JPH1060355A - 遅延された“キャップ− オフ− タイム”を有するインク及びその製造方法 - Google Patents
遅延された“キャップ− オフ− タイム”を有するインク及びその製造方法Info
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Abstract
するインク及びその製造方法。 【解決手段】 本発明は、遅延された“キャップ- オフ
- タイム”を有するインク、特に筆記、製図、絵画又は
マーキング用非水性インク、すなわち筆記用又はマーキ
ング用液体に関し、これは有機溶剤、結合剤、乾燥遅延
剤、着色剤及び必要に応じて他の添加物を有し、乾燥遅
延剤として有機溶剤に不溶性であるパラフィンロウ及び
(又は)ポリオレフィンロウを含有する。
Description
プ- オフ- タイム”を有するインク及びその製造方法に
関し、この際これは特に筆記、製図、絵画、印刷又はマ
ーキング用インクであり、好ましくは永続的な、すなわ
ち耐水性字画を生じる。
としても公知である。したがって“マーカーインク”
は、大部分の有機溶剤、たとえばアルコール又はグリコ
ールエーテル、溶剤可溶性結合剤、界面活性剤、好まし
くはフッ素界面活性剤、及び溶剤可溶性染料、たとえば
ソルベント- 染料又は塩基性染料を有する。その際塩基
性染料は必要により酸性樹脂又は結合剤でレーキ化され
る。この場合一部は、より鮮明な幅を有する線を得るた
めにグリコール、たとえば1,2- プロピレングリコー
ルを乾燥遅延剤として使用する。
“キャップ- オフ- タイム”であり、すなわちこれはこ
の様なマーカー- 又は筆記用具がキャップをはずしたま
ま、乾燥することなく放置される時間のことである。比
較的短い時間の後でも、この様なインクを有する大部分
の市販用具は、筆跡のかすれを示すか又はもはや少しも
機能しないかあるいは場合により長い時間をかける筆記
- 又は製図作業によって再び活性化されねばならない。
一日後、遅くとも数日後この用具は、これがもはや再活
性化されず、それによって全く使用不能となる程に乾燥
する。
中に、増加された“キャップ- オフ- タイム”を有する
インクが記載され、これはより長い時間にわたってキャ
ップされずに放置することができる。このインクは、染
料、有機溶剤、樹脂、デカグリセリン及びα- オレフィ
ンから成る。オレフィンは分子中に1個又は数個の反応
性二重結合を有する非環式又は環式脂肪族炭化水素であ
る。α- オレフインを含有する場合、二重結合は第一と
第二炭素原子の間にあり、その不飽和性のゆえに極めて
反応性である。このインクの欠点は、α- オレフィンの
存在によってα- オレフィンと他のインク成分との反応
によってインクが貯蔵不安定となることである。
ム”を有しなければならない“パーマネント- マーカ
ー”も知られている。これに含有される“ノン- ドライ
インク”は、たとえばn- プロパノール、n- ブタノー
ル、3- メチル安息香酸、水、トルエン、酢酸 -n- ブ
チルエステル、プロパン酸プロピルエステル、キシレン
及びソルベント- 染料を有する。この“ノン- ドライイ
ンク”の主な欠点は、短時間後すでに筆記が困難とな
り、使用して初めて通常のインクの流れが再び調整され
て再生される。もう1つの欠点は、金属薄片のような非
吸収性の被塗布面の悪い湿潤性によって生じる。すなわ
ち平面状のものに使用した場合、吸湿されなかった点状
のシミが形成されることである。同様に十分な乾燥後に
著しく濁りを生じるインクは、非吸収性の被塗布面上に
使用した場合に、色の光沢性がなくなるということも欠
点である。このことは、筆記された金属薄片に於て及び
透過光中で十分に認められる。
ト- ボード- マーカー”用の溶剤-インク──これは着
