JPH1059092A - バンパフェースの構造 - Google Patents

バンパフェースの構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェンダパネルとバンパサイドの外板面の合
わせを容易にし、バンパフェースの自動組付を可能とす
るバンパフェースの構造を提供する。 【解決手段】 バンパフェースの前側を車体の前部に固
定し、バンパサイドの上面をフェンダパネルの下面に固
定するバンパフェースにおいて、バンパフェース１１の
前側に車体側に臨んで後方に延設され、車体前部に設け
られた位置決め用孔に前方から嵌合してバンパフェース
１を位置決め係止する第１の位置決め用突起１４と、バ
ンパサイド１１ｂの上面１１ｅに立設され、位置決め用
突起１４によりバンパフェース１１の前側が車体に支持
された状態で突起１４を支点としてバンパサイド１１ｂ
が上方に押し上げられたときにフェンダパネルの下面に
穿設された位置決め用孔に下方から嵌合して位置決めす
る第２の位置決め用突起１１ｅとを備え、フェンダパネ
ルとバンパサイド１１ｂの外板面を面一にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、バンパフェースの
構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】バンパは、車体の前後両端に装着されて
おり、車両が他の車両や物体に衝突した際に衝突エネル
ギを吸収して車体本体やランプ類等の機能部品を保護す
る他、空力性能や意匠部品として重要な役割を有してい
る。バンパは、衝突エネルギを吸収するためのストロー
クを確保する機構と、強化されたバンパによる重量増加
を抑えるために、高張力鋼板により形成されたバンパビ
ームと、このバンパビームを覆い見栄えを良くするため
に樹脂部材により形成されたバンパフェース等から成る
バンパアセンブリ構造が採用されている。そして、バン
パフェースを位置決め用の突起（ノックピン）で車体に
仮位置決めしてボルトで締結するタイプのものは、バン
パフェースの車体への装着方向が、車体の前方から水平
方向に移動して行う一方向移行タイプが主流となってい
る。
【０００３】図１２及び図１３に従来の樹脂製のバンパ
フェースの車体への取り付けの一例を示す。図１２及び
図１３において車体１の左右のフロントサイドメンバ
２、２の前端にはバンパビーム３が水平に装着固定され
ており、このバンパビーム３の前面を覆うように樹脂製
のバンパ５が装着固定される。バンパフェース５は、内
面にバンパビーム３と対向して左右に延びて形成された
ビーム部５ａに車体の後方に臨んで突出された位置決め
用突起５ｂ、５ｂが、バンパビーム３の前面３ａに穿設
されている位置決め用孔３ｂ、３ｂに当該バンパ３の前
方から嵌合されて位置決めされ、左右のバンパサイド５
ｃ、５ｃが上端縁に穿設された長孔５ｄ、５ｄを挿通す
るタッピングスクリュウ６、６により左右のフェンダパ
ネル４、４の下面に固定される。また、バンパフェース
５の上縁は、バンパビーム３の上面にクリップ７により
複数箇所で固定され、下縁もクリップによりブラケット
（共に図示せず）を介して車体側に固定される。
【０００４】車体１にバンパフェース５を装着した際外
観上の見栄えを良くするために、フェンダパネル４とバ
ンパサイド５ｃの外板面は、面一に連続することが必要
であり、作業者が長孔５ｄにより微調整しながら、フェ
ンダパネル４に連続するバンパサイド５ｃの外板面の合
わせを行っている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のバンパフェースの構造において、バンパサイド５ｃ
の後端のフェンダパネル４への取付部５ｅが水平面合わ
せとされているために、フェンダパネル４とバンパサイ
ド５ｃの外板面の合わせは、作業者の目視による微調整
が必要である。このため、調整が不安定であり、バラツ
キが発生しやすく、品質と安定化を図ることが困難とさ
れている。また、フェンダパネル４とバンパサイド５ｃ
の外板面の合わせを作業者の目視により微調整している
