JP3467664B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP3467664B2 JP31808295A JP31808295A JP3467664B2 JP 3467664 B2 JP3467664 B2 JP 3467664B2 JP 31808295 A JP31808295 A JP 31808295A JP 31808295 A JP31808295 A JP 31808295A JP 3467664 B2 JP3467664 B2 JP 3467664B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀写真
感光材料に関し、更に詳しくは、支持体の裏面に導電層
と透明磁気記録層とを有するハロゲン化銀写真感光材料
の裏面層の耐傷性、耐水性等の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料に、例えば、
写真感光材料の種類・製造番号、メーカー名、乳剤N
o.等の写真感光材料に関する各種の情報、例えば、撮
影日・時、絞り、露出時間、照明の条件、使用フィルタ
ー、天候、撮影枠の大きさ、撮影機の機種、アナモルフ
ィックレンズの使用等のカメラ撮影時の各種の情報、例
えば、プリント枚数、フィルターの選択、顧客の色の好
み、トリミング枠の大きさ等のプリント時に必要な各種
の情報、例えば、プリント枚数、フィルターの選択、顧
客の色の好み、トリミング枠の大きさ等のプリント時に
得られた各種の情報、その他顧客情報等を入力しておく
ことは、管理の上からも、また、プリント品質の向上、
プリント作業の効率化の上からも必要である。
【0003】従来の写真感光材料においては、これら全
ての情報を入力することは不可能であって、撮影時に撮
影日・時、絞り、露出時間等の情報を、光学的に入力し
ていたにすぎなかった。しかも、プリント時において
は、上記情報を写真感光材料へ入力することは、その手
段がなく不可能であった。
【0004】磁気記録方式は記録/再生が容易であると
ころから、写真感光材料へ上記各種の情報を入力するた
めに磁気記録方式を使用することが研究され、各種技術
が提案されている。
【0005】例えば、画像部の横の乳剤面又はバック面
に、強磁性体の微粒子を分散したストライプ状の磁気記
録層を設け、音声や撮影時の条件等の情報を記録するこ
とが、特開昭50−62627号公報、同49−450
3号公報、米国特許第3,243,376号明細書、同
3,220,843号明細書等に記載され、また、写真
感光材料のバック面に、磁性粒子の量、サイズ等を選択
して必要な透明性を得た透明磁気記録層を設けること
が、米国特許第3,782,947号明細書、同4,2
79,945号明細書、同4,302,523号明細書
等に記載されている。また、米国特許第4,947,1
96号明細書、WO90/04254号には写真フィル
ムの裏面に磁気記録を可能とする磁性体を含有した磁気
記録層を有するロール状フィルムと共に磁気ヘッドを有
する撮影用カメラが記載されている。
【0006】これらの磁気記録層を設けることによっ
て、従来困難であった上記各種の情報を写真感光材料中
に記録することが可能となり、さらに、音声や画像信号
をも記録できるという将来性を有している。
【0007】しかしながら、透明磁気記録層の付いたハ
ロゲン化銀写真感光材料は、磁気ヘッドで擦られるた
め、いままでの感光材料になかった強い耐摩耗性及び耐
傷性が要求され、これを達成するため、米国特許第5,
432,505号明細書には、研磨剤を磁気記録層に添
加したり、潤滑材を含む層を磁気記録層の上に設けて潤
滑層を介在して磁気記録再生を行ったり、特定の架橋剤
を磁気記録層に添加するなどの方法が提案されている。
【0008】しかし、これらの技術をもってしても、よ
り厳しい摺動条件、さまざまな温度、湿度条件の耐久性
や耐傷性は依然製品として不充分なレベルにある。
【0009】また、写真感光材料としては当然のことで
あるが、現像処理プロセスによる湿式処理、加熱乾燥等
の影響や現像済みフィルムの修正やクリーニングのため
のアルコール系溶剤に対する適性などについて高い適応
性を要求されるにもかかわらず、従来の技術ではこれら
耐熱、耐水、耐アルカリ、耐溶剤性をみたし、かつ透明
で機械強度が維持され、物性値の変動のない透明磁気記
録層を有する写真感光材料は得られていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題に対
して、本発明が解決しようとする課題は、ハロゲン化銀
写真感光材料に必要な透明性に優れ、磁気ヘッドの摺動
による傷や削れが発生しにくく、現像処理プロセスでの
耐水、耐アルカリ性に優れ、耐溶剤性に優れ、支持体と
の接着性が強靭で、摩擦係数、表面粗さ等の物性値変動
が保存の温湿度条件によらない透明磁気記録層を有する
写真感光材料を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、支
持体上の一方の側にハロゲン化銀乳剤層を有し、他方の
側に導電層と透明磁気記録層とを有するハロゲン化銀写
真感光材料において、他方の側の少なくとも1層に、平
均分子量が100〜4000のアルコキシポリアルキレ
ンエーテルグリコール及びジアルカノールアミンと反応
させることにより得られた水に分散可能なポリイソシア
ネート(以下、水に分散可能な、あるいは水分散可能な
ポリイソシアネートともいう)を含有することを特徴と
するハロゲン化銀写真感光材料によって達成される。
【0012】本発明の好ましい実施態様として、上記ハ
ロゲン化銀写真感光材料において、透明磁気記録層に水
に分散可能なポリイソシアネートを含有させる態様、及
び/又は導電層に金属酸化物粒子と水に分散可能なポリ
イソシアネートを含有させる態様が挙げられる。
【0013】また、本発明の好ましい実施態様として、
上記構成において、上記他方の側の少なくとも1層に親
水基を持たないポリイソシアネートを含有させる態様が
挙げられる。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明に用いられる水に分散可能なポリイ
ソシアネートは、乳化剤とポリイソシアネートとを含有
してなる水中分散性ポリイソシアネートである。該乳化
剤は、ポリイソシアネートにアルコキシポリアルキレン
エーテルグリコールとジアルカノールアミンとを反応さ
せることにより得られる。該ポリイソシアネートとして
は、例えばテトラメチレンジイソシアネート、1,6−
ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイ
ソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ
ート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネ
ート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、
1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、水素添加
キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジシクロヘキシ
ルメタンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフ
タレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、
p−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ビフェ
ニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシ
アネート等の芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネー
ト等の芳香脂肪族ジイソシアネート、2,4,6−トリ
イソシアネートトルエン、2,4,4′−トリイソシア
ネートジフェニルエーテル、トリ(イソシアネートフェ
ニル)メタン、トリ(イソシアネートフェニル)チオフ
ォスファイト等のトリイソシアネート類、ジイソシアネ
ートの3モルと水の1モルから誘導されるビウレット型
ポリイソシアネート、ジイソシアネート類の三量化によ
り形成されるイソシアネート型ポリイソシアネート、ジ
フェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート製造の際
に副生するポリメチレンポリフェニルポリイソシアネー
ト及びグリコール類、トリオール類又はポリエステルポ
リオール、ポリエーテルポリオール等に上記のポリイソ
シアネートを付加して得られるアダクト型ポリイソシア
ネートやイソシアネートプレポリマー等のポリイソシア
ネート類及びこれらの混合物等が挙げられる。好適には
ジイソシアネートが用いられる。
【0016】該アルコキシポリアルキレンエーテルグリ
コールとしては、例えばメトキシポリメチレンエーテル
グリコール、エトキシポリメチレンエーテルグリコー
ル、メトキシポリエチレンエーテルグリコール、エトキ
シポリエチレンエーテルグリコール、メトキシポリブチ
レンエーテルグリコール、エトキシポリブチレンエーテ
ルグリコール等が挙げられる。該アルコキシポリアルキ
レンエーテルグリコールは平均分子量が100〜400
0のものが好ましく用いられ、平均分子量が400〜2
000のものが特に好ましく用いられる。アルコキシポ
リアルキレンエーテルグリコールの平均分子量が100
より小さいと、水中分散性ポリイソシアネート組成物の
界面活性作用を有する部分が少なくなり、水中分散性が
悪くなる場合があり、また、アルコキシポリアルキレン
エーテルグリコールの分子量が4000を越えると水中
分散性ポリイソシアネート組成物の粘度が高くなり、水
中分散性が悪くなる場合があるからである。該ジアルカ
ノールアミンとしては、ジメタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、ジプロパノールアミン、ジイソプロパノー
ルアミン、ジエタノールアニリン等が挙げられる。
【0017】前記乳化剤は、ポリイソシアネートにアル
コキシポリアルキレンエーテルグリコールとジアルカノ
ールアミンとを反応させることにより得られるが、より
具体的にはポリイソシアネートとアルコキシポリアルキ
レンエーテルグリコールとをイソシアネート基/水酸基
の当量比が3〜30、好ましくは10〜25で反応させ
た後、未反応のポリイソシアネートを除去し、次いでジ
アルカノールアミンとイソシアネート基/アミン基の当
量比が0.5〜2.0、好ましくは0.8〜1.2で反
応させることにより得られる。ポリイソシアネートとア
ルコキシポリアルキレンエーテルグリコールとの反応
は、40〜100℃程度で2〜24時間程度行う。窒素
雰囲気下で行うことが望ましく、溶媒を用いてもよい。
該溶媒としては、イソシアネート基に対して不活性な溶
媒であればいずれでもよく、酢酸エチル、酢酸ブチル、
セロソルブアセテート等のエステル系溶媒、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケト
ン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系
溶媒、N−メチルピロリドン等の複素環系溶媒等が挙げ
られる。未反応のポリイソシアネートの除去は、蒸留
法、抽出法等公知の手法が用いられる。該蒸留法として
は、連続蒸留法、回分蒸留法、薄膜蒸留法等が挙げられ
る。薄膜蒸留法が好適に用いられる。該抽出法として
は、連続抽出、回分抽出等の液−液抽出等が用いられ、
抽出溶媒としてはヘキサン、酢酸エステル等の比較的低
極性の溶媒が用いられる。次いで行うジアルカノールア
ミンとの反応は、室温〜120℃程度で、窒素雰囲気下
において行うことが望ましい。前記と同様に溶媒を用い
てもよい。このようにして得られる乳化剤とポリイソシ
アネートとを組み合わせることにより水中分散性ポリイ
ソシアネート組成物が得られる。水中分散性ポリイソシ
アネート組成物において、乳化剤とともに用いられる前
記ポリイソシアネートは、乳化剤の製造時に用いられる
前記ポリイソシアネートと同様のものが用いられる。好
適には脂肪族系ポリイソシアネートが用いられる。
【0018】本発明において、水に分散可能なポリイソ
シアネートは、導電層及び透明磁気記録層の少なくとも
1方に含有させる。
【0019】本発明の感光材料が有する導電層は、特に
限定されないが、好ましくは金属酸化物粒子を含有する
導電層である。金属酸化物粒子としては、酸素欠陥を含
むもの及び用いられる金属酸化物に対してドナーを形成
する異種原子を少量含むもの等が一般的に言って導電性
が高いので好ましく、特に後者はハロゲン化銀乳剤にカ
ブリを与えないので好ましい。
【0020】金属酸化物の例としてはZnO,V25
TiO2,SnO2,Al23,In23,SiO2,M
gO,BaO,MoO3等、又はこれらの複合酸化物が
良く、特にZnO,TiO2,V25及びSnO2が好ま
しい。
【0021】異種原子を含む例としては、例えばZnO
に対してはAl,In等の添加、SnO2に対してはS
b,Nb,ハロゲン元素等の添加、又、TiO2に対し
