JPH1053967A - 皮革様シート - Google Patents
皮革様シートInfo
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- JPH1053967A JPH1053967A JP22064996A JP22064996A JPH1053967A JP H1053967 A JPH1053967 A JP H1053967A JP 22064996 A JP22064996 A JP 22064996A JP 22064996 A JP22064996 A JP 22064996A JP H1053967 A JPH1053967 A JP H1053967A
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Abstract
て天然皮革に類似した皮革様シートを提供する。 【解決手段】極細繊維束とポリウレタンを主体とする弾
性樹脂バインダーよりなる皮革様シートにおいて、該極
細繊維束をナイロン超極細繊維ブロック状集束体とす
る。
Description
びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、
断面がブロック状になったナイロン超極細繊維束とポリ
ウレタンを主体としたバインダーよりなる皮革様シート
に関する。
く知られており、特に人工皮革業界等において有効に活
用されている。例えば、特公昭41―9315号公報に
は、海島構造よりなる極細繊維発生型繊維よりなる繊維
基材にポリウレタンを含浸し、該ポリウレタンを凝固せ
しめた後、極細繊維発生型繊維の海成分を抽出除去する
ことにより、柔軟な皮革様シートが得られる技術が開示
されている。しかしながら、該公報の技術では、極細繊
維束が超極細繊維ブロック状集束体となっていないた
め、皮革様シートとしては風合い、表面感の点でいまだ
不十分なものであった。
は、高強力混合紡糸繊維に関する技術が開示されている
が、極細繊維束が超極細ブロック状集束体となっていな
いため皮革様シートに適用した場合の風合い、表面感、
タッチ等は天然皮革と比較して不十分なものであった。
一方、特開平5―59615号公報には、混合紡糸繊維
の海成分ポリマーの溶剤による抽出性が良好で、抽出後
の極細繊維間の膠着がなく、開繊性のよい極細繊維の製
造方法に関する技術が開示されている。しかしながら該
公報の技術では皮革様シートとした場合に、天然皮革と
比較して、表面感、タッチ等において、未だ不十分なも
のであった。
る高級化指向ならびに感性重視およびファッション重視
の傾向には目を見張るものがある。人工皮革、合成皮革
等の皮革様シートの分野においても同様に、手で触った
ときの優れた風合い、天然皮革調の表面感、タッチ等が
強く要求されている。従来、極細繊維を製造する方法あ
るいはそれらを用いた人工皮革などが提案されてはいる
が、いずれも得られたシートの風合いあるいは表面感、
タッチ等が天然皮革と比較して不十分なものであった。
本発明の課題は、天然皮革並の風合い、表面感、タッチ
等を有したシートおよびその製造方法を提供することに
ある。
を解決するために鋭意検討を行った結果、極細繊維束と
高分子バインダーよりなる皮革様シートにおいて、該極
細繊維束が超極細繊維ブロック状集束体より形成される
ことにより、天然皮革並の風合い、表面感、タッチ等を
有していることを見いだした。さらに具体的にはポリエ
チレンとナイロンとを下記式(1)〜(3)を満たす条
件下で混合紡糸すれば、海成分がポリエチレンで島成分
がナイロンである超極細繊維ブロック状集束体発生型繊
維が得られ、この繊維よりなる繊維基材にポリウレタン
を主体とする弾性樹脂バインダーを含浸し、該ポリウレ
タンを凝固させ、超極細繊維ブロック状集束体発生型繊
維の海成分であるポリエチレンを該ポリウレタン及びナ
イロンを溶解させない有機溶剤で抽出除去することによ
り、あるいはこの方法の抽出除去と弾性樹脂バインダー
を含浸・凝固させる順序を逆にすることにより、極細繊
維が0.0006デニール以下のナイロンブロック状集
束体よりなる天然皮革様シートが得られ、このシートは
特に天然皮革並の風合い、表面感、タッチ等を有してい
ることを見いだした。
ローレート、WPEはポリエチレンの重量、WNYはナ
イロンの重量、MFRPEはポリエチレンのメルトフロ
ーレートを表す。ただし測定条件荷重=325g、孔径
=2mmφ) 本発明で言うブロック状集束体とは、繊維束を構成する
超極細繊維の大半が、ほぼ間隙のないコンパクトな状態
で数十本ないし数千本集まり、あたかも太い繊維として
見えるような状態を言い、そして抽出後の繊維束は、こ
