JPH1060789A - ゴム物品補強用スチールコード及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム物品補強用スチールコード及びそれを用いた空気入りタイヤ

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JPH1060789A
JPH1060789A JP8219612A JP21961296A JPH1060789A JP H1060789 A JPH1060789 A JP H1060789A JP 8219612 A JP8219612 A JP 8219612A JP 21961296 A JP21961296 A JP 21961296A JP H1060789 A JPH1060789 A JP H1060789A
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cord
steel
steel cord
filament
rubber
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JP8219612A
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Yukio Adachi
幸男 安達
Naohiko Obana
直彦 尾花
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Bridgestone Metalpha Corp
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Bridgestone Metalpha Corp
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    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
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    • D07B1/06Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
    • D07B1/0606Reinforcing cords for rubber or plastic articles
    • D07B1/0646Reinforcing cords for rubber or plastic articles comprising longitudinally preformed wires
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B7/00Details of, or auxiliary devices incorporated in, rope- or cable-making machines; Auxiliary apparatus associated with such machines
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    • D07B2201/20Rope or cable components
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    • D07B2201/2007Wires or filaments characterised by their longitudinal shape
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撚りの安定性及びゴム等の弾性体の浸透性を
高め、且つコード外径変化及びコードの伸びを低減し、
タイヤのユニフォミティを向上しうるゴム物品補強用ス
チールコード及び空気入りタイヤを提供すること。 【解決手段】 0.10〜0.40mmのスチールフィ
ラメント10A,B,C,12を撚りピッチ15D乃至
100Dの範囲の撚りピッチ長で撚り合わせて1×4構
造のスチールコード10とし、そのうちのスチールフィ
ラメント12には、真直部14と屈曲部16とを交互に
有している形付けを施す。これにより、コードの撚りが
安定し、コードの伸びが低減できる。また、ゴムの浸透
性が良いため、錆の発生を抑制できる。上記構造のスチ
ールコード10を、空気入りタイヤのカーカスやベルト
