筒管172Cとによって血管Cとその周囲組織300とが下方に押圧(圧排)され、これにより、血管Cを周囲組織300から分離するための処置が可能な処置空間(腔)Gが確保される。
【0165】
この図62の状態で、今度は、図63の(a)に示すように、第1の内筒管172B内に硬性内視鏡20を挿入する。なお、この場合、硬性内視鏡20によって良好な視野を得るためには、硬性内視鏡20の対物レンズを組織に接触させない状態で硬性内視鏡20の先端部を第1の内筒管172Bの先端近傍部内に位置させることが望ましい。つまり、そのような状態で硬性内視鏡20を第1の内筒管172Bに挿入固定できるように第1の内筒管172Bの長さを設定することが望ましい。この望ましい状態における内視鏡観察像が図63の(b)に示されている。図示のように、血管Cとその側枝Fとが明瞭に観察され、その遠方に第2の内筒管172Cが見える。
【0166】
図63の状態で、第1の内筒管172Bを外套管172A内で移動させれば、一方の皮切部 E1から他方の皮切部E2までの皮下腔Gを観察することができる。また、第1の内筒管172Bと第2の内筒管172Cとの間隔を変えることにより、処置空間(腔)Gの大きさを調整することができる。
【0167】
図64の(a)は、血管Cを周囲組織300から剥離するために、第3の実施形態で示した開閉式フックプローブ130を第2の内筒管172Cを通じて処置空間(腔)G内に挿入した状態を示している。また、この時の内視鏡観察像が図64の(b)に示されている。図から分かるように、開閉式フックプローブ130と硬性内視鏡20とは互いに外套管172Aの反対側から挿入されているため、開閉式フックプローブ130を右方向に動かすと、内視鏡観察像上では開閉式フックプローブ130が左方向へ動く結果となる。したがって、開閉式フックプローブ130の操作が非常に難しくなる。
【0168】
そこで、本実施形態では、図65に示す内視鏡システム500が使用される。この内視鏡システム500において、硬性内視鏡20で得られたイメージは、直角に曲がった光学系を有するビデオアダプター501を介して、撮像素子(図示しない)を内蔵したテレビカメラ502に伝えられ、ここで光学信号が電気信号に変換されて、CCU(カメラコントロールユニット)503に送られる。CCU503からの信号は、画像反転装置504へ送られ、この画像反転装置504で左右反転した映像に変換されて、モニタ505へ送られる。したがって、術者は、実際の処置具の移動方向と合致した映像を見ることができる。
【0169】
開閉式フックプローブ130によって血管Cを周囲組織300から剥離する場合は、まず、内視鏡システム500によって実際の処置具の移動方向と合致した映像を見ながら、開閉式フックプローブ130の先端フック135,136を閉じ、その状態で、先端フック135,136を周囲組織300に刺入して血管Cの下側をくぐらせて反対側に貫通させる(図64の(b)参照)。そして、この状態から今度はフック135,136を徐々に開いていって血管Cを周囲組織300から剥離する。血管Cが周囲組織300から剥離された状態が 図66の(a)に示されている。以上の操作は血管Cの摘出長さにわたって行なわれる。この場合、必要に応じて、図示しない腹腔鏡用剥離鉗子等を使用しても良い。
【0170】
血管Cを摘出長さ(例えば約25cm)にわたって剥離したら、 図66の(b)に示すように、側枝Fの2箇所にクリップ96,96を打ち(図66の(b)参照)、クリップ96,96間の側枝F部位を鋏鉗子で切断する(図66の(c)参照)。そして、このような側枝Fの切断作業を血管Cの摘出長さにわたって行なえば、血管Cを体外に摘出することができる。なお、さらに長い血管を摘出する必要がある場合には、同様の操作を連続して行なえば良い。これにより、鼠頸部Aから足首にいたる血管を摘出することもできる。
【0171】