ために、自動組付を行うことができず、作業性が悪いと
いう問題もある。
【０００６】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
で、フェンダパネルとバンパサイドの外板面の合わせを
容易にし、バンパフェースの自動組付を可能とするバン
パフェースの構造を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１では、バンパフェースの前側を車体の前部に
固定し、バンパサイドの上面をフェンダパネルの下面に
固定するバンパフェースの組付構造において、前記バン
パフェースの前側に車体側に臨んで後方に延設され、前
記車体の前部に設けられた位置決め用孔に前方から嵌合
して当該バンパフェースを位置決め係止する第１の位置
決め用突起と、前記バンパサイドの上面に立設され、前
記第１の位置決め用突起により前記バンパフェースの前
側が車体に支持された状態で前記第１の位置決め用突起
を支点として前記バンパサイドが上方に押し上げられた
ときに前記フェンダパネルの下面に穿設された位置決め
用孔に下方から嵌合して位置決めする第２の位置決め用
突起とを備えた構成としたものである。
【０００８】バンパフェースを車体の前方から当該車体
に向けて略水平に移行させ、第１の位置決め用突起を、
前記車体の前部に設けられた位置決め用孔に嵌合して当
該バンパフェースを位置決めして仮止めする。バンパフ
ェースの前側を車体に仮止めした状態で、前記突起を支
点としてバンパサイドを上方に持ち上げて第２の位置決
め用突起をフェンダパネルの下面に設けられた位置決め
用孔に嵌合する。これによりフェンダパネルとバンパサ
イドの外板面が面一となる。
【０００９】請求項２では、前記第１の位置決め用突起
の近傍に当該突起と並んで前記車体前面にバンパフェー
スの前側を固定する締結部材が取り付けられている構成
としたものである。バンパフェースは、前側が第１の位
置決め用突起により車体前部に位置決めされて仮止めさ
れた後、締結部材により車体側に固定される。
【００１０】請求項３では、前記第２の位置決め用突起
の近傍に当該突起と並んで前記フェンダパネルの下面に
バンパサイドの上面を固定する締結部材が取り付けられ
る構成としたものである。バンパサイドの上面は、第２
の位置決め用突起によりフェンダパネルに位置決めされ
た後、締結部材によりフェンダパネルの下面に固定され
る。
【００１１】実施形態として、バンパサイド部の第２の
位置決めガイド手段に設けられる複数の突起が、片側に
つき少なくとも前後２箇所複数備えることによって、フ
ェンダとの位置決め精度を向上させられる。
【００１２】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の態様を実施例
により説明する。図１は、本発明を適用した樹脂製バン
パフェースの正面斜め上方から見た斜視図、図２は、図
１の上部側面図、図３は、図１の矢線III−IIIに沿う断
面図である。図１乃至図３において、樹脂製バンパフェ
ース（以下単に「バンパフェース」という）１１は、上
縁１１ａの内面に略全長に亘りバンパリンホース１２が
一体的に固定されており、このバンパリンホース１２に
は中央よりの左右両側位置にアッパリンホース１３、１
３が立設されている。そして、アッパリンホース１３に
は位置決め用突起１４と固定用ボルト１５が上下に並ん
で、且つ車体の前後方向に臨んで略水平に設けられてい
る。位置決め用突起１４、固定用ボルト１５は、アッパ
リンホース１３に穿設された孔１３ａ、１３ｂに前方か
ら挿通され、各頭部がこれらの各孔の周縁に溶着されて
いる。即ち、固定用ボルト１５は、ウェルドボルトとさ
れている。尚、位置決め用突起１４は、ボルトでも良
く、或いは、鋲等でも良い。
【００１３】バンパフェース１１の左右のバンパサイド
１１ｂ、１１ｂの上部後端１１ｃ、１１ｃは、フェンダ
パネル２２（図５）への取付部（以下「取付部１１ｃ」
という）とされている。各取付部１１ｃの上面１１ｄ
は、図２及び図４に示すように水平面とされ、前、後端
