JP5206709B2 - 可動体を備えている装置 - Google Patents

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Description

本発明は、2方向に変位可能な可動体を備えている装置に関する。例えば、x軸方向の加速度が作用するとx軸方向に変位するとともに、z軸方向の加速度が作用するとz軸方向に変位する可動体を備えている装置に関する。あるいは、x軸方向に振動している状態でy軸周りの角速度が作用するとz軸方向に変位する可動体を備えている装置に関する。すなわち、本発明は、2軸方向に変位可能な可動体(2自由度を有する可動体であり、2自由度可動体ということができる)を備えている装置に関する。
本発明の装置は、外力等が作用することによって2自由度可動体が変位する装置に限定されない。内蔵するアクチュエータによって2自由度可動体を積極的に変位させる装置であることもある。
本発明の装置は、半導体加工技術を応用して製造するのに適しており、マイクロメカニカル構造体(MEMS)の一種であることがある。
従来から2自由度可動体(たとえばx-z可動体)の変位量を検出することによって、物理量を検出する装置が提案されている。例えば、x軸方向の変位量からx軸方向の加速度を検出し、z軸方向の変位量からz軸方向の加速度を検出する装置が提案されている。あるいは、z軸方向の変位量からy軸周りの角速度を検出する装置が提案されている。
x-z可動体を備えている装置の場合、x軸方向の変位がz軸方向の変位量を検出することに影響し、z軸方向の変位がx軸方向の変位量を検出することに影響する。x軸方向の変位量とz軸方向の変位量を分離して検出することが難しい。
この問題を解決するために、特許文献1に記載の角速度センサが提案されている。この角速度センサは、第1質量体と第2質量体とを備えている。第2質量体は、x軸方向とz軸方向に変位可能である。第2質量体がx軸方向に振動している状態でy軸周りの角速度が作用すると、第2質量体にz軸方向のコリオリ力が作用し、第2質量体はz軸方向に変位する。第1質量体は、z軸方向には移動可能であるが、x軸方向には移動不能に案内されている。第1質量体と第2質量体はばねによって接続されている。そのばねは、x軸方向にはやわらかく、z軸方向には硬い。第1質量体と第2質量体は、x軸方向には相対変位可能であり、z軸方向には一体となって変位する。x軸方向に振動している第2質量体にコリオリ力が作用して第2質量体がz軸方向に変位すると、第1質量体は、x軸方向には変位せずに、z軸方向にのみ変位する。第2質量体のz軸方向の変位量と、第1質量体のz軸方向の変位量は等しい。第1質量体のz軸方向の変位量から、y軸周りの角速度を検出することができる。上記のセンサでは、z軸方向の変位量を検出する第1質量体がx軸方向に変位しないことから、第1質量体と第2質量体のz軸方向の変位量を正確に検出することができ、y軸周りの角速度を正確に検出することができる。同種の技術が、特許文献2乃至4にも開示されている。
特開2003−194545号公報 特表2004−518969号公報 特開2007−333467号公報 特表2001−515201号公報
従来の技術では、第1質量体が回転することには対処していない。例えば、z軸方向に変位可能である第1質量体がz軸の周りで回転してしまうことがある。この場合、第1質量体のz軸方向の変位量と第2質量体のz軸方向の変位量がずれてしまったりする。それによって検出精度が低下する。
本発明は、上述の課題を解決するために創作されたものであり、例えば、2自由度可動体(たとえばx-z可動体)の他に、z軸方向には2自由度可動体と一体となって変位するけれどもx軸方向には変位しない1自由度可動体を設けることによって、x軸方向への変位がz軸方向への変位量の検出に影響しないようにするとともに、1自由度移動体が回転しないようにして検出精度の向上を図る。
本発明の可動体を備えている装置は、サポート範囲を備えている基板と、基板に部分的に積層されている中間層と、中間層を介して基板に積層されている表面層を備えている。表面層は、互いに直交するx軸とy軸に沿って伸びており、x軸とy軸のそれぞれに対してz軸が直交している。表面層は、中間層を介してサポート範囲に固定されている固定範囲と、サポート範囲から分離されている遊離範囲を備えている。遊離範囲は、固定範囲に続く複数個の第1ばね範囲と、複数個の第1ばね範囲に続く第1可動範囲と、第1可動範囲に続く第2ばね範囲と、第2ばね範囲に続く第2可動範囲を備えている。第2可動範囲は、x軸方向に伸びる2つの辺とy軸方向に伸びる2つの辺を備える矩形枠状である。第1可動範囲は、矩形枠の内部に収容されている。複数個の第1ばね範囲は、第1可動範囲と第2可動範囲との間の少なくとも4箇所に分散されており、その4箇所は、第1可動範囲の中心を通るx軸とy軸に対して対称な4つの位置に分散されている。各々の第1ばね範囲のz軸方向のばね定数はx軸とy軸方向のばね定数よりも低く、第2ばね範囲のx軸方向のばね定数はy軸とz軸方向のばね定数よりも低い。第1可動範囲は、複数個の第1ばね範囲によって、サポート範囲に対して、z軸方向に可動であるとともに、x軸方向とy軸方向には不動であり、z軸周りには回転しない。第2可動範囲は、複数個の第1ばね範囲と第2ばね範囲によって、サポート範囲に対して、x軸方向とz軸方向に可動となっている。
上記装置では、第1ばね範囲が、第1可動範囲の中心を通るx,y軸に対して対称な少なくとも4箇所に設けられている。そのため、第1可動範囲が中心の周りにx−y面内で回転しようとしても、第1可動範囲を取り囲む少なくとも4箇所に設けられている第1ばね範囲が、第1可動範囲が回転することを強く抑制する。第1ばね範囲はz軸方向にはやわらかいものの、x軸,y軸方向には硬いことから、第1可動範囲が1本の第1ばね範囲で支持されていても第1可動範囲がz軸の周りに回転することを抑制できるが、第1可動範囲の中心を通るx,y軸に対して対称な少なくとも4箇所で第1可動範囲が支持されていると、第1可動範囲の回転が極めて強固に抑制される。
第1可動範囲が、第1可動範囲を取り囲む少なくとも4箇所に設けられている第1ばね範囲で支持されていると、製造時に第1ばね範囲等に永久歪が発生するような場合でも、複数個の第1ばね範囲同士が永久歪の影響を打ち消しあう。第1可動範囲が意図せずに回転することを強固に抑制する。この問題は、ポリシリコンやSiやGeといった成膜温度の高い材料を使用して装置を製造する際には、特に深刻である。この場合、熱応力が大きくなるので大きな反りが生じやすい。本装置によると、製造時に発生する反り(永久歪)に起因してオフセット値がばらついたり、温度変化に起因して検出値がシフトするといった問題をも抑制することもできる。
このような特徴は、所定方向への加速度を他の方向への加速度に干渉されないように計測するセンサ、あるいは所定方向への正確な並進変位を実現するアクチュエータといった種々の用途に利用可能である。さらに、本願発明者の解析と実験とによって、振動外乱への耐性や衝撃への耐性に優れることが明らかとなった。振動外乱への耐性は、たとえば自動車のような移動体へ本装置を装備する場合に有用な性質である。衝撃への耐性は、たとえば自動車のような移動体の事故検知において有用な性質である。
