JPH1053545A - 芳香族カルボン酸、芳香族アルデヒドおよび/または芳香族アルコールの製造法 - Google Patents

芳香族カルボン酸、芳香族アルデヒドおよび/または芳香族アルコールの製造法

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JPH1053545A
JPH1053545A JP12661997A JP12661997A JPH1053545A JP H1053545 A JPH1053545 A JP H1053545A JP 12661997 A JP12661997 A JP 12661997A JP 12661997 A JP12661997 A JP 12661997A JP H1053545 A JPH1053545 A JP H1053545A
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aromatic
carboxylic acid
aldehyde
reaction solution
producing
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JP12661997A
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Shotaro Matsuoka
昌太郎 松岡
Masaaki Suematsu
政明 末松
Satoru Kitamura
哲 北村
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】芳香族カルボン酸、芳香族アルデヒドおよび/
または芳香族アルコールを同時に、かつ、効率良く、製
造する。 【解決手段】芳香族化合物の酸化により得られた反応液
を冷却、晶析させて芳香族カルボン酸を取得し、残留分
を蒸留することにより、目的が達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は芳香族カルボン酸、
芳香族アルデヒドおよび/または芳香族アルコールを同
時に、かつ、効率良く、製造するための方法である。こ
の場合の芳香族カルボン酸、芳香族アルデヒド、芳香族
アルコールは、それぞれ以下の式(II)、式(II
I)、式(IV)で示される化合物である(ここでnは
1、2、3、4、5のいずれかであり、置換基Rはアル
キル、アリール、アラルキル、ハロゲン、ハロアルキ
ル、OR1、SR1、SOR1、SO22、NO2、NR12、C
2OR1、CH(OR1)(OR2)、C(OR1)(OR2)
(OR3)、COR1、COCOR1(R1、R2、R3はそれぞ
れアルキル、アリール、水素から選ばれる)のいずれか
であり、nが2以上の場合、Rは同一、あるいは、異な
っていてもよい)。ここで、R、R1、R2、R3は炭素数
1〜18であることが好ましい。
【0002】
【化2】
【化3】
【化4】 芳香族カルボン酸、芳香族アルデヒド、芳香族アルコー
ルは、いずれも医農薬、ポリマーなどの原料として工業
的に重要視されている。
【0003】
【従来の技術】クロロトルエン、ニトロトルエンのよう
なメチル基を有する芳香族化合物から空気酸化などの酸
化により芳香族カルボン酸が生成する反応は、既によく
知られた技術である。また、その際に、芳香族アルデヒ
ド、芳香族アルコールなどの工業的に重要な化合物が副
生することも既に知られている。そして、芳香族カルボ
ン酸は、得られた反応液から蒸留、酸析、もしくは、晶
析することにより、また、芳香族アルデヒド、芳香族ア
ルコールも、反応液をそのまま蒸留するか、もしくは、
反応液から有効成分を抽出液などで抽出し、それを精留
するなどして得られることも知られている(特公昭48
−23430号公報、特開昭53−82734、特開昭
54−79244号公報、特公昭62−2576号公
報、特公昭62−30974号公報、特公昭62−30
975号公報、特開平2−73038号公報、特公平4
−3370号公報、特公平7−116096号公報、国
際公開95−20560号公報など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の化合物を含む反応液から全ての化合物を同時に効率よ
