JPH1059731A - 光学部品の成形装置 - Google Patents

光学部品の成形装置

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JPH1059731A
JPH1059731A JP22941996A JP22941996A JPH1059731A JP H1059731 A JPH1059731 A JP H1059731A JP 22941996 A JP22941996 A JP 22941996A JP 22941996 A JP22941996 A JP 22941996A JP H1059731 A JPH1059731 A JP H1059731A
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JP
Japan
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carrier
mold
chamber
molding
unit
Prior art date
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Application number
JP22941996A
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English (en)
Inventor
Katsunori Mukasa
克紀 武笠
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Fujinon Corp
Original Assignee
Fuji Photo Optical Co Ltd
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Filing date
Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/80Simultaneous pressing of multiple products; Multiple parallel moulds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/86Linear series of multiple press moulds
    • C03B2215/87Linear series of multiple press moulds with change of transportation direction in the horizontal plane, e.g. rectangular or "U" shape serial transport

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ローダ・アンローダステーションでは、胴型
を正確に位置決めでき、また加熱チャンバ内では、搬送
用治具と成形型との間での熱による影響を防止するため
に、ローダ・アンローダステーションと加熱チャンバ内
とでは、異なる搬送用治具を用い、しかもこの搬送用治
具を容易に交換できるようにする。 【構成】 チャンバ内用のキャリア20Hと、ローダ・
アンローダステーション11で成形型1を搬送するチャ
ンバ外用のキャリア20Lとを用い、これらキャリア2
0H,20Lは移載ステージ12でキャリア交換手段5
0で交換される。キャリア交換手段50は、一対のキャ
リア保持部材52H,52Lを昇降及び水平動可能に設
け、一方のキャリア保持部材で搬送基台15上に設置さ
れた4個の成形型1を組み込んだキャリアをクランプし
て持ち上げることにより、成形型1を残して、キャリア
だけが取り出される。他方のキャリア保持部材は予めキ
ャリアを保持しており、両キャリア保持部材を水平方向
に移動させて、この他方のキャリア保持部材を下降させ
ることにより、成形型1に組み込まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の形状をした
ガラス素材を加熱下でプレス成形することによって、レ
ンズその他の精密光学部品を成形する装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】光学部品として、例えばレンズの製造
は、近年においては、研磨方式の他に、ガラス素材をプ
レス成形する方式が用いられる。このための成形装置と
しては、図12に示したように、成形型1と上部加圧部
材2aと下部加圧部材2bとからなるプレス手段とを備
える構成とする。成形型1は、それぞれ相対向する面が
所定の曲面形状乃至平面形状となった成形面3a,4a
を有する上型3及び下型4と、胴型5とから大略構成さ
れる。通常は、胴型5に下型4を組み付けた状態とな
し、上型3は胴型5にガイドされて、下型4に対して近
接・離間する方向に変位させるように構成している。
【0003】レンズ成形を行うに当っては、上型3を下
型4から離間させた状態で、下型の成形面上にガラス素
材6を載置し、加熱雰囲気下でガラス素材を軟化させ
て、上型3及び下型4を胴型5にガイドさせて、両成形
面3a,4aでガラス素材を挾持させ、これら上型3及
び下型4をプレス手段の上部加圧部材2aと下部加圧部
材2bで上下から加圧することによりプレス成形が行わ
れて、ガラス素材6は上型3及び下型4の成形面3a,
4aに沿った形状に成形される。
【0004】レンズ成形機は以上のように構成される
が、このレンズ成形を行うシステム全体を自動化するに
当っては、例えば図13に模式的に示したように、加熱
機構とプレス手段を設けた加熱チャンバ7と、下型4に
対するガラス素材6の装着及び成形後のレンズの取り出
しを行うローダ・アンローダステーション8とを備えて
いる。レンズの成形は上型3と下型4との間で行われる
が、ガラス素材6を装着するロード作業やレンズを取り
出すためのアンロード作業を行うには、上型3を成形型
1から取り外さなければならない。従って、ローダ・ア
ンローダステーション8は供給・排出部8aと上型挿脱
部8bとからなり、供給・排出部8aではレンズ成形品
9の取り出し及びガラス素材6の装着が行われる。
【0005】以上のように構成することによって、上型
挿脱部8bで上型3を取り出した状態で、供給・排出部
8aに成形型1を移行させて、レンズ成形品が下型4の
上に配置されておれば、それをロボット等により取り出
して、新たなガラス素材を装着する。そして、この成形
型1が上型挿脱部8bに移行すると、上型4が成形型1
に組み付けられる。この状態で、成形型1を加熱チャン
