JPH1069024A - 写真用塗布液組成物およびそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

写真用塗布液組成物およびそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料

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JPH1069024A
JPH1069024A JP8226924A JP22692496A JPH1069024A JP H1069024 A JPH1069024 A JP H1069024A JP 8226924 A JP8226924 A JP 8226924A JP 22692496 A JP22692496 A JP 22692496A JP H1069024 A JPH1069024 A JP H1069024A
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surfactant
layer
coating
coating liquid
liquid composition
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JP8226924A
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Taisei Nishimi
大成 西見
Kenichi Nakamura
謙一 中村
Hidetoshi Kobayashi
英俊 小林
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】良好な塗布面状が得られ、現像処理液によるハ
ジキムラのないハロゲン化銀感光材料を提供し得る塗布
液処方を提供する。 【解決手段】バッキング層を有するハロゲン化銀写真感
光材料において、該バッキング層を構成する層の支持体
から最も遠い側に設けられる層の塗布液組成物が、それ
ぞれ少なくとも1種の滑り剤、カチオン系界面活性剤お
よびアニオン系界面活性剤を含有する水−有機溶媒から
なる塗布液組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料のバッキング層に設けられる最外層用の塗布液組
成物に関するものであり、詳しくは塗布液組成物の凝集
・沈澱を防止し、良好な塗布性を与え、塗設後に得られ
る膜の濡れ性を改良し、処理液のハジキを防止した塗布
組成物およびその塗布液組成物の塗膜を有するハロゲン
化銀写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料においては、
感光材料の製造上、製造後の感光材料の裁断、穿孔、巻
き込みなどの取扱い上、あるいは、カメラ、映写機、プ
リンター等装置内の走行性、さらには感材屑やごみの付
着防止などから、感光材料の支持を挟んだ両面の支持体
より遠い側の層、特に最も遠い側の層(最外層)に、通
常は滑り剤(易滑剤)が用いられる。滑り剤に鯨脳油を
用い、アニオン系界面活性剤と含フッ素カチオン系界面
活性剤を使用する方法が、特開昭49−125015号
公報に記載されている。また、疎水的な表面を有する基
材の表面処理液として直鎖または分岐の疎水性脂肪族炭
化水素基を有する界面活性剤と直鎖または分岐の疎水性
脂肪族含フッ素炭化水素基を有するアニオン系またはカ
チオン系界面活性剤を含む水溶液が英国特許第1,33
7,467号明細書に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、ハロ
ゲン化銀写真感光材料のバッキング層最外層用の塗布液
組成物を提供するものであって、該塗布液の経時安定性
が優れ、塗布液組成物の凝集・沈澱がなく、良好な塗布
性を与え、塗布液塗設後に得られる膜の濡れを良化して
処理液のハジキムラを防止した塗布液組成物を提供する
こと、および該塗布液組成物を塗布したバッキング層最
外層を有するハロゲン化銀写真感光材料を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、上記課題は下記の手段により達成できた。即
ち、 (1)バッキング層を有するハロゲン化銀写真感光材料
において、該バッキング層を構成する層の支持体から最
も遠い側に設けられる層の塗布液組成物が、それぞれ少
なくとも1種の滑り剤、カチオン系界面活性剤およびア
ニオン系界面活性剤を含有する水−有機溶媒からなるこ
とを特徴とする塗布液組成物。
【0005】(2)滑り剤が一般式(I)で表される化
合物であることを特徴とする(1)に記載の塗布液組成
物。 一般式(I) (R1 p −(COO)q −(R2
r 式中、R1 は炭素数6〜60、R2 は炭素数1〜60の
置換もしくは無置換の直鎖、分岐、環状を含むアルキル
基、アルケニル基、アラルキル基および置換もしくは無
置換のアリール基である。p、qおよびrはそれぞれ1
〜6の整数を表す。
【0006】(3)カチオン系界面活性剤またはアニオ
ン系界面活性剤の少なくとも一方が含フッ素界面活性剤
であることを特徴とする(1)または(2)に記載の塗
布液組成物。
【0007】(4)カチオン系界面活性剤が含フッ素界
面活性剤であることを特徴とする(3)に記載の塗布液
組成物。
【0008】(5)アニオン系界面活性剤が含フッ素界
面活性剤であることを特徴とする(3)に記載の塗布液
組成物。
【0009】(6)上記(1)から(5)の塗布液組成
物を塗布してなるバッキング層最外層を有するハロゲン
化銀写真感光材料。(7)バッキング層に磁気記録層を
有することを特徴とする(6)に記載のハロゲン化銀写
真感光材料。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で言うバッキング層とは、
支持体の一方の面に下塗り層を施した上に少なくとも1
層の感光性ハロゲン化銀乳剤層が設けられた(以下、感
光性層と略称する)側とは、支持体を挟んで反対側に設
けられた層を総称してバッキング層と言う。このバッキ
ング層は感光性層と同様に下塗り層を設けた上に塗設さ
れた層であってもよく、下塗り層がなく表面処理された
支持体上に直接塗設されていてもよい。また、下塗り層
は支持体とバッキング層の接着を良化するために2層以
上から成っていてもよい。なお本発明では、バッキング
層と言うときは下塗り層を有していても、この下塗り層
を除いた層を総称して云う。バッキング層は、感光材料
の写真性能に付加して要求される種々の機能を与えるこ
とを主目的として設けられる。種々の機能とは、例え
ば、スタチックマークの発生防止、感光材料の製造、取
扱い上の接着防止や滑り性付与、カール防止、支持体側
から感光性層に入る不要な光のカット、さらには感光材
料の製造や撮影条件などの情報を記録するなどであり、
これらの機能を与えるためには帯電防止剤、マット剤、
滑り剤、カール防止剤、光吸収剤、フィルター染料、紫
外線吸収剤、強磁性体微粒子などが用いられ、これらの
化合物等を担持するためのバインダー、硬化剤、可塑
剤、界面活性剤、塗布助剤などが併せて用いられる。本
発明では、上記の種々の機能を与えるために設けられる
バッキング層は、感光材料に要求される付加機能に応じ
て上記のいくつかの化合物を含有せしめる。これらの化
合物は1つの層に含有するものであってもよく、付与す
る機能に応じて2層以上としてもよい。従って、バッキ
ング層は少なくとも1層以上の構成からなる。
【0011】本発明は、このバッキング層の最外層(支
持体より最も遠い側に設けられる層)に係る塗布液組成
物に関するものである。バッキング層が単層構成の場合
はその層を、2層以上の構成の場合は支持体から最も遠
い側の層の塗布液組成物に関するものである。本発明で
はこのバッキング層は複数の構成層からなることが好ま
しい。複数の構成層とすることによって付与する機能に
応じて使用する化合物が分離され、他の目的に使用する
化合物によってその機能を劣化することがなく、有効に
発現できるからである。複数の構成層としては、例え
ば、帯電防止層、磁気記録層、滑り層、中間層などであ
る。
【0012】本発明では、バッキング層の最外層の塗布
液組成が、それぞれ少なくとも1種の滑り剤、カチオン
系界面活性剤およびアニオン系界面活性剤を含有する水
−有機溶媒からなる組成物である。従って、滑り剤を含
有することから上記滑り層がバッキング層の最外層であ
り、上記塗布液組成物の塗設を行って得られる塗膜が滑
り層であることを意味する。
【0013】なお、バッキング層の全乾燥膜厚として
は、0.2〜20μmの範囲である。好ましくは0.5
〜10μmの範囲である。膜厚は25℃、相対湿度55
%に2日の調温湿後測定した膜厚である。
【0014】次に、本発明に係る滑り剤について説明す
る。本発明においては、公知の滑り剤はいずれも使用す
ることができる。公知の滑り剤としては、例えば、前記
RD307105、第 XII章に記載の文献に挙げてある
化合物である。本発明では、好ましは下記一般式(I)
で表される化合物の使用である。 一般式(I) (R1 p −(COO)q −(R2
r 式中、R1 は炭素数6〜60、R2 は炭素数1〜60の