に用いることにより、ユニフォミティ、操縦安定性及び
耐久性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチールコード内
部へのゴム浸透性を高めつつ低荷重領域でのスチールコ
ードの伸び易さを低減したゴム物品補強用スチールコー
ド及び、このゴム物品補強用スチールコードを用いるこ
とによって耐久性を向上すると共にユニフォミティをも
向上する空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム物品補強用スチールコードの分野で
は、コード内部にゴム等の弾性体が進入し易い構造とす
ることによってゴム物品の耐久性を向上させることが提
案されており、例えば、図5(A)に示すようにコード
を構成しているフィラメント102間に隙間104をも
たせるようにしたオープンコード100、撚合わせピッ
チよりも小さい螺旋ピッチに形付けしたフィラメント
を、コードを構成するフィラメント全本数の1/4〜2
/3存在するよう撚り合わせたコード(特開平4−35
2887)、スチールコードを構成するスチールフィラ
メントの少なくとも1本以上に長手方向に波形を付与し
た1×n構造コード(特開平2−3307994)など
が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5
(A)に示すようなオープンコード100では、フィラ
メント102間に隙間104をもたせるために過大な螺
旋形付けを必要とするためにコード長手方向に撚りが不
安定となり易く、例えば図5(B),(C)に示すよう
にスチールフィラメント102がコード外輪郭100A
から出入りしたりする為、耐疲労性が低下する。さら
に、過大な螺旋形付けが施されたスチールフィラメント
を撚り合わせて製造するスチールコードは、低荷重下で
のコードの伸びが大きくなり、ゴム物品製造時の製品精
度が悪化し、例えばタイヤではユニフォミティが不良と
なる。
【0004】また、図6に示すように、スチールフィラ
メント102に連続して撚りピッチより小さなピッチで
螺旋形付けまたは小さな波形を施して撚り合わせたスチ
ールコードは、上記のオープンコードよりは低荷重での
伸びは小さくなるものの、やはり図7に示すような最密
撚り構造であるクローズドコード106に比べると伸び
が大きく、例えばタイヤのベルトに用いた場合には耐疲
労性やユニフォミティに悪影響を与える。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは撚りの安定性及びゴム
等の弾性体の浸透性を高め、且つコード外径変化及びコ
ードの伸びを低減し、タイヤのユニフォミティを向上し
うるゴム物品補強用スチールコード及び、このゴム物品
補強用スチールコードを用いることによって耐久性を向
上すると共にユニフォミティをも向上する空気入りタイ
ヤを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のゴム物
品補強用スチールコードは、3本乃至6本の直径Dが
0.10〜0.40mmのスチールフィラメントを撚り
ピッチ15D乃至100Dの範囲の撚りピッチ長で撚り
合わされてなる1×n(n:素線数)構造のスチールコ
ードであって、少なくとも1本の前記スチールフィラメ
ントには、長手方向に沿った真直部と屈曲部とを交互に
有している形付けが施されていることを特徴としてい
る。
【0007】請求項1に記載のゴム物品補強用スチール
コードの作用を説明する。請求項1に記載のゴム物品補
強用スチールコードは、3本乃至6本(n本)の直径D
が0.10〜0.40mmのスチールフィラメントを撚
りピッチ15D乃至100Dの範囲の撚りピッチ長で撚
り合わされてなる1×n構造としたもので、コード内部
への弾性体の浸透性が完全で、またコードの伸びが低減
できる。
【0008】ここで、このゴム物品補強用スチールコー
ドは、3本乃至6本のスチールフィラメントの少なくと
も一本のスチールフィラメントに真直部と屈曲部とを交
互に有している形付けを施した1×(3〜6)構造のも
のが好ましい。
【0009】スチールコードを構成するスチールフィラ
メントの総本数を3乃至6本とするのが好ましいのは、
2本以下ではコード強力が不足し、不足分を補うために
フィラメント径を大きくすると耐疲労性が低下する。ま
た、1×2構造はコード断面が偏平となるので、座屈し
やすく耐コード折れ性が劣る。6本以上にするとフィラ
メントがコード中心部に落ち込みゴムが浸透し難くなる
ためである。
