JPH10643A - 薄肉発泡成形体の製造方法及び金型 - Google Patents

薄肉発泡成形体の製造方法及び金型

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JPH10643A JP8178533A JP17853396A JPH10643A JP H10643 A JPH10643 A JP H10643A JP 8178533 A JP8178533 A JP 8178533A JP 17853396 A JP17853396 A JP 17853396A JP H10643 A JPH10643 A JP H10643A
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Kiyoshi Matsuki
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形体薄肉部を形成する、金型の狭小な成形
空間内に予備発泡粒子を容易に充填でき、良好な品質の
薄肉発泡成形体を提供する。 【解決手段】 コア金型1とキャビティ金型2とにより
画成される成形空間3内に合成樹脂予備発泡粒子を充填
し、加熱融着して発泡成形体を製造するに際し、前記予
備発泡粒子を成形空間内に充填するためのフィーダー5
からの充填エアーの流れを実質的に予備発泡粒子の充填
方向にのみ整流しながら充填することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄肉発泡成形成体の
製造方法及び金型に関し、更に詳しくは、成形体の薄肉
部を形成する狭小な成形空間内に予備発泡粒子を容易に
充填でき、良好な品質の薄肉発泡成形体を製造する方法
及び金型に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系
樹脂等の型内発泡成形体は軽量性、緩衝性、断熱性等に
優れていることから、精密機器の緩衝容器、機器部品の
緩衝通い函等に広く使用されている。これらの緩衝容器
にあっては、容器内は精密機器や部品を収納するために
隔壁により複数個に仕切られているのが普通であり、こ
の隔壁が厚いと収納効率が低下するばかりでなく、樹脂
両も増加して不経済であるため、できるだけ薄いことが
望ましい。
【0003】しかし乍ら、このような薄肉部を形成する
ための金型の狭小な成形空間内に予備発泡粒子を均一に
充填することは容易なことではない。例えば、特公平7
−4826号公報には、ポリオレフィン系樹脂型内薄肉
成形体が記載されているが、その方法は、予備発泡粒子
を型窩(成形空間)内で滞留詰まりしないように複数の
粒子が並んだ寸法の型窩の間隙寸法より小さくなる状態
に圧縮して隅々まで充填しておき、加熱成形時には型窩
全体の内部粒子にまで水蒸気が行き亘るまで予備発泡粒
子の膨張を抑制するという極めて複雑なものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は上記の如き
複雑な方法ではなく、極めて簡易な方法により成形空間
の狭小部に予備発泡粒子を均一に充填する方法を提供す
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するべく鋭意研究の結果、予備発泡粒子を成形空間内
に充填するためのフィーダーからの充填エアーの流れを
該粒子の充填方向にのみ整流することにより、上記課題
が容易に解決されることを見出し、本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明の第1は、コア金型とキャビ
ティ金型とにより画成される成形空間内に合成樹脂予備
発泡粒子を充填し、加熱融着して発泡成形体を製造する
に際し、前記予備発泡粒子を成形空間内に充填するため
のフィーダーからの充填エアーの流れを実質的に予備発
泡粒子の充填方向にのみ整流しながら充填することを特
徴とする薄肉発泡成形体の製造方法を内容とする。
【0007】本発明の第2は、1対のコア金型とキャビ
ティ金型とからなる合成樹脂予備発泡粒子の発泡成形金
型において、型開方向に対して実質的に垂直な面にのみ
蒸気孔を設けたことを特徴とする型内発泡成形金型を内
容とする。
【0008】本発明に使用される合成樹脂としては、型
内発泡成形に用いられる合成樹脂であれば使用でき、例
えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂等が
好適であるが、特に強靱性、耐衝撃性等の機械的特性や
外観性の点からポリオレフィン系樹脂が好適である。
【0009】ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、
低、中、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレ
ン、線状超低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル
共重合体等で代表されるエチレン系樹脂、ポリプロピレ
ン、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン
・プロピレンブロック共重合体等で代表されるプロピレ
ン系樹脂が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合
わせて用いられる。中でも低、中密度ポリエチレン、線
状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、こ
れらの2種以上の混合樹脂が発泡・成形性に優れる点で
望ましい。これらは架橋又は未架橋のいずれでもよい。
ポリスチレン系樹脂としては、例えば、スチレン又はα
−メチルエチルスチレンを50%以上含有してなるポリ
スチレン系樹脂、ハイインパクトポリスチレン系樹脂、
スチレンとブタジエン、メチルメタクリレート、無水マ
レイン酸等との共重合樹脂等が挙げられ、これらは単独
又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0010】図1は本発明に用いられる型内発泡成形用
金型の1例を示す概略断面図で、コア金型1及びキャビ
ティ金型2とからなり、両金型の内面により成形空間3
が画成されている。4は蒸気孔、5はフィーダー、6は
コア金型側蒸気弁、7はキャビティ金型側蒸気弁、8は
コア金型側ドレン弁、9はキャビティ金型側ドレン弁で
ある。図中、押出ピン、冷却水配管等は省略されてい
る。