近傍に位置決め用突起１１ｅ、１１ｅが上方に臨んで一
体に立設されている。また、上面１１ｄの位置決め用突
起１１ｅ、１１ｅに隣接して小孔１１ｆ、１１ｆが穿設
されている。これらの小孔１１ｆは、フェンダパネル２
２への取付用締結部材のガイド孔とされている。
【００１４】一方、図５及び図８に示すように車体２０
側のフロントエンドサポートパネル２１の下部２１ａに
はバンパフェース１１の各アッパリンホース１３の位置
決め用突起１４と対応する位置に位置決め孔２１ｂが、
固定用ボルト１５と対応する位置にボルト挿通孔２１ｃ
が穿設されている。また、図５、図６に示すようにバン
パフェース１１の取付部１１ｃの上面１１ｄと対向する
フェンダパネル２２の下面２２ａにはバンパフェース１
１の取付部１１ｃの各位置決め用突起１１ｅと対応する
位置に夫々位置決め孔２２ｂが穿設されており、各ガイ
ド孔１１ｆと対応する位置に図７に示すように角孔２２
ｃが穿設されている。位置決め孔２２ｂは、対応する位
置決め用突起１１ｅが嵌合した状態においてバンパサイ
ド１１ｃとフェンダパネル２２の外板面が面一となるよ
うに設定されている。また、角孔２２ｃには樹脂製のグ
ロメット２３が相対回転不能に嵌合されており、後述す
るようにバンパフェース固定用締結部材例えば、タッピ
ングスクリュウ２４がねじ込まれる。
【００１５】以下に車体へのバンパフェースの組付手順
について説明する。先ず、図５に矢印Ａで示すように車
体２０の前方から当該車体２０に向けてバンパフェース
１１を移動させ、バンパフェース１１の前側の左右の各
アッパリンホース１３の各係止用突起１４及び固定用ボ
ルト１５をフロントエンドサポートパネル２１の下部２
１ａの対応する各位置決め孔２１ｂ、ボルト挿通孔２１
ｃに嵌挿する（図８）。これにより２点鎖線で示すよう
にバンパフェース１１の前部が左右２箇所で車体２０側
に位置決め係止されて仮止めされる。次に、この仮止め
した左右の位置決め用突起１４を支点にしてバンパフェ
ース１１の後部即ち、左右のバンパサイド１１ｂを矢印
Ｂのように上方に持ち上げ、取付部１１ｃの各位置決め
用突起１１ｅをフェンダパネル２２の下面２２ａの対向
する各位置決め孔２２ｂに嵌合し、実線で示すように上
面１１ｄをフェンダパネル２２の下面２２ａに当接させ
る（図６）。バンパサイド１１ｂは、取付部１１ｃの前
後両端の２本の突起１１ｅにより、フェンダパネル２２
の下面２２ａに左右にずれることなく正確に位置決め係
止される。これにより、バンパサイド１１ｃとフェンダ
パネル２２の外板面が面一となる。
【００１６】次に、図７に示すようにバンパフェース１
１の取付部１１ｃの下方から各ガイド孔１１ｆを通して
対向する各グロメット２３にタッピングスクリュウ２４
をねじ込む。これによりバンパサイド１１ｃが、フェン
ダパネル２２の下面に外板面が面一に固定される。次い
で、図８に示すようにフロントエンドサポートパネル２
１に嵌合されている固定用ボルト１５にナット１６を螺
合して固定する。また、図９に示すようにバンパフェー
ス１１の下面１１ｇは、左右両側がクリップ１７により
車体側のフロントエンドクロスメンバ（図示せず）に溶
着固定されたブラケット２５に固定される。このように
して図９に示すようにバンパフェース１１がバンパビー
ム２６を覆うようにして装着される。。そして、図１０
に示すようにバンパフェース１１が車体２０に装着され
た状態においてバンパサイド１１ｂとフェンダパネル２
２の外板面が面一となる。
【００１７】図１１は、衝撃エネルギを吸収するための
エネルギ吸収部材を備えたバンパアセンブリを示す。バ
ンパフェース１１内には車体側に固定されているバンパ
ビーム２７と対向する位置に衝撃エネルギを吸収するた
めのエネルギ吸収部材２８が収納されており、これらの
バンパフェース１１とエネルギ吸収部材２８はタッピン
グスクリュウ２９により固定されて一体的とされてい
る。このバンパフェース１１は、前述と同様にして前部
がフロントエンドサイドパネル２１の下部に固定され、
バンパサイドの上部がフェンダパネル２２の下面に位置
決め固定される。この状態において、エネルギ吸収部材
