JPH1053981A - タイヤ用のスチールコード及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用のスチールコード及びそれを用いた空気入りタイヤ

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JPH1053981A
JPH1053981A JP8207179A JP20717996A JPH1053981A JP H1053981 A JPH1053981 A JP H1053981A JP 8207179 A JP8207179 A JP 8207179A JP 20717996 A JP20717996 A JP 20717996A JP H1053981 A JPH1053981 A JP H1053981A
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JP
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cord
tire
filament
resin
coating layer
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JP8207179A
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Yoichi Mizuno
洋一 水野
Tamisuke Kimura
民亮 木村
Tetsuhiro Fukumoto
哲宏 福本
Ritsuo Nakayasu
律夫 中安
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】重金属塩のトッピングゴムへの配合を要するこ
となくゴムとコードとの接着性を大巾に高めるととも
に、撚り構造の規則性を保ちながらコードの耐腐食性を
確実に向上でき、しかも特にカーカスに使用したときに
は、コードの実質的にな細径化を図りつつタイヤ内面の
波打ちを抑制でき、タイヤの軽量化を達成しうる。 【解決手段】フィラメント12の表面を、合成樹脂材1
3Aを用いたフィラメント被覆層13によってコーティ
ングしてなる被覆フィラメント14の複数本を、互いに
撚り合わせたコード基体15からなる。前記合成樹脂材
13Aは、弾性率Eaを5.0×103 〜5.0×10
5 kg/cm2 とするとともに、前記フィラメント被覆層
13の厚さK1を1〜50μmとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチールコードと
トッピングゴムとの接着性を、トッピングゴムの劣化を
招くことなく向上でき、しかもスチールコードの耐腐食
性を高めるとともに、タイヤの軽量化にも役立つタイヤ
用のスチールコード及びそれを用いた空気入りタイヤに
関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】スチ
ールコードは、他の繊維材料からなる補強コードに比べ
て、その補強材としての総合的な性能が著しく優れてい
るため、乗用車用タイヤの他、特にトラック、バス等の
大型車両用、商用車用タイヤ等におけるカーカス、ベル
ト層などに多用されている。
【0003】しかしこのようなタイヤでは、前記スチー
ルコードの弾性率Eが約1.7×106 kg/cm2 である
のに対して、これを被覆するトッピングゴムの弾性率E
が約1×102 kg/cm2 程度と、略104 のオーダーで
大きく相違しているため、タイヤ走行時に作用する負荷
応力が、このスチールコードとトッピングゴムとの界面
に集中して作用し、コードルース等の剥離損傷を招き易
い。このようにタイヤの耐久性は、スチールコードとト
ッピングゴムとの接着性に著しく影響されるため、従
来、この接着性を高めるために、スチールコード側に対
してはブラスメッキや亜鉛メッキ等のメッキ処理を施す
とともに、トッピングゴムに対してはナフテン酸コバル
ト、ロジン酸コバルト、ステアリン酸コバルト等の重金
属塩からなる接着促進剤を配合することが行われてい
る。
【0004】しかしながら、前記重金属塩のゴムへの配