色剤として顔料を有する──は、公知である。この場合
顔料は担体物質としての結合剤、たとえばポリビニルブ
チラール又はニトロセルロースと結合して顔料調製物と
なる。この際、これが短い“キヤップ- オフ- タイム”
しか有しないことも欠点である。
題は、長い“キヤップ- オフ- タイム”を有する非水性
インク、更に詳しくは有機溶剤を主体とする筆記又はマ
ーキング用液体を得ることにある。すなわちこれは筆記
用具又はマーキング用具を比較的長い時間にわたってキ
ヤップがはずされたまま放置することもでき、ペン先中
のインクが乾燥して固まり、用具が使用不能になること
がない。更に特に永続的インク、すなわち耐水性インク
の場合、塗布面の乾燥後、特に非吸収性表面上での使用
で及び透過光- 塗布面又は -マーキングに対して、たと
えば日光- 投影のためのガラス表面又は金属薄片上での
使用でも字画に良好な透明性及び発光力が生じなければ
ならない。
範囲第1項に記載した特徴によって解決される。本発明
の好ましい実施態様及び好都合な他の形態並びにこの様
なインクのいくつかの好ましい製造方法は、他の請求項
に記載されている。“遅延されたキャップ- オフ- タイ
ム”とは、筆記- 又は着色用具中のインクが、ペン先が
開放されたまま又はキャップがはずれたままで比較的長
く放置されても乾燥しないことを意味する。このインク
は、筆記- 又は他の着色用具が比較的長い時間にわたっ
て、好ましくは数時間又は数日間開放されたまま放置で
きることを可能にしなければならない。
マーキング用非水性インクであり、更に詳しくは有機溶
剤、結合剤、乾燥遅延剤、着色剤及び必要に応じて他の
添加物を有する筆記用又はマーキング用液体である。更
にこのインクは本発明によれば乾燥遅延剤として有機溶
剤に不溶性のパラフィンロウ及び(又は)ポリオレフィ
ンロウを有しなければならない。この際これは特にポリ
エチレンロウであってもよい。
ンク配合物に添加される前に水性分散物として、場合に
より水中に分散され、そして必要により安定化剤及び
(又は)他の添加物が添加された市販品として存在しな
ければならないか又は存在していてよい。この際ロウ-
又は固体含有率は、20〜70重量%、好ましくは30
〜60重量%又は35〜50重量%を有することができ
る。
少なくとも17個の炭素原子から成る鎖長を有するのが
好ましく、有機溶剤は、蒸発数>15、好ましくは蒸発
数=16を示し、この際比較値としてジエチルエーテル
=1を出発点とする。この際、有機溶剤はi- プロパノ
ール及びn- プロパノールから成る混合物である。必要
により使用される結合剤は、特に塩基性染料を使用する
場合、酸性樹脂であってよい。すべての場合、結合剤は
有機溶剤に可溶性でなければならない。この様な結合剤
として、フエノール- ホルムアルデヒド- 樹脂、フマー
ル酸- コロホニウム- 付加物を使用するのが好ましい。
塩基性染料を使用しない場合、酸性樹脂も不必要であ
る。
料であるか又はレーキ化可能な水溶性染料であり、この
染料は結合剤でレーキ化される。ソルベント- 又は塩基
性染料が特に好ましい。この際塩基性染料はインク中に
混入する際に酸性樹脂でレーキ化されるか又はこれを反
応することができる。染料及び使用すべき結合剤を有機
溶剤中に溶解するのが好ましい。着色剤はインク配合物
に添加される前に有機溶剤中に、好ましくはn- プロパ
ノール中に溶解された液状染料として、又は染料調製物
特に市販製品として存在していてもよい。
ル安息香酸を含有することができるか又は含有しなけれ
ばならない。本発明のインクは、フッ素- 界面活性剤、
最も好ましくは界面活性剤を含有しないのが特に有利で
ある。有利なインク配合物として、本発明のインクは、
好ましくは有機溶剤60〜95重量%、結合剤1〜10