のようなブロック間に間隙が存在して繊維束内に複数存
在している状態をいう。このような状態の繊維束の断面
を図1の電子顕微鏡写真に示す。一方図2の電子顕微鏡
写真は従来の極細繊維束である。
の例としては、6―ナイロン、66―ナイロン、12―
ナイロンなどが挙げられる。それらのナイロンはJIS
―K7210に準じて、メルトインデクサを用い、2m
mφの口径で、325gの荷重を掛けたときのメルトフ
ローレートが上記式(1)を満足する必要がある。より
好ましくは下記式(4)で示される範囲である。
維の強伸度が著しく低下してしまい、シートにした時の
物性が不十分となる場合がある。MFRNYが70より
大きいと、やはり得られたナイロン超極細繊維の強伸度
が低下し、シートにした時の物性が不十分となる場合が
ある。すなわち優れた強伸度を有する繊維を工業的に安
定に紡糸を行うためには、上記(1)の条件を満足する
ことが必須である。
抽出除去工程によって除去され繊維からは実質的になく
なるが、平均単繊度0.0006dr以下のナイロン超
極細繊維ブロック状集束体を発生せしめる上で極めて重
要な役割を果たす。即ち、ポリエチレンという特定のポ
リマーを用い、かつポリエチレンとナイロンとを混合紡
糸せしめる際に、上記式(2)を満たすことがブロック
状集束体とする上で必要で、下記式(5)を満たすこと
がより好ましい。
リエチレンが島構造となり平均単繊度0.0006dr
以下のナイロン超極細繊維ブロック状集束体が得られな
い。WPE/WNYが2より大きいと曳糸性が悪くな
り、ナイロン超極細繊維ブロック状集束体発生型繊維が
得られない。すなわち上記(2)の条件を外れる場合に
も、工業的に安定に所望のブロック状集束体繊維を得る
ことができないのである。さらに本発明において採用さ
れるポリエチレンとナイロンの混合紡糸条件は、平均単
繊度0.0006dr以下のナイロン超極細繊維ブロッ
ク状集束体を得るために、ポリエチレンとナイロンのメ
ルトフローレート比を取ったとき、必ず上記式(3)で
示される範囲の条件を満たす必要がある。より好ましく
は下記式(6)で表される範囲である。
r以下のナイロン超極細繊維ブロック状集束体が得られ
ない。またMFRPE/MFRNYが1.2より大きい
とやはり平均単繊度0.0006dr以下のナイロン超
極細繊維ブロック状集束体が得られない。したがって工
業的に安定に所望の繊維を製造するためには、上記
(3)の条件を満足することが必須である。メルトフロ
ーレートは株式会社テクノ・セブン製のメルトインデク
サを用い、JIS―K7210に準じて測定を行ったも
のである。
240℃から300℃の範囲が好ましい。紡糸温度が2
40℃より低いと混合紡糸繊維の曳糸性が悪くなり、か
つポリエチレンを抽出除去して得られたナイロン超極細
繊維の強伸度が低下する場合がある。紡糸温度が300
℃より高くなるとナイロンの分解が起こり、混合紡糸繊
維の曳糸性が悪くなり、かつポリエチレンを抽出除去し
て得られたナイロン超極細繊維の強伸度が低くなってし
まう場合がある。
集束体発生型繊維の紡糸の際の巻き取り速度としては2
00〜1000m/分の範囲、延伸後の繊維太さが3〜
6drとなるようにするのが工業的紡糸を安定に行う上
で好ましく、また紡糸後の繊維は約2〜3倍の延伸が行
われる。このような方法で得られた超極細繊維発生型繊
維から海成分であるポリエチレン成分を抽出除去する
と、前記したように、0.0006デニール以下でかつ
強伸度に優れたナイロン超極細繊維ブロック状集束体が
得られることとなる。たとえば引張強度2.0g/d以
上でかつ破断伸度60%以上のナイロン超極細繊維ブロ
ック状集束体が得られる。この強伸度は従来の混合紡糸
繊維から海成分を抽出除去して得られる極細繊維束と比
べて、高い値であり、この高い値が、皮革様シートとし
た場合に、天然皮革様の物性値をもたらすこととなる。
この高い値が得られている理由として、本発明のナイロ
ン超極細繊維ブロック状集束体発生型繊維では従来の混
合紡糸繊維と比べて、島成分が繊維長方向に長く連なっ
ているものと予想される。
生型繊維に捲縮をかけ、そして適当な繊維長にカットし
たのち、通常の方法により不織布、編物、織物等の布帛
とし、この布帛を繊維基材として皮革様シートとする。
すなわち、この繊維基材にポリウレタンを主体とする弾
性樹脂をバインダー樹脂として含浸し、凝固させる。
のポリマージオールと有機ジイソシアネートと鎖伸長剤
とを反応せしめたものであれば良い。ポリマージオール
の例としてはポリエステルジオール、ポリカーボネート
ジオール、ポリエーテルジオール、ポリラクトンジオー
ルあるいはこれらの共重合物が挙げられる。これらのポ