合は、タイヤを長期に亘って使用したときには、重金属
塩によってゴムを劣化させるという問題があり、十分満
足のいく接着性及びタイヤ耐久性を得るに至っていな
い。
【0005】他方、スチールコードでは、一般に、タイ
ヤの軽量化のために、フィラメントをコンパクトに撚り
合わせた、層撚り構造、束撚り構造のものが一般的に使
用されるが、前記コンパクトな撚り合わせによって、コ
ード中心部にゴムが浸透しえない空隙部が形成される。
その結果、タイヤ表面に発生するカット傷から進入した
水分などが、前記空隙部に拡散しやすく、錆などの腐食
損傷によって前記コードルースをさらに助長させること
となる。なお、この腐食損傷を抑制するため、フィラメ
ント間に隙間を設けてゴム浸透性を高めたいわゆるオー
プン構造のものも提案されているが、このものは、撚り
合わせが不規則となるため、圧縮、剪断応力に対してオ
ープン部分が弱所となって折れ曲がり易くなるなど、耐
久性に劣る。
【0006】又近年、コード材料の改善に伴い、タイヤ
軽量化のためにスチールコードの細径化が進んでいる。
しかし、特にカーカスにおいてコード打ち込み数を維持
しながら細径化を行った時には、図6(A)に示すよう
に、コード外面間の距離がdからd1へと増大し、その
結果、特に重荷重用タイヤでは、図6(B)に誇張して
示すように、高内圧及び高荷重によってタイヤ内面sに
波打ちが生じてタイヤ強度を損ねるという問題を新たに
発生する。この波打ちを抑制するためには、前記距離d
1を減じるか、若しくはコード下のゴム厚t、すなわち
トッピングゴムの被覆厚さtaとインナーライナゴムの
厚さtbとの和を、例えば3mm以上に高めることが必要
であり、何れもタイヤ軽量化の妨げとなっている。
【0007】そこで本発明のうち請求項1記載の発明
は、所定の弾性率を有する合成樹脂材でコーティングし
た被覆フィラメントを用いることを基本として、重金属
塩の配合を要することなくゴムとコードとの接着性を大
巾に高めるとともに、撚り構造の規則性を保ちながらコ
ードの耐腐食性を確実に向上でき、しかも特にカーカス
に使用したときには、コードの実質的な細径化を図りつ
つタイヤ内面の波打ちを抑制でき、タイヤの軽量化を達
成しうるタイヤ用のスチールコードの提供を目的として
いる。
【0008】請求項3、5記載の発明は、コードの曲げ
剛性の過度の増加を抑制しながら前記請求項1記載の発
明の効果をさらに高めうるスチールコードの提供を目的
としている。
【0009】請求項7記載の発明は、前記請求項1、
3、5記載の発明の効果を発揮でき、耐久性を高めると
ともに軽量化しうる空気入りタイヤの提供を目的として
いる。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本願の第1発明のスチールコードは、フィラメント
の表面を、合成樹脂材を用いたフィラメント被覆層によ
ってコーティングしてなる被覆フィラメントの複数本
を、互いに撚り合わせたコード基体からなり、かつ前記
合成樹脂材は、弾性率Eaを5.0×103 〜5.0×
105 kg/cm2 とするとともに、前記フィラメント被覆
層の厚さを1〜50μmとしたことを特徴としている。
【0011】又第2発明のスチールコードは、前記コー
ド基体の周囲をさらに合成樹脂材の筒状のコード被覆層
で囲むとともに、フィラメント被覆層の合成樹脂材の弾
性率Ea1を1.0×104 〜5.0×105 kg/c
m2 、しかもコード被覆層の合成樹脂材の弾性率Ebを
前記弾性率Ea1よりも小かつ5.0×102 〜5.0
×104 kg/cm2 とする一方、フィラメント被覆層とコ
ード被覆層との厚さの総和を10〜500μm以下とし
たことを特徴としている。
【0012】又第3発明のスチールコードは、コード被
覆層と被覆フィラメントとの間に弾性率Ecがゴム程度
に柔らかい充填層を充填することを特徴としている。
【0013】なお前記フィラメント被覆層、コード被覆
層を形成する合成樹脂材として、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、又はアクリル樹脂
が好適に使用できる。
