JPH106791A - トラクタのミッション - Google Patents

トラクタのミッション

Info

Publication number
JPH106791A
JPH106791A JP8157122A JP15712296A JPH106791A JP H106791 A JPH106791 A JP H106791A JP 8157122 A JP8157122 A JP 8157122A JP 15712296 A JP15712296 A JP 15712296A JP H106791 A JPH106791 A JP H106791A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission
shaft
creep
tractor
main
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8157122A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3483706B2 (ja
Inventor
Tomeo Umemoto
留男 梅本
Masatoshi Iwamoto
正寿 岩本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP15712296A priority Critical patent/JP3483706B2/ja
Priority to US08/876,637 priority patent/US5901606A/en
Priority to KR1019970025002A priority patent/KR100237321B1/ko
Publication of JPH106791A publication Critical patent/JPH106791A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3483706B2 publication Critical patent/JP3483706B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement Of Transmissions (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラクタのホイールベースを長くすることな
く、クリープ変速を確保する。 【解決手段】 トラクタの車体を構成するクラッチハウ
ジング2は、前記主クラッチ7を収容する第1室3と前
記主変速装置9を収容する第2室4とを連設し、該第2
室4の後部に後方開口部5を形成しているとともに、該
後方開口部5に前記副変速装置10とクリープ変速装置
11を収容し、前記後方開口部5を、後輪デフ装置13
を収容しているミッションケース6で閉塞している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタのミッシ
ョンに関する。
【0002】
【従来の技術】トラクタで作業を行う場合、例えばロー
タリでの深耕・砕土耕耘作業、トレンチャ作業等のとき
は、超低速(クリープ変速)を必要としており、例え
ば、特開昭53−112369号公報で開示されている
ように主変速装置、副変速装置とは別にクリープ変速装
置を独立して装備したものがある。
【0003】この従来例では、ミッションの大型化を招
き、変速操作系を個々に独立して設けなければならず構
造及び取扱いとも煩雑であった。この点を改善した技術
として特公昭61−25933号公報で開示したものが
ある(従来例)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述公報で開示の従来
例は、それなりに有用ではあるものの、次のような課題
があった。すなわち、トラクタ車体を構成するクラッチ
ハウジングとミッションケースとの間に中間ケースを設
け、該中間ケース内に副変速装置とクリープ変速装置と
を内蔵(収容)しているため、トラクタ車体の前後長が
過大になりすぎてホイールベースも長くなって、ユティ
リティトラクタ(汎用トラクタ)のニーズに対応でき難
いものであった。
【0005】また、クリープ変速装置を構成するのに、
別途のクリープ軸が必要で、これに起因して軸受も必要
となって部品点数が多くなり、部品管理が面倒になるだ
