JP3839320B2 - 生体組織切断用処置具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管等の生体組織を切断するための生体組織切断用処置具に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体組織、例えば血管を切断するための処置具は従来から様々な形態のものが知られている。例えば、電極に関してはモノポーラやバイポーラ型のものがあり、また、切断(切開)形態にあっても、対象血管を開閉可能な一対のジョー間に挟み込み、ジョーを閉じることによってその挟まれた対象血管を切断する形態(例えば、米国特許第5445638号)のものや、刃を動かして対象血管を切断する形態のものなど、その種類は多岐にわたる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の血管切断用処置具は、切断したい対象血管に処置部(電極部)を当て付けるだけでは切断することができず、前述したように、刃を押し付けて動かしたり、ジョーを開閉するなどの更なる動作を行なわなければ切断することができない。
【0004】
本発明は前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、血管等の生体組織の切断を容易に行なうことができる生体組織切断用処置具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、体内に挿入される本体と、前記本体の先端に設けられ且つ生体組織を切断するための先端処置部と、この先端処置部に設けられ且つ生体組織を電気的に切断するための電極とを備えた生体組織切断用処置具において、前記先端処置部は、その先端が基端に比べて連続的に広げられた状態に配設され、前記本体の移動に伴って、前記電極によって電気的に切断するための生体組織を含む生体組織をその先端側から基端側に向かって案内する第1の案内部と、その基端に前記電極が配設され、前記第1の案内部の基端にその先端が連続的に接続されているとともに、前記第1の案内部の基端よりも幅の狭い溝として形成され、前記第1の案内部の基端で集められた生体組織のうち、その基端に配設された前記電極によって電気的に切断するための生体組織をその先端側から基端側に向かって案内する第2の案内部とを備えていることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0007】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る生体組織切断用処置具が組み込まれた内視鏡的血管採取装置を示し、これはトロッカー1と、処置シース2と、拡張手段としてのダイセクター3及び内視鏡としての硬性鏡4とから構成されている。
【0008】
トロッカー1は、図2(a)(b)に示すように、合成樹脂材料等によって一体成形されており、略円板状のフランジ5には円筒状の案内管6が斜めに貫通して設けられている。案内管6の表面には挿入時の滑りを良くするための潤滑コーティングが施されている。この案内管6の先端部6aは鋭角にカットされており、先端部6aの端面はフランジ5と略平行に形成されている。
【0009】
さらに、案内管6の基端部における内周面には気密リング部7が一体に設けられ、中間部には送気口金8が一体に設けられている。また、フランジ5の下面には粘着テープ等の粘着層9が設けられ、トロッカー1を表皮に対して粘着固定できるように構成されている。
【0010】
次に、処置シース2について説明すると、図3及び図4に示すように構成されている。シース本体10は合成樹脂材料等からなる真っ直ぐな円筒状で、表面には挿入時の滑りを良くするための潤滑コーティングが施されている。このシース本体10の近位端には把持部を構成する円筒状の操作部カバー11が嵌着され、遠位端には先端カバー12が嵌着されている。
【0011】
シース本体10の軸心部には内視鏡チャンネル13が全長に亘って設けられている。内視鏡チャンネル13の近位端は操作部カバー11を貫通して手元側に突出しており、遠位端にはシース本体10の前端面から突出するフランジ部13aが設けられている。シース本体10の内部で、内視鏡チャンネル13を挟んで上部側に偏心した部位には第1の処置具チャンネル14が設けられ、下部側に偏心した部位には第2の処置具チャンネル15が設けられている。従って、第1の処置具チャンネル14と第2の処置具チャンネル15は内視鏡チャンネル13を挟んで対称的に最も離れた位置に配置されている。
【0012】
第1の処置具チャンネル14の近位端は操作部カバー11の内部の第1のスライド操作部16に開口しており、第2の処置具チャンネル15の近位端は操作部カバー11の内部の第2のスライド操作部17に開口している。第1の処置具チャンネル14には後述する生体組織切断用処置具(高周波処置具)としてのバイポーラカッター18が軸方向に進退自在に挿通され、この近位端には第1のスライド操作部16の長孔16aの範囲内で軸方向にスライド自在な処置具操作部19が設けられている。また、バイポーラカッター18にはバイポーラケーブル20が接続され、このバイポーラケーブル20は長孔16aから外部に導出されている。
【0013】
第2の処置具チャンネル15には後述する血管保持子21が軸方向に進退自在に挿通され、この近位端には第2のスライド操作部17の長孔17aの範囲内で軸方向にスライド自在な保持子操作部22が設けられている。
【0014】
さらに、シース本体10の内部で、内視鏡チャンネル13の一側部には軸方向に貫通穴23が設けられている。この貫通穴23には後述するワイパー24のワイパーロッド25が周方向に回転自在に挿通されている。ワイパーロッド25の遠位端は略L字状に折曲され、その先端部にはワイパーゴム26が設けられている。
【0015】
