JPH1160958A - ワツクス分散物及びそれを使用したハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ワツクス分散物及びそれを使用したハロゲン化銀写真感光材料

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JPH1160958A
JPH1160958A JP9225332A JP22533297A JPH1160958A JP H1160958 A JPH1160958 A JP H1160958A JP 9225332 A JP9225332 A JP 9225332A JP 22533297 A JP22533297 A JP 22533297A JP H1160958 A JPH1160958 A JP H1160958A
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JP
Japan
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dispersion
wax
layer
silver halide
group
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JP9225332A
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English (en)
Inventor
Yuzo Muramatsu
雄造 村松
Yoshihiro Saito
祐弘 齋藤
Haruo Masuda
晴男 増田
Masatoshi Nakanishi
正寿 仲西
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】微細分散可能で製造安定性に優れるワックス分
散物、ならびにこの分散物を用いて磁気記録層を有する
写真用支持体で耐傷性、磁気情報エラーのないハロゲン
化銀写真感光材料を提供する。 【解決手段】高級脂肪酸及びその誘導体、高級アルコー
ル及びその誘導体または高級炭化水素より選ばれる1種
以上の化合物よりなるワックスと塩基性添加剤のみから
なる平均粒子径 0.2μm未満の分散物及びそれを使用し
たハロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製造安定性に優
れ、環境汚染が低減でき、引火対策・防爆・有機溶剤の
回収などの設備投資が軽減でき、搬送・走行安定性、磁
気ヘッドの汚れ、磁気情報の入出力エラーなどに関連す
る耐傷性が向上するバッキング層付きハロゲン化銀写真
感光材料用支持体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】長鎖の脂肪族炭化水素基を有するワック
スは、優れた滑り性を与えるが、その特性を最大限に発
現させるためには溶解、分散、塗布等の使用法にいくつ
かの問題点を有していた。ワックスである高級脂肪酸の
誘導体、高級アルコールの誘導体及び高級炭化水素の塗
布方法としては、溶剤に溶解して塗布する方法がある
が、ワックスの溶解性は一般に低いため乾燥時にワック
スの析出等に起因する塗布面状の悪化、ワックスの融着
不良等の問題がある。一方、ワックス分散物を塗布する
場合、乾燥過程でのワックスの析出が低減でき、乾燥後
ワックス微粒子の融着が起こるため塗布面状、ワックス
層の耐傷性、製造時のウェブのハンドリング性、カメ
ラ、現像処理機、利活用機器でのハンドリング性走行性
または搬送性の点で優れる。分散方法は、例えば、特開
平7−133488号、同6−293188号、同3−
258339号、同3−199267号、同1−225
684号に記載されている。しかし、塗布液中のワック
ス粒子の分散安定性は十分でなく凝集沈降を防止しきれ
ない。また磁気記録情報の入出力などの要求からより高
い耐傷性、走行性、搬送性が要求されており、耐傷性や
搬送性は十分でない。上記耐傷性の問題は、バッキング
層に磁気記録層を有する感光材料を取り扱う上で磁気記
録層に情報の入出力時に大きな問題となるもので、スペ
ースロスに起因するエラーを発生することである。スペ
ースロスの原因としては、主にバッキング層に塗設した
ワックスや磁気記録層の摩耗粉、感材を取り扱う時に付
着するゴミ、感材屑、雰囲気中のほこり等が挙げられ、
これらがフィルム走行時に磁気ヘッド表面に付着・堆積
して汚れることによりフィルムと磁気ヘッドとの間の空
隙を大きくしてスペースロスを生じ、磁気入出力エラー
が発生することが挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的の
第1は、ワックス含有層塗布時のワックス粒子の分散安
定性に優れ、環境汚染および引火対策、爆発性を抑制
し、防爆や溶媒回収の設備コストを軽減し、目的の第2
はワックス含有層の耐傷性、走行性、搬送性を改良し、
磁気ヘッドの汚れを防止して磁気情報の入出力エラーを
低減するワックス分散物及びバッキング層付き支持体を
使用するハロゲン化銀写真感光材料を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、上記課題は下記の手段によって達成できた。即
ち、 (1)高級脂肪酸及びその誘導体、高級アルコール及び
その誘導体、または高級炭化水素から選ばれる1種以上
の化合物からなるワックスと、塩基性添加物のみからな
る平均粒径0.20μm未満の分散物。 (2)該ワックスが主として一般式(I)または(II)
で表される1種以上の化合物からなることを特徴とする
(1)に記載の分散物 一般式(I) R1 −X1 −R2 一般式(II) R3 −X2 −R4 −(X3 −R5)n 式中、R1 〜R3 、R5 は炭素数10〜70の置換もし
くは無置換の直鎖、分岐、環状を含む飽和もしくは不飽
和の炭化水素基、R4 は炭素数10〜50の二価以上の
置換もしくは無置換の直鎖、分岐、環状を含む飽和もし
くは不飽和の炭化水素基である。X1 〜X3 は−COO
−,−OCO−,−CONR−,−NRCO−であり、
RはHまたは炭素数8以下のアルキル基を表す。nは1
以上の整数である。 (3)該ワックス及び塩基性添加物のみの水性もしくは
有機溶剤性混合物を調製した後に分散機を用いて調製さ
れることを特徴とする(2)に記載のワックス分散物。 (4)ワックスの融点より高い温度において前記混合物
を機械的に分散することを特徴とする(3)に記載の分
