JP4019802B2 - 車両のシートのスライド装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、シートクッションを有するシートと、このシートを車両の前後方向および車幅方向(つまり左右方向)にスライドさせるスライドレールとを備えたような車両のシートのスライド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述例の車両のシートのスライド装置としては、特開2000−264102号および特開平10−203210号公報に記載の装置がある。
前者の特開2000−264102号公報に記載のものは、固定レール(ロアレール)と可動レール(アッパレール)とからなる前後スライドレールを車体側に設け、固定レール(ロアレール)と可動レール(アッパレール)とからなる左右スライドレールをシートのシートクッション側に設けて、シートを車両の前後方向および車幅方向にスライドさせるように構成したものである。
【0003】
また、後者の特開平10−203210号公報に記載のものは、前後スライドレール(ガイドレール)の上部にロアレールとアッパレールとから成る左右スライドレール(サイドレール)を配置し、この左右スライドレールのアッパレールに対してシートブラケットを介してシートクッションを取付け、シートを車両の前後方向および車幅方向にスライドさせるように構成したものである。
【0004】
しかし、上述の何れの従来構造においてもフロアパネル側に前後スライドレールを配置し、この前後スライドレールの上部に単に左右スライドレールを配置して、この左右スライドレールに対してシートクッションを取付けたものであるから、シートクッションの配設高さが高くなってしまい、シートに着座した乗員の頭部と車両ルーフ部との間のヘッドクリアランスが小さくなる問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、左右スライドレールの一方をシートクッションの前部と前後スライドレールとの間に設け、左右スライドレールの他方をシートクッションの後端後方と前後スライドレールとの間に設けることで、シートクッションの配設高さ、つまりヒップポイントの位置を低くし、可及的ヘッドクリアランスをかせぎつつ、シートの前後スライドと左右スライドとを両立させることができる車両のシートのスライド装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明による車両のシートのスライド装置は、略水平の前部フロアと、該前部フロアの後端部より上方に隆起し、かつ上面が略水平に形成された後部フロアと、該後部フロア上方において車両の前後方向および車幅方向に移動可能に設けられたシートクッションを有するシートを備えた車両において、上記シートを車両の前後方向に移動すべく車両の前後方向に延びてシートクッションの下方で、かつ車体側に設けられた一対の前後スライドレールと、上記一対の前後スライドレール間に車幅方向に張架されてシートクッション前部と前後スライドレールとの間に設けられ、シートを車幅方向に移動させる第1の左右スライドレールと、一対の前後スライドレール間に車幅方向に張架されてシートクッションの後端後方で、かつ前後スライドレールの上方に設けられ、シートを車幅方向に移動させる第2の左右スライドレールとを備えたものである。
【0007】
上記構成によれば、第1の左右スライドレールはシートクッションの前部と前後スライドレールとの間に設け、第2の左右スライドレールはシートクッションの後端後方で、かつ前後スライドレールの上方に設けたので、後部フロアに対して前後スライドレールの高さと、第1の左右スライドレールの高さとを介して、シートクッション前部下面を配置することができると共に、スライドレールの高さのみを介してシートクッション後部下面を配置することができ、この結果、シートクッションの配設高さ、つまりヒップポイントの位置を低く抑えて、可及的ヘッドクリアランスをかせぐことができ、しかも後部フロア上のシートの前後スライドと左右スライドとを両立させることができる。
【0008】
この発明の一実施態様においては、上記第2の左右スライドレールの下面が後部フロアより所定距離上方へ離間し、かつシートクッション下面より上方に位置すべく上記前後スライドレールには第2の左右スライドレールを支持する支持ブラケットを設け、上記車両は当該シートの後方に後席シートを備えたものである。
【0009】
上記構成によれば、前後スライドレールに設けた支持ブラケットで第2の左右スライドレールの下面を支持するので、後部フロアと第2の左右スライドレールの下面との間には、前後スライドレールの高さと、支持ブラケットの高さの総和に相当する空間が形成される。
この結果、上記空間を後席シートに着座した後席乗員の足元スペースと成すことができ、ヒップポイントの低下を図りつつ、後席乗員の足元スペースを確保することができる。
【0010】
この発明の一実施態様においては、上記前後スライドレールは、車体側に固定され車両の前後方向に延びるロアレールと、上記ロアレール上を車両の前後方向に移動するアッパレールとを備え、上記シートはシートベルトの一端が着脱可能に接続されるバックルを有し、上記バックルと前後スライドレールのアッパレールとを可撓性の連結部材で連結したものである。