てはNb,Ta等の添加が効果的である。これら異種原
子の添加量は0.01〜3.0mol%の範囲が好まし
いが、特に0.1〜10mol%が好ましい。
【0022】利用できる粒子サイズは10μm以下が好
ましいが、2μm以下であると分散後の安定性が良く使
用し易い。又、光散乱性をできるだけ小さくする為に、
0.5μm以下の金属酸化物粒子を利用すると透明感光
材料を形成することが可能となり特に好ましい。これら
の粒子は特開平6−59392号のようなゾル状態であ
ってもよい。
【0023】本発明に使用される金属酸化物粒子は、主
として次のような方法により製造される。第1に、金属
酸化物微粒子を焼成により作製し、導電性を向上させる
異種原子の存在下で熱処理をする方法、第2に、焼成に
より金属酸化物微粒子を製造する時に導電性を向上させ
る為の異種原子を共存させる方法、第3に、焼成により
金属微粒子を製造する際に雰囲気中の酸素濃度を下げて
酸素欠陥を導入する方法等が容易である。
【0024】第1の方法では微粒子表面の導電性を効果
的に向上させることができるが、熱処理中に粒子成長が
起る可能性があるので条件を選ぶ必要がある。又、熱処
理は還元雰囲気で行う方が良い場合がある。
【0025】第2の方法は最も製造経費が少なくて済む
と思われるので好ましい。例えば、SnO2の水和物で
あるβ−錫酸コロイド(無定形)を焼成炉中に噴霧して
SnO2微粒子を得る方法において、β−錫酸コロイド
中にSbCl3、Sb(NO33、Sb23の水和物等
を共存させておくと導電性SnO2微粒子を得ることが
できる。又、別の例として、SnCl4,TiCl4を酸
化分解して、SnO2,TiO2を作成する所謂気相法に
おいて、酸化分解時に異種原子の塩類を共存させると導
電性のSnO2,TiO2を得ることができる。
【0026】又、金属の有機酸塩を加熱分解して金属酸
化物を得る方法において、加熱分解の際に異種金属の塩
類を共存させる方法もある。
【0027】第3の方法の例としては、酸素雰囲気中で
金属を蒸発させて金属酸化物微粒子を得る真空蒸発法に
おいて、酸素量を不足気味にしておく方法、あるいは酸
素を十分に供給せずに金属、金属塩類を加熱する方法が
ある。
【0028】本発明に使用される導電性金属酸化物粒子
は結晶性でも無定形でもよい。
【0029】本発明の導電性層には、従来知られている
高分子をそのバインダーの一部又は全部として使用でき
る。これらの化合物は、例えばゼラチン、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルベンゼンスルホン酸塩類、ポリビ
ニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、米国
特許4,108,802号、同4,118,231号、
同4,126,467号、同4,137,217号等に
記載の四級塩ポリマー類、米国特許4,070,189
号、OLS2,830,767(US Ser.No.
816,127)等に記載された架橋型ポリマーラテッ
クス類、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、デキス
トリン等である。
【0030】導電性金属酸化物粒子の使用量は写真感光
材料1m2当たり0.05〜20gが良く、0.1〜1
0gが特に好ましい。
【0031】金属酸化物粒子をより効果的に使用して導
電性層の抵抗を下げる為に、導電性層中における金属酸
化物粒子の体積含有率は高い方が好ましいが、層として
の強度を十分に持たせる為に最低5%程度のバインダー
を含ませることが良く、導電性粒子の体積含有率は5〜
95%の範囲が好ましい。
【0032】本発明の感光材料が有する透明磁気記録層
における透明とは、透明磁気記録層の光学濃度が1.5
以下であることをいう。光学濃度の測定法はコニカ
(製)サクラ濃度計PDA−65を用い、ブルー光を透
過するフィルターを用いて、436nmの波長の光を塗
膜に垂直に入射させ、該塗膜による光の吸収を算出する
方法による。光学濃度は、写真画像への影響を考えると
小さいことが好ましく、0.2以下、特に好ましくは
0.1以下である。
【0033】透明磁気記録層の単位面積当たりの磁化量
は3×10-2emu以上であることが好ましい。ここ
で、単位面積当たりの磁化量とは写真感光材料1m2
たりの磁化の強さ、即ち、透明磁性層1m2当たりの磁
化の強さのことである。磁化の強さは磁化とも呼ばれ詳
細な説明及び計測法は「磁気工学の基礎I」(太田恵造
著、共立全書)に記載されている。該磁化量は、東英工
業製試料振動型磁束計(VSM−3)を用いて、一定体
積の塗膜の塗布方向に外部磁界1000oeで一度飽和
させた後外部磁界を減少させて0にしたときの磁束密度
(残留磁束密度)を計測して、これを写真感光材料1m
2当たりに含まれる透明磁性層の体積に換算して求める
方法で求めることができる。透明磁性層の単位面積当た
りの磁化量が3×10-2emuより小さいと磁気記録の
入出力に支障を来す。
【0034】本発明において、透明磁磁気記録層の厚み
は、0.01〜20μmが好ましく、より好ましくは
0.05〜15μm、さらに好ましくは0.1〜10μ
mである。
【0035】透明磁気記録層を形成する塗布液には、磁
気記録層に、潤滑性の付与、帯電防止、接着防止、摩擦
・磨粍特性向上等の機能を持たせるために、潤滑剤、帯
電防止剤等種々の添加剤を添加することができる。ま
た、塗布液には他に、例えば、磁気記録層に柔軟性を与
えるために可塑剤を、塗布液中での磁性体の分散を助け
るために分散剤を、磁気ヘッドの目づまりを防止するた
めに研磨剤を添加することができる。上記潤滑性の付
与、帯電防止、接着防止、摩擦・磨粍特性向上、磁気ヘ
ッドの目づまりの防止等の機能は、磁気記録層とは別に
これらの機能性層を設けて付与させてもよい。例えば帯
電防止層の上に本発明の磁気記録層を設ける場合、その
良好な被膜形成性により均一な薄膜にできるので、従来
の透明磁性層を帯電防止層上に形成する場合よりも、良
好な帯電防止性を得ることができる。必要に応じて磁気
記録層に隣接する保護層を設けて耐傷性を向上させても
よい。また、磁気記録層をストライプ状に設ける場合、
この上に磁性体を含有しない透明なポリマー層を設け
て、磁気記録層による段差をなくしてもよい。この場
合、この透明なポリマー層に上記の各種の機能を持たせ
てもよい。透明磁気記録層の結合剤は、436nmの波
長における光学濃度が1.5以下であり、ガラス転移温
度(Tg)が50℃以上の樹脂及びガラス転移温度が3
0℃以下の樹脂を結合剤として重量比で95/5〜60
/40の割合で含むことが好ましい。このような結合剤
