JPH1059124A - 車両のシートベルト取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】複数のシートベルト端部を１つのアンカープレ
ートにて取付けるようにしたものにおいて、簡単な構造
にて例えばフロア上への突出量を小さくして使い勝手性
等を向上することのできる車両のシートベルト取付構造
を提供する。 【構成】シートベルト７ａ、７ｂ、８ａ、及び８ｂの端
部は折返し接合されて、互いにループ長の異なるループ
部１８が形成されている。そして夫々、ループ長の長い
シートベルト７ａ及び７ｂ端部のループ部１８内に、こ
れらよりもループ長の短いシートベルト８ａ及び８ｂ端
部のループ部１８が互いの端部同士を重合せ状態にして
挿入されている。アンカープレート９、９は、これらル
ープ部１８内に挿通されてその両端部がこれらループ部
１８内から両側に突出しており、この突出部が前記各ボ
ルト１１により車体フロアＦに取付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両のシートベル
ト取付構造に関し、特に複数のシートベルト端部を１つ
のアンカープレートにて取付けるようにしたシートベル
トの取付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、複数のシートベルト端部をアンカ
ープレートを介して、例えばフロアに取付固定するよう
にした構造は種々公知である。例えば、特開平５−２７
０３５６号公報に記載されたもの（前者）は、夫々のシ
ートベルト端部にアンカープレートを各々取付け、これ
ら両アンカープレート同士を互いに重ね合せてフロアに
ボルト固定したものである。

【０００３】また、実開昭５８−６３１４９号公報に記
載されたもの（後者）は、フロアに取付固定されるＬ字
状アンカープレートの立片部に設けられた開口部内に両
シートベルト端部の互いを重合せ状に挿通せしめて取付
けたものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の車両のシートベルト取付構造においては、次に述べ
るような問題があった。即ち、前者においては、夫々の
シートベルト端部にアンカープレートを各々取付けた構
造であるので、アンカープレートを介してシートベルト
を取付けた際、両シートベルト端部の車幅方向の長さが
長くなってしまい、特に車幅寸法の小さい車両等におい
ては相手側シートベルト端部との間に十分な距離を確保
することが困難となるという問題があった。

【０００５】また、後者においては、両側のシートベル
ト端部の互いを重合せ状にして１つのアンカープレート
にて取付けるようにしているので上述した前者のような
問題はないものの、アンカープレートをＬ字状に形成し
てその立片部に両シートベルト端部を挿通せしめて取付
けたものであるので、フロア上にアンカープレートの前
記立片部が突出した状態となってしまい、特に前記アン
カープレート近傍のシートを格納して該部を荷室等とし
て使用する場合に使い勝手が悪くなるという問題があっ
た。

【０００６】本発明は、前記従来技術の問題点を解決す
るために提案されたもので、その目的は、複数のシート
ベルト端部を１つのアンカープレートにて取付けるよう
にしたものにおいて、簡単な構造にて相手側シートベル
ト端部との間に十分な距離を確保しつつ、取付部材例え
ばフロア上への突出量を小さくして使い勝手性等を向上
することのできる車両のシートベルト取付構造を提供す
ることである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上述の課題を解決し、目
的を達成するために、この発明に係わる車両のシートベ
ルト構造は、次のような構成を備える。即ち、請求項１
に係る構成は、複数のシートベルト端部を１つのアンカ
ープレートにて取付けるようにした構造において、前記
各シートベルト端部が折返し接合されて該各シートベル
ト端部に夫々ループ長の異なるループ部が形成されると
共に、ループ長の長いシートベルト端部の該ループ部内
に、これよりもループ長の短いシートベルト端部の該ル
ープ部が互いのシートベルト端部同士を重合せ状態とし
て挿入され、前記ループ長の短いシートベルト端部の該
ループ部内に前記アンカープレートが挿通せしめられて
該アンカープレートは、両端部が前記各シートベルト端
部のループ部内から側方に突出しており、該突出両端部
が取付部材に取付固定されてなることにより複数のシー
トベルトが取付けられてなるものである。

【０００８】これにより、簡単な構造にて相手側シート
ベルト端部との間に十分な距離を確保しつつ、取付部材
例えばフロア上への突出量を小さくして使い勝手性等を
向上することができる。

【０００９】また、請求項２に係る構成は、請求項１記
載の構成において、前記シートベルトは、シートクッシ
ョン上にシートバックが倒伏した状態で、シートクッシ
ョン前方側を中心として前記シートクッション及びシー
トバックが車両前方側に跳ね上げ移動自在に設けられる
後席側シートを備えた車両の前記後席側シート近傍の車
体フロア部に取付けられてなるものである。これによ
り、前記効果に加え、車両前方側に跳ね上げ移動した後
席側のシート後方の広い車室空間を荷室等に有効利用で
きる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につ
き、添付の図面を参照して詳細に説明する。図１は、自
動車の車室内を示し、本発明に係る実施の形態の車両の
シートベルト構造の取付け位置を示す図である。また、
図２は、図１のリヤシートを、シートクッション上にシ
ートバックが倒伏した状態で、シートクッション前方側
を中心として前記シートクッション及びシートバックを
車両前方側に跳ね上げ格納した状態を示す図である。

