JPH1060763A - 繊維積層成形体 - Google Patents

繊維積層成形体

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JPH1060763A
JPH1060763A JP8199646A JP19964696A JPH1060763A JP H1060763 A JPH1060763 A JP H1060763A JP 8199646 A JP8199646 A JP 8199646A JP 19964696 A JP19964696 A JP 19964696A JP H1060763 A JPH1060763 A JP H1060763A
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JP
Japan
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fiber
nonwoven fabric
layer
skin
fabric layer
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JP8199646A
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Inventor
Fumitaka Ino
文隆 井野
Tadashi Kuwabara
正 桑原
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 有機繊維不織布からなる芯材不織布層の
片面又は両面にこの芯材不織布層と密度の異なる有機繊
維不織布からなる表皮不織布層を積層してなることを特
徴とする繊維積層成形体。 【効果】 本発明によれば、ガラス繊維を使用せず、有
機繊維不織布のみを用いて軽量かつ高剛性で、リサイク
ルが容易にできる繊維積層成形体を得ることができ、こ
のため自動車内装材、建築用内装材などとして好適に用
いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車内装材、建
築用内装材等として好適に用いられる繊維積層成形体に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
例えば天井、ドアトリム、リヤパーシェルフ、トランク
マット、トランクリッド等の自動車内装材としては、種
々の材料や構成からなるものが提案されている。例え
ば、熱可塑性材料又は熱硬化性材料を加熱成形した内装
材及びこの熱可塑性材料又は熱硬化性材料の加熱成形体
を芯材として、この芯材に接着剤を用いて表皮材を貼り
付けた内装材、更にフェルトと無機繊維を熱可塑性樹脂
又は熱硬化性樹脂にて結合、成形した内装材が用いられ
ている。
【0003】また、硬質或いは半硬質のウレタンフォー
ムを芯材として、この芯材の片面或いは両面の補強剤と
してガラスマットを接着剤を用いて貼り合せ、更に外層
(表皮材)に不織布等を積層し、これを型に入れて成形
天井などの自動車等の内装材として使用しているものも
多い。
【0004】上記のような自動車内装材は形状保持等の
ため剛性が要求される。このために、従来、剛性アップ
の目的で上記材料にガラス繊維を多く配合することが行
われているが、ガラス繊維の使用は、作業環境上の問
題、或いはリサイクルが困難である等の問題がある。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
ガラス繊維を使用せずとも高い剛性を有し、リサイクル
又は容易に焼却可能であると共に、ソフト感を有し、外
観も良好で、安価に製造できる繊維積層成形体を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため、ガラス繊維を使
用せず、有機繊維不織布のみによって剛性が高く、ソフ
ト感を有すると共に、良好な外観を有し、自動車内装
材、建築用内装材等として好適に用いられる繊維積層成
形体を検討した結果、本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、下記(1)〜(6)の繊
維積層成形体を提供する。 (1)有機繊維不織布からなる芯材不織布層の片面又は
両面にこの芯材不織布層と密度の異なる有機繊維不織布
からなる表皮不織布層を積層してなることを特徴とする
繊維積層成形体。 (2)上記芯材不織布層及び表皮不織布層を形成する有
機繊維不織布の基材が、繊維径1〜60デニールの短繊
維からなり、かつ結合剤として低融点繊維を10重量%
以上含むものであることを特徴とする上記(1)記載の
繊維積層成形体。 (3)上記表皮不織布層が低融点繊維を10〜60重量
