JPH1054725A - 角速度検出装置 - Google Patents

角速度検出装置

Info

Publication number
JPH1054725A
JPH1054725A JP8212617A JP21261796A JPH1054725A JP H1054725 A JPH1054725 A JP H1054725A JP 8212617 A JP8212617 A JP 8212617A JP 21261796 A JP21261796 A JP 21261796A JP H1054725 A JPH1054725 A JP H1054725A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibrating
vibration
vibrator
angular velocity
vibrating reed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8212617A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3805837B2 (ja
Inventor
Nobuyoshi Sugitani
伸芳 杉谷
Yutaka Nonomura
裕 野々村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP21261796A priority Critical patent/JP3805837B2/ja
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to DE69712375T priority patent/DE69712375T2/de
Priority to EP97934725A priority patent/EP1020704B1/en
Priority to PCT/JP1997/002756 priority patent/WO1998007005A1/ja
Priority to KR1019997001212A priority patent/KR100328532B1/ko
Priority to AU37838/97A priority patent/AU711850B2/en
Priority to CA002263995A priority patent/CA2263995C/en
Publication of JPH1054725A publication Critical patent/JPH1054725A/ja
Priority to US09/248,759 priority patent/US6125701A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3805837B2 publication Critical patent/JP3805837B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C19/00Gyroscopes; Turn-sensitive devices using vibrating masses; Turn-sensitive devices without moving masses; Measuring angular rate using gyroscopic effects
    • G01C19/56Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces
    • G01C19/5607Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces using vibrating tuning forks