【0011】
上記構成の可撓性の連結部材は、ウエビングに設定してもよい。また該連結部材はシートの車幅方向への移動量を吸収する程度の弛みを有することが望ましい。
上記構成によれば、バックルと上述のアッパレールとが可撓性の連結部材で連結されているので、シートの前後スライド時にはバックルおよび連結部材が追従し、シートの車幅方向(つまり左右方向)へのスライド時には連結部材の可撓性にて、その移動量を吸収することができる。
したがって、前後方向および左右方向に移動するシートであっても、シートベルトの車体に対する支持剛性を確保することができる。
【0012】
この発明の一実施態様においては、上記車両は、後部フロアの下部に設けられて車幅方向に延びる第1クロスメンバと、上記第1クロスメンバの後方で車幅方向に延び、かつ後部フロア下部に設けられた第2クロスメンバとを備え、前後スライドレールのロアレールは前端部が第1クロスメンバに、後端部が第2クロスメンバまたはリヤサイドフレームにそれぞれ連結されたものである。
【0013】
上記構成によれば、ロアレールの前後両端部を車体剛性部材としてのクロスメンバまたはリヤサイドフレームに連結したので、前後スライドレールの車体に対する支持剛性の向上を図ることができる。
【0014】
この発明の一実施態様においては、上記シートは車両の左右に一対設けられ、上記一対のシートは前後スライドレール、第1および第2の各左右スライドレールをそれぞれ備え、第1および第2の左右スライドレールは一対のシートが車幅方向に離反した離反状態と、近接した近接状態とを選択すべくシートの車幅方向の位置を固定する車幅方向固定手段を備えたものである。
【0015】
上記構成によれば、左右一対のシートを離反状態と近接状態とに択一的に選定することができるので、シートアレンジ性が拡大して、ユーティリティの向上を図ることができると共に、左右のシートを離反させた場合には、これらシート間の空間をウオークスルーに利用することができる。
【0016】
この発明の一実施態様においては、上記左右のシートが車幅方向に離反した離反状態下において上記左右のシート間にはセンタシートが着脱可能に配設されるものである。
上記構成によれば、離反状態の左右のシート間にセンタシートを着脱することができるので、シートアレンジ性がさらに拡大して、ユーティリティをより一層向上させることができ、またセンタシートの取外し時には左右のシート間の空間をウオークスルーに利用することができる。
【0017】
この発明の一実施態様においては、上記車両はシートの後方で車室側壁部より車幅方向内方に突出する左右一対のホイールハウスを備え、上記前後スライドレールは一対のシートが離反状態においてホイールハウスの前方に位置する通常着座位置と、近接状態において左右のホイールハウス間に位置する後方着座位置とを選択すべく車両の前後方向の位置を固定する前後方向固定手段を備えたものである。
【0018】
上記構成によれば、左右のシートを互に近接させた状態において、これら左右のシートを後退させると、車幅方向内方に突出する左右一対のホイールハウスを回避して、左右のシートをリヤ側へスライドさせた後方着座位置となる。
【0019】
このように左右のシートを通常着座位置と後方着座位置とに択一的に選定することができ、シートアレンジ性の拡大を図ることができ、ユーティリティの向上を図ることができる。
特に、左右のシートを後方着座位置に設定すると、シートの前方空間が拡大されるので、この空間を荷物配置スペースまたは足元拡大スペースとして利用することができる。
【0020】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両のシートのスライド装置を示すが、まず図1を参照して車体構造およびシート配設構造について説明する。
【0021】
車室の前部左右には第1列目シートとしてのドライバーズシート1とパッセンジャーズシート2とを配置している。なお、上述の各シート1,2は右ハンドル車、左ハンドル車に対応してドライバーズシート1がステアリングホイールと対応するように、設定するとよい。
これらの各シート1,2はシートクッション3、シートバック4およびヘッドレスト5を有し、図示しないシートベルトにより前席乗員を拘束すべく構成している。
【0022】
車室の中間部左右には第2列目シートとしての左右のシート6,6が左右に独立して一対設けられ、これら左右のシート6,6間には補助シートとしてのセンタシート7が着脱可能に設けられている。
【0023】
つまり、左右のシート6,6を車幅方向に離反させた離反状態下(図1参照)において、これら両シート6,6間の車幅方向側部中間にセンタシート7を着脱可能に取付けたものである。
上述の左右のシート6,6は、シートクッション8、シートバック9およびヘッドレスト10を有するものである。
【0024】
車室の後部左右には第3列目シートとしての左右のサードシート11,11を配置している。これらのサードシート11,11はシートクッション12およびシートバック13を有するものである。
【0025】