%含む表層と低融点繊維を60〜100重量%含む接着
層との積層体であり、かつ上記接着層を芯材不織布層側
に配置したことを特徴とする上記(2)記載の繊維積層
成形体。 (4)上記芯材不織布層の密度が0.01g/cm3
上であり、表皮不織布層の密度が0.1g/cm3以上
である上記(1)、(2)又は(3)記載の繊維積層成
形体。 (5)上記芯材不織布層と表皮不織布層とをこれらの有
機繊維不織布の繊維方向が互いに同じ方向になるように
積層した上記(1)乃至(4)のいずれか1項記載の繊
維積層成形体。 (6)上記芯材不織布層と表皮不織布層とをこれらの有
機繊維不織布の繊維方向が互いに異なる方向になるよう
に積層した上記(1)乃至(4)のいずれか1項記載の
繊維積層成形体。
【0008】本発明の繊維積層成形体は、上記(1)の
構成を有するため、軽量でかつガラス繊維を使用しなく
とも、高剛性であり、ガラス繊維を使用せず、有機繊維
のみの積層体であるため、リサイクルも容易である。こ
の場合、上記(2)、特に(3)の構成とすることによ
り、芯材不織布層と表皮不織布層との接着性が優れ、両
層が一体化してこの点でも剛性が確保し得る。また、
(4)の構成のように、表皮不織布層を芯材不織布層よ
り高密度とすることにより、しかもこの場合、特には表
皮不織布層を芯材不織布層の両面に積層したサンドイッ
チ構造を形成することにより、比較的厚さが薄くとも高
剛性の成形体が得られる。特に、(6)の構成の如く、
表皮不織布層の繊維方向を芯材不織布層の繊維方向と異
なるように積層することにより、更に高剛性の成形体が
得られる。
【0009】以下、本発明につき図面を参照して更に詳
しく説明する。本発明の繊維積層成形体Aは、図1,2
に示すように、それぞれ有機繊維不織布からなる芯材不
織布層1の片面(図1)又は両面(図2)に表皮不織布
層2,3を積層したものである。
【0010】ここで、有機繊維不織布としては、ポリエ
ステル、ポリプロピレン、アクリル、ナイロン、ビニロ
ン、レーヨン、カーボン、アラミド等の繊維からなるも
のが好適に用いられる。この場合、不織布の基材は、繊
維径1〜60デニール、好ましくは2〜60デニール、
更に好ましくは2〜30デニールの繊維から形成するこ
とが性能及びコストの点から好適である。また、基材繊
維は、通常の融点200℃以上、特に250℃の繊維が
好適である。
【0011】また、芯材不織布層と表皮不織布層との接
着性の点から、80〜180℃、特に90〜170℃で
溶融する低融点繊維を10%(重量%、以下同じ)以
上、より好ましくは10〜60%、更に好ましくは30
〜55%混合した混合繊維からなることが好ましい。こ
の場合、図3に示すように、表皮不織布層2,3は2層
以上の積層構造に形成し得るが、上記低融点繊維を10
〜60%、より好ましくは20〜55%、更に好ましく
は30〜55%含有する表層2a,3aと、低融点繊維
を60〜100%、より好ましくは75〜100%、更
に好ましくは90〜100%含有する接着層2b,3b
との積層体とし、かつ接着層2b,3bを芯材不織布層
1側に配置してこれと接着させるようにすることが、接
着性及び剛性の点から推奨される。
【0012】なお、このように基材繊維中に低融点繊維
(結合剤)を10%以上含有させることにより、表皮不
織布層と芯材不織布層との接着は、通常の接着剤を使用
せず、加熱・圧着によって行うことができるので、実質
的に繊維のみからなる成形体を形成でき、この点で作業
環境、リサイクル性、コストの点から優れたものであ
る。
【0013】また、上記芯材不織布層の密度は0.01
g/cm3以上、より好ましくは0.02〜0.5g/
cm3、更に好ましくは0.03〜0.4g/cm3に形
成すると共に、表皮不織布層の密度を0.1g/cm3
以上、より好ましくは0.2〜1.2g/cm3、更に
好ましくは0.3〜1g/cm3に形成することが好ま
しく、表皮不織布層を芯材不織布層より高密度に形成す
ることにより、高剛性の成形体を得ることができる。な
お、芯材不織布層1の両面にそれぞれ表皮不織布層2,
3を形成する場合、これら表皮不織布層2,3の密度は
互いに同一でも異なっていてもよい。
【0014】更に、上記表皮不織布層を芯材不織布層に
積層する場合、表皮不織布層2,3の繊維方向は、図4
に示したように、芯材不織布層1の繊維方向と同一でも
よいが、図5〜7に示したように、芯材不織布層1の繊
維方向とは異なる方向に配置することが好ましく、これ
により成形体の剛性を更に高めることができる。この場
合、表皮不織布層2,3の繊維方向と芯材不織布層1の
繊維方向とは直角方向(図5)、45°変位した方向
(図6)、22.5°変位した方向など、適宜選定し得
る。また、芯材不織布層1の両面にそれぞれ表皮不織布