けでなく、組立工程も複雑化するし、加工部分も多くな
っていた。そこで本発明は、トラクタの車体を構成する
クラッチハウジングの後端に後方開口部を形成し、この
開口部に副変速装置とクリープ変速装置とを収容した状
態でミッションケースによって前記開口部を閉塞するこ
とによって、ホイールベースが長くなく、組立分解等が
容易なユティリティトラクタに適合したミッションを提
供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、主クラッチ7
を介してエンジン1に連動する走行伝動系に、主変速装
置9と副変速装置10およびクリープ変速装置11を備
えているトラクタのミッションにおいて、前述の目的を
達成するために、次の技術的手段を講じている。
【0007】すなわち、本発明では、トラクタの車体を
構成するクラッチハウジング2は、前記主クラッチ7を
収容する第1室3と前記主変速装置9を収容する第2室
4とを連設し、該第2室4の後部に後方開口部5を形成
しているとともに、該後方開口部5に前記副変速装置1
0とクリープ変速装置11を収容し、前記後方開口部5
を、後輪デフ装置13を収容しているミッションケース
6で閉塞していることを特徴とするものであり、このよ
うな構成を採用したことにより、ホイールベースが長く
なることもなく、組立分解も容易になったのである(請
求項1)。
【0008】また、本発明では、前記副変速装置10は
高・低2段に切換え変速可能であり、クリープ変速装置
11は前記副変速装置10の低速側でクリープ変速を得
るようにされていることにより、無駄なクリープ変速を
採ることなく、必要なクリープ変速が確保できて、これ
により、変速操作も容易になったのである(請求項
2)。
【0009】更に、本発明では、前記副変速装置10と
クリープ変速装置11とは軸方向の前後で並設されてお
り、該クリープ変速装置11は前記副変速装置10の構
成軸34,35を用いて構成されていることにより、ク
リープ変速を確保するのに、別途専用のクリープ軸は必
要でなくなって、部品点数を節減し、部品管理も容易で
あるとともに、加工数を少なくして安価なミッションを
提供できるのである(請求項3)。
【0010】また、本発明では、前記副変速装置10の
構成軸である副軸35は、主変速装置9の変速主軸25
の軸心延長上に配置され、副変速装置10の構成軸であ
る伝動軸34は主変速装置9の変速副軸26の軸心延長
上に配置されていることにより、変速操作系が集約でき
てコンパクトに簡素化できて、変速操作系の伝達ロスが
少なく軽快な変速ができるに到ったのである(請求項
4)。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
の形態について説明する。トラクタのミッションの全体
構成を模式的に示している図1において、エンジン1の
後面に連結されていて該エンジン1とともにトラクタの
車体を構成するクラッチハウジング2は、第1室3と第
2室4とを前後に連設して備え、第2室4の後部は後方
開口部5とされ、該開口端にミッションケース6がボル
ト接合等によって連設されて該開口部5を閉塞してお
り、ここに、エンジン1、クラッチハウジング2および
ミッションケース6によってトラクタの車体を実質的に
構成している。
【0012】クラッチハウジング2の第1室(クラッチ
室)3には主クラッチ7が収容されており、第2室4に
は主クラッチ7を介してエンジン1に連動する走行伝動
系としてのシャトル変速装置8と主変速装置9が収容さ
れ、更に、後方開口部5には副変速装置10およびクリ
ープ変速装置11が収容され、ミッションケース6には
前輪動力断接装置12、後輪デフ装置13およびPTO
系の油圧クラッチ装置14等が内蔵されている。
【0013】主クラッチ7は、図2で示すようにエンジ
ンのフライホイール15に装着されており、ダンパー手
段16を介して走行系の推進軸17が連結され、該推進
軸17には推進軸ケース18が套嵌され、該推進軸ケー
ス18の軸部上にはクラッチレリーズ手段19が装着さ
れ、図では該レリーズ手段19の摺動を介してダイヤフ
ラム式で示す主クラッチ7を断接し、推進軸17が断続
回転されるようになっている。
【0014】推進軸ケース18は第1室3と第2室4と
を実質的に区画するため区画壁20に形成した開口部
(実質的に正背面視で円形)に嵌合される挿嵌部18A
をその基部に一体に備え、該挿嵌部18Aを区画壁20