ワイパーロッド25の近位端は操作部カバー11の内部の回動操作部27まで延長し、操作部カバー11の内壁に回転自在に支持されている。ワイパーロッド25の近位端にはワイパー操作部28が固定され、このワイパー操作部28は操作部カバー11の周方向の長孔27aの範囲内で回動自在である。
さらに、回動操作部27の内部にはワイパーロッド25に嵌合した状態でコイルスプリングからなるトーションコイルばね29が設けられている。このトーションコイルばね29はシース本体10の端面とワイパー操作部28との間に圧縮状態で介装され、ワイパー24をシース本体10の近位端方向に付勢している。その上、トーションコイルばね29は、シース本体10の端面とワイパー操作部28の側面にも係止されており、ワイパーゴム26を硬性鏡4の対物レンズ面4の側方へ退避すさせる方向へ付勢している。
【0016】
また、操作部カバー11の近位端側には内視鏡チャンネル13に固定した状態で内視鏡保持部30が設けられている。内視鏡保持部30は前記硬性鏡4の接眼部31を収納するに十分な内腔を有しており、周壁32の一部(上部)には接眼部31に設けられたライトガイド口金33が挿入係合される切欠部34が設けられている。
【0017】
従って、図5〜図7に示すように、硬性鏡4の挿入部35を内視鏡チャンネル13に挿入し、ライトガイド口金33を切欠部34に挿入係合して接眼部31を内視鏡保持部30に保持すると、処置シース2に対する硬性鏡4の回り止め及び軸方向の位置決めがなされ、硬性鏡4の上下の姿勢が設定されるようになっている。
次に、前記ダイセクター3について説明すると、図8に示すように、真っ直ぐな円筒状の挿入筒部36の軸心部には硬性鏡4の挿入部35が挿通される挿通路37が設けられている。挿入筒部36の表面には挿入時の滑りを良くするための潤滑コーディングが施されている。この挿入筒部36の遠位端には透明な合成樹脂材料によって円錐筒状に形成された剥離部材38が固定されている。挿入筒部36の近位端には内視鏡保持部39が設けられ、硬性鏡4の接眼部31を保持するようになっている。 なお、この内視鏡保持部39は、処置シース2の内視鏡保持部30と同一の構成を成していることが望ましい。
【0018】
次に、本発明の第1の実施形態に係る生体組織切断用処置具であるバイポーラカッター18について説明する。
【0019】
図9及び図10に示すように、バイポーラカッター18は、体内に挿入されるカッター本体40と、カッター本体40の先端に設けられ且つ血管を切断するための先端処置部40aと、この先端処置部40aに設けられ且つ血管を電気的に切断するための電極42,43とを備えている。カッター本体40は合成樹脂材料等の絶縁部材(例えば、セラミックス)からなり、シース本体10の円弧状の内周面に沿うように帯状板体の横断面を円弧状に湾曲した形状を成している。カッター本体40のこのような湾曲形状(屋根形状)は、後述するように、上側からの組織の垂れ下がりを防止して(体腔内の脂肪組織を圧排して)硬性鏡4の視野を確保するために役立つ。
【0020】
また、カッター本体40の先端処置部40aには、カッター本体40のその軸方向の移動に伴って血管を電極42,43へと案内する案内部が形成されている。本実施の形態において、この案内部は、V字状にカットした切り欠き溝(スリット)41によって形成されている。この場合、V字形状を形作る各辺41a,41bは、カッター本体40の遠位端の両側端縁から近位端側へと円弧状部の頂部に向かって上方に延びることにより、近位端側へと先細る切り欠き溝(以下、V溝という)41の組織案内面を形成している。
【0021】
また、V溝41の底部、すなわち、V字形状を形作る各辺41a,41bの交差部には、対向する一対の前記電極42,43が固定して設けられている。これらの2つの電極42,43は、同一面内になく、上下に位置して対向されている。
【0022】
また、これら2つの電極のうち、上側の電極42は、下側の電極43に比べて表面積が大きくなっている。すなわち、上側の電極42は、組織と接触する面積が大きく、一方、下側の電極43は、組織と接触する面積が小さくなっており、これにより、下側の電極43を切開(切断)電極として機能させるとともに、上側の電極42を凝固電極として機能させるようにしている。
【0023】
一般に、接触面積が大きい電極の方が、接触面積が小さい電極よりも切開時に止血能力が高い。後述するように(図26、図27等参照)、摘出される血管61の切開された側枝72の切開部位は、血管61の摘出後に糸により結紮されるが、患者側の切開部位はそのまま体内に残るため止血されていることが望ましい。そのため、本実施形態では、切開電極として作用する接触面積が小さい電極43を、下側、すなわち、摘出される血管61の側(血管61を保持する後述する血管保持子21の側)に配置し、凝固電極として作用する接触面積が大きい電極42を、上側、すなわち、体側(体内に残る側)に配置している。また、接触面積が大きい電極42を上側すなわち体側に配置する理由は、採取される血管61からできる限り電極42を離して、血管61に対する熱的影響を最小限に抑えるためである。したがって、以下、上側の電極42を体側電極と称し、下側の電極43をカット電極と称することにする。
【0024】
また、体側電極42及びカット電極43にはそれぞれリード線44、45が接続されており、これらリード線44,45はカッター本体40の上面及び下面に沿って配線され、前記バイポーラケーブル20に接続されている。さらに、リード線44、45は絶縁皮膜46,47によって覆われ、絶縁されている。なお、バイポーラカッター18は、電極42,43以外の部分が透明材料(アクリルなど)によって形成されていても良い。
【0025】
次に、前記血管保持子21について説明すると、図11に示すように構成されている。血管保持子21は合成樹脂材料等によって平面視で、略三角形状に形成され、上面は平坦面48に、下面は円弧凹面49に形成されている。そして、血管保持子21の後端一側部に偏った位置に操作ロッド50が連結され、操作ロッド50は前記第2の処置具チャンネル15に進退自在に挿通されている。