重量%、パラフィン- 及び(又は)ポリオレフィンロウ
0.01〜5重量%、着色剤1〜30重量%、3- メチ
ル安息香酸0〜8重量%、水0.01〜10重量%及び
(又は)他の添加物を含有するものが挙げられる。
第一配合物(AB)を水(B)中にロウ- 又はパラフィ
ン- 及び(又は)ポリオレフィン含有率(A1/A2)
20〜70重量%を有するロウ- 分散物として製造する
か又は市販品を使用する。(第二)配合物として結合剤
(C)及び必要により3- メチル安息香酸(D)を溶剤
(E)中に混入攪拌し、この中に溶解する。
(CDE)を加え、これが溶解し、レーキ化されるか又
は完全に分散されるまで十分に混合する。次いで(第
一)配合物(AB)又はロウ分散物を加え、同様に十分
に混入攪拌する。結合剤(C)、溶剤(E)及び必要に
より3- メチル安息香酸(D)から成る(第二)配合物
(CDE)に、着色剤(F)──これは先ず水不溶性ソ
ルベント- 染料(F1)として、水溶性の塩基性染料
(F2)として又は顔料調製物(F3X)として存在す
る──を加えることもできる。
(E1)中に溶解された水不溶性ソルベント- 染料(F
1)として又は必要により結合剤(C)でレーキ化され
た水溶性染料(F2)として液状又はペースト状で存在
するか又は着色顔料(F3)として先ず第一にn- プロ
パノール(E1)中に予め分散させ、必要により市販品
を使用してもよい。
B)がロウ(A)、すなわち又はパラフィンロウ(A
1)及び(又は)ポリオレフィンロウ(A2)0.01
〜5重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%を有して
いてよく、このロウは水(B)中に分散されている。し
かし本発明のインクの製造は、先ず結合剤、好ましくは
酸性樹脂、たとえばフマール酸- コロホニウム- 付加物
(C1)又はフエノール- ホルムアルデヒド- 樹脂(C
2)を溶剤(E)及び着色剤(F)と混合し、次いでこ
の混合物(CEF)中にロウ分散物(AB)を混入攪拌
することでも行われる。
次の様に製造する。
水(B)中にロウ- 分散物、すなわちパラフィン- 及び
(又は)ポリオレフィン含有率(A1/A2)20〜7
0重量%を有するロウ- 又はパラフィン- 又はポリオレ
フィンロウ- 分散物として製造し、第二配合物(CD
E)を製造し、この際、結合剤(C)及び必要により3
- メチル安息香酸(D)を溶剤(E)中に混入攪拌し、
溶解し、次いで着色剤(F)をこの第二配合物(CD
E)に加え、この着色剤が溶解し、レーキ化される又は
完全に分散されるまで十分に混合し、この際、着色剤は
市販品として、好ましくは染料ペーストとして又は液状
染料として存在し、これを使用し、次いで第一配合物
(AB)又は配合物(CDEF)のロウ- 分散物を加
え、更に十分に混入攪拌する。
(C)、溶剤(E)及び必要により3- メチル安息香酸
(D)から成る第二配合物(CDE)に、着色剤(F)
──これは先ず水不溶性ソルベント- 染料(F1)とし
て、水溶性の塩基性染料(F2)として又は顔料調製物
(F3X)として存在する──を予め加えることができ
る。 〔例4〕製造例2:他の処理工程によれば、着色剤
(F)は、先ずn- プロパノール(E1)中に溶解され
た水不溶性ソルベント- 染料(F1)として又は必要に
より結合剤(C)でレーキ化された水溶性染料(F2)
として液状又はペースト状で存在するか又は着色顔料
(F3)として先ず第一にn- プロパノール(E1)中
に予め分散させることができる。 〔例5〕製造例3:その代りに上記処理で第一配合物
(AB)がロウ(A)又はパラフィンロウ(A1)及び
(又は)ポリオレフィンロウ(A2)0.01〜5重量
%、好ましくは0.1〜0.5重量%を有し、このロウ