く単離する試みは、十分になされているとは言えない。
すなわち、芳香族カルボン酸を取得しようとする際に
は、芳香族アルデヒド、芳香族アルコールを含む、芳香
族カルボン酸以外の全ての化合物が不純物となるため、
芳香族カルボン酸の精製操作を行うことで、芳香族アル
デヒド、もしくは、芳香族アルコールが反応、分解する
ために、その後の芳香族アルデヒド、もしくは、芳香族
アルコールの精製の際に収率、純度などに対して悪影響
を及ぼす可能性がある。芳香族アルデヒド、芳香族アル
コールを取得する場合についても同様である。よって、
単純な単位操作の組み合わせで、これら三種の化合物が
同時に効率よく取得できるとは言い難い。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
芳香族カルボン酸、芳香族アルデヒド、芳香族アルコー
ルを同時に収率よく得る方法を開発することを目的とし
て鋭意検討した結果、式(I)で示されるような芳香族
化合物の酸化により得られた反応液から酸析、晶析など
の操作で芳香族カルボン酸を取得し、濾液から蒸留など
の操作により、芳香族アルデヒドおよび/または芳香族
アルコールを同時に効率よく取得できることを見出し、
本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、 (1)下式(I)
【化5】 (ここでnは1、2、3、4、5のいずれかであり、置
換基Rはアルキル、アリール、アラルキル、ハロゲン、
ハロアルキル、OR1、SR1、SOR1、SO22、NO2
NR1R2、CH2OR1、CH(OR1)(OR2)、C(OR
1)(OR2)(OR3)、COR1、COCOR1(R1、R2、R
3はそれぞれアルキル、アリール、水素から選ばれる)
のいずれかであり、nが2以上の場合、Rは同一、ある
いは、異なっていてもよい)で示される芳香族化合物を
酸化して得られた反応液より芳香族カルボン酸を分離
し、残りの反応液から芳香族アルデヒドおよび/または
芳香族アルコールを取得することを特徴とする芳香族カ
ルボン酸、芳香族アルデヒドおよび/または芳香族アル
コールの製造法。
【0007】(2)芳香族カルボン酸の分離を晶析によ
り行うことを特徴とする(1)記載の芳香族カルボン
酸、芳香族アルデヒドおよび/または芳香族アルコール
の製造法。
【0008】(3)芳香族カルボン酸の分離を酸析によ
り行うことを特徴とする(1)記載の芳香族カルボン
酸、芳香族アルデヒドおよび/または芳香族アルコール
の製造法。
【0009】(4)芳香族アルデヒドおよび芳香族アル
コールを蒸留により分離することを特徴とする(1)〜
(3)のいずれかに記載の芳香族カルボン酸、芳香族ア
ルデヒドおよび/または芳香族アルコールの製造法。
【0010】(5)前記式(I)のRがアルキル、アリ
ール、アラルキルのいずれかであることを特徴とする
(1)〜(4)のいずれかに記載の芳香族カルボン酸、
芳香族アルデヒドおよび/または芳香族アルコールの製
造法。
【0011】(6)芳香族化合物がキシレンであること
を特徴とする(5)記載の芳香族カルボン酸、芳香族ア
ルデヒドおよび/または芳香族アルコールの製造法。
【0012】(7)芳香族カルボン酸を分離する前に反
応液の水層部分を分離、除去することを特徴とする
(1)〜(6)のいずれかに記載の芳香族カルボン酸、
芳香族アルデヒド、および/または、芳香族アルコール
の製造法。
【0013】(8)前記の水層部分を酸化反応にリサイ
クル使用することを特徴とする(7)記載の芳香族カル
ボン酸、芳香族アルデヒドおよび/または芳香族アルコ
ールの製造法。
【0014】(9)反応液の冷却、晶析の前に、反応液
を塩基と接触させ、次いで、生じた塩を分離することを
特徴とする(2)記載の芳香族カルボン酸、芳香族アル
デヒドおよび/または芳香族アルコールの製造法。
【0015】(10)(9)に記載した塩基と接触させ
た反応液を水と接触させることを特徴とする(9)記載
の芳香族カルボン酸、芳香族アルデヒド、および/また
は、芳香族アルコールの製造法。
【0016】(11)残りの反応液から芳香族アルデヒ
ドおよび/または芳香族アルコールを取得する際に、残
りの反応液に含有される芳香族カルボン酸などの酸成分
を除去した後に蒸留を行うことを特徴とする(4)〜