【0026】
血管保持子21の先端部の組織を剥離する剥離部51は鋭角で、左右対称的に第1のテーパ面52a,52bが形成されている。さらに、剥離部51の上下面には先端に向かって上下面が狭幅となるように斜面53a,53bが形成されている。血管保持子21の操作ロッド50との結合部と反対側の第1のテーパ面52aの裾部は円弧状の第2のテーパ面54に形成され、この第2のテーパ面54は血管保持子21の平坦面からなる後端の血管を引っ掛ける引っ掛け部55に連続している。
次に、前記ワイパー24について説明すると、図12に示すように構成されている。すなわち、ワイパーロッド25の遠位端に固定されたワイパーゴム26はワイパーロッド25のL字状の折曲部に接着またはインサート成形等により固定されており、ワイパーロッド25の軸方向に対して直角に設けられている。このワイパーゴム26には断面が三角形状の柔軟性を有する掻き取り部26aを有しており、ワイパーゴム26の回動によって硬性鏡4の対物レンズ面4aに付着した血液、粘膜、脂肪等の異物を掻き取ることができるようになっている。このとき、掻き取り部26aは柔軟性を有するため、シース本体10の先端面と対物レンズ面4aとの間に段差が生じていても、その段差を乗り越えて対物レンズ面4aに摺擦できるようになっている。
【0027】
前記ワイパー24のワイパーロッド25に設けられたコイルスプリングからなるトーションコイルばね29は、図13に示すように、その一端部がシース本体10の端面と当接し、他端部がワイパー操作部28との間に圧縮状態で介装され、しかもワイパー操作部28の側面に係止されている。従って、トーションコイルばね29によってワイパーロッド25をその周方向のトルクTとシース本体10の近位端方向に付勢する力Fを発生し、ワイパーゴム26が硬性鏡4の対物レンズ面4aの側方へ退避する方向と対物レンズ面4aに対して接触する方向に付勢されている。
【0028】
図9(a)(b)は処置シース2の内視鏡チャンネル13に対して硬性鏡4の挿入部35を装填した状態を示し、処置シース2の先端部からバイポーラカッター18及び血管保持子21を突出している。バイポーラケーブル20は高周波発生装置56に接続され、ライトガイド口金33はライトガイドケーブル57が接続されている。
次に、前述のように構成された血管採取装置を用いて下肢の大腿部の鼠頸部から足首に亘る大伏在静脈等の採取対象血管(以下、血管という)の全長に亘って採取する場合について説明する。
図14は下肢60を示し、61は血管である。まず、膝62と鼠頸部63との間の血管61を採取する際には、血管61の直上で膝62の一ヶ所にメス等によって皮切部64を設ける。
【0029】
続いて、皮切部64にてダイセクター等により血管61を露出させる。更に、皮切部64より肉眼で観察可能な距離について血管61の直上組織を同様のダイセクター等で剥離する。
【0030】
次に、図15および図16に示されるように、剥離部材38を通した状況は、硬性鏡4の接眼部31に接続されたTVカメラヘッド74を介してTVカメラ75によって撮像され、モニタ76にモニタ画像として表示される。血管61に沿って剥離部材38を挿入し、少し挿入したところで、トロッカー1の案内管6を鼠頸部63に向かって斜め(血管61と略平行)に挿入し、先端部6aを下向きにすると、フランジ5の下面の粘着層9が表皮65に接着固定される。この状態で、送気口金8に送気ポンプ66と接続されている送気チューブ67を接続する。
【0031】
この場合、ダイセクター3の挿入筒部36の外周面は気密リング7と密着していることから、案内管6および腔69の内部は気密状態となり、かつ、案内管6と挿入筒部36との間には送気通路68が確保される。
【0032】
また、硬性鏡4のライトガイド口金33はライトガイドケーブル57を介して光源装置78に接続されている。従って、硬性鏡4の先端部から照明光を照射して腔内69を照明することができる。 また、送気ポンプ66を駆動すると、送気チューブ67、送気口金8及び送気通路68を介して腔内69に送気され、腔内69が拡張される。 この時、ダイセクター3の挿入筒部36は気密リング7と密着しているため、気体が外部に漏れることはなく、したがって、確実に腔内69を拡張することができる。
【0033】
ここで、腔内69には表皮65の下層の皮下組織70、血管上結合組織71及び血管上結合組織71の下部には血管61が存在し、血管61には複数本の側枝72が分岐しており、側枝72の他端部は血管上結合組織71に結合されている。また、血管上結合組織71には皮下脂肪73が付着している。次に、前記モニタ画像を確認すると、図17に示すように表示され、術者は、モニター76によって血管61や側枝72を鮮明に観察できる。図17において、38aはダイセクター3の剥離部材38の先端部の画像である。
従って、ダイセクター3の挿入に際しては、モニター76によって腔内69を観察しながら血管61、側枝72に損傷を与えないように血管上結合組織71と血管61、側枝72とを剥離部材38によって剥離しながら少し押し込み、また少し戻すという操作により徐々に進める。このとき、ダイセクター3を上下・左右に振ってもトロッカー1は表皮65に粘着層9によって固定されているため、トロッカー1が表皮65から外れることはない。そして、ダイセクター3を膝62から鼠頸部63に向かって血管61に沿って貫通させる。
【0034】
ダイセクター3によって剥離手技が完了すると、ダイセクター3をトロッカー1から抜き取り、図16に示すように、トロッカー1の案内管6に硬性鏡4を挿入した状態の処置シース2を挿入する。