一方、車体の側部にはサイドシルアウタとサイドシルインナとを有して車両の前後方向に延びる閉断面構造のサイドシル14,14を設け、第1列目シートと第2列目シートとの間においてフロアパネル15(図2参照)の下部には左右のサイドシル14,14を車幅方向に連結する剛性部材としての第1クロスメンバ16(いわゆるNo.3クロスメンバ)を設け、フロアパネル15と第1クロスメンバ16との間には車幅方向に延びる閉断面(図5参照)を形成している。
【0026】
また上述のサイドシル14,14の後部から車体後方に向けて車両の略前後方向に延びる剛性部材としてのリヤサイドフレーム17,17を、フロアパネル15下部に接合し、このリヤサイドフレーム17とフロアパネル15との間には車両の略前後方向に延びる閉断面を形成している。
【0027】
そして、上述の第2列目シートと第3列目シートとの間においてフロアパネル15の下部には左右のリヤサイドフレーム17,17を車幅方向に連結する剛性部材としての第2クロスメンバ18(いわゆるNo.4クロスメンバ)を設けて、この第2クロスメンバ18と上述のフロアパネル15との間には車幅方向に延びる閉断面(図5参照)を形成している。
【0028】
上述のフロアパネル15は図2、図5に示すように略水平の前部フロア15Fと、この前部フロア15Fの後端部からキックアップ部15aを介して上方に隆起し、かつ上面が略水平に形成された後部フロア15Rとを備え、シート1,2は前部フロア15F上に設けられ、シート6,6は後部フロア15R上に設けられ、第2列目のシート6,6の後方には後席シートとしてのサードシート11,11が設けられたものである。
【0029】
ところで、この車両は図1、図2に示すように第2列目のシート6,6の後方で車室側壁部としてのサイドパネル19より車幅方向内方の車室側に突出する左右一対のホイールハウス20,20が設けられていて、第3列目の左右のサードシート11,11はこれら左右のホイールハウス20,20間においてフロアパネル15の後部フロア15R上部に配設されたものである。
【0030】
また、上述のサードシート11は図3に示すようにシートクッション12およびシートバック13がそれぞれ起伏可能となるように構成されている。
すなわち、通常着座状態(図3のa参照)のシートクッション12の前部に支点としてのピン21を介してブラケット22を連結し、このブラケット22の後部にリンクピン23を介して連結されたリンク24の一端(後端)には支点としてのピン25を介してシートバック13の下部を連結している。
【0031】
また上述のシートクッション12およびシートバック13の下面または背面は荷物の載置が可能なように剛性のある荷物載せ面12B,13Bに形成されている。
【0032】
そして、図3のaに示す通常着座状態からピン21を支点としてシートクッション12を前方へ起立させると共に、リンク24を後部下方へ回動させた後に、リンク24一端のピン25を支点としてシートバック13を前方へ伏動させると、サードシート11は図3のbに示すように側面視略L字状となって、シートバック13上部に荷物を載置することができる。
【0033】
さらに図3のbに示す状態から、ピン21を支点としてシートクッション12を前部下方へ回動させると、図3のcに示すように、シートクッション12の荷物載せ面12Bとシートバック13の荷物載せ面13Bとが略面一状のフラットな状態となり、各荷物載せ面12B,13B上部に広い荷物載せスペースを確保することができる。
【0034】
次に図4に示す正面図および図5に示す側面図を参照して、第2列目のシート6の前後および左右スライド構造について説明する。
上述の第2列目のシート6は図5に示すようにフロアパネル15のキックアップ部15aよりも後方の略水平かつフラットな後部フロア15Rの上方に設けられている。
【0035】
左右のシート6,6の下方において後部フロア15Rには移動手段の一方を構成するところの各2組の前後スライドレール26を互に離間させて車両の前後方向に向けて取付けている。
【0036】
これらの各スライドレール26は車体側つまりフロアパネル15の後部フロア15Rに固定されたロアレール27と、このロアレール27上を車両の前後方向にスライドするアッパレール28とを備えている。
【0037】
上述の前後スライドレール26におけるアッパレール28の前部上面と、シートクッション8を支持するシートフレーム33の前部下面との間には、ロアレール31とアッパレール32とを有する第1の左右スライドシート30(フロント側の左右スライドレール)を設けている。
【0038】
この第1の左右スライドレール30は一対の前後スライドレール26,26間(詳しくはそのアッパレール28,28間)に車幅方向に張架されてシートクッション8前部と前後スライドレール26との間に設けられ、シート6を車幅方向(つまり左右方向)に移動させるものである。
【0039】
また上述の前後スライドレール26におけるアッパレール28の後部には支持ブラケット29を取付け、この支持ブラケット29の上部と、シートフレーム33におけるシートクッション8よりも後端かつ後方のシートバック支持部33bの下面との間には、ロアレール31とアッパレール32とを有する第2の左右スライドレール34(リヤ側の左右スライドレール)を設けている。
【0040】