層2,3を積層した場合、これら表皮不織布層2,3の
繊維方向は、互いに同一であっても、或いは互いに直角
方向になるなど、異なる方向に配置することができる
(例えば、図7は22.5°/67.5°変位した成形
体である)。このようなサンドイッチ構造の積層成形体
において、ある方向の曲げ剛性を上げたい場合には、そ
の方向に剛性が上がるように繊維方向を設定することが
できる。
【0015】上記芯材不織布層及び表皮不織布層の厚さ
は適宜選定されるが、芯材不織布層の厚さは3〜100
mm、特に4〜50mmが好ましく、表皮不織布層の厚
さは芯材不織布層の厚さの1/50〜1/3、特に芯材
不織布層の厚さの1/40〜1/5とすることが、性能
及びコストの点から好ましい。
【0016】本発明の繊維積層成形体の製造方法は特に
制限されるものではないが、芯材不織布層を形成する有
機繊維不織布と表皮不織布層を形成する有機繊維不織布
とを所定順序に重ねた後、低融点繊維が溶融する温度
で、かつ芯材不織布層が所用の厚さになるような圧力及
び時間で熱プレスし、芯材不織布層と表皮不織布層とを
接着、一体化する方法が好適に採用される。なお、熱プ
レスの温度、圧力、時間は、通常、温度は150〜19
0℃、圧力は0.1〜5kg/cm2、時間は1〜2分
である。
【0017】なお、上記繊維積層成形体の片面又は両面
に化粧材をホットメルト、接着剤、低融点繊維等にて接
合することにより、外観的に好みの色や表面状態を変
え、使用する場所に最適なものに仕上げることができ
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明は下
記の実施例に限定されるものではない。
【0019】〔実施例1〜3〕 中間層(芯材)の繊維不織布として、繊維径4デニー
ルのポリエステル低融点繊維40%と繊維径15デニー
ルのポリエステル繊維60%を配合し、これらを開繊
し、次にカーディングし、ニードルパンチ処理を施し、
厚さが7mmで密度がそれぞれ0.036g/cm3
0.05g/cm3、及び0.064g/cm3の3種類
の繊維不織布を準備し、これらをそれぞれ180℃で1
分間加熱処理した。 表皮層(外皮層)の繊維不織布として、繊維径4デニ
ールのポリエステル低融点繊維40%と繊維径15デニ
ールのポリエステル繊維が60%のポリエステル繊維を
配合し、これらを開繊し、次にカーディングし、ニード
ルパンチ処理を施し、厚さが0.3mmで密度が0.5
g/cm3の繊維不織布を準備し、これを180℃の熱
プレスで30秒間加熱圧着した。
【0020】上記中間層、表皮層(外皮層)の各素材の
性状を表1に示す。なお、表皮不織布層は180℃の熱
プレス処理を行わず直接用いてもかまわない。
【0021】次に、上記で準備した各材料を使用し、表
皮層不織布、中間層不織布、表皮層不織布の順に重ね合
わせて、圧縮プレス機を使用して180℃で1.5分間
加熱して接合し、図2に示したような積層成形体を作製
した。なお、各不織布の繊維方向は互いに同一とした。
得られた積層成形体の性状、物性を表2に示す。
【0022】〔比較例1,2〕中間層(芯材)として、
密度が0.028g/cm3、厚さが6mmの硬質ウレ
タンフォームを用い、この両面にガラスマット230g
/m2或いは300g/m2と接着剤65g/m2を重ね
合わせ、更に外層の表皮材として30g/m2の不織
布、裏面材として30g/m2の不織布を重ねた後、熱
プレス機を使用して厚さ6mm、面重量が850g/m
2の積層成形体、或いは970g/m2の図8に示した積
層成形体Bを得た。なお、図8中、4はウレタンフォー
ム芯材、5はガラスマット(接着剤塗布)、6は不織布
を示す。これらの比較例で用いた各素材の性状を表1
に、得られた積層成形体の性状、物性を表2に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】なお、曲げ強度試験方法はJIS−K69
11に従い、巾50mm×長さ150mmの大きさの試
験片を作製し、スパンLを100mmとして支点s,s
の中央部から荷重Fを負荷し、下記式により曲げ強度を
求めることによって行った(図9参照)。 曲げ強度(kgf/cm2)=3WL/2bh2 W:最大荷重(kgf)(N) L:スパン(cm) h:試験片の厚さ(cm) b:試験片の巾(cm)
【0026】〔実施例4,5〕 中間層(芯材)の繊維不織布として、繊維径4デニー
ルのポリエステル低融点繊維40%と繊維径15デニー
ルのポリエステル繊維60%を配合し、これらを開繊
し、次にカーディングし、ニードルパンチ処理を施し
た。厚さ7mm、目付け350g/m2の不織布を準備
し、これを180℃で1分間加熱処理した。 表皮層(外皮層)の繊維不織布として、繊維径4デニ
ールのポリエステル低融点繊維40%と繊維径15デニ