置換もしくは無置換の直鎖、分岐、環状を含むアルキル
基、アルケニル基、アラルキル基および置換もしくは無
置換のアリール基である。p、q、rはそれぞれ1〜6
の整数を表す。本発明では、R1 とR2 の炭素数の総和
は20以上が好ましい。さらに30以上がより好まし
い。また、(R1 p と(R2 r の炭素数の総和とし
ては、pおよびrが2〜6の場合には30以上が好まし
く、40以上がより好ましい。
【0015】置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキ
シ基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
ルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基、アシルア
ミノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド基、カルバモイ
ル基、スルファモイル基、アシル基、スルホニル基、ス
ルフィニル基、アリール基およびアルキル基を挙げるこ
とができる。これらの基はさらに置換基を有してもよ
い。好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキ
シ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカル
ボニル基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アシ
ル基およびアルキル基である。ハロゲン原子としてはフ
ッ素原子、塩素原子が好ましい。アルコキシ基、アルキ
ルチオ基、アルコキシカルボニル基のアルキル基は先に
説明したR2 のアルキル基に同じである。アシルアミノ
基、スルホニルアミノ基のアミノ基はN置換アミノ基で
あってもよく、置換基は上記アルキル基が好ましい。ア
シルアミノ基、アシル基のカルボニル基およびスルホニ
ルアミノ基のスルホニル基に結合する基はアルキル基、
アリール基であるが、上記アルキル基が好ましい。
【0016】好ましいR1 およびR2 の例としては、ブ
チル、オクチル、t−オクチル、ドデシル、テトラデシ
ル、ヘキサデシル、2−ヘキシルデシル、オクタデシ
ル、C n 2n+1(nは20〜60を表す)、エイコシ
ル、ドコサニル、メリシニル、オクテニル、ミリストレ
イル、オレイル、エルシル、フェニル、ナフチル、ベン
ジル、ノニルフェニル、ジペンチルフェニル、シクロヘ
キシル基およびこれらの上記置換基を有する基等を挙げ
ることができる。さらに、R1 およびR2 はエチレン、
プロピレン、フェニレン等の2価の基、あるいはグリセ
リン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ソルビトール等を連結基としたものを含んでもよ
い。
【0017】本発明の上記一般式(I)で表される化合
物は、天然物であっても合成物であってもよい。天然
物、あるいは合成物であっても天然物の高級脂肪酸やア
ルコールを原料とした合成化合物は、炭素数の異なるも
のや直鎖と分岐のものを含み、これらの混合物となる
が、これらの混合物を使用することは何等差し支えな
い。化合物としては、これらのうちの主成分となるもの
を表す。以下に好ましい一般式(I)で表される化合物
の具体例を示す。
【0018】
【化1】
【0019】これらの化合物は、例えば、特開昭58−
90633号に一部記載がある。上記化合物に加え、天
然物の例としてモンタン酸エステル、カルナウバWA
X、オレオストックなども加えることができる。
【0020】本発明では、一般式(I)で表される化合
物に加え、公知の他の滑り剤と併用することもできる。
公知の滑り剤として好ましいものは、一般式(I)で表
される化合物に類似する、例えば、米国特許第4,27
5,146号に記載の高級脂肪族アミド類、米国特許第
3,933,516号に記載の高級脂肪酸もしくはその
金属塩類、その他高級アルコールおよびその誘導体類、
ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、マイクロ
クリスタリンワックス、ポリオキシエチレン(重合度5
〜60)アルキルフェニルエーテル化合物等を挙げるこ
とができる。また、天然物の油脂、ワックス、オイル、
例えば蜜蝋なども併用することができる。
【0021】さらに、併用できる好ましい公知の滑り剤
として、市販または合成によって入手可能なシリコーン
系化合物を挙げることができる。シリコーン系化合物に
あってもポリオルガノシロキサン類が好ましい。これら
の化合物の合成法および化合物については、独国特許第
1,938,959号、米国特許第2,694,637
号、米国特許第3,042,522号、特公昭51−3
3600号、特公昭52−22040号、特開昭59−
31543号、特開昭62−203152号、特開昭6
2−269139号、特開昭60−54015号、特開
平2−301750号、特開平2−115836号、特
公平3−2285号、特開平6−102615号等に詳
しい記載がある。
【0022】市販のシリコーン化合物は、米国ダウコー
ニング社、独国BYKケミー社、信越化学(株)、東芝
シリコーン(株)、東レシリコーン(株)、日本ユニカ
ー(株)、チッソ(株)より種々の構造のものが市販の
化成品として容易に入手可能である。また、これらの市
販のシリコーンを原料として通常の化学反応により容易
に誘導体化可能である。
【0023】本発明においては、バッキング層の最外層
(支持体より最も遠い側の層)に好ましくは上述の一般
式(I)で表される滑り剤を少なくとも1種含有する。
2種以上を併用することもできる。一般式(I)で表さ
れる化合物の塗設量は1〜100mg/m2の範囲である。
好ましくは2〜60mg/m2の範囲である。特に5〜40
mg/m2の範囲が好ましい。一般式(I)で表される化合
物とそれ以外の滑り剤を併用する場合においても滑り剤
の全塗設量は上記の範囲である。なお、この場合にあっ
ては、一般式(I)で表される化合物は、全滑り剤の3
0重量%以上が望ましい。特に50重量%以上が好まし
い。
【0024】本発明のそれぞれ少なくとも1種の滑り
剤、カチオン系界面活性剤およびアニオン系界面活性剤
を含有する水−有機溶媒系からなる塗布液組成物は、滑
り剤、一般式(I)で表される化合物の微粒子が水及び
有機溶媒の混合溶媒に分散された(通常、滑り剤の水分
散物を調製し、これに水及び有機溶媒を加える)塗布液
組成物として供給される。滑り剤に使用する有機溶媒と
しては、いわゆる通常の有機溶媒を適宜選択し、使用す
ることができる。例えば、ケトン類(アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノンなど);アルコール類(炭素数1〜8の低級アルコ
ール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノールな
ど);グリコール誘導体類(セロソルブ、エチレングリ
コールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルなど);炭素数1〜5の低級脂肪酸のエス
テル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル
など);ハロアルカン類(メチレンジクロライド、エチ
レンジクロライド、トリクレン、トリクロロメタン、ト
リクロロエタン、四塩化炭素など);炭化水素類(オク
タン、ソルベントナフサ、テレピン油、石油エーテル、
シンナー、石油ベンジン、ベンゼン、トルエン、エチル
ベンゼン、キシレンなど);エーテル類(ジブチルエー
テル、メチルフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサンなど)、フェノール類(フェノール、レゾル
シノールなど);リン酸エステル類(トリメチルホスフ
ェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェ
ートなど);アミド類(ジメチルホルムアミドなど);
その他DMSOなどを挙げることができる。本発明にお
いては、好ましくはアルコール類、ケトン類、グリコー
ル誘導体類の使用が好ましい。なお、水と有機溶媒の使
用量は、水の使用比率は少ないほうが好ましい。その使
用比率としては、水/有機溶媒が40/60重量比以下
が好ましい。さらに好ましくは30/70重量比以下で
ある。滑り剤のこの様な溶媒系での使用が、分散物とし
ての塗布液組成物の安定性に好ましい。また、良好な塗
布性を与え、得られる塗膜は濡れ性を改良するものであ
る。本発明では上述した有機溶媒は、同一もしくは異な
る種類の溶媒を2種以上混合使用することはなんら差し
支えない。本発明の課題解決のためには好ましい場合も
ある。
【0025】前記、水−滑り剤(+有機溶媒)分散物
は、公知の分散技術を適用することができる。例えば、
前記RD307105、第 XIV章に記載されている機械
的な剪断力による分散、超音波エネルギーを用いる分散
あるいは2液混合による析出法などにより得られる。分
散物としては、平均粒径5.0μm以下、好ましくは
2.0μm以下、さらに好ましくは1.0μm以下0.