【0014】又第4発明の空気入りタイヤは、前記第1
〜3発明のスチールコードをカーカス又はベルト層の少
なくとも一方に用いたことを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本願の第1、第2、第3発
明のスチールコードの実施の形態を、このスチールコー
ドを用いた第4発明である空気入りタイヤの実施の形態
を基に、図面とともに説明する。
【0016】図1において、空気入りタイヤ1は、本例
では、トラック・バス用のチューブレスの重荷重用ラジ
アルタイヤであって、トレッド部2と、その両端からタ
イヤ半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部3
と、各サイドウオール部3の内方端に位置するビード部
4とを具える。又空気入りタイヤ1は、前記ビード部
4、4間に跨るカーカス6と、このカーカス6の半径方
向外側かつトレッド部2内方に配置されるベルト層7と
を具え、これらによって補強され、必要なタイヤ強度及
びタイヤ剛性が付与される。
【0017】又本例では、カーカスコード8として本願
のスチールコードを用いることによってかつトッピング
ゴムに耐空気透過性の優れたゴムを用いる事により、通
常カーカス6の内側に添着されるインナーライナゴム層
が排除され、タイヤの軽量化を達成している。
【0018】前記カーカス6は、前記トレッド部2から
サイドウオール部3をへてビード部4のビードコア5の
廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返される1枚以
上、本例では1枚のカーカスプライ9からなり、このカ
ーカス6の主部と折返し部との間には、前記ビードコア
5からタイヤ半径方向外方に向かって先細状にのびるビ
ードエーペックスゴム18が充填され、横剛性を高めて
いる。
【0019】前記カーカスプライ9は、図2に示すよう
に、カーカスコード8をタイヤ赤道Cに対して75〜9
0度の角度で引き揃えたコード配列体を、トッピングゴ
ム11で被覆したシート状をなし、本例では、従来タイ
ヤと同様、トレッドクラウン部でのプライ巾5cm当たり
のカーカスコードの打ち込み数を、例えば22本/5cm
程度とするとともに、コードへの被覆厚さtを1.0〜
3.0mmとしている。
【0020】又カーカスコード8としては、本例では、
図3に示すように、スチールのフィラメント12の表面
を、合成樹脂材13Aを用いたフィラメント被覆層13
によってコーティングしてなる被覆フィラメント14の
複数本を互いに撚り合わせたコード基体15からなるス
チールコード10を用いる。より詳しくは、前記スチー
ルコード10は、例えば3本の被覆フィラメント14a
からなるコア部の外側に、例えば9本の被覆フィラメン
ト14bからなるシース部を設けたいわゆる3+9タイ
プの層撚り構造をなす1本のコード基体15によって形
成している。
【0021】又前記合成樹脂材13Aは、弾性率Eaを
5.0×103 〜5.0×105 kg/cm2 の範囲とする
とともに、前記フィラメント被覆層13の厚さK1を1
〜50μmとしている。なおフィラメント被覆層13は
略均一な厚さで形成するが、好ましくはその平均値をも
って厚さK1と定義する。
【0022】又前記合成樹脂材13Aとしては、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、
アルキド樹脂等の熱硬化性樹脂、及びポリアミド樹脂、
ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂が使
用できる。これらの中で、未硬化状態で低粘度の液状を
呈する熱硬化性樹脂、例えばエポキシ樹脂は、前記フィ
ラメント被覆層12を薄肉に形成する上で、又走行中の
タイヤ発熱に対する弾性率の安定性の面で好ましい。
【0023】このように第1発明の前記スチールコード
10は、各フィラメント12にフィラメントの弾性率
(約1.7×106 kg/cm2 )とトッピングゴム11の
弾性率(約1.0×102 kg/cm2 )との中間的値を有
する合成樹脂材13Aでコーティングしているために、