リマージオールは単独であるいは二種以上の混合物とし
て用いることができる。ポリマージオールの数平均分子
量は500〜3000が好ましく、より好適には700
〜2500の範囲が選ばれる。数平均分子量が500未
満であるとポリウレタンの柔軟性が損われるとか、耐熱
性が低下するとかの傾向にあり、好ましくない。また、
数平均分子量が3000を超えたものは、必然的にウレ
タン基農度が減少するためか、力学的物性、柔軟性、耐
寒性、耐熱性、耐久性のバランスの取れたポリウレタン
樹脂が得にくいのみならず、該ポリマージオールの工業
的製造に難点があり、好ましくない。
トの例としては、4,4’―ジフェニルメタンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、パラフェニレ
ンジイソシアネート、1,5―ナフチレンジイソシアネ
ート等の芳香族ジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、4,4’―ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネート等の非芳香族ジイソシアネート
などが挙げられる。なかでも、4、4’―ジフェニルメ
タンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネートの場合が、得られたシ
ートの表面性および風合いが良好なので好ましい。
はエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘ
プタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、
デカンジオール、ドデカンジオールなどの脂肪族ジオー
ル、シクロヘキサンジオール、水添キシリレングリコー
ルなどの脂環式ジオール、キシリレングリコールのごと
き芳香族ジオール、イソホロンジアミン、エチレンジア
ミンなどの脂肪族ジアミン、ヒドラジン、イソフタル酸
ヒドラジドなどのヒドラジン誘導体などが挙げられる。
なかでも脂肪族ジオールが、とりわけエチレングリコー
ル、ブタンジオールがシートの風合、柔軟性、耐寒性、
耐熱性などのバランスの面で好適に用いられる。
溶融重合によって製造した物であっても良いし、溶液重
合によって製造したものであっても良い。ただし、シー
トを製造する工程において、超極細繊維もしくは超極細
繊維発生型繊維よりなる繊維基材にポリウレタンを溶液
状態で含浸するのが一般的であるため、溶液重合を行っ
た方が便利な場合が多い。
るに際し、触媒は必ずしも必要ではないが、通常のポリ
ウレタンの製造に用いられる触媒類、例えばチタンテト
ライソプロポキサイド、ジブチルチンジラウレート、ス
ズオクテート、鉄アセチルアセトナート等の金属化合
物、テトラメチルブタンジアミン、1,4―ジアザ
(2,2,2)ビシクオクタン等の3級アミン類等を用
いることができる。
細繊維発生型繊維よりなる繊維基材に含浸を行うため通
常は溶液として使用される。その際の好適溶剤として
は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。またポ
リウレタンがエマルジョンの形態である場合は分散媒と
同じ溶媒で所望粘度もしくは固形分に調製して用いれば
良い。
は、本発明の目的である天然皮革並の風合い、表面平滑
性、タッチを損なわない範囲で、改質を目的としてアク
リルポリオール、アルコール変性シリコーンポリオール
などのポリオールによって変性されていてもなんら差し
支えない。
に当たって従来のポリウレタンに使用される各種添加
剤、例えばリン系化合物、ハロゲン含有化合物などの難
燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、可塑剤
などを添加することができる。
ク状集束体発生型繊維よりなる繊維基材にポリウレタン
を含浸、凝固せしめた後、超極細繊維ブロック状集束体
発生型繊維の海成分であるポリエチレンを溶剤で抽出除
去する方法、あるいは超極細繊維ブロック状集束体発生
型繊維よりなる繊維基材のポリエチレン成分を溶剤で抽
出除去した後、ポリウレタンを含浸、凝固せしめて得る
方法のいずれが採用されても構わない。しかしながら、
後者の方法を採用した場合、超極細繊維ブロック状集束
体の中にまでポリウレタンバインダーが入ってしまい、
風合い等が損なわれる場合があり、一般的には前者の方
法が好ましいが、用途に応じてどちらの方法を用いるか
を選択するのが好ましい。
ック状集束体発生型繊維よりなる繊維基材は、優れた風
合い、良好な面平滑性、良好なタッチを得るため、0.