処置シース2の操作部カバー11を術者が片手で把持したまま、例えば親指で保持子操作部22を前進させると、血管保持子21がシース本体10の先端カバー12から突出する。また、操作部カバー11を把持した片手の人差し指でカッター操作部19を前進させると、先端カバー12からバイポーラカッター18が突出する。すなわち、術者は操作部カバー11を片手で把持したまま、血管保持子21を進退させたり、バイポーラカッター18を進退させることができる。
従って、図18に示すように、腔内69の血管上結合組織70に皮下脂肪73が大量に存在した場合にはバイポーラカッター18を突出させた状態で、処置シース2を押し進めて腔内69を押し広げることができる。このとき、バイポーラカッター18は、そのカッター本体40の湾曲形状(屋根形状)により、上側からの組織の垂れ下がりを防止する(体腔内の脂肪組織を圧排する)ため、硬性鏡4の視野を良好に確保できる。また、このとき、血管保持子21は、その下面が円弧凹面49に形成されているため、血管61の上面を滑らせて前進させることができ、血管61に損傷を与えることがない。
また、図19に示すように、皮下脂肪73に側枝72が埋まっている場合があるが、この場合、血管保持子21を処置シース2から突出させ、血管保持子21の剥離部51を皮下脂肪73に突き刺して血管61から剥離させたり、処置シース2の全体をトロッカー1の案内管6内で周方向に回動することにより、血管保持子21を回動して側枝72から皮下脂肪73を剥離することができる。このときの様子は、図20に示すようにモニター76にモニター画像として表示されるため、術者はモニター画像によって血管保持子21の姿勢を確認でき、血管61及び側枝72に損傷を与えることがない。
腔内69の皮下脂肪73を排除しながら処置シース2を腔内69に押し進め、目的とする側枝72に血管保持子21をアプローチする。このときも血管保持子21の円弧凹面49を血管61の上面に当て、血管61の上面を滑らせて前進させることができ、血管61に損傷を与えることがない。
また、図21(a)〜(c)は、血管保持子21によって側枝72を保持する手技を示す。血管保持子21は第1のテーパ面52aを有し、これと連続して第2のテーパ面54が形成されているため、血管保持子21を前進させると、まず、第1のテーパ面52aに側枝72が接触する(図21(b)参照)。
【0035】
さらに血管保持子21を前進させると、第1のテーパ面52aから第2のテーパ面52bに接触したのち、側枝72が引っ掛け部55に滑り落ちて引っ掛かる(図21(c)参照)。従って、血管保持子21の前進操作によって簡単に側枝72を保持できる。側枝72の途中に血管保持子21の引っ掛け部55を引っ掛けて血管保持子21を手前側に引くと、図22に示すように、側枝72にテンションが加わる。図23は側枝72を血管保持子21の引っ掛け部55に引っ掛けた状態のモニター画像であり、術者はモニター画像によって側枝72を保持したことを確認できる。 このように、側枝72の手前側ではなく向こう側で血管保持子21により側枝72を保持すれば、観察視野の手前側に側枝72が位置し、硬性鏡4によって側枝72の周囲を明瞭に確認できる(側枝72の手前側に血管保持子21があると、この血管保持子21によって前方の観察視野が妨げられ、側枝72および血管61の位置状態を良好に確認することができない)。したがって、後述するように、血管61を傷付けることなく安全に側枝72を切断することができる。
【0036】
図23に示される状態を形成したら、次に、バイポーラカッター18を前進させ、血管保持子21で保持した側枝72にバイポーラカッター18をアプローチする。このとき、図24のモニター画像に示すように、バイポーラカッター18が血管61に接触しないように血管保持子21によって血管61をバイポーラカッター18から離れる方向に退避させることができる。
【0037】
図25(a)〜(c)は、側枝72をバイポーラカッター18によって切断する手技を示す。バイポーラカッター18の先端部にはV溝41が設けられているため、バイポーラカッター18を側枝72に向かって前進させると、側枝72はV溝41によってその底部方向に引き寄せられる。従って、図26(a)に示すように、側枝72はカット電極43に接触し、血管上結合組織71または側枝72に体側電極42が接触する。すなわち、本実施の形態に係るバイポーラカッター18においては、V字形状を形作る各辺41a,41bに対応するV溝41の壁面によって、各辺41a,41bの交差部にほぼ位置する電極42,43へと側枝72を案内することができる。
【0038】
術者がモニター画像によって側枝72がカット電極43に接触し、血管上結合組織71または側枝72に体側電極42が接触したことを確認した後、術者が高周波発生装置56のフットスイッチ80を操作して高周波電流を通電する。すると、血管上結合組織71または側枝72の体側電極42に接触している領域は凝固され、側枝72はカット電極43によって切断される。従って、図26(b)に示すように、血管61が側枝72によって血管上結合組織71に結合されていた部分は側枝72の切断によって切り離される。この時、接触面積が大きい体側電極42は、カット電極43よりも血管61から上側(体側)に離れて配置されているため、血管61に対する熱的影響は最小限に抑えられる。
【0039】
このように、バイポーラカッター18は、そのV溝41の存在により、血管に押し当てるだけで血管を切断できるため、すなわち、血管の切断において前後動以外の動作を必要としないため、内視鏡的血管採取装置全体の操作の自由度が減り(少ない自由度で必要な動作を行なえ)、操作性が向上する。
【0040】
以上のようにして、側枝72を切断したら、図27に示すように、血管保持子21を血管61の下側に通して持ち上げ、図28に示すモニター画像によって側枝72が完全に切断処置されているか否かを確認する。
【0041】
さらに、処置シース2を腔内69にさらに押し進め、腔内69をモニター画像によって観察しながら次の側枝72に血管保持子21をアプローチし、バイポーラカッター18とともに再び前述と同様の手技を繰り返し、側枝72を切断して血管61を血管上結合組織71から切り離す。