ールのポリエステル繊維60%を配合し、これらを開繊
し、次にカーディングし、ニードルパンチ処理を施し
た。厚さ1.5mm、目付け110g/m2の不織布を
上層(表層)とし、繊維径4デニールのポリエステル低
融点繊維を100%にして開繊し、次にカーディング、
ニードルパンチ処理した。厚さ1mm、目付け40g/
2の不織布を下層(接着層)として、これら上層、下
層をセットし、ニードルパンチ処理を行って一体化した
表皮層を準備し、これを180℃の熱プレスで30秒間
加熱圧着し、密度0.5g/m3のものにした。上記素
材の性状、物性を表3に示す。
【0027】次に、上記の中間層の上側と下側にの
表皮層をそれぞれセットし、該表皮層の繊維径4デニー
ルポリエステル低融点繊維100%の接着層が中間層に
接するようにセットし、180℃熱プレスでスペーサー
を入れて厚さ4.3mmになようにセットして、1.5
分間加熱圧着した。その後取り出し、自然冷却して、図
3に示したような積層成形体を作製し、その曲げ強度試
験を実施した。結果を表4に示す。
【0028】一方、上記表皮層の下層部がなく、かつ上
層の目付けを150g/m2、厚さ1.5mmにしたも
のを使用して図2に示したような積層成形体を作製し、
その曲げ強度試験を実施した。結果を表4に併記する。
なお、上記例において各層の繊維方向は互いに同一とし
た。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】以上の結果より、接着層を設けることによ
って中間層と表皮層との間の接着性がより強くなり、曲
げ強度(剛性)が向上することが認められる。
【0032】〔実施例6〜9〕 中間層(芯材)の繊維不織布として、繊維径4デニー
ルのポリエステル低融点繊維40%と繊維径15デニー
ルのポリエステル繊維60%を開繊し、次にカーディン
グし、ニードルパンチ処理を施し、厚さが6mm、密度
が0.06g/cm3、厚さが7mm、密度が0.05
g/cm3の2種類の繊維不織布を準備した。 表皮層(外皮層)の繊維不織布として、繊維径4デニ
ールのポリエステル低融点繊維40%と繊維径15デニ
ールのポリエステル繊維が60%のポリエステル繊維を
用いて開繊し、次にカーディング、ニードルパンチ処理
し、厚さが0.5〜0.8mm、密度が0.3〜0.5
g/cm3、厚さが0.2〜0.5mm、密度が0.3
〜0.75g/cm3のものを準備した。上記中間層、
表皮層(外皮層)の各素材の性状及び組み合わせ態様を
表5に示す。
【0033】上記各準備した材料を使用し、図4,5に
示したような積層成形体を下記のようにして得た。即
ち、表5に示す素材を用い、表皮層不織布、中間層不織
布、表皮層不織布の3層を繊維方向を同じにしたもの
(図4)と、中間層と各表皮層と繊維方向が直角になる
ように配置したもの(図5)とをそれぞれ重ね合わせ、
180℃で1.5分間圧縮プレスして積層成形体を作製
した。得られた積層成形体の性状、物性を表6に示す。
なお、表5,6には、対比のため上記比較例1,2の結
果を併記する。
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】表6の結果より、目付けが同じであれば、
繊維方向を直角(クロス)に積層した方が、同方向に積
層したものよりも剛性が大となることが認められる。
【0037】〔実施例10〜16〕 中間層(芯材)の繊維不織布として、繊維径4デニー
ルのポリエステル低融点繊維40%と繊維径15デニー
ルのポリエステル繊維60%を配合し、これらを開繊
し、次にカーディングし、ニードルパンチ処理を施し
た。厚さ7mm、目付け350g/m2の不織布を準備
し、これを180℃で1分間加熱処理した。 表皮層(外皮層)の繊維不織布として、繊維径4デニ
ールのポリエステル低融点繊維40%と繊維径15デニ
ールのポリエステル繊維60%を配合し、これらを開繊
し、次にカーディングし、ニードルパンチ処理を施し
た。厚さ1.5mm、目付け150g/m2の不織布を
準備し、これを180℃の熱プレスで30秒間加熱圧着
し、密度0.5g/cm3のものにした。
【0038】次に、上記の中間層の上側と下側にの
表皮層をそれぞれセットし、180℃熱プレスでスペー
サーを入れて厚さ5.4mmになようにセットして、
1.5分間加熱圧着した。その後取り出し、自然冷却し
て、図4〜7に示したような積層成形体を作製し、その
曲げ強度試験を実施した。
【0039】ここで、表皮層と中間層とセットする時、
中間層のカーディング方向に対し、表皮層のカーディン
グ方向と方向(角度)が異なる位置にセットし、下記7
個の実施例の積層成形体を得た。結果を表7に示す。実施例10: 中間層のカーディング方向と表皮層のカー