この第2の左右スライドレール34は一対の前後スライドレール26,26間(詳しくはそのアッパレール28,28間)に車幅方向に張架されてシートクッション8の後端後方で、かつ前後スライドレール26の上方に設けられ、シート6を車幅方向(つまり左右方向)に移動させるものである。
【0041】
しかも、図5に示すように、第2の左右スライドレール34の下面、つまりロアレール31の下面が後部フロア15Rの上面よりも所定距離上方へ離間し、かつ該ロアレール31の下面がシートクッション8の下面よりも上方に位置するように、上述の前後スライドレール26,26の各アッパレール28,28には第2の左右スライドレール34を支持する支持ブラケット29,29をそれぞれ設けている。
【0042】
要するに前後一対の左右スライドレール30,34において、フロント側に位置する第1の左右スライドレール30は支持ブラケット29を介することなく、アッパレール28とロアレール31とを直付け構造と成して、この第1の左右スライドレール30をシートクッション8の前部と前後スライドレール26との間に設け、一方、リヤ側に位置する第2の左右スライドレール34は前後スライドレール26上に支持ブラケット29を介して配設し、この第2の左右スライドレール34がシートクッション8の後端後方と前後スライドレール26との間に位置するように成したものである。
【0043】
ここで、左右のシート6,6のそれぞれに対して、上述の前後スライドレール26,26、第1の左右スライドレール30および第2の左右スライドレール34が設けられている。
【0044】
さらに、上述の一対の前後スライドレール26のうちの車幅方向内方のレール26は、図1に平面図で示すように、左右のシート6が車幅方向外方にスライドされた時のシートクッション8の内側端よりも内方で、かつ図7に平面図で示すように、上述の一対の前後スライドレール26,26のうちの車幅方向外方のレール26は左右のシート6,6が車幅方向内方にスライドされた時のシートクッション8の外側端よりも内方に位置するように、車体側に設けられたものである。
【0045】
また上述の第1および第2の左右スライドレール30,34におけるそれぞれのロアレール31,31およびアッパレール32,32の車幅方向の長さはシートクッション8の幅(車幅方向の長さ)またはシートバック9の幅(車幅方向の長さ)よりも短く設定されている。
【0046】
ここで、上述の前後スライドレール26,26は図1、図5に示すように、その車幅方向内側の前後スライドレール26は後部フロア15R上において第1クロスメンバ16と第2クロスメンバ18との間に張架され、車幅方向外側の前後スライドレール26は後部フロア15R上において第1クロスメンバ16とリヤサイドフレーム17との間に張架されている。また左右のシート6,6において前後、左右スライド構造は左右対称に形成されている。なお、上述の前後スライドレール26は車体に対して後付けされるので、前後スライドレール26と各要素16,17,18とはボルトアップされる。
【0047】
上述の第1および第2の各左右スライドレール30,34は左右のシート6,6をそれぞれ独立して車幅方向にスライドさせるスライド手段であって、この左右スライドレール30,34はシート6,6が図1、図6に示すように車幅方向に離反した離反状態と、図7、図8に示すように左右のシート6,6が車幅方向に近接した近接状態とを択一的に選択すべく左右のシート6,6の車幅方向の位置を固定する車幅方向固定手段(いわゆるスライドロック機構)を備え、左右のシート6,6の離反状態下(図1、図6参照)において、これら左右のシート6,6間にセンタシート7を着脱可能に配設すべく構成している。
【0048】
また上述の前後スライドレール26は左右のシート6,6および左右スライドレール30,34をそれぞれ独立して車両の前後方向にスライドさせるスライド手段であって、この前後スライドレール26は左右一対のシート6,6が離反状態下においてホイールハウス20,20前方に位置する通常着座位置(図1参照)と、近接状態下において左右のホイールハウス20,20間に位置する後方着座位置(図9参照)とを選択すべく左右のシート6,6の車両前後方向の位置を固定する前後方向固定手段(いわゆるスライドロック機構)を備えている。
車幅方向固定手段及び前後方向固定手段は、通常のスライドレールに用いられる一般的な構成のものを用いているため、その説明を省略する。
【0049】
なお、図1、図6に示す第2列目シートの状態下(離反状態下)においては第3列目シートは図3のaの態様に設定され、図7、図9に示す第2列目シートの状態においては第3列目シートは図3のbの態様に設定され、図8に示す第2列目シートの状態においては第3列目シートは図3のcの態様に設定される。特に、第2列目の左右のシート6,6をホイールハウス20,20間に後退させる場合(図9参照)には、その後退量をかせぐべく第3列目のサードシート11,11は図3のbで示すようにシートクッション12を起立させる。
【0050】
次に、図2、図4、図5、図10、図11を参照して第2列目シートのシートベルト装置の構造について説明する。なお、左右のシート6,6のシートベルト装置の構造は左右ほぼ対称に構成されている。但し、図5は図4のA−A線に沿う側面図であって、図5、図10、図11は左右のシート6,6のうちの右側のシート6に対する構造を示している。