バ7内に送り込まれて、レンズ成形が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、レンズ成形
を効率化するには、同時に多数のレンズ成形を行うよう
に構成する。このためには、複数の成形型を同時に加熱
チャンバとローダ・アンローダステーションとの間を往
復させる必要がある。そこで、複数の成形型を搬送用治
具に装着して成形型ユニットとなし、この成形型ユニッ
トを、例えばコンベアや送りねじ搬送方式、さらには駒
送り方式等の適宜の方式で搬送させる。この成形型ユニ
ットの搬送経路としては、ローダ・アンローダステーシ
ョンにおける供給・排出部から上型挿脱部を通り、加熱
チャンバに送り込み、またその逆の経路を通って供給・
排出部に至る経路となる。しかも、加熱チャンバ内で
は、ガラス素材を所定の温度状態にまで加熱するため
に、所定の時間滞留させるが、この加熱を効率的に行う
ために、加熱チャンバ内には、プレス成形部に加えてプ
リヒート領域を形成する。このプリヒート領域には、複
数の成形型ユニットが配置され、これら各成形型ユニッ
トはプリヒート領域内で順送りされる間に、ガラス素材
を設定温度にまで上げて、プレス成形を行う成形部に移
行させる。
【0007】ローダ・アンローダステーションにおける
上型挿脱部では、上型を成形型ユニットに挿脱させる
が、このために上型の挿脱機構が設けられる。通常は、
上型をクランプして引き上げることにより取り外すが、
この取り外しは比較的容易に行える。下型にガラス素材
が載置された後に、上型が組み込まれるが、一般に上型
は胴型にほぼ密嵌状態に嵌合されることから、上型と胴
型とを正確に位置合わせしなければ、上型の組み込みを
行えなくなってしまう。上型は挿脱機構に保持され、ま
た胴型は搬送用治具に装着されているから、挿脱機構に
よる上型の位置決めを正確に行うと共に、搬送用治具で
の胴型の位置決めも極めて厳格に行わなければならな
い。
【0008】一方、加熱チャンバ内でも、プリヒート領
域内で、またプリヒート領域から成形部に、というよう
に成形型を移動させる必要があることから、同時に成形
される複数の成形型は搬送用治具に装着させる。加熱チ
ャンバ内ではガラス素材を加熱するが、これと共に成形
型全体及び搬送用治具も加熱される。このために、成形
型及び搬送用治具は熱膨張することになり、この熱の影
響で成形型または搬送用治具に無理な力が作用して変形
や損傷を起こすおそれがある。そこで、熱によるダメー
ジを防止するには、搬送用治具の成形型を装着する部位
にある程度の隙間を設けなければならない。しかしなが
ら、搬送用治具における成形型の装着部に隙間を設ける
と、この隙間の範囲内で成形型が位置ずれするから、胴
型を厳格に位置決めできなくなってしまう。このよう
に、胴型を高精度に位置決めできないと、前述した上型
の組み込みに支障を来すことになる。
【0009】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、ローダ・アンローダステーションでは、胴型を
正確に位置決めでき、また加熱チャンバ内では、搬送用
治具と成形型との間での熱による影響を防止するため
に、ローダ・アンローダステーションと加熱チャンバ内
とでは、異なる搬送用治具を用い、しかもこの搬送用治
具を容易に交換できるようにすることを目的としたもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、成形型にガラス素材を供給し、また
成形品を取り出す機構を備えたローダ・アンローダステ
ーションと、加熱下で成形型内のガラス素材をプレス成
形する機構を備えた加熱チャンバと、成形型をローダ・
アンローダステーションと加熱チャンバとの間に移載す
る移載ステージとを有し、複数の成形型をキャリアに装
着して、このキャリアにより成形型を搬送するようにし
たものであって、ローダ・アンローダステーションで
は、成形型を微細に位置決め可能なチャンバ外用キャリ
アに装着し、加熱チャンバ内では、成形型を緩く位置決
めするチャンバ内用キャリアに装着するようになし、か
つこれらチャンバ外用及びチャンバ内用の各キャリア
は、上方に持ち上げることにより成形型から分離可能と
なし、移載ステージでは、キャリアを昇降させ、かつキ
ャリアと成形型とを水平方向に相対移動させることによ
って、キャリアの移し替えを行うキャリア交換手段を設
ける構成としたことを特徴とするものである。
【0011】キャリア交換手段の構成としては、チャン
バ外用キャリア保持手段と、チャンバ内用キャリア保持
手段とを用い、これらの保持手段は、キャリアをクラン
プして上下動させるものから構成することができる。キ
ャリアを交換する際には、両保持手段でそれぞれキャリ
アを持ち上げた状態で、成形型とキャリアとの水平方向
の位置を変える。成形型を移動させても良いが、安定性
及び位置合わせの観点からは、キャリアを水平方向に移
動させるように構成するのが好ましい。従って、2つの
保持手段は、それぞれ独立に上下動すると共に、連動し
て水平方向に移動させる構成とする。このようにキャリ
アを上下動することによって、成形型を挿脱させるに
は、成形型のうち、胴型が最も大径となるようにし、ま
たキャリアにおける成形型を収容させる部位の下部側に
呼び込み部を形成する。
【0012】ローダ・アンローダステーションにおいて
は、成形型から成形品を取り出すために、上型が取り外
されるが、成形時に上型と胴型との間にガラス素材が入
り込んで、ロック状態(かみ込み状態)になっているこ
とがある。このような成形型は排除しなければならな
い。成形装置の全体を自動化するには、成形型の排除も
自動的に行うのが好ましい。複数の成形型がキャリアに
装着されてユニット化されているから、そのうちの1個
の成形型が分離不能となっても、当該のキャリアに装着
されている全ての成形型を排除するのが、操作上の観点
から最も簡単である。この排除はチャンバ内用キャリア
に装着した状態で行う。そして、この排除に応じて、新
たに追加する必要がある。このためには、移載ステージ
には成形型補給部を設け、この成形型補給部には、所定
数の成形型を組み込んだチャンバ内用キャリアを所定数
ストックしておき、この成形型補給部から取り出すよう
にすれば良い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態につ
いて図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の
形態では、成形型は4個のレンズを同時に成形加工を行
うように構成したものを示すが、本発明による成形装置
は4個のレンズを形成するものに限定されない。またレ
ンズ以外の精密光学部品の成形を行う場合にも適用でき