01μm以上である。
【0026】上記一般式(I)で表される滑り剤の分散
物の調製、塗布液の安定化あるいは優れた塗布性や得ら
れる塗膜の優れた濡れ性を得るためには、塗布液組成物
に界面活性剤を使用することが望ましい。本発明では、
界面活性剤として公知のカチオン系、アニオン系、ノニ
オン系およびベタイン系の界面活性剤を使用することが
できる。これらの界面活性剤は、例えば、前掲RD30
7105、第XI章の文献に記載の化合物を使用すること
ができる。この中にあって本発明は、それぞれ少なくと
も1種のカチオン系界面活性剤およびアニオン系界面活
性剤を塗布液組成物として含有するものである。好まし
くはカチオン系界面活性剤およびアニオン系活性剤の少
なくとも一方が含フッ素界面活性剤である。
【0027】以下に、含フッ素界面活性剤について説明
する。本発明に使用する含フッ素界面活性剤は下記一般
式(II)で表される。 一般式(II) Rf−A−X 式中Rfは少なくとも3個のフッ素原子を含有する部分
フッ素化又は全フッ素化された置換、無置換のアルキル
基、アルケニル基、もしくはアリール基を表わす。Aは
二価の連結基または単結合を表わし、Xは水溶性基を表
わす。Aは、好ましくはアルキレン基、アリーレン基又
はそれらの複合基を表わし、これは酸素、エステル基、
アミド基、スルホニル基、硫黄の如き異種原子で中断さ
れた二価の置換、無置換の連結基であっても良い。
【0028】Xはカチオン性もしくはアニオン性の親水
性基であり、例えば−N+ (R5 )(R6 )(R7 )Y
- 、−COOM、−SO3 M、−OSO3 M、−OPO
(−OM)2 、−OP(−OM)2 、−OPO(−O
M)(−A−Rf)、または−PO(−OM)(−A−
Rf)から選ばれる基である。ここで、Y- は無機もし
くは有機の陰イオンであり、好ましくはCl- 、B
- 、I- 、スルホネート、ホスフェート、またはカル
ボキシレートを表わす。R5 、R6 、R7 はそれぞれ独
立に水素原子炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜
12のアルケニル基、炭素数7〜12のアラルキル基、
または炭素数6〜12のアリール基を表わす。Mは水素
原子または無機もしくは有機の陽イオンであり、好まし
くは水素原子、アルカリ金属(Li+ 、Na+ 、K+
ど)、アルカリ土類金属(Mg2+、Ca 2+など)または
炭素数0〜18のアンモニウムイオンを表わす。
【0029】本発明の代表的な含フッ素化合物の具体例
を以下に示す。
【0030】
【化2】
【0031】
【化3】
【0032】
【化4】
【0033】
【化5】
【0034】本発明で用いられる含フッ素界面活性剤は
上記カチオン系およびアニオン系界面活性剤に加えノニ
オン系やベタイン系含フッ素界面活性剤を併用してもよ
い。これら含フッ素界面活性剤は合成法も含め、例え
ば、英国特許第1,293,189号、同1,259,
398号、米国特許第3,589,906号、同3,6
66,478号、同3,754,924号、同3,77
5,236号、同3,850,640号、特開昭54−
48520号、同56−114944号、同50−16
1236号、同51−151127号、同50−590
25号、同50−113221号、同50−99525
号、特公昭48−43130号、同57−6577号、
特開昭58−200235号、同58−196544
号、特開昭53−84712号、同57−64228
号、I & EC Product Reserch and Development 1(3)(19
62.9) 油化学12(12)(1963)、p.653〜622 等に記載され
ている。
【0035】本発明においては、好ましくはカチオン系
界面活性剤またはアニオン系界面活性剤の少なくとも一
方が含フッ素界面活性剤である。より好ましくはカチオ
ン系界面活性剤が含フッ素界面活性剤であり、アニオン
系界面活性剤は非フッ素含有界面活性剤である組み合せ
もしくはアニオン系界面活性剤が含フッ素界面活性剤で
あり、カチオン系界面活性剤が非フッ素含有界面活性剤
である組み合せ使用である。特に、前者のカチオン系界
面活性剤が含フッ素界面活性剤でアニオン系界面活性剤
は非フッ素含有界面活性剤の組み合せの場合が好まし
い。
【0036】次に、上記説明における含フッ素界面活性
剤と組み合せ使用されるもう一方の非フッ素含有界面活
性剤は、例えば前記RD307105に記載の文献に挙
げてあるカチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤
をいずれも使用することができる。以下にその具体例を
挙げる。
【0037】
【化6】
【0038】
【化7】
【0039】本発明においては、好ましくはカチオン系
界面活性剤またはアニオン系界面活性剤の少なくとも一
方が含フッ素界面活性剤であるが、より好ましくはカチ
オン系界面活性剤が含フッ素界面活性剤であり、アニオ
ン系界面活性剤は非フッ素含有界面活性剤である組み合
せもしくはアニオン系界面活性剤が含フッ素界面活性剤
であり、カチオン系界面活性剤は非フッ素含有界面活性
剤である組み合せ使用である。この界面活性剤の組み合
せ使用における全界面活性剤の使用量は、塗設量として
1m2当り0.01〜50mgの範囲である。好ましくは
0.1〜10mgである。より好ましくは0.5〜5mgの
範囲である。なお、組み合せにおけるカチオン系界面活
性剤/アニオン系界面活性剤のモル比としては0.01
〜100の範囲でとり得るが好ましくは0.1〜10で
ある。より好ましくは0.2〜2の範囲である。特に好
ましくは0.5〜1.5の範囲である。これら界面活性
剤の添加方法としては、カチオン系界面活性剤とアニオ
ン系界面活性剤をあらかじめ混合し、イオンコンプレッ
クスを形成させ、これを使用してもよく、個々に逐次添
加してもよい。この逐次添加の場合は上記界面活性剤の
より好ましいモル比の範囲から良好なイオンコンプレッ
クス分散物とするためにアニオン系界面活性剤を先に、
次いでカチオン系界面活性剤を添加するのが好ましい。
このような添加方法を行う場合、ノニオン系界面活性剤
を併用することもできる。なおアニオン系界面活性剤お
よび/またはノニオン系界面活性剤はワックス(滑り
剤)分散物調製時に分散用界面活性剤として別途添加し
てもよい。併用できるノニオン系界面活性剤としてはポ
リオキシアルキレン基(重合度としては5〜60)を有
するものが好ましい。使用量としては1m2当りの塗設量
が上記の界面活性剤の全使用量の上限値を超えることは
ない量である。好ましいノニオン系界面活性剤の具体例
を下記に示す。
【0040】
【化8】
【0041】
【化9】
【0042】本発明に係る上述の界面活性剤の組み合せ
使用、添加方法によりイオンコンプレックスが形成され
るが、このイオンコンプレックスは安定であり、滑り剤
を含む分散物の安定性も良く、凝集・沈澱はなく、この
塗布液組成物の塗設においても塗膜の表面への固定性に
優れている。また、組み合せ使用は臨界ミセル濃度(C
MC)を低下すると共に、表面張力をも低下させる。従
って界面活性剤の使用量を低減することもできる。ま
た、イオンコンプレックスを塗設した感光材料は、その
現像処理において塗膜から溶出して処理液中に流出する
量が少ないため処理液の濡れ性が良く、最終処理浴時に
も界面活性剤が充分に残存しているために液切れ不良に
基づく液のハジキムラ(水滴痕跡や液に存在していた種
々の化合物の析出物の付着)を解消することができる。
さらに感材屑やゴミ等の付着も防止することができる。
これらの効果はフッ素含有界面活性剤の使用でさらに高
めらる。
【0043】イオンコンプレックスをあらかじめ形成さ
せて、このイオンコンプレックスを滑り剤に混合して使
用する場合のこのイオンコンプレックスの代表的な具体
例を下記に示す。
【0044】
【化10】
【0045】
【化11】
【0046】本発明において用いられるイオンコンプレ
ックスは、カチオン系界面活性剤とアニオン系界面活性
剤とをモル比率で10:1から1:10の範囲、好まし
くは2:1から1:2の範囲、さらに好ましくは1:1
前後の範囲で、水非混和性有機溶媒(トルエン、キシレ
ン、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、水混和性有機溶媒
(メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセト
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、及び水の
混合溶媒中で混合し、脱塩操作を行った後、水非混和性
有機溶媒層を分液操作により取り出し、濃縮すること
で、粉末状、フレーク状、塊状もしくはワックス状の形
態で得ることができる。以下にイオンコンプレックスの
調製例を示す。
【0047】IC−1の調製 カチオン系界面活性剤I−24 13.6gを1リット
ルの三つ口フラスコに入れ、酢酸エチル200ml、エタ
ノール200ml、及び水300mlを加え、40℃で加熱
攪拌した。次にアニオン系界面活性剤A−4 8.6g
の水100ml溶液を20分間で滴下し、さらに30分間
攪拌した。反応液を2リットルの分液ロートに移し、酢
酸エチル300ml、水500mlを加えて震盪し、分液後
水層を除去した。さらに、500mlの水による水洗を3
回繰り返した後、酢酸エチル層を取り出し、減圧下溶媒
を溜去した。残渣に200mlのトルエンを加えて、減圧
下溜去する工程を3回繰り返すことにより、フレーク状
の目的とするIC−1を13.1g得た。IC−1の構
造は元素分析及びNMRスペクトルにより確認した。
【0048】本発明では、滑り剤、カチオン系界面活性
剤およびアニオン系界面活性剤を含有する水−有機溶媒
または有機溶媒からなるバッキング層最外層用の塗布液
組成物には、これら化合物のバインダーとなる化合物は
使用しないことが本発明の課題達成上好ましい。但し、
必要に応じてはバインダーを使用することもできる。バ
インダーとしては、公知の化合物、例えば、各種ゼラチ
ン類(アルカリ処理、酸処理、酵素処理、改質(フタル
化、コハク化、トリメリト化など)、変性、特別な分子
量分布等のゼラチンなど)、置換もしくは無置換のセル
ロース類、天然物のアラビアゴム、デキストランなどの
親水性バインダーや通常の有機溶媒に可溶で現像処理液
など水に全くまたは殆んど不溶、かつ、フィルム形成性
を有する疎水性バインダー、例えば、ポリスチレン、ポ
リメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリア
クリロニトリル、ポリ酢酸ビニルなどのホモもしくはコ
ポリマー、セルロースジアセテート、ニトロセルロー
ス、セルローストリアセテート、エチルセルロース、セ
ルロースナイトレート、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、セルロースプロピオネートなどのセルロース誘導