可動体を備えている装置では、複数の第1ばね範囲が、4箇所に設けられており、複数の第1ばね範囲が、x軸方向に伸びている第1グループと、y軸方向に伸びている第2グループを備えていることが好ましい。この構成によると、x軸,y軸方向に硬くてz軸方向に柔らかな第1ばね範囲を実現しやすく、回転に対する高い剛性を確保することができる。すなわち、第1可動範囲と基板の間に回転に対する高い剛性を実現できるとともに、他の軸へのカップリング(影響)を抑制することができる。
可動体を備えている装置では、第2可動範囲をx軸方向に往復振動させる励振部と、第1可動範囲のz軸方向の変位に依存して出力が変化する変位検出部が付加されていることが好ましい。上記の変位検出部は、例えば、第1可動範囲のz軸方向への変位に追従して容量を変えるコンデンサを利用して構成することができる。
上記の装置では、励振部が第2可動範囲をx軸方向に往復振動させている状態でy軸周りの角速度が加えられると、コリオリ力によって第2可動範囲がz軸方向に変位する。その結果、第1可動範囲もz軸方向に変位する。第1可動範囲はx軸方向に変位しないだけでなく、回転もしないことから、z軸方向の変位量を正確に検出することができる。高精度で低ノイズの角速度計測を実現することができる。すなわち、第1可動範囲への回転運動の混入に起因するノイズを抑制し、高精度な角速度計測を可能とする。
可動体を備えている装置では、基板が、基板を貫通する溝によって内側部分と外側部分とに区画されており、外側部分がサポート範囲を構成しているといった態様を採用することができる。この場合、内側部分は、外側部分に対して相対的に変位可能である。表面層に設けられている固定範囲は、中間層を介して外側部分に固定されており、第1可動範囲は、中間層を介して内側部分に固定されていることが好ましい。この構成によると、第1可動範囲の質量を増大させることができる。あるいは、第1可動範囲の変位検出部を設けやすい。
可動体を備えている装置の基板が内側部分と外側部分とを備えている場合には、表面層に、基板の外側部分に固定されている範囲から基板の内側部分に間隔を隔てて対向する範囲にまで伸びている検出部分が形成されていることが好ましい。この構成によると、基板の内側部分と表面層に形成されている検出部分によって、コンデンサが構成される。第1可動範囲に固定されている内側部分は、外側部分に対してz軸方向に変位可能であり、第1可動範囲と一体となってz軸方向に移動する。従って、第1可動範囲がz軸方向に変位すると、コンデンサの電極間距離が変化し、コンデンサの容量が変化する。コンデンサの容量から、第1可動範囲のz軸方向への移動量を検出することができる。また、変位検出部の好ましい動的バランスと静的バランスとを実現して変位検出部の慣性モーメントに起因する想定しない回転を抑制することができる。
可動構造を備えている装置では、表面層が、第2可動範囲に続く第3ばね範囲と、第3ばね範囲に接続されているとともに中間層を介してサポート範囲に固定されている第2固定範囲を備えており、第3ばね範囲のx軸方向とz軸方向のばね定数が、y軸方向のばね定数よりも低いことが好ましい。この構成によると、第2可動範囲は、第3ばね範囲によっても支持される。このとき、第3ばね範囲は、x軸方向とz軸方向にやわらかことから、第2可動範囲はz軸方向にもx軸方向にも自在に変位できる。その一方において、第3ばね範囲は、y軸方向には硬い。第2可動範囲はy軸方向には変位できない。これによって枠形状をしている第2可動範囲の回転が抑制される。これにより、第2可動範囲が回転することを確実に防止できる。
第2可動範囲の外側に第2固定範囲を設けた場合には、第2可動範囲の外側からの拘束によって、第2可動範囲の回転をより適切に抑制することができる。
表面層が第3ばね範囲と第2固定範囲を備えている装置では、第3ばね範囲が、第2可動範囲に続く可動側ばね範囲と、第2固定範囲に続く固定側ばね範囲を備えており、可動側ばね範囲のz軸方向のばね定数が、x軸とy軸方向のばね定数よりも低く、固定側ばね範囲のx軸方向のばね定数が、y軸とz軸方向のばね定数よりも低いことが好ましい。上記構造では、第3ばね範囲が、可動側ばね範囲と固定側ばね範囲を備えているため、x軸方向とz軸方向のばね定数がy軸方向のばね定数よりも低くなる。
可動体を備えている装置が、可動側ばね範囲と固定側ばね範囲とを備える場合には、可動側ばね範囲と固定側ばね範囲の間に配置されている第3可動範囲が付加されていることが好ましい。この場合、第3可動範囲は、固定側ばね範囲を介して第2固定範囲に続いているため、第3可動範囲はx軸方向にのみ可動となり、y軸及びz軸方向への変位が制限される。
可動体を備えている装置に第3可動範囲が付加されている場合には、第3可動範囲をx軸方向に往復振動させる励振部と、第1可動範囲のz軸方向の変位に依存して出力が変化する変位検出部とがさらに付加されていることが好ましい。
この装置は、y軸周りの角速度を検出する。この装置では、第2可動範囲をx軸方向に往復振動させるために、第3可動範囲をx軸方向に往復振動させる。第3可動範囲はz軸方向に移動しないことから、第3可動範囲をx軸方向に往復振動させる振動装置の構成を簡単化することができる。変位検出部は、第1可動範囲のz軸方向への変位量に依存して出力を変化させる。第1可動範囲はx軸方向に変位しないことから、x軸方向への変位がz軸方向への変位量の検出を妨げることがない。この装置は、x軸方向への変位以外に対しては高い剛性で支持されている第3可動範囲をx軸方向に往復振動させ、z軸方向への変位以外に対しては高い剛性で支持されている第1可動範囲のz軸方向への変位に基づいて角速度を計測することができる。したがって、高精度で低ノイズの角速度計測を実現することができる。
可動体を備えている装置に第3可動範囲が付加されている場合には、第1可動範囲のz軸方向の変位に依存して出力が変化する第1変位検出部と、第3可動範囲のx軸方向の変位に依存して出力が変化する第2変位検出部とがさらに付加されていることが好ましい。
上記装置では、第1変位検出部によってz軸方向の加速度を検出することができ、第2変位検出部によってx軸方向の加速度を検出することができる。第1変位検出部はx軸及びy軸方向への加速度の影響を受けないため、z軸方向の加速度を高精度に検出することができる。第2変位検出部は、z軸及びy軸方向の加速度の影響を受けないため、x軸方向の加速度を高精度に検出することができる。すなわち、この構成では、第1可動範囲への回転運動の混入に起因するノイズを抑制し、高精度な2軸加速度センサを実現することができる。
上記では、第1可動範囲がz軸方向にのみ変位し、第2可動範囲がx軸とz軸方向にのみ変位する場合を説明した。
これに代えて、第1可動範囲がx軸方向にのみ変位し、第2可動範囲がx軸とz軸方向にのみ変位するものであってもよい。
この場合は、x軸方向のばね係数がy軸方向のばね係数とz軸方向のばね係数よりも低い第1ばね範囲と、z軸方向のばね係数がx軸方向のばね係数とy軸方向のばね係数よりも低い第2ばね範囲を利用する。
本発明の装置によれば、第1可動範囲を周囲から拘束して1自由度以外の変位を拘束することから、他の軸方向への変位の影響を受けない変位を確保することができる。また第1可動範囲が回転することを防止できる。さらに、第1ばね範囲等に反りが残ってオフセット値がずれるといった問題を防止できる。