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Radar, Positioning & Navigation (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • Gyroscopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動型角速度検出装置において検出精度を上
げる。 【解決手段】 XYZ三次元座標空間において、XY平
面上のX方向に延在し角速度を検出すべき被検出体に固
定される振動子基体と、この振動子基体から+Yの向き
に突出しX方向の第1固有振動数を有する第1振動片
と、振動子基体から−Yの向きに突出し第1固有振動数
と異なるX方向の第2固有振動数を有する第2振動片と
を有する振動子と、第1または第2振動片のいずれかを
Z方向またはX方向に励振する励振手段と、第1または
第2振動片における励振手段による振動の励振方向とY
方向との双方に直交するの振動の振幅を検出する検出手
段と、検出手段により検出された振幅の大きさからY方
向を軸とする回転角速度を演算する角速度演算手段とを
備え、第1振動片のZ方向の振動による振動子基体との
結合部を支点とした回転慣性力と、第2振動片のZ方向
の振動による振動子基体との結合部を支点とした回転慣
性力とを略等しくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のナビゲー
ションシステムや姿勢制御などに用いられる角速度検出
装置に関するものであり、特に、振動型の角速度検出装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、振動体に回転を加えるとコリ
オリの力によって回転角速度に応じた新たな振動が発生
することを利用した振動型角速度検出装置が知られてい
る。このような角速度検出装置の一例として、たとえ
ば、特開平7−55479号公報に記載の回転速度セン
サがある。この回転速度センサにおいて用いられている
振動子は、XY平面において、矩形のフレームの一辺か
ら+Yの向きに2本の励振枝が突出しており、そのフレ
ームの対向する辺から−Yの向きに2本ピックアップ枝
が突出した構造を有している。この構造において、励振
枝をX方向に励振すると、振動子の回転に伴って発生し
たコリオリの力によって励振枝がZ方向にも振動し、こ
のZ方向の振動はピックアップ枝に伝達される。ピック
アップ枝側では、この伝達されたZ方向の振動を検出
し、検出結果から振動子の回転角速度を導く。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この従来の
回転速度センサにおいては、励振枝とピックアップ枝の
Z方向の振動がフレームの中心部を支点として互いに逆
相となる。つまり、励振枝が上向きすなわち+Zの向き
に振れたときには、ピックアップ枝が下向きすなわち−
Zの向きに振れる。
【0004】しかしながら、この従来の回転速度センサ
では、励振枝とピックアップ枝の振動バランスについて
何ら考慮していないため、両枝の支点となるフレームが
両枝の振動に応じてZ方向に揺れる。この揺れは、励振
枝からピックアップ枝へのZ方向の振動の伝達を妨げ、
ピックアップ枝での振動の検出精度を低下させる。特
に、2本の励振枝の励振位相が逆相の場合にはフレーム
にねじれが生じ、検出精度の低下は一層大きなものとな
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の角速度検出装置
は、このような問題を解決するためになされたものであ
り、XYZ三次元座標空間において、XY平面上のX方
向に延在し角速度を検出すべき被検出体に固定される振
動子基体と、この振動子基体から+Yの向きに突出しX
方向の第1固有振動数を有する第1振動片と、振動子基
体から−Yの向きに突出し第1固有振動数と異なるX方
向の第2固有振動数を有する第2振動片とを有する振動
子と、第1または第2振動片のいずれかをZ方向または
X方向に励振する励振手段と、第1または第2振動片に
おける励振手段による振動の励振方向とY方向との双方
に直交する振動の振幅を検出する検出手段と、検出手段
により検出された振幅の大きさからY方向を軸とする回
転角速度を演算する角速度演算手段とを備え、第1振動
片のZ方向の振動による振動子基体との結合部を支点と
した回転慣性力と、第2振動片のZ方向の振動による振
動子基体との結合部を支点とした回転慣性力とを略等し
くしたものである。
【0006】ここに、振動片の回転慣性力とは、振動片
を微小部分(質点)に分け、各質点における質量と振幅
の自乗との積を、振動片と振動子基体との結合点から当
該質点までの距離で除した値の総和のことを言う。
【0007】このように構成すると、X方向の第1固有
振動数と第2固有振動数とが異なる値なので、第1振動
片と第2振動片との間のX方向の振動伝達はほとんどな
されない。そして、振動子を1枚の薄い基板で構成すれ
ば、Z方向の振動のみが互いに逆相で伝達される。すな
わち、第1振動片と第2振動片はZ方向の振動について
は連成する。しかも、第1振動片の回転慣性力と第2振
動片の回転慣性力とが略等しいので、両振動片がZ方向
において互いに逆相で振動した場合、両振動片のZ方向
の振動の支点となっている振動子基体がZ方向に揺動す
ることがない。
【0008】また、第2振動片が第1振動片よりも細く
て長いものであり、第1振動片と前記第2振動片の対が
振動子基体に対して2組設けられ、振動子基体は支持棒
を介して被検出体に固定されており、この支持棒は2組
の振動片対の一方の振動片対と他方の振動片対との間に
おいて振動子基体からY方向に延びその先端が被検出体
に固定され、2本の第1振動片を互いに逆相で励振させ
ることが望ましい。
【0009】このように構成すると、X方向の振動を一
方の振動片対と他方の振動片対とで互いに相殺し合うた
め、振動子基体のX方向の揺れもなくなる。
【0010】さらに、第1振動片のX方向の幅WをZ方
向の厚みDの0.7倍以下とすることにより、第1振動
片のX方向の振動がZ方向の振動に漏れる量を急激に減
少させることができる。Z方向の漏れ振動が少なくなれ
ば、相対的にコリオリの力に基づくZ方向の振動成分が
増大し、検出精度が向上する。
【0011】また、励振の振動方向をX方向に代えてZ
方向にする場合には、自励振では第1振動片と第2振動
片とが同相でZ方向に連成振動しやすいが、励振手段に
たとえばフィードバック機能を設けることにより励振の
位相を調節すれば、第1振動片と第2振動片とを互いに
逆相でZ方向に振動させることができる。第1振動片と
第2振動片とを互いに逆相でZ方向に振動させることが
できれば、第1振動片のZ方向の振動による振動子基体
との結合部を支点とした回転慣性力と、第2振動片のZ
方向の振動による振動子基体との結合部を支点とした回
転慣性力とを略等しくしてあるので、振動子基体がZ方
向に揺動しない。
【0012】さらに、励振手段による励振の周波数を第
1または第2振動片のZ方向の高次の固有振動数と一致
させると、Z方向の重心移動が少なくなって振動子基体
のZ方向の揺動が一層抑えられ、検出精度が高まる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1(a)は、本発明の一実施形
態における振動子10を示す平面図である。この図にお
いて、左右方向をX軸とし右向きを正の向きにとり、上
下方向をY軸とし上向きを正の向きにとり、紙面に垂直
な方向をZ軸とし表向きを正の向きにとっている。振動
子10は、X軸方向に延在する振動子基体11と、振動
子基体11から+Yの向きに延びる励振用の第1振動片
12および13と、振動子基体11からそれぞれ第1振
動片12および13と同軸上で−Yの向きに延びる検出
用の第2振動片14および15と、第2振動片14およ
び15の間において振動子基体11から−Yの向きに延
びる支持棒16と、支持棒16の端部に設けられた固定
板17とが水晶の単結晶基板で一体に構成されている。
【0014】ここで、水晶の結晶軸について簡単に説明
する。天然の水晶は、一般に柱状結晶であり、この柱状
結晶の縦方向の中心軸すなわち<0001>結晶軸はZ
軸または光軸と規定され、Z軸を通り柱状結晶の各表面
に垂直に交わる線はY軸または機械軸と規定される。ま
た、Z軸を通りこの柱状結晶の縦方向の稜線と直交する
線はX軸または電気軸と規定される。
【0015】振動子10に用いられている単結晶基板は
Z板と呼ばれる基板であり、Z軸に垂直ないし略垂直な
面で切り出された単結晶基板である。したがって、本実
施形態においては、結晶方位のZ軸と、図面上の振動子
10の配置方向を示す上述したZ軸とは一致している。
また、水晶はZ軸に対して三回対称の結晶構造を持つた
め、水晶のX軸およびY軸は互いに直交するものが3組
あり、そのうちの一組と図面上の振動子10の配置方向
を示すX軸およびY軸とが一致している。なおこの結晶
方位と振動子10の方向関係は、後に述べる他の実施形
態でも同様である。また、振動子10に用いられる水晶
は、人工水晶であるがその構造は天然の水晶と同じであ
る。
【0016】第1振動片12および13は互いに同一寸
法であり、本実施形態では共に励振用の振動片として用
いられる。また、第2振動片14および15も互いに同
一寸法であり、共に検出用の振動片として用いられる。
第2振動片14および15は、第1振動片12および1
3に対して細くて長く、そのために、第1振動片12、
13のX方向の固有振動数fX1と第2振動片14、15
のX方向の固有振動数fX2とが互いに異なっている。Z
方向の固有振動数も第1振動片と第2振動片とでは互い
に異なっているが、Z方向の振動については、第1振動
片と第2振動片とが連成して振動するため連成の固有振
動数fZが存在する。X方向の振動については第1振動
片と第2振動片との間の振動の伝達率が非常に低いため
連成振動はほとんどない。このように、X方向の振動に
ついては第1振動片と第2振動片とが連成せず、Z方向
の振動については第1振動片と第2振動片とが連成する
のは、振動子10全体が非常に薄い水晶基板で一体に形
成されており、振動子基体11のY方向の幅が水晶基板
の厚みに対して十分に広いという形状に起因している。
本実施形態では、第1振動片12、13のX方向の固有
振動数fX1と連成の固有振動数fZ との値が非常に近
い値になるように調整されている。
【0017】また、第1振動片12のZ方向の振動によ
る振動子基体11との結合部を支点とした回転慣性力
と、第2振動片14のZ方向の振動による振動子基体1
1との結合部を支点とした回転慣性力とが略等しくなっ
ている。同様に、第1振動片13のZ方向の振動による
振動子基体11との結合部を支点とした回転慣性力と、
第2振動片15のZ方向の振動による振動子基体11と
の結合部を支点とした回転慣性力とが略等しくなってい
る。このように、同一軸上で互いに対になっている第1
振動片と第2振動片の回転慣性力が略等しいので、第1
振動片と第2振動片が連成して互いに逆相に振動したと
きに、この振動に基づいて振動子基体11がZ方向に揺
動することがない。
【0018】本発明における振動片の回転慣性力という
のは、既に述べたように、振動片を微小部分(質点)に
分け、各質点における質量と振幅の自乗との積を、振動
片と振動子基体との結合点から当該質点までの距離で除
した値の総和のことであり、その詳細をここで説明す
る。
【0019】図17に示すような質点M1、M2が支点
から距離R1、R2離れて結合され、一定角速度Ωで質