る。なお、成形型自体の構成については、前述した従来
技術のものと同様であるから、以下においては、従来技
術の構成と同一または均等な構成部材については、同一
の符号を用いる。
【0014】まず、図1に成形装置全体の概略構成を示
す。図中において、10は加熱チャンバ、11はローダ
・アンローダステーション、12は移載ステージであ
る。ローダ・アンローダステーション11から移載ステ
ージ12を経て加熱チャンバ10内に成形型1を送り込
んで、成形型1内に載置されているガラス素材6を加熱
して軟化させた上で、プレス成形によりレンズ成形品9
の成形を行う。そして、成形が行われた後には、移載ス
テージ12を経てローダ・アンローダステーション11
に戻されて、成形型1から上型3を取り外して、レンズ
成形品9を取り出すと共に、新たなガラス素材6を載置
して、上型3を装着する。以下、順次この動作を繰り返
すことにより、レンズ成形が順次行われる。
【0015】レンズ成形を効率的に行うために、同時に
4個のレンズ成形が行われる。このために、搬送用治具
としてキャリア20が用いられ、このキャリア20に4
個の成形型1が組み込まれ、成形型ユニット21が構成
される。成形型ユニット21における搬送治具としての
キャリア20は、図2に示したように、全体が四角形の
板状の部材からなり、このキャリア20には、2列で4
箇所に装着用開口20aが形成されており、これら各装
着用開口20aには、図3に示したように、位置決めリ
ング22が固着して設けられている。位置決めリング2
2は、上部側が円筒状内面22aとなり、下部側は拡開
するテーパ面22bとなっている。テーパ面22bは成
形型1の呼び込み部となるものであり、また円筒状内面
22aは成形型1の胴型5を囲繞する部位である。従っ
て、4個の成形型1を下方に配置して、キャリア20を
上方から引き下げることによって、成形型1をキャリア
20に組み込むことができ、またキャリア20を持ち上
げると、成形型1から分離できるようになる。ここで、
キャリア20を上下動することにより成形型1に対して
着脱できるようにするために、胴型5の外径が最も大径
であり、上型3の上端部にはフランジ部3bが設けられ
ているが、このフランジ部3bの外径も、胴型5の外径
より小さくなっている。
【0016】ここで、キャリアは2種類用いられる。即
ち、加熱チャンバ10内で成形型1を搬送するために、
チャンバ内用のキャリア20Hと、ローダ・アンローダ
ステーション11で成形型1を搬送するチャンバ外用の
キャリア20Lとである。これらキャリア20Hとキャ
リア20Lとは、円筒状内面の孔径が異なるだけで、そ
れ以外の構成は同じである。即ち、チャンバ内用のキャ
リア20Hでは、熱変形を有効に吸収できるようにする
ために、円筒状内面の孔径を大きくして、胴型5との間
に隙間ができ、成形型1は緩く嵌合されるようにしてい
る。これに対して、チャンバ外用のキャリア20Lで
は、成形型1を正確に位置決めするために、円筒状内面
と胴型5との径差を少なくして、胴型3がほぼがたのな
い状態に嵌合されるようになっている。
【0017】チャンバ内用のキャリア20Hは、加熱チ
ャンバ10内を搬送されると共に、加熱チャンバ10と
移載ステージ12との間を往復するものである。また、
チャンバ外用のキャリア20Lは、ローダ・アンローダ
ステーション11で搬送されると共に、ローダ・アンロ
ーダステーション11と移載ステージ12との間を往復
移動する。従って、チャンバ内用のキャリア20Hに成
形型1が組み込まれると成形型ユニット21Hとなり、
またチャンバ外用のキャリア20Lに成形型1が組み込
まれると成形型ユニット21Lとなる。
【0018】加熱チャンバ10は、チャンバ内用キャリ
ア20Hを移載ステーション12から搬入したり、搬出
したりするための搬入・搬出部10aと、プリヒート部
10bと、成形部10cと、還流部10dとを有する。
また、この加熱チャンバ10内にキャリア20Hの搬送
経路を形成するために、このキャリア20Hの側部をガ
イドするガイドレール13,13が設けられており、こ
のガイドレール13は方形ループ状となっている。そし
て、このガイドレール13による搬送経路には、所定数
のキャリア20Hが配置可能になっている。
【0019】例えば、図1に示した搬送経路では、横方
向に4個のキャリア20Hが並び、また縦方向には3個
並べることができ、全体として10個のキャリア20H
を並べることができる。ただし、搬送経路に沿ってキャ
リア20Hを搬送するために、1個少ない9個のキャリ
ア20Hを配置して、各方向にキャリア20Hを押動す
るシリンダ14a〜14dを設ける。そして、これら各
シリンダ14a〜14dは、図1のシリンダ14aのよ
うに、キャリア20Hの1個の幅分に相当する距離だけ
押動するようになし、シリンダ14a〜14dを逐次的
に作動させることによって、搬送経路に位置する各キャ
リア20Hは順次駒送りされる。また、加熱チャンバ1
0においては、成形部10cには上部及び下部の加圧部
材(図示せず)が設けられ、またプリヒート部10bは
加熱領域となっており、搬入・搬出部10a及び還流部
10dは常温領域となっている。従って、この還流部1
0dは、加熱状態にあるレンズ成形品9の冷却領域とも
なる。
【0020】次に、ローダ・アンローダステーション1
1には、供給・排出部11aと上型挿脱部11bとを有
する。ローダ・アンローダステーション11では、4個
の成形型1はチャンバ外用キャリア20Lに装着され
る。ここで、チャンバ外用キャリア20Lは1個だけ配
置される。そして、成形型1をキャリア20Lに装着し
てなる成形型ユニット21Lは、供給・排出部11aか
ら上型挿脱部11bを経由して移載ステージ12に至る
経路を往復移動するようになっている。このために、搬
送基台15が設けられ、成形型1を装着したキャリア2
0Lはボールねじ送り手段16により搬送される。
【0021】上型挿脱部11bでは、上型3を引き上げ
て胴型5から分離し、また上型3を引き下げて、胴型5
内に挿入するために、上型挿脱装置30が設けられてい
る。この上型挿脱装置30は、図4及び図5に示したよ
うに、昇降台板31と、この昇降台板31に対して近接
・離間する方向に変位可能なクランプ手段32L,32
C,32R(これらクランプ手段を総称する場合には、
符号32を用いる)とを備えている。
【0022】クランプ手段32は昇降台板31の下部に
おいて、成形型ユニット21の搬送方向に向けて平行に
3本設けられており、左側のクランプ手段32Lは右方
向に張り出され、また右側のクランプ手段32Rは左方
向に張り出され、中央のクランプ手段32Cは左右両方
向に張り出されている。そして、これら各クランプ手段