【0010】スチールコードを構成するスチールフィラ
メントの直径Dを0.10〜0.40mmとするのが望
ましいのは、0.10mm未満ではゴム物品を補強する
のに十分な引張り強力が得られず、0.40mmを越え
るとコード外径が大きくなりすぎてコードを埋設した物
品の重量増加をきたしたり耐疲労性が低下するためであ
る。
【0011】コードの撚りピッチ長さを15D乃至10
0Dとしたのは、15D未満ではコードの撚りが密とな
り、低荷重時のコード伸びが大きくなる。また、100
Dを越えると、ゴム製品製造時にコードの撚り性状が乱
れて断面が偏平となり座屈変形して耐疲労性が低下する
ためである。
【0012】なお、少なくとも1本のスチールフィラメ
ントに撚りピッチより小さい螺旋状の形付けが施されて
いる3本乃至6本のスチールフィラメントを撚り合わせ
たスチールコード、例えば、図8に示すように110
A,B,C,Dの4本のスチールフィラメントから構成
され、その内の1本のスチールフィラメント110Aが
撚りピッチより小さい螺旋状の形付けが施されているス
チールコード112は、弾性体の浸透性が良好である
が、スチールコード112を構成する前記形付けが施さ
れているスチールフィラメント110Aの形付けのみが
大きく、このことによりスチールフィラメントの撚り込
み長さが不均一になり、スチールフィラメント110A
がコード外輪郭から出入りしたりすることがある。
【0013】また、少なくとも1本のスチールフィラメ
ントの全長にわたり撚りピッチよりも小さな螺旋形状あ
るいは波形を付与したスチールコードでは、コード伸び
を十分に低減できず、タイヤに用いた場合にタイヤの剛
性やユニフォミティの低下をきたすという問題がある。
【0014】したがって、これらの問題を解決するため
にコードを構成する少なくとも一本のスチールフィラメ
ントには、長手方向に真直部を挟んで屈曲部を形成す
る。
【0015】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のゴム物品補強用スチールコードにおいて、屈曲部は、
隣接する同士で突出方向が互いに反対方向になっている
ことを特徴としている。
【0016】請求項2に記載のゴム物品補強用スチール
コードの作用を説明する。コードを構成する少なくとも
一本のスチールフィラメントにおいて、屈曲部の向きを
コード長手方向に沿って交互に逆向きとすると、一方向
にのみ屈曲部を向けたスチールフィラメントにくらべて
屈曲部が効果的に隙間を作り込むことができる。更に、
屈曲部の向きをコード外周方向に交互に逆向きにするこ
とで、撚りの安定性と弾性体浸透性に優れた効果がある
より好ましい実施形態となる。
【0017】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
のゴム物品補強用スチールコードにおいて、屈曲部の長
さをL、屈曲部の高さをH、同じ向きにある屈曲部の間
隔をC、スチールフィラメントの直径をD、スチールフ
ィラメントの撚りピッチをPとしたときに下式(1)〜
(3)を満足することを特徴としている。
【0018】 1.15D≦H≦2D・・・・・・・・・・・(1) 0.1P≦L≦0.2P・・・・・・・・・・(2) 0.25P≦C≦0.75P・・・・・・・・(3) 請求項3に記載のゴム物品補強用スチールコードの作用
を説明する。
【0019】コードを構成する少なくとも一本のスチー
ルフィラメントの長手方向の更に好ましい形態は、屈曲
部の高さ即ちフィラメントの長手方向に垂直な方向の屈
曲部の距離Hを1.15D≦H≦2Dとすることであ
り、1.15D未満ではコードを構成するその他のフィ
ラメントとの間に弾性体が浸透するのに十分な隙間が確
保されず、2Dを越えるとコードの外径が大きくなりす
ぎてコードを埋設したベルト層の厚さが厚くなりゴム物
品の重量増加をきたすし、コードの伸びも大きくなり低
荷重時の伸びの抑制効果が少なくなる。
【0020】屈曲部の長さLを、0.1P≦L≦0.2
Pとしたのは、0.1P未満では側線を構成する他のフ
ィラメントに偏りを生じた場合弾性体が浸透する空隙を
確保できず、0.2Pを越えるとコード1撚りピッチ当
たりのフィラメントの真直部長さが80%以下となりコ
ードの伸び低減効果が乏しくなる。
【0021】同じ向きの屈曲部までの間隔Cを0.25
P≦C≦0.75Pとしたのは、コードの撚りピッチの
ほぼ半分とするためで、0.25P未満ではフィラメン
トの全長にわたって連続的に螺旋形あるいは波形を付与
したものと類似して伸びの低減効果が薄れ、また、0.