は水(B)中に予め分散されている。 〔例6〕製造例4:別の方法によれば先ず結合剤、好ま
しくは酸性樹脂、たとえばフマール酸- コロホニウム-
付加物(C1)又はフエノール- ホルムアルデヒド- 樹
脂(C2)を溶剤(E)及び着色剤(F)と混合し、次
いでこの混合物(CEF)中にロウ分散物(AB)を混
入攪拌する。
含有する筆記用具の“キャップ- オフ- タイム”は、著
しく増加する。これは平均2〜4週間である。その際上
記インクを含有する筆記用具は最初の14日間良好に筆
記され、直ちに無制限に使用することができる。一方従
来技術の筆記用具は、しばしばキヤップのないままの放
置の11/2 時間後すぐに筆跡がかすれ、筆記するという
作用があって初めてインクの流れが調節される。 b)字画の透明性:新規インクの字画は十分に乾燥後公
知インクに反して透明でありかつ発光する。それ故に新
規インクは非吸収性表面に及び透過光中での使用に最適
である。 c)インクの他の性質を以下に挙げる:新規インクの一
般的インク性質は、公知の永続的溶剤インクの性質に適
応する。すなわちこれは極めて多くの被塗布面に文字を
書くことに適し、著しく付着性である。物理値、たとえ
ば密度及び粘度は含有物質によって極めて類似するの
で、上記インクは通例の、良好なインクの流れの保持下
にまさに規定のマーカーモデル又は芯のある筆記用具中
に使用される。耐光性は公知の、市販のインクのものに
実質上相当し、色調は現在市販の“永続的インク”のも
のに著しく相当する。
めに、先ず染料(F)と結合剤(C)を有機溶剤(E)
中に溶解し、パラフィン- 又はポリオレフィンロウ分散
物(AB)を加える様にして処理するのが好ましい。こ
の際使用される溶剤はパラフィン- 又はポリオレフィン
ロウ(A)を溶解してはならない。3- メチル安息香酸
の添加によってインクの“キャップ- オフ- タイム”を
一部再び僅かに改良することができる。
ら成る:パラフィンロウ又はポリオレフィンロウを溶解
しない有機溶剤65〜95重量%、有機溶剤中に溶解す
る結合剤1〜10重量%(この際この添加物は必ずしも
必要でない)、パラフィン- 又はポリオレフィンロウ分
散物0.05〜5重量%(この際この記載は約35重量
%固体含有率を有するロウ分散物にもいえる)─この値
が変化すれば、インク中の分散物の含有量も変化しなけ
ればならない──及び染料1〜30重量──これは好ま
しくは溶剤可溶性であるか又は顔料であり、この顔料は
溶剤系で使用するにあたり担体としての溶剤可溶性結合
剤上に大部分“付着”する。
用する場合、“キャップ- オフ- タイム”は染料インク
を使用するのと同様に増加する。規定のアルコール性顔
料インクを有するマーカーは、約3時間後に乾燥する。
これに反してパラフィンロウ分散物の添加された同一の
インクは約2日、おそらくより長く、キャップのないま
ま放置することができる。おそらく1日後に確かに筆跡
のかすれを示すが、この時点でマーカーはまだ極めて良
好に再生され、したがって使用することができる。14
日にわたる長い“キャップ- オフ- タイム”は、染料イ
ンクの場合に可能であるが、顔料インクでは生じない。
これには調合に別の変更が必要である。
フ- インク”中に使用するのに顔料より良好に適すると
一般にいわれている。染料はインク中に溶解して存在す
るが、固体の不溶性形である。顔料インクは、着色剤が
沈澱し、それ故におそらくペン先がふさがれるという危
険を常に余義なくされる。筆記用具のキャップがはずし
たまま放置した場合に生じるインクの損失によって、固
体の顔料粒子がペン先中で濃縮し、インクはより濃厚に
なり、残存する溶剤中の染料含有率はますます増加す
る。しかし染料の堅い皮膜は生じない。現在溶剤のイン
ク中での使用に有効である顔料は、結合剤、すなわち