点M1、M2が支点を中心にして回転している場合を考
える。このとき、支点が動かずに一定回転が持続するた
めには、両質点M1、M2にそれぞれ働く遠心力F1、
F2が支点でバランスしている必要がある。これを式で
表すと、質点M1に働く遠心力F1は、 F1=M1R1Ω2 …(1) 質点M2に働く遠心力F2は、 F2=M2R2Ω2 …(2) となり、F1とF2は符号が反対で等しい値となるか
ら、次式(3)の関係が導かれます。
【0020】 M1R1Ω2=M2R2Ω2 …(3) ここで、回転の角速度Ωは等しいので式(3)は、 M1R1=M2R2 …(4) となる。
【0021】ところが、図17では振動に伴う反りが考
慮されていない。図1に示すような実際の振動片の振動
は、例えば、図18に示すように変形する。すなわち、
振動片の構成材料は弾性体なので剛体とみなすことはで
きず、図18のように振動に伴う反りが発生する。この
反りがあるため、質点M1,M2での角速度Ω1、Ω2
違いが生じる。この図18の質点M1、M2はそれぞ
れ、図1の第1振動片12及び第2振動片14をそれぞ
れ微小部分に分けたときの一つの質点に相当する。
【0022】ここで、各質点M1、M2の振動中点での
角速度Ω1、Ω2を各質点の振幅A1、A2を用いて表
す。まず、振動方向の変位Z1、Z2は振動数Ω0によ
り、各々次式(5)、(6)となる。
【0023】 Z1=A1sinΩ0t …(5) Z2=A2sinΩ0t …(6) したがって、振動の速度R1Ω1、R2Ω2は、式
(5)、(6)を微分して、 R1Ω1=A1Ω0cosΩ0t …(7) R2Ω2=A2Ω0cosΩ0t …(8) となる。この式(7)、(8)を用いた遠心力F1、F
2の釣り合いの式は、 M1R1(A1Ω0cosΩ0t/R1)2 =M2R2(A2Ω0cosΩ0t/R2)2 …(9) となり、 M1A12/R1=M2A22/R2 …(10) が導かれる。
【0024】実際の振動片は質点の集まりであるから、
第1及び第2振動片をそれぞれ微小部分に分割したとき
の各質点の質量Mi、Mjと各質点の振幅Ai、Ajの自乗
の積を、支点すなわち両振動片と振動子基体との結合点
からの距離Ri、Rjで割ったものの総和が略等しくなる
ようにする。したがって、支点が動かない条件は
【0025】
【数1】 となり、本発明では、このことを「回転慣性力が略等し
い」と呼んでいる。
【0026】さて、各振動片にはそれぞれの用途に応じ
た電極が設けられている。すなわち、第1振動片12お
よび13には励振用の電極が、第2振動片14および1
5には検出用の電極がそれぞれ設けられている。電極の
配置については、図面の微細描写を避けるために、図1
(a)では省略されており、これに代えて、図1(b)
および(c)を用いて表示されている。図1(b)およ
び(c)は、それぞれ図1(a)におけるB−B断面図
およびC−C断面図である。図示のように、第1振動片
13には、それぞれ上面、下面および側面の4つの面に
電極21〜24が、振動子基体11との結合部から第1
振動片13の先端部に向かって、すなわち+Yの向き
に、振動片全長の2/3〜3/4程度の長さに延在して
いる。第1振動片12にも同様の電極31〜34(図2
参照)が設けられている。一方、第2振動片15には、
矩形断面の4つの角部すなわち稜線部をそれぞれが覆う
ように、4つの電極25〜28が振動子基体11との結
合部から第2振動片15の先端部に向かって、すなわち
−Yの向きに、振動片全長の2/3〜3/4程度の長さ
に延在している。なお、第2振動片14にも同様の電極
35〜38(図2参照)が設けられている。
【0027】各電極は、クロムと金の2層構造となって
おり、振動子10の表面にこれらの金属を蒸着した後
に、フォトリソグラフィ技術を用いて適宜分離すると共
に所望の形状にパターニングすることにより得られる。
また、各電極は固定板17に設けられているボンディン
グパッド81〜88のいずれかと電気的に接続され、そ
こからさらに後述する信号処理回路に接続される。振動
片上の各電極とボンディングパッドとの間の配線は、図
示していないが支持棒16の表面に膜形成技術により設
けらている。
【0028】図2は本実施形態の角速度検出装置に用い
られる励振回路50、検出回路60および角速度演算回
路70を示すと共に、これらの回路と振動片12〜15
に設けられた電極21〜28および31〜38との接続
関係を示すブロック図である。また、図3は、第1振動
片12および13における逆圧電効果を説明するための
図であり、図4は第2振動片14および15における圧
電効果を説明するための図である。
【0029】励振回路50は、電流電圧変換回路51と
自動利得制御回路52と駆動回路53とを備えており、
検出回路60は、電流電圧変換回路61および62と差
動増幅回路63と同期検波回路64とを備えている。
【0030】駆動回路53は、自動利得制御回路52の
出力電圧値に応じた振幅で所定の繰り返し周波数のパル
ス波を励振信号として出力するとともに、その出力信号
と90度位相のずれた信号を同期検波回路64の検波信
号として出力する回路であり、その出力端子は端子54
を介して第1振動片13の側面の電極22、24と第1
振動片12の上下面の電極31、33に共通に接続され
ている。第1振動片12および13の残りの電極21、
23、32、34は、互いに共通に端子55を介して電
流電圧変換回路51の入力端子に接続されることによ
り、駆動回路53が出力するパルス波の中間電位に固定
される。
【0031】図3は、この励振回路50による第1振動
片の励振動作を説明するものであり、同図(a)は第1
振動片13をZX平面で切った断面図であり、図1
(b)と同等の図である。また、図3(b)は第1振動
片13の屈曲動作を示した斜視図である。上述したよう
に、電極21と23が共通に端子55に接続され、電極
22と24が共通に端子56に接続されているので、駆
動回路53の出力パルスがローレベルであると、図3
(a)に示すような電圧、すなわち電極22および24
には相対的に負の電圧が、電極21および23には正の
電圧がそれぞれ各電極に与えられる。駆動回路53の出
力パルスがハイレベルであれば、その逆の極性が与えら
れる。
【0032】いま、図3(a)のような電圧が印加され
ている状態を考えると、振動片13の内部には矢印91
から94で示したような電界が与えられることになる。
一方、水晶の圧電効果はZ軸方向には現れないので、圧
電効果に影響を与える有効電界は矢印95および96と
なる。水晶の結晶は逆圧電効果により、X軸の正の向き
に電界が与えられるとY軸方向に伸び、X軸の負の向き
に電界が与えらるとY軸方向に縮む。したがって、図3
(a)の状態では、振動片13の電極24側が縮み、電
極22側が伸びるため、振動片13は電極24を内側に
して屈曲する。電極21から24に対する印加電圧の極
性が逆転すると、同様の原理により振動片13は電極2
2を内側にして屈曲する。したがって、振動片13の一
端を固定して駆動回路53から所定周波数のパルス信号
を電極21、23に印加すると、振動片13は図3
(b)に示すようにX方向に振動する。
【0033】なお、本実施形態では、図2に示すように
振動片13の上下の電極21および23と振動片12の
左右の電極32および34とを共通に接続し、振動片1
3の左右の電極22および24と振動片12の上下の電
極31および33とを共通に接続しているので、振動片
12と13は、X方向に互いに逆相で振動する。
【0034】第1振動片12と13のX方向の振動情報
は、電流電圧変換回路51および自動利得制御回路52
を介してフィードバックされる。電流電圧変換回路51
は、第1振動片12および13の屈曲に伴う圧電効果に
よって電極21、23、32、34に発生した電荷の変
化量を電圧値に変換する回路である。
【0035】自動利得制御回路52は、電流電圧変換回
路51から出力された電圧信号を入力し、その入力電圧
値が大きくなると出力電圧値を小さくし、入力電圧値が
小さくなると出力電圧値が大きくなるように動作する。
したがって、第1振動片12および13の振動振幅が大
きくなれば、電極21、23、32、34に発生する電
荷も大きくなり、電流電圧変換回路51の出力電圧も大
きくなる。これによって、自動利得制御回路52の出力
電圧値は低くなり、駆動回路53の出力パルスの振幅は
小さくなる。このように、駆動回路53から出力される
パルス信号の振幅はフィードバック制御され、第1振動
片12および13の振動振幅は常に安定する。
【0036】つぎに、図4に示すような第2振動片のZ
方向の振動を検出する検出回路60を説明する。第2振
動片15が図4(b)に示すようにZ方向に振動して、
+Zの向きに屈曲すると、振動片15の上側の半分がY
方向に縮み、下側の半分がY方向に伸びる。水晶の圧電
効果により、Y方向に縮むとX方向の誘電分極が生じ、
Y方向に伸びると逆向きのX方向の誘電分極が生じる。
そして、誘電分極の強さは伸縮の大きさに依存するので
上面または下面において強く現れ、中間部に向かうほど
弱い。したがって、誘電分極は振動片15の4つの角部
に集中して現れ、この誘電分極によって角部に設けられ
た各電極25〜28には図示のような正または負の電荷
が集まる。つまり、電極25と27が同じ極性となり、
これらの極性が電極26と28の極性と逆になる。振動
片15が下側に振れると、同様の原理に基づいて上述し
たものと全く逆の極性が現れる。
【0037】検出回路60は、このようにして発生した
振動片15の各電極における電荷の変化量を検出し、第
2振動片の振動振幅に応じた信号を出力する。本実施形
態では、第1振動片12、13をX方向に互いに逆相で
励振し、第1振動片と第2振動片とをZ方向について互
いに逆相で振動させるものなので、第2振動片14と1
5はZ方向に関して互いに逆相で振動する。この第2振
動片14、15のZ方向の振動は、第1振動片12、1
3のX方向励振振動がY方向振動として漏れたものと、
振動子10が回転したときに生じるコリオリの力に基づ
いて発生したものとの合成振動であるが、いずれの成分
についても互いに逆相となる。コリオリの力に基づくZ
方向振動の発生メカニズムの詳細については後述する
が、いずれにしろZ方向に関して互いに逆相の振動が発
生するので、図2に示すように第2振動片15の電極2
5と28に対してこれらと面対称の位置にある第2振動
片14の電極36と37が共通に接続され、さらに検出
回路60の端子65に接続されている。そして、残りの
電極26、27、35、38が共通に検出回路60の端
子66に接続されている。
【0038】電流電圧変換回路61は電極25、28、
36、37での電荷の変化量を電圧値に変換する回路で
あり、電流電圧変換回路62は電極26、27、35、
38での電荷の変化量を電圧値に変換する回路である。
差動増幅回路63は電流電圧変換回路61および62の
それぞれの出力信号を入力し、両信号の電位差を増幅す
る回路であり、この出力信号の振幅は第2振動片14お
よび15の振動振幅に対応している。
【0039】同期検波回路64は差動増幅回路63から
出力された交流電圧信号を駆動回路53からの励振信号
に対して90度位相のずれたパルス信号を検波信号とし
て用いて同期検波を行った後、積分処理を行うものであ
り、通常の同期検波回路に積分回路が付加された回路で
ある。X励振の漏れによるZ方向振動は励振と同相であ
り、コリオリの力によるZ方向の振動は励振に対して9
0度位相がずれているため、同期検波および積分によ
り、前者は常に零の値となり、後者は全波整流の積分値
となる。すなわち、同期検波回路64の出力信号電圧
は、第2振動片14および15のコリオリの力によるZ