32は、上型3の上部に設けたフランジ部3bと胴型5
の上面との間に差し込まれて、昇降台板31との間でク
ランプするものである。昇降台板31には、スライドガ
イド33が6箇所に設けられており、これら各スライド
ガイド33にはそれぞれ駆動ロッド34が挿通されてい
る。駆動ロッド34は、上型3をクランプ及びクランプ
解除するための駆動手段を構成するものであり、これら
駆動ロッド34の下端部は、3箇所設けられているクラ
ンプ手段32のそれぞれの両端近傍部に固定されてい
る。また、駆動ロッド34の上端部は駆動板35に連結
・固定されており、かつ昇降台板31にはこの駆動板3
5を上下動するためのエアシリンダ36が設けられてい
る。従って、エアシリンダ36により6本の駆動ロッド
34は同時に昇降駆動されて、これらの駆動ロッド34
に連結した3箇所のクランプ手段32は同時に作動す
る。
【0023】昇降台板31には、2本の連結ロッド37
が立設されている。これら連結ロッド37は軸受部材3
8に挿通されており、この軸受部材38は上下方向に設
けたスライドガイド39に沿って昇降する昇降ブロック
40に連結されている。昇降ブロック40には、モータ
41aとねじ軸41bとからなるボールねじ送り手段4
1が連結されており、これにより昇降台板31が昇降駆
動される。また、連結ロッド37の先端には、この連結
ロッド37の外径より大径のストッパ42が固定して設
けられており、常時においては、昇降台板31及びそれ
に搭載されている部材の自重の作用により、軸受部材3
8はストッパ42に当接して、昇降ブロック40に対し
て所定の位置関係に保持されている。ただし、昇降台板
31に押し上げる方向の力が加わると、連結ロッド37
が軸受部材38に対して摺動して、昇降ブロック40を
所定の位置に保持した状態で、昇降台板31が上昇する
ようになっている。さらに、昇降台板31には4箇所の
真空吸着通路43が設けられて、上型3のフランジ部3
bを真空吸着できるようになっている。
【0024】上型挿脱装置30は以上のように構成さ
れ、この上型挿脱装置30は、キャリア20Lの搬送方
向と平行な方向に3本のクランプ手段32が向くように
して配置される。そして、キャリア20Lは、4個の成
形型1が左右に2個ずつ並んだ状態にして搬送され、左
側の2個の成形型1は、クランプ手段32L,32C間
の部位を、また右側の2個の成形型1はクランプ手段3
2C,32R間の部位をそれぞれ通るようになってい
る。これによって、成形型ユニット21Lを構成するキ
ャリア20Lを所定の搬送経路に沿って搬送する間に、
各成形型1における4個の上型3を同時にクランプさせ
て、胴型5に対して挿脱できる。
【0025】また、供給・排出部10aにおいては、図
1から明らかなように、Y軸ガイド44が設けられてお
り、このY軸ガイド44にローディング用ロボット45
と、アンローディグ用ロボット46とが設置されてお
り、これらロボット45,46ではX軸方向に移動可能
な真空吸着手段45a,46aが昇降可能に設けられて
いる。これら真空吸着手段45a,46aによりガラス
素材6及びレンズ成形品9を保持するものである。ロー
ディグ用ロボット45では、パレット47からガラス素
材6を1個づつ取り出して成形型1に供給し、またアン
ローディング用ロボット46は成形型1からレンズ成形
品9を取り出して、パレット48に移載する。即ち、上
型挿脱部10bの上型挿脱装置30により上型3が成形
型1から取り出された状態で、成形型ユニット21Lが
供給・排出部10aに搬送されると、まずアンローディ
ング用ロボット46でレンズ成形品9が取り出され、次
いでローディング用ロボット45で新たなガラス素材6
が成形型1の下型4上に載置される。
【0026】さらに、移載ステージ12は加熱チャンバ
10とローダ・アンローダステーション11との間に成
形型ユニットを移載すると共に、キャリアの交換を行
う。加熱チャンバ10の搬入・搬出部10aとの間に成
形型ユニット21Lを移行させる移載台17を有する。
移載台17は、昇降及び搬入・搬出部10aと移載ステ
ージ12との間を往復移動するものである。この移載台
17は加熱チャンバ10内に位置している時には、搬入
・搬出部10aとして、成形型ユニット21Hの搬送経
路の一部を構成する。従って、移載台17には、その左
右にガイドレール17a,17aが設けられており、こ
の移載台17はシリンダ18により上下動されるもので
ある。従って、シリンダ18により移載台17が上昇し
た時には、加熱チャンバ10の搬入・搬出部10aにお
ける搬送経路を構成し、また移載台17が下降した位置
では、搬送基台15に隣接する位置となる。この部位に
シリンダ49a,49bが設けられ、成形型ユニット2
1Hはこの位置で移載台17と搬送基台15との間で受
け渡し及び受け取りができる。
【0027】移載ステージ12において、搬送基台15
が移載台17から離れた位置にまで変位した位置に、キ
ャリア交換装置50とキャリアストック部51とが設け
られている。キャリア交換装置50は、図6及び図7に
示したように、2つのキャリア保持部材52H,52L
を備え、これらキャリア保持部材52H,52Lにより
キャリア20H,20Lを保持した状態で昇降できるよ
うになっている。
【0028】キャリア保持部材52H,52Lは水平動
ブロック53H,53Lを有し、これら水平動ブロック
53H,53Lは水平方向ガイド手段54に連結して設
けられている。キャリア保持部材52H,52Lにより
キャリア20H,20Lをクランプ・保持するために、
それぞれ一対からなるクランプ板55H,55H及び5
5L,55Lを有し、これらクランプ板55H,55H
及び55L,55Lは開閉アクチュエータ56H,56
Lに相互に近接・離間する方向に移動可能に連結されて
いる。開閉アクチュエータ56H,56Lはシリンダ5
7H,57Lによりガイドロッド58H,58Lに昇降
可能に取り付けられている。これらシリンダ57H及び
ガイドロッド58Hは水平動ブロック53Hに、またシ
リンダ57L及びガイドロッド58Lは水平動ブロック
53Lに設けられている。
【0029】これによって、シリンダ57H,57Lに
より開閉アクチュエータ56H,56Lは独立に昇降さ
せることができ、下降状態で、クランプ板55H,55
H間または55L,55L間でキャリア20Hまたは2
0Lをクランプ保持される。そして、シリンダ57Hま
たは57Lを上昇させることによって、キャリア20H
または20Lを上方に持ち上げて、成形型1から分離で
きるようになる。また、キャリア20H,20Lを保持
した状態から、それらを下降させると、成形型1をキャ
リア20H,20Lに装着できる。