【００１１】先ず、図１に示すように、車室内１０にお
いて、シートクッション１ａ、シートバック１ｂ及びヘ
ッドレスト１ｃを備えるフロントシート１は、運転席側
と助手席側とに夫々設けられている。また、シートクッ
ション２ａ、シートバック２ｂ及びヘッドレスト２ｃを
備えるリヤシート２は、車体の幅方向に一体となって設
けられている。ヘッドレスト１ｃ、２ｃは、各シートバ
ック１ｂ、２ｂの最上端にその高さ調整が可能に設けら
れる。これらのフロントシート１及びリヤシート２は、
フロアＦに設けられたシートレール（不図示）により前
後方向Ｓ１にスライド可能に設けられる。

【００１２】一方、図２に示すように、リヤシート２
は、シートバック２ｂを前方に倒し込んでシートクッシ
ョン２ａに重ね合せると共に、シートバック２ｂを含む
シートクッション２ａをシートレール４の一端で回動、
即ち前方側に跳ね上げ、フロントシート１の後方に略垂
直に立てることにより格納状態にすることができる。こ
の格納状態にするには、先ず、リヤシート２のヘッドレ
スト２ｃを取り外した後、シートバック２ｂを前方に倒
し込んでシートクッション２ａに重ね合せると同時に、
リヤシート２を最前端までスライドさせてシートクッシ
ョン２ａをシートレール４毎フロントシート１の後方に
倒立させる。このように、格納状態では、車室内の後方
部分を荷室等として有効利用できる。

【００１３】次に、シートレールの構造について説明す
る。図６はリヤシート２のシートレールの構造を示す図
である。前述の図２において、シートレール４は、車室
内のフロアＦ及びリヤのシートクッション２ａの裏面の
両側に固定され、リヤシート２を前後方向にスライド可
能とすると共に、シートクッション２ａをシートレール
４の一端４２で矢印Ｓ５方向に回動させ、略垂直に立て
ることにより格納状態にすることができる。

【００１４】リヤシート２は、シートクッション２ａを
スライド部材４４に固定することにより前後方向にスラ
イド可能となる。スライド部材４４は、レール本体４１
上を矢印Ｓ７方向にスライド可能に設けられる。また、
シートレール４は、その回動部４２をフロアＦ側に軸支
することにより矢印Ｓ５方向に回動可能に支持されるの
で、シートクッション２ａを含むシートレール全体を矢
印Ｓ６方向に回動させることができる。

【００１５】また、シートクッション２ａ下方の車体フ
ロアＦ上には、上方に凸状のストライカ部材５ａを備え
た係止部材５（図面手前側は図示略）が設けられてい
る。そして、係止部材５に対応するシートクッション２
ａ部の車両外側方側には、前記ストライカ部材５ａに係
合してシートクッション２ａを着座可能状態、即ち略水
平状態に車体フロアＦ上に固定する係合部材としてのロ
ック部材６が設けられている。

【００１６】加えて、図２、並びにその詳細を図３に示
すように、シートクッション２ａ中央側下方の車体フロ
アＦ上には、後席中央側乗員用のバックル側シートベル
ト７ａ、タング側シートベルト７ｂ、及び後席サイド側
乗員用の各バックル側シートベルト８ａ、８ｂが、その
各端部ループ１８内に挿通されるアンカープレート９、
９を介して各ボルト１１により取付けられている。即
ち、これらシートベルト７ａ、７ｂ、８ａ、及び８ｂの
端部は折返し接合されて、互いにループ長の異なるルー
プ部１８が形成されている。そして夫々、ループ長の長
いシートベルト７ａ及び７ｂ端部のループ部１８内に、
これらよりもループ長の短いシートベルト８ａ及び８ｂ
端部のループ部１８が互いの端部同士を重合せ状態にし
て挿入されている。アンカープレート９、９は、これら
ループ部１８内に挿通されてその両端部がこれらループ
部１８内から両側に突出しており、この突出部が前記各
ボルト１１により車体フロアＦに取付けられている。

【００１７】なお、これらシートベルト７ａ、７ｂ、８
ａ、及び８ｂは、シートクッション２ａに夫々対応して
開口されたスリット部２ｄ、２ｄから図１に示すように
（図面手前側は図示略）、シートクッション２ａ上に引
出されて使用できるようになっている。