“担体”上に付着させることに至っている。結合剤とし
て大きい粒子のポリビニルブチラールを、一部はニトロ
セルロースも使用する。ニトロセルロースはインクの粘
度を著しく増加して、その結果として担体のポリビニル
ブチラールを有する顔料はこの様なインクに適すること
が明らかである。ポリビニルブチラールが溶解する場
合、これは極めて油脂性かつ粘着性である。樹脂のこの
油脂性の、糸をひく粘着性質はインクの“キャップ- オ
フ- 性質”に不利に作用する。というのは溶剤損失と共
にペン先が相応して急速に膠着するからである。その
上、顔料インクの安定化のために、他のポリビニルブチ
ラールが“顔料調製物”に更に加えられる。それ故に粘
着性成分の染料割合は増加し、“キャップ- オフ- 性
質”は平行して減少する。更に顔料は、固形着色剤とし
てパラフィンロウ皮膜の形成は多少困難となり,それに
よって溶剤の蒸発は、染料インクで生じるほどに阻止さ
れない。にもかかわらず顔料は“キャップ- オフ- イン
ク”中の色供与体として適する。上述の様に、パラフィ
ンワックス分散物が添加された顔料インクを有するマー
カーは、約48時間キャップがはずれたまま放置するこ
とができる。一方通常のインクを含有するマーカーは、
約3時間後すでに乾燥する。
通常のインク中に使用される原料を使用しないことを詳
細に説明する。 a)溶剤(E):“キャップ- オフ- インク”に関し
て、パラフィン又はポリオレフィン、詳しくはパラフィ
ン- 又はポリオレフィンロウが溶解しない溶剤(E)を
使用しなければならない。蒸発数〜16(ジエチルエー
テル=1)を有する溶剤が有利である。蒸発数が高くな
ればなるほど、インク字画の乾燥は対応して遅くなる。
特に好ましいものはn- プロパノールであって、これ中
にパラフィン- 又はポリオレフィンロウ分散物を良好に
混合することができる。原則的に染料の定量的添加に依
存して、インク中の溶剤約75〜92重量%の割合が特
に好ましい。 b)結合剤(C):結合剤の添加によって非吸収性の被
塗布面上での“キャップ- オフ- インク”の付着性を改
良する。塩基性染料を使用する場合、特に酸性樹脂を使
用しなければならない。これによって通常の一部水溶性
染料をインク中でレーキ化し、水不溶性状態に変えるこ
とができる。好ましい“キャップ- オフ- インク”中に
結合剤約3〜4重量%は使用されねばならない。この範
囲で非吸収性の被塗布面上ののインク字画の良好な付着
が“キャップ- オフ- インク”の同時の良好な影響と共
に得られる。 c)染料(F):溶剤ベースの永続的筆記液体としての
“キャップ- オフ- インク”に関して、対応して可溶性
染料、たとえばソルベント- 又は塩基性染料を使用す
る。この際塩基性染料はb)に示した様に耐水性の目的
でレーキ化されなければならない。ソルベント染料──
これはペースト状で得られるのが好ましい──は明らか
に適するが、調節剤を添加せずに、たとえばn- プロパ
ノール中に予め溶解し、改良された加工可能及び色調節
を生じる。
びに調節剤の不在は、染料及び調節剤が結晶化されない
限り、インク中に使用された際の“キャップ- オフ- 性
質”に影響を及ぼす。できるだけ長い“キャップ- オフ
- タイム”を得るために、染料の含有量は、特に粉末状
でできる限り少量を保たねばならない。インク中の染料
含有量が高ければ高いほど、“キャップ- オフ- タイ
ム”はますます短くなる。これは黒インクを有する筆記
用具を約2〜3週間、これに対してたとえば黄色インク
を有する筆記用具をほぼ4週間キャップをはずしたまま
で放置することができることから明らかである。
- オフ- タイム”の短縮をも生じさせる。 d)3- メチル安息香酸(D):パラフィンロウ分散物