の開口部に前方から嵌合して基部18Bを区画壁20に
ボルト止めしている。推進軸ケース18の挿嵌部18A
には、上下2段で軸受嵌合凹部18C,18Dを有し、
上段の軸受嵌合凹部18Cと軸心を一致して筒状軸部1
8Eが前方に延伸され、該筒状軸部18Eに推進軸17
が挿通されていて該推進軸17の前後端が軸受21,2
2によって回転自在に支持されている。
【0015】推進軸17は筒軸であって、その後部はや
や膨径部17Aとされて軸受22によって支持され、第
2室4に臨入しており、この筒内にフライホイール15
に接手23を介して連結されているPTO推進軸24が
相対回転自在として挿通されている。図2および図3で
示すように、前記第2室4に収容したシャトル変速装置
8と主変速装置9は、軸方向で互いに平行として架設さ
れている変速主軸25と変速副軸26のそれぞれに同軸
上で軸方向に並設して備えられている。
【0016】すなわち、変速主軸25は筒軸構成であっ
て、前記推進軸17の軸心延長線上に位置し、その前部
が推進軸17の膨径部17Aに挿入されてニードル軸受
25Aによって支持され、後部は第2区画壁27に軸受
25Bによって支持されていて変速副軸26はその前後
が軸受26A,26Bによって支持されている。更に、
シャトル変速装置8と主変速装置9はともに同期咬合形
のギヤ変速であり、変速主軸25を上部でかつ入力側と
して位置づけられ、変速副軸26を下部でかつ出力側と
して位置づけられ、同期変速手段28は変速主軸25上
に備えられているとともに、シャトル変速装置8が第2
室4の前側でかつエンジン1に近い側に配置され、主変
速装置9が第2室4の後側でかつエンジン1から遠い側
に配置されている。
【0017】このように、同期変速手段28を入力側で
エンジン1に近い側の走行主軸25上に備えることによ
り、該手段28を走行副軸26上に備えたものよりもト
ルクが小さくなって、これにより径を小径にしても支障
なく、このことがクラッチハウジング2の高さ及び横幅
も小さくできて図9に示すように乗降ステップ2Bの装
着も容易でオペレータの車体またぎが従来では車体上部
が仮想線となるのに対し容易となったのであり、更に、
同期変速手段28を摺動するシフトフォークの長さも短
くできて摺動も軽快にできるのである。
【0018】同期咬合形ギヤ変速によるシャトル変速装
置8は、推進軸17の膨径部17Aに取付けている第1
ギヤ8Aと、この第1ギヤ8Aに咬合していて変速副軸
26上に備えている第2ギヤ8Bと、この第2ギヤ8B
と一体に形成されている第3ギヤ8Cと、この第3ギヤ
8Cにアイドルギヤ8Dを介して連動されていて、前記
第1ギヤ8Aの後方で走行変速軸25上に備えている第
4ギヤ8Eとからなり、第1ギヤ8Aと第4ギヤ8Eと
の間に介装されている同期変速手段28を、図1の矢符
Fの方向に摺動すると前進(正転)で、矢符Rの方向に
摺動すると後進(逆転)となり、中立を含めて前後進に
切換え可能である。
【0019】同期咬合形ギヤ変速による主変速装置9
は、実施の形態においては第1速(1F)から第4速
(4F)の4段変速が可能であり、第4速変速ギヤ9A
から第1速変速ギヤ9Dの順で走行変速主軸25上に回
転自在に套嵌支持して列設しており、走行変速副軸26
上には前記変速ギヤ9A,9B,9C,9Dに対応して
咬合している第4〜1の変速伝達ギヤ9E,9F,9
G,9Hが固着されており、第4速変速ギヤ9Aと第3
速変速ギヤ9Bとの間、および第2速変速ギヤ9Cと第
1速変速ギヤ9Dとの間にそれぞれ同期変速手段28が
介装されていて、該手段28を図1に示す矢符1F〜4
Fの方向に摺動することで、中立を含めて4段変速が可
能とされている。
【0020】なお、シャトル変速装置8および主変速装
置9の同期変速手段28は、図では、キー式のイナーシ
ャロック形で示しているが、ピン式のイナーシャロック
形であっても、コンスタントロード形でも、サーボ形で
あっても構わない。更に、クラッチハウジング2の第2
室4と対応する上壁には、図2および図5で示すように
方形状の開口部2Aが形成されていて、該開口部2Aを
着脱自在として塞ぐ蓋体30に、主変速装置9の同期変
速手段28を操作する変速レバー31が立設され、該蓋
体30の内面に該変速レバー31にて摺動するシフトフ
ォークを有するシフトロッド等が前後摺動自在として支
持されているとともに、クラッチハウジング2の側壁に
はシャトル変速装置8の同期変速手段28を操作する操