体、さらにポリビニルアセタール、ポリビニルベンザー
ル、ポリビニルホルマールなどのアセタール類などが挙
げられる。これらは2種以上を混合使用してもよい。
【0049】本発明では、親水性バインダーとしてはゼ
ラチン類、置換もしくは無置換のセルロース誘導体、特
に置換アルキルセルロース類が、疎水性バインダーとし
てはセルロース誘導体の使用が好ましい。特にヒドロキ
シアルキル(アルキル基は炭素数が1〜5)セルロース
類、セルロースジアセテートの使用が好ましく、ヒドロ
キシアルキル(炭素数が2〜4)セルロースの使用が最
も好ましい。
【0050】親水性バインダーの使用に際しては、硬化
剤を用いて水不溶もしくは難溶性にすることが望まし
い。各種ゼラチン類の場合は、公知の硬化剤を使用する
ことができる。これらは、例えば、前記RD30710
5、第X章の文献に記載されている化合物を使用するこ
とができる。ヒドロキシアルキルセルロース類について
は、イソシアネート基を2つ以上有する多官能イソシア
ネート化合物の使用が好ましい。この様な硬化剤を使用
することによって高分子量化し、親水性を減じて現像処
理液等水に不溶もしくは難溶性となり、フィルム形成性
を賦与することができる。
【0051】バインダーの使用量としては少ないことが
好ましい。使用量としては、その塗設量が2.0mg以下
が望ましい。さらに1.0mg/m2以下であることが好ま
しい。最も好ましいのは前述したように全く使用しない
場合である。なお、バッキング層最上層用の塗布液組成
物として、上記に説明した滑り剤、カチオン系界面活性
剤およびアニオン系界面活性剤の外に、必要に応じてマ
ット剤、研磨剤、塗布助剤などを含有してもよい。
【0052】本発明のバッキング層最外層用塗布液組成
物の塗布は、公知の塗布方式、例えば、エアードクタ
ー、ブレード、エアナイフ、スクイズ、含浸、リバース
ロール、トランスファーロール、グラビア、キス、キャ
スト、スプレイ、ディップ、バー、エクストリュージョ
ン等の塗布方式を利用して塗設することができる。
【0053】次に、先に説明したバッキング層の構成層
の1つである磁気記録層について説明する。本発明に用
いられる磁気記録層とは、磁性体粒子をバインダー中に
分散した水性もしくは有機溶媒系塗布液を支持体上に塗
設したものである。本発明で用いられる磁性体粒子は、
γFe23 などの強磁性酸化鉄、Co被着γFe2
3 、Co被着マグネタイト、Co含有マグネタイト、強
磁性二酸化クロム、強磁性金属、強磁性合金、六方晶系
のBaフェライト、Srフェライト、Pbフェライト、
Caフェライトなどを使用できる。Co被着γFe2
3 などのCo被着強磁性酸化鉄が好ましい。形状として
は針状、米粒状、球状、立方体状、板状等いずれでもよ
い。比表面積ではSBET で20m2/g以上が好ましく、
30m2/g以上が特に好ましい。強磁性体の飽和磁化
(σs)は、好ましくは3.0×104 〜3.0×10
5 A/mであり、特に好ましくは4.0×104〜2.
5×105 A/mである。強磁性体粒子を、シリカおよ
び/またはアルミナや有機素材による表面処理を施して
もよい。さらに、磁性体粒子は特開平6−161032
に記載された如くその表面にシランカップリング剤又は
チタンカップリング剤で処理されてもよい。又特開平4
−259911、同5−81652号に記載の表面に無
機、有機物を被覆した磁性体粒子も使用できる。
【0054】磁性体粒子に用いられるバインダーは、特
開平4−219569に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ又
は生分解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導
体、糖誘導体など)およびそれらの混合物を使用するこ
とができる。上記の樹脂のTgは−40℃〜300℃、
重量平均分子量は0.2万〜100万である。例えばビ
ニル系共重合体、セルロースジアセテート、セルロース
トリアセテート、セルロースアセテートプロピオネー
ト、セルロースアセテートブチレート、セルローストリ
プロピオネートなどのセルロース誘導体、アクリル樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂を挙げることができ、ゼ
ラチンも好ましい。特にセルロースジ(トリ)アセテー
トが好ましい。バインダーは、エポキシ系、アジリジン
系、イソシアネート系の架橋剤を添加して硬化処理する
ことができる。イソシアネート系の架橋剤としては、ト
リレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、などのイソシアネート
類、これらのイソシアナート類とポリアルコールとの反
応生成物(例えば、トリレンジイソシアネート3mol と
トリメチロールプロパン1mol の反応生成物)、及びこ
れらのイソシアネート類の縮合により生成したポリイソ
シアネートなどがあげられ、例えば特開平6−5935
7に記載されている。
【0055】前述の磁性体を上記バインダー中に分散す
る方法は、特開平6−35092に記載されている方法
のように、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミルな
どが好ましく併用も好ましい。特開平5−088283
に記載の分散剤や、その他の公知の分散剤が使用でき
る。磁気記録層の厚みは0.1μm〜10μm、好まし
くは0.2μm〜5μm、より好ましくは0.3μm〜
3μmである。磁性体粒子とバインダーの重量比は好ま
しくは0.5:100〜60:100からなり、より好
ましくは1:100〜30:100である。磁性体粒子
の塗布量は0.005〜3g/m2、好ましくは0.01
〜2g/m2、さらに好ましくは0.02〜0.5g/m2
である。磁気記録層の透過イエロー濃度は、0.01〜
0.50が好ましく、0.03〜0.20がより好まし
く、0.04〜0.15が特に好ましい。磁気記録層
は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷によって全面ま
たはストライプ状に設けることができる。磁気記録層を
塗布する方法としてはエアードクター、ブレード、エア
ナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、トランスフ
ァーロール、グラビヤ、キス、キャスト、スプレイ、デ
ィップ、バー、エクストリュージョン等が利用でき、特
開平5−341436等に記載の塗布液が好ましい。
【0056】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース
硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非
球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化
クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイ
ト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイ
アモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、そ
の表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング
剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添
加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例
えば保護層、潤滑剤層など)しても良い。この時使用す
るバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気
記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有
する感材については、US5,336,589、同5,
250,404、同5,229,259、同5,21
5,874、EP466,130に記載されている。
【0057】また本発明においては、帯電防止剤が好ま
しく用いられる。帯電防止剤の使用はバッキング層の構
成層の1つとして帯電防止層として設けるのが好まし