75Pを越えると低荷重時での伸びは低減されるものゴ
ム等の弾性体が浸透するのに十分な隙間が確保できず、
例えば、自動車用タイヤでは、ゴム材中の水分やタイヤ
の外傷よりコード内部に侵入し、コード長手方向に伝播
してスチールコードを腐蝕させ、機械的な強度を著しく
低下し、タイヤ寿命を低下させる。
【0022】また、請求項4に記載の発明は、一対のビ
ード間でトロイド状に延びるカーカスを骨格とし、更に
前記カーカスのクラウン部をベルト層で補強した空気入
りタイヤであって、前記カーカスおよび/またはベルト
層を構成するスチールコードに請求項1乃至請求項3の
何れか1項に記載のゴム物品補強用スチールコードを用
いたことを特徴としている。
【0023】請求項4に記載の空気入りタイヤの作用を
説明する。スチールコード内部へのゴム浸透性を高めつ
つ低荷重領域でのスチールコードの伸び易さを低減した
ゴム物品補強用スチールコードを、空気入りタイヤのカ
ーカスやベルトに用いることにより、伸び低減によるユ
ニフォミティ及び操縦安定性の向上、錆の発生減少によ
るタイヤの耐久性の向上を図ることができる。
【0024】なお、本発明の目的に対してはコードを構
成する上記形付けが施されている少なくとも一本のスチ
ールフィラメントの直径とその他のスチールフィラメン
トの直径は、ゴム物品補強用スチールコードの生産性を
高めるには同一とすることが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図1乃至図
4にしたがって説明する。
【0026】図2に示すように、本実施形態のスチール
コード10は、スチールフィラメント10A、10B、
10C及びスチールフィラメント12の4本のスチール
フィラメントからなり、コードを構成するフィラメント
の少なくとも1本、本実施形態ではスチールフィラメン
ト12は、図1に示すように長手方向に沿って真直部1
4と屈曲部16とを交互に有している。本実施形態の屈
曲部16は、略三角の山形状であり、隣接する同士で突
出方向が互いに反対方向になっている。
【0027】なお、スチールフィラメント12の直径と
その他のスチールフィラメント10A〜10Cの直径
は、生産性を高めるには同一とすることが好ましい。
【0028】ここで、コード10は、図1及び図2に示
すようにスチールフィラメント12の屈曲部16の長さ
をL、屈曲部16の高さをH、同じ向きにある屈曲部1
6の間隔をC、スチールフィラメント10A〜C及び1
2の直径をD、コード10を構成するスチールフィラメ
ント10A〜C及び12の撚りピッチをPとしたときに
下式(1)〜(3)を満足することが好ましい。
【0029】 1.15D≦H≦2D・・・・・・・・・・・(1) 0.1P≦L≦0.2P・・・・・・・・・・(2) 0.25P≦C≦0.75P・・・・・・・・(3) このスチールコード10を製造するには、撚線時に1本
のスチールフィラメントを巻出し装置(図示せず)から
引き出し、図3に示すように外周に凹部20と凸部22
とを交互に形成した一対の型付ローラ24を備えたスチ
ールフィラメント形付け装置26を通すことによって図
1に示すような形付けをして撚線機に送り込み、このス
チールフィラメント12Aの屈曲部16の向きがコード
10の外周方向となるように、螺旋形を付与する。
【0030】また、コード10となる残りの3本のスチ
ールフィラメント10A〜Cも同様にして巻出し装置か
ら引き出し撚り形状に応じた螺旋形を付与した後、撚線
機によってコード10を構成するスチールフィラメント
10A〜Cと12が撚り合わせられる。
【0031】このようにして製造したスチールコード1
0を、図4に示すように乗用車用タイヤ(タイヤサイ
ズ:205/60R15)28のベルト交互層30に、
打ち込み角度20°(タイヤ周方向に対して)、打ち込
み本数31.0本/5cmで適用した。
【0032】本実施形態のスチールコード10は、上記
の構成としたので、ゴム等の弾性体に埋設したときにコ
ード内部への弾性体の浸透性が完全となり、また、耐疲
労性を確保でき、外径変化及びコードの伸びが低減でき
る。
【0033】また、このスチールコード10を空気入り
タイヤのカーカスやベルトに用いることにより、伸び低
減によるユニフォミティ及び操縦安定性の向上、錆の発
生減少によるタイヤの耐久性の向上を図ることができ
る。
【0034】なお、屈曲部16は三角の山形形状でも、