作軸32が左右方向として支持されている。
【0021】上記のように、クラッチハウジング2の第
2室4にシャトル変速装置8と主変速装置9とを同軸的
に軸方向に並設することによって、変速操作系(変速レ
バー31、操作軸32等)を集約できて操作が容易にな
るだけでなく、クラッチハウジング2の後部に開口部5
を形成することにより、クラッチハウジング2にシャト
ル変速装置8、主変速装置9および副変速装置10並び
にクリープ変速装置11の全てを組付けることが可能と
なって、ユティリティ(汎用形)トラクタのニーズに対
応できるに到ったのである。
【0022】また、シャトル変速装置8および主変速装
置9の同期変速手段28は操作負荷が軽い走行変速主軸
25上に同軸的に軸方向で並設したことにより、操作が
軽快にできるだけでなく、シフトフォーク等も短くでき
て車体の高さ及び横幅も狭くできることとなり、これに
よって車体の左右側壁に備えられる乗降ステップの装着
も広くかつ確実にできて乗降が軽快でオペレータに優し
いユティリティトラクタを提供できるのである。
【0023】図3および図4を参照すると、クラッチハ
ウジング2の後方開口部5に収められる副変速装置10
およびクリープ変速装置11の詳細が示されている。図
1、図3および図4において、走行変速副軸26は第2
区画壁27より後方に突出していて開口部5に臨入して
おり、該突出部26Cには軸端から前方にくり抜き形成
された凹部26Dを有するとともに、副変速用第1ギヤ
33と咬合い部33Aを備えている。
【0024】走行変速副軸26の軸心延長上に伝動軸3
4が配置され、該伝動軸34の前部が前記凹部26Bに
挿入されて軸受34Aで支持されているとともに、該伝
動軸34の後部は後方開口部5の後縁部に備えている軸
受34Bで支持され、かつ、該軸受34Bより後方に延
伸されている。走行変速主軸25の軸心延長上に、筒軸
構造の副変速副軸35が配置され、該副軸35の前部は
軸受抑え36に嵌着した軸受35Aによって支持されて
いるとともに、副軸35の後部は軸受35Bによって支
持され、ここに、前記伝動軸34と副軸35は互いに軸
方向平行として上下に配置されている。
【0025】このように、主変速装置の変速主軸25の
軸心延長上に副軸35を配置し、変速副軸26の軸心延
長上に伝動軸34を配置することによって、変速操作系
を集約できて変速操作系の伝達ロスを少なくし、軽快な
変速を可能にしたのである。なお軸受抑え36は、第2
壁27の後面にボルト止めされていて軸受25Bを位置
決めしているとともに、該抑え36に嵌着した軸受35
Aは、走行変速主軸25の後部と副軸35の前部にまた
がって配置されている。
【0026】副変速副軸35上には、前記第1ギヤ33
と咬合している減速用第2ギヤ37と、この第2ギヤ3
7と一体に形成した小径の第3ギヤ38とがニードル軸
受等を介して回転自在に套嵌されており、第3ギヤ38
に咬合している副変速低側の第4ギヤ39が伝動軸34
上にニードル軸受等を介して回転自在に套嵌されてい
る。
【0027】第4ギヤ39には咬合い部39Aを有し、
この咬合い部39Aと突出部26Cに形成した咬合い部
33Aとが軸方向で相対しており、両咬合い部33A,
39Aに対して係脱自在なシフタ40が伝動軸34上に
摺動自在として備えられている。従って、シフタ40を
図1の矢符Hの方向に摺動して咬合い部33Aに係合す
ることにより走行変速副軸26と伝動軸34を直結して
副変速高とし、一方、シフタ40を図1の矢符Lの方向
に摺動して咬合い部39Aにシフタ40を係合すること
によって副変速低を得るのであり、ここに、副変速装置
10はシフタ40の摺動で中立を含めて高低速の2段に
変速可能である。
【0028】クラッチハウジング2の後方開口部5に
は、副変速装置10とクリープ変速装置11が軸方向の
前後で並設して収容されており、該クリープ変速装置1
1は、副変速装置10の構成軸(副軸35および伝動軸
34)を利用して別軸を用いることなく構成されてい
て、これにより、部品点数を節減しているとともに組立
分解も容易にし、更に、副変速装置10の高速側でなく
低速側にてのみクリープ変速を確保し、無駄な変速段を
なくし、必要なクリープ変速だけを得るようにされてい
る。
【0029】すなわち、図1および図3において、副変
速装置10の低速用第3ギヤ39に、これと一体として
のクリープ入力ギヤ41を設けて伝動軸34上に套嵌し