(10)のいずれかに記載の芳香族カルボン酸、芳香族
アルデヒドおよび/または芳香族アルコールの製造法。
【0017】(12)残りの反応液から芳香族アルデヒ
ドおよび/または芳香族アルコールを取得した後の残渣
を酸化反応にリサイクル使用することを特徴とする
(1)〜(11)のいずれかに記載の芳香族カルボン
酸、芳香族アルデヒドおよび/または芳香族アルコール
の製造法、である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明を具体的に説明す
る。
【0019】本発明では、芳香族化合物を酸化すること
により、芳香族カルボン酸、芳香族アルデヒドおよび/
または芳香族アルコールを含む反応液を得る。
【0020】本発明で使用される芳香族化合物として
は、前記式(I)で示された化合物ならばいずれでもよ
いが、好ましくは、R、R1、R2、R3の炭素数が1〜
18の化合物であり、具体例として、キシレン、エチル
トルエン、クメン、ブチルトルエン、トリメチルベンゼ
ン、テトラメチルベンゼン、クロロトルエン、ブロモト
ルエン、ヨードトルエン、アニソール、フェノキシトル
エン、ニトロトルエンなどが挙げられ、好ましくは、キ
シレンが挙げられる。
【0021】本発明で用いられる酸化としては、コバル
ト、マンガンなどの遷移金属触媒による分子状酸素含有
ガスを用いた液相、ないしは、気相酸化、もしくは、過
マンガン酸、クロム酸、過酸化水素、硝酸などの酸化剤
による液相、ないしは、気相酸化などが挙げられるが、
好ましくは、液相で分子状酸素含有ガスを用いた酸化で
ある。
【0022】上記の手法により得られた反応液は、冷却
し、場合によりさらに濃縮を行い、晶析することによ
り、芳香族カルボン酸と芳香族アルデヒドおよび/また
は芳香族アルコールを含む残留分とに分けられる。その
際に、得られた粗芳香族カルボン酸を再結晶などするこ
とにより、さらに精製された芳香族カルボン酸を得るこ
とが可能である。また、場合によっては、反応液を塩基
で処理し、生じた塩を、すなわち、芳香族カルボン酸、
芳香族アルデヒド、芳香族アルコールの不純物となりう
る化合物を分離した後に冷却、晶析することによりさら
に精製された芳香族カルボン酸を得ることができる。
【0023】反応液を処理する塩基としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウムなどの水溶液、また、ピリ
ジン、ピコリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、トリブチルアミンのような有機塩基化合物の水溶液
などが挙げられる。これらの塩基は、単一で用いても混
合して用いてもかまわない。また、処理温度は、芳香族
カルボン酸が反応液に溶解している状態の温度ならば特
に制約はないが、作業性、また、副反応の起こる可能性
などから考えれば、できる限り低温で、すなわち、60
〜120℃で行うことが好ましい。また処理時間も、単
純な中和反応であるため特別な制限はないが、副反応の
起こる可能性などから考えれば、いたずらに長い時間を
かける必要はなく、5分〜60分もあれば十分である。
さらに、塩基の量は、不純物量に対し1.0〜10.0
モル倍量、好ましくは、3.0〜7.0モル倍量使用
し、それを溶かす水の量も特に制限はないが、有効成分
のロスなど考慮すれば、反応液に対し0.05〜0.3
重量倍使用すれば、不純物の除去を十分に行うことがで
きる。無論、有効成分のロスとの兼ね合いだが、不純物
の除去という観点から見れば、同じ操作を繰り返し行っ
てもかまわない。
【0024】さらに、場合によっては、塩基処理した後
の反応液に残存する塩基分を除去するため、水洗を行っ
てもよい。その際の処理温度は芳香族カルボン酸が反応
液に溶解している状態の温度ならば特に制約はないが、
作業性、また、副反応の起こる可能性などから考えれ
ば、できる限り低温で、すなわち、60〜120℃で行
うことが好ましい。また、処理時間も、単純な塩基分の
除去であるため特別な制限はないが、副反応の起こる可
能性などから考えれば、いたずらに長い時間をかける必
要はなく、5分〜60分もあれば十分である。さらに、
使用する水の量も特に制限はないが、有効成分のロスな