正弦曲線状でも良く、少なくとも撚ったコード10を構
成する他のスチールフィラメントとの隙間が安定して確
保されればその形状は問わない。
【0035】また、屈曲部16は必ずしも隣接する同士
で突出方向が互いに反対方向(180°)になっていな
くても良く、同方向(0°)でも良く、0°或いは18
0°以外の角度であっても良い。
【0036】また、コード10は、3乃至6本のスチー
ルフィラメントから構成されているものが好ましい。 〔試験例〕本発明の効果を確認するために、コード伸
び、撚りの安定性、ゴム浸透性、ゴム物品製造作業性、
タイヤのユニフォミティ、タイヤの耐カットセパレーシ
ョンについて実施例、従来例及び比較例を用意して比較
を行った。以下に比較を行った項目〜を説明する。
なお、各コードの諸元は表1内に示す通りである。 コードの伸び スチールコードに50gの荷重を加えたときの伸びを0
として、5kgの荷重を加えたときの伸びを測定した。
試験結果は従来例2の伸びを100として指数表示して
おり、数値が小さいほど伸びが小であることを示すもの
で、数値が125以下であれば撚り性状に優れ、ゴム物
品製造時の作業性やゴム物品の寸法精度に優れタイヤの
ユニフォミティも良好になる。 撚りの安定性 スチールコードへの引張り入力時の撚りの安定性を示す
もので、従来例1を×、従来例2を○とし、その中間を
△として表示しており、○であれば撚りが安定しゴム物
品製造時のカレンダー作業性に優れ、タイヤのユニフォ
ミティも良好になることを示す。 ゴム浸透性 加硫後のタイヤのベルト層からスチールコードを採取
し、コード全長にわたってコード断面を1mm間隔で観
察し、コード中心部にまで完全にゴムが浸透している断
面がシースの1撚りピッチに1ヶ所以上あればコード長
手方向の水分伝播が抑制できるため○とし、シースの5
撚りピッチにゴムが完全に浸透している断面が1ヶ所以
上あれば△、それ以外は×とした。なお、△以上であれ
ば実用上問題とならない。 ゴム物品製造作業性 ゴム物品を製造する際のカレンダー作業性及びタイヤ成
形作業性に付いて、従来例1レベルを×とし、従来例2
レベルを○とし、その中間を△としており、○であれば
作業性が良好であることを示す。 ユニフォミティ 加硫後のタイヤからベルト交錯層を採取して、スチール
コードの配列状態をX線により観察した。従来例1の配
列状態を×とし、従来例2の配列状態を○とし、その中
間を△として表示しており、○であれば耐カットセパレ
ーション性が良好であることを示し、△でも実用上問題
ではない。 耐カットセパレーション 悪路を5万km走行したタイヤのベルト層のカット貫通
部のフィラメント腐蝕長さの最大値を測定し、従来例1
レベルを○とし、従来例2レベルを×とし、その中間を
△で表示しており、○であれば耐カットセパレーション
性が良好であることを示し、△でも実用上問題ではな
い。
【0037】
【表1】
【0038】表1に示す結果から、相反する特性を持つ
従来例1及び2を基準として、前者の2つの優れた特性
を併せもつものが本発明の適用された実施例1乃至4の
スチールコードであることが判る。
【0039】比較例1のスチールコードは、実施例1の
スチールコードに較べて伸びの低減効果が充分でないた
めコード物品製造作業性及びタイヤのユニフォミティが
劣り、また、コード径が大きいためにベルト層の厚みが
大きくなりタイヤの重量が増加するという問題がある。
【0040】この発明の実施例の中では、請求項3を満
たす実施例4で最も良好な結果が得られた。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
ゴム物品補強用スチールコードは、直径Dの3本乃至6
本スチールフィラメントが撚りピッチ15D乃至100
Dの範囲の撚りピッチ長で撚り合わされてなる1×n
(n:素線数)構造のスチールコードであって、その少
なくとも1本のフィラメントは、長手方向に沿って真直
部と屈曲部とを交互に有しているので、撚りの安定性に
優れ、低荷重時のコード伸びが小さく、ゴム物品製造作
業性が良いという優れた特徴を有する。中でも、1×
(3〜6)構造としたものがゴムの浸透性に特に優れ、
錆を抑制する効果が特に高い。
【0042】請求項2に記載のゴム物品補強用スチール
コードは、隣接する同士で屈曲部の突出方向が互いに反
対方向になっているので、一方向にのみ屈曲部を向けた
スチールフィラメントにくらべて屈曲部が効果的に隙間
を作り込むことができる、という優れた効果を有する。
更に、屈曲部の向きをコード外周方向に沿って交互に逆
向きにすることが、撚りの安定性と弾性体浸透性を向上
する上で最も効果がある形態である。
【0043】請求項3に記載のゴム物品補強用スチール
コードは上記の構成としたので、ゴムの浸透する隙間を
確実に確保でき、低荷重時の伸びを確実に抑制でき、コ
ードの早期の破断を確実に防止でき、ゴム物品の重量増
加を確実に抑制できる、という優れた効果を有する。
【0044】また、請求項4に記載の空気入りタイヤは
上記の構成としたので、錆の発生が抑制されることによ
り空気入りタイヤの耐久性が向上すると共に、ユニフォ
ミティが良くなるため乗り心地も良くなる、という優れ
た効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である、真直部と屈曲部と
を交互に有しているスチールフィラメントの側面図であ
る。
【図2】本発明の一実施形態であるゴム物品補強用スチ
ールコードの構造を示す説明図である。
【図3】本発明のゴム物品補強用スチールコードの真直
部と屈曲部とを交互に有しているスチールフィラメント
を製造する装置の一実施例の側面図である。
【図4】本実施形態の空気入りタイヤの断面図である。
【図5】(A)は従来の1×4構造のオープン撚りスチ
ールコードの断面図であり、(B)はスチールフィラメ
ントがコード外輪郭から突出した状態を示すオープン撚
りスチールコードの断面図であり、(C)はスチールフ
ィラメントがコード外輪郭から内側へ入り込んだ状態を
示すオープン撚りスチールコードの断面図である。
【図6】従来のコード撚りピッチより小さい螺旋形付け
をしたスチールフィラメントの側面図である。
【図7】従来の1×4構造のクローズド撚りスチールコ
ードの断面図である。
【図8】撚りの螺旋形付けとは異なる螺旋形付けを施し
たスチールフィラメントを一本用いた1×4構造スチー
ルコードを示す説明図である。
【符号の説明】
10 スチールコード(ゴム物品補強用スチールコ
ード) 12 スチールフィラメント 14 真直部 16 屈曲部 28 乗用車用タイヤ(空気入りタイヤ) 30 ベルト交互層(ベルト層)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3本乃至6本の直径Dが0.10〜0.
    40mmのスチールフィラメントを撚りピッチ15D乃
    至100Dの範囲の撚りピッチ長で撚り合わされてなる
    1×n(n:素線数)構造のスチールコードであって、 少なくとも1本の前記スチールフィラメントには、長手
    方向に沿った真直部と屈曲部とを交互に有している形付
    けが施されていることを特徴とするゴム物品補強用スチ
    ールコード。
  2. 【請求項2】 屈曲部は、隣接する同士で突出方向が互
    いに反対方向になっていることを特徴とする請求項1に
    記載のゴム物品補強用スチールコード。
  3. 【請求項3】 屈曲部の長さをL、屈曲部の高さをH、
    同じ向きにある屈曲部の間隔をC、スチールフィラメン
    トの直径をD、スチールフィラメントの撚りピッチをP
    としたときに下式(1)〜(3)を満足することを特徴
    とする請求項2に記載のゴム物品補強用スチールコー
    ド。 1.15D≦H≦2D・・・・・・・・・・・(1) 0.1P≦L≦0.2P・・・・・・・・・・(2) 0.25P≦C≦0.75P・・・・・・・・(3)
  4. 【請求項4】 一対のビード間でトロイド状に延びるカ
    ーカスを骨格とし、更に前記カーカスのクラウン部をベ
    ルト層で補強した空気入りタイヤであって、 前記カーカスおよび/またはベルト層を構成するスチー
    ルコードに請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の
    ゴム物品補強用スチールコードを用いたことを特徴とす
    る空気入りタイヤ。
JP8219612A 1996-08-21 1996-08-21 ゴム物品補強用スチールコード及びそれを用いた空気入りタイヤ Pending JPH1060789A (ja)

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