散物。 (5)該分散機が高圧ホモジナイザーであって、前記分
散機のホモジナイジングチャンバーから処理液吐出口ま
で閉管であって、ホモジナイジングチャンバー後方に背
圧付与装置を有する装置を用いて調製されることを特徴
とする(3)または(4)に記載の分散物。 (6)塩基性添加物が揮発性有機化合物であることを特
徴とする(3)または(4)に記載の分散物。 (7)(3)に記載の混合物に添加される溶媒が水を主
成分とすることを特徴とする(3)または(4)に記載
の分散物。(8)支持体の一方の側に感光性層ともう一
方の側にバッキング層を有するハロ ゲン化銀写真感光材料において、平均粒径が 0.2μm未
満のワックス分散物含有層を有することを特徴とするハ
ロゲン化銀写真感光材料。 (9)ワックスの融点以上の温度で熱処理することを特
徴とす(8)に記載のハロゲン化銀写真感光材料。 (10)透明磁気記録層の上にワックスを含有する層を
設けることを特徴とする(9)に記載のハロゲン化銀写
真感光材料。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳述す
る。初めに、本発明に係るワックスについて説明する。
本発明においてはワックスが主として高級脂肪酸または
その誘導体、高級アルコールまたはその誘導体または高
級炭化水素から選ばれる1種以上の化合物からなること
が好ましい。高級脂肪酸の誘導体、高級脂肪酸の誘導体
としては、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高
級脂肪酸の多価アルコールエステル、高級脂肪酸アルコ
ールの多価脂肪酸エステル等、高級炭化水素としてはパ
ラフィンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ
ートロプシュワックスなどがあげられる。とくに下記一
般式(I)または(II)で表される化合物が好ましい 一般式(I) R1 −X1 −R2 一般式(II) R3 −X2 −R4 −(X3 −X5)n 式中、R1 〜R3 、R5 は炭素数10〜70、より好ま
しくは15〜50の置換もしくは無置換の直鎖、分岐、
環状を含む飽和もしくは不飽和の炭化水素基、R4 は炭
素数10〜50、より好ましくは12〜25の二価以上
の置換もしくは無置換の直鎖、分岐、環状を含む飽和も
しくは不飽和の炭化水素基である。nは2以上の整数で
ある。
【0006】一般式(I)では総炭素数は20〜120
が好ましい。より好ましくは25〜100、さらに好ま
しくは30〜80である。一般式(II)では総炭素数は
20〜150が好ましい。より好ましくは40〜13
0、さらに好ましくは50〜120である。X1 〜X3
は−COO−,−OCO−,−CONR−,−NRCO
−であり、RはHまたは炭素数8以下のアルキル基を表
す。
【0007】置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキ
シ基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
ルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基、アシルア
ミノ基、スルホニル基、スルフィニル基、アリール基お
よびアルキル基を挙げることができる。これらの基はさ
らに置換基を有してもよい。好ましい置換基としては、
ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキル
チオ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、ス
ルホニルアミノ基、アシル基およびアルキル基である。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好まし
い。アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボ
ニル基のアルキル基は先に説明したR2 のアルキル基に
同じである。アシルアミノ基、スルホニルアミノ基のア
ミノ基はN置換アミノ基であってもよく、置換基は上記
アルキルが好ましい。アシルアミノ基、アシル基のカル
ボニル基およびスルホニルアミノ基のスルホニル基に結
合する基はアルキル基、アリール基であるが、上記アル
キル基が好ましい。
【0008】本発明でワックスが主として1種以上の化
合物からなるとは、一般式で表される1種以上の化合物
の総量が70重量%以上含まれることをさす。ワックス
は、天然物であっても合成物であってもよい。天然物、
あるいは合成物であっても高級脂肪酸やアルコールを原
料とした合成化合物は、炭素数の異なるものや直鎖と分
岐のものを含み、これらの混合物となるが、これらの混
合物を使用することは何等差し支えない。以下に好まし
い一般式(I)または(II)で表される化合物の具体例
を示す。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】これらの化合物は、例えば、特開昭58−
90633号に一部記載がある。上記化合物に加え、天
然物の例として、キャンデリラワックス、カルナウバワ
ックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油、蜜ろう、
モンタンワックスを加えることができる。上記のワック
スは単独で用いても混合して用いても構わない。特に好
ましいワックスは、カルナバワックス、キャンデリラワ
ックス、ライスワックスである。
【0014】本発明の塩基性添加物としては、無機物質
でも有機化合物でも良い。無機物質としては、水酸化リ
チウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化アンモニウムなど
が挙げられる。
【0015】塩基性有機化合物としては、エチルエタノ
ールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノ
ールアミン等のアルカノールアミン類、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルア
ミン等のアルキルアミン類、モルホリン等の複素環式ア
ミン類等が挙げられる。塩基性有機化合物の分散液中濃
度としては、ワックス固形分の重量に対して、0.01
から200重量%の範囲が好ましく、分散物の安定性の
ために特に好ましくは0.01から50重量%の範囲で