2〜0.5g/cm3の密度を有することが好ましい。
より好ましくは0.25〜0.40g/cm3の範囲で
ある。繊維基材の密度が0.2g/cm3より小さい
と、得られたシートの面平滑性が悪くなる。また密度が
0.5g/cm3より大きいと得られたシートがパカパ
カしてペーパーライクとなり、良好な風合いが得られな
い。
ウレタン溶液を含浸した後、ポリウレタンの非溶剤で凝
固せしめるが、その際用いられる非溶剤は水もしくは水
とジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジオ
キサンとの混合溶剤が好ましい。なかでも水もしくは水
とジメチルホルムアミドの混合溶剤が好ましく用いられ
る。
ン比率が15〜60重量%の範囲にあることが好まし
く、より好ましくは25〜50重量%の範囲である。ポ
リウレタン比率が15重量%より低いと、手での感触が
パカパカしてペーパーライクになる。ポリウレタン比率
が60重量%より高いと得られたシートの表面の平滑性
が悪くなったり、風合いが硬くなったりする。
dr以下のナイロン超極細繊維ブロック状集束体よりな
るため、従来の人工皮革では得られない天然皮革並の表
面感、良好な風合い、タッチを有している。天然皮革
は、コラーゲン超極細繊維がブロック状で集合した繊維
集束体からなっており、本発明のものとミクロ的にも極
めて類似している。このことが、本発明の皮革様シート
に天然皮革に極めて類似した風合い、感触等をもたらす
大きな理由と考えられる。
造面、グラビアによる造面、乾式造面などの方法によっ
て表面被覆層を設けるとナイロン超極細繊維ブロック状
集束体の効果により天然皮革調の表面感を有したシート
を得ることができる。さらにまたシートを染色後、バフ
ィング等の起毛処理を行うことによって、スエード調あ
るいはヌバック調のシートとすることもできる。
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。なおメルトフローレート値は、株式会社
テクノ・セブン製のメルトインデクサを用い、JIS―
K7210に準じて測定を行ったものであり、荷重を3
25g掛け、孔径2mmφのノズルより10分間吐出し
た重量(g)である。また超極細繊維のデニールは抽出
後に得られる繊維束の断面を顕微鏡写真で取り、トータ
ルデニールを島本数で割ったものである。また超極細繊
維の強度及び伸度は、繊維から海成分を抽出した後の繊
維束をJIS−L1015に準じて、測定したものであ
る。
ロンと31g/10分のポリエチレンをWPE/WNY
=4/6の割合でチップブレンドし、ノズル孔数24個
の通常の溶融紡糸装置に導入し、紡糸温度270℃、巻
取り速度350m/分で紡糸し、単繊維デニールが10
デニール、ナイロンが島の混合紡糸繊維を得た。この混
合紡糸繊維を延伸、捲縮、カットすることにより、単繊
維3.5デニール、繊維長51mmの混合紡糸繊維の原
綿を得た。得られた混合紡糸繊維の原綿から、目付50
0g/m2、見掛比重0.4の不織布を作製した。一
方、数平均分子量2000のポリエチレン・プロピレン
アジペート/4、4’―ジフェニルメタンジイソシアネ
ート/エチレングリコールをモル比で1/5/4でジメ
チルホルムアミド中で重合し、ポリウレタンを得た。こ
のポリウレタンを、ジメチルホルムアミド(DMFと略
す)で濃度15重量%になるように希釈し、得られた溶
液を、前記不織布に含浸、水により湿式凝固させ、さら
にDMFを完全に除去した後、85℃のトルエンによ
り、海成分のポリエチレンを抽出除去した。
察すると、図1に示す断面形状に極めて類似せており、
ナイロン超極細繊維ブロック状集束体とポリウレタンよ
りなっており、天然皮革並の表面平滑性、良好な風合
い、タッチを有しており、スプレーによる造面のみで、