【００１８】一方、係止部材５の車両外側方側の車体下
部には、後席サイド側乗員用のタング側シートベルト１
２のアンカー部１３が設定されている。このアンカー部
１３には、金属製の取付部材１４が車体下部にボルト１
５にて取付けられている。取付部材１４の上部には開口
部１４ａが形成されており、シートベルト１２の端部は
前記開口部１４ａ内に挿通されて、その端部同士が互い
に重ね合わされていると共に、該重ね合せ部分１２ａは
そのシートベルト１２の長さ方向の略全域に亘って縫合
されて縫合部１２ｂが設けられている。そして、この縫
合部１２ｂにより当該部分に自立性が付与されると共
に、当該部分の剛性が他の非縫合部よりも高められてお
り、該縫合部１２ｂによってシートベルト１２端部の前
記係止部材５部への倒れ込み防止部１２ｃが設定されて
いる。

【００１９】即ち、特に図２に示されるように、シート
２の跳ね上げ格納時に、シートベルト１２が前記シート
２のシートバック２ｂとシートクッション２ａとの間に
挟まれる等して、前記格納されるシート２方向に変位さ
れる可能性があるが、上記のように倒れ込み防止部１２
ｃが設定されていることにより、シート２を図１のよう
な着座可能状態に戻すときに前記係合部材と係止部材と
の間にシートベルト２が挟まれるのが有効に防止され
る。結果、両者の係合が確実に行われることとなる。

【００２０】尚、前記シートベルト１２は上方部におい
てシートベルトガイド１６内に挿通されており、引出し
並びに引込み時においてガイドされるようになってい
る。また、１７は前記取付部材１４、ボルト１５、及び
シートベルト１２の端部をカバーすると共に、アンカー
部１３から延びるシートベルト１２に方向性を持たせる
ブーツである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない
範囲で上記実施の形態を修正又は変形したものに適用可
能である。

【００２１】

【発明の効果】以上説明のように、本発明の車両のシー
トベルト取付構造によれば、複数のシートベルト端部を
１つのアンカープレートにて取付けるようにした構造に
おいて、前記各シートベルト端部が折返し接合されて該
各シートベルト端部に夫々ループ長の異なるループ部が
形成されると共に、ループ長の長いシートベルト端部の
該ループ部内に、これよりもループ長の短いシートベル
ト端部の該ループ部が互いのシートベルト端部同士を重
合せ状態として挿入され、前記ループ長の短いシートベ
ルト端部の該ループ部内に前記アンカープレートが挿通
せしめられて該アンカープレートは、両端部が前記各シ
ートベルト端部のループ部内から側方に突出しており、
該突出両端部が取付部材に取付固定されてなることによ
り複数のシートベルトが取付けられてなることにより、
簡単な構造にて相手側シートベルト端部との間に十分な
距離を確保しつつ、取付部材例えばフロア上への突出量
を小さくして使い勝手性等を向上することができる。

【００２２】また、前記シートベルトは、シートクッシ
ョン上にシートバックが倒伏した状態で、シートクッシ
ョン前方側を中心として前記シートクッション及びシー
トバックが車両前方側に跳ね上げ移動自在に設けられる
後席側シートを備えた車両の前記後席側シート近傍の車
体フロア部に取付けられてなることにより、前記効果に
加え、車両前方側に跳ね上げ移動した後席側のシート後
方の広い車室空間を荷室等に有効利用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用する車両の車室内を示す斜視図で
ある。

【図２】図１の車両において本発明に係る実施の形態の
車両のシートベルト取付構造を示す斜視図である。

【図３】図２の要部拡大斜視図である。

【図４】図２のＡ−Ａ断面図である。

【図５】図４の正面図である。

【図６】シートレール部の詳細構造を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

２・・・・リヤシート ２ａ・・・シートクッション ２ｂ・・・シートバック ９・・・・アンカープレート １２・・・シートベルト １８・・・ループ部 Ｆ・・・・車体フロア部（取付部材）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のシートベルト端部を１つのアンカー
   プレートにて取付けるようにした構造において、 前記各シートベルト端部が折返し接合されて該各シート
   ベルト端部に夫々ループ長の異なるループ部が形成され
   ると共に、ループ長の長いシートベルト端部の該ループ
   部内に、これよりもループ長の短いシートベルト端部の
   該ループ部が互いのシートベルト端部同士を重合せ状態
   として挿入され、前記ループ長の短いシートベルト端部
   の該ループ部内に前記アンカープレートが挿通せしめら
   れて該アンカープレートは、両端部が前記各シートベル
   ト端部のループ部内から側方に突出しており、該突出両
   端部が取付部材に取付固定されてなることにより複数の
   シートベルトが取付けられてなることを特徴とする車両
   のシートベルト取付構造。
2. 【請求項２】前記シートベルトは、シートクッション上
   にシートバックが倒伏した状態で、シートクッション前
   方側を中心として前記シートクッション及びシートバッ
   クが車両前方側に跳ね上げ移動自在に設けられる後席側
   シートを備えた車両の前記後席側シート近傍の車体フロ
   ア部に取付けられてなることを特徴とする請求項１記載
   の車両のシートベルト取付構造。