以上説明したように、本実施形態によれば、非常に小さな皮切から血管を損傷させることなく容易に摘出することができる。なお、本実施形態(無論、前述した各実施形態も同様)によれば、血管だけでなく、皮下の神経の摘出も行なうことができる。
【0172】
図67および図68は本発明の第8の実施形態を示している。本実施形態は第7の実施形態における腔確保具172の変形例であり、それ以外の構成および手技は第7の実施形態と同じである。
【0173】
図68に示すように、本実施形態の腔確保具 180は略円筒形状をなしている。腔確保具180の中央の側面は所定の深さ切り欠かれており、これによって、側方に開口して処置空間(腔)Gを形成するための側口181が形成される。腔確保具180を皮下腔内へ挿入・留置する方法および反転画像を得る内視鏡システムは第7の実施形態と全く同じである。
【0174】
図68の(a)は腔確保具180を皮下腔内に留置した状態を、また、図68の(b)は腔確保具180内に挿入された硬性内視鏡20による内視鏡観察像をそれぞれ示している。腔確保具180の側口181の位置を一方の皮切部E1から他方の皮切部E2まで移動させることにより、血管Cの全長の観察および処置ができる。なお、血管Cの周囲組織300からの分離方法は第7の実施形態と同じである。
【0175】
図69は本発明の第9の実施形態を示している。本実施形態は第8の実施形態における腔確保具180の変形例であり、それ以外の構成および手技は第8の実施形態と同じである。
【0176】
図示のように、本実施形態の腔確保具190は、略円筒形状の本体部190aと、本体部190aの両端にそれぞれネジにより着脱自在な延長部190b,190bとからなる。本体部190aの中央の側面は所定の深さ切り欠かれており、これによって、側方に開口して処置空間(腔)Gを形成するための側口191が形成される。したがって、本実施形態の腔確保具190は、本体部190aと延長部190b,190bとを接続した状態では、第8の実施形態の腔確保具180と同様の形状となる。
【0177】
第8の実施形態の腔確保具180はその全長が比較的長くなるが、本実施形態の腔確保具190は、これを分離式にしたことにより処置領域の長さに応じてその全長を調整することができるため、操作性が向上する。また、延長部190bの長さを複数種用意すれば、使用する処置具の長さに応じた最適な長さの延長部190bを選択使用できるため、さらに操作性が向上する。
【0178】
図70ないし図76は本発明の第10の実施形態を示している。本実施形態は第7の実施形態の腔確保具172の変形例である。したがって、第7の実施形態と同一の構成部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0179】
図70に示すように、本実施形態に係る腔確保具172´の外套管172Aは、側口173を挟んだその両端の円筒部位201,201に切欠210,210を有している。これらの切欠210,210は円筒部位201の全長にわたって形成されている。また、図71に示すように、腔確保具172´の第1および第2の内筒管172B,172Cの先端部にはそれぞれ、中央に凹部203を有する突起部204が設けられている。図72は、図58に示した挿入補助具175を腔確保具172´の外套管172Aに取り付けた状態を示している。図73は、腔確保具172´の外套管172Aに取り付けられた挿入補助具175の先端部175aを組織保護具30の溝30aに沿わせながら一方の皮切E1から他方の皮切E2へと貫通させ、その貫通後、外套管172Aから挿入補助具175を取り外した状態を示している。図74は、本実施形態の腔確保具172´において、図73の状態の外套管172A内に第1の内筒管172Bと第2の内筒管172Cとを挿入した後、組織保護具30を腔G内から抜き取った状態を示している。この状態の断面図が図75に示されている。