天然皮革調のシートを得た。なおこの実施例で得られた
上記原綿繊維からトルエンによりポリエチレンを抽出除
去して得られる繊維束の強度は2.5g/dで、伸度は
80%であった。
ロンと31g/10分のポリエチレンをWPE/WNY
=5/5の割合でチップブレンドし、ノズル孔数24個
の通常の溶融紡糸装置に導入し、紡糸温度270℃、捲
取り速度350m/分で紡糸し、単繊維デニールが10
デニール、ナイロンが島の混合紡糸繊維を得た。この混
合紡糸繊維を延伸、捲縮、カットすることにより、単繊
維3.5デニール、繊維長51mmの混合紡糸繊維の原
綿を得た。得られた混合紡糸繊維の原綿から、目付50
0g/m2、見掛比重0.4の不織布を作製し、15%
のポリウレタン溶液を含浸、湿式凝固、脱DMF後、8
5℃のトルエンにより、海成分のポリエチレンを抽出除
去した。得られたシートは、ナイロン超極細繊維ブロッ
ク状集束体とポリウレタンよりなり、天然皮革並の表面
感、風合い、タッチを有しており、スプレーによる造面
のみで、天然皮革調のシートを得た。
ロンと31g/10分のポリエチレンをWPE/WNY
=6/4の割合でチップブレンドし、ノズル孔数24個
の通常の溶融紡糸装置に導入し、紡糸温度270℃、捲
取り速度350m/分で紡糸し、単繊維デニールが10
デニール、ナイロンが島の混合紡糸繊維を得た。この混
合紡糸繊維を延伸、捲縮、カットすることにより、単繊
維3.0デニール、繊維長51mmの混合紡糸繊維の原
綿を得た。得られた混合紡糸繊維の原綿から、目付50
0g/m2、見掛比重0.4の不織布を作製し、15%
のポリウレタン溶液を含浸、湿式凝固、脱DMF後、8
5℃のトルエンにより、海成分のポリエチレンを抽出除
去した。得られたシートは、ナイロン超極細繊維ブロッ
ク状集束体とポリウレタンよりなり、天然皮革並の表面
平滑性、良好な風合い、タッチを有しており、スプレーに
よる造面のみで、天然皮革調のシートを得た。
により混合紡糸繊維を作製し、さらにこれら繊維を実施
例1と同様の方法によりシート化した。得られたシート
の性能は下記表2の通りであった。
ロンと31g/10分のポリエチレンをWPE/WNY
=85/15の割合でチップブレンドし、ノズル孔数2
4個の通常の溶融紡糸装置に導入し、紡糸温度270
℃、捲取り速度350m/分で紡糸した。曳糸性が悪
く、得られた混合繊維は、10デニール、ナイロンが島
で、伸度80%であった。この混合紡糸繊維を延伸、捲
縮、カットすることにより、単繊維7.0デニール、繊
維長5lmmの混合紡糸繊維の原綿を得た。得られた混
合紡糸繊維の原綿から、目付500g/m2、見掛比重
0.4の不織布を作製し、15%のポリウレタン溶液を
含浸、湿式凝固、脱DMF後、85℃のトルエンによ
り、海成分のポリエチレンを抽出除去した。得られたシ
ートは、極細繊維がブロック状集束体となっておらず、
平均単繊度が0.00175デニールであり、シートの
表面感、風合い、タッチ、物性等が天然皮革や上記実施
例のものと比較して不十分なものであった。
ロンと31g/10分のポリエチレンをWPE/WNY
=5/5の割合でチップブレンドし、ノズル孔数24個
の通常の溶融紡糸装置に導入し、紡糸温度270℃、捲
取り速度350m/分で紡糸し、単繊維デニールが10
デニール、ナイロンが島の混合紡糸繊維を得た。この混
合紡糸繊維を延伸、捲縮、カットすることにより、単繊
維3.5デニール、繊維長51mmの混合紡糸繊維の原
綿を得た。得られた混合紡糸繊維の原綿から、目付50
0g/m2、見掛比重0.4の不繊布を作製し、15%
のポリウレタン溶液を含浸、湿式凝固、脱DMF後、8
5℃のトルエンにより、海成分のポリエチレンを抽出除
去した。得られたシートは、極細繊維が平均単繊度0.
