JP2505450Y2 - トラクタの伝動構造 - Google Patents

トラクタの伝動構造

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JP2505450Y2 JP2206890U JP2206890U JP2505450Y2 JP 2505450 Y2 JP2505450 Y2 JP 2505450Y2 JP 2206890 U JP2206890 U JP 2206890U JP 2206890 U JP2206890 U JP 2206890U JP 2505450 Y2 JP2505450 Y2 JP 2505450Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はトラクタの伝動構造、特にトラクタの機体
を構成する前部ハウジング及びミツシヨンケースを前後
に連設し、エンジンにより駆動される原動軸と変速軸と
の間で変速伝動を行なう油圧クラツチ式の補助変速装置
を前部ハウジング内の後半部に、該補助変速装置の複数
油圧クラツチを上記変速軸に装備させて設置する一方、
該変速軸により駆動される駆動軸と従動軸との間で変速
伝動を行なう主変速装置をミツシヨンケース内の前半部
に設置する伝動構造に、関するものである。
〔従来の技術〕
トラクタの前部ハウジング内には、その前端部でエン
ジンフライホイールとが主クラツチが設置され後半側に
余裕スペースが残されることから、各種作業用途に適合
させて車速を選択できるように、バルブ操作で容易に制
御しうる油圧クラツチ式の補助変速装置をハウジング後
半部内に設置することが多く、その場合には一般に上述
の伝動構造が採用されている。
そのような伝動構造において、ミツシヨンケース内の
トランスミツシヨンは各種仕様のトラクタに共用のもの
とし前部ハウジング内のトランスミツシヨンのみ容易交
換できることとしつつ、前述のような補助変速装置の組
立て及び事後の分解及び再組立ての簡単さを図つた従来
技術の典型的なものとして、特公昭63-39449号公報に開
示の技術がある。
本従来例は前部ハウジングを、後端を開放し補助変速
装置の前端側に中間壁を有するものに形成している。ま
たミツシヨンケースを前後に2分割して前方側のミツシ
ヨンケースを主変速装置の前端側に中間壁、後端側に背
壁をそれぞれ有するものに形成している。そして前方側
ミツシヨンケース内に位置させて前部ハウジングの後端
に装着される軸受板(上記公報では「取付壁」と称され
ている。)を設け、補助変速装置の原動軸と変速軸を前
部ハウジングの上記中間壁と上記した軸受板とに支持さ
せている。また主変速装置の駆動軸と従動軸は、前方側
ミツシヨンケースの上記した中間壁と背壁とに支持させ
ている。そして補助変速装置の変速軸と主変速装置の駆
動軸とを、前方側ミツシヨンケース内において該ケース
の上記中間壁の前方側で接続している。
補助変速装置の変速軸に装備させた複数油圧クラツチ
に対し作動油を給排するために回転する変速軸に穿設さ
れた油路は、前部ハウジング内の上記中間壁の前面に装
着して変速軸の前端部に被嵌した油路受継筒内で位置固
定側の油路に接続されている。油圧クラツチ式の補助変
速装置用のバルブ機構をどのように設けるかについて
は、本公報には記載されていない。
〔考案が解決しようとする問題点〕
上述の従来技術は、前部ハウジングと前方側ミツシヨ
ンケースとを分離し前記軸受板を前部ハウジングの後端
から外した状態で、前部ハウジングの中間壁に前端側を
支持させた原動軸及び変速軸上に補助変速装置用の油圧
クラツチ及び歯車等の変速伝動部材を組付け、その後に
軸受板を前部ハウジングの後端に装着して原動軸及び変
速軸の後端側を支持させ、変速軸と主変速装置の駆動軸
とを接続しつつ前部ハウジングと前方側ミツシヨンケー
スとを連結することにより組立てられるから、補助変速
装置についての組立て及び事後の分解及び再組立ては確
かに簡単とするが、補助変速装置についての組立てにつ