ており、一方、副変速副軸35上には、前記入力ギヤ4
1と咬合する減速ギヤ42とこのギヤ42より小径のク
リープ出力ギヤ43とを軸方向に並設して備え、更に、
伝動軸34上には、クリープ出力ギヤ43と咬合する大
径のクリープギヤ44を相対回転自在に備え、伝動軸3
4上には、クリープギヤ44の咬合部44Aに対して係
脱自在なクリープ用シフタ45を備え、該シフタ45を
図1の矢符Cの方向に摺動してクリープギヤ44の咬合
部44Aと伝動軸34とを接合することにより、副変速
装置10の低速域においてのクリープ変速を確保し得る
ようにされている。
【0030】副変速装置10およびクリープ変速装置1
1の伝動を共用している伝動軸34は、軸受34Bより
後方に突出してあり、該伝動軸34の軸心延長上には後
輪デフ装置13のベベルピニオン形とされたデフ駆動軸
46がミッションケース6内に配置されており、伝動軸
34の突出部とデフ駆動軸46の前部とが軸カップリン
グ47で連動連結され、該軸カップリング47上には、
前輪動力切換用のシフタ48が摺動自在としてスプライ
ン等で套嵌されており、該シフタ48を図1の矢符Dの
方向に摺動して、前輪駆動ギヤ49の咬合部49Aに係
合することによって、前輪伝動ギヤ50、前輪伝動軸5
1等を介して後輪を駆動しつつ前輪へも同期した動力を
伝達し、ここに、後輪駆動と前後輪の全輪駆動とが選択
できるようにされている。
【0031】前輪駆動ギヤ49は伝動軸34の突出部に
ニードル軸受等を介して套嵌支持されているとともに、
クラッチハウジング2の下部において走行変速副軸26
および伝動軸34と平行に架設されている伝動軸51に
前記駆動ギヤ49に咬合する前輪伝動ギヤ50が備えら
れている。ここに、前輪動力断接(切換)装置には、カ
ウンタ軸等を採用しなくとも構成できてこの点において
も部品点数を節減しているとともに組立分解も容易にな
っているのである。
【0032】更に、伝動軸34、デフ駆動軸46を同一
軸心上に配置したことにより、図7および図8で示すよ
うに副変速用シフタ40、クリープ用シフタ45および
前輪断接用シフタ48は同一径のシフタに構成できる
し、各シフタ40,45,48に係合するシフトフォー
ク52およびフォーク軸53並びに操作支軸54等は、
同一部品を採用することも可能となってこの点からも部
品点数の節減、在庫部品の管理、操作性の向上等が期待
できるのである。
【0033】図1および図4等を参照すると、推進軸1
7,走行変速主軸25および副変速副軸35のそれぞれ
を挿したPTO推進軸24は、ミッションケース6の前
上部において弾性緩衝軸接手55を有するPTO油圧ク
ラッチ14を介して伝動軸56に連動されており、伝動
軸56はミッションケース6の後面に所謂外付けで装着
したPTO変速ケース57内のPTO変速装置58に連
動されてPTO軸59を変速連動可能としている。
【0034】PTO油圧クラッチ14は図外の制御弁か
らの圧油を加圧ピストン14Aに作用させ、複数のクラ
ッチ板14Bを圧接することで断接されるものであり、
該クラッチの戻り油が、同期変速手段28の強制潤滑油
として利用されている。すなわち、PTO伝動軸56と
PTO推進軸24とに互いに連通する油通路24A,5
6Aを軸心方向に形成し、この通路24A,56Aにク
ラッチ戻り油(クラッチ冷却油でもよい)を供給するよ
うに構成し、PTO推進軸24と走行変速主軸25およ
び副変速副軸35との僅少スキマに潤滑油を流入させ、
変速主軸25には、同期変速手段28と対応して径方向
の潤滑油噴出孔を形成することによって同期変速手段2
8の摺動部に対する潤滑油送液手段60を備えているの
である。
【0035】このように構成することによって、走行変
速主軸25上に同期変速手段28を具備しても、該手段
28の潤滑は確保されて円滑かつ軽快にして故障の少な
い変速が可能となったのである。なお、クラッチハウジ
ング2の第2室4およびミッションケース6等にはギヤ
潤滑油(油面をLで示す)が収容されており、この潤滑
油がクラッチ室3(第1室)に流入するのを阻止するた
め推進軸ケース18の挿嵌部18Aの外周にはオイルリ
ングが装着され、また、前輪伝動軸51の軸受部61お
よび軸受22にはオイルシール62が備えられ、更に、
強制潤滑油が推進軸ケース18内に漏出するのを防止す
るためオイルシール63が備えられている(図2参
照)。
【0036】また、前輪伝動軸51はクラッチ室2の下