00175デニールであり、また図2のように、ブロッ
ク状集束体となっていないため、シートの表面感、風合
い、タッチ等が天然皮革と比較して不十分なものであっ
た。また、シートをスプレー仕上げしたものは凹凸感が
感じられ不十分なものであった。
ロンと31g/10分のポリエチレンをWPE/WNY
=5/5の割合でチップブレンドし、ノズル孔数24個
の通常の溶融紡糸装置に導入し、紡糸温度270℃、捲
取り速度350m/分で紡糸し、単繊維デニールが10
デニール、ナイロンが島の混合紡糸繊維を得た。この混
合紡糸繊維を延伸、捲縮、カットすることにより、単繊
維3.5デニール、繊維長51mmの混合紡糸繊維の原
綿を得た。得られた混合紡糸繊維の原綿から、目付50
0g/m2、見掛比重0.4の不織布を作製し、15%
のポリウレタン溶液を含浸、湿式凝固、脱DMF後、8
5℃のトルエンにより、海成分のポリエチレンを抽出除
去した。得られたシートは図2に示すように極細繊維が
ブロック状集束体となっておらず、平均単繊度0.00
12デニールであり、シートの表面感、風台い、タッチ
等が天然皮革と比較して不十分なものであった。
ロンと3.2/10分のポリエチレンをWPE/WNY
=5/5の割合でチップブレンドし、ノズル孔数24個
の通常の溶融紡糸装置に導入し、紡糸温度260℃で紡
糸した。曳糸性が悪く、40デニール、伸度90%、ナ
イロンが島の混合繊維を得た。この混合紡糸繊維を延
伸、捲縮、カットすることにより、単繊維25デニー
ル、繊維長51mmの混合紡糸繊維の原綿を得た。得ら
れた混合紡糸繊維の原綿から、目付500g/m2、見
掛比重0.4の不織布を作製し、15%のポリウレタン
溶液を含浸、湿式凝固、脱DMF後、85℃のトルエン
により、海成分のポリエチレンを抽出除去した。得られ
たシートは、極細繊維がブロック状集束体となっていな
いし、平均単繊度0.0031デニールであり、シート
の表面感、風合い、タッチ等が天然皮革と比較して不十
分なものであった。
ンと31g/10分のポリエチレンをWPE/WNY=
5/5の割合でチップブレンドし、ノズル孔数24個の
通常の溶融紡糸装置に導入し、紡糸温度270℃、捲取
り速度350m/分で紡糸し、単繊維デニールが10デ
ニール、ナイロンが島の混合紡糸繊維を得た。この混合
紡糸繊維を延伸、捲縮、カットすることにより、単繊維
3.5デニール、繊維長51mmの混合紡糸繊維の原綿
を得た。得られた混合紡糸繊維の原綿から、目付500
g/m2、見掛比重0.4の不繊布を作製し、15%の
ポリウレタン溶液を含浸、湿式凝固、脱DMF後、85
℃のトルエンにより、海成分のポリエチレンを抽出除去
した。得られたシートは、極細繊維がブロック状集束体
となっておらず、平均単繊度0.016デニールであ
り、かつ繊維束は、ほぼ完全な分繊状態にあり、シート
の表面感、風合い、タッチ等が天然皮革と比較して不十
分なものであった。また、シートをスプレー仕上げした
ものは凹凸感が感じられ不十分なものであった。
表1に示す。また得られたシートの性能について表2に
示す。なお、上記実施例及び比較例において、特に条件
が記載されていないものは、実施例1と全く同一の条件
を採用した。なお表2において、表面感は得られたシー
トの表面折れシワを黙視し、細やかなものを良好、大き
なものを不良と表記した。風合いにおいては手触りの柔
らかいものを柔軟、硬いものを不良と表記した。タッチ
においては得られたシートを#240のサンドペーパー
を用いてバフィングした後、指触し、きめ細かなタッチ
のものを良好、荒いもしくはやや荒いタッチのものを不
良と表記した。スプレー造面においては、得られたシー
トの表面に、天然皮革の仕上げに用いるスプレーを使用
し、目付け20g/m2の皮膜を形成せしめた後、表面
を観察し、毛羽の出ていないもの、さらにまた凹凸感の
ない平滑な銀面が形成されているものを良好とし、毛羽
が出ていたり、凹凸感の感じられるものを不良と表記し
た。
風合い、タッチ等も優れたものであった。さらにこれら
シートの表面をスプレー仕上げすることなく、サンドペ
ーパーで表面を毛羽立てたものは極めて高級感あるスエ
ード調のシートであり、しかも毛羽繊維の脱落等のない
ものであった。超極細繊維の強伸度が優れていることが
原因と判断される。 しかしながら、比較例においては
極細繊維束がブロック状集束体でなく、さらに極細繊維
の平均単繊度が0.0006drより大きいため、得ら
れたシートは表面感、風合い、タッチ等に劣るものであ
った。
06dr以下のナイロンブロック状超極細繊維束とポリ
ウレタンを主体とする弾性樹脂バインダーよりなり、天
然皮革並の表面平滑性、風合い、タッチを有するので、
人工皮革用途に好適に用いることができる。
真。