方向の振動振幅を示している。
【0040】角速度演算回路70は、第2振動片14お
よび15の振動振幅を示す検出回路60の出力信号に基
づいて、振動子10のY軸に平行な軸を中心とする回転
角速度を後述する角速度とコリオリの力との関係式を基
にして算出する回路である。
【0041】次に、以上のように構成された角速度検出
装置の動作を説明する。励振回路50は、第1振動片1
2、13のX方向の固有振動数fX1(これを第1固有振
動数という)に一致した周波数の励振信号を駆動回路5
3から出力する。これにより第1振動片12、13は逆
圧電効果により、X方向に固有振動数fX1で振動する。
振動片12と振動片13の位相は上述したように互いに
逆相である。
【0042】この状態で、振動子10がY軸に平行な軸
(Y軸を含む)を中心として角速度Ωで回転すると、第
1振動片12、13には、F=2mV・Ωで表されるコ
リオリの力FがZ方向に発生する。ここに、mは振動片
の質量、Vは振動速度である。このコリオリの力Fの発
生によって、第1振動片12、13はX方向の振動に対
して90度位相がずれてZ方向に振動する。つまり、第
1振動片12、13はZ方向についても、励振周波数
(第1固有振動数)で互いに逆相で振動する。この周波
数は、Z方向の第1および第2振動片の連成固有振動数
とほぼ一致しているので、第2振動片14、15に効率
よく伝達される。
【0043】一方、第1振動片12、13に与えられる
X方向励振が、同相のZ方向の励振として漏れ、この振
動も連成により第2振動片14、15に伝達される。振
動エネルギは、漏れ振動の方がコリオリの力による振動
よりも遥かに大きいため、第2振動片のZ方向の振動
は、漏れ振動上に90度位相のずれたコリオリの力によ
る振動が重畳しているものとなる。
【0044】ここで、Z方向の振動に伴う振動子10の
動きを図5および図6を用いて説明する。図5は本実施
形態の振動子10の動きを示すものであり、図6は本実
施形態の振動子10と比較するために、振動子10に代
えて第1振動片と第2振動片の回転慣性力が一致してい
ない振動子10aを想定し、その動きを示すものであ
る。両図において,分図(a)は振動子10または10
aを簡略表示した平面図であり、黒塗りで示した振動片
12〜15または12a〜15aは振動片が上下左右逆
相に振れたときの状態を示しており、梨地で示した4本
の振動片は振動していないときの状態を示している。た
だし、X方向振動の動作は無視している。なお、ここで
の座標系は図1(a)と同じである。分図(b)は振動
子10または10aを先端(Y方向)からみた正面図で
ある。
【0045】図5および図6において、第1振動片1
2、12aは−Zの向きに振れ、第2振動片14,14
aは+Zの向きに振れている。また、第1振動片13,
13aは+Zの向きに振れ、第2振動片15,15aは
−Zの向きに振れている。このとき、本実施形態の振動
子10の場合は、第1振動片12と第2振動片14の回
転慣性力が一致しているので、両振動片12および14
が振動子基体11との結合部に対して与えるZ方向の力
は互いに相殺され、実質的にZ方向には力が加わらな
い。このことは、第1振動片13、15による右側の振
動片対に対してもいえる。したがって、図5(b)に示
すように、各振動片12〜15がZ方向に振れても、振
動子基体11はZ方向に全く振れない。
【0046】一方、図6に示す振動子10aでは、第1
振動片12aと第2振動片14aの回転慣性力が一致し
ていないため、振動子基体11は回転慣性力の小さな方
と同方向に振動する。この例では第1振動片の方を第2
振動片よりも回転慣性力を小さくしてあるため、第1振
動片12aが−Zの向きに振れたときには、振動子基体
11も−Zの向きに振れてしまう。このとき、第1振動
片13aおよび第2振動片15aによる右側の振動片対
については、左右逆相に振動しているので、振動子基体
11は+Zの向きに振れる。このように、振動子基体1
1の左側は−Zの向きに振れ、右側は+Zの向きに振れ
るため、振動片の振動に伴って支持棒16を捻るような
力が加わる。この捻り運動は振動の漏れを増長し、安定
な振動を妨げる。
【0047】図5を用いて説明したように、本実施形態
の振動子10の場合には、このような捻りが生じないた
め、振動漏れが少なく、安定した振動を維持することが
できる。このことは、良好な感度の維持、温度変化およ
び経年変化に対する安定性をもたらす。
【0048】また、本実施形態では振動子基体11をそ
の中央部に連結する支持棒16で支持しているが、上述
したように支持棒からの振動漏れが少ないので振動子基
体11の支持方法の制約が少なくなり、他の支持方法で
も十分に良好な検出感度を得ることができる。たとえ
ば、支持棒16に代えて、振動子基体11から+Xまた
は−Xの向きに延びその先端に固定板がある支持棒を用
いてもよい。もちろん、+Xと−Xの2つの向きに支持
棒を延ばしそれぞれの先端に固定板を設けて2カ所で固
定してもよい。その他にも、振動子基体11の中央部か
ら+Yおよび−Yの2つの向きに支持棒を延ばしそれぞ
れの先端に固定板があるものでもよいし、本発明の従来
技術として挙げた特開平7−55479号に記載された
もののように振動子基体がフレーム形状になっておりそ
の内側に固定板を配置し固定板とフレームを支持棒で連
結した構成でもよい。さらに、これら様々なバリエーシ
ョンにおいて支持棒の長さを適宜選択することが可能で
ある。
【0049】このようにして、第1振動片12、13に
発生したZ方向の振動は良好に第2振動片14、15に
伝達される。第2振動片14、15のZ方向の振動は、
電極25〜28、35〜38に電荷の変化を生成し、こ
れに基づいて検出回路60で第2振動片14、15のコ
リオリの力によるZ方向の振動振幅が検出される。角速
度演算回路70は、検出回路60が出力する第2振動片
14、15の振動振幅情報から第1振動片12、13に
生じたコリオリの力Fを求め、さらに、上述したF=2
mV・Ωの関係に基づいて、振動子10のZ軸に平行な
軸を中心とする回転角速度Ωを算出する。
【0050】次に、第1振動片と第2振動片の回転慣性
力が一致した振動子の設計方法を説明する。図7はこの
設計方法に基づいて決定された寸法結果を示すものであ
る。まず、第1振動片よりも細くて長い第2振動片のZ
方向の固有振動数fnを決める。固有振動数fnは次の
式に基づいて決定される。
【0051】
【数2】
【0052】ここで、Eは水晶の縦弾性係数,rは水晶
の密度、λnは1次振動の定数、gは重力加速度、L2
は第2振動片の長さ、hは振動片の厚さ(振動子の厚
さ)である。
【0053】水晶の材料定数等から E=7.99×109Kg/m2 r=2.65×103Kg/m3 λn=1.85 g=9.8 である。
【0054】いま、h=0.3mmの水晶板を採用し、
L2=4.14mmとする。なお、振動片のZ方向の振
動は、単一の振動子と考えた場合、実際の厚さの5/6
の厚さの振動子として計算すると、計算結果と実際の固
有振動数とがよく合致することが経験的にわかっている
ので、hは0.25mmとする。これらの数値を、上記
(12)式に代入すると、fn=12.47KHzとな
り、第2振動片は約12.5KHzの固有振動数を持つ
ことになる。ところで、既に延べたように本実施形態で
はZ方向の振動について第1振動片と第2振動片とが連
成振動する。そして、その連成の固有振動数は、相対的
に太くて短い第1振動片の固有振動数よりも細くて長い
第2振動片の固有振動数に近い値となる。これは、細く
て長い第2振動片の方が太くて短い第1振動片よりも振
幅および応力が大きいからであると考えられる。したが
って、Z方向に関しては、第1振動片と第2振動片との
連成の固有振動数は第2振動片の固有振動数と等しいも
のと仮定することができる。
【0055】つぎに、第1振動片のX方向の固有振動数
と第2振動片のZ方向の固有振動数(すなわち、連成固
有振動数)とを等しくする条件を考える。第1振動片の
X方向の幅をW1、長さをL1、Z方向の振動振幅をZ
1、第2振動片のX方向の幅をW2、長さをL2、Z方
向の振動振幅をZ2、振動子の厚さをhとすると、第1
振動片のX方向の固有振動数と第2振動片のZ方向の固
有振動数が等しいということと、(12)式とからW1
/L12=h/L22 が導き出される。いま、h=0.
25、L2=4.14を代入すると W1=0.01459L12 ・・・(13) となる。
【0056】さらに、第1振動片の回転慣性力と第2振
動片の回転慣性力とを一致させる条件を考えると、 L12・W1・h・Z1= L22・W2・h・Z2 を満足させればよい。いま、第1振動片と第2振動片の
Z方向の振幅の比、すなわちZ1:Z2を4:5とし、
W2として0.12mmを選択すると、 L12・W1=4.14・0.12・5/4 ・・・(14) となる。
【0057】上記(13)式および(14)式を解く
と、W1=0.194、L1=3.64となる。なお、
実際には、励振と検出の周波数を合わせるために、FE
Mにて解析を行い、W1=0.2、L1=3.69とし
た。図7の寸法図は以上の結果を示すものである。
【0058】このようにして設計された振動子を作製し
て、振動実験を行ったところ、第1振動片のX方向の固
有振動数と第2振動片のZ方向の固有振動数の差Δfが
150Hzで、回転慣性力の合わせ度を表すA/Bの値
が0.1より小さい値となった。A/Bは、振動片の先
端のZ方向の最大変位量(B)に対する振動片の根本部
のZ方向の最大変位量(A)の比を表したものであり、
小さいほど回転慣性力の合わせ度が高いといえる。
【0059】図8はA/B値とZ方向振動のQ値との関
係を示す特性図である。縦軸は、A/B=0の理想的な
振動子を基準にしたときのZ方向振動のQ値の変化量を
百分率で示しており、横軸はA/B値を示している。な
お、このときのX方向の固有振動数とZ方向の固有振動
数の差Δfは励振周波数の1/100である。この特性
図から A/Bの値が大きくなると外部への振動漏れが
大きくなり、垂直振動のQ値が低くなることが判る。Q
値の低下は、角速度検出装置としての感度を低下させる
ことになる。そこで、回転慣性力合わせをどの程度まで
行うか、すなわちA/Bの値をどの程度まで許容するか
が問題となる。上述した実施例ではA/Bが0.1であ
り、図8から判断するとQ値が理想的な振動子のQ値に
対して−10%程度の低い値となるが、これを自動車の
姿勢制御のためのヨーレイトセンサとして用いたとこ
ろ、十分に満足のゆく感度を得ることができた。
【0060】つぎに、励振用振動片である第1振動片1
2、13におけるX方向振動のZ方向振動への振動漏れ
について説明する。振動子10は、水晶のZ板をエッチ
ング加工して作製するものであるが、各振動片の側面に
はエッチングの異方性のためにY方向に延びる峰が残っ
てしまう。X方向振動のZ方向振動への振動漏れが生じ
るのはこのためである。
【0061】一方、本実施形態では第1振動片のX方向
の固有振動数と第1および第2振動片のZ方向の連成固
有振動数とが近い値となるように設計されている。Z方
向の連成固有振動数は振動応力の比較的大きい細くて長
い第2振動片のZ方向の固有振動数に近い。換言すると
第1振動片のZ方向の固有振動数とX方向の固有振動数
とは比較的離れている。そのため、第1振動片でのX方
向振動とZ方向振動とのカップリングが弱く、X方向の
励振振動のZ方向振動への漏れが少ない。この漏れ振動
はコリオリの力による振動の検出を考えるとノイズに他
ならず、したがって、少なければ少ないほど検出感度を
高めることができる。
【0062】第1振動片12、13のX方向の固有振動