ど考慮すれば、反応液に対し0.05〜0.3重量倍使
用すれば、残存する塩基分の除去を十分に行うことがで
きる。無論、有効成分のロスとの兼ね合いだが、塩基分
の除去という観点から見れば、同じ操作を繰り返し行っ
てもかまわない。
【0025】また、場合によっては、冷却、晶析を行う
前に、酸化反応により副生する水に由来する水層部分、
すなわち、副生水に溶解する不純物を事前に除去するこ
とが好ましい。その際に、外部より水を加え攪拌した
後、水層部分を除去すれば、より確実に不純物が除去で
きる点で、さらに好ましい。その上に、上記の操作によ
り得られた水層部分は、触媒成分が主成分であることも
あるため、場合によっては、元の酸化反応にリサイクル
使用することも可能である。
【0026】一方、晶析後の濾液を蒸留することにより
芳香族アルデヒドおよび芳香族アルコールが取得でき
る。その際に、含まれる芳香族カルボン酸などの酸成分
を除去した後に得られた液を蒸留することにより、さら
に効率よく芳香族アルデヒドと芳香族アルコールを取得
することができる。
【0027】濾液から芳香族カルボン酸などの酸成分を
除去する手法としては、酸成分に揮発性があり蒸留濃縮
工程で留去可能なものならば、それにより大半は除去可
能だが、酸成分の濃縮除去が困難な場合には、濃縮、晶
析を繰り返し酸成分を除去する方法や、必要量の塩基に
より酸成分を中和除去する方法、また、イオン交換樹脂
などで吸着除去する方法などが挙げられる。すなわち、
酸成分の性質により種々の方法が考えられるが、操作性
が簡便で、揮発性の有無に関わらず、また、微量の酸成
分が除去できる点で好ましいのは、必要量の塩基により
酸成分を中和除去する方法である。
【0028】その際、用いられる塩基としては、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの水溶液、また、ピ
リジン、ピコリン、トリエチルアミン、トリプロピルア
ミン、トリブチルアミンのような有機塩基化合物の水溶
液などが挙げられる。これらの塩基は、単一で用いても
混合して用いてもかまわない。また、処理温度は、残留
分が液状を保ち、かつ、中和反応が進行する温度なら
ば、特に制約はないが、作業性、また、副反応の起こる
可能性などから考えれば、できる限り低温で、すなわ
ち、60〜120℃で行うことが好ましい。また、処理
時間も、単純な中和反応であるため特別な制限はない
が、副反応の起こる可能性などから考えれば、いたずら
に長い時間をかける必要はなく、30分〜120分もあ
れば十分である。さらに、塩基の量は、酸成分の量に対
し1.0〜10.0モル倍量、好ましくは、1.0〜
3.0モル倍量使用すれば、酸成分の除去を十分に行う
ことができる。
【0029】さらに、上記の蒸留操作により得られた残
渣は、場合によっては、元の酸化反応にリサイクル使用
することも可能である。また、上記の塩基処理後の、酸
成分を含む溶液より酸析などの操作により、有効な芳香
族カルボン酸を単離することも可能である。
【0030】以上詳述した本発明方法により、芳香族カ
ルボン酸、芳香族アルデヒド、および/または、芳香族
アルコールを同時に、かつ、効率良く、製造することが
可能になった。
【0031】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。
【0032】
【実施例】
(参考例)還流冷却器と回転羽根撹拌機を備えたチタン
製耐圧反応器に、p−キシレン(キシダ化学、特級)5
00g、塩化コバルト6水塩(片山化学、特級)0.2
3g、ピリジン(キシダ化学、特級)0.54g、臭化
水素酸1.18gを仕込み、反応圧力1.4MPa、反
応温度170℃で、排ガス中の酸素濃度が3%以下、排
ガス流量が0.6Nl/minになるような流速で空気
と4時間接触させた。そして、冷却後、543.0gの
反応液を得た。それを高速液体クロマトグラフィーで分
析したところ、以下の通りの組成を示した。
【0033】 p−キシレン 59.8% p−トルイル酸 16.5% p−トルアルデヒド 5.4% p−メチルベンジルアルコール 4.6% テレフタル酸 0.15% p−カルボキシベンズアルデヒド 0.28% p−ヒドロキシメチル安息香酸 0.51% p−メチルベンジルトルエート 2.8% その他 7.6% この組成の反応液で、以下の実施例で示すp−トルイル
