JPH1057182A - 軸受構造 - Google Patents

軸受構造

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JPH1057182A
JPH1057182A JP22365396A JP22365396A JPH1057182A JP H1057182 A JPH1057182 A JP H1057182A JP 22365396 A JP22365396 A JP 22365396A JP 22365396 A JP22365396 A JP 22365396A JP H1057182 A JPH1057182 A JP H1057182A
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Naoki Numa
直樹 沼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し使用による磨耗のためのがたつきが
発生しにくく、かつ組立を容易とした軸移動装置、特に
椅子の座席と背凭れの傾動を可能とする軸移動装置を提
供する。 【解決手段】 座席受体5の左右側板間に左右方向の軸
8を取り付け、軸8に上下面が平行な摺動子17を取り
付けるとともに、基枠4の上縁に形成した傾斜面14
と、基枠4の上面に取り付けた取付板15の下面の一部
に形成した傾斜面16とを互いに平行となるように対向
させて長孔6を形成し、この長孔6に、摺動子17を摺
動自在に嵌合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一方の構成部材に
設けた長孔内を、他方の構成部材に取り付けた軸が摺動
することにより、両構成部材間の移動を許容するように
した軸受構造、特に椅子の基枠と座席とを連結する軸の
軸受構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置では、一方の構成部
材に、長孔を有する合成樹脂材料製の軸受部材を取り付
け、この軸受部材の長孔へ、他方の構成部材に設けた軸
を摺動自在に嵌合することにより、他方の構成部材を、
一方の構成部材に対して特定の方向に若干移動しうるよ
うにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来装置では、
通常、断面形状が円形の軸が使用されるため、軸と軸受
部材との接触は、上下の線接触となり、負荷が下部の線
接触部分に集中するため、繰り返し使用によって磨耗に
よるがたつきが発生し易く、また、組立に際しては、一
方の構成部材に、合成樹脂材料製の軸受部材を嵌合した
後、他方の構成部材の左右の側板等に穿設した軸孔と前
記軸受部材の長孔との位置合わせをして、左右方向の軸
を前記孔のすべてに挿通した後、軸の一端を止め輪等に
より抜け止めしなければならないため、組立が面倒であ
るという問題点があった。
【0004】本発明は、このょうな問題点を解決するた
め、繰り返し使用による磨耗のためのがたつきが発生し
にくく、かつ組立も容易な軸受構造を提供することを目
的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題は、次のようにして解決される。 (1) 一方の構成部材に設けた長孔内に、他方の構成部
材に取り付けた軸を、前記長孔の長手方向に沿って摺動
可能に嵌合した軸受構造において、前記軸に、前記長孔
における対向する平行面に摺接する外面を有する摺動子
を嵌合し、この摺動子を前記長孔に摺動自在に嵌合す
る。
【0006】(2) 上記(1)項において、摺動子を、断
面形状がほぼコ字状をなす合成樹脂材料の成型物により
形成し、その内部に軸径に等しい円弧部分を形成すると
ともに、その両腕部分の外面を、長孔の対向する平行面
に沿って摺接する直線部とする。
【0007】(3) 上記(1)または(2)項において、断
面形状をほぼコ字状とした摺動子の開口端部の内面に、
軸を係止する係止部を形成する。
【0008】(4) 上記(1)〜(3)項のいずれかにおい
て、一方の構成部材に、左右方向に間隔を隔てて互いに
平行をなす2個の長孔を形成し、他方の構成部材に取り
付けた軸に嵌合した摺動子の両端部を、前記長孔にそれ
ぞれ嵌合し、前記摺動子の中間部に切り欠きを設ける。
【0009】(5) 上記(1)〜(4)項のいずれかにおい
て、一方の構成部材を椅子の基枠とし、他方の構成部材
を座席受体とし、前記座席受体の左右の側板間に左右方
向を向く軸を取り付け、この軸に上下面が平行な摺動子
を嵌合し、前記基枠の上縁に形成した傾斜面と、前記基
枠の上面に取り付けた取付板の下面の一部に形成した傾
斜面とを互いに平行となるように対向させて長孔を形成
し、この長孔に前記摺動子を摺動自在に嵌合する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、一般に、2個の構成部
材を、軸と長孔との連結により、長孔の長手方向に相対
軸移動可能とするあらゆる機構に適用することができる
が、ここでは、その一実施例として、椅子の座席と背凭
れの傾動機構に適用したものをあげて説明する。
【0011】図4は、このような椅子の傾動機構を説明
するもので、キャスタ(1)を備えた脚部(2)には、ガス
スプリングを内蔵した脚柱(3)が固定されており、脚柱
(3)の上端には、基枠(4)が取り付けられている。
【0012】図4と、その要部の分解斜視図である図1
とに示すように、基枠(4)には、座席受体(5)及び背杆
(10)が、3つの連結部(A)(B)(C)により連結されてい
る。すなわち、座席受体(5)は、基枠(4)に形成した長
孔(6)と座席受体(5)に形成した長孔(7)とに摺動自在
に嵌合した前後1対の軸(8)(9)をもって基枠(4)に支
持されている。後部の軸(9)は、背杆(10)の前端に穿設
した軸孔(13)(図1参照)を挿通しており、この背杆(1
0)の中間部に突設した軸(11)は、座席受体(5)の後部両
側部に形成した長孔(12)に嵌合している。
【0013】このような長孔と軸とによる連結部の構成
は、着座者が背凭れに寄り掛かる時、座席受体(5)を、
背凭れ、従って背杆(10)の後方への回動と連動して、後
ろに移動しながら後ろに傾く運動をさせるためであり、
着座者は、骨盤の近傍(P点)を中心に後ろに無理なく
回転する。またこの際、座席の運動中心(Q)は、着座者
の足の踝の位置に近ずくので、下腿部が上方に引っ張り
あげられることがない。
【0014】図1〜図3に示すように、連結部(B)の軸
(8)は、座席受体(5)の左右の側壁に両端を固定されて
いる。軸(8)に対応する長孔(6)は、基枠(4)の左右両
側の上縁に形成された傾斜面(14)と、座席受体(5)を挟
んで基枠(4)の上面を覆う取付板(15)の下面に形成され
た傾斜面(16)とにより形成されている。これら傾斜面(1
4)(16)が、長孔の対向する平行面を形成している。
【0015】座席受体(5)に固定された軸(8)には、摺
動子(17)が嵌合されている。摺動子(17)の詳細は、図3
に示されている。摺動子(17)は、合成樹脂材料の成型物
からなるもので、断面形状がほぼ後向きコ字状をなし、
その内面には、軸(8)の直径にほぼ等しい直径の円弧部
分(18)が形成されており、その開口部側は、軸(8)と係
合してその外れ止めとなる係止部(19)となっている。
【0016】摺動子(17)の両腕部分(20)の外面の直線部
は、前述の長孔(6)の対向する平行面、すなわち平面状
の傾斜面(14)(16)に当接するが、これら平行面の前後方
向の長さよりもかなり短い前後方向長さを有するもので
ある。また、摺動子(17)は、軸(8)のほぼ全長を覆う左
右方向の長さを有するもので、中間部には、切り欠き(2
1a)(21b)が形成されている。切り欠き(21a)は、両腕部
分(20)の先端より切り込まれており、また切り欠き(21
b)は、両腕部分(20)を連結する連結部分(22)に長孔とし
て切り欠かれている。なお、符号(23)は、組立時に用い
るセット孔を示す。
【0017】図2に示すように、取付板(15)は、基枠
(4)に、軸(8)に嵌合させた摺動子(17)を嵌め込んだ後
に、基枠(4)にボルト(24)をもって固着されている。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、上記の構成としたこと
により、次の効果を発揮する。長孔内を、軸に取り付け
られた摺動方向を向く平行面を有する摺動子が摺動し、
長孔の摺動方向を向く平行面に、前記軸受部材の平行面
が面接触するので、軸に加わる負荷が分散し、繰り返し
使用による摩耗のためのがたつきが発生しにくい。
【0019】請求項2記載の発明のような構成とする
と、摺動子を軸に簡単に嵌合することができる。
【0020】請求項3記載の発明のような構成とする
と、摺動子が、長孔内に挿入された状態において軸から
側方に外れることがない。
【0021】請求項4記載の発明のような構成とする
と、摺動子が、中間部において撓み性を与えられ、これ
により、軸の移動に左右に多少のずれがあっても、この
ずれによる無理を吸収させることができる。
【0022】請求項5記載の発明のような構成とする
と、椅子の基枠、座席受体、取付板等を、特殊なダイキ
ャスト等によることなく、板材のプレス加工等により簡
単かつ安価に製造することができ、また組立も容易であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を備えた椅子の主要部分を分
解して示す斜視図である。
【図2】同じく要部の拡大縦断面図である。
【図3】摺動子の拡大斜視図である。
【図4】本発明を適用した椅子の概略構成図である。
【符号の説明】
(A)(B)(C)連結部 (1)キャスタ (2)脚部 (3)脚柱 (4)基枠 (5)座席受体 (6)(7)長孔 (8)(9)軸 (10)背杆 (11)軸 (12)長孔 (13)軸孔 (14)傾斜面 (15)取付板 (16)傾斜面 (17)摺動子 (18)円弧部分 (19)係合部 (20)腕部分 (21a)(21b)切り欠き (22)連結部分 (23)セット孔 (24)ボルト