ある。本発明の塩基性有機化合物としては好ましくは1
気圧における沸点が160℃以下の化合物である。この
中で最も好ましい塩基性有機化合物の具体的な例とし
て、トリエチルアミン、モルホリンを挙げることができ
る。これらの揮発性の塩基を用いると、塗布後残存せ
ず、残存する塩による面状の悪化や滑り性の悪化が防げ
る。
【0016】前述ワックスの粒子は水中もしくは有機溶
剤中で作製することができる。粒子を水中で作製する手
法としては、粒子を構成する成分の融点以上で融解して
水中で乳化する手法、有機溶剤に溶解しておいて水中で
乳化する手法、大きな粒子からボールミル、サンドグラ
インダーで破砕する手法などがあげられる。このような
粒子作製法については、刈米、小石、日高編集、「乳化
・分散技術応用ハンドブック」(サイエンスフォーラム
版)等の成書に記載されている。水中での粒子作製法と
しては、粒子を構成する成分の融点以上で融解した融解
液に温水と塩基性添加物を添加して予備攪拌した後に、
超音波分散機や高圧ホモジナイザーにてその構成成分の
融点以上の温度で分散する手法が好ましい。分散物中の
ワックスの濃度に特に制限はないが、1から40重量%
の範囲が好ましい。分散媒が水を主成分とするとは水が
50重量%以上を示す場合を指す。粒子を有機溶剤中で
作製する方法としては、有機溶剤中で加温溶解し、攪拌
しながら冷却析出する手法、粒子を構成する成分の融点
以上で融解又は有機溶剤中で加温溶解し、常温または冷
却した有機溶剤を添加して冷却析出させる手法、大きな
粒子からボールミル、サンドグラインダーで破砕してい
く手法などがあげられる。有機溶剤中での粒子作製法と
しては、有機溶剤中で加温溶解し、常温または冷却した
有機溶剤中に添加して冷却析出させ、超音波分散機,高
圧ホモジナイザーで分散する手法が好ましい。分散に用
いる有機溶剤は特に制限はないが、ケトン類、アルコー
ル類が好ましい。
【0017】分散媒に水、有機溶剤を用いる場合共に、
ワックス粒子を作成する手法としては、高圧ホモジナイ
ザーを用いることが最も好ましい。特に高圧ホモジナイ
ザーの中でもホモジナイジングチャンバーと処理液吐出
口の間が閉管であって、その間に背圧付与装置を有する
高圧ホモジナイザーが特に好ましい。さらに上記ホモジ
ナイジングチャンバー直前に処理液加熱用の熱交換器を
設置し、ホモジナイジングチャンバーと背圧付与装置の
間に処理液冷却用の熱交換器を設置した高圧ホモジナイ
ザーが本発明の分散機として最も優れる。従来の方法で
はワックスに分散剤を添加して用いていたが、塗布後の
面状を悪化したり、滑り性を悪化するなどの問題があっ
た。上述の分散機を用いることで、処理液中ワックス粒
子はホモジナイジングチャンバーの処理直前で融解し、
処理される際さらに発熱するが背圧付与装置により高圧
下で冷却されるため、処理後に分散液が沸騰することを
抑制され、分散剤無しでも安定に微細なワックス分散物
を得ることができる。この装置を用いてワックス分散物
を作成する場合、分散圧力としては200から5000
Kg/cm2 の範囲が好ましく、500から1700k
g/cm2 の範囲が更に好ましい。ワックス分散物の粒
子サイズは0.01μm以上0.20μm未満が好まし
く、さらに好ましくは0.05μm以下である。
【0018】次に、バッキング層について説明する。本
発明で言うバッキング層とは、支持体の一方の面に下塗
り層を施した上に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀
乳剤層が設けられた(以下、感光性層と略称する)側と
は支持体を挟んで反対側に設けられた層を総称してバッ
キング層と言う。このバッキング層は感光性層と同様に
下塗り層を設けた上に塗設された層であってもよく、下
塗り層がなく表面処理された支持体上に直接塗設されて
いてもよい。また、下塗り層は支持体とバッキング層の
接着を良化するために2層以上から成っていてもよい。
但し、本発明ではバッキング層というときは、下塗り層
を有していてもこの下塗り層を除いた層を総称して言
う。バッキング層は、感光材料の写真性能に付加して要
求される種々の機能を与えることを主目的として設けら
れる。種々の機能とは、例えば、スタチックマークの発
生防止、感光材料の製造・取り扱い上の接着防止や滑り
性付与、カール防止、支持体側から感光性層に入る不要
な光のカット、さらには感光材料の製造や撮影条件など
の情報を記録する等であり、これらの機能を与えるため
には帯電防止剤、マット剤、滑り剤、カール防止剤、光
吸収剤、フィルター染料、紫外線吸収剤と呼称される化
合物や強磁性体微粒子などが用いられ、これらの化合物
等を担持するためのバインダー、硬化剤、可塑剤、界面
活性剤、塗布助剤等が併せて用いられる。上記の種々の
機能を与えるために設けられるバッキング層は、感光材
料に要求される付加機能に応じて上記のいくつかの化合
物を含有せしめる。これらの化合物は1つの層に含有す
るものであってもよいが、付与する機能に応じて2層以
上とすることが好ましい。また、付与する同一機能の層
を2層以上設けてもよく、付与する機能層の間に中間層
を設けることもできる。
【0019】本発明のワックスは前記のように水、又は
公知の有機溶剤に分散又は溶解して塗布することができ
る。また、ワックスを皮膜形成能のあるバインダーと塗
布することは、ワックス塗布面状の改良、ワックス含有
層の膜強度アップの点で特に好ましい。バインダーとし
ては、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化
性樹脂、反応性樹脂などを使用することができ、また、
これらを組み合わせて使用してもよい。本発明のワック
ス分散物を含有する層はバッキング層側であればどこに
塗設されていてもよく、特に好ましい添加層は、磁気記
録層、最外層である。本発明のワックスの使用量は特に
限定されないが、十分な耐傷性、滑り性を発現するため
には2〜100mg/m2 であればよく、好ましくは4
〜50mg/m2 、特に好ましくは6〜30mg/m2
である。ワックス層はワックスの融点以上の温度で乾燥
または熱処理されることが望ましい。本発明の滑り剤に
より付与されるバッキング層側の表面の滑り性能は、磁
気記録層を有する場合、25℃、60%RHで直径5m
mのステンレス球を用いて100gの荷重で評価した現
像処理前後の動摩擦係数が、ともに0.03〜0.20
であり、好ましくは0.04〜0.15、更に好ましく
は0.05〜0.14、特に好ましくは0.06〜0.