い。それらの帯電防止剤としては、カルボン酸及びカル
ボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カチオン性高分
子、イオン性界面活性剤化合物を挙げることができる。
帯電防止剤として最も好ましいものは、ZnO、TiO
2 、SnO2 、Al23 、In2 3 、SiO2 、M
gO、BaO、MoO3 、V2 5 の中から選ばれた少
なくとも1種の体積抵抗率が107 Ω・cm以下、より好
ましくは105Ω・cm以下である粒子サイズ0.001
〜1.0μm結晶性の金属酸化物あるいはこれらの複合
酸化物(Sb、P、B、In、S、Si、Cなど)の微
粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいはこれらの複合
酸化物の微粒子である。感材への含有量としては、5〜
500mg/m2が好ましく特に好ましくは10〜350mg
/m2である。導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物
とバインダーの量の比は1/300〜100/1が好ま
しく、より好ましくは1/100〜100/5である。
【0058】本発明の感材にはマット剤が有る事が好ま
しい。マット剤としては乳剤面、バック面とどちらでも
よい。マット剤は処理液可溶性でも処理液不溶性でもよ
く、好ましくは両者を併用することである。例えばポリ
メチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート/
メタクリル酸=9/1又は5/5(モル比))、ポリス
チレン粒子などが好ましい。粒径としては0.8〜10
μmが好ましく、その粒径分布も狭いほうが好ましく、
平均粒径の0.9〜1.1倍の間に全粒子数の90%以
上が含有されることが好ましい。又マット性を高めるた
めに0.8μm以下の微粒子を同時に添加することも好
ましく例えばポリメチルメタクリレート(0.2μ
m)、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸=9
/1(モル比)、0.3μm))、ポリスチレン粒子
(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.03μm)
が挙げられる。
【0059】本発明に使用できる支持体は、例えば前述
のRD307105の879頁に記載されている。好ま
しくはポリエステル系支持体である。
【0060】次に好ましく用いられるポリエステル支持
体について記す。本発明に用いられるポリエステルはジ
オールと芳香族ジカルボン酸を必須成分として形成さ
れ、芳香族ジカルボン酸として2,6−、1,5−、
1,4−、及び2,7−ナフタレンジカルボン酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジオールとしてジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロ
ヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールが挙げられる。この重合ポリマーとしては、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リシクロヘキサンジメタノールテレフタレート等のホモ
ポリマーを挙げることができる。特に好ましいのは2,
6−ナフタレンジカルボン酸を50モル%〜100モル
%含むポリエステルである。中でも特に好ましいのはポ
リエチレン 2,6−ナフタレートである。平均分子量
の範囲は約5,000ないし200,000である。本
発明のポリエステルのTgは50℃以上であり、さらに
90℃以上が好ましい。
【0061】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、よ
り好ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行
う。熱処理はこの温度範囲内の一定温度で実施してもよ
く、冷却しながら熱処理してもよい。この熱処理時間
は、0.1時間以上1500時間以下、さらに好ましく
は0.5時間以上200時間以下である。支持体の熱処
理は、ロール状で実施してもよく、またウェブ状で搬送
しながら実施してもよい。表面に凹凸を付与し(例えば
SnO2 やSb2 5 等の導電性無機微粒子を塗布す
る)、面状改良を図ってもよい。又端部にローレットを
付与し端部のみ少し高くすることで巻芯部の切り口写り
を防止するなどの工夫を行うことが望ましい。これらの
熱処理は支持体製膜後、表面処理後、バック層塗布後
(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布後のどこの段階
で実施してもよい。好ましいのは帯電防止剤塗布後であ
る。このポリエステルには紫外線吸収剤を練り込んでも
良い。又ライトパイピング防止のため、三菱化成製のDi
aresin、日本化薬製のKayaset 等ポリエステル用として
市販されている染料または顔料を練り込むことにより目
的を達成することが可能である。
【0062】なお、支持体と感材構成層(バッキング層
および感光性層)を接着させるために、支持体に表面処
理することが好ましい。薬品処理、機械的処理、コロナ
放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処理、グロー
放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処
理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理が挙げられ
る。表面処理の中でも好ましいのは、紫外線照射処理、
火焔処理、コロナ処理、グロー処理である。次に下塗法
について述べると、単層でもよく2層以上でもよい。下
塗層用バインダーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン
酸、無水マレイン酸などの中から選ばれた単量体を出発
原料とする共重合体を始めとして、ポリエチレンイミ
ン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニトロセルロ
ース、ゼラチンが挙げられる。支持体を膨潤させる化合
物としてレゾルシンとp−クロルフェノールがある。下
塗層にはゼラチン硬化剤としてはクロム塩(クロム明ば
んなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グルター
ルアルデヒドなど)、イソシアネート類、活性ハロゲン
化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリ
アジンなど)、エピクロルヒドリン樹脂、活性ビニルス
ルホン化合物などを挙げることができる。SiO2 、T
iO2 、無機物微粒子又はポリメチルメタクリレート共
重合体微粒子(0.01〜10μm)をマット剤として
含有させてもよい。
【0063】本発明のバッキング層の最外層に使用する
塗布液の組成物にそれぞれ少なくとも1種の滑り剤、カ
チオン系界面活性剤およびアニオン系界面活性剤を含有
する水−有機溶媒または有機溶媒からなる組成物を塗設
し、得られるこの新規なバッキング層を有する支持体を
使用して製造される感光材料は、B/W感材を初め、一
般用もしくは映画用のカラーネガフィルム、スライド用
もしくはテレビ用のカラー反転フィルム、カラーポジフ
ィルム、カラーペーパーおよびカラー反転ペーパーのよ
うな種々の感光材料に適用することができる。好ましく
は透明支持体を用いた感光材料である。より好ましくは
透明支持体であってB/Wネガ、一般用もしくは映画用
カラーネガ、スライド用もしくはテレビ用の反転カラー
フィルムなどの撮影用感光材料である。これらは135
タイプあるいはAPS用感材として裁断、加工して使用
することができる。上記には、特公平2−32615
号、実公平3−39784号に記載されているレンズ付
フィルムユニットをも含むものである。
【0064】本発明の課題の1つである感光材料の現像
処理時の処理ハジキ、特に最終浴の液切れに関する現像
処理の具体例としては、カラーネガフィルム用では、富
士写真フイルム(株)製のCN−16、CN−16Q、