数とZ方向の固有振動数の差は、振動片の厚さDと幅W
との差に起因する。図9は厚さDと幅Wの比W/Dと、
X方向に励振したときのZ方向成分の割合H/Cの関係
を示すグラフである。このグラフは、厚さ0.3mmの
水晶基板に長さが等しく幅Wが異なる複数の振動片を設
け、X方向に振動させたときのZ方向振動成分を測定し
たものである。このグラフから判るように、W/Dを
0.7以下にすると急激に振動漏れが減少することが判
る。図7に示した実施例では、Wが0.2、Dが0.3
であるからW/Dが0.67となり振動漏れが非常に少
ないことが判る。
【0063】つぎに、本発明の第2実施形態を説明す
る。第2実施形態の振動子の基本構造は、図1に示す第
1実施形態の振動子10と同じである。すなわち、X軸
方向に延在する振動子基体と、振動子基体から+Yの向
きに延び、相対的に太くて短い2本の第1振動片と、振
動子基体からそれぞれ第1振動片と同軸上で−Yの向き
に延びる相対的に細くて長い2本の第2振動片と、2本
の第2振動片の間において振動子基体から−Yの向きに
延びる支持棒と、支持棒の端部に設けられた固定板とが
水晶の単結晶基板で一体に構成され、振動子を形成して
いる。そして、第1振動片のZ方向の振動による振動子
基体との結合部を支点とした回転慣性力と、第2振動片
のZ方向の振動による振動子基体との結合部を支点とし
た回転慣性力とを略等しくしてある。
【0064】この第2実施形態が第1実施形態と異なる
のは、細くて長い第2振動片をX方向に励振する点であ
る。コリオリの力により発生したZ方向の振動は、第1
実施形態と同様に第2振動片で検出する。すなわち、こ
の振動子では、X方向励振とZ方向振動検出とを同一の
振動片で行う。そのため、第1実施形態で説明した励振
用電極21〜24、31〜34と同じものが第2振動片
の先端側に設けられ、検出用電極25〜27、35〜3
7と同じものが第2振動片の根本側に設けられている。
【0065】この実施形態では、第2振動片のX方向の
固有振動数と第1および第2振動片のZ方向の連成固有
振動数とをほぼ一致させるように設計することになる
が、Z方向の連成固有振動数は、第1実施形態で説明し
たように細くて長い第2振動片のZ方向の固有振動数に
近い値である。つまり、第2振動片のX方向固有振動数
とZ方向固有振動数とが近い値となっている。したがっ
て、第2振動片内でのカップリング(振動の伝達性)が
強く、Z方向の振動エネルギは同一の第2振動片内のX
方向振動から伝達されたものであるから、比較的容易な
Z方向固有振動数解析によって第1振動片と第2振動片
の回転慣性力を一致させることができる。また、この実
施形態によれば、励振および検出のいずれにも直接用い
られることがない第1振動片をマス調整することによ
り、Z方向の連成固有振動数を調整することができる。
さらに、励振と検出が異なる振動片の場合には、両振動
片間での振動の伝達が介在するために伝達の温度特性な
どの影響を受けやすいが、本実施形態の振動子は、検出
用の振動片と励振用の振動片とが同一であるので温度変
化等の影響を受けにくく、検出の信頼性が高い。
【0066】つぎに、具体的な寸法設計の手順を説明す
る。まず、第2振動片の長さL2と幅W2を決める。こ
こでは、L2=6mm、W2=0.25mmとする。こ
れを次式(15)に代入して、X方向の固有振動数を計
算する。
【0067】
【数3】
【0068】ここで、Eは水晶の縦弾性係数,rは水晶
の密度、λnは1次振動の定数、gは重力加速度であ
り、水晶の材料定数等からE=7.99×109Kg/
2 、r=2.65×103Kg/m3 、λn=1.
85、g=9.8である。これらも合わせて代入する
と、fn=5938.7Hzとなる。
【0069】つぎに、Z方向の振動について考える。こ
の振動子では既に延べたように第2振動片のX方向固有
振動数とZ方向固有振動数とを近づけたい。理論的には
幅と厚さが等しい振動片、すなわち断面形状が正方形の
振動片とすれば、X方向固有振動数とZ方向固有振動数
が一致するが、経験的に例えば振動子基体から2本の振
動片が突出したような音叉形状のときは、幅の約6/5
に厚さを設定すると、X方向固有振動数とZ方向固有振
動数とが一致することが判っている。したがって、厚さ
は0.3mmとなる。
【0070】これで、第2振動片の形状は決まり、つぎ
に第1振動片の形状を決める。振動子全体を単一水晶基
板で構成するので、厚さは0.3mmに既に決まってお
り、長さL1と幅W1を決める必要がある。図10は、
第1および第2振動片の長さ比L1/L2と幅比W1/
W2との関係において、第1振動片と第2振動片との回
転慣性力が一致する条件を示したものである。本実施例
では細くて長い第2振動片の長さL2を6.0mm、幅
W2を0.25mmに設定したので、例えば、太くて短
い第1振動片の長さL1を5.5mmにしたとすると長
さ比L1/L2は5.5/6=0.917となる。これ
を図10に当てはめると、回転慣性力が一致するのは幅
比W1/W2が2.05であり、W1は0.51mmと
なる。図11は、このようにして寸法設計された振動子
の寸法表示付きの平面図である。
【0071】この第2実施形態では、第2振動片をX方
向に励振しつつ、同じ第2振動片のZ方向の振動を検出
しているが、その変形例として検出電極を第1振動片に
そのまま移動して設置することで、第2振動片励振およ
び第1振動片検出の振動子を用いた角速度検出装置を提
供することができる。
【0072】この変形例によれば、第1実施形態と同様
に励振用振動片と検出用振動片とが異なるので、励振
用、検出用の電極を大きくとることができるという点か
ら効率がよい。また、1本の振動片上の配線数が第2実
施形態の基本形と比較すると少ないので、配線しやすく
小型化しやすい。しかも、配線のコンデンサ成分等の影
響による信号のクロストークを少なくすることができ
る。さらに、検出用の電極は理想的にはZ方向の振動し
か検出しないが、実際にはX方向にも若干の感度がある
ため、検出と励振が同一の振動子である第2実施形態の
基本形と比較すると、X方向の振動が検出用振動子に載
っていない本変形例の方が電極感度の点からS/Nが高
い。
【0073】以上の第1実施形態および第2実施形態の
いずれにおいても、第1または第2振動片のいずれかを
X方向に励振するものであるが、そのX方向振動を振動
子基体を挟んだ他方の振動片にはできるだけ伝達しない
ことが望ましい。かかる観点から振動子の形状について
研究を行った結果、振動子基体の中央部にZ方向に貫通
する穴を形成すると第1振動片と第2振動片との間のX
方向振動の伝達が抑制できることが明らかとなった。一
方、Z方向の振動は互いに対向する第1振動片と第2振
動片を連成振動させる必要があるため、第1振動片と第
2振動片は振動子基体を介在させつつも一体化している
ことが望ましい。そこで、これを達成するために貫通穴
のX方向の幅は2本の第1振動片の内側壁間隔および2
本の第2振動片の内側間隔のいずれよりも狭いことが望
ましい。貫通穴をこのような寸法にしてその中心を振動
子基体の中心と一致させれば、第1振動片と第2振動片
が振動子基体を介して略直線的に連続し強い連成が得ら
れる。
【0074】また、第1および第2実施形態では、図1
に示すように、第1振動片12と第2振動片14の長手
方向(Y方向)の軸がほぼ一致しており、第1振動片1
3と第2振動片15の長手方向(Y方向)の軸がほぼ一
致しているが、図12に示すように互いに対向する第1
振動片と第2振動片の長手方向の軸を平行性を維持した
ままXY平面上でずらしてもよい。このように構成する
と、X方向振動の伝達をさらに強く阻止することができ
る。図12では、振動子基体の中心から第1振動片のY
軸までの距離をA、第2振動片のY軸までの距離をBと
すると、A>Bとしたものであるが、逆にA<Bとして
も同様にX方向の振動を強く阻止することができる。
【0075】なお、第1および第2振動片の慣性質量を
それぞれM1およびM2、第1および第2振動片の振幅
をP1およびP2とし、振動子の中心軸(Y方向中心
軸)で回転しないように振動片の慣性質量を設定して、
振動バランスを合わせ、A>Bとすると、第2振動片の
振幅をA=Bのときより大きくすることができる。
【0076】つぎに、本発明の第3実施形態を説明す
る。振動子の基本構成は図13に示すように第1および
第2実施形態と同様であり、振動子基体11から+Yの
向きに突出する太くて短い2本の第1振動片12、13
と、−Yの向きに突出する細くて長い2本の第2振動片
14、15とを有し、第1振動片12、13のZ方向の
振動による振動子基体11との結合部を支点とした回転
慣性力と、第2振動片14、15のZ方向の振動による
振動子基体11との結合部を支点とした回転慣性力とを
略等しくしたものである。また、支持棒16と固定台1
7の配置も基本的には第1および第2実施形態と同じで
ある。
【0077】第1および第2実施形態との相違点は励振
方向であり、第1および第2実施形態では励振は常にX
方向であったが、本実施形態では2本の第2振動片を互
いに逆相でZ方向に励振するものである。この左右逆相
のZ方向励振を単純に行った場合、すなわち単なる自励
振を行うと、第1振動片と第2振動片とが連成振動する
が、X方向励振のときのZ方向振動とは異なり、対とな
った第1および第2振動片の位相が同相となるという現
象が生じる。本発明は、第1振動片と第2振動片がZ方
向について互いに逆相に振動したときの振動子基体のZ
方向の揺れを回転慣性力を合わせることで防ぎ、これに
よってコリオリの力による振動の漏れを防止して検出精
度を高めようとするものであるから、第1および第2振
動片が同相で振動する場合には、本発明は有効ではな
い。そこで、本実施形態では、励振手段に位相に関する
フィードバック方式を採用して対になった第1振動片と
第2振動片とが逆相になるように励振する。
【0078】この実施形態では第2振動片をZ方向に励
振し、この振動を第1振動片へ伝達する。この状態で振
動子がY軸に平行な軸を中心として回転すると、コリオ
リの力によって第1振動片にX方向の振動が発生するこ
のでこの振幅を検出し、検出結果から回転角速度を演算
により求めるものである。
【0079】図14(a)および(b)はそれぞれ第1
および第2振動片に設けられた電極を示す図であり、図
15はこれらの電極に接続された励振および検出のため
の回路を示す図である。
【0080】図14(b)は第2振動片14、15をZ
方向に励振させるための電極を示しており、第1実施形
態の検出電極と同様の電極配置となっている。同図にお
いて、P+端子101に正の電位、P−端子102に負
の電位が印加されると、第2振動片14の上半分には電
極110から112に向かう電界が生じ、下半分には電
極111から113に向かう電界が生じる。すると、水
晶の圧電効果により上半分はY方向に伸び下半分はY方
向に縮むため、第2振動片14は−Zの向き(下向き)
に屈曲する。一方、第2振動片15には第2振動片14
と逆の極性の電圧が印加されるため、+Zの向きに屈曲
する。したがって、端子101および102の極性を交
互に切り替えると、第2振動片14および15は互いに
逆相でZ方向に振動する。
【0081】図14(a)は第1振動片12および13
のZ方向およびX方向の振動を検出するための電極を示
しており、各振動片にそれぞれY方向に延在する6本の
電極が設けられている。すなわち図示のごとく、各側面
にそれぞれ1本ずつ電極121、122、131、13
2が設けられ、各上面および下面にそれぞれ2本ずつ電
極123、125、124、126、133、135、
134、136が設けられている。