は、被膜形成性及び強度に優れるために磁性粉のみなら
ず上記各種の添加剤をも併用して分散でき、写真感光材
料の構成層を減らすことも可能で、製造上有利である。
【0036】磁気記録層を設けた後に、この層の上をカ
レンダリング処理して平滑性を向上させ、磁気出力のS
/N比を向上することも可能である。この場合、カレン
ダリング処理を施した後に、ハロゲン化銀写真感光層を
塗布することが好ましい。
【0037】本発明の透明磁気記録層に用いられる強磁
性微粉末としては、強磁性酸化鉄微粉末、Coドープの
強磁性酸化鉄微粉末、強磁性二酸化クロム微粉末、強磁
性金属粉末、強磁性合金粉末、バリウムフェライト等が
使用できる。
【0038】本発明で用いられる強磁性粉末は公知の方
法にしたがって製造することができる。
【0039】形状としては針状、米粒状、球状、立方体
状、板状等いずれでもよいが、針状、板状が電磁変換特
性上好ましい。結晶子サイズ、非表面積もとくに制限は
ないが、結晶子サイズで400Å以下、SBETで20
2/g以上が好ましく、30m2/g以上が特に好まし
い。強磁性粉末のpH、表面処理は特に制限なく用いる
事ができる。好ましいpHの範囲は5〜10である。強
磁性酸化鉄微粉末の場合、2価の鉄/3価の鉄の比に特
に制限されることなく用いることができる。これらの磁
気記録層については特開昭47−32812号公報及び
同53−109604号公報に記載されている。
【0040】磁性粉の好ましい使用量は本発明の場合、
写真感光材料1m2当たり4×10-4g以上が良い。こ
れ以下であると、磁気記録の入出力に支障をきたす。ま
た上限は436nm波長光の光学濃度が1.5以下であ
ればいくらでもよいが、1m2当たり4gくらいが限界
であり、これ以上多いと写真として実用上、問題が発生
する。
【0041】磁性体をはじめとする顔料粉末は水に溶け
た結合剤もしくは水中にエマルジョン化した結合剤とと
もに分散され、塗布液が形成される。磁性体をはじめと
する顔料粉末の分散の方法には特に制限はなく、また成
分の添加順序等は適宜設定することができる。磁性塗料
の調製には通常の混練機を用いることができる。この場
合、磁性体粒子を破損することなく、できるだけ磁性体
粒子一個一個をバラバラにして分散することが好まし
い。
【0042】光学的に透明な磁気記録層を形成するに
は、バインダーは、磁性体粉末1重量部に対して1〜2
00重量部用いるのが好ましい。さらに好ましくは、磁
性体粉末1重量部に対して2〜50重量部である。ま
た、溶剤は塗布が容易に行えるような量で用いられる。
【0043】水系エマルジョンの凝集を防ぐため、pH
調整剤、界面活性剤を添加してもよい。
【0044】支持体上に磁気記録層を設ける方法として
は、イクストルージョンコーターエアードクターコー
ト、ブレードコート、エアーナイフコート、スクイズコ
ート、含浸コート、リバースロールコート、トランスフ
ァーロールコート、グラビアコート、キスコート、キャ
ストコート、スプレイコート等が利用できる。多条のス
トライプ塗布を行うには、これら塗布ヘッドを多連にす
ればよい。ストライプ塗布の具体的な方法としては、例
えば、特開昭48−25503号公報、同48−255
04号公報、同48−98803号公報、同50−13
8037号公報、同52−15533号公報、同51−
3208号公報、同51−6239号公報、同51−6
5606号公報、同51−140703号公報、特公昭
29−4221号公報、米国特許第3,062,181
号明細書、同3,227,165号明細書の記載を参考
にすることができる。
【0045】磁気記録層を支持体上に強固に接着させる
ために、支持体に下塗り層を設けてもよく、また、支持
体を薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火炎処
理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プ
ラズマ処理、レーザー処理、濃酸処理、オゾン酸化処理
等の表面活性化処理をしてもよい。またさらに、これら
表面活性化処理をした後に下塗り層を設けてもよい。
【0046】下塗り層は水系ラテックス系のものが好ま
しい。
【0047】磁気記録層に採用できる結合剤や下引層に
用いる結合剤としては熱可塑性樹脂、放射線硬化性樹
脂、熱硬化性樹脂、その他の反応型樹脂であって、有機
溶媒や水に溶解又は分散したものを単独又は混合して使
用することができる。
【0048】上記熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体、部分加
水分解した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニ
トリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合
体あるいは共重合体、ニトロセルロース、セルロースア
セテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレ
ート樹脂等のセルロース誘導体、マレイン酸および/ま
たはアクリル酸の共重合体、アクリル酸エステル共重合
体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、塩素化ポリ
エチレン、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−ス
チレン共重合体、メチルメタクリレート−ブタヂエン−
スチレン共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステルポリ
ウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカ
ーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
エーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ樹脂、スチレン
−ブタジエン樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル樹脂
等のゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等を
挙げることができる。
【0049】上記熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度Tg
が好ましくは−40℃〜180℃、より好ましくは−3
0℃〜150℃であるものであり、重量平均分子量は
5,000〜300,000であるものが好ましく、さ
