JPS6239740Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、座椅子使用者の姿勢に応動して基台
上に設置した座が前後に移動するとともに背もた
れも後方に傾斜できるようにした座椅子使用者の
姿勢に随時適応できる座椅子に関する。

従来の座椅子は、背もたれが後方に傾斜するが
その座は固定的であるために前後に移動しえない
ものである。そのために、座椅子使用者は、自己
の好みの姿勢に応じて背もたれをレバーの操作等
で後方に傾斜して上半身を後方へもたれさすこと
ができるが、このとき臀部や脚部の下半身に対し
ては前方へ移動させる力が発生し、固定的な座の
上で下半身を前方へ摺動させることになり、脚部
次いで臀部をも座からすべり落としたり、座端部
上に位置させたりして不自然な姿勢をとらなけれ
ばならない場合が多い。とりわけ、該座椅子を使
用するときには、座ぶとんを敷くことが多いため
にこの座ぶとんが前方への摺動を助け、座ぶとん
を使用しない場合に比して一層座ぶとん自体を座
上からすべり落すことになつたり、下半身をずら
したりすることになり、座椅子の使用を不便なら
しめている。又、座椅子使用時の肘を載置するア
ームレストの取付構造が複雑となる傾向にあつ
た。

本考案は、従来のこのような問題点を解決せん
とするものであつて、その要旨とするところは、
座椅子使用者の姿勢の変化に応じて座の移動と背
もたれの傾斜動を行いうるようにし且つアームレ
ストを基台と一体にした点にある。

本考案の詳細について実施例を記載した図面に
基づいて説明すると、本考案に係る座椅子は、前
後動できる座と該座を設置した基台と後方へ傾斜
できる背もたれとからなり、座の前動は座椅子使
用者の姿勢等によつて発生する前動力で、後動は
基台との間に設けた引張りバネにより作動させた
構成に係るものである。

即ち図中１として表示されるものは、その下面
を凹部２ａとした基盤２とクツシヨン材２ｂより
なる座であり、その凹部２ａ内に、後述の基台上
に設置したレールに載置して摺動可能なための彎
曲摺動面３ａを有するスライダー３に代表される
移動手段ａを固定している。４は前記座１を載置
し、前後動させうるように二本の横Ｕ字型のフレ
ーム５間に横杆６，７，８を設け、横杆６，７上
に固定板９をスポツト溶接等で固定し、前記座１
のスライダー３に代表される移動手段ａを上置す
るためのボール１０付レール１１に代表される支
持手段ｂを該固定板両側の横杆７と８間に架設し
た基台である。座１は、該基台４の支持手段ｂと
してのレール１１にその移動手段ａとしてのスラ
イダー３を挿入して前後に摺動可能な状態とし、
引張りバネ１２を、例えば図示したように固定板
９の上面に設けたとめ部１３と座裏に設けたとめ
部１４との間に取付けて、座１を基台４上で前方
へ摺動させたときに該バネ１２が伸長し、常に後
方へと引張力が作用するようにしている。１５
は、基台４の下面に合成樹脂製脚台１６を間には
さんでネジ止めにした裏板であり、１７は、フレ
ーム５の上部折曲部１８上に取付けたアームレス
トである。

更に、図中１９として示されたものが、前記座
１の前後動と関係づけて後方へ傾動する背もたれ
であつて、該背もたれ１９は、図示する如く、そ
の下部が座１の後部近くまでの長さを有するもの
又は必要に応じてこれよりも短いものを使用し、
これを基台４の一側に取付けている。この取付け
は図示したようなコイルスプリングを背もたれに
下設した支持脚と横杆６上の枢軸間に設けた背も
たれ支持兼傾斜弾性部２０で連結したり又は図示
しないが従来と同様に背もたれ１９が前後に回動
でき、且つ後方への回動即ち傾斜が一定角度でそ
れぞれ支持されるよう背もたれ１９を軸着すると
ともに、該軸部をラツクで係止したりして取付け
ている。もつて座１に座わつた使用者が後方にも
たれたときに背もたれ１９が後方へ傾斜し、又該
荷重を解除すると復帰するものである。なお、背
もたれ１９の取付けを軸着で行いラツクで軸部を
受けて傾動を行つているときには、後方への傾斜
と元の位置への復帰は手動で行なわなければなら
ない。

本考案の構成は以上のとおりであり、その作用
を説明すると、使用者は座１上に直接又は座ぶと
んを敷いて座わり、該座椅子使用途中又は当初か
ら後方の背もたれ１９にもたれかかると、使用者
の臀部、脚部には前方へ移動するための力がかか
る。このとき座１は、基台４の支持手段ｂとして
のボール付レール１１上に摺動自在に載置されて
いるから、バネ１２の引張力に抗して前方へ移動
し、座１上の座ぶとんのみ、又は使用者のみが座
１とは別動して前方へ移動することがなく、使用
者の背もたれ傾斜動作と臀部、脚部の前動動作と
が同時に又は背もたれ１９の傾斜を前もつて行い
次いで座１の前動が自動的になされ、常に使用者
の座わり姿勢に応じて該座椅子の座１と背もたれ
１９とが応動することになる。

以上のように本考案に係る座椅子は、座１と背
もたれ１９とりわけ座１が身体の動き、即ち、使
用者の背の傾動と臀部、脚部の前動に応動するか
ら、該座椅子使用者は、従来のような無理な姿勢
をとることなく、長時間の使用にわたつても疲労
したり、座ぶとんが座１上から前方へすべり出た
りすることなく、使用者の姿勢に応じて身体に適
合するのである。そして使用後、座１はバネ１２
の作用により常に元の位置に復帰し、背もたれも
背もたれ支持兼傾斜弾性部２０やその他の弾性装
置を利用しているときには自動的に又使用してい
ないときには手動で元の位置に立起するのであ
る。加えて、背もたれ１９として、実施例のよう
なその下端が座１の後端近くまでの長さを有する
ものを利用しているときには、座椅子使用者の腰
部の支持が十分になされ、長時間の使用の場合に
も楽である。又、アームレスト付であるので座椅
子使用者に安定座姿勢を保ち得、フレームと一体
となしているので別途取付ける必要がなく製造工
程も省略できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は本考案
座椅子の側面図、第２図は分解斜視図、第３図は
第１図のＡ−Ａ断面図、第４図は第３図の部分拡
大断面図である。 １……座、２……基盤、３……スライダー、４
……基台、５……フレーム、６，７，８……横
杆、９……固定板、１０……ボール、１１……レ
ール、１２……バネ、１３，１４……とめ部、１
５……裏板、１６……脚台、１７……アームレス
ト、１８……上辺、１９……背もたれ、２０……
背もたれ支持兼傾斜弾性部、ａ……移動手段、ｂ
……支持手段。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下辺後端から連続する立起片から少なくとも肘
   を載置可能な長さに上辺を延伸させた横Ｕ字型フ
   レーム５を左右両側に配置し、両フレーム５，５
   下辺の少なくとも前後部を横杆で連結するととも
   に、前後に長さを有するレール状の支持手段ｂを
   上設した基台４と、 前記基台４の上方に位置させるものであつて、
   上面を座面となした基盤２の下面に下方開口の凹
   部２ａを形成し、該凹部内面に前記支持手段ａと
   関係づけて前後方向移動可能に設定した移動手段
   ａを下設した座１と、 下端部を前記基台４後部に軸着した背もたれ１
   ９と、 よりなり、前記座１を前記基台４に後方向への
   弾性を与えるバネ付勢してなる座椅子。