【0051】
左右のシート6用のバックル35とセンタシート7用のバックル36とを前後方向にオフセットさせて単一のカバー部材37(図11参照)に固定し、上述の各バックル35,36にその上端部が固定された可撓性の連結部材としてのウエビング38,39を上記カバー部材37の内部を通して、その下方に導出している。
【0052】
一方、前後スライドレール26のアッパレール28の後部に固定した支持ブラケット29に対してボルトアップされる凹状のブラケット40を設け、このブラケット40のウエビング取付け部40a,40bには上述の各ウエビング38,39の導出端部をそれぞれ固定している。
【0053】
ここで、センターシート用バックル36と前後スライドレール26のアッパレール28とを各ブラケット40,29を介して連結するウエビング39のブラケット40に対する取付け部は、左右のシート用バックル35と前後スライドレール26のアッパレール28とをブラケット40,29を介して連結するウエビング38のブラケット40に対する取付け部よりも車幅方向において左右のシート6側に位置するように設定されている。
【0054】
つまり、センタシート用バックル36とアッパレール28とを連結する連結部材としてのウエビング39の取付け部が相対的に左右のシート6,6側に位置し、左右のシート用バックル35とアッパレール28とを連結する連結部材としてのウエビング38の取付け部が相対的にセンタシート7側に位置するように、これら各ウエビング38,39がクロスするように構成し、荷重の付勢される角度を緩和し、乗員の腹部にかかる衝撃をゆるやかに成すと共に、各乗員のヒップポイントと取付け部との間の距離をかせぐように成したものである。
【0055】
そして、各バックル35,36を一体的に有するカバー部材37の取付け片37a,37aを、シートフレーム33における側部つまりセンタシート7と対向する面にボルトアップし、凹状のブラケット40を前後スライドレール26におけるアッパレール28側のブラケット29にボルトアップして、この凹状のブラケット40がアッパレール28側のブラケット29に追従して、前後動すべく構成し、左右のシート6,6の車幅方向の動きに対しては各ウエビング38,39の可撓性および所定量の弛みによりその移動量を吸収すべく構成したものである。
【0056】
また、図2、図4に示すようにクオータピラー41内にはリトラクタ42を固定する一方、左右のシート6,6の車外側における後部フロア15Rにはアンカ43(シートベルトアンカ)を固定している。
【0057】
上述のリトラクタ42から巻取り可能に繰出される左右のシート乗員拘束用のシートベルト44を、ショルダアンカ45を介して車室内へ導出し、この導出中間部にはタング46を移動可能に取付けると共に、シートベルト44の導出端部つまり下端部は上述のアンカ43に固定している。
【0058】
而して、上述のタング46を左右のシート用バックル35に係入した時、左右のシート6,6に着座した乗員を3点式シートベルト構造にて拘束すべく構成している。
【0059】
さらに、図2、図4に示すようにリヤピラー47内にはリトラクタ48を固定し、このリトラクタ48から巻取り可能に繰出されるセンタシート乗員拘束用のシートベルト49を、ルーフ側設けられたベゼル等のガイド部材50,51を介して、センタシート7の上方部に導出し、この導出中間部および導出端部には中間タング52および先端タング53を取付けている。
【0060】
而して、上述の各タング52,53をセンタシート用バックル36,36に係入した時、センタシート7に着座した乗員を3点式シートベルト構造にて拘束すべく構成している。
【0061】
すなわち、上述のセンタシート乗員用のシートベルト49の基端はリトラクタ48に接続され、該シートベルト49の先端部には中間タング52と先端タング53とが設けられ、中間タング52は一側(この実施例では右側)のシート6に設けられたバックル36に連結され、先端タング53は他側(この実施例では左側)のシート6に設けられたバックル36に連結されるように構成したものである。
【0062】
ここで、上述のセンタシート乗員用のバックル36,36はセンタシート7に設けられることなく、その両サイドに位置する左右のシート6,6に設けられていて、センタシート乗員用のシートベルト49を着脱可能に連結するものである。
【0063】
また左右のシート乗員用のバックル35,35は左右のシート6,6のシートクッション8,8の側部、詳しくはシートフレーム33に設けられていて、左右のシート乗員用のシートベルト44を着脱可能に連結するものである。
【0064】
さらに、上述の各バックル35,36を図5、図10に示すように前後方向にオフセットさせたので、各タング46,52,53の係入、取外し時の操作性の向上を図るとができる。なお、このオフセット構造は前後方向に代えて、図11に示すように上下方向にオフセットさせてもよい。
【0065】