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の構成部材に設けた長孔内に、他方
    の構成部材に取り付けた軸を、前記長孔の長手方向に沿
    って摺動可能に嵌合した軸受構造において、 前記軸に、前記長孔における対向する平行面に摺接する
    外面を有する摺動子を嵌合し、この摺動子を前記長孔に
    摺動自在に嵌合したことを特徴とする軸受構造。
  2. 【請求項2】 摺動子を、断面形状がほぼコ字状をなす
    合成樹脂材料の成型物により形成し、その内部に軸径に
    等しい円弧部分を形成するとともに、その両腕部分の外
    面を、長孔の対向する平行面に沿って摺接する直線部と
    したことを特徴とする請求項1記載の軸受構造。
  3. 【請求項3】 断面形状をほぼコ字状とした摺動子の開
    口端部の内面に、軸を係止する係止部を形成したことを
    特徴とする請求項1または2記載の軸受構造。
  4. 【請求項4】 一方の構成部材に、左右方向に間隔を隔
    てて互いに平行をなす2個の長孔を形成し、他方の構成
    部材に取り付けた軸に嵌合した摺動子の両端部を、前記
    長孔にそれぞれ嵌合し、前記摺動子の中間部に切り欠き
    を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の軸受構造。
  5. 【請求項5】 一方の構成部材を椅子の基枠とし、他方
    の構成部材を座席受体とし、前記座席受体の左右の側板
    間に左右方向を向く軸を取り付け、この軸に上下面が平
    行な摺動子を嵌合し、前記基枠の上縁に形成した傾斜面
    と、前記基枠の上面に取り付けた取付板の下面の一部に
    形成した傾斜面とを互いに平行となるように対向させて
    長孔を形成し、この長孔に前記摺動子を摺動自在に嵌合
    したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    軸受構造。
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