いてのみ意をはらつていることから逆に、次の問題点を
有する。
すなわち先ず、前方側ミツシヨンケースの中間壁前方
側の空間を軸受板の設置スペース及び補助変速装置の変
速軸と主変速装置の駆動軸との接続用スペースに利用
し、前方側ミツシヨンケースの中間壁と背壁との間に、
これらの壁に駆動軸及び従動軸を支持させて主変速装置
を組込んでいることから、主変速装置の組立てが極めて
厄介となつている。つまり位置を固定した中間壁と背壁
との間に主変速装置を組込むためには、同両壁間で前方
側ミツシヨンケースの頂壁または側壁に歯車等の変速伝
動部材を組込むための開口を形成しておいて、同開口か
ら前方側ミツシヨンケース内に変速伝動部材を組込み所
定の位置に保持しておき、主変速装置の駆動軸及び従同
軸を上記した中間壁または後壁を挿通させつつ該両壁間
に組込んで支持させることになるが、このような組立て
は極めて厄介である。
またミツシヨンケース内のトランスミツシヨンを共用
させつつ、前部ハウジング内に補助変速装置を設けない
伝動構造のトラクタ仕様とすると、前方側ミツシヨンケ
ースの中間壁前方側の空間が単に軸接続のためのみのス
ペースとして利用されることになり、ミツシヨンケース
側に多大の余分なスペースが残されることになる。
したがつてこの考案の主たる目的とするところは、前
部ハウジング内に設置する補助変速装置についてはもと
よりミツシヨンケース内に設置する主変速装置について
も組立てを簡単とし、またミツシヨンケース側に余分な
スペースを生じさせないこととする、トラクタの新規な
伝動構造を提供するにある。
附随する目的は、補助変速装置の原動軸及び変速軸の
軸受構造体を利用して補助変速用のバルブ類を、同バル
ブ類間の接続油路及び変速軸に穿設する油路への接続油
路を簡単に形成できるようにしつつ上記軸受構造体に装
備させ、補助変速装置と共に前部ハウジング内に組込み
得ることとして、組立てを簡単化するといつた長所を一
層向上させることにある。
〔問題点を解決するための手段〕
そのためにこの考案は最初に述べたようなトラクタの
伝動構造においてミツシヨンケース2を、前端を開放し
主変速装置10の後端側に中間壁2aを有するものに形成し
て、このミツシヨンケース2の前端に装着する後側軸受
板11と上記中間壁2aとに前記した駆動軸8及び従動軸9
を支持させ、また前部ハウジング1を、後端を開放し補
助変速装置5の前端側に中間壁1aを有するものに形成し
て、この中間壁1aと上記後側軸受板11の前面に装着する
前側軸受板12とに前記した電動軸3及び変速軸4を支持
させ、変速軸4から駆動軸8に対し伝動する中間軸13
を、上記した両軸受板11,12に支持させて設ける一方、 補助変速装置5用の切換弁14と油圧制御弁15,16を前
記前側軸受板12内に設置すると共に、該前側軸受板12
に、前記油圧クラツチ6,7に連通させて前記変速軸4に
穿設する油路17,18を位置固定側の油路に接続するため
の油路受継筒部12aを設けた。
〔考案の作用と効果〕
この考案に係る伝動構造は、次のようにして組立てる
ことができる。
すなわち先ず主変速装置10については第1図から明瞭
に理解できるように、前部ハウジング1とミツシヨンケ
ース2とを分離し、且つ、後側軸受板11をミツシヨンケ
ース2の前端に装着しない状態の下で、駆動軸8及び従
動軸9をその後端部でミツシヨンケース2の中間壁2aに
支持させ、これらの両軸8,9上に歯車等の変速伝動部材
を順次、ミツシヨンケース2前端の開口から組込んで行
く。そしてその上で前側軸受板12を予め前面に装着した
後側軸受板11或は後側軸受板11単独を、ミツシヨンケー
ス2の前端に装着して、該後側軸受板11に駆動軸8及び
従動軸9の前端部を支持させればよい。
次に補助変速装置5については、第3,4図及び第6−
8図に示すように前側軸受板12内に切換弁14及び油圧制
御弁15,16を組込んでおくと共に、第1図に示すように