ここで、上述の各バックル35,36はシートフレーム33に取付け、ウエビング38,39は各ブラケット40,29を介して前後スライドレール26つまり車体側に取付けて、車両衝突時にシートベルト44,49に付勢される荷重によりシート6にモーメントが作用するのを防止すべく構成している。仮に、バックルおよびウエビングを何れもシートフレームに取付けると、左右のシートを近接させた時、内側の前後スライドレールとウエビングの取付け点とのオフセット量に応じてシート6にモーメントが作用して、荷重が車体に入力されなくなるが、上記構成によって斯るモーメントの発生を防止して、荷重を車体に入力すべく構成したものである。
なお、図10においてFは車両前方を示し、Rは車両後方を示し、INは車両内方を示し、OUTは車両後方を示す。
【0066】
このように構成した車両のシートのスライド装置の作用を以下に説明する。
図1に示すように左右のシート6,6を互に車幅方向に離間させた離反状態下においては、これら左右のシート6,6間にセンタシート7を配設することもでき、また図6に示すように、左右のシート6,6間からセンタシート7を取外して、このセンタシート7が取外されたスペースをウオークスルーに利用することもできる。しかも、前後スライドレール26は車幅方向においてシートクッション8の側端よりも該シートクッション8の内方に位置するように設けたので、前後スライドレール26が車幅方向においてシート6から食み出すことはない。
【0067】
図6に示すセンタシート7を取外した状態下において、左右のシート6,6を第1および第2の左右スライドレール30,34に沿って互に近接させると、図7に示すように、これら両シート6,6を近接状態と成すことができる。この際、左右の両シート6,6の移動量はウエビング38,39の可撓性および弛み量により吸収され、しかも、前後スライドレール26は車幅方向においてシートクッション8の側端よりも該シートクッション8の内方に位置するように設けたので、前後スライドレール26が車幅方向においてシート6から食み出すことはない。
【0068】
図7に示す近接状態から、左右のシート6,6を前後スライドレール26に沿って後退させると、これら左右一対のシート6,6は図9に示すように左右のホイールハウス20,20間に位置する後方着座位置となり、同図に示すように左右のシート6,6と第1列目シート1,2との間の間隔が大となるので、このスペースには荷物を配設したり、或は第2列目シートに着座した乗員の足元スペースの拡大を図ることができる。
【0069】
このように図1〜図11で示した実施例の車両のシートのスライド装置は、略水平の前部フロア15Fと、該前部フロア15Fの後端部より上方に隆起し、かつ上面が略水平に形成された後部フロア15Rと、該後部フロア15R上方において車両の前後方向および車幅方向に移動可能に設けられたシートクッション8を有するシート6を備えた車両において、上記シート6を車両の前後方向に移動すべく車両の前後方向に延びてシートクッション8の下方で、かつ車体側に設けられた一対の前後スライドレール26,26と、上記一対の前後スライドレール26,26間に車幅方向に張架されてシートクッション8前部と前後スライドレール26との間に設けられ、シート6を車幅方向に移動させる第1の左右スライドレール30と、一対の前後スライドレール26,26間に車幅方向に張架されてシートクッション8の後端後方で、かつ前後スライドレール26の上方に設けられ、シート6を車幅方向に移動させる第2の左右スライドレール34とを備えたものである。
【0070】
この構成によれば、第1の左右スライドレール30はシートクッション8の前部と前後スライドレール26との間に設け、第2の左右スライドレール34はシートクッション8の後端後方で、かつ前後スライドレール26の上方に設けたので、後部フロア15Rに対して前後スライドレール26の高さと、第1の左右スライドレール30の高さとを介して、シートクッション8下面を配置することができ、この結果、シートクッション8の配設高さ、つまりヒップポイントP(図5参照)の位置を低く抑えて、可及的ヘッドクリアランスをかせぐことができ、しかも後部フロア15R上のシート6の前後スライドと左右スライドとを両立させることができる。
【0071】
さらに、上記第2の左右スライドレール34の下面が後部フロア15Rより所定距離上方へ離間し、かつシートクッション8下面より上方に位置すべく上記前後スライドレール26には第2の左右スライドレール34を支持する支持ブラケット29を設け、上記車両は当該シート6の後方に後席シート(サードシート11参照)を備えたものである。
【0072】
この構成によれば、前後スライドレール26に設けた支持ブラケット29で第2の左右スライドレール34の下面を支持するので、後部フロア15Rと第2の左右スライドレール34の下面との間には、前後スライドレール26の高さと、支持ブラケット29の高さの総和に相当する空間が形成される。
この結果、上記空間を後席シート(サードシート11参照)に着座した後席乗員の足元スペースと成すことができ、図5に仮想線αで示すように該空間には後席乗員の足を挿入することができる。このためヒップポイントPの低下を図りつつ、後席乗員の足元スペースを確保することができる。
【0073】
また、上記前後スライドレール26は、車体側に固定され車両の前後方向に延びるロアレール27と、上記ロアレール27上を車両の前後方向に移動するアッパレール28とを備え、上記シート6はシートベルト44の一端が着脱可能に接続されるバックル35を有し、上記バックル35と前後スライドレール26のアッパレール28とを可撓性の連結部材(ウエビング38参照)で連結したものである。