13である。また、現像処理前は特に0.05〜0.1
2であることが好ましい。動摩擦係数が0.20より大
きくなると写真システム走行時の感材の傷つきが顕著と
なる。
【0020】ワックスを分散する溶媒または含有層を塗
布する溶媒としては水、有機溶剤、水と有機溶剤の混合
液などを用いることができる。有機溶剤としてはアルコ
ール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、
ブタノールなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンな
ど)、エステル類(酢酸、蟻酸などのメチル、エチル、
プロピル、ブチルエステルなど)、炭化水素系(ヘキサ
ン、シクロヘキサンなど)ハロゲン化炭化水素系(メチ
レンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素など)、芳
香族炭化水素系(ベンゼン、トルエン、キシレン、ベン
ジルアルコールなど)、アミド系(ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、n-メチルピロリドンな
ど)、エーテル系(ジエチルエーテル、ジオキサン、テ
トラハイドロフランなど)、エーテルアルコール類(1
−メトキシ−2−プロパノールなど)などがあげられる
が、中でもアルコール類、ケトン類、エステル類が好ま
しい。
【0021】さらに、併用できる好ましい公知の滑り剤
として、市販または合成によって入手可能なシリコーン
系化合物を挙げることができる。シリコーン系化合物と
してはポリオルガノシロキサン類が好ましい。これらの
化合物の合成法及び化合物については、独国特許第1,
938,959号、米国特許第2,694,637号、
米国特許第3,042,522号、特公昭51−336
00号、特公昭52−22040号、特開昭59−31
543号、特開昭60−54015号、特開昭62−2
03152号、特開昭62−269139号、特開昭6
2−269139号、特開平2−301750号、特開
平2−115836号、特公平3−2285号、特開平
6−102615号等に詳しい記載がある。
【0022】市販のシリコーン化合物は、米国Dow Corn
ing 社、独国BYK Chemie社、信越化学工業(株)、東芝
シリコーン(株)、東レシリコーン(株)、日本ユニカ
ー(株)、チッソ(株)より種々の構造のものが市販の
化成品として販売されており容易に入手可能である。ま
た、これらの市販のシリコーンを原料として通常の化学
反応により容易に誘導体化することもできる。これらの
滑り剤は組み合わせて用いることも好ましい。
【0023】ワックス含有層には、必要に応じてバイン
ダーを使用しても良い。バインダーとしては、公知の化
合物、例えば、各種ゼラチン類(アルカリ処理、酸処
理、酵素処理、改質(フタル化、コハク化、トリメリト
化等)、変性、特別な分子量分布等のゼラチンなど)、
置換もしくは無置換のセルロース類、天然物のアラビア
ゴム、デキストラン等の親水性バインダーや通常の有機
溶媒に可溶で現像処理液など水に全くまたは殆ど不溶、
かつ、フィルム形成性を有する疎水性バインダー、例え
ば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩
化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル
などのホモもしくはコポリマー、セルロースジアセテー
ト、セルローストリアセテート、エチルセルロース、セ
ルロースナイトレート、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、セルロースプロピネートなどのセルロース誘導体、
さらに、ポリビニルアセタール、ポリビニルベンザー
ル、ポリビニルホルマールなどのアセタール類などが挙
げられる。これらは2種以上を混合使用しても良い。
【0024】本発明では、親水性バインダーとしてはゼ
ラチン類、置換もしくは無置換のセルロース誘導体、特
に置換アルキルセルロース類が、疎水性バインダーとし
てはセルロース誘導体の使用が好ましい。特にヒドロキ
シアルキル(アルキル基は炭素数が1〜5)セルロース
類、セルロースジアセテートの使用が好ましく、ヒドロ
キシアルキル(炭素数が2〜4)セルロースの使用が最
も好ましい。
【0025】親水性バインダーに使用に際しては、硬膜
剤を用いて水不溶もしくは難溶性にすることが望まし
い。各種ゼラチン類の場合は、公知の硬膜剤を使用する
ことができる。
【0026】次に、本発明の感材の乳剤層について記載
する。ハロゲン化銀乳剤層としてはカラー用、黒白用何
れでもよい。ここではカラー感材について説明する。本
発明のカラー感材は、支持体上に青感色性層、緑感色性
層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層
が設けられていればよく、ハロゲン化銀乳剤層および非
感光性層の層数および層順に特に制限はない。典型的な
例としては、支持体上に、実質的に感色性は同じである
が感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感
光性層を少なくとも1層有する感材であり、該感光性層
は青色光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有