部の軸受部61に挿通してエンジンオイルパン64の下
面に沿って延伸して前輪デフ駆動軸(図示せず)に連動
する場合と、第2室2の底壁に形成した開口部65を介
してギヤ連動させて前輪デフ駆動軸に連動するいずれの
場合であってもよく、前者のときは開口部65はシール
付蓋体で閉塞され、後者のときは軸受部61はシール付
蓋体で閉塞される。
【0037】
【発明の効果】以上詳述した通り本発明によれば、副変
速装置とクリープ変速装置とを備えたミッションにおい
て、トラクタのホイールベースを長くしなくとも良く、
必要なクリープ変速を確保できて操作性に優れたユティ
リティトラクタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態を示すミッション前半部の
側断面図である。
【図3】本発明の実施の形態を示すミッション中間部の
側断面図である。
【図4】本発明の実施の形態を示すミッション後半部の
側断面図である。
【図5】本発明の実施の形態を示す車体前半部の平面図
である。
【図6】本発明の実施の形態を示す車体後半部の平面図
である。
【図7】本発明の実施の形態を示す副変速装置とクリー
プ変速装置の側断面図である。
【図8】本発明の実施の形態を示す副変速装置とクリー
プ変速装置の正面断面図である。
【図9】本発明の実施の形態を示す車体の正面(立面)
図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 クラッチハウジング 5 後方開口部 6 ミッションケース 7 主クラッチ 9 主変速装置 10 副変速装置 11 クリープ変速装置 13 後輪デフ装置 25 走行変速主軸 26 走行変速副軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主クラッチ(7)を介してエンジン
    (1)に連動する走行伝動系に、主変速装置(9)と副
    変速装置(10)およびクリープ変速装置(11)を備
    えているトラクタのミッションにおいて、 トラクタの車体を構成するクラッチハウジング(2)
    は、前記主クラッチ(7)を収容する第1室(3)と前
    記主変速装置(9)を収容する第2室(4)とを連設
    し、該第2室(4)の後部に後方開口部(5)を形成し
    ているとともに、該後方開口部(5)に前記副変速装置
    (10)とクリープ変速装置(11)を収容し、前記後
    方開口部(5)を、後輪デフ装置(13)を収容してい
    るミッションケース(6)で閉塞していることを特徴と
    するトラクタのミッション。
  2. 【請求項2】 副変速装置(10)は高・低2段に切換
    え変速可能であり、クリープ変速装置(11)は前記副
    変速装置(10)の低速側でクリープ変速を得るように
    されていることを特徴とする請求項1に記載のトラクタ
    のミッション。
  3. 【請求項3】 副変速装置(10)とクリープ変速装置
    (11)とは軸方向の前後で並設されており、該クリー
    プ変速装置(11)は前記副変速装置(10)の構成軸
    (34)(35)を用いて構成されていることを特徴と
    する請求項1又は2に記載のトラクタのミッション。
  4. 【請求項4】 副変速装置(10)の構成軸である副軸
    (35)は、主変速装置(9)の変速主軸(25)の軸
    心延長上に配置され、副変速装置(10)の構成軸であ
    る伝動軸(34)は主変速装置(9)の変速副軸(2
    6)の軸心延長上に配置されていることを特徴とする請
    求項3に記載のトラクタのミッション。
JP15712296A 1996-06-18 1996-06-18 トラクタのミッション Expired - Fee Related JP3483706B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15712296A JP3483706B2 (ja) 1996-06-18 1996-06-18 トラクタのミッション
US08/876,637 US5901606A (en) 1996-06-18 1997-06-16 Transmission for a tractor
KR1019970025002A KR100237321B1 (ko) 1996-06-18 1997-06-17 트랙터용 트랜스미션