【0074】
この構成によれば、バックル35と上述のアッパレール28とが可撓性の連結部材(ウエビング38参照)で連結されているので、シート6の前後スライド時にはバックル35および連結部材(ウエビング38参照)が追従し、シート6の車幅方向(つまり左右方向)へのスライド時には連結部材(ウエビング38参照)の可撓性にて、その移動量を吸収することができる。
したがって、前後方向および左右方向に移動するシート6であっても、シートベルト44の車体に対する支持剛性を確保することができる。
【0075】
さらに、上記車両は、後部フロア15Rの下部に設けられて車幅方向に延びる第1クロスメンバ16と、上記第1クロスメンバ16の後方で車幅方向に延び、かつ後部フロア15R下部に設けられた第2クロスメンバ18とを備え、前後スライドレール26のロアレール27はその前端部が第1クロスメンバ16に、その後端部が第2クロスメンバ18またはリヤサイドフレーム17にそれぞれ連結されたものである。
【0076】
この構成によれば、ロアレール27の前後両端部を車体剛性部材としてのクロスメンバ16,18またはリヤサイドフレーム17に連結したので、前後スライドレール26の車体に対する支持剛性の向上を図ることができる。
【0077】
加えて、上記シート6は車両の左右に一対設けられ、上記一対のシート6,6は前後スライドレール26、第1および第2の各左右スライドレール30,34をそれぞれ備え、第1および第2の左右スライドレール30,34は一対のシート6,6が車幅方向に離反した離反状態(図1、図6参照)と、近接した近接状態(図7、図8参照)とを選択すべくシート6の車幅方向(左右方向)の位置を固定する車幅方向固定手段を備えたものである。
【0078】
この構成によれば、左右一対のシート6,6を離反状態と近接状態とに択一的に選定することができるので、シートアレンジ性が拡大して、ユーティリティの向上を図ることができると共に、左右のシート6,6を離反させた場合には、これらシート6,6間の空間をウオークスルーに利用することができ、一方、シート6,6を近接させると後席シートとしてのサードシート11に対する乗り込み性が向上する。
【0079】
また、上記左右のシート6,6が車幅方向に離反した離反状態下において上記左右のシート6,6間には図1,図6に示すように、センタシート7が着脱可能に配設されるものである。
この構成によれば、離反状態の左右のシート6,6間にセンタシート7を着脱することができるので、シートアレンジ性がさらに拡大して、ユーティリティをより一層向上させることができ、またセンタシート7の取外し時(図6参照)には左右のシート6,6間の空間をウオークスルーに利用することができる。
【0080】
そのうえ、上記車両はシート6の後方で車室側壁部(サイドパネル19参照)より車幅方向内方の車室内に突出する左右一対のホイールハウス20,20を備え、上記前後スライドレール26は一対のシート6,6が離反状態においてホイールハウス20,20の前方に位置する通常着座位置(図1参照)と、近接状態において左右のホイールハウス20,20間に位置する後方着座位置(図9参照)とを選択すべく車両の前後方向の位置を固定する前後方向固定手段を備えたものである。
【0081】
この構成によれば、左右のシート6,6を互に近接させた状態において、これら左右のシート6,6を後退させると、車幅方向内方に突出する左右一対のホイールハウス20,20を回避して、左右のシート6,6をリヤ側へスライドさせた後方着座位置(図9参照)となる。
【0082】
このように左右のシート6,6を通常着座位置(図1参照)と後方着座位置(図9参照)とに択一的に選定することができ、シートアレンジ性の拡大を図ることができ、ユーティリティの向上を図ることができる。
特に、左右のシート6,6を後方着座位置(図9参照)に設定すると、シート6の前方空間が拡大されるので、この空間を荷物配置スペースまたは足元拡大スペースとして利用することができる。
【0083】
図12は車両のシートスライド装置の他の実施例を示す。但し、この実施例では左側のシート6の側面図を示している。
この実施例では、図4で示した固定構造のアンカ43に代えて、可動タイプのスライダ60(可動アンカ)を設けている。
【0084】
すなわち、シート6の車幅方向外方において後部フロア15Rには車両の略前後方向に延びるガイド部材61を取付け、上述のスライダ60をガイド部材61に沿って摺動自在に構成すると共に、シートベルト44の先端部を上記スライダ60に固定したものである。
【0085】
このように構成すると、第2列目の左右シート6,6が図1に示す通常着座位置から図9に示す後方着座位置に移動しても、適切なアンカポイントを確保することができる。
【0086】
なお、図12に示すこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については先の実施例とほぼ同様であるから、図12において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0087】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のシートは、実施例の第2列目の左右のシート6,6に対応し、