本発明の第1実施例に係る可動構造100を備える角速度センサ10の構成を示す説明図。 第1実施例の支持基板500から可動構造100を分離した状態を模式的に示す分解斜視図。 第1実施例の可動構造100と2個の固定電極221、222の固定状態を示す説明図。 第1実施例の可動構造100の構成を示す説明図。 第1実施例の角速度センサ10の支持基板500の構成を示す説明図。 第1実施例の角速度センサ10の構成を示す断面図。 第1実施例の角速度センサ10の作動状態における構成を示す断面図。 本発明の第2実施例に係る可動構造100aを備える角速度センサ10aの構成を示す説明図。 第2実施例の可動構造100aの構成を示す説明図。 本発明の第3実施例に係る可動構造100bを備える角速度センサ10bの構成を示す説明図。 第3実施例の可動構造100bの構成を示す説明図。 第3実施例の角速度センサ10bの支持基板500bの構成を示す説明図。 本発明の第3実施例の変形例に係る角速度センサ10bvの構成を示す説明図。 本発明の第4実施例に係る可動構造100cを備える角速度センサ10cの構成を示す説明図。 本発明の第5実施例に係る2軸加速度センサ10dの構成を示す説明図。 本発明の第6実施例に係る可動構造を備える装置の斜視図。 第1変形例に係る可動構造100eを示す説明図。 第2変形例に係る可動構造100fを示す説明図。 第3変形例に係る可動構造100gを示す説明図。
本発明は、たとえば以下の特徴を単独あるいは組み合わせて備えることによって好ましい形態として実現することもできる。
(特徴1) 第2ばね範囲が、結合部(第1可動範囲であり、1自由度可動体の実施例)のx−y平面での中心位置を通るx,y軸に対して対称な少なくとも4箇所の位置で結合部に接続されている。
(特徴2) 第1ばね範囲が、z軸方向に薄く、かつ、x−y平面内においてz軸方向よりも大きなサイズを有する板ばねとして構成されることによって、x−y平面内において高い回転剛性を有している。
(特徴3) 第1ばね範囲は、結合部のx−y平面での中心から見たときに、第2ばね範囲よりも離れた位置に配置されている。
(特徴4) 可動構造体が、SOI基板から構成されている。
以下では、実施の形態を、次のような順序に従って説明する。
A.第1実施例に係る角速度センサの構成:
B.第2実施例に係る角速度センサの構成:
C.第3実施例に係る角速度センサの構成:
D.第4実施例に係る角速度センサの構成:
E.第5実施例に係る2軸加速度センサの構成:
F.第6実施例に係る可動構造を備える装置の構成:
G.変形例:
A.第1実施例に係る角速度センサの構成:
図1は、第1実施例に係る可動構造100を備える角速度センサ10の構成を示す。角速度センサ10は、可動構造100と、3個の固定電極221、222、230と、一対の励振電極310、320と、これらを埋め込み酸化膜BLを介して支持する支持基板500を備えている。角速度センサ10は、SOI(Silicon on Insulator)基板から構成されている。SOI基板は、導電性の活性層WL(表面層の実施例)と、支持基板SL(基板の実施例)との間に、埋め込み酸化膜BL(中間層の実施例)を積層した構造を有する基板である。活性層WLには、図1および図2に示されるように、可動構造100と、3個の固定電極221、222、230と、一対の励振電極310、320とが形成され、4個の貫通電極PE1〜PE4で活性層WLと支持基板SLとが電気的に接続されている。
図2は、支持基板500から可動構造100を分離した状態の分解斜視図を示す。図3は、可動構造100と2個の固定電極221、222の固定状態を示す。図4は、可動構造100の平面図を示す。図5は、支持基板500の平面図を示す。図5に示されるように、支持基板500は、支持基板500を貫通する溝Gによって、外側基板510(外側部分の実施例)と、2個の固定電極基板521、522と、内側基板530(内側部分の実施例)と、に分離されている。なお、図2では、一対の励振電極310,320の図示が省略されている。
可動構造100は、図2に示されるように、一対の結合部151,152を備えている。一対の結合部151,152は、第1可動範囲を構成し、後記するように、x−y平面内での変位が拘束され、z軸方向にのみ可動な1自由度可動体でもある。一対の結合部151,152は、活性層WLで構成されている。結合部151は酸化膜735を介して内側基板530に固定されており、結合部152は酸化膜736を介して内側基板530に固定されている。一対の結合部151,152は、内側基板530と一体化されており、一体として変位する。
図1に示されるように、結合部151は、2個のz軸ばね131、132で支持されている。結合部152は、2個のz軸ばね133、134で支持されている。4個のz軸ばね131,132,133,134(第1ばね範囲の実施例)は、一対の結合部151,152の中心Cfを通るx,y軸に対して対称な4箇所に配置されている。4個のz軸ばね131、132、133、134は、活性層WLの厚さを薄くすることによって、z軸方向のばね定数を他の方向のばね定数よりも顕著に小さくするように構成し、実質的にz軸方向の変位のみを許容するように構成されたばねである。
z軸ばね131の一端は、内部固定部141で外側基板510に固定されている。z軸ばね132の一端は、内部固定部142で外側基板510に固定されている。z軸ばね133の一端は、内部固定部143で外側基板510に固定されている。z軸ばね134の一端は、内部固定部144で外側基板510に固定されている。4個の内部固定部141〜144(固定範囲の実施例)も、一対の結合部151,152の中心Cfを通るx,y軸に対して対称な4箇所に配置されている。4個の内部固定部141〜144は、図2に示されるように、4箇所に残留している酸化膜741〜744を介して、外側基板510に固定されている。4個の内部固定部141〜144は、後記する枠マス部110の内側の範囲に形成されている。可動構造100は、一対の結合部151,152の中心Cfを通るx,y軸に対して対称な4箇所の位置に配置された4個の酸化膜741〜744を介して、外側基板510に固定されている。
可動構造100は、図4に示されるように、矩形の枠状の形状(枠形状)を有する質量体である枠マス部110(第2可動範囲の実施例)を備えている。一対の結合部151,152と枠マス部110とは、4個のx軸ばね121〜124(第2ばね範囲の実施例)で連結されている。4個のx軸ばね121、122、123、124は、x軸方向のばね定数を他の方向のばね定数よりも顕著に小さくするように構成することによって、実質的にx軸方向の変位のみを許容するように構成されたばねである。結合部151,152はz軸方に変位可能である。その結合部151,152にx軸ばね121〜124を介して連結されていることから、枠マス部110はx軸方向とz軸方向に変位可能である。枠マス部110は、外側基板510に対して、x軸方向とz軸方向に可動であり、y軸方向に移動不能である。枠マス部110は、2自由度可動体である。
x軸ばね121〜124はz軸方向には変位しないことから、枠マス部110がz軸方向に変位すれば、それに追従して結合部151,152もz軸方向に変位する。
一対の結合部151,152と枠マス部110を連結する4個のx軸ばね121〜124も、一対の結合部151,152の中心Cfを通るx,y軸に対して対称な4箇所の位置に配置されている。4個のx軸ばね121〜124はy軸方向に変位しづらいことから、枠マス部110が中心Cfの周りに回転することが規制されている。結合部151,152も枠マス部110も、回転しないように拘束されている。
より詳細に説明すると、2個のx軸ばね121、122が、枠マス部110と結合部151とを一体的に接続している。2個のx軸ばね123、124が、枠マス部110と結合部152とを一体的に接続している。結合部151は、2個のx軸ばね121、122と2個のz軸ばね131、132とを結合し、結合部152は、2個のx軸ばね123、124と2個のz軸ばね133、134とを結合していることになる。