【0030】キャリア保持部材52H,52Lは、シリ
ンダ等の駆動手段からなる水平方向ガイド手段54によ
り、いずれか一方が搬送基台15の上部位置に変位でき
るようになっている。即ち、キャリア保持部材52H,
52L間に連結部材59が掛け渡して設けられており、
また水平方向ガイド手段54には、左右のストッパ54
a,54bが取り付けられている。従って、一方向に移
動すると、キャリア保持部材52Hが搬送基台15の上
部位置に配置されて、キャリア20Hをクランプ保持で
き、また反対方向に移動すると、キャリア保持部材52
Lが搬送基台15の上部位置に変位して、キャリア20
Lをクランプ保持できる。
【0031】また、キャリアストック部51は、成形型
1において、レンズ成形後に上型挿脱装置30により上
型3を取り外し分離を行うことができない時には、この
成形型1をキャリア20Hに組み込んだ成形型ユニット
21Hの状態で排除して、新たな成形型ユニット21H
を搬入するためのものである。このために、多段の棚6
0aからなるストッカ60を備え、このストッカ60
は、リニアモータ61により昇降駆動される。そして、
搬送基台15と同じ高さ位置で、この搬送基台15とス
トッカ60との間に成形型ユニット21Hの排出・供給
用通路62が設けられている。ストッカ60を構成する
各段の棚60aには、最上の1段の棚を除いて、ガラス
素材6を装着した4個の成形型1をキャリア20Hに組
み込んだ状態の成形型ユニット21Hが載置されてお
り、キャリア20Hに装着されている4個の成形型1の
うち、1個の成形型1の上型3が分離不能となっている
と、この成形型ユニット21Hをストッカ60にストッ
クされている成形型ユニット21Hと交換するようにな
っている。
【0032】上型3が分離不能となった成形型1を含む
成形型ユニット21Hが搬送基台15上に位置している
と、まずこの成形型ユニット21Hを搬出・供給用通路
62を介してストッカ60のうちの空の棚に排出し、こ
の状態でストッカ60を上昇させて、新たな成形型ユニ
ット20Hが載置されている棚を搬出・供給用通路62
の高さ位置に臨ませ、この棚から成形型ユニット20H
を取り出して、搬送基台15に送り込むようにしてい
る。この成形型ユニット21Hの排出及び供給を行うた
めに、押動部材63が設けられている。この押動部材6
3は、軸64によりロータリアクチュエータ65に水平
方向に90°回動可能に設けられており、このロータリ
アクチュエータ65はロッドレスシリンダ66により往
復移動させるようにしている。
【0033】押動部材63は略L字状の板体からなり、
この押動部材63には、押動パッド63aと押動パッド
63bとが設けられており、ロータリアクチュエータ6
5を作動させることにより押動部材63を反転させた時
に、これら押動パッド63a,63bが選択的に搬出・
供給用通路62に臨んで、成形型ユニット20Hを押動
させるようになっている。そして、図8に示したよう
に、ロータリアクチュエータ65によって押動部材63
を90°水平方向に往復回動変位させることによって、
押動パッド63aが搬出・供給用通路62に臨んでキャ
リア20Hの一側面に当接する状態(図中に実線で示し
た状態)と、押動パッド63bが搬出・供給用通路62
に臨んでキャリア20Hの反対側の側面に当接する状態
(図中に仮想線で示した状態)とに変位可能となってい
る。これによって、押動パッド63aによりキャリア2
0Hを成形型ユニット21Hを搬送基台15から搬出・
供給用通路62を経てストッカ60に向けて搬出を行
い、また押動パッド63bが搬出・供給用通路62に臨
むと、ストッカ60内の成形型ユニット21を搬送基台
15に供給できる。しかも、これらの動作を行う際に、
ロッドレスシリンダ66による押動部材63の移動スト
ロークを変える必要はない。また、押動パッド63aが
搬出・供給経路62に臨む状態では、ロッドレスシリン
ダ66への連結部から前方に大きく突出する状態となる
から、搬送基台15の搬送経路に干渉する位置までロッ
ドレスシリンダ66を延在させる必要がなくなる。
【0034】以上のように構成することによって、まず
4個の成形型1をチャンバ外用のキャリア20Lに装着
して、ボールねじ送り手段16を作動させて、ローダ・
アンローダステーション11における供給・排出部11
aの位置に配置し、この位置でローディング用ロボット
45を作動させて、パレット47からガラス素材6を真
空吸着手段45aにより吸着させて取り出し、各成形型
1の下型4の成形面4aに供給する。なお、この供給・
排出部11aでは、成形型1における上型3は取り外さ
れている。この上型3の取り外しは上型挿脱部11bで
行われる。また、供給・排出部11aに搬入された成形
型1に、既にレンズ成形品9が配置されている時には、
アンローディング用ロボット46によりレンズ成形品9
を取り出して、パレット49に収納させてから、ローデ
ィング作業が行われる。胴型5は位置決めリング22の
円筒状内面22aにほぼ完全に規制されているから、こ
のローデイング作業(及びアンローディング作業)時
に、胴型5はみだりに位置ずれするようなことはない。
【0035】4個の成形型1をキャリア20Lに装着さ
せた成形型ユニット21Lに、それぞれガラス素材6が
供給されると、搬送基台15により搬送されて、上型挿
脱部11bの位置に移行する。この上型挿脱部11bの
位置には、上型挿脱装置30が配置されており、この上
型挿脱装置30のクランプ手段32により4個の上型3
がクランプされている。従って、搬送基台15により搬
送された成形型ユニット21Lにおける各成形型1の胴
型5内に上型3が連結される。ここで、上型3は、成形
型ユニット21Lが排出・供給部11aに移行する前
に、この上型挿脱部11bで取り外されたものである。
【0036】ここで、成形型ユニット21Lにおける上
型3を除いた成形型1は、その胴型5が位置決めリング
22の円筒状内面22aにより正確に位置決めされた状
態となっているから、キャリア20Lに対して胴型5の
位置がずれることはない。従って、キャリア20Lが正
確に位置決めされると、クランプ手段32によりクラン
プされている4個の上型3と、それらが組み込まれる胴
型5との軸線は実質的に正確に位置が合った状態にな
る。従って、ボールねじ送り手段16として、例えばス
テッピングモータ等の位置決め精度の良好な駆動機構を
用いることにより、上型挿脱装置30のクランプ手段3
2にクランプされている上型3を確実に胴型5内に挿入
できる。なお、上型3及び胴型5の嵌合部分には、少な
くとも一方に呼び込み部を設ければ、この呼び込み部の
範囲内で胴型5と位置決めリング22との間に僅かな隙
間を持たせることができる。これによって、後述するキ