ディング方向とが一致する場合、即ち平行なもの(図
4)。実施例11: 中間層のカーディング方向に対し、表皮層
のカーディング方向を90°変位した位置にセットした
場合、即ち中間層のカーディング方向と表皮層のカーデ
ィング方向が直角に置かれたもの(図5)。実施例12: 中間層のカーディング方向に対し、表皮層
のカーディング方向を45°変位した位置にセットした
もの(図6)。実施例13: 中間層のカーディング方向に対し、片面の
表皮層のカーディング方向を45°変位した位置にセッ
トし、反対側の表皮層のカーディング方向を−45°変
位した位置にセットしたもの。実施例14: 中間層のカーディング方向を基準軸とし、
表皮層のカーディング方向を基準軸から反時計方向に2
2.5°変位した位置にカーディング方向が向くように
したもの。実施例15: 中間層のカーディング方向を基準軸とし、
表皮層のカーディング方向を基準軸から反時計方向に6
7.5°変位した位置にカーディング方向が向くように
したもの。実施例16: 中間層のカーディング方向を基準軸とし、
片面の表皮層のカーディング方向を基準軸から反時計方
向に22.5°変位した位置に、反対側の表皮層のカー
ディング方向を基準軸から反時計方向に67.5°変位
した位置にカーディング方向が向くようにしたもの(図
7)。
【0040】
【表7】
【0041】表7の結果より、サンドイッチ構造の積層
成形体において、ある方向の曲げ強度(剛性)を上げた
い場合には、その方向に剛性が上がるようにカーディン
グ方向を設定することにより、同一材料でその効果を出
すことができるものと認められる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、ガラス繊維を使用せ
ず、有機繊維不織布のみを用いて軽量かつ高剛性で、リ
サイクルが容易にできる繊維積層成形体を得ることがで
き、このため自動車内装材、建築用内装材などとして好
適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る繊維積層成形体の断
面図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る繊維積層成形体の断
面図である。
【図3】本発明の第3実施例に係る繊維積層成形体の断
面図である。
【図4】本発明の第4実施例に係る繊維積層成形体の斜
視図である。
【図5】本発明の第5実施例に係る繊維積層成形体の斜
視図である。
【図6】本発明の第6実施例に係る繊維積層成形体の斜
視図である。
【図7】本発明の第7実施例に係る繊維積層成形体の斜
視図である。
【図8】従来の成形体の断面図である。
【図9】曲げ強度の測定方法を示す説明図である。
【符号の説明】 A 繊維積層成形体 1 芯材不織布層 2,3 表皮不織布層 2a,3a 表皮層 2b,3b 接着層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機繊維不織布からなる芯材不織布層の
    片面又は両面にこの芯材不織布層と密度の異なる有機繊
    維不織布からなる表皮不織布層を積層してなることを特
    徴とする繊維積層成形体。
  2. 【請求項2】 上記芯材不織布層及び表皮不織布層を形
    成する有機繊維不織布の基材が、繊維径1〜60デニー
    ルの短繊維からなり、かつ結合剤として低融点繊維を1
    0重量%以上含むものであることを特徴とする請求項1
    記載の繊維積層成形体。
  3. 【請求項3】 上記表皮不織布層が低融点繊維を10〜
    60重量%含む表層と低融点繊維を60〜100重量%
    含む接着層との積層体であり、かつ上記接着層を芯材不
    織布層側に配置したことを特徴とする請求項2記載の繊
    維積層成形体。
  4. 【請求項4】 上記芯材不織布層の密度が0.01g/
    cm3以上であり、表皮不織布層の密度が0.1g/c
    3以上である請求項1,2又は3記載の繊維積層成形
    体。
  5. 【請求項5】 上記芯材不織布層と表皮不織布層とをこ
    れらの有機繊維不織布の繊維方向が互いに同じ方向にな
    るように積層した請求項1乃至4のいずれか1項記載の
    繊維積層成形体。
  6. 【請求項6】 上記芯材不織布層と表皮不織布層とをこ
    れらの有機繊維不織布の繊維方向が互いに異なる方向に
    なるように積層した請求項1乃至4のいずれか1項記載
    の繊維積層成形体。
JP8199646A 1995-07-13 1996-07-10 繊維積層成形体 Pending JPH1060763A (ja)

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