電子顕微鏡写真。
Claims (4)
- 【請求項1】 極細繊維束とポリウレタンを主体とする
弾性樹脂バインダーよりなる皮革様シート状物におい
て、該極細繊維束がナイロン超極細繊維ブロック状集束
体より形成されていることを特徴とする皮革様シート。 - 【請求項2】 請求項1記載のブロック状集束体を構成
するナイロン超極細繊維の平均太さが0.0006デニ
ール以下である皮革様シート。 - 【請求項3】 ポリエチレンとナイロンとを下記式
(1)〜(3)を満たす条件下で混合紡糸し、得られた
ナイロン超極細繊維ブロック状集束体発生型繊維からポ
リエチレン成分を抽出除去する請求項1に記載のナイロ
ン超極細繊維ブロック状集束体の製造方法。 4≦MFRNY≦70 (1) 0.6≦WPE/WNY≦2 (2) 0.8≦MFRPE/MFRNY≦1.2 (3) (ただし、上記式中、MFRNYはナイロンのメルトフ
ローレート、WPEはポリエチレンの重量、WNYはナ
イロンの重量、MFRPEはポリエチレンのメルトフロ
ーレートを表す。) - 【請求項4】 請求項3に記載の超極細繊維ブロック状
集束体発生型繊維からなる繊維基材に、下記の方法又
はの方法を行い、皮革様シートを製造する方法。 該基材に、ポリウレタンを主体とする弾性樹脂バイン
ダーを含浸し、該ポリウレタンを凝固させ、さらに該超
極細繊維発生型繊維の海成分であるポリエチレンを該ポ
リウレタン及びナイロンを溶解させない有機溶剤で抽出
除去する方法、 該基材を構成する超極細繊維発生型繊維の海成分であ
るポリエチレンをナイロンを溶解させない有機溶剤で抽
出除去したのちポリウレタンを主体とする弾性樹脂バイ
ンダーを含浸し、該ポリウレタンを凝固させる方法、
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---|---|---|---|
JP22064996A JP3457478B2 (ja) | 1996-08-02 | 1996-08-02 | 皮革様シート |
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JP22064996A JP3457478B2 (ja) | 1996-08-02 | 1996-08-02 | 皮革様シート |
Publications (2)
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JPH1053967A true JPH1053967A (ja) | 1998-02-24 |
JP3457478B2 JP3457478B2 (ja) | 2003-10-20 |
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JP22064996A Expired - Fee Related JP3457478B2 (ja) | 1996-08-02 | 1996-08-02 | 皮革様シート |
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JP (1) | JP3457478B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004256983A (ja) * | 2003-02-05 | 2004-09-16 | Toray Ind Inc | ナノファイバー人工皮革 |
WO2007018165A1 (ja) | 2005-08-10 | 2007-02-15 | Toray Industries, Inc. | スポンジ状構造体および粉末、ならびにそれらの製造方法 |
EP2006051A2 (en) | 2004-04-21 | 2008-12-24 | Toray Industries, Inc. | Abrasive cloth and method for producing nanofiber structure |
CN114575168A (zh) * | 2022-02-17 | 2022-06-03 | 安踏(中国)有限公司 | 一种合成革的制备方法及合成革 |
-
1996
- 1996-08-02 JP JP22064996A patent/JP3457478B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2007018165A1 (ja) | 2005-08-10 | 2007-02-15 | Toray Industries, Inc. | スポンジ状構造体および粉末、ならびにそれらの製造方法 |
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