ャリア20Lの着脱が容易になる。そして、上型3の装
着時に、胴型5に倣うようにするために、クランプ手段
32による上型3のクランプを解除して、真空吸着通路
43による吸着力により上型3を保持させるのが好まし
い。
【0037】上型挿脱部11bで上型3が組み込まれる
ことによって、成形型ユニット21Lは、下型4の成形
面4aと上型3の成形面3aとの間にガラス素材6が装
着された状態になる。そして、搬送基台15を移載ステ
ージ12におけるキャリア交換装置50の配設部に移行
させる。ここで、キャリア交換装置50におけるキャリ
ア保持部材52Hはチャンバ内用のキャリア20Hを保
持して、上昇位置に配置されている。また、搬送基台1
5の上部位置にはキャリア保持部材52Lが配置されて
いる。
【0038】搬送基台15が移載ステージ12に移行し
た時に、まずキャリア保持部材52Lにおけるシリンダ
57Lが作動して、図9に示したように、クランプ板5
5L,55Lが下降する。そして、開閉アクチュエータ
56Lを作動させることによって、同図に仮想線で示し
たように、クランプ板55L,55Lを近接させること
により、キャリア20Lの両側部がクランプされる。こ
の状態で、シリンダ57Lを縮小させると、図10のよ
うに、キャリア20Lをクランプしたクランプ板55
L,55Lが上昇することになり、従ってキャリア20
Lが成形型1から分離されて、搬送基台15上には、4
個の成形型1だけが残る。
【0039】そこで、水平方向ガイド手段54を作動さ
せて、キャリア20Hをクランプ保持しているクランプ
板55Hを搬送基台15の上部位置に変位させ、シリン
ダ57Hを作動させて、キャリア20Hをクランプした
クランプ板55H,55Hを下降させる。キャリア20
Hには位置決めリング22が設けられており、この位置
決めリング22の下部はテーパ面22bとなっているか
ら、搬送基台15に配置されている4個の成形型1が確
実に位置決めリング22内に入り込み、成形型1はキャ
リア20Hに装着される。そして、クランプ板55H,
55Hによるキャリア20Hのクランプを解除した後
に、シリンダ57Hによりクランプ板55H,55Hを
上昇させる。これによって、搬送基台15にはチャンバ
内に搬入されるチャンバ内用の成形型ユニット21Hに
組み替えられる。
【0040】キャリアの組み替えが行われると、搬送基
台15をさらに移動させて、移載台17に接続される位
置に配置する。ここで、移載台17はシリンダ18によ
り下降位置に配置されており、シリンダ49aを作動さ
せると、成形型ユニット21Hはこの移載台17に移行
する。ここで、移載台17は、加熱チャンバ10におけ
る常温領域にある搬入・搬出部10aの部位での搬送経
路を構成するものであり、従ってこの移載台17に成形
型ユニット21Hが送り込まれた後に、移載台17を上
昇させることによって、この成形型ユニット21Hは加
熱チャンバ10における搬送経路に送り込まれる。而し
て、移載台17が下降している際には、加熱チャンバ1
0内の搬送経路には、この搬入・搬出部10aと、4箇
所の角隅部のうちの1箇所との2箇所において、成形型
ユニット21Hが欠落し、8個の成形型ユニット21H
が配置された状態となっている。
【0041】移載台17が上昇して、この移載台17が
加熱チャンバ10における搬送経路の一部を構成する状
態になると、この搬送経路には9個の成形型ユニット2
1Hが配置され、1箇所の角隅部のみは成形型ユニット
21Hが配置されていない。そこで、4箇所設けたシリ
ンダ14a〜14dを順次作動させることにより、搬送
経路に9個配置されている成形型ユニット21Hは駒送
りされる。従って、移載台17に送り込まれた成形型ユ
ニット21Hはプリヒート部10bに移行して加熱が開
始される。そして、プリヒート部21Hにおける最前方
に位置する成形型21Hは成形部10cに、成形部10
cに位置してレンズ成形が完了した成形型ユニット21
Hは還流部10dに移行する。さらに、還流部10dの
先頭に位置していた成形型ユニット21Hは搬入・搬出
部10aに配置されている移載台17に移行する。な
お、装置の起動時にあっては、加熱チャンバ10内に
は、9個の成形型ユニット21Hが配置されているが、
これらの成形型ユニット21Hにおける成形型1にはガ
ラス素材6が載置しないようにしておく。従って、この
起動時における9回の動作までは、レンズ成形はなされ
ないが、それ以後はレンズ成形が行われる。
【0042】装置の稼働における定常状態では、プリヒ
ート部10bから成形部10cまでの部位は加熱領域に
ある。従って、成形型ユニット21Hがこの加熱領域に
移行すると、ガラス素材6が加熱されると共に、成形型
ユニット21H全体が加熱される。成形型1はレンズ成
形を行うのに適した材質で形成され、通常は、成形型1
の搬送用治具であるキャリア20H及び位置決めリング
22は成形型1とは異なる材質で形成される、従って、
成形型1とそれが装着されるキャリア20Hとは熱膨張
率が異なってくる。このために、熱の影響で成形型1に
ストレスが作用しないようにする必要がある。キャリア
20Hには、成形型1はかなりの隙間を持たて、緩く嵌
合させた状態となっているから、熱により成形型1にス
トレス等が作用することはない。
【0043】駒送りにより還流部10dから移載台17
に移行した成形型ユニット21Hは、成形部10cを経
ているから、各成形型1でレンズ成形が行われた状態に
なっている。そこで、移載台17が下降して、搬送基台
15の高さ位置まで変位させる。シリンダ49bを作動
させると、移載台17から搬送基台15に成形型ユニッ
ト21Hが移行する。この成形型ユニット21Hの移載
が行われると、搬送基台15がキャリア交換装置50の
下方位置に移動する。ここで、キャリア交換装置50に
おいては、キャリア保持部材52Lにはキャリア20L
が保持されており、キャリア保持部材52Hは非作動状
態で、キャリア保持部材52Hは搬送基台15の上部位
置に配置されている。従って、まずキャリア保持部材5
2Hを作動させて、成形型1が装着されているキャリア
20Hを持ち上げることにより、このキャリア20Hを
分離する。次いで、水平方向に移動させて、キャリア2
0Lを保持しているキャリア保持部材52Lを下降させ
て、搬送基台15上に配置されている4個の成形型1に
キャリア20Lを組み込む。
【0044】キャリア20Lの組み込みが行われて、キ
ャリア保持部材52Lが上昇すると、搬送基台15が上
型挿脱部11bに移行する。この上型挿脱部11bの位
置に移行すると、クランプ手段32が胴型5と上型3の
フランジ部3bとの間に挿入されることになる。そこ
で、図12に示したように、エアシリンダ36を作動さ