らに好ましくは、重量平均分子量が10,000〜20
0,000のものである。本発明における透明磁気記録
層ではTgが50℃以上のものと、30℃以下のものを
併用することができる。
【0050】ガラス転移温度Tgについては、新実験化
学講座19(高分子化学II)、丸善に詳しく記載されて
いる。
【0051】これらは水系エマルジョン又は水系コロイ
ド溶液として使用することも出来る。これら合成樹脂系
エマルジョンの粒径は5nmから2μmのものを使うこ
とが出来る。
【0052】放射線硬化性樹脂とは、電子線、紫外線等
の放射線によって硬化させる樹脂で、無水マレイン酸タ
イプ、ウレタンアクリルタイプ、エーテルアクリルタイ
プ、エポキシアクリルタイプのものが挙げられる。
【0053】また、熱硬化性樹脂、その他の反応型樹脂
としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタ
ン系硬化型樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂、シリコー
ン系硬化型樹脂等が挙げられる。
【0054】上記列挙の結合剤は、その分子中に極性基
を有していてもよい。極性基としてはエポキシ基、−C
OOM、−OH、−NR22−NR3X、−SO3 M、−
OSO3M、−PO322−OPO3M(Mはそれぞれ水
素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基を、Xは
アミン塩を形成する酸を、Rはそれぞれ水素原子又はア
ルキル基を表す。)が挙げられる。
【0055】この他に本発明に使用できる親水性結合剤
としては、例えば、リサーチ・ディスクロージャーN
o.17643、26頁、及び同No.18716、6
51頁に記載されている水溶性ポリマー、セルロースエ
ーテル、ラテックスポリマー、水溶性ポリエステルを挙
げることができる。
【0056】水溶性ポリマーとしては、前述の他にゼラ
チン、ゼラチン誘導体、カゼイン、寒天、アルギン酸ソ
ーダ、澱粉、ポリビニールアルコール、アクリル酸系共
重合体、無水マレイン酸共重合体等が挙げられ、セルロ
ースエーテルとしては、メチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
【0057】水溶性ポリマーを使用する場合は硬膜剤を
使用するのが好ましい。使用できる硬膜剤としては、ア
ルデヒド系化合物類、ケトン化合物類、反応性のハロゲ
ンを有する化合物類、反応性のオレフィンを持つ化合物
類、N−メチロール化合物、イソシアナート類、アジリ
ジン化合物類、酸誘導体類、エポキシ化合物類、ハロゲ
ンカルボキシアルデヒド類、クロム明バン、硫酸ジルコ
ニウム、カルボキシル基活性型硬膜剤等を挙げることが
できる。硬膜剤は、通常、樹脂固形分に対して0.01
〜60重量%用いられ、好ましくは0.05〜50重量
%である。
【0058】本発明の透明磁気記録層に使用できる潤滑
剤としては、ポリシロキサン等のシリコーンオイル、ポ
リエチレン、ポリテトラフルオロエチレン等のプラスチ
ック微粉末、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、パラフ
ィンワックス、フルオロカーボン類が挙げられる。具体
的にはこれらは、単独あるいは混合して用いることがで
きる。これらの添加量は乾燥塗膜100重量部に対し、
0.5〜20重量部の範囲で用いることができる。水に
溶けるか拡散させることができるものが好ましい。
【0059】本発明の透明磁気記録層に使用できる研磨
剤としては、モース硬度が5以上、好ましくは6以上の
非磁性無機粉末が挙げられ、具体的には、酸化物アルミ
ニウム(α−アルミナ、γ−アルミナ、コランダム
等)、酸化クロム(Cr2O)、酸化鉄(α−Fe
23)、二酸化珪素、二酸化チタン等の酸化物、炭化珪
素、炭化チタン等の炭化物、ダイアモンド等の微粉末を
挙げることができる。これらの平均粒径は、0.01〜
2.0μmが好ましく、磁性体粉末100に対して0.
5〜300重量部の範囲で添加することができる。
【0060】本発明の透明磁気記録層に含有せしめられ
る帯電防止剤としては、金属酸化物の微粒子が好まし
い。例としては、Nb25+Xような酸素過剰な酸化物、
RhO2-X ,Ir23-X等の酸素欠損酸化物、あるいは
Ni(OH)Xのような不定比水素化物、HfO2,Th
2,ZrO2,CeO2,ZnO,TiO2,SnO2
Al233In233SiO2,MgO,BaO,Mo
2,V25等、或はこれらの複合酸化物が好ましく、
特にZnO,TiO2及びSnO2が好ましい。異種原子
を含む例としては、例えばZnOに対してAl,In等
の添加、TiO2に対してはNb,Ta等の添加、又S
nO2に対してはSb,Nb,ハロゲン元素等の添加が
効果的である。これら異種原子の添加量は0.01mo
l%〜25mol%の範囲が好ましいが、0.1mol
%〜15mol%の範囲が特に好ましい。
【0061】また、これらの導電性を有する金属酸化物
粉体の体積抵抗率は107cm特に105cm以下である
ことが好ましい。また、前記金属酸化物の微粒子が水溶
液中に混合されたゾルを用いても良い。
【0062】この他にカーボンブラック、カーボンブラ
ックグラフトポリマー等の導電性微粉末、アルキレンオ
キサイド系、グリセリン系及びグリシドール系等のノニ
オン系界面活性剤;高級アルキルアミン類、第4級アン
モニウム塩類、ピリジンその他の複素環化合物の塩類、
ホスホニウム又はスルホニウム類等のカチオン系界面活
性剤;カルボン類、リン類、硫酸エステル基、リン酸エ
ステル基等の酸性基を含むアニオン系界面活性剤;アミ
ノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸
又はリン酸エステル類等の両性界面活性剤等をあげるこ
とができる。
【0063】上記結合剤系はこれらの帯電防止剤の分散
性にも優れるので透明磁気記録層に良好な導電性を付与
することができる。
【0064】尚、界面活性剤は、ポリマーの置換基とし
て含まれていてもよい。
【0065】透明磁気記録層組成物の分散、混練、塗布
の際に使用する溶媒としては、任意の比率でアセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン等のケト
ン系;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
ール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール系;酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、
酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール、モノ
エチルエーテル等のエステル系;エーテル、グリコール
ジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジ
オキサンなどのグリコールエーテル系;ベンゼン、トル
エン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、スチレ
ンなどのタール系(芳香族炭化水素);メチレンクロラ
イド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホル
ム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩
素化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアルデヒド、ヘ
キサン、水などが使用できる。
【0066】本発明において、裏面層の少なくとも1層
に親水基を持たないポリイソシアネートを含有させると
耐溶剤性が更に改善され、また磁気入出力の信頼性が改
善される。
【0067】上記親水基を持たないポリイソシアネート
とは、親水基を持たず、かつイソシアネート基を有する
化合物であるが、通常2つ以上のイソシアネート基を有
する化合物であり、好ましくは以下の一般式〔1〕で表
される化合物である。
【0068】一般式〔1〕
【0069】
【化1】
【0070】式中、Rは置換又は無置換のアルキル基、
アルケニル基又はアリール基を表し、nは2以上4以下
の整数である。化合物例としては以下のものがあげられ
る。
【0071】
【化2】
【0072】
【化3】
【0073】さらに、以下のものも用いられるがこれら
には限られない。またこれらのイソシアネート化合物は
単独で用いてもよいし、複数種のイソシアネートの化合
物を組み合わせてもよい。これらのイソシアネートの化
合物の例としては、テトラメチレンジイソシアネート、
1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1−イソシア
ナト−3,3,5−トリメチルイソシアナトメチルシク
ロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、4,4′−
ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、4,4′−ジ
イソシアナト−2,2−ジシクロヘキシルプロパン、
2,4−ジイソシアナトトルエン、4,4′−ジイソシ
アナトジフェニルメタン、4,4′−ジイソシアナト−
2,2−ジフェニルプロパン、p−キシレンジイソシア
ネート又はα,α,α′,α′−テトラメチル−m−又
は−p−キシレンジイソシアネートなどがある。
【0074】親水基を持たないポリイソシアネートは裏
面層の少なくとも1層に含有させればよく、含有させる
層は水に分散可能なポリイソシアネートと同じ層でも異
なる層でもよい。
【0075】本発明において、支持体としては各種のも
のが使用できる。使用できる支持体としては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポ
リエステルのフィルム、セルローストリアセテートフィ
ルム、セルロースジアセテートフィルム、ポリカーボネ
ートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリオレフィン
フィルム等を挙げることができる。
【0076】ポリエステル支持体としては、特に限定さ
れないが、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸とエチレ
ングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブ
タンジオール等のアルキレングリコール類との縮合ポリ
マー、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−2,6−ジナフタレート、ポリプロピレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート等、あるいはこ
れらの共重合体が挙げられる。
【0077】特に、現像処理後の巻きぐせ回復性から特
開平1−244446号公報、同1−291248号公
報、同1−298350号公報、同2−89045号公
報、同2−93641号公報、同2−181749号公
報、同2−214852号公報及び特開平2−2911
35号公報等に示されるような、含水率の高いポリエス
テルを用いることが好ましい。
【0078】これらのポリエステルは極性基、その他の
置換基を有していてもよい。
【0079】本発明において、支持体としてはポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ま
しい。
【0080】上記ポリエステルは、フィルム支持体の機
械的強度、寸法安定性などを満足させるために面積比で
4〜16倍の範囲で延伸を行うことが好ましい。
【0081】支持体にはマット剤、帯電防止剤、滑剤、
界面活性剤、安定剤、分散剤、可塑剤、紫外線吸収剤、
導電性物質、粘着性付与剤、軟化剤、流動性付与剤、増
粘剤、酸化防止剤等を添加することができる。
【0082】支持体は、最小濃度部の色味のニュートラ
ル化、写真乳剤層を塗設したフィルムに光がエッジから
入射した時に起こるライトパイピング現象(ふちかぶ
り)の防止、ハレーション防止等の目的で染料を含有さ
せることができる。
【0083】染料の種類は特に限定されないが、支持体
としてポリエステルフィルムを用いる場合、製膜工程
上、耐熱性に優れたものが好ましく、例えば、アンスラ
キノン系化学染料等が挙げられる。また、色調として
は、ライトパイピング防止を目的とする場合、一般の感
光材料に見られるようにグレー染色が好ましい。染料は
1種類もしくは2種類以上の染料を混合して用いてもよ
い。三菱化成株式会社製Diaresin、Bayer
社製 MACROLEX等の染料を単独又は適宜混合し
て用いることで目標を達成することが可能である。
【0084】本発明の磁気記録層を有する写真感光材料
は、黒白用の感光材料、カラーネガ用の感光材料、カラ
ーペーパー用の感光材料、カラーリバーサル用の感光材
料、映画用の感光材料、X線感光材料、印刷用の感光材
料、マイクロ写真用の感光材料等いずれの感光材料であ
ってもよい。
【0085】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
【0086】実施例1 1−1)下引処理支持体の作成 市販の写真フィルム用ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートフィイルム(厚さ85μm)の両面に8W/(m2
/min)のコロナ放電処理を施し、片面に下引塗布液
U−1及びU−2をそれぞれ0.8μm及び0.1μm
の乾燥膜厚となるように塗布し、他方の面に下記下引塗
布液U−3及びU−4をそれぞれ乾燥膜厚0.2μm、
0.3μmとなるように塗布して帯電防止機能を持つ下
引層形成済みの支持体を作成した。
【0087】 [下引層塗布液U−1] ブチルアクリレート/t−ブチルアクリレート/スチレン/2−ヒドロキシアク リレートの共重合体ラテックス液(重量構成比=30:20:25:25、固形 分30%) 270重量部 界面活性剤(A−1) 0.6重量部 ヘキサメチレン−1,6−ビスエチレン尿素(A−2) 0.8重量部 純水 730重量部 上記成分を混合して調製した。
【0088】 [下引層塗布液U−2] スチレン−マレイン酸共重合体ラテックス(固形分5%) 100重量部 界面活性剤(A−1) 0.6重量部 化合物(A−3) 0.1重量部 シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.3重量部 純水 900重量部 上記成分を混合して調製した。
【0089】 [下引層塗布液U−3] ブチルアクリレート/t−ブチルアクリレート/スチレン/2−ヒドロキシアク リレートの共重合体ラテックス液(重量構成比=30:20:25:25、固形 分30%) 100重量部 界面活性剤(A−1) 0.5重量部 水分散可能なポリイソシアネート(日本ポリウレタン(株)製、DC3900、 ノニオン性親水基含有、NCO含量17%、固形分100%) 3重量部 純水 1500重量部 調製は、塗布直前にラテックス液と界面活性剤の純水希
釈液を撹拌しながら水乳化型ポリイソシアネートを添加
し、均一なラテックス液とした。
【0090】 [下引層塗布液U−4](導電層塗布液) 酸化錫微粉末(平均粒径0.1μm) 100重量部 (石原産業(株)製、SN100P) スルホン酸基含有ポリエステルラテックス(固形分30%) 200重量部 界面活性剤(A−1) 1.4重量部 純水 2000重量部 これらを混合分散した後、塗布直前に撹拌しながら 水分散可能なポリイソシアネート(日本ポリウレタン(株)製、DC3712、 ノニオン性親水基含有、NCO含量16%、固形分100%) 7重量部 を添加し、均一な導電剤分散塗料を調製した。
【0091】上記(A−1)〜(A−3)の構造式は下
記のとおりである。
【0092】
【化4】
【0093】1−2)磁気記録層の塗設 前記下引処理支持体の下引層U−4塗布液を塗設した層
上に下記組成の磁気記録層塗布液を精密イクストルージ
ョンコーターを用い乾燥膜厚0.8μmとなるように塗
布し、塗膜が未乾のうちに配向磁場中で塗布方向へ磁性
体を配向させ、磁気記録再生時の高出力化を図った。
【0094】 [磁気記録層塗布液M−1の組成と調製] コバルト含有ガンマ酸化鉄 10重量部 (平均長軸長0.12μm、短軸長0.015μm、Fe2+/Fe3+=0.2、 比表面積40m2/g、Hc=750Oe) アルミナ(α−Al23、平均粒径0.2μm) 5重量部 ジアセチルセルロース(帝人(株)製) 150重量部 ポリウレタン(N3132、日本ポリウレタン(株)製) 15重量部 ステアリン酸 2重量部 シクロヘキサノン 920重量部 アセトン 920重量部 上記を良く混合分散した後、サンドミルで分散後、ポリ
イソシアネートのコロネート−3041(日本ポリウレ
タン(株)製、固形分50%)を24重量部添加した
後、十分撹拌混合して磁性塗料M−1とした。
【0095】1−3)潤滑層の塗設 前記磁気記録層の上にカルナバワックスを0.1%含有
するよう水/メタノール混合溶液に分散した潤滑剤塗布
液を調製し、該ワックスの付量が30mg/m2となる
ように塗布した。ワックス塗布後の原反を100℃の熱
処理ゾーンに5分間通して乾かした後、40℃のオーブ
ンで5日間放置し、イソシアネートの架橋反応を充分に
行った。
【0096】1−4)感光材層の塗設 磁気記録層を有する面と逆の面、即ち、前記下引層U−
2の上に25W/(m2・min)のコロナ放電を施し
た後、特願平4−267697号記載実施例1の乳剤層
構成よりなる多層カラー感光材料を作成し、写真感光材
料を作成した。これを試料No.1とする。
【0097】該多層乳剤層において、1m2当たり、ゼ
ラチン13.7g、0.3〜0.4μm及び0.7〜
0.8μmのハロゲン化銀粒子はそれぞれ2.3g、油
滴量2.8gであり、膜厚27μmである。
【0098】〈現像処理〉作製したフィルムベース,写
真感光材料を以下に示す処理過程及び以下に示す組成の
処理液で現像処理を行った。
【0099】 カラー現像 3分15秒 漂 白 6分30秒 水 洗 2分10秒 定 着 4分20秒 水 洗 3分15秒 安 定 1分05秒 各工程に用いた処理液組成は下記の通りであった。
【0100】 カラー現像液 ジエチレントリアミン五酢酸 1.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g 炭酸カリウム 30.0g 臭化カリウム 1.4g 沃化カリウム 1.3mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4g 4−(N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアミノ) −2−メチルアニリン硫酸塩 4.5g 水を加えて 1.0l pH 10.0 漂白液 エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム塩 100.0g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 硝酸アンモニウム 10.0g 水を加えて 1.0l pH 6.0 定着液 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 1.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g チオ硫酸アンモニウム(70%) 175.0mg 重亜硫酸ナトリウム 4.6g 水を加えて 1.0l pH 6.6 安定液 ホルマリン(40%) 2.0mg ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.3g 水を加えて 1.0l 実施例2 下引層塗布液U−4の組成における水分散可能なポリイ