以下同様に、
後席シートは、第3列目に設けたサードシート11に対応し、
可撓性の連結部材は、ウエビング38に対応し、
車室側壁部は、サイドパネル19に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0088】
【発明の効果】
この発明によれば、左右スライドレールの一方をシートクッションの前部と前後スライドレールとの間に設け、左右スライドレールの他方をシートクッションの後端後方と前後スライドレールとの間に設けたので、シートクッションの配設高さ、つまりヒップポイントの位置を低くし、可及的ヘッドクリアランスをかせぎつつ、シートの前後スライドと左右スライドとを両立させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のシートのスライド装置を備えた車両の平面図。
【図2】 図1の要部の概略斜視図。
【図3】 サードシートのアレンジ態様を示す斜視図。
【図4】 図2の要部正面図。
【図5】 図4のA−A線矢視断面図。
【図6】 センタシート取外し時の平面図。
【図7】 左右のシートを近接させて示す平面図。
【図8】 サードシートのフラット状態を示す平面図。
【図9】 左右のシートの後方着座位置を示す平面図。
【図10】 バックルの取付け構造を示す斜視図。
【図11】 同正面図。
【図12】 車両のシートのスライド装置の他の実施例を示す側面図。
【符号の説明】
6…シート
7…センタシート
8…シートクッション
11…サードシート(後席シート)
15F…前部フロア
15R…後部フロア
16…第1クロスメンバ
17…リヤサイドフレーム
18…第2クロスメンバ
19…サイドパネル(車室側壁部)
20…ホイールハウス
26…前後スライドレール
27…ロアレール
28…アッパレール
29…支持ブラケット
30…第1の左右スライドレール
34…第2の左右スライドレール
35…バックル
38…ウエビング(連結部材)
Claims (7)
- 略水平の前部フロアと、該前部フロアの後端部より上方に隆起し、かつ上面が略水平に形成された後部フロアと、該後部フロア上方において車両の前後方向および車幅方向に移動可能に設けられたシートクッションを有するシートを備えた車両において、
上記シートを車両の前後方向に移動すべく車両の前後方向に延びてシートクッションの下方で、かつ車体側に設けられた一対の前後スライドレールと、
上記一対の前後スライドレール間に車幅方向に張架されてシートクッション前部と前後スライドレールとの間に設けられ、シートを車幅方向に移動させる第1の左右スライドレールと、
一対の前後スライドレール間に車幅方向に張架されてシートクッションの後端後方で、かつ前後スライドレールの上方に設けられ、シートを車幅方向に移動させる第2の左右スライドレールとを備えた
車両のシートのスライド装置。 - 上記第2の左右スライドレールの下面が後部フロアより所定距離上方へ離間し、かつシートクッション下面より上方に位置すべく上記前後スライドレールには第2の左右スライドレールを支持する支持ブラケットを設け、
上記車両は当該シートの後方に後席シートを備えた
請求項1記載の車両のシートのスライド装置。 - 上記前後スライドレールは、車体側に固定され車両の前後方向に延びるロアレールと、
上記ロアレール上を車両の前後方向に移動するアッパレールとを備え、
上記シートはシートベルトの一端が着脱可能に接続されるバックルを有し、
上記バックルと前後スライドレールのアッパレールとを可撓性の連結部材で連結した
請求項1または2記載の車両のシートのスライド装置。 - 上記車両は、後部フロアの下部に設けられて車幅方向に延びる第1クロスメンバと、
上記第1クロスメンバの後方で車幅方向に延び、かつ後部フロア下部に設けられた第2クロスメンバとを備え、
前後スライドレールのロアレールは前端部が第1クロスメンバに、後端部が第2クロスメンバまたはリヤサイドフレームにそれぞれ連結された
請求項1,2または3記載の車両のシートのスライド装置。 - 上記シートは車両の左右に一対設けられ、
上記一対のシートは前後スライドレール、第1および第2の各左右スライドレールをそれぞれ備え、
第1および第2の左右スライドレールは一対のシートが車幅方向に離反した離反状態と、近接した近接状態とを選択すべくシートの車幅方向の位置を固定する車幅方向固定手段を備えた
請求項1,2,3または4記載の車両のシートのスライド装置。 - 上記左右のシートが車幅方向に離反した離反状態下において上記左右のシート間にはセンタシートが着脱可能に配設される
請求項5記載の車両のシートのスライド装置。 - 上記車両はシートの後方で車室側壁部より車幅方向内方に突出する左右一対のホイールハウスを備え、
上記前後スライドレールは一対のシートが離反状態においてホイールハウスの前方に位置する通常着座位置と、近接状態において左右のホイールハウス間に位置する後方着座位置とを選択すべく車両の前後方向の位置を固定する前後方向固定手段を備えた
請求項5記載の車両のシートのスライド装置。
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