【0042】
このようにして側枝72を切断する手技を繰り返すと、硬性鏡4の対物レンズ面4aに血液、粘膜や皮下脂肪73等の付着物81が付着し、硬性鏡4による視野が妨げられることがある。このような場合、操作部カバー11を把持したまま、手指によってワイパー操作部28をトーションコイルばね29の付勢力に抗して回動させると、図29に示すように、ワイパーロッド25を介してワイパー24が回動し、ワイパーゴム26の掻き取り部26aによって対物レンズ面4aに付着している血液、粘膜や皮下脂肪73等の付着物81を掻き取ることができる。
【0043】
ワイパー24はトーションコイルばね29によって付勢されているため、ワイパー操作部28から手指を離すと、対物レンズ面4aから退避する方向に復帰する。従って、前述した操作を数回繰り返すことにより、対物レンズ面4aにこびり付いて落ち難い皮下脂肪73等の付着物81であってもきれいに掻き取ることができる。また、ワイパー操作部28から手指を離すと、ワイパー24は対物レンズ面4aから退避する方向に復帰するため、ワイパー24が硬性鏡4の視野を妨げることはない。
また、バイポーラカッター18によって側枝72を切断することを繰り返すと、図30に示すように、バイポーラカッター18の屋根型形状に起因して、バイポーラカッター18の内面にも粘膜や皮下脂肪73等の付着物81が付着する。しかし、カッター操作部19によってバイポーラカッター18を後退させ、第1の処置具チャンネル14に引き込むと、粘膜や皮下脂肪73はシース本体10の前端面によって掻き落とされる。従って、バイポーラカッター18に付着した付着物81を簡単に掻き落とすことができる。なお、本実施形態では、バイポーラカッター18に付着し粘膜や皮下脂肪73をシース本体10の前端面によって掻き落とすために、バイポーラカッター18とシース本体10との間のクリアランス(バイポーラカッター18の外面と第1の処置具チャンネル14の内面との間のクリアランス)を小さく設定している。
【0044】
また、図31に示すように、掻き落とされた付着物81が硬性鏡4の対物レンズ面4aに付着して視野が妨げられることがあるが、この場合においても、前述のようにワイパー操作部28を操作してワイパー24を回動することにより、対物レンズ面4aに付着している付着物81を掻き取ることができる。
【0045】
バイポーラカッター18に付着した付着物81を掻き落としたり、対物レンズ面4aに付着した付着物81を掻き落とす操作を繰り返しながら、側枝72を切断して血管61を血管上結合組織71から切り離す手技を繰り返し、鼠頸部63まで進んだところで、側枝72の切断を終了する。そして、血管61の真上の鼠頸部63にメス等によって皮切部を形成し、この皮切部から血管61を外部に引き出して血管61を切断し、血管61の両切断端末を糸によって結紮する。
次に、膝62の皮切部64から足首に向かう血管61の採取手技を行って最終的に1本の血管(約60cm)を採取する。手技方法は前述した膝62から鼠頸部63までの血管61を採取する方法と基本的に同様であり、説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態の生体組織切断用処置具であるバイポーラカッター18では、カッター本体40の軸方向の移動に伴って血管を電極42,43へと案内するV溝(案内部)41が先端処置部40aに形成されている。そのため、カッター本体40を単に前後動させるだけで、血管へとアプローチできると同時に、その血管を切断することができる。すなわち、切断したい対象血管に対して先端処置部40a(電極42,43)を押し当てて通電することにより血管を切断することができる。したがって、従来のように刃を押し付けて動かしたり、ジョーを開閉するなどの更なる動作を行なわずに、血管を切断することができる(血管の切断を容易に行なうことができる)。 また、更なる動作が伴わない単純な前後動によって切断できるため、誤操作が少なく、したがって、誤操作に伴う切断ミスを防止することができる(血管の切断を容易に行なうことができる)。
【0046】
図32は、前述したバイポーラカッターの第1の変形例を示している。この変形例に係るバイポーラカッター18AのV溝41は、その電極42,43側の部位が大きく絞られている。すなわち、V溝41の電極42,43側の部位は、V溝41の先端開口側の部位よりも幅が狭い絞り溝100として形成されている。
【0047】
このような構成では、図33および図34に示されるように、脂肪組織73中に側枝72が埋まっているような場合、バイポーラカッター18Aをその脂肪組織73に押し付けて側枝72とその周囲の脂肪組織73とをV溝41内に導入した図35の状態から、更にバイポーラカッター18Aを押し進めると、図36に示されるように、幅の狭い絞り溝100内に側枝72のみを導入することができる。すなわち、この絞り溝100によって、側枝72の周囲から脂肪組織73を取り除いて、側枝72のみを電極42,43に接触させて切断することができる(図37参照)。
【0048】
図38には、絞り溝100の別の使用形態が示されている。すなわち、図36の状態で、側枝72の途中に血管保持子21の引っ掛け部55を引っ掛けて血管保持子21を手前側に引きながら側枝72にテンションが加え、そのまま、図中に矢印で示されるように、バイポーラカッター18Aを若干前後動させながら上方へ滑らせていくと、絞り溝100によって側枝72の周囲から脂肪組織73を剥ぎ取ることができる。
【0049】
図39は、前述したバイポーラカッターの第2の変形例を示している。この変形例に係るバイポーラカッター18BのV溝41Aは、先端処置部40aの側方に形成されている。このような構成では、側枝72に側方からアプローチしてこれを切断することができる。この場合、先端処置部40aの側方からV溝41A内に側枝72を導き入れ、その状態で、図中に矢印で示されるようにシース本体10を回転させると、電極42,43によって側枝72を容易に切断することができる。すなわち、前述した実施形態のV溝41は、カッター本体40の軸方向の移動に伴って血管61を電極42,43へと案内するが、本変形例のV溝41Aは、カッター本体40の軸方向と略直交する方向への移動に伴って血管61を電極42,43へと案内する。