なお、本実施形態の腔確保具172´において、外套管172A内への第1および第2の内筒管172B,172Cの挿入は、第1および第2の内筒管172B,172Cの突起部204を外套管172Aの切欠210,210に挿入した状態で行われる。この場合、突起部204の凹部203が血管Cに沿って移動される。図75に示すように、腔確保具172´が血管Cに沿って皮下に留置された状態では、外套管172Aにより組織が上方に持ち上げられる(圧排される)とともに、第1の内筒管172Bと第2の内筒管172Cとによって血管Cとその周囲組織300とが下方に押圧(圧排)され、これにより、血管Cを周囲組織300から分離するための処置が可能な処置空間(腔)Gが確保される。特に、第1および第2の内筒管172B,172Cの突起部204は、その中央の凹部203によって血管Cの両端(両側組織)を押さえる。
【0180】
この図75の状態で、第1の内筒管172B内に硬性内視鏡20を挿入した状態が図76の(a)に示されている。また、この時の内視鏡観察像が図76の(b)に示されている。図77の(a)は、血管Cを周囲組織300から剥離するために、第3の実施形態で示した開閉式フックプローブ130を第2の内筒管172Cを通じて処置空間(腔)G内に挿入した状態を示している。また、この時の内視鏡観察像が図77の(b)に示されている。図から分かるように、第1および第2の内筒管172B,172Cの突起部204の凹部203によって血管Cの両端(両側組織)を押さえるようにしているため、血管Cが周囲組織から突出するようになり、先端フック135,136を周囲組織300に刺入して血管Cの下側をくぐらせて反対側に貫通させる処置が容易となる。
【0181】
図78および図79は本発明の第11の実施形態を示している。本実施形態の腔確保具180´は、第8の実施形態における腔確保具180の側口181の近傍下側に、血管Cの沿うように配置され且つ血管Cを周囲組織から浮き上がらせるための窪み部220,220を有している。なお、それ以外の構成は第8の実施形態と同一である。
【0182】
図80は本発明の第12の実施形態を示している。本実施形態の腔確保具190´は、第9の実施形態における腔確保具190の側口191の近傍下側に、血管Cの沿うように配置され且つ血管Cを周囲組織から浮き上がらせるための窪み部220,220を有している。なお、それ以外の構成は第9の実施形態と同一である。
【0183】
図81ないし図83は本発明の第13の実施形態を示している。本実施形態は腔作成具および組織保護具に関するものである。図81の(a)(b)に示すように、本実施形態に係る腔作成具50´は、偏平形状の板部231と、板部231の基端側に設けられた略半球状の膨大部230とからなる。膨大部230は、その先端側から徐々に高さが高くなり、最大の高さとなる頂部から基端側に向かって徐々にその高さが低くなるように形成されている。板部231の先端側下面部位と、板部231の基端側から膨大部230の基端にわたる下面部位とにはそれぞれ、図82に示す組織保護具30´,30´´の溝部30aに係合可能な突起52が形成されている。また、板部231の先端部には、図38に示したダイレータフック101のフック40bと係合する接続穴51が設けられている。
【0184】
腔作成具50´は、その外周の長さが小さいものから大きいものまで複数個用意されている。図81の(c)〜(f)はその一例を示したものである。図81の(c)に示すように、最も外周長が短い第1の腔作成具50a´は、その幅がW1に設定されている。図81の(d)に示すように、第1の腔作成具50a´よりもその外周長が長い第2の腔作成具50b´もW1の幅に設定されている。さらに、図81の(e)に示すように、第2の腔作成具50b´よりもその外周長が長い第3の腔作成具50c´および最も外周長が長い第4の腔作成具 50d´は、その幅がW2に設定されている。