せて、上型3のフランジ部3bをクランプ手段32と昇
降台板31との間にクランプさせて、ボールねじ送り手
段41を作動させることによって、上型3を持ち上げる
ようにして、胴型5から分離する。これによって、レン
ズ成形品9が配置されている下型4の上部が開放され
る。
【0045】さらに、搬送基台15を供給・排出部11
aに移行させて、アンローディング用ロボット47を作
動させて、各下型4からレンズ成形品9を取り出した後
に、ローディング用ロボット46を作動させることによ
り、次のガラス素材6が供給される。そして、このロー
ド・アンロード作業が終了すると、上型挿脱部11bに
移行して、上型3が組み込まれ、さらに移載ステージ1
2でキャリア20Lとキャリア20Hとを交換した後
に、移載台17に成形型ユニット21Hが搬入される。
以上の動作を繰り返すことによって、順次レンズ成形を
自動的に行うことができる。
【0046】ここで、加熱チャンバ10外では、上型3
の着脱を行うために、成形型1における胴型5の位置決
め精度が極めて良好なキャリア20Lを用い、加熱チャ
ンバ10の内部では、熱変形等が生じないようにするた
めに、胴型5を緩く嵌合させたキャリア20Hを用いる
ように、キャリアの交換を行っている。この結果、ガラ
ス素材6の供給から、ガラス素材6を加熱して、プレス
手段により成形し、然る後にレンズ成形品9の取り出し
に至る全作業を極めて円滑に行える。しかも、キャリア
の交換を行う際には、成形型1を静止状態に保って、キ
ャリアを上下することにより行えるから、この交換作業
が極めて円滑に行われ、交換時に成形型1が倒れたりす
る等の不都合を生じることはない。
【0047】ところで、加熱チャンバ10におけるプリ
ヒート部10bに搬入されると、ガラス素材6が加熱さ
れて軟化するが、ガラス素材6全体が均一に加熱されて
おれば、上部及び下部の加圧部材での加圧が正確に行わ
れる。しかしながら、熱の偏在が生じていると、軟化の
度合いが大きい部位がプレス成形により上型3が下降す
る際に、この上型3の外周部と胴型5の内周部との間に
侵入することがある。このままの状態でレンズ成形品9
が冷却されて硬化してしまうと、上型3が分離できなく
なってしまう。上型3が分離不能になると、その成形型
1はで以後レンズ成形を行えなくなる。従って、このよ
うな上型3が分離不能となった成形型1は排除しなけれ
ばならない。然るに、上型挿脱装置30では、1つの成
形型ユニット20Lを構成する4個の成形型1における
上型3を同時にクランプして取り出すようにしているか
ら、そのうちの1個の成形型でも上型が分離不能となっ
ていると、当該の成形型ユニット20Lの全ての成形型
が分離できなくなる。
【0048】そこで、上型挿脱装置30において、適宜
の検出機構、例えばクランプ手段32と昇降台板31と
の間で上型3をクランプして所定の位置まで持ち上げた
時に、その荷重を検出するセンサを設けるか、あるいは
クランプ手段32で持ち上げた後、真空吸着通路43を
作動させると共にクランプ手段32によるクランプを解
除した状態で所定の位置まで引き上げるようになし、そ
の時における真空吸着通路43から上型3が脱着したこ
とを検出するセンサを設ける等により検出する。そし
て、この上型3の分離不能を検出した時に、この成形型
ユニット20Lは供給・排出部11aに移行させるので
はなく、移載ステージ12に引き戻して、系外に排出す
る。ただし、キャリア20Lは1個だけしか設けられて
いないから、キャリア20Lを装着したまま排出する
と、以後のローダ,アンローダ作業を行えなくなる。ま
た、成形型1だけを排除すると、排除時に成形型1が他
の成形型1やその他の部材に衝突して損傷を来すことに
なる。
【0049】以上のことから、成形型1の排除は、キャ
リア20Hに装着した状態で行う。ただし、加熱ユニッ
ト10内では、成形型ユニット21Hは駒送りされるこ
とから、成形型ユニット21Hを排除すると、そのまま
では加熱ユニット10内での駒送りを行えなくなってし
まう。
【0050】キャリアストック部51には、そのストッ
カ60にいくつかの成形型ユニット21Hがストックさ
れており、これらの成形型ユニット21Hにおける各成
形型1にはガラス素材6が装着されている。そこで、こ
のストッカ60にストックされている成形型ユニット2
1Hと交換する。
【0051】即ち、上型3が分離不能な成形型1を含む
成形型ユニット21Lが搬送基台15により移載ステー
ジ12に戻されると、キャリア交換装置50を作動させ
て、キャリア保持部材52Lでキャリア20Lを取り外
すと共に、キャリア保持部材52Hに保持されているキ
ャリア20Hを成形型1に装着する。この状態で、押動
部材63を作動させて、その押動パッド63aをキャリ
ア20Hに当接させ、ロッドレスシリンダ66を作動さ
せることにより、押動部材63をストッカ60側に向け
て移動させる。これによって、当該の成形型ユニット2
1Hは搬出・供給通路62に沿って移動して、ストッカ
60における空の棚60aに送り込まれる。そして、ロ
ータリアクチュエータ65で押動部材63を90°反転
させると共に、リニアモータ61を作動させて、ストッ
カ60を引き上げる。これによって、成形型ユニット2
1Hが載置されている2段目の棚60aが搬出・供給通
路62と同じ高さ位置に臨むことになる。しかも押動部
材63の反転により、押動部63bがこの成形型ユニッ
ト21Hにおける搬出・供給通路62とは反対側の側面
に対面する状態になる。従って、ロッドレスシリンダ6
6を作動させると、この成形型ユニット21Hが押動さ
れて、搬送基台15上に移行させられる。
【0052】搬送基台15に補給された成形型ユニット
21Hは、移載台17の位置まで移行して、この移載台
17が上昇することによって、加熱チャンバ10内に、
上型3が分離不能となった成形型1を含む成形型ユニッ
ト21Hと交換されて、新たな成形型ユニット21Hの
供給が行われる。従って、たとえ上型3が分離不能にな
ったとしても、装置を緊急停止させることなく、連続的
に稼働させることができる。そして、ストッカ60に成
形型ユニット21Hが残存している限りは、順次成形型
ユニット21Hの補給を行うことができる。
【0053】従って、レンズ成形装置の起動から、上型
3の分離不能になる頻度に応じた数の成形型ユニット2
1Hをストッカ60に備えるようにすれば、装置の緊急
停止という事態は生じない。ただし、上型3の分離不能
事態が頻繁に発生する異常事態を考慮して、なおかつ装
置が緊急停止するのを防止するには、ダミーキャリアを
用いる。このダミーキャリアは、外形がキャリア20H
と同じ部材とする。そして、このダミーキャリアは、適