は、溶剤に予め3- メチル安息香酸を添加した場合、溶
剤、好ましくはn- プロパノール中でより微細に、より
安定に処理されうることが認められる。その際必要によ
り、インクの“キャップ- オフ- タイム”の改良を得る
ために、ほんの約0.2重量%の3- メチル安息香酸の
濃度で十分である。しかし3- メチル安息香酸を必ずイ
ンク中で使用しなければならない。というのはこれの無
添加で、極めて良好な“キャップ- オフ- タイム”は得
られない。 e)界面活性剤通常の永続的溶剤インク中で慣用である
ように、“キャップ- オフ- インク”中でフッ素界面活
性剤を使用してはならない。そうでなければ、インクの
“キャップ- オフ- タイム”が極めて激しく減少する。 f)パラフィンロウ分散物(AB):上記パラフィン-
又はポリオレフィンロウを水中に分散する。その際、分
散剤として天然ゴム、たとえばゴムガーチ(Gumgahtti)
(又は界面活性剤)を使用することができる。
り、アルカンという名称でも知られている。これは17
個の炭素原子の鎖長の固形かつロウ状のものであり、こ
の状態で“硬化パラフィン”又は“パラフィンロウ”と
呼ばれる。1000g/モルより大きいモル質量を有す
るパラフィンはポリオレフィンとしてすでにしばしば表
示される(文献:Roempps Chemie-Lexikon "Paraffin
e") 。“キャップ- オフ-インク”に関してパラフィン
ロウ分散液及び(又は)ポリオレフィンロウ分散液を使
用する。ポリオレフィンロウは、たとえば10,000
g/モルより小さいモル質量を有するポリエチレン(P
E)、──これはLDPEと呼ぶ──である。この低分
子PEは、その本来の性質からロウ様である。
のパラフィン又はパラフィンロウ(又は硬パラフィン)
であるので、ここで一部又は以下にパラフィンロウにつ
いてのみ言及する。この際、必要によりポリオレフィン
ロウは同様に上述の意味である。パラフィン分散物の固
体含有率約35%の場合、インク中にせいぜい約0.4
〜0.5%パラフィン分散物を使用する。この場合、字
画の同時に短い乾燥時間と共に長い“キャップ- オフ-
タイム”を有するインクが得られる。
量の微細沈澱が生じる孔の大きさ5μmのフィルターに
よってインクが後に澄明になるまでインクを濾過するこ
とができる。パラフィンロウはインクベース中に溶解し
ないが、インクベース中に単に微分散される。マーカー
をこの本発明のインクで満たした場合、蓄積部とペン先
にパラフィンロウを有するインクの著しく均一な配合物
が存在する。筆記用具をしばしばキャップがはずれたま
ま放置した場合、パラフィンロウがインク表面に皮膜を
形成して溶剤の著しい蒸発を阻止する。くさび形の先端
を有するマーカーをほんの2〜3時間の代りにほぼ2〜
4週間キャップをはずしたままにしておくことができ
る。この期間の後初めて、筆記用具が乾燥するほど多く
の溶剤はパラフィンロウ皮膜があるにもかかわらず消散
する。パラフィンロウの添加にもかかわらずしだいに常
に少量の溶剤が蒸発するので、キャップをはずしたまま
の筆記用具のインクはしだいに僅かに暗く、濃くなる。
短時間の筆記の後、色調が再び均等になるインク中でパ
ラフィンロウ分散物の種々の濃度を使用することができ
る。その際、濃度が低い場合“キャップ- オフ- タイ
ム”は高いパラフィンロウ- 濃度の場合よりも短くなる
と原則的にいえる。しかし多量のパラフィンロウをイン
ク中に使用した場合、比較的長い時間にわたってベタベ
タしたインク字画の乾燥時間は“キャップ- オフ- タイ
ム”に平行し増加する。
にインク字画の必要とする急速な乾燥時間を得るため
に、約35%の固体含有率を有するパラフィンロウ分散
物約0.4〜0.5重量%を添加するのが有利である。
変化する固体割合を有するパラフィンロウ分散物はその