【0185】
なお、本実施形態では、図81の(c)〜(f)に示すように、腔作成具50´として4種類のものが用意されているが、無論、5種類以上もしくはそれ以下のものが用意されていても良い。
【0186】
図82の(a)および(b)には、本実施形態において使用される組織保護具30´,30´´が示されている。図82の(a)に示すように、第1の組織保護具30´は、図35に示した組織保護具30とその形状が同一(したがって、図35に示した組織保護具30と同一の部位については同一符号を付してその説明を省略する)のものであるが、幅寸法がW3に設定されている。この幅W3は、第1および第2の腔作成具50a´,50b´の幅W1以上に設定されている。言い換えれば、第1および第2の腔作成具50a´、50b´が第1の組織保護具30´から幅方向にはみ出さないように、W3≧W1に設定されている。
【0187】
図82の(b)に示すように、第2の組織保護具30´´は、その幅が第1の組織保護具30´の幅W3よりも大きいW4に設定されている。この幅W4は、第3および第4の腔作成具50c´,50d´が第2の組織保護具30´´から幅方向にはみ出さないように、W4≧W2に設定されている。また、第2の組織保護具30´´の先端部下面には、第1の組織保護具30´の溝部30aに係合可能な突起240が設けられている。
【0188】
以上説明した本実施形態の組織保護具30´,30´´および腔作成具 50a´〜50d´を使用して皮下組織に腔を形成する場合には、まず、第2の実施形態で述べたと同様にして第1の組織保護具30´を皮下組織内に留置し(図37参照)、2つの皮切部E1,E2を通じて皮下組織内を貫通されたダイレータフック101の先端部に最も小型の腔作成具50a´を装着する。そして、ダイレーターフック101のハンドル部を持ち、腔作成具50a´の突起52を第1の組織保護具30´の溝30aに係合させながら沿わせた状態で、ダイレーターフック101を皮切部E1から皮切部E2近傍までゆっくり引く。これによって腔作成具50a´がダイレーターフック101の案内によって皮下組織内に挿入されていく。腔作成具50a´が皮切部E2まで到達後、ダイレーターフック101を押し、腔拡張具50a´を皮切部E1まで戻し、皮切部E1から腔拡張具50a´を取り出し、ダイレーターフック101から取り外す。次に大きい腔拡張具50b´を同様の操作で挿入・摘出する。腔拡張具50b´による拡張が終了したら、今度は、第1の組織保護具30´を第2の組織保護具30´´と交換する。この交換は、第2の組織保護具30´´の突起240を第1の組織保護具30´の溝部30aに係合させた状態で溝部30aに沿って押し進め、第2の組織保護具30´´が第1の組織保護具30´とほぼ同様な配置状態まで皮下組織内に挿入された状態で、第1の組織保護具30´をゆっくりと外部に引き抜くことによりなされる。第2の組織保護具30´´への交換が終了したら、同様の拡張操作を第3の腔拡張具50c´について行ない、最終的に最も大きい腔拡張具50d´まで行なう。これによって、腔が段階的に拡張される。
【0189】
図83は、腔作成具50´によって結合組織300が上下方向に引張力を受けて徐々に剥離されていく様子を示した断面図である。このような剥離状態は、前述した膨大部230の形状特性によって有効になされる。なお、膨大部230が頂部を堺に高さが両側で低くなっていることに伴い、腔作成具50´を皮下通過途中に反対方向に動かしても、大きな力量を要さないで済む。なお、図83に示すように、血管Cは組織保護具30´(30´´)の真下に存在する場合(図中破線で示す)と、組織保護具30´(30´´)の下方から外れた位置に存在する場合(図中実線で示す)とがある。したがって、血管Cが組織保護具30´(30´´)の下方から外れた位置に存在する場合には腔作成具によって血管Cを傷付けてしまう虞があるが、本実施形態では、腔作成具50´の幅を組織保護具30´(30´´)の幅よりも小さく設定して腔作成具50´が組織保護具30´(30´´)の幅方向にはみ出さないようにしているため、どのような状況下においても血管Cを傷付けてしまうことがない。