CN−16X、CN−16Lの処理液、補充液、処理剤
等あるいはイーストマン・コダック社製のC−41、C
−41B、C−41RAの処理液、その補充液、処理剤
等を挙げることができる。カラー反転フィルム用の処理
液については、アズテック有限会社発行の公知技術第6
号(1991年4月1日)第1頁5行〜第10頁5行お
よび第15頁8行〜第24頁2行に詳細な記載があり、
いずれも適用することができる。具体的には富士写真フ
イルム(株)製のCR−56関連処理剤を、イーストマ
ン・コダック社製のE−6関連処理剤を挙げることがで
きる。B/Wネガ用では、特開平2−068539号公
報第15頁左上欄14行目から同左下欄13行目に記載
されているものを参照することができる。
【0065】
【実施例】以下に具体例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明の趣旨を超えない限り、これらの実
施例に限定されるものではない。
【0066】実施例1 バッキング層最外層用の塗布液組成物の調製を行うた
め、本実施例では滑り剤が水−有機溶媒分散系であっ
て、界面活性剤を逐次添加する方法で塗布液組成物の調
製を行い、初めにこの塗布液組成物の安定性を調べた。
まず、滑り剤としてカルナウバワックス(主成分は例示
化合物(12)に相当する)100gとポリオキシエチ
レン(重合度約25)モノノニルフェニルエーテル(例
示化合物N−9)2gとを95℃で加熱溶解した後、水
酸化ナトリウム0.5gを溶解した90℃の温水900
ミリリットルを加え、ポリトロンにて周速15m/秒の
条件で1時間攪拌し、粗分散物を得た。次に、この粗分
散物を500kg/cm2 の圧力で高圧ホモジナイザーに3
回通して目的とする分散物を得た。マスターサイザーに
より求めた分散物中のワックス粒子の平均粒径は0.4
μmであった。また、この分散物を水で稀釈して後述す
る濁度比を求たところ1.558であった。上記のカル
ナウバワックスの10重量%の分散物を5.0g秤取
し、この分散物に下記添加順序1、2に従って添加し、
塗布液組成物を調製した。 1.界面活性剤(表1を参照) 2.エタノール 95g 但し、界面活性剤の添加においてアニオン系界面活性剤
とカチオン系界面活性剤を併用する場合には、アニオン
系界面活性剤を先に添加して完全に溶解し、次いでカチ
オン系界面活性剤を加えた。
【0067】
【表1】
【0068】調製した表1に示す塗布液組成物は、その
安定性を調べるために塗布液組成物を収納した容器に密
栓を施し、25℃の温度下に6時間静置したのち、これ
らの液の濁度を測定し、さらに液を目視観察することに
より評価した。濁度は光路長10mmのセルを用い、分光
光度計により500nm(D500 )および600nm(D
600 )の光学濃度を測定し、濁度比としてD500 /D
600 の比を求めることにより行った。数値が大きい程分
散物の粒子サイズが小さく安定に存在していたことを表
わす。上記の経時した塗布液組成物の濁度比の測定と目
視観察との結果とを含め下記の評価規準により判定し
た。 1.経時後の濁度比は1.550以上。経時液の目視観
察で凝集、沈澱は観察されない。 2.経時後の濁度比は1.450以上1.550未満。
経時液の目視観察で凝集、沈澱は観察されない。 3.経時後の濁度比は1.350以上1.450未満。
経時液の目視観察で凝集、沈澱は観察されないが上記2
に比べ濁りの大きいことが明瞭である。 4.経時後の濁度比は1.200以上1.350未満あ
るいは濁度比が1.350以上であっても経時液の目視
観察では一部凝集していると判断できる。 5.経時液の濁度比が1.200未満あるいは濁度比
1.200以上であっても経時液の目視観察で凝集、沈
澱もしくは分離を明らかに観察できる。結果は表1に上
記1〜5の評価と合わせ経時した塗布液組成物の濁度比
を示す。また、目視観察で凝集、沈澱が見られたものは
付記した。
【0069】次に、表1に示す塗布液組成物を再度調製
し、調製直後これらの塗布液組成物を下記に従ってバッ
キング層最外層として塗設した。 1)支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作成し
た。ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー10
0重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin P. 326(チバ・
ガイギー Ciba-Geigy社製)2重量部とを乾燥した後、
300℃にて溶融後、T型ダイから押し出し、140℃
で3.3倍の縦延伸を行ない、続いて130℃で3.3
倍の横延伸を行い、さらに250℃で6秒間熱固定して
厚さ90μmのPENフィルムを得た。なおこのPEN
フィルムにはブルー染料、マゼンタ染料及びイエロー染
料(公開技報:公技番号94−6023号記載のI−
1、I−4、I−6、I−24、I−26、I−27、
II−5)を適当量添加した。さらに、直径20cmのステ
ンレス巻き芯に巻付けて、110℃、48時間の熱履歴
を与え、巻き癖のつきにくい支持体とした。
【0070】2)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV照射処
理、さらにグロー放電処理をした後、それぞれの面にゼ
ラチン0.1g/m2、サリチル酸0.022g/m2
(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2CH2 0.012g/m2、ポリ
アミドーエピクロルヒドリン重縮合物0.02g/m2
下塗液を塗布して(10cc/m2、バーコーター使用)、
下塗層を延伸時高温面側に設けた。乾燥は115℃、6
分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて
115℃となっている)。 3)バッキング層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面にバッキング層として下
記組成の帯電防止層、磁気記録層を塗設した。
【0071】3−1)帯電防止層の塗設 平均粒径0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複
合物の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次凝
集粒子径 約0.08μm)を0.2g/m2、ゼラチン
0.05g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2CH2 0.0
2g/m2、ポリ(重合度10)オキシエチレン−p−ノ
ニルフェノール0.005g/m2及びレゾルシンと塗布
した。 3−2)磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキ
シトリメトキシシラン15重量%)で被覆処理されたコ
バルト−γ−酸化鉄(比表面積43m2/g、長軸0.1
4μm、単軸0.03μm、飽和磁化89 emu/g、F
+2/Fe+3=6/94、表面は酸化アルミ酸化珪素で
酸化鉄の2重量%で処理されている)54mg/m2をジア
セチルセルロース1.2g/m2(酸化鉄の分散はオープ
ンニーダーとサンドミルで実施した)、硬化剤としてC2
H5C(CH2OCONH-C6H3(CH3)NCO)3 0.3g/m2を、溶媒と
してアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
を用いてバーコーターで塗布し、膜厚1.2μmの磁気
記録層を得た。マット剤としてシリカ粒子(0.3μ
m)と3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピ
ルオキシトリメトキシシラン(15重量%)で処理被覆
された研磨剤の酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ
20mg/m2となるように添加した。乾燥は115℃、6
分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて
115℃)。X−ライト(ブルーフィルター)での磁気
記録層のDB の色濃度増加分は約0.1、また磁気記録
層の飽和磁化モーメントは4.2 emu/g、保磁力7.