両軸受板11,12に中間軸13を支持させ、この状態の下で
前側軸受板12に原動軸3及び変速軸4を支持させて、該
原動軸3及び変速軸4上にその前端側から歯車及び前記
油圧クラツチ6,7等の変速伝動部材を順次組込み、前部
ハウジング1外で補助変速装置5の組立てを行なつてし
まう。その上で前部ハウジング1をミツシヨンケース2
の前面に装着連結して、原動軸3及び変速軸4の前端側
部分を前部ハウジング1の中間壁1aに支持させる。
以上のようにこの考案の伝動構造は、主変速装置10に
ついては、ミツシヨンケース2の中間壁2aに駆動軸8及
び従動軸9を片持ち支持させた状態の下でミツシヨンケ
ース2の前端開口から変速伝動部材を組込んで組立てを
行なえ、また補助変速装置5については、後側軸受板11
を介しミツシヨンケース2に支持させた前側軸受板12に
原動軸3及び変速軸4を片持ち支持させた状態の下で前
部ハウジング1の外部で変速伝動部材を組付けて組立て
を行なえるものに構成されているから、主,補助の何れ
の変速装置5,10も簡単に組立てうることとする。
しかも回転する変速軸4内の油路17,18を位置固定側
の油路と接続するための油路ロータリジヨイント部を形
成する油路受継筒部12aを前側軸受板12に設け、その前
側軸受板12内に補助変速装置5用の切換弁14及び油圧制
御弁15,16を設置したから、これらのバルブ類間の接続
油路及びバルブ類と変速軸4内の油路17,18間の接続油
路を、前後の軸受板12,11の合せ面のうちの一方の面に
形成した凹溝の開放端を他方の面でシールしてなる油路
といつた極く単純に形成できる油路を極力利用してそれ
と前側軸受板12に穿設する油路との組合せにより油圧配
管を全く必要としない形で設けうると共に、油路受継筒
部12aに対応する別体の油路受継筒を用いる場合の該受
継筒の組付け工程が省略されて組立てが簡単化されるの
はもとより、油圧クラツチ式の補助変速装置5用のバル
ブ類までも同変速装置5と共に一挙に前部ハウジング1
内に組込まれることとなつて組立て容易といつた効果を
大きく高めるものとなつている。
またこの考案によると、ミツシヨンケース2の前端に
装着する後側軸受板11とその前面に装着する前側軸受板
12とが前部ハウジング1内に位置することになるから、
主変速装置10はミツシヨンケース1内の前半部に後側軸
受板11の直背後から配置でき、前部ハウジング1内に補
助変速装置を設けない仕様のトラクタでは後側軸受板11
に代わつて駆動軸8及び従動軸9の前端側を支持する後
壁を有する前部ハウジングを採用することにより、本案
に係る伝動構造と同一仕様のミツシヨンケース2を用い
たとしても同ミツシヨンケース内に余分のスペースが生
じないことになる。したがつて図示ミツシヨンケース2
と同様のミツシヨンケースを用いる上記仕様のトラクタ
において、トラクタの主たるトランスミツシヨンケース
機構を組込まれること自体と同組込みのために頑丈なも
のに製作されることとから重量が大きくなるミツシヨン
ケース2の前後長さが短くてよく、ミツシヨンケース2
が長さ短縮と軽量化とにより組立て時に取扱い容易とな
り、またトラクタの軽量化が達成される。
〔実施例〕
図示実施例を装備するトラクタの機体は第2図に示す
ように、ミツシヨンケース2の後部にさらに後部ハウジ
ング20を連設して完成されている。
第1図に示すように前記原動軸3は中空軸に形成さ
れ、前部ハウジング1の前端部内に配置のエンジンフラ
イホイール21に対しダンバ接手22を介し接続されて、図
外のエンジンにより駆動されるものとされている。クラ
ツチ23を介しフライホイール21に接続されたPTO系の原
動軸24も設けられており、この原動軸24は走行系の中空
原動軸3を貫通するように配置されている。
走行系トランスミツシヨンは前記した補助変速装置5
と主変速装置10の他に、第1,2図に示すようにミツシヨ
ンケース2の前記中間壁2aと後部ハウジング20の前壁20
aとに支持させてある電動軸25とプロペラ軸26間に配設