【0011】図1から明らかな如く、本発明に用いる金
型の特徴は、型開方向Aに対して実質的に垂直な面にの
み蒸気孔4aが穿設されている。かかる構造とすること
により、フィーダー5からの充填エアーの流れを予備発
泡粒子の充填方向(aからbの方向)に整流しながら充
填することができ、その結果、成形空間の狭小部3a内
に予備発泡粒子を均一に充填することができる。
【0012】この予備発泡粒子の充填の際、フィーダー
が取り付けられた金型側のドレン弁(図1の場合はキャ
ビティ金型側ドレン弁9)を閉とした状態で充填するこ
とにより、上記整流が一層効果的になされ、成形空間の
狭小部に予備発泡粒子を均一に且つ効率的に充填するこ
とが可能である。
【0013】上記成形空間の狭小部を形成する、蒸気孔
を有しない相対向する2面で構成される成形空間の厚さ
tは特に制限されないが、tが予備発泡粒子1粒以上2
粒未満の極めて薄い場合に本発明は特に好適に適用され
る。このような薄肉発泡成形体は従来技術では殆ど不可
能か極めて困難であったものであり、本発明の如く極め
て簡易な方法、金型により容易に達成されることは驚異
的なことである。尚、図1中、成形空間の狭小部は離型
のためテーパーを誇張して示したが、実際の金型では殆
ど無視しても差し支えのない程度のテーパーである。
【0014】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はかかる実施例のみに限定されないこと
は言うまでもない。
【0015】実施例1 図2に示した成形空間(但し、薄肉部の厚さt=4mm)
を有する、図1に示した型内発泡成形用金型(フィーダ
ーは6個)を用いて、ポリプロピレン予備発泡粒子〔鐘
淵化学工業株式会社製エペランPP(登録商標)、発泡
倍率15倍)をフィーダー取付側金型のドレン弁を閉と
した状態で充填エアー圧4Kg/cm2 Gで充填した後、
3.3Kg/cm2 Gの水蒸気により加熱して発泡融着さ
せ、然る後に冷却して図2と略同一の形状の薄肉発泡成
形体を得た。得られた発泡成形体の薄肉部tには粒子1
個が均一に充填されており、融着性も充分で且つ外観も
良好であった。
【0016】実施例2 薄肉部の厚さt=6mmの金型を用い、ポリプロピレン予
備発泡粒子〔鐘淵化学工業株式会社製エペランPP(登
録商標)、発泡倍率30倍〕を用い、2.8Kg/cm2
の水蒸気を用いた他は実施例1と同様にして薄肉発泡成
形体を得た。得られた発泡成形体の薄肉部tには粒子1
個が均一に充填されており、融着性も充分で且つ外観も
良好であった。
【0017】比較例1 図3に示すように、型開方向に対して実質的に水平な面
にも蒸気孔を穿設した通常の型内発泡成形用金型を用い
た他は実施例1と同様にして薄肉発泡成形体を得た。薄
肉部には粒子が均一に充填されておらず、外観は不良で
商品価値の全くないものであった。この場合は、図3に
示す如く、フィーダーからの充填エアーの大半はaから
cに流れ、予備発泡粒子の充填方向bには僅かしか流れ
ないことに因るものと考えられる。
【0018】比較例2 充填エアー圧を4Kg/cm2 Gから6Kg/cm2 Gに変えた
以外は比較例1と同様にして薄肉発泡成形体を得たが、
結果は比較例1と略同様であった。
【0019】比較例3 図3に示すように、型開方向に対して実質的に水平な面
にも蒸気孔を穿設した通常の金型を用いた他は実施例2
と同様にして薄肉発泡成形体を得た。薄肉部には粒子が
均一に充填されておらず、外観は不良で商品価値の全く
ないものであった。
【0020】
【発明の効果】叙上のとおり、本発明によれば薄肉発泡
成形体を容易に製造することができ、従来殆ど不可能か
又は極めて困難であった2粒未満の薄肉発泡成形体も容
易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の型内発泡成形用金型の一例を示す概略
断面図である。
【図2】実施例及び比較例で用いた金型の成形空間を示
す概略図である。
【図3】比較例で用いた従来の型内発泡成形用金型を示
す概略断面図である。
【符号の説明】
1 コア金型 2 キャビティ金型 3 成形空間 4 蒸気孔 5 フィーダー 6 コア金型側蒸気弁 7 キャビティ金型側蒸気弁 8 コア金型側ドレン弁 9 キャビティ金型側ドレン弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア金型とキャビティ金型とにより画成
    される成形空間内に合成樹脂予備発泡粒子を充填し、加
    熱融着して発泡成形体を製造するに際し、前記予備発泡
    粒子を成形空間内に充填するためのフィーダーからの充
    填エアーの流れを実質的に予備発泡粒子の充填方向にの
    み整流しながら充填することを特徴とする薄肉発泡成形
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 フィーダーが取り付けられた金型側のド
    レン弁を締めた状態で成形空間内に予備発泡粒子を充填
    する請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 1対のコア金型とキャビティ金型とから
    なる合成樹脂予備発泡粒子の発泡成形金型において、型
    開方向に対して実質的に垂直な面にのみ蒸気孔を設けた
    ことを特徴とする型内発泡成形用金型。
  4. 【請求項4】 蒸気孔を有しない、相対向する2面で構
    成される成形空間の厚さが予備発泡粒子1粒以上2粒未
    満である請求項3記載の型内発泡成形用金型。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999056931A1 (fr) * 1998-04-30 1999-11-11 Daisen Industry Co., Ltd. Dispositif et procede pour le moussage in situ dans des matrices internes en resine synthetique et produit mousse in situ ainsi obtenu
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JP2021024215A (ja) * 2019-08-07 2021-02-22 有限会社三宝金型製作所 発泡成形型及び発泡成型装置

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