ソシアネートを添加しなかった他は実施例1と全く同様
にして写真感光材料を作成した。これを試料No.2と
する。
【0101】実施例3 下引層塗布液U−3の組成における水分散可能なポリイ
ソシアネートの代わりに下記化合物A−2を2重量部添
加し、磁気記録層塗布液M−1の組成中のコロネート3
041を、コオネート3041の12重量部及びDC3
900の6重量部に置き換えた他は実施例2と全く同様
にして写真感光材料を作成した。これを試料No.3と
する。
【0102】実施例4 下引層塗布液U−3の組成中の水分散可能なポリイソシ
アネートの代わりに化合物A−2を2重量部添加し、磁
気記録層塗布液M−1の組成中のコロネート3041を
DC3900の12重量部に置き換えた他は実施例2と
全く同様にして写真感光材料を作成した。これを試料N
o.4とする。
【0103】実施例5 下引層塗布液U−4の組成を実施例1と同じにした他は
実施例4と全く同様にして写真感光材料を作成した。こ
れを試料No.5とする。
【0104】比較例1 下引層塗布液U−3の組成中の水分散可能なポリイソシ
アネートの代わりに化合物A−2を2重量部添加した他
は実施例2と全く同様にして写真感光材料を作成した。
これを試料No.6とする。
【0105】上記実施例及び比較例の各層ごとのポリイ
ソシアネートの種類を下記表1に示す。
【0106】
【表1】
【0107】上記のように作成した写真感光材料の各試
料を以下のように評価した。
【0108】〔1〕濁度(ヘーズ値) 三菱化成工業(株)製の濁度計SEP−PT−501D
型を用いて感光材層塗布直前の各サンプルについて測定
した。
【0109】〔2〕表面比抵抗 試料を幅35mm,長さ70mmに裁断し、温度25
℃,湿度(RH)10%下で10時間保存した後、川口
電機(株)製テラオームメーターVE−30を用いて、
印加電圧100V,23℃,20%(RH)の条件下で
測定した。側定面は感光材料塗布直前の磁気記録層塗設
面である。
【0110】〔3〕耐久性テスト 15cmの距離を水平に往復走行する荷台の上にサンプ
ルの測定面を上にして固定し、上方よりステンレス綱球
(5mmφ)を50gの荷重をかけた。荷台を10cm
/secの速度で摺動させ1000往復繰り返した。そ
の後の傷つきの程度を下記に示すランクにより測定し
た。
【0111】 A・・・傷つきなし B・・・摺動跡はあるものの、磁気記録再生装置での出
力低下なし C・・・傷つきあり、磁気記録再生装置での出力50%
低下 D・・・膜はがれ 測定面は現像前の乳剤層を有さない面であり、測定環境
は常温(25℃,55%RH)で行った。
【0112】〔4〕磁気記録出力エラーの評価 W/O90−04205号に開示された信号入力方式
で、バック層から現像前に一度だけ磁気入力した写真フ
ィルムを、現像処理後磁気ヘッドで500回出力操作を
し、そのエラーした回数を示した。尚エラーとは、1回
目の出力値を100%とし、それに対して70%未満の
場合のことである。
【0113】〔5〕摩擦係数 試料を25℃,50%で1日調湿した後、ステンレス鋼
球(5mmφ)を用いてJIS法で測定した。
【0114】〔6〕表面粗さRa 小坂研究所(株)製の表面粗さ測定機モデルSE−3F
Kを使用して以下の条件でJIS表面粗さBO601に
準拠して測定した。
【0115】 カットオフ 0.25 測 定 長 2.5mm 縦 倍 率 5万倍 〔7〕湿式剥離 各試料を現像する際に写真フィルム用スプライステープ
で、裏面を接続し現像処理後直ちにテープを剥がして裏
面(磁気記録層)の剥離面積を最初にテープを貼った部
分に対する面積比で算出した。
【0116】全く剥がれないものは0%、全部がスプラ
イステープ側に転写したものを100%とした。
【0117】〔8〕加速剥離試験 試料を50℃、80%の条件下に1週間放置後、25
℃、60%(RH)の環境下に1昼夜放置し、磁気記録
層のある側に2cm×4cmのセロハンテープを貼り一
定速度で剥離した。剥離した部分の面積の割合で、全く
剥がれないもの0%、全面積剥がれるもの100%とし
た。
【0118】
〔9〕耐溶剤試験 5cmの距離を水平に往復走行する荷台の上に試料の測
定面を上にして固定し、上方より、エタノールを滲み込
ませたフェルト(5mm角)を10gの荷重で押し当て
た。荷台を10cm/secの速度で摺動させ30回の
往復を繰り返した。耐溶剤性の程度を下記に示すランク
で測定した。
【0119】 A・・・全く変化のないもの B・・・わずかに磁気層が削られるもの C・・・10回以上で磁気層が削られて消失するもの D・・・数回で磁気層が溶出するもの 評価した結果を下記表2に示す。
【0120】尚、本発明の写真感光材料は、写真的に透
明で先鋭性、粒状性とも優れ、写真として全く問題のな
いことを確認した。
【0121】
【表2】
【0122】
【発明の効果】本発明によれば、透明性(濁度)及び表
面比抵抗を良好に維持しつつ、磁気記録再生が良好であ
り、現像処理プロセスでの耐水性及び耐アルカリ性に優
れ、耐溶剤性(耐エタノール性等)に優れ、支持体との
接着性が強靭で、物性値が保存の温湿度条件によらない
透明磁気記録層を有する写真感光材料を提供することが
できる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/76 502 G03C 1/85 G03C 1/00 GAP

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の一方の側にハロゲン化銀乳剤
    層を有し、他方の側に導電層と透明磁気記録層とを有す
    るハロゲン化銀写真感光材料において、他方の側の少な
    くとも1層に、平均分子量が100〜4000のアルコ
    キシポリアルキレンエーテルグリコール及びジアルカノ
    ールアミンと反応させることにより得られた水に分散可
    能なポリイソシアネートを含有することを特徴とするハ
    ロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 透明磁気記録層に前記水に分散可能なポ
    リイソシアネートを含有させたことを特徴とする請求項
    1記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 導電層に金属酸化物粒子と前記水に分散
    可能なポリイソシアネートを含有させたことを特徴とす
    る請求項1又は2記載のハロゲン化銀写真感光材料。
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