定量的添加の点で適当に変化することができる。パラフ
ィンロウの代りに、液状パラフィンを使用した場合、
“キャップ- オフ- タイム”の増加は認められない。液
状パラフィンは溶剤中に極めて良好に混合される。これ
は確かに硬化パラフィンに比して少ない鎖長の液状パラ
フィンによるものである。それによって“キャップ- オ
フ- タイム”に対するパラフィンの作用は、極めて減少
する。
置するとそのペン先が多少乾燥する──完全に、十分に
乾燥しない──場合、キャップをしたまま放置すること
で再び湿潤する。上述した様に、本発明の“キャップ-
オフ- インク”中に永続的溶剤インクに慣用の界面活性
剤、特にフッ素界面活性剤を使用してはならない。しか
しこの界面活性剤はインクになめらかな表面の良好な湿
潤を与える。“キャップ- オフ-インク”の湿潤性質
は、この理由から通常のインクに於けるよりも場合によ
り僅かに悪い。インク字画の平面的付着の場合に特に、
“キャップ- オフ- インク”はインク表面に場合により
点状の、湿っていない箇所を生じる。これは透過光で明
らかに認められる。しかしほとんどの使用でこの作用は
生じない。
Claims (28)
- 【請求項1】 遅延された“キャップ- オフ- タイム”
を有するインク──これは筆記、製図、絵画又はマーキ
ング用インクであり、更に詳しくは有機溶剤、結合剤、
乾燥遅延剤、着色剤及び必要に応じて他の添加物を有す
る筆記用又はマーキング用液体である──に於て、乾燥
遅延剤はパラフィンロウ及び(又は)ポリオレフィンロ
ウであることを特徴とする、上記インク。 - 【請求項2】 乾燥遅延剤が、有機溶剤に不溶性のパラ
フィンロウ及び(又は)ポリオレフィンロウである、請
求項1記載のインク。 - 【請求項3】 乾燥遅延剤が、ポリエチレンロウであ
る、請求項1又は2記載のインク。 - 【請求項4】 ロウ、すなわちパラフィン- 又はポリオ
レフィンロウがインク配合物に添加される前に水性分散
物として存在する、請求項1ないし3のいずれかに記載
のインク。 - 【請求項5】 ロウ分散物中に使用されるパラフィン
が、少なくとも17個の炭素原子から成る鎖長を有す
る、請求項1ないし4のいずれかに記載のインク。 - 【請求項6】 ロウ分散物がインク配合物に添加される
前に20〜70重量%、好ましくは30〜60重量%の
固体含有率を有する、請求項1ないし5のいずれかに記
載のインク。 - 【請求項7】 溶剤が蒸発数>15、好ましくは蒸発数
=16を示し、この際比較値としてジエチルエーテル=
1を出発点とする、請求項1ないし6のいずれかに記載
のインク。 - 【請求項8】 有機溶剤がn- プロパノールである、請
求項1ないし7のいずれかに記載のインク。 - 【請求項9】 有機溶剤がi- プロパノール又はエタノ
ールである、請求項1ないし8のいずれかに記載のイン
ク。 - 【請求項10】 有機溶剤がi- プロパノール及びn-
プロパノールから成る混合物である、請求項1ないし9
のいずれかに記載のインク。 - 【請求項11】 結合剤が、特に塩基性染料を使用する
場合、酸性樹脂である、請求項1ないし10のいずれか
に記載のインク。 - 【請求項12】 結合剤が有機溶剤に可溶性である、請
求項1ないし11のいずれかに記載のインク。 - 【請求項13】 結合剤がフエノール- ホルムアルデヒ
ド- 樹脂である、請求項1ないし12のいずれかに記載
のインク。 - 【請求項14】 結合剤がフマール酸- コロホニウム-
付加物である、請求項1ないし13のいずれかに記載の
インク。 - 【請求項15】 着色剤が水不溶性染料又は水不溶性顔
料である、請求項1ないし14のいずれかに記載のイン
ク。 - 【請求項16】 着色剤がレーキ化可能な水溶性染料で