【0050】
図40および図41は、本発明の生体組織切断用処置具の第2の実施形態を示している。前述した実施形態では、生体組織切断用処置具が内視鏡的血管採取装置に組み込まれていたが、本実施形態の生体組織切断用処置具は、それ単独で体内に挿入でき、尚且つ、それ単独で血管の切断を行なうことができる。
【0051】
すなわち、図40および図41に示されるように、本実施形態の生体組織切断用処置具としてのバイポーラカッター118は、体内に挿入されるカッター本体140と、カッター本体140の先端に設けられ且つ血管を切断するための先端処置部140aと、この先端処置部140aに設けられ且つ血管を電気的に切断するための電極142,143とを備えている。カッター本体140は、合成樹脂材料等の絶縁部材(例えば、セラミックス)からなり、略平板状を成している。また、電極142,143同士は、その間に介在された絶縁体によって、互いに電気的に絶縁されている。
【0052】
また、カッター本体140の先端処置部140aには、カッター本体140のその軸方向の移動に伴って血管を電極142,143へと案内する案内部が形成されている。本実施形態において、この案内部は、V字状にカットした切り欠き溝(スリット)141によって形成されている。この場合、V字形状を形作る各辺141a,141bは、カッター本体140の遠位端の両側端縁から近位端側へと円弧状部の頂部に向かって上方に延びることにより、近位端側へと先細る切り欠き溝(以下、V溝という)141の組織案内面を形成している。
【0053】
また、V溝141の底部、すなわち、V字形状を形作る各辺141a,41bの交差部には、対向する一対の前記電極142,143が固定して設けられている。これらの2つの電極142,143は、同一面内になく、上下に位置して対向されている。
【0054】
また、これら2つの電極のうち、上側の電極142は、下側の電極143に比べて表面積が大きくなっている。すなわち、上側の電極142は、組織と接触する面積が大きく、一方、下側の電極143は、組織と接触する面積が小さくなっており、これにより、下側の電極143を切開(切断)電極として機能させるとともに、上側の電極142を凝固電極として機能させるようにしている。
【0055】
また、カッター本体140の近位端にはハンドル102が設けられている。このハンドル102からは、高周波発生装置56に接続される電気ケーブル105が延びている。また、ハンドル102には、電極142,143への通電を制御するためのスイッチ103が設けられている。
【0056】
図42〜図44には、バイポーラカッター118の使用態様の一例が示されている。図42および図43は、バイポーラカッター118を用いて下肢60の大腿部の鼠頸部63から足首に亘る血管(大伏在静脈)61を採取する態様を示している。バイポーラカッター118を用いた採取の場合には、採取血管61に沿って下肢60を全体的に切開して、採取血管61の全体を完全に露出させる。その状態で、図43に示されるようにV溝141内に側枝72を導入しながら切断していく。この場合も、前述した実施形態と同様に、V溝141の存在に起因して、バイポーラカッター118を押し進めるだけで、簡単に側枝72を切断することができる。また、図44は、臓器160と体壁161との癒着部163を剥離する手技にバイポーラカッター118を使用した態様を示している。図示のように、V溝141内に癒着組織を導入しながら癒着部163に沿って押し進めていけば、簡単に臓器160と体壁161との癒着部163を剥離することができる。
【0057】
以上のように、本実施形態のバイポーラカッター118も、カッター本体140の軸方向の移動に伴って血管を電極142,143へと案内するV溝(案内部)141が先端処置部140aに形成されている。そのため、カッター本体140を単に前後動させるだけで、血管へとアプローチできると同時に、その血管を切断することができる。
【0058】
図45および図46には、前述した両バイポーラカッター18,118における電極42,43(142,143)の形成形態の変形例が示されている。
【0059】
図45では、V溝41(141)の各辺の全長にわたって体側電極42(142)が設けられている。具体的には、図45の(b)に示されるように、V字形状を形作る各辺に対応するV溝41(141)の壁面の上縁部に体側電極42(142)が設けられている。また、V字形状を形作る各辺の交差部には、前述した実施形態と同様に、カット電極43(143)が設けられている。図45の(b)に明確に示されるように、体側電極42(142)とカット電極43(143)は、同一面内になく、互いに上下に位置して対向されている。
【0060】
このように、V溝41(141)の各辺の全長にわたって体側電極42(142)を設けると、前述した実施形態よりも体側電極42(142)の表面積を更に大きくすることができ、結果的に、カット電極43(143)の接触面積に対する体側電極42(142)の接触面積の比を大きくすることができる。したがって、切開機能を更にカット電極43(143)側に持たせることができ、切断力が向上する(カット性能が上がる)。
【0061】
また、図46では、図45と同様にV溝41(141)の各辺の全長にわたって体側電極42(142)が設けられるとともに、V溝41(141)の一方の辺に体側電極42(142)と対向するようにカット電極43(143)が設けられている。この場合、カット電極43(143)は、鋭利に先細るテーパ部169を先端に有しており、V溝41(141)の辺の略半分の長さにわたって延びている。
【0062】