【0190】
前記実施形態によれば、次のような構成が得られる。
【0191】
(付記1)表皮の少なくとも2カ所に皮切部を設け、皮切部直下の採取対象血管を露出させる第1の段階と、前記一方の皮切部より他方の皮切部まで採取対象血管に沿って剥離手段を挿入することにより、採取対象血管と少なくともその周囲組織の一部を剥離して剥離部を形成する第2の段階と、前記一方の皮切部から他方の皮切部まで貫通した状態で前記剥離部に挿入して留置した腔確保手段によって、採取対象血管の近傍に処置領域となる腔を確保する第3の段階と、前記腔確保手段により形成した処置領域となる腔内に内視鏡および処置手段を挿入し、内視鏡観察下の処置手段によって、採取対象血管を採取する第4の段階とを具備したことを特徴とする内視鏡的血管採取方法。
【0192】
(付記2)前記第1の段階の皮切部は、2〜5cm程度の切開であることを特徴とする付記1記載の内視鏡的血管採取方法。
【0193】
(付記3)前記第2の段階は、剥離手段に挿入された硬性内視鏡の観察下で行われることを特徴とする付記1記載の内視鏡的血管採取方法。
【0194】
(付記4)前記剥離手段は、剥離子であることを特徴とする付記1または3記載の内視鏡的血管採取方法。
【0195】
(付記5)腔確保手段は、腔に留置される腔確保具であることを特徴とする付記1記載の内視鏡的血管採取方法。
【0196】
(付記6)前記処置手段は、鋏鉗子であることを特徴とする付記1記載の内視鏡的血管採取方法。
【0197】
(付記7)前記処置手段は、フックプローブであることを特徴とする付記1記載の内視鏡的血管採取方法。
【0198】
(付記8)表皮の少なくとも2カ所に皮切部を設け、皮切部直下の採取血管を露出させる第1の手段と、前記一方の皮切部より他方の皮切部まで採取血管に沿って剥離子を挿入し、採取血管とその周囲組織とを剥離して腔を形成する第2の手段と、前記一方の皮切部から前記腔に腔確保具を挿入して留置し、採取血管の上部に腔を確保する第3の手段と、前記腔確保具によって形成された腔内に内視鏡および処置具を挿入し、内視鏡観察下で採取血管を採取する第4の手段とを具備したことを特徴とする内視鏡的血管採取装置。
【0199】
(付記9)表皮の少なくとも2カ所に皮切部を設け、皮切部直下の採取血管を露出させる第1の手段と、前記一方の皮切部より他方の皮切部まで採取血管に沿って剥離子を挿入し、採取血管とその周囲組織とを剥離して腔を形成する第2の手段と、前記一方の皮切部から前記腔に腔作成具を挿入して腔をさらに拡張する第3の手段と、前記一方の皮切部から前記腔に腔確保具を挿入して留置し、採取血管の上部に腔を確保する第4の手段と、前記腔確保具によって形成された腔内に内視鏡および処置具を挿入し、内視鏡観察下で採取血管を採取する第5の手段とを具備したことを特徴とする内視鏡的血管採取装置。
【0200】
(付記10)表皮の少なくとも2カ所に皮切部を設け、皮切部直下の採取血管を露出させる第1の手段と、前記一方の皮切部より他方の皮切部まで採取血管に沿って剥離子を挿入し、採取血管とその周囲組織とを剥離して腔を形成する第2の手段と、前記一方の皮切部から前記腔に組織保護具を挿入して採取血管を保護する第3の手段と、、前記一方の皮切部から前記腔に腔作成具を挿入して腔をさらに拡張する第4の手段と、前記一方の皮切部から前記腔に腔確保具を挿入して留置し、採取血管の上部に腔を確保する第5の手段と、前記腔確保具によって形成された腔内に内視鏡および処置具を挿入し、内視鏡観察下で採取血管を採取する第6の手段とを具備したことを特徴とする内視鏡的血管採取装置。
【0201】