コード界面での弾性率の急激な変化を避けることがで
き、応力集中を緩和しうる。しかもフィラメント被覆層
13を介在させることによって、従来のスチールコード
側でのメッキ処理及びトッピングゴム側での重金属塩の
添加を行うことなく、コードとゴムとの接着力自体を高
めることができ、この重金属塩に起因するゴムの劣化を
防止しつつ、前記応力集中の緩和と相俟って接着性を大
巾に向上できる。
【0024】又各フィラメント12がコーティングされ
ているため、規則性を有するコンパクトな撚り構造を採
用しながら腐食損傷を確実に防止できる。又これによっ
て、コードの強度、耐久性及び均質性を向上でき、フィ
ラメント自体の細径化、すなわちコードの軽量化を可能
とするとともに、前記腐食に起因する接着性の低下もよ
り確実に抑制できる。
【0025】又前記コーティングによって、コード外面
間の距離dが、コーティングしてないコードに比して、
本例では、フィラメント被覆層13の厚さK1の約8倍
の距離を減じることができる。その結果、タイヤ内面S
での波打ちを抑制しつつ、コード下のゴム厚を減じるこ
とが可能となり、本例では、従来のインナーライナゴム
層を排除し、図6に示すコード下のゴム厚さtを従来の
厚さの1/2以下に設定している。
【0026】又前記トッピングゴム11としては、従来
の、天然ゴム及びスチレン・ブタジエンゴムなどのジエ
ン系合成ゴム等が使用できる。しかし、チューブレスタ
イヤとするために、耐空気透過性に優れるゴム、例えば
前記ジエン系合成ゴム等にブチルゴム、ハロゲン化ブチ
ルゴム、EXXPROゴム(EXXO chemical 社製合成ゴ
ム…brominated polyisobutylene-co-para-methylstyre
ne等のイソブチレン共重合体)等を含有させたものが好
ましく、本例では、エポキシ化率が例えば50%程度の
エポキシ化天然ゴムを用いる。このエポキシ化天然ゴム
は、前記ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムと同程度の
優れた耐空気透過性を発揮でき、又前記合成樹脂材12
Aとしてのエポキシ樹脂をタイヤ加硫時に加硫接着する
ことによってより強固に接着しうるために、より好まし
い。なおこのエポキシ化天然ゴムに、前記ジエン系合成
ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、XPROゴ
ム等を含有させて使用しても良い。
【0027】ここで前記合成樹脂材13Aの弾性率Ea
が5.0×103 kg/cm2 より小、及び5.0×105
kg/cm2 より大の時には、何れもコード界面における応
力集中の緩和効果が十分に達成されず、フィラメント1
2と合成樹脂材13Aとの間、又は合成樹脂材13Aと
トッピングゴム11との間に剥離損傷が発生しやすくな
る。又厚さK1が1μmより小の時には、同様に、応力
集中の緩和効果が不十分となり、しかも、前記腐食の防
止効果、及びタイヤ内面での波打ち抑制効果をも損ねる
こととなる。逆に厚さK1が50μmより大の時には、
コードの曲げ剛性が高まりタイヤ成型時のスチールコー
ドの曲げ加工をする場合の加工性が低下する。
【0028】又カーカスコード8としては、図4に示す
ように、前記コード基体15の周囲を、さらに合成樹脂
材21Aを用いた筒状のコード被覆層21によって囲ん
だスチールコード20を用いることもできる。この時、
コード被覆層21を略均一な厚さとすることにより、コ
ード基体15との間、すなわち被覆フィラメント14と
の間に部分的な空隙22が形成され、コード被覆層21
による曲げ剛性の増加を軽減している。又前記フィラメ
ント被覆層13をなす合成樹脂材13Aの弾性率Ea1
は、1.0×104 〜5.0×105 kg/cm2 の範囲、
しかもコード被覆層21をなす合成樹脂材21Aの弾性
率Ebは、前記弾性率Ea1よりも小、かつ5.0×1
2 〜5.0×104 kg/cm2 の範囲であって、フィラ
メント12からトッピングゴム11に向かって弾性率を
漸減させる。又前記フィラメント被覆層13の厚さK1
aと、コード被覆層21の厚さK2との総和K1a+K
2は10〜500μmの範囲としている。
【0029】このように、第2発明のスチールコード2
0は、コード基体15の周囲をさらにコード被覆層21
で囲んだため、前記スチールコード10に比して、特に
タイヤ内面での波打ち抑制効果をさらに高めることがで
きる。なお前記厚さの総和K1a+K2が10μmより
小の時には、この波打ち抑制効果を顕著に高めることは
できず、逆に500μmより大の時には、コード曲げ剛
性が過大となって、加工性の低下に加えタイヤ性能を損
ねる恐れがある。なお前記フィラメント被覆層13の厚
さK1aは前記厚さK1と同様、1〜50μmとするこ
とが好ましい。又弾性率Ea1、弾性率Ebが前記範囲
から外れると、コード界面における応力集中の緩和効果
が十分に達成されず剥離損傷が発生しやすくなる。
【0030】又カーカスコード8としては、図5に示す
ように、円筒状のコード被覆層21の内側に前記空隙2
2を満たす充填層25を付設した構造、すなわち、コー
ド被覆層21と被覆フィラメント14との間に充填層2
5を充填した構造のスチールコード26を用いることも
できる。
【0031】この第3発明のスチールコード26では、
前記充填層25をゴムと同程度に柔らかい合成樹脂材2
5A、すなわち弾性率Ecを10〜1×102 kg/cm2
とする。これによってスチールコード26は、前記スチ
ールコード20と略同程度の曲げ剛性に維持される一
方、空隙22が排除されるため、腐食の防止効果をさら
に向上することができる。なお、前記フィラメント被覆
層13の厚さK1aと、コード被覆層21の厚さK2と
の総和K1a+K2を10〜500μmの範囲が好まし
い。なお、スチールコード20、26のコード被覆層2
1で用いる合成樹脂材21Aも、前記合成樹脂材13A
と同様、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、
メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂、アクリル樹脂などが使用できる。
【0032】又前記ベルト層7は、1枚以上、本例では
カーカス側からトレッド面側に向かって順に配される第
1、第2、第3、第4のベルトプライ7A〜7Dの4枚
からなり、例えば第1のベルトプライ7Aは、ベルトコ
ードをタイヤ赤道Cに対して45〜70度程度の角度で
配列するとともに、第2、第3、第4のベルトプライ7
B〜7Dは10〜25度程度の角度でベルトコードを配
列している。又第2、第3のベルトプライ7B、7C間
では、コードのタイヤ赤道Cに対する傾斜方向が異な
り、従って前記コード角度及び傾斜方向の相違等によっ
てトラス構造を構成しベルト剛性を高めトレッド部2を
補強する。
【0033】なお前記ベルトコードとしては、例えば芳
香族ポリアミド、芳香族ポリエステル等の高モジュラス
の繊維コードが使用できるが、被覆フィラメント14を
用いない従来のスチールコード、さらには前記した本願
のスチールコード10、20、26も好適に使用しう
る。
【0034】本実施例では、前記コード基体15とし
て、3+9タイプの層撚り構造のものを開示している
が、スチールコード10、20、26は、何れもこの撚
り構造に限定されることなく、例えば2+7、3+6、
4+10、3+9+15等の層撚り構造、1×3、1×
4、1×5等の単撚り構造、1×9、1×12、1×1
9等の束撚り構造など、種々の構造のもに適用できる。
【0035】又前記コード基体15の複数本をさらに撚
り合わせた、例えば3×7、4×7の複撚り構造のもの
へと発展させることもできる。
【0036】
【実施例】線径0.18mmのフィラメントの表面に、表
1に記載の配合のエポキシ樹脂をコーティングし、10
0゜Cで10分間熱処理を行って半硬化状とした被覆フ
ィラメントを作成したのち、これらを撚り合わせて、図
3に示す3+9構造のスチールコードを形成した。この
時のフィラメント被覆層の厚さK1は20μmであっ
た。
【0037】又このエポキシ樹脂を半硬化状としたスチ
ールコードを表2に記載の配合Aのトッピングゴムで被
覆してなるゴム引きのファブリック材からなるカーカス
を用い、図1の構造を有するタイヤサイズ11R22.
5の実施例品1のタイヤを表3の仕様で試作した。この
時、タイヤ加硫時に半硬化状のエポキシ樹脂とエポキシ
化天然ゴムトッピングゴムとがタイヤ加硫時に加硫接着
するため、フィラメント−被覆層−トッピングゴム間の
接着性をよりいっそう向上できる。
【0038】又エポキシ樹脂をコーティングしてないフ
ィラメントのみからなる3+9構造の従来のスチールコ
ードを用い、かつこのスチールコードを表2に示す配合
Bの従来のトッピングゴムで被覆したカーカスを有する
従来品1、2のタイヤを試作し、タイヤ内面の波打ちの
大きさ、タイヤ重量及び、コードの不良率を、前記実施
例品1のタイヤと比較し、その結果を表3に示した。な
お従来品1、2のタイヤと実施例品1のタイヤとは、カ
ーカスコード、そのトッピングゴム、及びインナーライ
ナゴムの有無以外、同構成をなす。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【発明の効果】叙上の如く本発明は構成しているため、
重金属塩のトッピングゴムへの配合を要することなくゴ
ムとコードとの接着性を大巾に高めることができる。又
撚り構造の規則性を保ちながらコードの耐腐食性を確実
に向上でき、しかも特にカーカスに使用したときには、
コードの実質的にな細径化を図りつつタイヤ内面の波打
ちを抑制でき、タイヤの軽量化を達成しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のタイヤの断面図である。
【図2】そのカーカスプライを示す略断面図である。
【図3】カーカスプライに用いるスチールコードの一実
施例を示す断面図である。。
【図4】スチールコードの他の例を示す断面図である。
【図5】スチールコードの他の例を示す断面図である。
【図6】(A)、(B)は、従来のカーカスコードが有
する問題点を説明する略断面図である。
【符号の説明】
10、20、26 スチールコード 12 フィラメント 13A、21A 合成樹脂材 13 フィラメント被覆層 14 被覆フィラメント 15 コード基体 21 コード被覆層 25 充填層 K1 フィラメント被覆層の厚さ K2 コード被覆層の厚さ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチールのフィラメントの表面を、合成樹
    脂材を用いたフィラメント被覆層によってコーティング
    してなる被覆フィラメントの複数本を、互いに撚り合わ
    せたコード基体からなり、かつ前記合成樹脂材は、弾性
    率Eaを5.0×103 〜5.0×105 kg/cm2 とす
    るとともに、前記フィラメント被覆層の厚さを1〜50
    μmとしたことを特徴とするタイヤ用のスチールコー
    ド。
  2. 【請求項2】前記合成樹脂材は、エポキシ樹脂、フェノ
    ール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、
    ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、又はアクリル樹脂
    であることを特徴とする請求項1記載のタイヤ用のスチ
    ールコード。
  3. 【請求項3】スチールのフィラメントの表面を、合成樹
    脂材を用いたフィラメント被覆層によってコーティング
    してなる被覆フィラメントの複数本を、互いに撚り合わ
    せたコード基体の周囲を、合成樹脂材を用いた筒状のコ
    ード被覆層によって囲むとともに、このコード被覆層の
    合成樹脂材の弾性率Ebは、前記フィラメント被覆層の
    合成樹脂材の弾性率Ea1よりも小、かつ弾性率Ea1
    は1.0×104 〜5.0×105 kg/cm2 、しかも弾
    性率Ebは5.0×102 〜5.0×104 kg/cm2
    するとともに、前記フィラメント被覆層とコード被覆層
    との厚さの総和は、10〜500μm以下としたことを
    特徴とするタイヤ用のスチールコード。
  4. 【請求項4】前記合成樹脂材は、エポキシ樹脂、フェノ
    ール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、
    ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、又はアクリル樹脂
    であることを特徴とする請求項3記載のタイヤ用のスチ
    ールコード。
  5. 【請求項5】スチールのフィラメントの表面を、合成樹
    脂材を用いたフィラメント被覆層によってコーティング
    してなる被覆フィラメントの複数本を、互いに撚り合わ
    せたコード基体の周囲を、合成樹脂材を用いた筒状のコ
    ード被覆層によって囲むとともに、このコード被覆層の
    合成樹脂材の弾性率Ebは、前記フィラメント被覆層の
    合成樹脂材の弾性率Ea1よりも小、かつ弾性率Ea1
    は1.0×104 〜5.0×105 kg/cm2 、しかも弾
    性率Ebは5.0×102 〜5.0×104 kg/cm2
    するとともに、前記コード被覆層と被覆フィラメントと
    の間に、弾性率Ecが10〜1.0×102 kg/cm2
    合成樹脂材からなる充填層を充填したことを特徴とする
    タイヤ用のスチールコード。
  6. 【請求項6】前記フィラメント被覆層及びコード被覆層
    の合成樹脂材は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリ
    ア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹
    脂、ポリアミド樹脂、又はアクリル樹脂であることを特
    徴とする請求項5記載のタイヤ用のスチールコード。
  7. 【請求項7】カーカス及びベルト層を具える空気入りタ
    イヤであって、前記請求項1〜6のいずれかに記載のス
    チールコードをカーカス又はベルト層の少なくとも一方
    に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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