このような構成によれば、図45と同様の作用効果が得られるとともに、テーパ部169を介してカット電極43(143)が斜めに食い込みながら組織(血管)を切るため、切開力に優れ、特に、脂肪組織73中に側枝72が埋まっているような場合において効果を発揮する。
【0063】
図47および図48は、図40に示されるバイポーラカッター118の変形例を示している。図示のように、この変形例に係るバイポーラカッター118Aは、血管をV溝141内に引き込むための血管当て付け具170を有している。この血管当て付け具170は、長尺な軸部170bと、軸部170bの先端で略直角に折れ曲がってV溝141と対向するホルドバー170aとから成る。軸部170bは、カッター本体140の全長にわたって延びて(例えばカッター本体140内に挿通され)、ハンドル102に設けられた操作部171に接続されている。操作部171は、ハンドル102に形成された長溝172内で前後にスライドすることができる。したがって、このような構成では、操作部171を前後にスライドさせると、軸部170bが押し引きされ、ホルドバー170aがV溝141に対して移動することができる。また、操作部171とカッター本体140との間にはバネ等の付勢手段174が介挿されており、この付勢手段174は、ホルドバー170aをV溝141から離間させる方向で操作部171を付勢している。なお、それ以外の構成は図40に示されるバイポーラカッター118と同じであり、同一符号を付してその説明を省略する。
【0064】
したがって、このような構成では、ホルドバー170aとV溝141との間に血管を位置させ、その状態で、付勢手段174の付勢力に抗して操作部171を手元側にスライドさせれば、ホルドバー170aがV溝141側に移動され、血管がホルドバー170aによってV溝141内に引き込まれる。そして、例えば図48に破線で示される位置までホルドバー170aを引き込めば、血管を電極142,143に押圧接触させることができる。
【0065】
以上のように、本変形例によれば、V溝141による案内作用とホルドバー170aによる案内作用との相乗効果により、血管の切断が更に容易となる。
【0066】
図49および図50は、本発明の生体組織切断用処置具の第3の実施形態を示している。前述した各実施形態の生体組織切断用処置具は、バイポーラ型のものであったが、本実施形態の生体組織切断用処置具218はモノポーラ型のものである。
【0067】
すなわち、図49に示されるように、生体組織切断用処置具218は、体内に挿入されるカッター本体240と、カッター本体240の先端に設けられ且つ血管を切断するための先端処置部240aと、この先端処置部240aに設けられ且つ生体組織300に接触される対極板302と共に血管を電気的に切断する電極(モノポーラ)242とを備えている。カッター本体240は、合成樹脂材料等の絶縁部材(例えば、セラミックス)からなり、略平板状を成している。
【0068】
また、図50に明確に示されるように、カッター本体240の先端処置部240aには、カッター本体240のその軸方向の移動に伴って血管を電極242へと案内する案内部が形成されている。本実施形態において、この案内部は、V字状にカットした切り欠き溝(スリット)241によって形成されている。そして、このV溝241の底部、すなわち、V字形状を形作る各辺の交差部に、前記電極242が固定して設けられている。
【0069】
また、カッター本体240の近位端にはハンドル202が設けられている。このハンドル202からは、高周波発生装置56に接続される電気ケーブル205が延びている。また、高周波発生装置56には、電極242への通電を制御するフットスイッチ80が接続されている。
【0070】
このようなモノポーラ構成であっても、先端処置部240aにV溝241を設ければ、前述したバイポーラ構成と同様の作用効果を得ることができる。
【0071】
なお、以上説明した技術内容によれば、以下に示されるような各種の構成が得られる。
【0072】
1.血管を取り込むためのスリットを設け、このスリットの根元部分に電極を配置したことを特徴とする血管(または生体組織)切断用処置具。
【0073】
2.前記電極が高周波電極(モノポーラまたはバイポーラ)であることを特徴とする第1項に記載の血管(または生体組織)切断用処置具。
【0074】
3.前記スリットがV字形状を成していることを特徴とする第1項または第2項に記載の血管(または生体組織)切断用処置具。
【0075】
4.V字形状の根元部分の電極に血管を押し付けるための押圧手段を設けたことを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の血管(または生体組織)切断用処置具。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の生体組織切断用処置具によれば、血管の切断を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る生体組織切断処置具(バイポーラカッター)が組み込まれた血管採取装置の分解側面図。
【図2】同実施形態を示し、(a)はトロッカーの斜視図、(b)は同じく縦断側面図。
【図3】同実施形態を示し、硬性鏡を抜き取った状態の処置シースの縦断側面図。
【図4】同実施形態を示し、硬性鏡を抜き取った状態の処置シースの縦断平面図。
【図5】同実施形態を示し、硬性鏡を挿通した状態の処置シースの縦断側面図。
【図6】同実施形態を示し、硬性鏡を挿通した状態の処置シースの縦断平面図。
【図7】同実施形態を示し、図5の矢印A方向から見た図。
【図8】同実施形態を示し、ダイセクターの先端部の縦断側面図。
【図9】同実施形態を示し、(a)は血管採取装置の斜視図、(b)は先端部の斜視図、(c)は先端部の正面図。
【図10】同実施形態のバイポーラカッターを示し、(a)は上面図、(b)は縦断側面図、(c)は下面図。