このような接続状態は、以下のような利点を有している。すなわち、本実施例では、z軸ばね131〜134は、z軸方向に薄く、かつ、x−y平面内においてz軸方向よりも大きなサイズを有する板ばねなので、x−y平面内において極めて高い回転剛性を有している。一方、x軸ばね121〜124は、x−y平面内においてx軸方向への変位を許容するU字構造を有しているので、z軸ばね131〜134と比較してx−y平面内における剛性が低くなっている。このような構成は、枠マス部110への外乱の入力によって仮に枠マス部110が意図しない運動を生じても、z軸ばね131〜134で支持された一対の結合部151,152への回転運動の混入を顕著に低減させることができるという利点を有している。加えて、本実施例では、z軸ばね131〜134は、x−y平面内において、4個の内部固定部141〜144から曲がることなく、ほぼ直線状に伸びて結合部151,152に接続されているので、屈曲部の存在に起因するx−y平面内の剛性の低下をも排除している。
図2に示されるように、固定電極221は、酸化膜711を介して外側基板510に固定されるとともに、酸化膜721を介して固定電極基板521に接続されている。固定電極基板521は、外側基板510に機械的に固定され、電気的に絶縁されている。固定電極222は、酸化膜712を介して外側基板510に固定されるとともに、酸化膜723を介して固定電極基板522に接続されている。固定電極基板522は、外側基板510に機械的に固定され、電気的に絶縁されている。一方、固定電極230(検出部分の実施例)の両端231,232は、2個の酸化膜731、732を介して外側基板510に固定されている。固定電極230は、外側基板510に機械的に固定され、電気的に絶縁されている。固定電極230は、結合部151,152に接続されている内側基板530の上方を通過している。内側基板530がz軸方向に変位しない状態では、内側基板530の上面と固定電極230の下面の間に、酸化膜BLの厚みに等しいギャップが形成されている。
一対の励振電極310、320(図1)は、図2に示されるように、それぞれ酸化膜710と、酸化膜720とを介して外側基板510に固定されている。図1に示されるように、一対の励振電極310、320に対向する枠マス部110の辺から外側に向けて櫛歯状電極CEが形成されている。励振電極310に通電すると、櫛歯状電極CEが励振電極310に向けて吸引され、励振電極320に通電すると、櫛歯状電極CEが励振電極320に向けて吸引される。励振電極310と励振電極320に交互に通電すると、枠マス部110はx軸方向に往復振動する。一対の励振電極310、320は、励振(振動)部を構成している。
可動構造100は、上述の接続状態において以下のような動作が可能である。結合部151は、実質的にz軸方向の変位のみを許容するz軸ばね131、132を介して2個の内部固定部141、142(いわゆるアンカー)に接続されているので、支持基板SLのうちの外側基板510に対してz軸方向にのみ変位可能である。この点は、結合部152についても同様である。結合部151は酸化膜735を介して内側基板530に固定されており、結合部152は酸化膜736を介して内側基板530に固定されている。すなわち、結合部151と結合部152は、酸化膜735、736と内側基板530を介して一体化されている。一体化された部分の全体は、4本のz軸ばね131〜134で支持されており、外側基板510に対してz軸方向にのみ変位可能となっている。結合部151、152は、結合部151、152の中心Cfを通るx軸とy軸に対称な4箇所に分散して配置されている4個のz軸ばね131〜134と、4個の固定部141〜144で支持されており、z軸周りに回転することが禁止されている。枠マス部110は、実質的にx軸方向の変位のみを許容する4個のx軸ばね121〜124を介して結合部151、152に接続されているので、結合部151、152に対してx軸方向にのみ変位可能である。
図6は、角速度センサ10の断面図である。角速度センサ10の電気的な接続状態は以下のとおりである。本実施例では、結合部151、152は、2個の貫通電極PE2、PE3を介して内側基板530に電気的に接続されている。結合部151、152は、x軸ばね121〜124を介して枠マス部110に電気的に接続されている。これにより、結合部151、152、枠マス部110、および内側基板530は、いずれも電気的に相互に接続されている。
なお、本明細書では、結合部151、152、枠マス部110、および内側基板530は、外側基板510や2個の固定電極基板521、522、固定電極221,222,230に対して変位可能なので、可動電極群とも呼ばれる。この可動電極群は、x軸に垂直な面(yz面)と、y軸に垂直な面(xz面)のいずれに対してもほぼ面対称となるように構成されているので、可動電極群に好ましいバランスを実現している。変位検出部で想定しない回転が生じることを抑制し、低ノイズでの角速度計測を実現することができる。可動電極群の中でも、特に結合部151、152および内側基板530の好ましいバランスが、結合部151、152が意図せずに回転することを抑制するのに顕著な効果を奏する。
固定電極221は、貫通電極PE1を介して固定電極基板521に電気的に接続されている。固定電極222は、貫通電極PE4を介して固定電極基板522に電気的に接続されている。本明細書では、固定電極230、固定電極基板521、および固定電極基板522は、固定電極群とも呼ばれる。
図7は、第1実施例の角速度センサ10の作動状態における断面図である。角速度センサ10は、y軸周りの回転に応じて、可動電極群(結合部151、152、枠マス部110、および内側基板530)がz軸方向に変位することを利用して、y軸周りの角速度を計測することができる。可動電極群のz軸方向の変位は、y軸周りの角速度に応じて枠マス部110に発生するコリオリ力によって発生する。枠マス部110にコリオリ力が発生するのは、枠マス部110が、一対の励振電極310、320によってx軸方向に往復振動しているからである。枠マス部110に発生したコリオリ力は、枠マス部110をz軸方向に変位させ、この変位が実質的にx軸方向の変位のみを許容する4個のx軸ばね121〜124を介して結合部151、152に伝達されることになる。この伝達途中で、枠マス部110のx軸方向の振動が、4個のx軸ばね121〜124によって吸収されることになる。
z軸方向の変位は、可動電極群と固定電極群との間の静電容量の差動変化として電気的な出力に変換される。具体的には、図7に示されるように、可動電極群がz軸方向の正の方向に変位すると、固定電極230と内側基板530の対向面の距離d2が小さくなる一方、結合部151や枠マス部110と固定電極基板521の対向面の距離d1a並びに結合部152や枠マス部110と固定電極基板522の対向面の距離d1bが大きくなる。