【0082】第1振動片のZ方向の屈曲(振動)は、電
極123〜126および電極133〜136によって検
出する。第1振動片12が+Zの向きに屈曲すると、上
側の半分がY方向に縮み、下側の半分がY方向に伸び
る。水晶の圧電効果により、Y方向に縮むとX方向の誘
電分極が生じ、Y方向に伸びると逆向きのX方向の誘電
分極が生じ、その分極は上面および下面に集中する。こ
れにより電極123および124に同極性の電荷が集ま
り、電極125および126にはそれと反対の極性の電
荷が集まる。この電荷量の変化からZ方向の振動を図1
5に示す信号処理回路により検出する。同様に、第1振
動片13のZ方向の振動は電極133〜136の電荷量
の変化からZ方向の振動を検出する。
【0083】第1振動片12および13のX方向の屈曲
(振動)は、すべての電極121〜126および電極1
31〜136によって検出する。X方向に屈曲すると、
図3を用いて説明した逆圧電効果の逆のメカニズムによ
る圧電効果により上下面に同極の電荷が集まり、左右側
面の電極にそれとは逆極性の電荷が集まる。この電荷の
変化からX方向の振動を図15の回路により検出する。
【0084】つぎに、図15の励振および検出回路を説
明する。励振回路201は、端子101および102に
振動子10のZ方向の連成固有振動数にほぼ一致した周
波数の励振信号を互いに逆相で印加する。これによっ
て、第2振動片14、15は逆相でZ方向に振動し、そ
の振動はそれぞれ対となった第1振動片12、13に伝
達される。第1振動片のZ方向の振動は、端子105と
107に同相で現れる電荷の変化(波形220)と端子
106と108に同相で現れる電荷の変化(波形22
1)との差をとることで合成され(波形222)、パル
ス成形回路202に入力される。
【0085】パルス成形回路202では、これを矩形パ
ルス223に変換して第1振動片12および13の振動
位相情報として励振回路201に入力される。励振回路
201では、パルス成形回路202からフィードバック
される矩形パルス223と逆相の位相で駆動信号を出力
する。これにより、対となった第1振動片と第2振動片
とが互いに逆相で連成振動する。
【0086】第1振動片がZ方向に振動した状態で、振
動子10がY軸に平行な軸に回転すると、その回転角速
度Ωに応じた振幅で第1振動片がX方向に振動するの
で、このX方向振動を検出する。そのために、端子10
5および106の信号が加算された後に端子103の信
号との差が採られ第2振動子12のX方向の振動を示す
波形230となる。X方向振動は、実際はほとんどが励
振振動の漏れ成分であり、そこに角速度Ωに応じた90
度位相のずれたコリオリの力によるX振動が重畳されて
いる。同様に、端子107と108の信号が加算された
後に端子104の信号との差が採られ第2振動片13の
X方向の振動を示す波形231となる。この波形は波形
230と180度位相のずれたものであるから、両波形
の差をとることにより、第2振動片12および13の両
方のX方向振動を合わせた波形232が得られ、同期検
波回路204に入力される。
【0087】同期検波回路204では、Z方向振動の位
相と90度位相のずれたパルス信号224を位相変換回
路203から入力し、この信号で入力信号232を同期
検波して波形233を得る。入力信号232は、既に述
べたように励振の漏れ成分とコリオリの力に基づく成分
との合成であり、同期検波回路204の出力信号232
はコリオリの力に基づく成分が全波整流されたものであ
る。検出信号232の大部分の成分である励振の漏れ成
分と検波用のパルス224とは、位相が90度ずれてい
るので、波形233に示すように鋸歯状の波形となる。
この波形233を積分回路205で積分すると、励振の
漏れ成分は零となり、コリオリの力によるX成分のみが
残る。この信号はオフセット除去回路206でオフセッ
ト成分が除去され、増幅回路207で増幅されて端子2
08から出力される。
【0088】このようにして端子208に得られるコリ
オリの力によるX方向の振動振幅を示す信号は、さらに
図示を省略した角速度演算回路に与えられ、Y軸に平行
な軸を中心とした回転の角速度ΩをF=2mV・Ωの関
係に基づいて算出する。
【0089】つぎに、本実施形態の角速度検出装置に用
いられる振動子10の寸法設計方法を説明する。
【0090】まず、第2振動片14、15のZ方向の固
有振動数fnを決める。これは、第1実施形態の説明で
用いた(12)式を適用すればよく、ここでは、第2振
動片の長さL2を6mmとし、水晶基板の厚さhを0.
4mmとする。なお、振動片のZ方向の振動は、単一の
振動子と考えた場合、実際の厚さの5/6の厚さの振動
子として計算すると計算結果と実際の固有振動数とがよ
く合致することが経験的にわかっているので、hは0.
33mmとする。このL2およびhの値と、水晶の材料
定数等から定められるE=7.99×109Kg/m
2 、 r=2.65×103Kg/m3 、λn=1.8
5 、g=9.8とを併せて(12)式に代入すると、
fn=7839Hzが得られる。すなわち、第2振動片
は、約7.8KHzの固有振動数を持つことになる。
【0091】第1および第2振動片によるZ方向の連成
固有振動数は、第1振動片よりも細くて長いために応力
が大きい第2振動片の固有振動数に近い値となる。そこ
でつぎに、第1振動片のX方向の固有振動数をZ方向の
連成固有振動数すなわち、第2振動片のZ方向の固有振
動数に近づける。そのためには、 W1/L12=h/L22 を満足させればよい。ここで、W1、L1は、それぞれ
第1振動片の幅および長さである。h=0.33、L2
=6を代入すると W1=0.00926L12 となる。ここで、L1をL2よりも小さいという条件の
下で任意の長さに設定する。いま、L1=5.8とする
と、W1は0.312となる。
【0092】つぎに、第1および第2振動片の長さ比L
1/L2と幅比W1/W2との関係において、第1振動
片と第2振動片との回転慣性力が一致する条件を示した
図10のグラフを適用して第2振動片の幅W2を求め
る。L1/L2=5.8/6=0.967であるので、
これを図10に示す回転慣性力一致条件のグラフに当て
はめると、W1/W2=1.75となる。したがって、
W2=0.312/1.75=0.178となる。
【0093】以上で、第1および第2振動片の長さ、
幅、厚さが決定した。まとめると、W1=0.312、
W2=0.178、L1=5.8、L2=6、h=0.
33となる。
【0094】ところで、これらの数値をより精密に算出
するために、一般的にはコンピュータによるFEM解析
により計算する。この方法によると振動子基体を含めた
複雑な形状の振動子においても精度よく計算することが
できる。L1=5.8、L2=6、h=0.3を条件に
して計算したところ、W1=0.316、W2=0.2
07となった。図13にはFEM解析の結果得られた寸
法がmm単位で書き込まれている。
【0095】本実施形態は振動片をZ方向に励振し、コ
リオリの力により発生したX方向の振動を検出するもの
であり、そのために第2振動片をZ方向に励振し、第1
振動片のX方向の振動を検出している。しかし、励振お
よび検出の振動片をそれぞれ第2振動片および第1振動
片に限定するものではない。つまり、第2振動片をZ方
向に励振し、同じ第2振動片のX方向の振動を検出する
ものでもよく、第1振動片をZ方向に励振し、第2振動
片のX方向振動を検出するものでもよい。
【0096】つぎに、本発明の第4実施形態を図16と
ともに説明する。図16(a)は振動子10の平面図で
あり、振動子10の基本構成は第1ないし第3実施形態
と同様である。すなわち、振動子基体11から+Yの向
きに突出する太くて短い2本の第1振動片12、13
と、−Yの向きに突出する細くて長い2本の第2振動片
14、15とを有し、第1振動片12、13のZ方向の
振動による振動子基体11との結合部を支点とした回転
慣性力と、第2振動片14、15のZ方向の振動による
振動子基体11との結合部を支点とした以下に記述する
高次振動モードでの回転慣性力とを略等しくしたもので
ある。また、支持棒16と固定台17の配置も基本的に
は第1ないし第3実施形態と同じである。
【0097】第1ないし第3実施形態との相違点は、第
1振動片よりも細くて長い第2振動片を2次振動モード
で振動させる点である。この実施形態では、第1振動片
12、13をX方向に互いに逆相で励振させる。する
と、振動子の回転に伴って発生したコリオリの力により
第1振動片にZ方向の振動が生じる。このコリオリの力
による第1振動片のZ方向の振動は、対になった第1振
動片と第2振動片がZ方向の振動については連成するこ
とから、第2振動片へ伝達される。また、第1振動片の
Z方向の漏れ振動も第2振動片へ伝達される。励振周波
数および振動片寸法は、第2振動片のZ方向の振動が2
次の振動モードとなるように定められており、したがっ
て、当然のことながら第2振動片は2次振動モードでZ
方向に振動する。第2振動片14と15のZ方向の振動
は、第1振動片12および13に対するX方向の励振が
互いに逆相であるため、逆相となる。
【0098】図16(b)は、図16(a)の振動子1
0をX方向から見た側面図であり、振動片のZ方向の振
動の様子を示すものである。同図では左側で対となった
第1振動片12および第2振動片14を実線で示し、右
側で対となった第1振動片13および第2振動片15を
破線で示してあり、第1振動片12が+Zの向きに振
れ、第1振動片13が−Zの向きに振れているときの状
態を示している。このとき、第2振動片14および15
は2次振動モードで振動していることから、第2振動片
14は先端が+Zの向きに、中央付近が−Zの向きに振
れている。第2振動片15は逆に先端が−Zの向きに、
中央付近が+Zの向きに振れている。
【0099】振動子10の第1振動片12、13に設け
るX方向励振用電極は、第1実施形態の励振用電極と同
様に配置すればよい。また、第2振動片14、15に設
けるZ方向振動の検出用電極は、第1実施形態と同様の
電極をY方向においてずらして配置する。すなわち、検
出用電極は振動による内部応力が強く現れる位置に設け
ることが望ましいので、第1実施形態では根本側に設け
たが、本実施形態ではそれを中央付近にずらし、2次振
動の腹の部分に位置するように設けている。
【0100】つぎに本実施形態の振動子10の寸法設計
方法を説明する。まず、第2振動片のZ方向の2次固有
振動数fn2を決める。固有振動数fn2は第1実施形
態で用いた(12)式の1次振動定数λnを2次振動定
数λn2に置き換えた次の式に基づいて決定される。
【0101】
【数4】
【0102】ここで、Eは水晶の縦弾性係数,rは水晶
の密度、λn2は2次振動の定数、gは重力加速度、L
2は第2振動片の長さ、hは振動片の厚さ(振動子の厚
さ)である。
【0103】水晶の材料定数等から E=7.99×109Kg/m2 r=2.65×103Kg/m3 λn=4.694 g=9.8 である。これらの数値と適当に選択したhおよびL2の
数値とを上記(16)式に代入すると、第2振動片のZ
方向の2次固有振動数fn2が定まる。
【0104】つぎに、このZ方向の2次固有振動数fn
2と第1振動片のX方向の固有振動数fnとを等しくす
る条件を考える。第1振動片のX方向の固有振動数fn
は、
【0105】
【数5】 で与えられる。ここに、W1およびL1は第1振動片の
X方向の幅および長さである。
【0106】さて、fn2=fnを計算すると、 W1/L12=(λn22/λn2)・h/L22 =6.267h/L22 が得られる。
【0107】hおよびL2はすでに適当な値が選択され