3×10 4 A/m、角形比は65%であった。
【0072】3−3)バッキング層最外層の塗設 上記再調製した表1に示す塗布液組成物を調製直後にバ
ーコーターを使用し、カルナウバワックスの塗設量が固
形分として27mg/m2となるよう塗布した。乾燥は10
0℃で40秒実施した。このときの界面活性剤の全塗設
量は2.16mg/m2である。また、混合使用の場合のカ
チオン系界面活性剤/アニオン系界面活性剤のモル比は
1/1である。上記バッキング層最外層を設けて感光材
料用支持体とした。
【0073】これら感光材料用支持体の一部を裁断し、
バッキング層の表面を目視観察することにより塗布性の
評価を行った。評価は下記3段階で実施した。なお、観
察試料は、バッキング層最外層の塗布開始点から50m
塗設されたところから長さ3mを切り取って観察した。 1.塗布ムラ、ハジキは全く観察されない ○ 2.塗布ムラ、ハジキがある(10箇所以下) △ 3.塗布ムラ、ハジキがある(10箇所以上) ×
【0074】次に、上記の表1に記載の塗布液組成物を
塗設して得られた感光材料用支持体の支持体(ベース)
を挟んで反対側の下塗り層の上に特願平8−31208
号実施例1に記載の試料101と同じ感材構成層の第1
層から第15層を多層同時塗布してカラーネガ感材をそ
れぞれ作製した。これらカラーネガ感材をAPSタイプ
のサイズに裁断、加工し、カメラ・エピオン−300
(富士写真フイルム(株)製)に装填して標準サイズの
条件でマクベスチャートを撮影し、続いて同実施例1の
カラー現像処理を実施した。但し、最終処理浴安定の後
の乾燥は、自動現像機から取り出し25℃の室内に吊り
下げて自然乾燥を行った。現像処理したサンプルは、フ
ジカラーペーパー・スーパーFAV(富士写真フイルム
(株)製)に拡大倍率を10倍にしてプリントし、CP
−45X標準処理を行った。同一試料で10本のフィル
ムを撮影し、1本のフィルムから1サンプルを任意に選
択し、計10サンプルのプリントを得た。
【0075】得られたプリント画像を目視観察し、水滴
の痕跡や感材屑、ゴミ等の付着によるスポットなど処理
液のハジキ性を調べ、以下の基準により判定した。 1.10サンプル全て水滴痕跡、スポット認められな
い。 2.水滴痕跡、スポットの全数が2以下/全10サンプ
ル 3.水滴痕跡、スポットの全数が3〜5/全10サンプ
ル 4.水滴痕跡、スポットの全数が6〜10/全10サン
プル 5.上記4を超える数 以上の塗布液組成物の安定性、塗布性、処理液のハジキ
性についての結果は、前記表1にまとめて示す。
【0076】表から、それぞれ少なくとも1種の滑り
剤、カチオン系界面活性剤およびアニオン系界面活性剤
を含有する水−有機溶媒からなる本発明の構成のバッキ
ング層最外層用の塗布液組成物は、比較の塗布液組成物
に比べ安定性に優れていること、その組成物を塗布して
得られる塗膜は平滑で塗布ムラが殆んどなく、しかも現
像処理液で処理した後の塗膜面上には処理ハジキによる
水滴の痕跡やゴミ等の付着のない優れた処理性を与える
ことが明らかである。本発明の構成要素であるカチオン
系界面活性剤とアニオン系界面活性剤を用いてイオンコ
ンプレックスを形成させることにより臨界ミセル濃度を
低くし、表面張力を低下させ、濡れ易くなるとともにコ
ンプレックスの形成が処理時に処理液への溶出を少なく
しているものと考えられ、これらが上記の改良効果を顕
著にしているものと思われる。なお、カチオン系界面活
性剤とアニオン系界面活性剤との併用にあっても、いず
れか一方の界面活性剤が含フッ素界面活性剤であること
が好ましいことも、さらに、カチオン系界面活性剤が含
フッ素界面活性剤であることがより好ましいことも知る
ことができる。
【0077】また、塗布液組成物調製時に用いた例示化
合物N−9を同N−14またはN−27にそれぞれ同重
量に置き換えて実施しても同様の結果を得ることができ
る。
【0078】実施例2 実施例1において塗布液組成物の安定性を調べるために
調製した際に用いた滑り剤のカルナウバワックス100
gを下記滑り剤に変更し、界面活性剤、エタノール量は
実施例1と同様の使用量にし、同様の方法で調製してそ
の安定性を調べた。 A.滑り剤に例示化合物(11)56g+(12)56
gを使用。 B.滑り剤に例示化合物(20)を92.6g使用。 C.滑り剤に例示化合物(26)17g+(12)20
gを使用。 D.滑り剤に例示化合物(6)10g+(7)46gを
使用。 また、再調製してバッキング層最外層の塗布液として塗
設し、実施例1と同様塗布性についても調べた。このと
きの滑り剤の塗設量は、Aでは30mg/m2、Bでは25
mg/m2、Cでは10mg/m2そしてDでは15mg/m2とな
るよう微調整して同一の方法で塗布・乾燥して得た。界
面活性剤の全塗設量は実施例1に同じである。さらに、
感光性層を実施例1と同様に設け、同様の方法で処理ハ
ジキについて同様の評価を実施した。
【0079】得られた結果は、滑り剤を変更しても実施
例1の表1と同傾向の結果が得られアニオン系界面活性
剤とカチオン系界面活性剤の併用が好ましいこと、特
に、いずれか一方が含フッ素界面活性剤であることが好
ましいことが確認できた。
【0080】実施例3 実施例1において塗布液組成物の安定性を調べるために
調製した表1に示す塗布液組成物No. の101〜108
に使用した界面活性剤の使用量を表2および表3に示す
ように変更して調製した。なお、表に記載した塗布量は
アニオン系界面活性剤とカチオン系界面活性剤の総量を
表わす。ノニオン系界面活性剤N−9は0.504mg/
m2の塗布量である。この塗布液組成物の安定性を実施例
1に記載の方法に準じて調べた。なお、カチオン系界面
活性剤/アニオン系界面活性剤のモル比は約1/1であ
る。次に、これら塗布液組成物を再調製して同じく実施
例1に記載の方法に準じて塗布性についても調べた。さ
らに、実施例1に記載と同じく感光性層を塗設すること
によってカラーネガ感材とし、同じようにカラー現像処
理時の処理ハジキについても同様の方法で調べた。上記
の安定性、塗布性、処理ハジキの評価は、実施例1に記
載の方法と同じである。これらの結果を同じく表2およ
び表3に示す。
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】表から、本発明の構成要件である滑り剤を
含み、カチオン系界面活性剤とアニオン系界面活性剤を
併用する場合、これら併用した界面活性剤の全塗設量が
0.1〜10.0mg/m2の範囲で使用すれば、塗布性組
成物の安定性、塗布性および処理ハジキ性の性能を総合
して実施例1の結果(表1)と対比すると明らかに同等
以上の良好な結果を与えることがわかる。また、界面活
性剤の全塗設量は0.5〜5.0mg/m2の範囲が好まし
いことも総合評価から明らかである。なお、アニオン系
界面活性剤およびカチオン系界面活性剤それぞれの単独
使用では使用量あるいは塗設量を多くすると上記の効果
は改良される方向にあることがうかがい知れるが、使用
量を多くしないと効果が良化しないのは本発明がイオン
コンプレックスの形成を利用して疎水性表面への固定性
を良化し、処理液等への流出を減少し、かつ、CHMを
低下して表面張力を小さくすることから界面活性剤の濃
度が単独使用の場合よりも低濃度の使用で良いことと関
連していることもわかる。
【0084】また、実施例1で使用したN−9をN−1
9に等重量置き換え、同じく実施例1の表1に示すNo.