された副変速装置27を備える。プロペラ軸26はその後端
のベベルピニオン28から後輪差動装置の入力傘歯車29に
出力伝動する。プロペラ軸26から前駆駆動力を取出す動
力取出し機構30も設けられ、本機構30は前輪駆動クラツ
チ31を含む。
後部ハウジング20の底壁内面上から立上らせてある支
壁部20bが設けられ、この支壁部20bと後部ハウジング20
の後蓋32とに支持させて機体後方へ延出するPTO軸33が
設けられている。走行系の前記原動軸3、中間軸13、駆
動軸8及び伝動軸25はこの順で前後に同心配置され、そ
れぞれ中空軸に形成されていて、PTO系の前記原動軸24
に中間軸13内でカツプリング34により連結したPTO系の
伝動軸35を、走行系の駆動軸8及び伝動軸25を貫通させ
て後部ハウジング20の前端部内に臨ませてある。この伝
動軸35は中間軸36を介しPTO軸33上方の伝動軸37へと接
続されており、伝動軸37が歯車38,39を噛合せてなる減
速機構によつてPTO軸33へと接続されている。
第1図、第3,4図及び第6図に示すように後側軸受板1
1と前側軸受板12とは図示の場合、後側軸受板11側から
螺合する小ボルト40によつて予め互に連結した上で、前
側軸受板12側から挿通してミツシヨンケース2の前端内
面上の連結部2bに螺合するボルト41によつてミツシヨン
ケース2の前面に対し共締めして取付けることとされて
いる。第3図において42は、前部ハウジング1とミツシ
ヨンケース2間を連結するボルトである。
第1図に示すように原動軸3はその前端側を、ボール
ベアリング44を介し前部ハウジング1の中間壁1aに支持
されている。原動軸3の後端側を支承するボールベアリ
ング45は中間軸13に受けさせてあり、これにより原動軸
3の後端側は中間軸13を介して前側軸受板12に支持させ
た関係としてある。変速軸4は中間壁1aと前側軸受板12
とにそれぞれ、ボールベアリング46,47を介して支持さ
せてある。また中間軸13は前側軸受板12を貫通させ、前
側及び後側の軸受板12,11にそれぞれボールベアリング4
8,49を介し支持させてある。ミツシヨンケース2内に配
置の駆動軸8及び従動軸9はそれぞれ、後側軸受板11と
ミツシヨンケース2の中間壁2aとにボールベアリング5
0,51及び52,53を介し支持させてある。中空の中間軸13
と駆動軸8とは、中間軸13の方を大径のものとしてスプ
ライン接続54により後側軸受板10内で連結されている。
同様に第1図に示すように前記補助変速装置5は図示
の場合、原動軸3により変速軸4を正,逆転して車両の
進行方向を切替える正逆転式のものに構成されている。
原動軸3には2個の歯車56,57が嵌着され、また変速軸
4には歯車56に直接に噛合う歯車58と中間壁1aに遊転自
在に軸支させたアイドラ歯車60を介し歯車57に噛合う歯
車59とを遊嵌してある。前記油圧クラツチ6,7は変速軸
4上に固定設置の共用のクラツチハウジング61を備え、
歯車58,59とクラツチハウジング61とに複数枚宛の摩擦
エレメントをそれぞれ摺動のみ自在に支持させてなる摩
擦多板式のものとされている。各油圧クラツチ6,7は通
例のように、クラツチハウジング61内の油圧室に対し油
圧を供給し、リターンばね6a,7a力に抗しピストン6b,7b
を摩擦エレメント向きに変位させて、クラツチ係合させ
るものに構成されている。変速軸4には上記油圧室に連
通させてある前記油路17,18の他、油圧クラツチ6,7の摩
擦エレメント部と変速軸4上のベアリング部とに連通さ
せてある潤滑油路62も穿設してある。
変速軸4には前側軸受板12の前面側で出力歯車63を嵌
着してあり、この出力歯車63を中間軸13の前端部に一体
形成した歯車64と噛合せて、変速軸4と中間軸13間が接
続されている。
同様に第1図に示すように主変速装置10は、4段の変
速を行なうシンクロメツシユ式のものに構成されてい
る、駆動軸8上に遊嵌設置した1−4速用の歯車65I,65