ているから、 W1/L12の値は定数となる。
【0108】最後に、第1振動片の回転慣性力と第2振
動片の回転慣性力とを一致させる条件を与えてW1およ
びL1を決定すればよい。
【0109】この第4実施形態によれば、1次振動モー
ドの場合(第1実施形態)と比較して、第1振動片と第
2振動片の長さ比が大きくなるため、第1振動片と第2
振動片のX方向固有振動数の差が大きくなり、両振動片
間の振動伝達が一層強く遮断される。そのため、第2振
動片は純粋にZ方向だけの振動となり検出精度が高い。
【0110】また、2次振動の内部応力集中部が振動片
中央部となることから、検出電極が振動片中央部とな
る。中央部への電極形成は根本部への形成と比較して容
易である。これは、振動子は基板をエッチング加工して
作製するのであるが、結晶方位の関係から振動片の根本
部の形状は不安定であるのに対し、中央部は安定である
からである。この第4実施形態では第2振動片の2次振
動モードを利用したが、3次以上の高次の振動モードを
利用してもよい。第4実施形態は第1振動片をX方向に
1次振動モードで励振し、第2振動片のZ方向の2次振
動モードでの振動を検出するものであるが、第2振動片
をX方向に1次振動モードで励振すると共に、第2振動
片のZ方向の振動を2次振動モードとすることもでき
る。その場合、第2振動片の幅を2段階にして、根本側
を先端側よりも広くし、励振用電極を先端側の幅の狭い
部分に設け、検出用電極を根本側の幅の広い部分、また
は第1振動片に設けることが考えられる。振動子をこの
ような構造にすると、X方向の振動(励振)について
は、幅の狭い部分のY方向の長さが第2振動片の実質的
な長さとなり、Z方向の振動については、第2振動片全
体の長さが実質的な長さとなるので、同一振動片でX方
向振動を1次振動モード、Z方向振動を2次振動モード
とすることができる。
【0111】この第4実施形態の変形例によれば、幅の
比を変えることにより、厚さと横幅の比をある程度自由
に選択できる。したがって、エッチング加工の容易な薄
い水晶基板を採用できる。
【0112】上述してきた第1〜第4実施形態は、すべ
て2本の第1振動片と2本の第2振動片を有する振動
子、つまり、振動子基体を挟んでほぼ同軸上に突出した
第1振動片と第2振動片の対を2組備えたものである。
しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、第1
振動片および第2振動片からなる振動片対が、最低1組
あれば振動子としての機能を発揮することができ、第1
振動片のZ方向の回転慣性力と第2振動片のZ方向の回
転慣性力が一致していれば、振動子基体がZ方向に振動
しないという本発明特有の作用を呈する。
【0113】また、振動子として水晶の単結晶基板が用
いられたが、他の圧電材料、たとえば、チタン酸ジルコ
ン酸合金(PZT)、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リ
チウム等でも構わない。さらに、振動子をステンレスの
ような単なる振動子とし、電極に代えて圧電体による励
振手段を用いて振動させてもよい。
【0114】
【発明の効果】以上のように、本発明の角速度検出装置
によれば、第1振動片の回転慣性力と第2振動片の回転
慣性力とが略等しいので、両振動片がZ方向において互
いに逆相で振動した場合、両振動片のZ方向の振動の支
点となっている振動子基体がZ方向に揺動することがな
い。したがって、振動子基体からの振動漏れが少なく、
コリオリの力によって生じた振動振幅が減衰しないため
に、その振動を高感度で検出することができる。すなわ
ち、角速度Ωの検出精度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である角速度検出装置の
振動子を示す図。
【図2】第1実施形態の角速度検出装置に用いられる励
振回路50、検出回路60および角速度演算回路70を
示すと共に、これらの回路と振動片12〜15に設けら
れた電極21〜28および31〜38との接続関係を示
すブロック図。
【図3】第1振動片12および13における逆圧電効果
を説明するための図。
【図4】第2振動片14および15における圧電効果を
説明するための図。
【図5】本実施形態の振動子10の動きを示す図。
【図6】本実施形態の振動子10と比較するために、振
動子10に代えて第1振動片と第2振動片の回転慣性力
が一致していない振動子10aを想定し、その動きを示
す図。
【図7】本実施形態の振動子の寸法が表記された平面
図。
【図8】A/B値とZ方向振動のQ値との関係を示す特
性図。
【図9】振動片の厚さDと幅Wの比W/Dと、X方向励
振のときのZ方向成分の割合H/Cとの関係を示すグラ
フ。
【図10】第1および第2振動片の長さ比L1/L2と
幅比W1/W2との関係において、第1振動片と第2振
動片との回転慣性力が一致する条件を示した特性図。
【図11】本発明の第2実施形態の振動片を示す平面
図。
【図12】第1または第2実施形態の振動片の変形例を
示す平面図。
【図13】本発明の第3実施形態の振動片を示す平面
図。
【図14】第3実施形態の振動片の電極を示す断面図。
【図15】第3実施形態の信号処理回路を示す回路図。
【図16】第4実施形態の振動子を示す図。
【図17】回転慣性力を説明するための原理図。
【図18】回転慣性力を説明するための原理図。
【符号の説明】
10…振動子、11…振動子基体、12、13…第1振
動片、14、15…第2振動片、16…支持棒、17…
固定板、21〜28、31〜38…電極、50…励振回
路、60…検出回路、70…角速度演算回路。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 XYZ三次元座標空間において、XY平
    面上のX方向に延在し角速度を検出すべき被検出体に固
    定される振動子基体と、この振動子基体から+Yの向き
    に突出しX方向の第1固有振動数を有する第1振動片
    と、前記振動子基体から−Yの向きに突出し前記第1固
    有振動数と異なるX方向の第2固有振動数を有する第2
    振動片とを有する振動子と、前記第1または第2振動片
    のいずれかをZ方向またはX方向に励振する励振手段
    と、前記第1または第2振動片における前記励振手段に
    よる振動の励振方向とY方向との双方に直交する振動の
    振幅を検出する検出手段と、前記検出手段により検出さ
    れた振幅の大きさからY方向を軸とする回転角速度を演
    算する角速度演算手段とを備え、 前記第1振動片のZ方向の振動による前記振動子基体と
    の結合部を支点とした回転慣性力と、前記第2振動片の
    Z方向の振動による前記振動子基体との結合部を支点と
    した回転慣性力とを略等しくしたことを特徴とする角速
    度検出装置。
  2. 【請求項2】 前記第1振動片と前記第2振動片の対が
    前記振動子基体に対して2組設けられており、前記振動
    子基体は支持棒を介して前記被検出体に固定されてお
    り、この支持棒は前記2組の振動片対の一方の振動片対
    と他方の振動片対との間において前記振動子基体からY
    方向に延びその先端が前記被検出体に固定されるもので
    あることを特徴とする請求項1に記載の角速度検出装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第2振動片は前記第1振動片よりも
    細くて長いことを特徴とする請求項2に記載の角速度検
    出装置。
  4. 【請求項4】 前記励振手段は前記第1振動片をX方向
    に励振させるものであることを特徴とする請求項2に記
    載の角速度検出装置。
  5. 【請求項5】 前記励振手段は前記第1振動片をX方向
    に互いに逆位相で励振させるものであることを特徴とす
    る請求項3に記載の角速度検出装置。
  6. 【請求項6】 前記第1振動片のX方向の幅WはZ方向
    の厚みDの0.7倍以下であることを特徴とする請求項
    5に記載の角速度検出装置。
  7. 【請求項7】 前記励振手段は前記第1振動片または第
    2振動片のいずれかをZ方向に励振させるものであり、
    前記第1振動片のZ方向の振動と前記第2振動片のZ方
    向の振動とが互いに逆相になるように前記励振の位相を
    調整するものであることを特徴とする請求項1に記載の
    角速度検出装置。
  8. 【請求項8】 前記対となった前記第1振動片と第2振
    動片のそれぞれの長手方向の中心軸が互いにずれてお
    り、前記振動子基体の前記被検出体に対する固定部を支
    点とする前記第1振動片の回転慣性力と前記第2振動片
    の回転慣性力とが略等しいことを特徴とする請求項1に
    記載の角速度検出装置。
  9. 【請求項9】 励振手段による励振周波数を前記第1振
    動片または第2振動片のいずれかのZ方向の高次振動モ
    ードの固有振動数とほぼ一致させたことを特徴とする請
    求項1に記載の角速度検出装置。
  10. 【請求項10】 前記振動子を構成する前記振動子基体
    と前記第1および第2振動片とが1枚の等厚基板で形成
    されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1
    項に記載の角速度検出装置。
JP21261796A 1996-08-12 1996-08-12 角速度検出装置 Expired - Lifetime JP3805837B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21261796A JP3805837B2 (ja) 1996-08-12 1996-08-12 角速度検出装置
EP97934725A EP1020704B1 (en) 1996-08-12 1997-08-07 Angular velocity detector
PCT/JP1997/002756 WO1998007005A1 (fr) 1996-08-12 1997-08-07 Detecteur de vitesse angulaire
KR1019997001212A KR100328532B1 (ko) 1996-08-12 1997-08-07 각속도검출장치
DE69712375T DE69712375T2 (de) 1996-08-12 1997-08-07 Winkelgeschwindigkeitsdetektor
AU37838/97A AU711850B2 (en) 1996-08-12 1997-08-07 Angular velocity detecting apparatus
CA002263995A CA2263995C (en) 1996-08-12 1997-08-07 Angular velocity detector
US09/248,759 US6125701A (en) 1996-08-12 1999-02-12 Angular velocity detecting apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21261796A JP3805837B2 (ja) 1996-08-12 1996-08-12 角速度検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1054725A true JPH1054725A (ja) 1998-02-24
JP3805837B2 JP3805837B2 (ja) 2006-08-09