２８の後端面２８ａがバンパビーム２７の前端面２７ａ
に当接してエネルギ吸収バンパが構成される。
【００１８】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、バ
ンパフェースの車体への装着に際し、バンパフェースの
前側に車体側に臨んで設けられた位置決め用突起を車体
側の位置決め用孔に嵌合し、バンパサイドの上面に立設
された位置決め用突起をフェンダパネルの下面に穿設さ
れた位置決め用孔に嵌合することで、バンパフェースと
フェンダパネルの外板面の合わせが面一となり、バンパ
フェースのフェンダパネルへの位置合わせが容易とな
る。更に、各位置決め用突起に隣接して当該突起と並ん
で配置される締結部材により固定することで、外板面の
合わせのための調整作業を不要にすることができ、作業
性の向上が図られ、生産性の向上が図られる。また、車
体へのバンパフェースの自動組付が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るバンパフェースの構造を適用した
樹脂製バンパフェースの正面斜め上方斜視図である。
【図２】図１の上部側面図である。
【図３】図１の矢線III−IIIに沿う断面図である。
【図４】図２の取付部の平面図である。
【図５】車体に図１に示すバンパフェースを組み付ける
際の手順を示す説明図である。
【図６】図５の矢線VI−VIに沿う断面図である。
【図７】図５の矢線VII−VIIに沿う断面図である。
【図８】図１のバンパフェース上部の車体側への取付状
態を示す説明図である。
【図９】図１のバンパフェース下部の車体側への取付を
示す説明図である。
【図１０】図１のバンパフェースを装着した車体の外観
斜視図である。
【図１１】図１のバンパフェースにエネルギ吸収部材を
装着して車体に装着した状態を示す要部断面図である。
【図１２】従来のバンパフェースの組付構造を示す説明
図である。
【図１３】図１２の組付後の矢線XIII−XIIIに沿う断面
図である。
【符号の説明】
１１ 樹脂製バンパフェース １１ｂ バンパサイド １１ｃ 取付部 １１ｅ 位置決め用突起 １１ｆ ガイド孔 １２ バンパリンホース １３ アッパリンホース １４ 位置決め用突起 １５ ウェルドボルト １６ ナット ２０ 車体 ２１ フロントエンドサポートパネル ２２ フェンダパネル ２３ グロメット ２４、２９ タッピングスクリュウ ２８ エネルギ吸収部材 ２６、２７ バンパビーム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 バンパフェースの前側を車体の前部に固
    定し、バンパサイドの上面をフェンダパネルの下面に固
    定するバンパフェースの構造において、 前記バンパフェースの前側に車体側に臨んで後方に延設
    され、前記車体の前部に設けられた位置決め用孔に前方
    から嵌合して当該バンパフェースを位置決め係止する第
    １の位置決め用突起と、 前記バンパサイドの上面に立設され、前記第１の位置決
    め用突起により前記バンパフェースの前側が車体に支持
    された状態で前記第１の位置決め用突起を支点として前
    記バンパサイドが上方に押し上げられたときに前記フェ
    ンダパネルの下面に穿設された位置決め用孔に下方から
    嵌合して位置決めする第２の位置決め用突起とを備えた
    ことを特徴とするバンパフェースの構造。
  2. 【請求項２】 前記第１の位置決め用突起の近傍に当該
    突起と並んで前記車体前面にバンパフェースの前側を固
    定する締結部材が取り付けられていることを特徴とする
    請求項１記載のバンパフェースの構造。
  3. 【請求項３】 前記第２の位置決め用突起の近傍に当該
    突起と並んで前記フェンダパネルの下面にバンパサイド
    の上面を固定する締結部材が取り付けられることを特徴
    とする請求項１記載のバンパフェースの構造。
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