する単位感光性層であり、多層カラー感材においては、
一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色
性層、緑感色性層、青感色性層の順に設置される。しか
し、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同一
感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順を
もとりえる。上記、ハロゲン化銀乳剤層の間および最上
層、最下層には各層の中間層等の非感光性層を設けても
よい。ハロゲン化銀の粒径は、約0.2μm以下の微粒
子でも投影面積直径が約10μmに至るまでの大サイズ
粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよい。ま
た、アスペクト比が約5以上であるような平板状粒子も
本発明に使用できる。本発明に使用できる公知の写真用
添加剤はリサーチ・ディスクロージャーNO.1764
3及び、同18716に記載されており、下記の表に関
連する記載個所を示した。
【0027】 (添加剤種類) (RD17643) (RD18716) 1 化学増感剤 23頁 648頁右欄 2 感度上昇剤 同上 3 分光増感剤、強色増感剤 23〜24頁 648頁右欄〜 649頁右欄 4 増 白 剤 24頁 5 かぶり防止剤および安定剤 24〜25頁 649頁右欄〜 6 光吸収剤、フィルター染料、 紫外線吸収剤 25〜26頁 649頁右欄〜 650頁左欄 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左〜右欄 8 色素画像安定剤 25頁 9 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 10 バインダー 26頁 同上 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 12 塗布助剤、表面活性剤 26〜27頁 650頁右欄 また、ホルムアルデヒドガスによる写真性能の劣化を防
止するために、米国特許4,411,987号、同4,
435,503号に記載されたホルムアルデヒドと反応
して、固定化できる化合物を感材に添加することが好ま
しい。
【0028】次に本発明の感材に用いられるパトローネ
について記述する。本発明の感材に使用されるパトロー
ネは特に限定されないが金属製でもよいし合成プラスチ
ックスを主材料とするカートリッジでもよい。本発明の
感材のパトローネに用いられるプラスチックス材料とし
ては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリモノクロロトリフルオロエチレン、塩化ビ
ニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合樹脂、メチルメタクリル樹脂、ビニルホルマー
ル樹脂、ビニルブチラール樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート、テフロン、ナイロン、フェノール樹脂、メラミ
ン樹脂等があげられる。これらプラスチックス材料の中
で特に好ましいのはポリスチレン、ポリエチレン、ポリ
プロピレンなどである。パトローネに用いられるプラス
チックスの成形には、必要に応じて可塑剤を混合でき
る。可塑剤としては、例えば、トリオクチルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート、ジブチルフタレート、ジ
エチルセバケート、メチルアミルケトン、ニトロベンゼ
ン、γ−バレロラクトン、ジ−n−オクチルサクシネー
ト、ブロモナフタレン、ブチルパルミテートなどがあげ
られる。
【0029】本発明の感材に用いられるパトローネは、
各種の帯電防止剤を含有してもよい。帯電防止剤は特に
限定されないが、カーボンブラック、金属酸化物粒子、
ノニオン、アニオン、カチオン及びベタイン系界面活性
剤又はポリマー等を好ましく用いることが出来る。これ
らの帯電防止されたパトローネは特開平1−31253
7号、同1−312538号に記載されている。特に2
5℃、25%RHでの電気抵抗が1012Ω以下が好まし
い。通常パトローネは、遮光性を付与するためにカーボ
ンブラックや顔料などを練り込んだプラスチックスを使
って製作される。パトローネのサイズは現在のままでも
よいし、現在の25m/mのパトローネの径を22m/
m以下、好ましくは20m/m以下、14m/m以下と
するとカメラの小型化に有効である。本発明の感材が固
定されるパトローネのスプールの径は、現行135形態
の11.5mmでも良いが、より好ましくは3〜10m
mであり、さらに好ましくは5〜8mmである。パトロ
ーネのケースの容積は30cm3 以下、好ましくは25
cm3 以下、さらに好ましくは20cm3 以下である。
パトローネおよびパトローネケースに使用されるプラス
チックスの重量は1〜25g、好ましくは5〜15gで
ある。また、パトローネケースの内容積とパトローネお
よびパトローネケースに使用されるプラスチックの比率
は0.7〜4、好ましくは1〜3である。本発明の感材
に使用されるパトローネは、その形態について特に限定
されない。例えば、米国特許第4834306号(特開
平1−306845号に対応)、特開平4−11525
1号、特開平5−210202号に記載されているスプ