109〜116の界面活性剤の組み合せで表2および表
3に示すアニオン系界面活性剤とカチオン系界面活性剤
の塗布量にモル量を合わせ、エタノールをメチルエチル
ケトンに変えて実施しても同様の結果を得ることができ
る。さらに、N−9をN−29に等重量置き換え、実施
例1のNo. 117〜124の界面活性剤の組み合せに
し、エタノールをイソプロパノールにして上記と同様に
して実施しても同傾向の結果を得ることができる。
【0085】実施例4 バッキング層最外層用の塗布液組成物を本実施例では界
面活性剤がイオンコンプレックスを形成している化合物
を使用して調製し、塗布液組成物の安定性を調べた。塗
布液組成物の調製は下記により行った。滑り剤としてカ
ルナウバワックス100gを95℃で加熱熔融した後、
モルホリン6.0gを溶解した90℃の温水900ミリ
リットルを加え、実施例1同様ポリトロンにて周速15
m/秒の条件で1時間攪拌して粗分散物を得た。次に、
この粗分散物を高圧ホモジナイザーの圧力を調整しなが
ら3回通して微細分散物を得た。分散物中のワックス粒
子の平均粒径は0.4μmであり、分散物の直後の濁度
比は1.564であった。上記カルナウバワックス10
重量%の分散物を5.0g秤取し、この分散物にアニオ
ン系界面活性剤とカチオン系界面活性剤のイオンコンプ
レックス形成化合物として例示化合物IC−1を25m
g、さらに他の界面活性剤を加え、エタノールを添加し
て塗布液組成物とした。添加順序は下記1〜3に従って
行った。 1.イオンコンプレックス形成化合物 2.他の界面活性剤の追加添加(表4参照) 3.エタノール 95g
【0086】続いて、上記IC−1をそれぞれ表4に示
す他のイオンコンプレックス化合物に替え、その使用量
も表4に示す量にして、上記同様にして塗布液組成物と
した。
【0087】
【表4】
【0088】上記塗布液組成物は、実施例1の記載に準
じ安定性を、また、塗布液組成物をそのまま用いて同じ
く実施例1に準じカルナウバワックスの塗設量が15mg
/m2になるよう塗布しその塗布性を、さらに、カラーネ
ガ感材を作製して処理ハジキ性について同じように調べ
た。これらの結果を上記表4に併せて示す。
【0089】表から、アニオン系界面活性剤とカチオン
系界面活性剤とを併用する場合において、逐次添加によ
りイオンコンプレックスを形成させる方法と同じく、あ
らかじめイオンコンプレックスを形成した化合物を用い
て滑り剤の分散物を調製しても、その塗布液組成物の安
定性は優れており、塗布性も良好であり、処理ハジキ性
にも優れた結果を与えることが明らかである。
【0090】実施例5 実施例4において使用したエタノールをメタノールまた
はアセトンあるいはジエチレングリコールジエチルエー
テルの3種の有機溶媒に変更して、表4に示す界面活性
剤の組み合せ使用を行っても、表4と同じ傾向の結果を
得ることができ、イオンコンプレックスの使用において
も優れた結果を与えることが確認できる。
【0091】実施例6 実施例1に記載の塗布液組成物を使用し、同実施例に記
載のバッキング層を有する感光材料用支持体を作製し
た。但し、バッキング層の構成層の1つである磁気記録
層のコバルト−γ−酸化鉄の塗設量は57mg/m2を半量
の27mg/m2に減量してある。この感材用支持体のバッ
キング層とはベースを挟んで反対側の下塗り層の上に特
開平7−225459号公報実施例1の試料101と同
じ感光性層第1層〜第19層を設けて反転カラー感材を
作製し、同実施例1に記載のカラー現像処理を実施して
処理ハジキについて調べたところ、本実施例1の表1に
示す処理液のハジキ性の結果と同様の結果であった。但
し反転カラー現像処理の乾燥は25℃の室内で吊り下げ
て自然乾燥を行った。
【0092】実施例7 実施例5に記載のバッキング層を有する感光材料用支持
体のベースを挟んで反対側の下塗り層の上に特願平7−
325252号実施例1の試料101に記載と同じ感光
性層第1層〜第5層を設けてネガ感材を作製し、同実施
例1に記載の現像処理を実施して処理ハジキについて調
べると、本実施例5の表5と同傾向の結果を得ることが
できる。乾燥は同じく室温25℃で吊り下げの自然乾燥
である。
【0093】
【発明の効果】写真感光材料のバッキング層の最外層用
塗布液がそれぞれ少なくとも1種の滑り剤、カチオン系
界面活性剤およびアニオン系界面活性剤を含有する水−
有機溶媒からなる塗布液組成物は、塗布液の安定性に優
れ、塗設を行ってもハジキや塗布ムラを生じることがな
い塗布性の良好な塗布液組成物を提供でき、かつ、その
塗膜は処理ハジキやゴミ等の付着がなく処理性に優れた
ハロゲン化銀写真感光材料用支持体およびその支持体を
用いるハロゲン化銀写真感光材料を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 1/74 G03C 1/74

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッキング層を有するハロゲン化銀写真
    感光材料において、該バッキング層を構成する層の支持
    体から最も遠い側に設けられる層の塗布液組成物が、そ
    れぞれ少なくとも1種の滑り剤、カチオン系界面活性剤
    およびアニオン系界面活性剤を含有する水−有機溶媒か
    らなることを特徴とする塗布液組成物。
  2. 【請求項2】 滑り剤が一般式(I)で表される化合物
    であることを特徴とする請求項1に記載の塗布液組成
    物。 一般式(I) (R1 p −(COO)q −(R2
    r 式中、R1 は炭素数6〜60、R2 は炭素数1〜60の
    置換もしくは無置換の直鎖、分岐、環状を含むアルキル
    基、アルケニル基、アラルキル基および置換もしくは無
    置換のアリール基である。p、qおよびrはそれぞれ1
    〜6の整数を表す。
  3. 【請求項3】 カチオン系界面活性剤またはアニオン系
    界面活性剤の少なくとも一方が含フッ素界面活性剤であ
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塗
    布液組成物。
  4. 【請求項4】 カチオン系界面活性剤が含フッ素界面活
    性剤であることを特徴とする請求項3に記載の塗布液組
    成物。
  5. 【請求項5】 アニオン系界面活性剤が含フッ素界面活
    性剤であることを特徴とする請求項3に記載の塗布液組
    成物。
  6. 【請求項6】 上記請求項1から請求項5の塗布液組成
    物を塗布してなるバッキング層最外層を有するハロゲン
    化銀写真感光材料。
  7. 【請求項7】バッキング層に磁気記録層を有することを
    特徴とする請求項6に記載のハロゲン化銀写真感光材
    料。
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WO2014196217A1 (ja) * 2013-06-03 2014-12-11 関西ペイント株式会社 塗料組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014196217A1 (ja) * 2013-06-03 2014-12-11 関西ペイント株式会社 塗料組成物
JP5675005B1 (ja) * 2013-06-03 2015-02-25 関西ペイント株式会社 塗料組成物

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