あり、この染料は結合剤でレーキ化される、請求項1な
いし15のいずれかに記載のインク。 - 【請求項17】 着色剤が、ソルベント- 又は塩基性染
料である、請求項1ないし16のいずれかに記載のイン
ク。 - 【請求項18】 着色剤が塩基性染料であり、この染料
はインク中に混入する際に酸性樹脂でレーキ化されるか
又はこれと反応する、請求項1ないし17のいずれかに
記載のインク。 - 【請求項19】 染料及び結合剤を有機溶剤中に溶解す
る、請求項1ないし18のいずれかに記載のインク。 - 【請求項20】 着色剤がインク配合物に添加される前
に有機溶剤中に、好ましくはn- プロパノール中に溶解
された液状染料として存在する、請求項1ないし19の
いずれかに記載のインク。 - 【請求項21】 分散- 助剤、特に3- メチル安息香酸
を含有する、請求項1ないし20のいずれかに記載のイ
ンク。 - 【請求項22】 フッ素- 界面活性剤、好ましくは界面
活性剤を含有しない、請求項1ないし21のいずれかに
記載のインク。 - 【請求項23】 有機溶剤60〜95重量%、結合剤1
〜10重量%、パラフィン- 及び(又は)ポリオレフィ
ンロウ0.01〜5重量%、着色剤1〜30重量%、3
- メチル安息香酸0〜8重量%、水0.01〜10重量
%及び(又は)他の添加物を含有する、請求項1ないし
22のいずれかに記載のインク。 - 【請求項24】 先ず、第一配合物(AB)を水(B)
中にロウ- 又はパラフィン- 及び(又は)ポリオレフィ
ン含有率(A1/A2)20〜70重量%を有するロウ
- 分散物、すなわちパラフィン- 又はポリオレフィンロ
ウ- 分散物として製造し、結合剤(C)及び必要により
3- メチル安息香酸(D)を溶剤(E)中に混入攪拌
し、この溶剤中に溶解して、第二配合物(CDE)を製
造し、次いで着色剤(F)をこの第二配合物(CDE)
に加え、この着色剤が溶解し、レーキ化される又は完全
に分散されるまで十分に混合し、次いで第一配合物(A
B)又はロウ- 分散物を加え、更に十分に混入攪拌する
ことを特徴とする、請求項1ないし23のいずれかに記
載のインクを製造する方法。 - 【請求項25】 結合剤(C)、溶剤(E)及び必要に
より3- メチル安息香酸(D)から成る第二配合物(C
DE)に、着色剤(F)──これは先ず水不溶性ソルベ
ント- 染料(F1)として、水溶性の塩基性染料(F
2)として又は顔料調製物(F3X)として存在する─
─を加える、請求項24記載の方法。 - 【請求項26】 着色剤(F)は、先ずn- プロパノー
ル(E1)中に溶解された水不溶性ソルブント- 染料
(F1)として又は必要により結合剤(C)でレーキ化
された水溶性染料(F2)として液状又はペースト状で
存在するか又は着色顔料(F3)として先ず第一にn-
プロパノール(E1)中に予め分散させることを特徴と
する、請求項1ないし23のいずれかに記載のインクを
製造する方法。 - 【請求項27】 第一配合物(AB)がロウ(A)又は
パラフィンロウ(A1)及び(又は)ポリオレフィンロ
ウ(A2)0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜
0.5重量%を有し、このロウは水(B)中に分散され
ている、請求項24又は25記載の方法。 - 【請求項28】 先ず結合剤、好ましくは酸性樹脂、た
とえばフマール酸-コロホニウム- 付加物(C1)又は
フエノール- ホルムアルデヒド- 樹脂(C2)を溶剤
(E)及び着色剤(F)と混合し、次いでこの混合物
(CEF)中にロウ分散物(AB)を混入攪拌すること
を特徴とする、請求項1ないし23のいずれかに記載の
インクを製造する方法。
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