このような静電容量の差動変化は、キャリア信号発生部910と、C−V変換部920と、AM復調回路930と、によって以下のようにして角速度を表す角速度情報を含む電気信号として出力される。キャリア信号発生部910と、C−V変換部920と、AM復調回路930とが検出部を構成する。具体的には、キャリア信号発生部910は、固定電極群(2個の固定電極基板521、522)にキャリア電圧を印加する。固定電極群(2個の固定電極基板521、522)は、可動電極群(結合部151、522等)との間にコンデンサを形成している。このコンデンサには、接地された固定電極230と可動電極群(内側基板530)との間に形成されたコンデンサが直列に接続されている。このように直列に接続された2つのコンデンサは、分圧電位を生じさせる。この分圧電位は、オペアンプ921、キャパシタ922、および抵抗923からなるC−V変換部920によって増幅され、AM復調回路930によって角速度を表す角速度情報を含むアナログ電気信号として出力されることになる。
このように、第1実施例では、内側基板530に固定されている結合部151、152が、一対の結合部151、152との中心Cfを通るx,y軸に対して対称な4箇所の位置で外側基板510に固定されている。この固定は、実質的にz軸方向の変位のみを許容し、x−y平面内において強固に拘束するz軸ばね131〜134によって行われているので、一対の結合部151、152は、x−y平面内における高い回転剛性で固定されていることになる。これにより、外側基板510に対して可動な結合部151、152と内側基板530は、x−y平面内において強固に拘束されているので、意図しない回転運動の混入を抑制することができる。この結果、結合部151、152の変位に応じて計測される角速度への誤差の混入を抑制することができる。
なお、本実施例では、枠マス部110は、一対の結合部151、152の中心Cfを通るx,y軸に対して対称な接続位置において接続されているので、枠マス部110が並進運動を行っても結合部151、152への回転モーメントの入力を顕著に低減することができる。
また、本実施例では、枠マス部110は、4個のx軸ばね121〜124が4箇所の接続位置で接続されている。しかしながら、この接続位置は、たとえば2箇所でもよく、6箇所以上でも良い。接続位置の数を多くすると、枠マス部110への意図しない回転運動の混入を抑制することができる。結合部151、152を介して外側基板510に高い回転剛性で締結されることになるからである。一方、接続位置の数を少なくすると、枠マス部110からの外乱の影響を小さくすることができる。さらに、本構成は、本願発明者の解析と実験とによって振動外乱への耐性や衝撃への耐性にも優れることが明らかとなった。振動外乱への耐性は、たとえば自動車のような移動体への装備において有用な性質である。衝撃への耐性は、たとえば自動車のような移動体の事故検知において有用な性質である。
また、このような構成は、特に、半導体製造プロセスによる製造に適している。積層面内の回転剛性は、積層面を有効利用することができるので、外側固定部や導電層接続部の配置に関して大きな設計自由度を有するとともに、反りを抑制して製造誤差を小さくすることができるという利点をも有している。特に、ポリシリコンやSiGeといった成膜温度の高い材料を使用する際には、熱応力が大きくなるので顕著な効果を奏することができる。加えて、温度特性、すなわち温度変化に起因する計測誤差や変位誤差の発生も抑制することもできる。
B.本発明の第2実施例に係る角速度センサの構成:
図8は、本発明の第2実施例に係る可動構造100aを備える角速度センサ10aの構成を示す。図9は、第2実施例の可動構造100aの構成を示す。第2実施例の可動構造100aは、第1実施例の結合部151、152が第2実施例の結合部151a、152aに変更されている点で第1実施例の可動構造100と相違する。第2実施例の角速度センサ10aは、他の点において第1実施例の角速度センサ10と共通する。
第2実施例の結合部151a、152aは、内部固定部141〜144とx軸ばね121〜124の接続位置が入れ替えられている点で第1実施例の結合部151、152(図4)と相違する。具体的には、たとえば結合部151aでは、内部固定部141とx軸ばね121の位置が入れ替えられているとともに、内部固定部142とx軸ばね122の位置が入れ替えられている。結合部152aおいても同様に、内部固定部143、144とx軸ばね123、124とが入れ替えられている。このような入れ替えによって、第2実施例では、4個の内部固定部141〜144が第1実施例よりも結合部151a、152aの中心Cfよりも離れた位置に配置されていることになる。
このように、第2実施例は、4個の内部固定部141〜144がより離れた位置に配置されているので、枠マス部110が外側基板510に対してx‐y面内において強固に拘束されていることになる。これにより、枠マス部110の回転運動の発生を抑制し、枠マス部110から結合部151a、152aへの意図しない回転運動の混入を第1実施例よりも抑制して、計測精度をさらに高めることができる。
C.本発明の第3実施例に係る角速度センサの構成:
図10は、本発明の第3実施例に係る可動構造100bを備える角速度センサ10bの構成を示す。図11は、第3実施例の可動構造100bの構成を示す。図12は、第3実施例の角速度センサ10bの支持基板500bの構成を示す。第3実施例の角速度センサ10bは、第1実施例の可動構造100と支持基板500とがそれぞれ第3実施例の可動構造100bと支持基板500bとに変更され、2個の貫通電極PE2、PE3が削除されている点で第1実施例の角速度センサ10bと相違する。
第3実施例の可動構造100bは、その外側基板510bへの固定が卍型(Swastika shape)に構成されている点で第1実施例の可動構造100と相違する。具体的な構成の相違は以下のとおりである(図11参照)。
(1)一対の結合部151、152を1個の結合部151b(第1可動範囲の実施例)に変更。
(2)内部固定部141〜142を内部固定部141b〜142bに変更。
(3)z軸ばね131〜134をz軸ばね131b〜134bに変更。
図11に示されるように、第3実施例の結合部151bは、矩形の枠形状の結合枠部151b1と、可動の電極として機能する可動電極部151b2と、を備えている。可動電極部151b2は、4個の機能部接続部161〜164を有し、4個の機能部接続部161〜164を介して結合枠部151b1に接続されている。結合枠部151b1と、その内部の構成要素(可動電極部151b2、4個の機能部接続部161〜164、およびz軸ばね131b〜134b)は、いずれもz軸方向の厚さが可動構造100bの他の要素よりも薄くなるように構成し、慣性質量の低減とz軸ばね131b〜134bの異方性とを実現している。4個のz軸ばね131b〜134bのうち、2個のz軸ばね131b,134b(第1グループの実施例)は、x軸方向に伸びており、2個のz軸ばね132b,133b(第2グループの実施例)は、y軸方向に伸びている。z軸ばね131b〜134bの異方性は、実質的にz軸方向の変位のみを許容する性質である。
このような構成を有する結合枠部151b1は、図11に示されるように、第1実施例の結合部151、152のように、4個のx軸ばね121〜124と4個のz軸ばね131b〜134bとを連結しているので、コリオリ力に応じて第1実施例の結合部151、152と同様に作動することになる。
第3実施例の内部固定部141b〜142bは、結合枠部151b1の枠内であって可動電極部151b2の外側に配置されている。4個の内部固定部141b〜142bは、第1実施例と同様に結合部151bの中心Cfを通るx,y軸に対して対称な位置において、結合枠部151b1を外側基板510bに卍型に固定している。この固定は、前述のように第1実施例と同様に実質的にz軸方向の変位のみを許容し、x‐y面内において強固に拘束するz軸ばね131b〜134bによって行われているので、第3実施例の結合部151bは、x‐y面内における高い回転剛性で固定されていることになる。