(付記11)前記第1の手段の皮切部は、2〜5cm程度の切開であることを特徴とする付記8記載の内視鏡的血管採取装置。
【0202】
(付記12)前記第2の手段は、剥離子に挿入された硬性内視鏡の観察下で行われることを特徴とする付記8記載の内視鏡的血管採取装置。
【0203】
(付記13)軸方向に進退自在な2本のシャフトと、これらシャフトの先端部に設けられシャフトの進退操作によって開閉し、シャフトの側方に突出する前後一対のフックと、前記シャフトを進退操作する操作部とからなる開閉式フックプローブ。
【0204】
(付記14)前記前後一対のフックのうち、前部のフックは固定で、後部のフックが前後方向に移動自在であることを特徴とする付記13記載の開閉式フックプローブ。
【0205】
(付記15)前記前後一対のフックのうち、後部のフックは固定で、前部のフックが前後方向に移動自在であることを特徴とする付記13記載の開閉式フックプローブ。
【0206】
(付記16)軸方向に進退自在な2本のシャフトを、グリップ本体に対し、着脱自在に固定したことを特徴とする付記13記載の開閉式フックプローブ。
【0207】
(付記17)前後一対のフックはそれが閉じた状態での相対する部分に凹凸部を設けたことを特徴とする付記13記載の開閉式フックプローブ。
【0208】
(付記18)皮切部より挿入する剥離子によって採取対象血管に沿って少なくとも採取対象血管の周囲組織の一部を剥離し、その剥離領域を腔拡張具によって拡張し、その拡張領域に挿入される血管採取に充分な処置空間を確保するための腔確保具からなる内視鏡的血管採取システムにおいて、
前記腔確保具は処置空間を観察可能な内視鏡、および採取対象血管を採取するための処置具を挿入自在にしたことを特徴とする内視鏡的血管採取システム。
【0209】
(付記19)腔作成具の幅が組織保護具の幅以下に設定されていることを特徴とする付記10に記載の内視鏡的血管採取装置。
【0210】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、採取血管の周囲に腔を形成し、この腔に体外から内視鏡、処置具を挿入することができ、伏在静脈等の血管を内視鏡観察下で簡単に、かつ安全に採取することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示し、下肢に皮切部を形成した状態の図。
【図2】同実施形態の採取方法を示し、図1のX−X線に沿う断面図。
【図3】同実施形態の硬性内視鏡と剥離子の斜視図。
【図4】同実施形態の硬性内視鏡と剥離子の接続部の断面図。
【図5】同実施形態の剥離子を示し、(a)は平面図、(b)は縦断側面図、(c)はY−Y線に沿う断面図。
【図6】同実施形態の使用状態を示し、(a)は剥離操作時の縦断側面図、(b)同操作時の視野を示す図。
【図7】同実施形態の組織保護具を示し、(a)は斜視図、(b)はZ−Z線に沿う断面図。
【図8】同実施形態の剥離子と組織保護具との接続部の斜視図。
【図9】同実施形態の組織保護具を皮切部間に挿入した状態の斜視図。
【図10】同実施形態の皮切部間に挿入した組織保護具に腔作成具を接続した状態の斜視図。
【図11】同実施形態の組織保護具と腔作成具が引き組織に挿入された状態の断面図。
【図12】同実施形態の腔確保具の斜視図。
【図13】同実施形態の腔確保具の正面図および縦断側面図。
【図14】同実施形態の腔確保具に挿入補助具を接続する前の斜視図。
【図15】同実施形態の腔確保具に挿入補助具を接続した状態の斜視図。
【図16】同実施形態の腔確保具を皮下組織に挿入する作用説明図。
【図17】同実施形態の腔確保具を皮下組織に挿入する作用説明図。
【図18】同実施形態の腔確保具を皮下組織に挿入する作用説明図。
【図19】同実施形態の腔確保具に硬性内視鏡、処置具を挿入した状態を示す斜視図。
【図20】同実施形態の硬性内視鏡の観察像を示す図。