II,65III,65IVと従動軸8上に固定設置した1−4速用
の歯車66I,66II,66III,66IVが互に噛合され、駆動軸8
上に設けた前後1対の複式同期クラツチ67A,67Bによつ
て歯車65I-65IVを択一的に駆動軸8に対し結合可能とさ
れている。
なお主変速装置10の後段に設けられた前記副変速装置
27は第1,2図に示すように、従動軸9後端部上の歯車68
を伝動軸25前端部上の歯車69と噛合せ、伝動軸25上に2
個の変速歯車70,71を固定設置してあるものとされてい
る。このうちの小径側の変速歯車70により図外の歯車減
速機構を介し回転せしめられる歯車72が、伝動軸25の側
方に配置され、プロペラ軸26上には歯車72に噛合される
とクリープ車速を、また変速歯車70に噛合されると1速
を、それぞれプロペラ軸26に得させるシフト歯車73が設
けられている。プロペラ軸26上にはまた、変速歯車71と
噛合された歯車74を遊嵌設置してあり、この歯車74をプ
ロペラ軸26に対し結合して該プロペラ軸26に2速を得さ
せるクラツチ75が設けられている。クラツチ75はプロペ
ラ軸26を従動軸9に対し結合しうるものとされ、同結合
によつてはプロペラ軸26に3速が得られる。
油圧クラツチ6,7用の油圧機構について説明すると、
第1,5図に示すように油圧クラツチ6,7に対し作動油を供
給するための油圧ポンプ77は原動軸3をポンプ軸とする
内接歯車式のものに構成され、前部ハウジング1の中間
壁1aの前面に装着されている。機体内部が通例のように
油タンクに兼用され、ポンプ77へと導かれる油を清浄化
するためのフイルタ78は第2図に示すように、後部ハウ
ジング20内の低部に前後方向に沿わせて設置されてい
る。このフイルタ78内から油を誘導するパイプ79を、第
5図に示すように機体の一側外面位置に前後方向に沿わ
せ設けてあつて、同パイプ79は前部ハウジング1の中間
壁1a内に設けた油路80により油圧ポンプ77の吸入口77a
へと接続されている。なおパイプ79はさらに前方向きに
延長して、図外のエンジンに直結の作業機用油圧ポンプ
方向に導かれている。
同様に第5図に示すように油圧ポンプ77の吐出口77b
は中間壁1a内の油路81へと連通させてあり、油路81から
油を後方側へ導くパイプ82が、前部ハウジング1内に設
置されている。このパイプ82は第7図に示すように、前
側軸受板12内の油路83へとポンプ77吐出油を導く。
第3,6図に示すように前記切換弁14は、前側軸受板12
の下端付近で一側に片寄せて該軸受板12に装備させてあ
る。他側には後述する機能の油路開閉弁84とインチング
バルブ85とを並設してあり、前側軸受板12内の上記油路
83は第7図に示すように油路86,87によつて油路開閉弁8
4へと導いてある。油路87の中途に連通する弁穴88内に
はリリーフ弁89が設置され、このリリーフ弁89はその背
後の弁穴88内空間へと油路87から油をリリーフするもの
に構成されている。第6図に示すように油路開閉弁84は
油路90によつてインチングバルブ85へと接続され、イン
チングバルブ85から油路91によつて切換弁14へと油が供
給されるようになされている。また前記油圧制御弁15,1
6は第4図に示すように、前側軸受板12の上半部に左右
に振り分けて2個設けられている。
第6,8図に示すように切換弁14は、前端部は前側軸受
板12から前方向きに突出させ、後端部を、機体内空間に
開放するようにして後側軸受板11に形成してある穴内に
臨ませて配置されている。この切換弁14は2個のクラツ
チポート14F,14Rを備え、第6,8図に図示の位置では油路
91をクラツチポート14Fに連通させると共に後端側でク
ラツチポート14Rを機体内空間に連通させ、同位置から
若干量後方向きに変位せしめられた位置では油路91をク
ラツチポート14Rに連通させると共に前端側でクラツチ
ポート14Fを機体内空間に連通させるものに構成され、
前者の位置が第9図に図示の前進作用位置F、後者の位