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15712296A JP3483706B2 (ja) 1996-06-18 1996-06-18 トラクタのミッション

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH106791A true JPH106791A (ja) 1998-01-13
JP3483706B2 JP3483706B2 (ja) 2004-01-06

Family

ID=15642699

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15712296A Expired - Fee Related JP3483706B2 (ja) 1996-06-18 1996-06-18 トラクタのミッション

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3483706B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4820477A (en) * 1983-06-29 1989-04-11 Mcnally Lillian Method and apparatus for providing a non-radioactive coolant for a nuclear reactor
CN102011839A (zh) * 2010-12-02 2011-04-13 山东五征集团有限公司 24+12挡拖拉机传动箱

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4820477A (en) * 1983-06-29 1989-04-11 Mcnally Lillian Method and apparatus for providing a non-radioactive coolant for a nuclear reactor
CN102011839A (zh) * 2010-12-02 2011-04-13 山东五征集团有限公司 24+12挡拖拉机传动箱

Also Published As

Publication number Publication date
JP3483706B2 (ja) 2004-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3445391B2 (ja) トラクタのトランスミッション装置
US6314827B1 (en) Transmission for a working vehicle
US5901606A (en) Transmission for a tractor
KR100985673B1 (ko) 주행 차량의 변속 장치
US20100275725A1 (en) Torque-splitting transmission
JP2574905B2 (ja) 車両のミッション
EP0821183B1 (en) Compact manual transaxle
JP4885349B2 (ja) トランスミッション
JPH106792A (ja) トラクタのミッション
JPH106791A (ja) トラクタのミッション
JP3349042B2 (ja) トラクタのミッション
JPH106790A (ja) トラクタのミッション
JP3993669B2 (ja) 作業車両の変速操作機構
JP5291064B2 (ja) トランスミッション
JPH1182642A (ja) 作業車両のトランスミッション
JP2505450Y2 (ja) トラクタの伝動構造
JPH1191378A (ja) 作業車両の走行用伝動装置
JP2002127771A (ja) トランスミッション
JP2006096108A (ja) 走行車両
JP3873014B2 (ja) 変速機
JP2001030781A (ja) トラクターの変速装置
JPH0569751A (ja) トラクタの動力取出装置
JP3997000B2 (ja) 作業車両の逆転pto装置
JPH11314531A (ja) 作業車両のミッションケース構造
JPH1178567A (ja) Pto変速装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081017

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091017

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091017

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101017

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121017

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees