JP2005281194A - 芳香族アルコールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】芳香族アルコールを効率良く製造する。
【解決手段】下式(I)
【化1】
Figure 2005281194

(ここでnは1、2、3、4、5のいずれかであり、置換基Rはアルキル、アリール、アラルキル、ハロゲン、ハロアルキル、OR1、SR1、SOR1、SO22、NO2、NR12、CH2OR1、CH(OR1)(OR2)、C(OR1)(OR2)(OR3)、COR1、COCOR1(R1、R2、R3はそれぞれアルキル、アリール、水素から選ばれる)のいずれかであり、nが2以上の場合、Rは同一、あるいは異なってもよい)で示される芳香族化合物を酸化して得られた反応液から芳香族カルボン酸を分離し、残りの反応液から芳香族アルコールを製造する方法において、中和除去後の塩基含有廃液を非水溶性有機溶媒で抽出して芳香族アルコールを回収する。
【選択図】なし

Description

本発明は芳香族アルコールを効率よく製造するための方法である。この場合の芳香族アルコールは下式(I)、
Figure 2005281194
(ここでnは1、2、3、4、5のいずれかであり、置換基Rはアルキル、アリール、アラルキル、ハロゲン、ハロアルキル、OR1、SR1、SOR1、SO22、NO2、NR12、CH2OR1、CH(OR1)(OR2)、C(OR1)(OR2)(OR3)、COR1、COCOR1(R1、R2、R3はそれぞれアルキル、アリール、水素から選ばれる)のいずれかであり、nが2以上の場合、Rは同一、あるいは異なってもよい)を酸化して得られるものである。ここで、R、R1、R2、R3は好ましくは、炭素数1〜18である。
芳香族アルコールは医農薬、ポリマーなどの原料として工業的に重要視されている。
クロロトルエン、ニトロトルエンのようなメチル基を有する芳香族化合物から空気酸化などの酸化により芳香族カルボン酸が生成する反応は、既によく知られた技術である。また、その際に、芳香族アルデヒド、芳香族アルコールなどの工業的に重要な化合物が副生することも既に知られている。そして、芳香族カルボン酸は、得られた反応液から蒸留、酸析、もしくは晶析することにより、また、芳香族アルデヒド、芳香族アルコールも、反応液をそのまま蒸留するか、もしくは、反応液から有効成分を抽出液などで抽出し、それを精留するなどして得られることも知られている(特許文献1から4など)。
しかしながら、これらの化合物を含む反応液から全ての化合物を同時に効率よく単離する試みは、十分になされているとは言えない。すなわち、芳香族カルボン酸を取得しようとする際には、芳香族アルデヒド、芳香族アルコールを含む、芳香族カルボン酸以外の全ての化合物が不純物となるため、芳香族カルボン酸の精製操作を行うことで、芳香族アルデヒド、もしくは、芳香族アルコールが反応、分解するために、その後の芳香族アルデヒド、もしくは、芳香族アルコールの精製の際に収率、純度などに対して悪影響を及ぼす可能性がある。芳香族アルデヒド、芳香族アルコールを取得する場合についても同様である。そこで、式(I)で示されるような芳香族化合物の酸化により得られた反応液から酸析、晶析などの操作で芳香族カルボン酸を取得し、濾液から蒸留などの操作により、芳香族アルデヒド及び芳香族アルコールを同時に取得する方法が見いだされている(特許文献5)。
特開平2−73038号公報 特公平4−3370号公報 特公平7−116096号公報 国際公開95−20560号公報 特開平10−53545号公報
しかしながら、反応液から芳香族カルボン酸を分離し、残りの反応液から塩基により芳香族カルボン酸を中和除去した後の廃液である水相側塩基廃液に有効成分である芳香族アルコールが多く含有しているために収量が減少する。そのため単純に反応液を酸析、晶析し、ろ液を蒸留するするだけでは、芳香族アルコールを製品として効率よく取得できない。
そこで、本発明者は、芳香族アルコールの収率向上する方法の開発を目的として鋭意検討した結果、反応液中に存在する有効成分である芳香族アルコールを塩基にて抽出する際に発生する水相側である塩基廃液中の芳香族アルコールを前記式(I)で示される化合物

または非水溶性有機溶媒を抽出剤として添加し有機溶媒相へ芳香族アルコールを効率よく回収することが出きることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は芳香族アルコールを効率よく取得するための方法を提供することにあり、
(1)下式(I)
Figure 2005281194
(ここでnは1、2、3、4、5のいずれかであり、置換基Rはアルキル、アリール、アラルキル、ハロゲン、ハロアルキル、OR1、SR1、SOR1、SO22、NO2、NR12、CH2OR1、CH(OR1)(OR2)、C(OR1)(OR2)(OR3)、COR1、COCOR1(R1、R2、R3はそれぞれアルキル、アリール、水素から選ばれる)のいずれかであり、nが2以上の場合、Rは同一、あるいは異なってもよい)ここで、R、R1、R2、R3は好ましくは、炭素数1〜18であるもの)で示される芳香族化合物を酸化して得られた反応液より芳香族カルボン酸を分離し、残りの反応液から塩基により芳香族カルボン酸を中和除去した後に蒸留を行い芳香族アルコールを製造する方法において中和除去後の塩基含有廃液を非水溶性有機溶媒で抽出して芳香族アルコールを回収することを特徴とする芳香族アルコールの製造方法。
(2)前記式(I)のRが炭素数1〜18のアルキル、アリール、アラルキルのいずれかであることを特徴とする(1)記載の芳香族アルコールの製造方法。
(3)非水溶性有機溶媒が化式(I)
Figure 2005281194
(ここでnは1、2、3、4、5のいずれかであり、置換基Rはアルキル、アリール、アラルキル、ハロゲン、ハロアルキル、OR1、SR1、SOR1、SO22、NO2、NR12、CH2OR1、CH(OR1)(OR2)、C(OR1)(OR2)(OR3)、COR1、COCOR1(R1、R2、R3はそれぞれアルキル、アリール、水素から選ばれる)のいずれかであり、nが2以上の場合、Rは同一、あるいは異なってもよい)で示される芳香族有機溶媒であることを特徴とする(1)または(2)記載の芳香族アルコールの製造方法。
(4)非水溶性有機溶媒を原料または抽出剤として再利用することを特徴とする(3)記載の芳香族アルコールの製造方法。
(5)非水溶性有機溶媒がベンゼン、トルエン、キシレンのいずれかであることを特徴とする(1)または(2)記載の芳香族アルコールの製造方法。
(6)塩基が水酸化ナトリウムであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか記載の芳香族アルコールの製造方法。
本発明によれば、芳香族アルコールを効率よく、製造することができる。
以下に本発明を具体的に説明する。
本発明では、芳香族化合物の酸化により得られた反応液より芳香族カルボン酸を分離し、残りの反応液から塩基により芳香族カルボン酸を中和除去した後に蒸留を行い芳香族アルコールを製造する方法において、中和除去後の塩基含有廃液を非水溶性有機溶媒で抽出する。
原料である芳香族化合物としては、前記式(I)で示される化合物ならばいずれでも良いが、R1、R2、R3が好ましくは炭素数1〜18の化合物であり、好ましくはRはアルキル、アリール、アラルキルであり、さらに好ましくは、炭素数1〜6のアルキル、特に好ましくはメチル基である。具体例としては、キシレン、エチルトルエン、クメン、ブチルトルエン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、クロロトルエン、ブロムトルエン、ヨードトルエン、アニソール、フェノキシトルエン、ニトロトルエンなどがあげられる。さらに好ましくはパラキシレンである。
本発明で用いられる酸化としては、コバルト、マンガンなどの遷移金属触媒による分子状酸素含有ガスを用いた液相ないしは、気相酸化、もしくは、過マンガン酸、クロム酸、過酸化水素、硝酸などの酸化剤による液相、ないし、気相酸化などが挙げられるが、好ましくは、液相で分子状酸素含有ガスを用いた酸化である。
上記の手法により得られた反応液は、冷却し場合によりさらに、濃縮を行い、晶析することにより、芳香族カルボン酸と芳香族アルデヒドおよび/または芳香族アルコールを含む残留分とに分けられる。その際に、得られた粗芳香族カルボン酸を再晶析などすることにより、さらに精製された芳香族カルボン酸を得ることが可能である。また、場合によっては、反応液を塩基で処理し、生じた塩を、すなわち、芳香族カルボン酸、芳香族アルデヒド、芳香族アルコールの不純物となりうる化合物を分離した後に冷却、晶析することによりさらに精製された芳香族カルボン酸を得ることができる。
反応液を処理する塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの水溶液、また、ピリジン、ピコリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンのような有機塩基化合物の水溶液などが挙げられる。これらの塩基は、単一で用いても混合して用いてもかまわない。また、処理温度は、芳香族カルボン酸が反応液に溶解している状態の温度ならば特に制約はないが、作業性、また、副反応の起こる可能性などから考えれば、できる限り低温で、すなわち、60〜120℃で行うことが好ましい。また処理時間も、単純な中和反応であるため特別な制限はないが、副反応の起こる可能性などから考えれば、いたずらに長い時間をかける必要はなく、5分〜60分もあれば十分である。さらに、塩基の量は、不純物量に対し1.0〜10.0モル倍量、好ましくは、3.0〜7.0モル倍量使用し、それを溶かす水の量も特に制約はないが、有効成分のロスなど考慮すれば、反応液に対し0.05〜0.3重量倍使用すれば、不純物の除去を十分に行うことができる。無論、有効成分のロスとの兼ね合いだが、不純物の除去という観点から見れば、同じ操作を繰り返し行ってもかまわない。
さらに、場合によっては、塩基処理した後の反応液に残存する塩基分を除去するため、水洗を行ってもよい。その際の処理温度は芳香族カルボン酸が反応液に溶解している状態の温度ならば特に制約はないが、作業性、また、副反応の起こる可能性などから考えれば、できる限り低温で、すなわち、60〜120℃で行うことが好ましい。また、処理時間も、単純な塩基分の除去であるため特別な制約はないが、副反応の起こる可能性などから考えれば、いたずらに長い時間をかける必要はなく、5分〜60分もあれば十分である。さらに、使用する水の量も特に制限はないが、有効成分のロスなどを考慮すれば、反応液に対し0.05〜0.3重量倍使用すれば、残存する塩基分の除去を十分に行うことができる。無論、有効成分のロスとの兼ね合いだが、塩基分の除去という観点から見れば、同じ操作を繰り返し行ってもかまわない。
また、場合によっては、冷却、晶析を行う前に、酸化反応により副生する水に由来する水層部分、すなわち、副生水に溶解する不純物を事前に除去することが好ましい。その際に、外部より水を加え撹拌した後、水層部分を除去すれば、より確実に不純物が除去できる点で、さらに好ましい。その上に、上記の操作により得られた水層部分は、触媒成分が主成分であることもあるため、場合によっては、元の酸化反応にリサイクル使用することも可能である。
一方、晶析後の濾液を蒸留することにより芳香族アルデヒドおよび芳香族アルコールが取得できる。その際に、含まれる芳香族カルボン酸などの酸成分を除去した後に得られた液を蒸留することにより、さらに効率よく芳香族アルデヒドと芳香族アルコールを取得することができる。
濾液から芳香族カルボン酸などの酸成分を除去する手法としては、必要量の塩基により酸成分を中和除去する方法が挙げられる。
その際、用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの水溶液、また、ピリジン、ピコリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンのような有機塩基化合物の水溶液などが挙げられる。これらの塩基は、単一で用いても混合して用いてもかまわない。また、処理温度は、残留分が液状を保ち、かつ、中和反応が進行する温度ならば、特に制約はないが、作業性、また、副反応の起こる可能性などから考えれば、できる限り低温で、すなわち、60〜120℃で行うことが好ましい。また、処理時間も、単純な中和反応であるため特別な制限はないが、副反応の起こる可能性などから考えれば、いたずらに長い時間をかける必要はなく、30分〜120分もあれば十分である。さらに、塩基の量は、酸成分の量に対し1.0〜10.0モル倍量、好ましくは、1.0〜3.0モル倍量使用すれば、酸成分の除去を十分に行うことができる。
さらに、上記の蒸留操作により得られた残渣は、場合によっては、元の酸化反応にリサイクル使用することも可能である。また、上記の塩基処理後の酸成分を含む溶液より酸析などの操作により、有効な芳香族カルボン酸を単離することも可能である。
本発明は、反応液から芳香族カルボン酸を分離した後の反応液から塩基により芳香族カルボン酸を中和除去した塩基含有廃液から非水溶性有機溶媒で芳香族アルコールを抽出して回収することが重要である。ここで、抽出剤とする非水溶性有機溶媒としては、前記一般式(I)で表される芳香族化合物が好ましく使用できる。ここで、前記一般式(I)で表される芳香族化合物として、原料である芳香族化合物と同一のものを使用すれば、抽出剤を原料として再使用することができる。また、抽出剤を繰り返し使用することもできる。また、非水溶性有機溶媒としては、前記一般式(I)で表されるものの他、ベンゼン、トルエンも好ましく使用することができる。もっとも好ましい溶媒はキシレンである。
本発明で塩基含有廃液から芳香族アルコールを抽出する剤に、抽出剤である非水溶性有機溶媒の好ましい使用量は、塩基含有廃液に対して1〜10重量倍が好ましく、さらには1〜5重量倍が好ましい。この範囲とすることで芳香族アルコールを効率よく回収することができる。
抽出時間は、30〜60分が好ましく、抽出温度は常温〜90℃で行うのが好ましい。さらに、40〜90℃が好ましい。抽出する際は、通常の装置を用い、攪拌するのが好ましい。抽出により、非水溶性有機化合物側に抽出された芳香族アルコールは、通常の蒸留操作により芳香族アルコールを分離、回収し、製品化することができる。ここで、分離された非水溶性有機溶媒は、抽出剤として再使用が可能であり、原料と同一の芳香族化合物を用いる場合は、原料として再使用することができる。
抽出剤への芳香族アルコールの溶解度は一定であるため塩基廃液に対する抽出剤を加える量はタンク許容量に合わせることにより、抽出剤が増えれば芳香族アルコールの回収量は増加する。
用いる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの水溶液があげられる。入手の容易さ、作業性、また、塩基の製品への混入の問題などから考えれば、塩基として水酸化ナトリウムを水溶液として用いるのがよい。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって何ら制限されるものではない。
参考例
還流冷却器と回転羽根撹拌器を備えた1Lのチタン製オートクレーブにp−キシレン(キシダ化学、特級)500g、塩化コバルト6水和物(片山化学、特級)0.23g、ピリジン(キシダ化学、特級)0.54g、臭化水素酸(47%HBr含有、片山化学、特級)1.18gを仕込み、反応圧力1.4MPa、反応温度170℃で排ガス中の酸素濃度が3%以下、排ガス流量が0.6Nl/minになるような流速で吹き込んだ空気を6時間接触させた。
高速液体クロマトグラフィーの分析条件については以下の通りの条件で行った。
液体クロマトグラフィー:LC−10A(島津製)
データ処理装置 :C−R6A(島津製)
カラムの種類 :CAPCELL PAC C18
4.6φ ×25cm
TYPE=UG120Å 5μm(資生堂)
LC−10Aの条件
移動相A :1%酢酸
移動相B :アセトニトリル
流量 :1.0ml/min
B.CONC :25.0%
B.CURV :2
カラム温度 :45℃
波長 :254nm
感度 :10mV×0.5AUFS
グラジェンド条件 :60分でB.CONCを75%
データ処理装置の条件
WIDTH :10
SLOP :S.TESTにて決定
DRIFT :40
MIN.AREA :200
T.DBL :0
STOP.TIME :60
ATTEN :3
SPEED :3
分析ではこの酸化反応でのp−キシレンの転化率は46.8%、p−トルイル酸の選択率は46.1%、p−トルアルデヒドの選択率は12.3%、p−メチルベンジルアルコールの選択率は8.9%であった。
この反応液を冷却しデカンターによりp−トルイル酸と反応ろ液に分離し、この反応ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、以下の通りの組成を示した。
p−キシレン 68.3%
p−トルイル酸 4.7%
p−トルアルデヒド 4.7%
p−メチルベンジルアルコール 4.4%
テレフタル酸 <0.1%
p−カルボキシベンズアルデヒド <0.1%
p−ヒドロキシメチル安息香酸 <0.1%
pp’−ジメチルベンジルベンゾエート 5.3%
その他 10.6%
その反応ろ液2,100gに水酸化ナトリウム水溶液517.0g(水酸化ナトリウムについて、含まれるp−トルイル酸に対し、2.5モル倍量)を加え、90℃で8時間撹拌し、15分静置後、有機相1,748.9gと塩基廃液818.6gとに分液した。そして、この有機相から蒸留を行い、p−トルアルデヒド82.8gとp−メチルベンジルアルコール107.3gを得た。そして、ガスクロマトグラフィーでそれぞれ分析した結果、p−トルアルデヒドの純度は99.4%、p−メチルベンジルアルコールは99.7%であった。また、従来技術では、この塩基廃液は外部燃焼設備にて焼却処分していた。
実施例1
参考例と同様の条件で取得した塩基廃液を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、以下の通りの組成を示した。
p−キシレン 4.2%
p−トルイル酸 18.6%
p−トルアルデヒド 0.4%
p−メチルベンジルアルコール 2.4%
pp’−ジメチルベンジルベンゾエート <0.1%
この塩基廃液300gを1Lの三つ口三角フラスコに回転羽根撹拌器を備え付けたものに入れる。この三角フラスコに抽出剤であるp−キシレンを300g添加した。撹拌条件は回転速度を40rpm、撹拌時間を30分、温度は室温で実施した。撹拌終了後1L分液ロートに移液し約15分以上静置し有機相と水相に分離した。この時、有機相にはp−メチルベンジルアルコールが塩基廃液から48%抽出回収することができた。そして、この有機相から蒸留を行いp−メチルベンジルアルコールを3.1g回収し、ガスクロマトグラフィーで分析した結果、純度は99.7%であった。ここで、蒸留して得たp−キシレンは原料として再使用した。
ガスクロマトグラフィーの分析条件は次の通りである。
ガスクロマトグラフィー:GC−14B(島津製)
データ処理装置 :C−R6A(島津製)
カラムの種類 :キャピラリーカラムCBP1−M50−025(島津製)
カラム温度
INITIAL TEMP:100℃
FINAL TEMP :230℃
PROGRAM RATE:10℃/min
INITIAL TIME:20min
FINAL TIME :30min
注入口温度 :250℃
検出器温度 :260℃
検出器 :FID
キャリアーガス :He 0.6ml/min
スプリット比 :1:60
メイクアップ量 :50ml/min
セクタムパージ :10ml/min
感度 :101
データ処理装置の条件
WIDTH :5
SLOP :S.TESTにて決定
DRIFT :0
MIN.AREA :100
T.DBL :0
STOP.TIME :60
ATTEN :2
SPEED :5
実施例2
実施例1と同様の塩基廃液300gを1Lの三つ口三角フラスコに回転羽根撹拌器を備え付けたものに入れる。この三角フラスコに抽出剤であるp−キシレンを600g添加する。撹拌条件は回転速度を40rpm、撹拌時間を30分、温度は室温で実施する。撹拌終了後1L分液ロートに移液し約15分以上静置し有機相と水相に分離する。この時、有機相にはp−メチルベンジルアルコールが塩基廃液から66%抽出回収することができた。そして、この有機相から蒸留を行いp−メチルベンジルアルコールを4.3g回収し、ガスクロマトグラフィーで分析した結果、純度は99.7%であった。ここで、蒸留して得たp−キシレンは原料として再使用した。
本発明は、芳香族アルコールを製造するプロセスに限らず、アルコールを製造するプロセスにも応用することができるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。

Claims (6)

  1. 下式(I)
    Figure 2005281194
    (ここでnは1、2、3、4、5のいずれかであり、置換基Rはアルキル、アリール、アラルキル、ハロゲン、ハロアルキル、OR1、SR1、SOR1、SO22、NO2、NR12、CH2OR1、CH(OR1)(OR2)、C(OR1)(OR2)(OR3)、COR1、COCOR1(R1、R2、R3はそれぞれアルキル、アリール、水素から選ばれる)のいずれかであり、nが2以上の場合、Rは同一、あるいは異なってもよい)で示される芳香族化合物を酸化して得られた反応液から芳香族カルボン酸を分離し、残りの反応液から塩基により芳香族カルボン酸を中和除去した後に蒸留を行い芳香族アルコールを製造する方法において、中和除去後の塩基含有廃液を非水溶性有機溶媒で抽出して芳香族アルコールを回収することを特徴とする芳香族アルコールの製造方法。
  2. 前記式(I)のRが炭素数1〜18のアルキル、アリール、アラルキルのいずれかであることを特徴とする請求項1記載の芳香族アルコールの製造方法。
  3. 非水溶性有機溶媒が下式(I)
    Figure 2005281194
    (ここでnは1、2、3、4、5のいずれかであり、置換基Rはアルキル、アリール、アラルキル、ハロゲン、ハロアルキル、OR1、SR1、SOR1、SO22、NO2、NR12、CH2OR1、CH(OR1)(OR2)、C(OR1)(OR2)(OR3)、COR1、COCOR1(R1、R2、R3はそれぞれアルキル、アリール、水素から選ばれる)のいずれかであり、nが2以上の場合、Rは同一、あるいは異なってもよい)で示される芳香族有機溶媒であることを特徴とする請求項1または2記載の芳香族アルコールの製造方法。
  4. 非水溶性有機溶媒を原料または抽出剤として再利用することを特徴とする請求項3記載の芳香族アルコールの製造方法。
  5. 非水溶性有機溶媒がベンゼン、トルエン、キシレンのいずれかであるであることを特徴とする請求項1または2記載の芳香族アルコールの製造方法。
  6. 塩基が水酸化ナトリウムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の芳香族アルコールの製造方法。
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