ールを回転して感材を送り出すパトローネも好ましく用
いることができる。
【0030】
【実施例】以下に具体例を挙げて本発明を詳しく説明す
るが、本発明の趣旨を越えない限り、実施例に限定され
るものではない。 (実施例1)ワックス分散物を以下の様に作成し、作成
した分散物からワックス塗布液を調製し、粒子サイズお
よび塗布液中のワックス粒子の分散安定性を評価した。
平均粒子サイズは電子顕微鏡で500個以上の粒径の算
術平均として求めた。塗布溶媒は10重量部の水と90
重量部のエタノールの混合溶媒とし、ワックスの固形分
濃度が0.64重量部となるよう調製した。塗布液中の
ワックス粒子の分散安定性は、塗布液500gを25℃
で3日静置した後、容器底の粒子の沈降の程度から判断
した。 沈降物がみられない ◎ わずかに沈降物がみられる ○ 沈降物が堆積層を形成 △ 沈降物が堆積層を形成し、上澄みが透明 ×
【0031】(粗分散物A)攪拌式乳化機に野田セラリ
カ社製カルナウバNo.1微粉末(以下カルナウバ微粉
末と略記する。)を2.0kg投入し、90℃で融解し
た。水17.9kgとモルホリン120gを注入し、加
熱、攪拌して粗分散液Aを作成した。 (粗分散液B)粗分散液Aと同様の方法で、カルナウバ
微粉末2.0kgとNP25(日本エマルジョン社製)
200gを融解し、水17.7kgとモルホリン120
gを加えて粗分散液Bを作成した。 (粗分散液C)粗分散液Aと同様の方法で、カルナウバ
微粉末2.0kgを融解し水17.7kg、モルホリン
120gとドデシル硫酸ナトリウム200gを加えて粗
分散液Cを作成した。 (粗分散液D)粗分散液Aと同様の方法で、カルナウバ
微粉末2.0kgを融解し水18.0kg、水酸化ナト
リウム12gを加えて粗分散液Dを作成した。
【0032】(粗分散液E)カルナウバ微粉末150g
にキシレン115g、シクロヘキサノン32.0g、1
−メトキシ−2−プロパノール12.0gを添加し、9
0℃で溶解した。この溶液を、強攪伴した15℃のエタ
ノール4430gとモルホリン9.0gの混合液に添加
し冷却しながら、超音波分散機で処理して、粗分散液E
を作成した。 (粗分散液F)粗分散液Eと同様の方法で、カルナウバ
微粉末の代わりにワックス(Lー7)、モルホリンの代
わりにトリエチルアミンを用いて粗分散液Fを作成し
た。 (粗分散液G)粗分散液Aと同様の方法で、カルナウバ
微粉末の代わりにワックス(Lー68)、を用いて粗分
散液Gを作成した。
【0033】(分散液1)粗分散液A 400gを背圧
付与装置及び加熱冷却器付き高圧ホモジナイザ(マイク
ロフルイダイザー(みづほ工業社製EH110))を用
いて、ホモジナイジングバルブ直前に95℃に加熱し、
1200kg/cm2 の圧力で処理した後に30℃に冷
却して処理液を吐出する工程を3回繰り返して分散液1
を作成した。 (分散液2)粗分散液Bを分散液1と同様の操作によ
り、分散液2を作成した。 (分散液3)粗分散液Cを分散液1と同様の操作によ
り、分散液3を作成した。 (分散液4)粗分散液Eを70℃に加熱する以外分散液
1と同様の操作により分散液4を作成した。
【0034】(分散液5)粗分散液Fを分散液4と同様
の操作により、分散液5を作成した。 (分散液6)粗分散液Aを分散液4と同様の操作によ
り、分散液6を作成した。 (分散液7)粗分散液A 400gを95℃に保温して
超音波分散機で1時間処理した後、急冷して分散液7を
作成した。 (分散液8)95℃に保温した粗分散液A 400gを
ナノマイザー(特殊機化工業株式会社製)で1200k
g/cm2 の圧力で3回処理して分散液8を作成した。
ナノマイザーは増圧ポンプと1基のホモジナイジングバ
ルブのみを有する高圧ホモジナイザーである。 (分散液9)95℃に保温した粗分散液A 400gを
マイクロフルイダイザーで1200kg/cm2 の圧力
で3回処理して分散液9を作成した。 (分散液10)粗分散液Dを分散液1と同様の操作によ
り、分散液10を作成した。 (分散液11)粗分散液Gを分散液1と同様の操作によ
り、分散液11を作成した。分散物作成結果を表1に示
す。
【0035】(実施例2)本発明の感材を作製するにあ
たって、支持体の作製、下塗層、帯電防止層(バック第
1層)、磁気記録層(バック第2層),感光層の塗設、
感材の現像処理は下記のように実施した。 (1)支持体の作製 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作製し
た。ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
ート(PEN)100重量部と紫外線吸収剤としてTinu
vin P.326 (チバ・ガイギーCiba-Geigy社製)2重量部
とを均一に混合した後、300℃にて溶融後延伸して、
厚さ90μmのPENフィルムを得た。尚このPENフ
ィルムにはブルー染料、マゼンタ染料、及びイエロー染
料(公開技報:公技番号94−6023号記載のI−
1、I−4、I−6、I−24、I−26、I−27、
II−5)を適当量添加した。さらに、直径30cmの
ステンレス巻芯に巻き付けて、110℃、48時間の熱
履歴を与え、巻癖のつきにくい支持体とした。
【0036】(2)下塗層の塗設 PEN支持体の両面にグロー処理を施した。グロー処理
したPEN支持体の片面(乳剤側)に下記の処方で下塗
層を設けた。乾燥膜厚は0.02μmになるように設計