Family

ID=16625650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21261796A Expired - Lifetime JP3805837B2 (ja) 1996-08-12 1996-08-12 角速度検出装置

Country Status (8)

Country Link
US (1) US6125701A (ja)
EP (1) EP1020704B1 (ja)
JP (1) JP3805837B2 (ja)
KR (1) KR100328532B1 (ja)
AU (1) AU711850B2 (ja)
CA (1) CA2263995C (ja)
DE (1) DE69712375T2 (ja)
WO (1) WO1998007005A1 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002277247A (ja) * 2001-03-22 2002-09-25 Citizen Watch Co Ltd 振動ジャイロ
JP2007064746A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Kyocera Kinseki Corp 慣性センサ素子
JP2008026110A (ja) * 2006-07-20 2008-02-07 Epson Toyocom Corp ジャイロ振動片
JP2013072652A (ja) * 2011-09-26 2013-04-22 Seiko Epson Corp センサー素子、センサー素子の製造方法、センサーデバイスおよび電子機器
JP2016085191A (ja) * 2014-10-29 2016-05-19 セイコーエプソン株式会社 振動素子、振動素子の製造方法、電子デバイス、電子機器、および移動体
WO2019240176A1 (ja) 2018-06-13 2019-12-19 京セラ株式会社 センサ素子および角速度センサ
WO2019240175A1 (ja) 2018-06-13 2019-12-19 京セラ株式会社 センサ素子および角速度センサ

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7309943B2 (en) * 2003-09-08 2007-12-18 New Scale Technologies, Inc. Mechanism comprised of ultrasonic lead screw motor
US7170214B2 (en) * 2003-09-08 2007-01-30 New Scale Technologies, Inc. Mechanism comprised of ultrasonic lead screw motor
US6940209B2 (en) 2003-09-08 2005-09-06 New Scale Technologies Ultrasonic lead screw motor
US6938905B1 (en) 2004-11-05 2005-09-06 Haiming Tsai Hand truck
DE102005008352B4 (de) * 2005-02-23 2007-10-11 Universität des Saarlandes Drehratensensor
US8558435B2 (en) * 2008-03-18 2013-10-15 Citizen Holdings Co., Ltd. Package structure of a piezoelectric device mounting and supporting a piezoelectric vibration element
JP5206709B2 (ja) * 2009-03-18 2013-06-12 株式会社豊田中央研究所 可動体を備えている装置
JP4905574B2 (ja) * 2010-03-25 2012-03-28 株式会社豊田中央研究所 可動部分を備えている積層構造体
KR101298289B1 (ko) * 2011-08-26 2013-08-26 삼성전기주식회사 자이로센서 구동회로, 자이로센서 시스템 및 자이로센서 구동방법
US8659211B1 (en) * 2011-09-26 2014-02-25 Image Acoustics, Inc. Quad and dual cantilever transduction apparatus
JP6007541B2 (ja) * 2012-03-28 2016-10-12 セイコーエプソン株式会社 振動片およびその製造方法並びにジャイロセンサーおよび電子機器および移動体
JP5756786B2 (ja) * 2012-09-19 2015-07-29 富士フイルム株式会社 圧電デバイス及びその使用方法
JP6213165B2 (ja) * 2013-11-07 2017-10-18 セイコーエプソン株式会社 検出装置、センサー、電子機器及び移動体
JP6303411B2 (ja) * 2013-11-07 2018-04-04 セイコーエプソン株式会社 検出装置、センサー、電子機器及び移動体
US20170059393A1 (en) * 2015-08-26 2017-03-02 Seiko Epson Corporation Physical Quantity Detection Device, Manufacturing Method For Physical Quantity Detection Device, Electronic Apparatus, And Moving Object

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB8716047D0 (en) * 1987-07-08 1987-08-12 Thorn Emi Electronics Ltd Rate sensor
US5166571A (en) * 1987-08-28 1992-11-24 Nec Home Electronics, Ltd. Vibration gyro having an H-shaped vibrator
US4930351A (en) * 1988-03-24 1990-06-05 Wjm Corporation Vibratory linear acceleration and angular rate sensing system
US5056366A (en) * 1989-12-26 1991-10-15 Litton Systems, Inc. Piezoelectric vibratory rate sensor
US5396144A (en) * 1993-08-02 1995-03-07 New S.D., Inc. Rotation rate sensor with center mounted tuning fork
JPH07113645A (ja) * 1993-10-15 1995-05-02 Toyota Motor Corp 振動ジャイロ
DE69628981T2 (de) * 1995-04-04 2004-01-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd., Kadoma Drehgeschwindigkeitssensor
JP3360479B2 (ja) * 1995-04-04 2002-12-24 松下電器産業株式会社 角速度センサ
JPH0989573A (ja) * 1995-09-28 1997-04-04 Kyocera Corp 圧電振動体
JPH09178492A (ja) * 1995-12-27 1997-07-11 Kyocera Corp 圧電振動体

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002277247A (ja) * 2001-03-22 2002-09-25 Citizen Watch Co Ltd 振動ジャイロ
JP4668441B2 (ja) * 2001-03-22 2011-04-13 シチズンホールディングス株式会社 振動ジャイロ
JP2007064746A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Kyocera Kinseki Corp 慣性センサ素子
JP2008026110A (ja) * 2006-07-20 2008-02-07 Epson Toyocom Corp ジャイロ振動片
JP2013072652A (ja) * 2011-09-26 2013-04-22 Seiko Epson Corp センサー素子、センサー素子の製造方法、センサーデバイスおよび電子機器
JP2016085191A (ja) * 2014-10-29 2016-05-19 セイコーエプソン株式会社 振動素子、振動素子の製造方法、電子デバイス、電子機器、および移動体
WO2019240176A1 (ja) 2018-06-13 2019-12-19 京セラ株式会社 センサ素子および角速度センサ
WO2019240175A1 (ja) 2018-06-13 2019-12-19 京セラ株式会社 センサ素子および角速度センサ
JPWO2019240175A1 (ja) * 2018-06-13 2021-06-24 京セラ株式会社 センサ素子および角速度センサ

Also Published As

Publication number Publication date
DE69712375D1 (de) 2002-06-06
CA2263995C (en) 2002-03-19
EP1020704A4 (en) 2000-07-19
KR100328532B1 (ko) 2002-03-18
EP1020704A1 (en) 2000-07-19
AU3783897A (en) 1998-03-06
JP3805837B2 (ja) 2006-08-09
US6125701A (en) 2000-10-03
WO1998007005A1 (fr) 1998-02-19
KR20000029967A (ko) 2000-05-25
DE69712375T2 (de) 2003-04-24
EP1020704B1 (en) 2002-05-02
AU711850B2 (en) 1999-10-21
CA2263995A1 (en) 1998-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3805837B2 (ja) 角速度検出装置
JP3882973B2 (ja) 角速度センサ
JPH1054723A (ja) 角速度検出装置
JP3973742B2 (ja) 振動型ジャイロスコープ
US8225662B2 (en) Acceleration sensing device
JP3882972B2 (ja) 角速度センサ
JP2011196823A (ja) 振動型ジャイロ素子、振動型ジャイロセンサー、振動型ジャイロセンサーによる角速度の検出方法および電子機器
JPH10170275A (ja) 振動型角速度センサ
JP4668739B2 (ja) 振動ジャイロ
JP2000046560A (ja) 角速度センサ
JP2000074673A (ja) 複合運動センサ
JP3336605B2 (ja) 角速度センサ
JP2002213962A (ja) 角速度センサ及びその製造方法
JP2001194155A (ja) 運動センサ
JPS6073414A (ja) 振動式角速度計
JP3674013B2 (ja) 角速度検出装置
RU2222780C1 (ru) Чувствительный элемент микромеханического гироскопа
JP2004361320A (ja) 振動子の励振方法、物理量の測定方法および物理量測定装置
JPH08334332A (ja) 振動ジャイロ
JP3139212B2 (ja) 加速度センサ
JP3206299B2 (ja) 圧電振動子
JP3028999B2 (ja) 振動ジャイロ
JP3139211B2 (ja) 加速度センサ
JPH1054724A (ja) 角速度検出装置
RU2104557C1 (ru) Вибрационный датчик угловой скорости

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060425

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060511

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110519

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110519

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120519

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120519

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120519

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130519

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140519

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term