置が第9図に図示の後進作用位置Rに設定されている。
切換弁14を変位操作するためには第9図に図示の切換レ
バー14aによつて回転変位せしめられる操作軸14bを、第
4,6図に示すように前部ハウジング1の一側壁を貫通さ
せて設けてあり、この操作軸14bの内端部に取付けたシ
フトアーム14cを前側軸受板12の前方側で切換弁14に対
し係合させてある。
第4図及び第7,8図に示すように各油圧制御弁15,16は
周知のモジユレート形リリーフ弁に構成され、弁ばね15
a,16a端を受けてそのばね力を徐々に高めることとする
制御ピストン15b,16bを附設されている。第3図及び第
7,8図に示すように切換弁14のクラツチポート14F,14Rか
ら上方側へ導かれた油路92F,92Rが設けられており、こ
の油路92F,92Rを、油路93F,93Rによつて油圧制御弁15,1
6のポンプポートに接続すると共に油路94F,94Rによつて
制御ピストン15b,16bの端面位置に開口する絞り15c,16c
に連通させている。油圧制御弁15,16のリリーフポート
は前側軸受板12中の油路95F,95Rと連通し、油路95F,95R
は単一の油路96によつて下方に導いてある。
第1図に示すように変速軸4内の前記油路17,18の基
端17a,18aは油路受継筒部12a内の環状油室97F,97Rに開
口させてあり、また変速軸4内の前記潤滑油路62は変速
軸4の後端面で後側軸受板11前面の凹溝98へと開口させ
てある。そして第3図に示すように前記油路92F,92Rは
その中途で、前側軸受板12内の油路99F,99Rによつて上
記環状油室97F,97Rへと連通させてある。また油圧制御
弁15,16のリリーフポートから導かれた前記油路96を凹
溝98へと連通させてあると共に、前記リリーフ弁89(第
7図)の弁穴88を油路100,101,102,103によつて同様に
凹溝98へと連通させてある。
以上に説明して来た油圧機構の構造は第9図の回路図
に示される通りであり、切換弁14を位置F,R間で変位操
作すると油圧クラツチ6,7の何れか一方にのみ作動油が
供給され他方の油圧クラツチからは作動油が排出される
状態が得られ、油圧クラツチ6或は7へ供給される作動
油の油圧は油圧制御弁15或は16の制御ピストン15b或は1
6bが絞り15c或は16cを介しての油圧作用で弁ばね15a或
は16a力を徐々に高めるように移動することから、所定
の定常圧にまで徐々に高められて行き、油圧クラツチ6
或は7はシヨツクなしに係合せしめられて行く。油圧制
御弁15,16のリリーフ油とリリーフ弁89のリリーフ油と
は合流して、変速軸4内の潤滑油路62内へ流入し、第9
図で符号Lで示した被潤滑部、つまり油圧クラツチ6,7
の摩擦エレメント部及び変速軸4上のベアリング部へと
供給される。
前記油路開閉弁84について第6,7図及び第9図を参照
して説明すると、この開閉弁84は、ポンプ吐出油を導い
て来る前記油路87端をブロツクすると共にインチングバ
ルブ85へと導かれた前記油路90を油タンクである機体内
空間へと連通させる油路遮断位置I、及び上記した両油
路87,90間を連通させる油路開放位置IIを備える。そし
て弁ばね84aにより油路遮断位置I方向に変位附勢され
ると共に、同附勢方向とは逆方向から油路87の油圧を作
用させるための油圧作用通路84bを内部に形成してある
ものとされている。この油圧作用通路84bは油路遮断位
置Iでは第6図に示すように、絞り84cを介し油路90に
連通するようにされている。
油路開閉弁84を弁ばね84a力に抗し油路開放位置IIに
移すために前側軸受板12の前面側から該開閉弁84に対し
開放作動杆84dを接当させてあり、この開放作動杆84dを
前側軸受板12内方向に押込で開閉弁84を一旦、油路開放
位置IIに移すと、上記油圧作用通路84bが油路87に連通
せしめられ同油路87の油圧が開閉弁84に作用することか
らして、その後に開放作動杆84dが第6図の位置に戻さ