【図11】同実施形態の血管保持子を示し、(a)は上面図、(b)は縦断側面図、(c)は正面図。
【図12】同実施形態のワイパーを示し、(a)は上面図、(b)はB−B線に沿う断面図。
【図13】同実施形態のワイパー操作部の斜視図。
【図14】同実施形態を示し、下肢に皮切部を形成した状態の図。
【図15】同実施形態を示し、下肢の皮切部にトロッカーを装着し、トロッカーを案内として腔内にダイセクターを挿入した状態の断面図。
【図16】同実施形態を示し、トロッカーを案内として腔内に処置シースを挿入した状態の全体構成図。
【図17】同実施形態のモニター画像を示す図。
【図18】同実施形態を示し、腔内に処置シースを挿入した状態の断面図。
【図19】同実施形態を示し、腔内の処置状態の断面図。
【図20】同実施形態のモニター画像を示す図。
【図21】同実施形態を示し、(a)〜(c)は血管保持子の作用を示す斜視図。
【図22】同実施形態を示し、処置状態の腔内断面図。
【図23】同実施形態のモニター画像を示す図。
【図24】同実施形態のモニター画像を示す図。
【図25】同実施形態を示し、(a)〜(c)はバイポーラカッターの作用を示す平面図。
【図26】同実施形態を示し、(a)(b)はバイポーラカッターの作用を示す腔内断面図。
【図27】同実施形態を示し、処置状態の腔内断面図。
【図28】同実施形態のモニター画像を示す図。
【図29】同実施形態を示し、処置シースの先端部の斜視図。
【図30】同実施形態を示し、処置シースの先端部の斜視図。
【図31】同実施形態を示し、処置シースの先端部の斜視図。
【図32】(a)は第1の変形例に係るバイポーラカッターの先端処置部の平面図、(b)は(a)の先端処置部の縦断側面図。
【図33】図32のバイポーラカッターの使用形態を示す図。
【図34】図33のC−C線に沿う断面図。
【図35】図32のバイポーラカッターの使用形態を示す断面図。
【図36】図32のバイポーラカッターの使用形態を示す断面図。
【図37】図32のバイポーラカッターの使用形態を示す断面図。
【図38】図32のバイポーラカッターの他の使用形態を示す斜視図。
【図39】第2の変形例に係るバイポーラカッターを組み込んだ血管採取装置の先端部の斜視図。
【図40】本発明の第2の実施形態に係る生体組織切断用処置具(バイポーラカッター)の斜視図。
【図41】図40のバイポーラカッターの側断面図。
【図42】下肢を血管に沿って切開した状態を示す図。
【図43】図40のバイポーラカッターの使用形態を示す図。
【図44】図40のバイポーラカッターの他の使用形態を示す図。
【図45】バイポーラカッターにおける電極の形成形態の変形例であり、(a)は先端処置部の平面図、(b)は(a)のD−D線に沿う断面図。
【図46】バイポーラカッターにおける電極の形成形態の他の変形例であり、(a)は先端処置部の平面図、(b)は(a)のE−E線に沿う断面図。
【図47】図40に示されるバイポーラカッターの変形例を示す斜視図。
【図48】(a)は図47のバイポーラカッターの先端処置部の平面図、(b)は図47のバイポーラカッターの側断面図。
【図49】本発明の第3の実施形態に係る生体組織切断用処置具(モノポーラカッター)の概略構成図。
【図50】(a)は図49の生体組織切断用処置具の先端処置部の平面図、(b)は(a)のF−F線に沿う断面図。
【符号の説明】
18,118,118A,118B,218・・・カッター(生体組織切断用処置具)
40,140,240・・・カッター本体
40a,140a,240a・・・先端処置部
41,141,241・・・V溝(案内部)
42,43,142,143,242・・・電極
61・・・血管
72・・・側枝
Claims (5)
- 体内に挿入される細長い本体と、
前記本体の先端に設けられ且つ生体組織を切断するための先端処置部と、
この先端処置部に設けられ且つ生体組織を電気的に切断するための電極と
を備えた生体組織切断用処置具において、
前記先端処置部は、
その先端が基端に比べて連続的に広げられた状態に配設され、前記本体の移動に伴って、前記電極によって電気的に切断するための生体組織を含む生体組織をその先端側から基端側に向かって案内する第1の案内部と、
その基端に前記電極が配設され、前記第1の案内部の基端にその先端が連続的に接続されているとともに、前記第1の案内部の基端よりも幅の狭い溝として形成され、前記第1の案内部の基端で集められた生体組織のうち、その基端に配設された前記電極によって電気的に切断するための生体組織をその先端側から基端側に向かって案内する第2の案内部と
を備えていることを特徴とする生体組織切断用処置具。 - 前記第1および第2の案内部は、前記本体の軸方向の移動もしくはこれと略直交する方向への移動に伴って、生体組織を前記電極へと案内することを特徴とする請求項1に記載の生体組織切断用処置具。
- 前記第1および第2の案内部のうち少なくとも前記第2の案内部は、前記先端処置部に形成された略V字形状の切り欠き溝であり、V字形状を形作る各辺に対応する切り欠き溝の壁面によって、前記各辺の交差部にほぼ位置する前記電極へと生体組織を案内することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生体組織切断用処置具。
- 前記電極は、モノポーラもしくはバイポーラ型の高周波電極であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の生体組織切断用処置具。
- 前記本体は、前記第1の案内部から前記第2の案内部に向かって生体組織を押し込み、前記電極に対して電気的に切断するための生体組織を当接させる当接手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1に記載の生体組織切断用処置具。
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