第3実施例のz軸ばね131b〜134bは、第1実施例と異なり、結合枠部151b1の枠内において、結合部151bの中心Cfを通るx,y軸に対して対称な方向に伸びて4個の内部固定部141b〜142bと結合枠部151b1とを接続している。このような構成は、結合枠部151b1への回転モーメントの入力に応じて、軸方向の荷重(引っ張り荷重あるいは圧縮荷重)のみが発生することになるので、z軸方向の変位を許容しつつ、効果的に高い回転剛性で固定することができるとともに、他の軸へのカップリング(影響)を抑制することができる。
第3実施例の可動電極部151b2は、4個の機能部接続部161〜164を介して結合枠部151b1に接続されている。これにより、可動電極部151b2は、結合枠部151b1と一体的にz軸方向に変位することになる。可動電極部151b2は、第3実施例の支持基板500bの一部に対する対向面をz軸方向に有している。
第3実施例の支持基板500bは、支持基板SLを貫通する溝Gによって、固定電極基板521bと外側基板510bと、に分離されている。固定電極基板521bは、可動電極部151b2に対する対向面を有し、2個の貫通電極PE1、PE4を介して2個の固定電極221、222に電気的に接続されている。
角速度センサ10bは、第1実施例と同様に、y軸周りの回転に応じて、可動電極部151b2がz軸方向に変位することを利用して、y軸周りの角速度を計測することができる。この変位は、可動電極部151b2と固定電極基板521bとの間の静電容量の変化として電気的な出力に変換され、外側基板510bの電位を基準電位として2個の固定電極221、222に出力される。
このように、第3実施例は、可動電極部151b2を有する結合部151bが、その中心Cfに対してほぼ点対称な方向に伸びているz軸ばね131b〜134bによって4個の内部固定部141b〜142bに接続されているので、効果的に高い回転剛性で固定することができるとともに、他の軸へのカップリング(影響)を抑制することができる。ただし、電気的な出力は、第1実施例や第2実施例とは異なり、差動出力ではない。
図13は、本発明の第3実施例の変形例に係る角速度センサ10bvの構成を示す説明図である。角速度センサ10bvでは、支持基板500bv上に第3実施例の変形例に係る2個の可動構造100bv1、100bv2を装備することによって差動出力が実現されている。可動構造100bv1は、図13において、右側の櫛歯電極素子CEが削除されるとともに、その部位にx軸ばね127の一方が接続されている点で第3実施例の可動構造100bと相違する。x軸ばね127の他方には、可動構造100bから左側の櫛歯電極素子CEが削除された構成を有する可動構造100bv2が接続されている。x軸ばね127は、x軸方向のばね定数を他の方向のばね定数よりも顕著に小さくするように構成することによって、実質的にx軸方向の変位のみを許容するように構成されたばねである。
角速度センサ10bvは、励振電極310,320の通電によって、x軸ばね127の弾性変形に応じて音叉のような運動を行う。すなわち、2個の可動構造100bv1、100bv2は、x軸ばね127の伸縮に応じて、近づいたり離れたりを繰り返すことになる。このような運動では、2個の可動構造100bv1、100bv2の各々が相互に常時反対方向に運動することになる。これにより、角速度の入力に応じて2個の可動構造100bv1、100bv2に対して相互に反対方向のコリオリ力が働くことになるので、可動構造100bv1側と可動構造100bv2側の静電容量の変化が逆となって差動出力として取り出すことができることになる。
このように、第3実施例の可動構造100bv1,2のような構成を有する可動構造体を使用しても差動出力を得ることができる。
D.本発明の第4実施例に係る角速度センサの構成:
図14は、本発明の第4実施例に係る可動構造100cを備える角速度センサ10cの構成を示す説明図である。第4実施例の可動構造100cは、2個の櫛歯電極結合部410、420(第3可動範囲の実施例)と、4個の第2z軸ばね601〜604(可動側ばね範囲の実施例)と、4個の屈曲ばね610〜640とを有している点で第1実施例の可動構造100と相違する。2個の櫛歯電極結合部410、420は、可動構造100cが有する枠マス部110cの左右に第2z軸ばね601〜604を介して一体的に接続されている。各第2z軸ばね601〜604は、z軸方向のばね定数をx軸方向のばね係数とy軸方向のばね係数よりも顕著に小さくすることによって、実質的にz軸のみの変異を許容するように構成されたばねである。2個の櫛歯電極結合部410、420の動きが4個の屈曲ばね610〜640によってx軸方向に拘束されている。
たとえば屈曲ばね610は、支持基板500c上に2個の外部固定部611(第2固定範囲の実施例)と、4本の屈曲ばね本体612と、屈曲ばね連結部613と、を備えている。屈曲ばね連結部613には、4本の屈曲ばね本体612が接続されている。4本の屈曲ばね本体612のうち2本は、2個の外部固定部611で支持基板500cに接続されている。他の2本の屈曲ばね本体612は、櫛歯電極結合部410の上端部に接続されている。各屈曲ばね本体612と屈曲ばね連結部613とが固定側ばね範囲を構成している。4本の屈曲ばね本体612は、x軸方向のばね定数を他の方向のばね定数よりも顕著に小さくするように構成することによって、実質的にx軸方向の変位のみを許容するように構成されたばねである。他の3個の屈曲ばね620〜640は、屈曲ばね610と同一の構成であり、外部固定部621,631,641(第2固定範囲の実施例)と、それぞれ4本の屈曲ばね本体622,632,642と、屈曲ばね連結部623,633,643とを有している。櫛歯電極結合部410と、第2z軸ばね601,602と、屈曲ばね本体612,632と、屈曲ばね連結部613,633とが、第3ばね範囲を構成している。櫛歯電極結合部420と、第2z軸ばね603,604と、屈曲ばね本体622,642と、屈曲ばね連結部623,643とが、第3ばね範囲を構成している。
櫛歯電極結合部410は、上述のようにそれぞれ2本の屈曲ばね610,630に接続されている。これにより、櫛歯電極結合部410は、8本の屈曲ばね本体612,632を介して4個の外部固定部611,631に接続されていることになる。屈曲ばね本体612,632は、実質的にx軸方向の変位のみを許容するように構成されているので、櫛歯電極結合部410は、2個の外部固定部611と2個の外部固定部631とに対してx軸方向の変位のみが許容されることになる。櫛歯電極結合部420も櫛歯電極結合部410と同様にx軸方向の変位のみが許容されることになる。この結果、可動構造100cは、屈曲ばね本体612,622,632,642を介して8個の外部固定部611、621、631、641に接続され、高い回転剛性で支持基板500cに固定されていることになる。
このように、第4実施例は、可動構造100cが有する枠マス部110cの枠内において4個の内部固定部141〜144によって固定されているとともに、枠マス部110cの枠外において8個の外部固定部611、621、631、641によって固定されていることになる。これにより、可動構造100cは、極めて高い回転剛性で外側基板510cに締結することができるので、意図しない回転運動の混入を顕著に抑制することができる。
E.本発明の第5実施例に係る2軸加速度センサの構成:
図15は、本発明の第5実施例に係る2軸加速度センサ10dの構成を示す説明図である。第5実施例では、第4実施例の可動構造100cを使用して2軸加速度センサ10dが構成されている。2軸加速度センサ10dは、2個の励振電極310、320のそれぞれが2個の検出電極310d、320dに変更され、2個の櫛歯電極結合部410、420が2個の櫛歯電極結合部410d、420dに変更されている点で第4実施例の角速度センサ10cと相違する。
検出電極310dは、それぞれ2個の櫛歯電極素子CEdを有する2本の電極素子支持部材311dと、4個の櫛歯電極素子CEdを支持する電極素子支持部材312dとを有している。櫛歯電極結合部410dは、それぞれ4個の櫛歯電極素子CEdを支持する2本の電極素子支持部材411dを有している。検出電極320dと櫛歯電極結合部420dとは、それぞれ検出電極310dと櫛歯電極結合部410dと対称の構成を有している。
また、検出電極310dおよび櫛歯電極結合部410dは、以下のように作動する。たとえば2軸加速度センサ10dに対してx軸方向(負の方向)に加速度が発生すると、可動構造100cの枠マス部110cがx軸方向(正の方向)に並進移動する。このような枠マス部110cのx軸方向の並進移動に応じて、枠マス部110cと一体的に櫛歯電極結合部410dも移動することなる。櫛歯電極結合部410dがx軸方向に移動すると、櫛歯電極結合部410dの8個の櫛歯電極素子CEdは、検出電極310dの櫛歯電極素子CEdと近接することになる。これにより、検出電極310dと櫛歯電極結合部410dとの間の静電容量が変化することになる。検出電極320dおよび櫛歯電極結合部420dは、検出電極310dおよび櫛歯電極結合部410dと同様に作動する。このような静電容量の変化に応じて、x軸方向の加速度を計測することができることが分かる。第2検出部650bは、この静電容量の変化に依存して出力を変化させ、実施例1の検出部と同じ原理である。すなわち、第2検出部650bが、櫛歯電極結合部410d、420dの変位に依存して、その出力を変化する。
一方、2軸加速度センサ10dに対してz軸方向の加速度が生じたときには、z軸方向の加速度に応じて慣性質量を有する枠マス部110cとともに一対の結合部151、152と内側基板530とが変位するので、この変位に伴う静電容量の変化を利用してz軸方向の加速度を計測することもできる。本実施例では、2軸の加速度センサ10dに対して、z軸方向(負の方向)に加速度が発生すると、結合部151,152がz軸方向(正の方向)に並進移動する。第1検出部650aは、実施例1の検出部と同様の構成であり、結合部151,152の変位に依存して、その出力を変化する。
このように、第5実施例では、第4実施例の可動構造100cを使用して2軸加速度センサ10dが実現されている。2軸加速度センサは、第4実施例の可動構造100cだけでなく、第1実施例や第2実施例の可動構造100、100aを使用しても実現することができる。
F.本発明の第6実施例に係る可動構造体を備える装置の構成:
図16に、第6実施例の可動体を備えている装置10hを示す。図16に示すように、可動構造100hは、結合部151h(第1可動範囲の実施例)と枠マス部110hを備えている。本実施例の結合部151hは、x軸方向に可動であり、y軸方向とz軸方向には移動不能である。本実施例は、この点が、上記各実施例と異なる。
結合部151hは、枠マス部110hの内側に収容されている。結合部151hは、4個のx軸ばね131h,132h,133h,134h(第1ばね範囲の実施例)に接続されている。各x軸ばね131h,132h,133h,134hのx軸方向のばね定数は、y軸とz軸方向のばね定数よりも低い。4個のx軸ばね131h,132h,133h,134hは、結合部151hに対して、結合部151hの中心Cfを通るx軸,y軸に対して対称な位置に接続されている。4個のx軸ばね131h,132h,133h,134hのそれぞれは、内部固定部141h,142h,143h,144hに接続されている。各内部固定部141h,142h,143h,144hは、酸化膜741h,742h,743h,744hを介して、基板500hに接続されている。このようにして、結合部151hは、y−z平面内での変位が拘束される。
枠マス部110hは、4個のz軸ばね121h,122h,123h,124h(第2ばね範囲の実施例)を介して、結合部151hと接続されている。z軸ばね121h,122h,123h,124hのz軸方向のばね定数は、z軸ばね121h,122h,123h,124hのx軸とy軸方向のばね定数よりも低い。また、枠マス部110hは、4個のxz軸ばね651,652,653,654を介して、外側固定部661,662,663,664に接続されている。xz軸ばね651,652,653,654のx軸とz軸方向のばね定数は、xz軸ばね651,652,653,654のy軸方向のばね定数よりも低い。外側固定部661,662,663,664は、酸化膜761,762,763,764を介して基板500hに接続されている。したがって、枠マス部110hは、基板500hに対してx,z軸方向に可動であり、y軸方向には移動不能である。
可動構造100hを備えている装置10hに、枠マス部110hをz軸方向に往復振動させる励振部と、結合部151hのx軸方向の変位に依存して出力が変化する検出部とを付加する。この場合、y軸周りの角速度を検出することができる。
また、この可動構造体110hを備える装置10hに、結合部151hのx軸方向の変位に依存して出力が変化する第1検出部と、枠マス部110hのz軸方向の変位に依存して出力が変化する第2検出部とを付加する。この場合、x軸、z軸方向の加速度を検出することができる。
G.変形例:
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。具体的には、たとえば以下のような変形例も実施可能で-ある。
G−1:上述の各実施例では、可動構造体を使用して角速度センサや加速度センサといった受動素子が構成されているが、たとえばアクチュエータや光スイッチといった能動素子を構成しても良い。このように、本発明の可動構造体は、受動素子だけでなく能動素子の構成にも利用可能である。
G−2:上述の各実施例(第3実施例とその変形例を除く)では、固定電極230を配置するための開口部が形成され、たとえば第1実施例では、一対の結合部151、152に分離されている可動構造体が例示されている。しかし、本発明は、図17乃至図19に示されるように、たとえば第1変形例の可動構造100eや第2変形例の可動構造100f、第3変形例の可動構造100gといった結合部151e、151f、151gに開口部が形成されていない可動構造体としても構成しても良い。こうすれば、内側基板530で一対の結合部151、152を結合する必要性も無くなって、内側基板530の接続に起因する慣性質量の増加を排除することもできる。
このような可動構造100e、100f、100gは、上述の各実施例(第3実施例とその変形例を除く)の構成よりも高い剛性と、小さな慣性質量、および高い回転剛性での固定を実現することができる。ただし、上述の各実施例(第3実施例とその変形例を除く)は、開口部を形成して、固定電極230を配置することができるので、差動出力を得ることができるという利点を有している。
10、10a、10b、10c…角速度センサ
10d・・・加速度センサ
10h・・・可動構造体を備える装置