れても開閉弁84が油路開放位置IIに留められることと、
されている。
次に第6,9図に図示の前記インチングバルブ85は非減
圧位置A、減圧位置B、及び油圧アンロード位置Cとい
つた3位置を有する。インチングバルブ85はその非減圧
位置Aでは第6図に示すように、油路開閉弁84から導か
れた前記油路90を切換弁14へ導かれた前記油路91にその
まま連通させるが、本バルブ85の弁穴には潤滑油が流れ
る前記油路100へと連通させてある油路105も開口させて
ある。そして切欠き溝85aを形成されたランドが設けら
れ、インチングバルブ85が第6図に図示の位置から若干
押込まれた減圧位置Bでは切欠き溝85aによつて一次側
の油路90が油路105へと連通せしめられ、バルブ85の押
込み量に応じて第9図に図示のように可変絞りとして作
用する切欠き溝85aを介しての油ドレンにより二次側の
油路91の油圧が減圧され、各油圧クラツチ6,7をスリツ
プ係合させることとされている。またインチングバルブ
85をさらに大きく押込んだ油圧ドレン位置Cでは二次側
の油路91が該バルブ85の前端部側で、油タンクである機
体空間へと連通せしめられ油路91の油圧がドレンされ、
これによつて両油圧クラツチ6,7が共に非作動状態をと
り車両が停止することとされている。なおそのとき油路
105は切欠き溝85aを介することなく油路90に連通せしめ
られる他、インチングバルブ85の後端部側で機体内空間
に、僅かな連通面積でもつて連通する。
インチングバルブ85を操作するためには第9図に図示
のペダル106が設けられている。第4図及び第6,7図に示
すように上記ペダル106によつて回転変位せしめられる
操作軸107を、前記操作軸14bとは反対側で前部ハウジン
グ1の側壁を貫通させて設けてあり、この操作軸107の
内端部にはアーム108を取付けてある。油路開閉弁84の
前記開放作動杆84dとインチングバルブ85とは左右方向
に沿う接続板片109によつて連動連結されており、この
接続板片109を油路開閉弁84の弁ばね84aの作用で上記ア
ーム108に対し接当させてある。したがつて第9図のペ
ダル106を踏込むと操作軸107、アーム108及び接続板片1
09を介しインチングバルブ85が非減圧位置Aから減圧位
置Bに、そして油圧アンロード位置Cに移され、また油
路開閉弁84はさらに開放作動杆84dを介し油路開放位置I
Iに移される。ペダル106の踏込みが解除され開放作動杆
84dが第6図に図示の位置まで戻されても、油路開閉弁8
4が油路開放位置IIに留められることは前述した通りで
あり、エンジンの停止により油圧ポンプ77の駆動が停止
し油路87に油圧が供給されなくなると弁ばね84aの附勢
力で油路開閉弁84が油路遮断位置Iへと戻される。
上記のような油路開閉弁84を設けたのはエンジン始動
時の安全を図るためであり、エンジンを始動させただけ
では油路開閉弁84が油路閉鎖位置Iにあるため、油圧ク
ラツチ6,7方向に油圧が供給されずして車両が発進する
ことはない。ペダル106を大きく踏込みインチングバル
ブ85を油圧アンロード位置Cへ移すと、油路開閉弁84が
油路開放位置IIへ移され、その後にペダル106を徐々に
解放して行くことでインチングバルブ85が減圧位置Bを
経て非減圧位置Aに戻されるから、車両をゆつくりと安
全に走行開始させることができる。
第3図に示すように前記した油路のうち油路86,92F,9
2R,96の全体或は主要部は前側軸受板12の背面に形成し
た凹溝によつて与えられ、そのシール及びこれらの油路
に連通する前側軸受板12中の油路83,88,93F,93R,94F,94
R,95F,95R,106端のシールは後側軸受板11の前面で得ら
れている。これから判るように前後の軸受板12,11を重
合させている構造は、油路の形成を極めて容易とする。
第9図において111は被潤滑部Lに供給される潤滑油
の油圧を設定するリリーフ弁であり、例えば第3図の油
路96と機体内空間とに連通する弁穴を前側軸受板12或は