宜の位置、例えば移載ステージ12において、図1の矢
印方向から成形型ユニット21Hと交換して、搬送基台
15に供給できるようにする。このダミーキャリアは、
加熱チャンバ10に搬入されるこのであって、これによ
って少なくとも加熱チャンバ10内における成形型ユニ
ット21Hの駒送りが可能となる状況を造り出すことが
できる。ただし、このダミーキャリアが成形部10cに
移行したとしても、プレス成形は行わない。
【0054】また、上型3が分離不能となった成形型ユ
ニット21Hそのものをダミーキャリアとして用いるこ
とも可能である。即ち、上型3が分離不能となった場合
には、搬送基台15を移載ステージ12に戻して、キャ
リア20Lとキャリア20Hとを交換した状態で、再び
加熱チャンバ10に戻すようにする。勿論、この場合に
おいても、それが成形部10cに移行しても、プレス成
形は行わない。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、加熱チ
ャンバ内と、ローダ・アンローダステーションとでは、
異なるキャリアを用いて、移載ステージでキャリアを昇
降させることにより複数の成形型に着脱できるように構
成したので、ガラス素材の供給から、ガラス素材を加熱
して、プレス手段により成形し、然る後にレンズ成形品
の取り出しに至る全作業を極めて円滑に行える等の効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すレンズ成形装置の
全体構成図である。
【図2】成形型ユニットの外観図である。
【図3】成形型ユニットの要部断面図である。
【図4】上型挿脱装置の構成を示す外観図である。
【図5】上型挿脱装置による上型の挿脱状態を示す断面
図である。
【図6】移載ステージの構成を示す外観図である。
【図7】キャリア交換装置及びキャリアストック部の正
面図である。
【図8】キャリアストック部と搬送基台との間に成形型
ユニットを搬送する押動部材の作動説明図である。
【図9】キャリア保持部材の作動説明図である。
【図10】キャリア保持部材でキャリアを持ち上げた状
態を示す作動説明図である。
【図11】上型挿脱装置の作動説明図である。
【図12】成形型ユニットの断面図である。
【図13】従来技術によるレンズ成形装置の概略構成図
である。
【符号の説明】
1 成形型 3 上型 4 下型 5 胴型 6 ガラス素材 9 レンズ成形品 10 加熱チャンバ 10a 搬入・搬出部 10b プリヒート部 10c 成形部 11 ローダ・アンローダステーション 11a 供給・排出部 11b 上型挿脱部 12 移載ステージ 15 搬送基台 17 移載台 20,20H,20L キャリア 21,21H,21L 成形型ユニット 22 位置決めリング 30 上型挿脱装置 31 昇降台板 32 クランプ手段 50 キャリア交換装置 51 キャリアストック部 52H,52L キャリア保持部材 54 水平方向ガイド手段 55H,55L クランプ板 56H,56L 開閉アクチュエータ 60 ストッカ 62 排出・供給通路 63 押動部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形型にガラス素材を供給し、また成形
    品を取り出す機構を備えたローダ・アンローダステーシ
    ョンと、加熱下で成形型内のガラス素材をプレス成形す
    る機構を備えた加熱チャンバと、成形型をローダ・アン
    ローダステーションと加熱チャンバとの間に移載する移
    載ステージとを有し、複数の成形型をキャリアに装着し
    て、このキャリアにより成形型を搬送するようにしたも
    のにおいて、前記ローダ・アンローダステーションで
    は、成形型を微細に位置決め可能なチャンバ外用キャリ
    アに装着し、加熱チャンバ内では、成形型を緩く位置決
    めするチャンバ内用キャリアに装着するようになし、か
    つこれらチャンバ外用及びチャンバ内用の各キャリア
    は、上方に持ち上げることにより成形型と分離可能とな
    し、前記移載ステージでは、キャリアを昇降させ、かつ
    キャリアと成形型とを水平方向に相対移動させることに
    よって、キャリアの移し替えを行うキャリア交換手段を
    設ける構成としたことを特徴とする光学部品の成形装
    置。
  2. 【請求項2】 前記キャリア交換手段は、チャンバ外用
    キャリア保持手段と、チャンバ内用キャリア保持手段と
    を有し、これら2つの保持手段には、それぞれ独立に昇
    降駆動する昇降手段と、同時に水平方向に移動させる往
    復動手段とから構成したことを特徴とする請求項1記載
    の光学部品の成形装置。
  3. 【請求項3】 前記移載ステージには成形型補給部を設
    け、この成形型補給部には、所定数の成形型を組み込ん
    だチャンバ内用キャリアを所定数ストックしておき、成
    形後の成形型が分離不能になった時には、この分離不能
    な成形型を含む所定数の成形型をチャンバ内用キャリア
    と共に排除して、ストックされている成形型を組み込ん
    だチャンバ内用キャリアを移載ステージに移動させる構
    成としたことを特徴とする請求項2記載の光学部品の成
    形装置。
  4. 【請求項4】 前記成形型補給部には、多段の棚部材を
    昇降手段に連結して設け、これら各段の棚のうち、少な
    くとも1段の棚は空にし、他の段の棚には補給される成
    形型を組み込んだチャンバ内用キャリアを搭載させてお
    き、空の段の棚に分離不能な成形型を含むチャンバ内用
    キャリアを回収する構成としたことを特徴とする請求項
    3記載の光学部品の成形装置。
  5. 【請求項5】 前記加熱チャンバにチャンバ内用キャリ
    アの外形と一致するダミーキャリアを、分離不能な成形
    型を含むチャンバ内用キャリアを排除した後に、加熱チ
    ャンバに供給可能な構成としたことを特徴とする請求項
    3または請求項4記載の光学部品の成形装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113246509A (zh) * 2020-02-07 2021-08-13 株式会社大镐技术 透镜及模具移送系统
CN113246510A (zh) * 2020-02-07 2021-08-13 株式会社大镐技术 透镜及模具移送系统
CN113246508A (zh) * 2020-02-07 2021-08-13 株式会社大镐技术 透镜及模具移送系统

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