【図21】同実施形態の硬性内視鏡の観察像を示す図。
【図22】同実施形態の硬性内視鏡の観察像を示す図。
【図23】同実施形態の硬性内視鏡の観察像を示す図。
【図24】同実施形態の硬性内視鏡の観察像を示す図。
【図25】同実施形態の硬性内視鏡の観察像を示す図。
【図26】同実施形態のフックプローブの斜視図。
【図27】同実施形態のフックプローブの使用状態の斜視図。
【図28】同実施形態のフックプローブのフックの変形例を示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)はQ−Q線に沿う断面図。
【図29】この発明の第2の実施形態を示し、下肢に皮切部を形成した状態の図。
【図30】同実施形態の採取方法を示し、図29のW−W線に沿う断面図。
【図31】同実施形態の硬性内視鏡の側面図。
【図32】同実施形態の剥離子を示し、(a)は平面図、(b)は縦断側面図、(c)は正面図、(d)は観察部の縦断側面図、(e)はa−a線断面図、(f)はb−b線断面図、(g)はc−c線断面図。
【図33】同実施形態のシースホルダーを示し、(a)は上面図、(b)は縦断側面図。
【図34】同実施形態の使用状態を示し、(a)は剥離操作時の縦断側面図、(b)同操作時の視野を示す図。
【図35】同実施形態の組織保護具を示し、(a)は斜視図、(b)はG−G線に沿う断面図。
【図36】同実施形態の剥離子と組織保護具との接続部を示し、(a)は斜視図、 (b)は縦断側面図。
【図37】同実施形態の組織保護具を皮切部間に挿入した状態の斜視図。
【図38】同実施形態の腔形成具とダイレーターフックの接続部を示し、(a)は斜視図、(b)は縦断側面図および平面図。
【図39】同実施形態の腔作成具を示し、(a)は拡張部の異なる腔作成具の下面図、(b)はV−V線に沿う断面図。
【図40】同実施形態の皮切部間に挿入した組織保護具に腔作成具を接続する状態の斜視図。
【図41】同実施形態の腔確保具を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は縦断側面図。
【図42】(a)(b)は同実施形態の腔確保具を皮下組織に挿入する作用説明図。
【図43】同実施形態の腔確保具に硬性内視鏡、処置具を挿入した状態を示す斜視図。
【図44】同実施形態の硬性内視鏡の観察像を示す図。
【図45】同実施形態の硬性内視鏡の観察像を示す図。
【図46】同実施形態の硬性内視鏡の観察像を示す図。
【図47】同実施形態のフックプローブの使用状態の斜視図。
【図48】この発明の第3の実施形態を示す開閉式フックプローブの斜視図。
【図49】同実施形態の開閉式フックプローブの縦断側面図。
【図50】同実施形態の使用状態の観察像を示す図。
【図51】この発明の第4の実施形態を示す開閉式フックプローブを示し、(a)は縦断側面図、(b)は矢印U方向から見た矢視図。
【図52】この発明の第5の実施形態を示す開閉式フックプローブを示し、(a)は側面図、(b)は正面図。
【図53】この発明の第6の実施形態を示す開閉式フックプローブを示し、(a)は縦断側面図、(b)は矢印H方向から見た矢視図。
【図54】本発明の第7の実施形態に係るシステムにおいて、剥離子を組織保護具の上面側の溝に沿わせながら一方の皮切部から挿入して他方の皮切部まで貫通させる様子を示す図。
【図55】第7の実施形態に係るシステムを構成する剥離子を組織保護具の上面側の溝に沿わせながら一方の皮切部から挿入して他方の皮切部まで貫通させる様子を示す図。
【図56】第7の実施形態に係るシステムを構成する剥離子の側面図。
【図57】第7の実施形態に係るシステムを構成する腔確保具の分解斜視図。
【図58】図57の腔確保具の外套管の挿入を案内補助するための挿入補助具の斜視図。
【図59】図57の挿入補助具を図57の腔確保具の外套管に装着した状態を示す側断面図。
【図60】図57の腔確保具の外套管を皮下組織内に挿入した状態を示す斜視図。
【図61】図60の状態から外套管内に内筒管を挿入した状態を示す図。
【図62】(a)は図61の縦断側面図、(b)は、(a)のJーJ線に沿う断面図、(c)は(a)のKーK線に沿う断面図。
【図63】(a)は図62の(a)の状態で内筒管内に硬性内視鏡を挿入した状態を示す縦断側面図、(b)は(a)の状態における内視鏡による観察像。
【図64】(a)は図63の(a)の状態で内筒管内にフックプローブを挿入した状態を示す縦断側面図、(b)は(a)の状態における内視鏡による観察像。
【図65】内視鏡システムの概略構成図。
【図66】内視鏡による観察像;
【図67】本発明の第8の実施形態に係る腔確保具の斜視図。
【図68】(a)は図67の腔確保具を皮下組織内に挿入した状態で内筒管内に硬性内視鏡を挿入した状態を示す縦断側面図、(b)は(a)の状態における内視鏡による観察像。
【図69】(a)は本発明の第9の実施形態に係る腔確保具の分解斜視図、(b)は(a)の腔確保具の組立状態における縦断側面図。
【図70】本発明の第10の実施形態に係る腔確保具の外套管の斜視図。
【図71】本発明の第10の実施形態に係る腔確保具の分解斜視図。
【図72】図58の挿入補助具を図70の外套管に装着した状態を示す側断面図。
【図73】図71の腔確保具の外套管を皮下組織内に挿入した状態を示す斜視図。
【図74】図73の状態から外套管内に内筒管を挿入した状態を示す図。
【図75】(a)は図74の縦断側面図、(b)は(a)のLーL線に沿う断面図、(c)は(a)のMーM線に沿う断面図。
【図76】(a)は図75の(a)の状態で内筒管内に硬性内視鏡を挿入した状態を示す縦断側面図、(b)は(a)の状態における内視鏡による観察像。
【図77】(a)は図76の(a)の状態で内筒管内にフックプローブを挿入した状態を示す縦断側面図、(b)は(a)の状態における内視鏡による観察像。
【図78】本発明の第11の実施形態に係る腔確保具の斜視図。
【図79】(a)は図78の腔確保具を皮下組織内に挿入した状態で内筒管内に硬性内視鏡を挿入した状態を示す縦断側面図、(b)は(a)の状態における内視鏡による観察像。
【図80】(a)は本発明の第12の実施形態に係る腔確保具の分解斜視図、(b)は(a)の腔確保具の組立状態における縦断側面図。
【図81】(a)は本発明の第13の実施形態に係る腔作成具の斜視図、(b)は (a)の腔作成具の側面図、(c)〜(f)は腔作成具の正面図。
【図82】(a)(b)は本発明の第13の実施形態に係る組織保護具の平面図、 (c)は(b)の組織保護具の先端部断面図。
【図83】図81の腔作成具と図82の組織保護具とを皮下組織内に挿入した状態を示す断面図。
【符号の説明】
10…剥離子
20,80…硬性内視鏡
30…組織保護具
50…腔作成具
60…腔確保具

Claims (1)

  1. 皮切部より挿入して、採取対象血管に沿って採取対象血管の周囲組織の少なくとも一部を剥離させる剥離子と、
    前記採取対象血管を採取するための処置空間を作成するために、前記剥離子にて剥離された領域を拡張する腔拡張具と、
    前記腔拡張具にて拡張された領域に挿入され、前記採取対象血管を採取するための処置空間を確保する、細長で略円弧状の横断面を有する腔確保具と、
    前記腔確保具の少なくとも一端側で前記略円弧状の横断面の略中央部に設けられ、前記処置空間を観察するための内視鏡を挿通する第1の開口部と、
    前記腔確保具の前記第1の開口部の位置よりも前記横断面の側方に設けられ、前記内視鏡による観察下で採取対象血管を採取するための処置具を挿通する第2の開口部と
    を具備することを特徴とする内視鏡的血管採取システム。
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