後側軸受板11に形成し、同弁穴内に設置される。第8図
に1本のフオークシヤフト112について示すように、主
変速装置10の同期クラツチ67A,67Bを操作するシフタを
担持するフオークシヤフトの前端部は後側軸受板11に支
承させることとしてある。
以上に説明して来た実施例では油圧クラツチ式の補助
変速装置5を車両の前後進切換えを行なうものに構成し
たが、車速の高低2段の切換え等を行なうものにも構成
できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本案一実施例を装備するトラクタ機体の前半部
を示す縦断側面図、第2図は同トラクタ機体の後半部を
示す一部省略縦断側面図、第3図及び第4図はそれぞ
れ、第1図のIII-III線及びIV-IV線にほぼ沿つた一部省
略拡大断面図、第5図は第1図のV−V線にほぼ沿つた
断面図、第6図は第4図のVI-VI線にほぼ沿つた断面
図、第7図及び第8図はそれぞれ、第4図のVII-VII線
及びVIII-VIII線にほぼ沿つた一部省略断面図、第9図
は実施例の油圧回路の回路図である。 1……前部ハウジング、1a……中間壁、2……ミツシヨ
ンケース、2a……中間壁、2b……連結部、3……原動
軸、4……変速軸、5……補助変速装置、6,7……油圧
クラツチ、8……駆動軸、9……従動軸、10……主変速
装置、11……後側軸受板、12……前側軸受板、12a……
油路受継筒部、13……中間軸、14……切換弁、14F,14R
……クラツチポート、15,16……油圧制御弁、17,18……
油路、26……プロペラ軸、40……小ボルト、41……ボル
ト、54……スプライン接続、56,57……歯車、58,59……
歯車、60……アイドラ歯車、61……クラツチハウジン
グ、63,64……歯車、65I,65II,65III,65IV……歯車、66
I,66II,66III,66IV……歯車、67A,67B……複式同期クラ
ツチ、77……油圧ポンプ、83……油路、84……油路開閉
弁、85……インチングバルブ、97F,97R……環状油室。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】トラクタの機体を構成する前部ハウジング
    1及びミツシヨンケース2を前後に連設し、エンジンに
    より駆動される原動軸3と変速軸4との間で変速伝動を
    行なう油圧クラツチ式の補助変速装置5を前部ハウジン
    グ1内の後半部に、該補助変速装置5の複数油圧クラツ
    ト6,7を上記変速軸4に装備させて設置する一方、該変
    速軸4により駆動される駆動軸8と従動軸9との間で変
    速伝動を行なう主変速装置10をミツシヨンケース2内の
    前半部に設置するトラクタの伝動構造において、 ミツシヨンケース2を、前端を開放し主変速装置10の後
    端側に中間壁2aを有するものに形成して、このミツシヨ
    ンケース2の前端に装着する後側軸受板11と上記中間壁
    2aとに前記した駆動軸8及び従動軸9を支持させ、また
    前部ハウジング1を、後端を開放し補助変速装置5の前
    端側に中間壁1aを有するものに形成して、この中間壁1a
    と上記後側軸受板11の前面に装着する前側軸受板12とに
    前記した原動軸3及び変速軸4を支持させ、変速軸4か
    ら駆動軸8に対し伝動する中間軸13を、上記した両軸受
    板11,12に支持させて設ける一方、 補助変速装置5用の切換弁14と油圧制御弁15,16を前記
    前側軸受板12内に設置すると共に、該前側軸受板12に、
    前記油圧クラツチ6,7に連通させて前記変速軸4に穿設
    する油路17,18を位置固定側の油路に接続するための油
    路受継筒部12aを設けたことを特徴とする伝動構造。
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