酸の晶析およびp−トルアルデヒド、p−メチルベンジ
ルアルコールの蒸留検討を行った。
【0034】実施例1 参考例と同様の条件で取得した反応液524.0gを、
アルカリ水溶液などの注入ができる液導入管、下層より
液の抜出しが可能なサンプリング管および回転羽根撹拌
機を備えたガラス製耐圧反応器に仕込み、窒素で0.2
MPaゲージに昇圧後、130℃まで昇温した(圧力は
約0.4MPaゲージ)。そして、15分静置後、下層
に残る水層4.0gをサンプリング管より抜出した。そ
の後、4.9%水酸化ナトリウム水溶液71.9g(反
応液に対し0.14重量倍;水酸化ナトリウムについ
て、テレフタル酸とp−カルボキシベンズアルデヒドの
合計量に対し4.8モル倍)加え、110℃(圧力は約
0.3MPaゲージ)で45分間攪拌し、同様に15分
静置後、水層部分76.4gを抜出した。さらに、イオ
ン交換水74.3g(反応液に対し0.14重量倍)を
注入し、同様に110℃(圧力は約0.3MPaゲー
ジ)で30分攪拌、15分静置後、水層部分82.6g
を抜出した。以上の操作の後、反応液を約30℃まで冷
却させ、そのまま吸引濾過し、ケーク69.6gと濾液
418.6gを得た。ケークについては、p−キシレン
102.2g(ケークに対し1.5重量倍)を加え、4
0℃で30分攪拌後、吸引濾過、乾燥を行い、p−トル
イル酸の白色結晶52.4g(スタート時の反応液中の
p−トルイル酸に対する単離収率で63.4%)を得
た。取得したp−トルイル酸の純度は98.8%、46
0nmにおける光透過率は96.1%であった。
【0035】一方、反応濾液を高速液体クロマトグラフ
ィーで分析したところ、以下の通りの組成を示した。
【0036】 p−キシレン 70.2% p−トルイル酸 3.8% p−トルアルデヒド 6.6% p−メチルベンジルアルコール 4.8% テレフタル酸 <0.1% p−カルボキシベンズアルデヒド <0.1% p−ヒドロキシメチル安息香酸 <0.1% p−メチルベンジルトルエート 3.7% その他 10.8% 実施例2〜3 水酸化ナトリウム水溶液の濃度を変えた以外は実施例1
と同様に検討した。晶析したp−トルイル酸について得
られた結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】実施例4 実施例1と同様の条件で取得した反応濾液2100gに
水酸化ナトリウム水溶液239.0g(水酸化ナトリウ
ムについて、含まれるp−トルイル酸に対して、1.4
5モル倍量)を加え、90℃で2時間攪拌し、15分静
置後、有機層1937.5gと水層372.0gとに分
液した。そして、この有機層から蒸留を行い、p−トル
アルデヒド54.2gとp−メチルベンジルアルコール
24.0gを得た。そして、ガスクロマトグラフィーで
それぞれ分析した結果、p−トルアルデヒドの純度は9
9.4%、p−メチルベンジルアルコールは98.9%
であった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、芳香族カルボン酸、芳
香族アルデヒドおよび/または芳香族アルコールを同時
に、かつ、効率良く、製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 43/178 7419−4H C07C 43/178 A 43/23 7419−4H 43/23 A 43/305 7419−4H 43/305 43/32 7419−4H 43/32 45/36 8114−4H 45/36 45/61 8114−4H 45/61 45/78 8114−4H 45/78 47/52 8114−4H 47/52 49/86 8114−4H 49/86 51/265 2115−4H 51/265 51/43 2115−4H 51/43 63/04 2115−4H 63/04

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式(I) 【化1】 (ここでnは1、2、3、4、5のいずれかであり、置
    換基Rはアルキル、アリール、アラルキル、ハロゲン、
    ハロアルキル、OR1、SR1、SOR1、SO22、NO2