した。乾燥温度は115℃、3分とした。 ゼラチン 83重量部 水 291重量部 サリチル酸 18重量部 エアロジルR972 1重量部 (日本エアロジル(株)製、コロイダルシリカ) メタノール 6900重量部 n−プロパノール 830重量部 特開昭51−3619号記載のポリアマイド−エピクロロ 25重量部 ヒドリン樹脂
【0037】(3)帯電防止層(バック第1層)の塗設 SN−100(石原産業(株)製導電性微粒子)40重
量部と水60重量部の混合液に1Nの水酸化ナトリウム
水溶液を加えながら攪拌機で粗分散した後、分散して二
次粒子の平均粒径0.06μmの導電性微粒子分散液
(pH=7.0)を得た。下記組成の塗布液を表面処理
したPEN支持体の上(バック側)に、導電性微粒子の
塗布量が270mg/m2 となるように塗布した。乾燥
条件は115℃、3分とした。 SN−100(石原産業(株)製、導電性微粒子) 270重量部 ゼラチン 23重量部 レオドールTW−L120(花王(株)製、界面活性剤) 6重量部 デナコールEX−521(ナガセ化成工業(株)製、硬膜剤) 9重量部 水 5000重量部
【0038】(4)磁気記録層(バック第2層)の塗設 磁気粒子CSF−4085V2(戸田工業(株)製、C
oを被着したγ−Fe 2 3 )の表面に、磁気粒子に対
して16重量%のX−12−641(信越化学工業
(株)製シランカップリング剤)を表面処理した。下記
組成の塗布液をバック第1層の上に、シランカップリン
グ剤処理したCSF−4085V2の塗布量が62mg
/m2 となるように塗布した。尚、上記磁気粒子と研磨
材の分散法は特開平6−035092号の手法に従っ
た。乾燥条件は115℃、1分とした。 ジアセチルセルロース(バインダー) 1140重量部 X-12-641処理CSF−4085V2(磁気粒子) 62重量部 AKP−50(住友化学(株)製アルミナ、研磨材) 40重量部 ミリオネートMR-400(日本ポリウレタン(株)製、硬膜剤) 71重量部 シクロヘキサノン 12000重量部 メチルエチルケトン 12000重量部 X−ライト(ブルーフィルター)での磁気記録層のDB
の色濃度増加分は約0.1、また、磁気記録層の飽和磁
化モーメントは4.2emu/g、保磁力7.3×10
4 A/m、角形比は65%であった。
【0039】(5)ワックス含有層の塗設 実施例1に記述したワックス分散物の塗布液をバーコー
ター塗布によりワックス塗布量が27mg/m2 となる
ように流量調節して塗設した。乾燥は115℃、30秒
で行った。 (6)フッ素含有界面活性剤含有層の塗設 以下に示すフッ素含有界面活性剤をエタノール溶液でバ
ーコート塗布により、化合物I−1が1.5mg/
2 、化合物I−2が1.5mg/m2 、化合物I−3
が2.0mg/m2 となるよう流量調節して上記ワック
ス含有層の上にオーバーコート塗布した。乾燥は70℃
30秒行った。
【0040】
【化5】
【0041】(7)感光層の塗設 下塗層を塗設した支持体(乳剤側)上に特願平8−31
208号実施例1に記載の試料101と同じ感材構成層
の第1層から第15層を多層同時塗布してカラーネガ感
材を作製した。 (8)感材の現像処理 得られた感材の現像処理は下記に従った。現像機は富士
写真フイルム株式会社製のシネ式自動現像機FNCP−
900を用いた。処理工程はシネ式自動現像機処理のC
N−16X標準処理工程で実施した。 カラー現像 3分15秒 漂白 3分00秒 リンス 30秒 定着 3分00秒 リンス 60秒 水洗 3分00秒 安定 1分05秒
【0042】上記のように作製した本発明の感材におい
て、以下の項目の評価を実施した。 (1)磁気信号の入出力故障頻度の評価 幅24mm、長さ1.5mにスリットした現像処理前の
感材100本に、搬送速度100mm/secで6kH
zのFM信号を磁気記録した。次いで、ギャップ5μ
m、巻き数2000ターンの汎用の磁気再生ヘッドで、
約95dBのゲインがあるアンプを用いて記録信号を再
生し、その再生信号の平均の大きさを求めた(この時、
「記録時のエラー」がないことを確認した)。その後、
現像処理を行い、同様の方法にて、感材100本の再生
信号の一つ一つを下記の様に調べ、現像処理後の入出力
故障頻度の評価とした。感材表面に付着したゴミが、信
号再生中に磁気ヘッドと磁気記録層の間に堆積すると、
スペースロスにより信号振幅の大きさが小さくなりドロ
ップアウト(入出力故障)の回数が増加することから採
用した。各再生信号の大きさが、現像処理前の感材の再
生信号の平均の大きさに対し、35%以下になったとき
「ドロップアウト」と定義し、感材100本分の磁気入
出力故障の頻度の合計を以下のように評価した。 ドロップアウトがない時 ◎ ドロップアウトが1回以上5回未満の時 ○ ドロップアウトが5回以上10回未満の時 △ ドロップアウトが10回以上の時 ×
【0043】(2)動摩擦係数の評価 感光層を塗布する前の感材を温度25℃、60%RHで
2時間調湿した後、バッキング層の動摩擦係数をHEI
DON−14の動摩擦測定機で測定した(直径5mmの
ステンレス球、荷重100g、走行速度60cm/
分)。数値が小さいほど滑り性が良好である。 (3)耐傷性の評価 現像処理後の感材を温度25℃、湿度60%RHで2時
間調湿した後、バッキング層に先端0.25mmRのダ
イヤ針を垂直に当て、連続荷重をかけ、60cm/分の
速度で引っかいた。引っかいた後の感材を16倍に拡大
プリントし、画面に引っかき傷が見え始めたときの荷重
(g)を引っかき強度とした。数値が大きいほど耐傷性