100、100a、100b、100c、100e、100f、100g、100bv1、100bv2、100h…可動構造体
110、110c、110h…枠マス部
141、141b、142、143…内部固定部
151、151a、151b、151e、152、152a…結合部
151b1…結合枠部
151b2…可動電極部
161…機能部接続部
221、222、230…固定電極
310、320…励振電極
310d、320d…検出電極
311d…電極素子支持部材
410、410d…櫛歯電極結合部
411d…電極素子支持部材
420、420d…櫛歯電極結合部
500、500b…基板
510、510b、510c…外側基板
521、521b、522、523…固定電極基板
530…内側基板
610、620、623…屈曲ばね
611、621…外部固定部
622…屈曲ばね本体

Claims (11)

  1. 可動体を備えている装置であり、
    サポート範囲を備えている基板と、その基板に部分的に積層されている中間層と、その中間層を介して前記基板に積層されている表面層を備えており、
    その表面層は、互いに直交するx軸とy軸に沿って伸びており、
    そのx軸とy軸のそれぞれに対してz軸が直交しており、
    前記表面層は、前記中間層を介して前記サポート範囲に固定されている固定範囲と、そのサポート範囲から分離されている遊離範囲を備えており、
    その遊離範囲は、前記固定範囲に続く複数個の第1ばね範囲と、その複数個の第1ばね範囲に続く第1可動範囲と、その第1可動範囲に続く第2ばね範囲と、その第2ばね範囲に続く第2可動範囲を備えており、
    その第2可動範囲は、x軸方向に伸びる2つの辺とy軸方向に伸びる2つの辺を備える矩形枠状であり、
    前記第1可動範囲は、前記矩形枠の内部に収容されており、
    前記複数個の第1ばね範囲は、前記第1可動範囲と前記第2可動範囲との間の少なくとも4箇所に分散されており、
    その4箇所は、前記第1可動範囲の中心を通るx軸とy軸に対して対称な4つの位置に分散されており、
    各々の前記第1ばね範囲のz軸方向のばね定数はx軸とy軸方向のばね定数よりも低く、
    前記第2ばね範囲のx軸方向のばね定数はy軸とz軸方向のばね定数よりも低く、
    前記第1可動範囲は、前記複数個の第1ばね範囲によって、前記サポート範囲に対して、z軸方向に可動であるとともに、x軸方向とy軸方向には不動であり、z軸周りには回転せず、
    前記第2可動範囲は、前記複数個の第1ばね範囲と前記第2ばね範囲によって、前記サポート範囲に対して、x軸方向とz軸方向に可動であることを特徴とする装置。
  2. 前記複数個の第1ばね範囲が、4箇所に設けられており、
    前記複数個の第1ばね範囲が、x軸方向に伸びている第1グループと、y軸方向に伸びている第2グループを備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記第2可動範囲をx軸方向に往復振動させる励振部と、
    前記第1可動範囲のz軸方向の変位に依存して出力が変化する変位検出部が付加されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記基板は、その基板を貫通する溝によって内側部分と外側部分とに区画されており、
    その外側部分が前記サポート範囲を構成し、
    前記内側部分は、前記外側部分に対して相対的に変位可能であり、
    前記固定範囲は、前記中間層を介して前記外側部分に固定されており、
    前記第1可動範囲は、前記中間層を介して前記内側部分に固定されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の装置。
  5. 前記表面層が、前記外側部分に固定されている範囲から前記内側部分に間隔を隔てて対向する範囲にまで伸びている検出部分を備えていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
  6. 前記表面層は、前記第2可動範囲に続く第3ばね範囲と、その第3ばね範囲に接続されているとともに前記中間層を介して前記サポート範囲に固定されている第2固定範囲を備えており、
    前記第3ばね範囲のx軸方向とz軸方向のばね定数が、y軸方向のばね定数よりも低いことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の装置。
  7. 前記第3ばね範囲は、前記第2可動範囲に続く可動側ばね範囲と、前記第2固定範囲に続く固定側ばね範囲を備えており、
    その可動側ばね範囲のz軸方向のばね定数が、x軸とy軸方向のばね定数よりも低く、
    その固定側ばね範囲のx軸方向のばね定数が、y軸とz軸方向のばね定数よりも低い
    ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
  8. 前記可動側ばね範囲と前記固定側ばね範囲の間に配置されている第3可動範囲が付加されていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
  9. 前記第3可動範囲をx軸方向に往復振動させる励振部と、
    前記第1可動範囲のz軸方向の変位に依存して出力が変化する変位検出部が付加されていることを特徴とする請求項8に記載の装置。
  10. 前記第1可動範囲のz軸方向の変位に依存して出力が変化する第1変位検出部と、
    前記第3可動範囲のx軸方向の変位に依存して出力が変化する第2変位検出部が付加されていることを特徴とする請求項8に記載の装置。
  11. 可動体を備えている装置であり、
    サポート範囲を備えている基板と、その基板に部分的に積層されている中間層と、その中間層を介して前記基板に積層されている表面層を備えており、
    その表面層は、互いに直交するx軸とy軸に沿って伸びており、
    そのx軸とy軸のそれぞれに対してz軸が直交しており、
    前記表面層は、前記中間層を介して前記サポート範囲に固定されている固定範囲と、そのサポート範囲から分離されている遊離範囲を備えており、
    その遊離範囲は、前記固定範囲に続く複数個の第1ばね範囲と、その複数個の第1ばね範囲に続く第1可動範囲と、その第1可動範囲に続く第2ばね範囲と、その第2ばね範囲に続く第2可動範囲を備えており、
    その第2可動範囲は、x軸方向に伸びる2つの辺とy軸方向に伸びる2つの辺を備える矩形枠状であり、
    前記第1可動範囲は、前記矩形枠の内部に収容されており、
    前記複数個の第1ばね範囲は、前記第1可動範囲と前記第2可動範囲との間の少なくとも4箇所に分散されており、
    その4箇所は、前記第1可動範囲の中心を通るx軸とy軸に対して対称な4つの位置に分散されており、
    前記第1ばね範囲の各々のx軸方向のばね定数はy軸とz軸方向のばね定数よりも低く、
    前記第2ばね範囲のz軸方向のばね定数はx軸とy軸方向のばね定数よりも低く、
    前記第1可動範囲は、前記複数個の第1ばね範囲によって、前記サポート範囲に対して、x軸方向に可動であるとともに、y軸方向とz軸方向には不動であり、z軸周りには回転せず、
    前記第2可動範囲は、前記複数個の第1ばね範囲と前記第2ばね範囲によって、前記サポート範囲に対して、x軸方向とz軸方向に可動であることを特徴とする装置。
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