    NR1R2、CH2OR1、CH(OR1)(OR2)、C(OR
    1)(OR2)(OR3)、COR1、COCOR1(R1、R2、R
    3はそれぞれアルキル、アリール、水素から選ばれる)
    のいずれかであり、nが2以上の場合、Rは同一、ある
    いは、異なっていてもよい)で示される芳香族化合物を
    酸化して得られた反応液より芳香族カルボン酸を分離
    し、残りの反応液から芳香族アルデヒドおよび/または
    芳香族アルコールを取得することを特徴とする芳香族カ
    ルボン酸、芳香族アルデヒドおよび/または芳香族アル
    コールの製造法。
  2. 【請求項2】芳香族カルボン酸の分離を晶析により行う
    ことを特徴とする請求項1記載の芳香族カルボン酸、芳
    香族アルデヒドおよび/または芳香族アルコールの製造
    法。
  3. 【請求項3】芳香族カルボン酸の分離を酸析により行う
    ことを特徴とする請求項1記載の芳香族カルボン酸、芳
    香族アルデヒドおよび/または芳香族アルコールの製造
    法。
  4. 【請求項4】芳香族アルデヒドおよび芳香族アルコール
    を蒸留により分離することを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項記載の芳香族カルボン酸、芳香族アルデヒ
    ドおよび/または芳香族アルコールの製造法。
  5. 【請求項5】前記式(I)のRがアルキル、アリール、
    アラルキルのいずれかであることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1項記載の芳香族カルボン酸、芳香族ア
    ルデヒドおよび/または芳香族アルコールの製造法。
  6. 【請求項6】芳香族化合物がキシレンであることを特徴
    とする請求項5記載の芳香族カルボン酸、芳香族アルデ
    ヒドおよび/または芳香族アルコールの製造法。
  7. 【請求項7】芳香族カルボン酸を分離する前に反応液の
    水層部分を分離、除去することを特徴とする請求項1〜
    6のいずれか1項記載の芳香族カルボン酸、芳香族アル
    デヒド、および/または、芳香族アルコールの製造法。
  8. 【請求項8】前記の水層部分を酸化反応にリサイクル使
    用することを特徴とする請求項7記載の芳香族カルボン
    酸、芳香族アルデヒドおよび/または芳香族アルコール
    の製造法。
  9. 【請求項9】反応液の冷却、晶析の前に、反応液を塩基
    と接触させ、次いで、生じた塩を分離することを特徴と
    する請求項2記載の芳香族カルボン酸、芳香族アルデヒ
    ドおよび/または芳香族アルコールの製造法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載した塩基と接触させた反
    応液を水と接触させることを特徴とする請求項9記載の
    芳香族カルボン酸、芳香族アルデヒド、および/また
    は、芳香族アルコールの製造法。
  11. 【請求項11】残りの反応液から芳香族アルデヒドおよ
    び/または芳香族アルコールを取得する際に、残りの反
    応液に含有される芳香族カルボン酸などの酸成分を除去
    した後に蒸留を行うことを特徴とする請求項4〜10の
    いずれか1項記載の芳香族カルボン酸、芳香族アルデヒ
    ドおよび/または芳香族アルコールの製造法。
  12. 【請求項12】残りの反応液から芳香族アルデヒドおよ
    び/または芳香族アルコールを取得した後の残渣を酸化
    反応にリサイクル使用することを特徴とする請求項1〜
    11のいずれか1項記載の芳香族カルボン酸、芳香族ア
    ルデヒドおよび/または芳香族アルコールの製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004506705A (ja) * 2000-08-18 2004-03-04 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 選択的酸化用金触媒

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