が良好である。上記評価結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表から界面活性剤を添加して作成したワッ
クス分散物は、水と有機溶剤の混合溶媒である塗布液に
調製した場合、粒子の凝集がみられるのに対し、塩基性
添加物のみを加えて作成したワックス分散物は塗布液に
調製しても粒子サイズの変化はみられなかった。さら
に、ワックスの融点より高温で加熱冷却器付きマイクロ
フルイダイザーで作成したワックス分散物は、粒子サイ
ズが非常に小さく、分散安定性も良好であった。ワック
スを感材に塗布した場合、滑り性に有意差はないものの
本発明のワックス分散物を塗設した感材は、高い耐傷性
を有し、特に塩基性添加物として揮発性有機化合物を添
加した分散物は耐傷性が高く、磁気信号の入出力故障も
みられなかった。
【0046】(実施例3) (比較例) (1)帯電防止層の塗設 セルロースアセテートフィルム上に下記の帯電防止用塗
布組成物を20ml/m 2 になるように塗布し、70℃で
3分間乾燥した。 下記のカチオン性ポリマー 6.8ml エチレングリコール 20.6ml メタノール 400ml アセトン 200ml
【0047】
【化6】
【0048】(2)ワックス含有層の塗設 上記帯電防止層上に下記の塗布液を27.5ml/m2
なるように塗布し、100℃で30分間乾燥した。 ワックス(L−68) 0.84g メチレンクロライド 285ml メタノール 83ml アセトン 628ml ジアセチルセルロース 7.9g SiO2 微粒子 0.27g 以下実施例2同様乳剤側下塗り層、乳剤層を塗布し、現
像処理し、現像処理前後の動摩擦係数と耐傷性を評価し
た。 (本発明)以下の組成のワックス含有液を用いた他は比
較例に同じである。 実施例1で作成した分散物1−118.4g メタノール 83ml アセトン 903ml ジアセチルセルロース 7.9g SiO2 微粒子 0.27g 評価の結果を表2に示す。本発明の分散物を用いると、
耐傷性が高かった。
【0049】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仲西 正寿 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高級脂肪酸及びその誘導体、高級アルコ
    ール及びその誘導体、または高級炭化水素から選ばれる
    1種以上の化合物からなるワックスと、塩基性添加物の
    みからなる平均粒径0.20μm未満の分散物。
  2. 【請求項2】 該ワックスが主として一般式(I)また
    は(II)で表される1種以上の化合物からなることを特
    徴とする請求項1に記載の分散物 一般式(I) R1 −X1 −R2 一般式(II) R3 −X2 −R4 −(X3 −R5)n 式中、R1 〜R3 、R5 は炭素数10〜70の置換もし
    くは無置換の直鎖、分岐、環状を含む飽和もしくは不飽
    和の炭化水素基、R4 は炭素数10〜50の二価以上の
    置換もしくは無置換の直鎖、分岐、環状を含む飽和もし
    くは不飽和の炭化水素基である。X1 〜X3 は−COO
    −,−OCO−,−CONR−,−NRCO−であり、
    RはHまたは炭素数8以下のアルキル基を表す。nは1
    以上の整数である。
  3. 【請求項3】 該ワックス及び塩基性添加物のみの水性
    もしくは有機溶剤性混合物を調製した後に分散機を用い
    て調製されることを特徴とする請求項2に記載のワック
    ス分散物。
  4. 【請求項4】 ワックスの融点より高い温度において前
    記混合物を機械的に分散することを特徴とする請求項3
    に記載の分散物。
  5. 【請求項5】 該分散機が高圧ホモジナイザーであっ
    て、前記分散機のホモジナイジングチャンバーから処理
    液吐出口まで閉管であって、ホモジナイジングチャンバ
    ー後方に背圧付与装置を有する装置を用いて調製される
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の分散物。
  6. 【請求項6】 塩基性添加物が揮発性有機化合物である
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の分散物。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の混合物に添加される溶
    媒が水を主成分とすることを特徴とする請求項3または
    4に記載の分散物。
  8. 【請求項8】 支持体の一方の側に感光性層ともう一方
    の側にバッキング層を有するハロゲン化銀写真感光材料
    において、平均粒径が 0.2μm未満のワックス分散物含
    有層を有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
    料。
  9. 【請求項9】ワックスの融点以上の温度で熱処理するこ
    とを特徴とする請求項8に記載のハロゲン化銀写真感光
    材料。
  10. 【請求項10】 透明磁気記録層の上にワックスを含有
    する層を設けることを特徴とする請求項9に記載のハロ
    ゲン化銀写真感光材料。
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