JPH1053514A - 天然紫外線吸収剤およびこれを含む化粧品 - Google Patents

天然紫外線吸収剤およびこれを含む化粧品

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JPH1053514A
JPH1053514A JP9132367A JP13236797A JPH1053514A JP H1053514 A JPH1053514 A JP H1053514A JP 9132367 A JP9132367 A JP 9132367A JP 13236797 A JP13236797 A JP 13236797A JP H1053514 A JPH1053514 A JP H1053514A
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JP
Japan
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ultraviolet light
cosmetic
algae
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natural
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JP9132367A
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Kiyohide Ishibashi
清英 石橋
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SARIENSU KK
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SARIENSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は天然抽出物から紫外線吸収剤を得
ること及びこれを添加した日焼け止め化粧品を得ること
を目的としたものである。 【構成】 緑藻類、褐藻類および紅藻類よりなる海藻ま
たはγ−オリザノール、カミツレおよび甘草の陸生植物
から抽出した吸光度の異なる紫外線吸収物質の複数種を
用い吸収波長範囲を互に補完的に調整し、各波長に対し
平均吸収能を付与してSPF5を越えるようにしたこと
を特徴とする天然紫外線吸収剤。緑藻類、褐藻類、紅藻
類、γ−オリザノール、カミツレ又は甘草から抽出した
吸光度の異なる紫外線吸収物質の複数種を用い、吸収波
長範囲を互に補完的に調整し、各波長に対し平均的吸収
能を付与した紫外線吸収剤を化粧料に適量混入させ、S
PF5を越えるようにしたことを特徴とする天然紫外線
吸収剤を含む化粧品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】この発明は海藻または陸生植物か
ら抽出した天然紫外線吸収剤およびこれを含む化粧品に
関する。
【0002】
【従来の技術及びその背景】従来紫外線は皮膚に多くの
影響を与えることが知られている。例えば急激な影響は
日焼けがあり、長期的には、しみ、しわ等の皮膚の老化
(光老化)や、皮膚癌と密接な関係があるといわれてい
る。
【0003】一般に日焼けには、サンバーンとサンタン
がある。サンバーンとは、主にUVB(290〜320
nm)といわれる中波紫外線によって発生する皮膚の赤い
炎症(一種のやけど状態、紅斑と言われる)で、数日後
サンバーンがサンタンに移行する。サンタンとは、紫外
線にあたる事によってメラニンが活性化し、皮膚が黒く
なる。サンタンは肌を黒くすることによって紫外線を遮
断しようとする生体防衛反応である。サンタンには、U
VA(320〜400nm)による一時黒化と、サンバー
ンから移行する二次黒化がる。
【0004】従って紫外線による皮膚の老化は、メラニ
ンの沈着によるしみ、そばかすや真皮層の繊維組織が破
壊される事によるしわ、たるみ等があり、UVAとUV
Bの両方が原因になっているとされている。一方皮膚癌
は、露出部、赤道に近い日光の強い地域、戸外で働く
人、肌の色が白い(紫外線を防衛するメラニンが少な
い)人に発生し易く、紫外線が皮膚癌の原因になること
は動物実験で実証されている。また紫外線が、DNAに
損傷を与えることおよび免疫力を低下させることが原因
ともいわれている。
【0005】近年、オゾン層の破壊により、今までは地
表に届くことの無かった、紫外線の中で最も有害性の高
いUVC(200〜290nm)が地上にも届くように
なり、問題となっている。UVBが地表に届く量も多く
なってきている。
【0006】前記のように紫外線が肌に与える影響は種
々あり、その紫外線を防衛する必要性は十分にある。現
にスキンケア化粧品が出回っているが、これらの紫外線
防衛能は合成品により与えられている。
【0007】
【発明により解決すべき課題】前記従来の紫外線防衛化
粧品には、合成品よりなる紫外線吸収物質が添加されて
いるので、酸化され易く、変質して皮膚に悪影響を及ぼ
すおそれがあった。
【0008】然して酸化防止の為に添加される酸化防止
剤も化学品である為に、これも皮膚に悪影響を及ぼすな
どの問題点があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】然るにこの発明は、海藻
類または陸生植物の抽出物よりなる紫外線吸収物質を化
粧料へ混入するので、当該抽出物が酸化防止機能を有す
るのみならず、紫外線吸収防衛能もあるので、前記従来
の問題点を解決したのである。
【0010】この発明の紫外線吸収剤は、試料を適当な
溶媒により抽出することにより得られる。
【0011】尚、抽出溶媒としては、水、アルコール
類、アセトン等水に可溶な有機溶媒の他、ベンゼン、ト
ルエン等の芳香族炭化水素やクロロホルム、四塩化炭素
等の脂肪族炭化水素のハロゲン化化合物などが挙げられ
る。また、エーテル、エステル、ケトン等が使用され
る。
【0012】発明による化粧品は、クリーム、ローショ
ン、オイル、ファンデーション(日焼け、日焼け止め両
方)また、ヘアケア用として利用される。
【0013】この発明は、緑藻類、褐藻類および紅藻類
よりなる、海藻またはγ−オリザノール、カミツレおよ
び甘草の陸生植物から抽出した吸光度の異なる紫外線吸
収物質の複数種を用い吸収波長範囲を互に補完的に調整
し、各波長に対し平均吸収能を付与してSPF5を越え
るようにしたことを特徴とする天然紫外線吸収剤であ
る。また他の発明は、緑藻類、褐藻類、紅藻類、γ−オ
リザノール、カミツレ又は甘草から抽出した吸光度の異
なる紫外線吸収物質の複数種を用い、吸収波長範囲を互
に補完的に調整し、各波長に対し平均的吸収能を付与し
た紫外線吸収剤を化粧料に適量混入させ、SPF5を越
えるようにしたことを特徴とする天然紫外線吸収剤を含
む化粧品である。
【0014】前記における海藻としては緑藻類(例えば
ミル、アオサ、アオノリ)、褐藻類(例えばエゾイシ
ゲ、コンブ、ワカメ、ヒジキ、ホンダワラ、イソモク)
および紅藻類(例えばアサクサのり、テングサ、アカハ
ギンナンソウ、ベンモズク、ウシケノリ)がある。
【0015】また陸生植物としては、γ−オリザノー
ル、カミツレ、甘草などがある。
【0016】前記におけるSPF値とは、炎症の原因と
なる中波長領域(UVB)をカットする能力を示し、数
字が大きい程強力にUVBをカットすることになる。ま
た、数字は、化粧品を使用して炎症が起きる時間を素肌
の場合と比べた倍率であるから、素肌の時20分間で炎
症が起きた場合、化粧品を使用して100分までのびれ
ば、SPF5ということになる。
【0017】
【実験例1】乾燥エゾイシゲ1kgに50%エタノール1
0lを加え14日間抽出を行う。得られた抽出液は、減
圧濃縮し濃縮液200g を得る。濃縮液をエタノールで
0.02%に希釈し紫外吸収を調べた。
【0018】230nm付近に吸収極大を示す物質が確認
された。濃縮液0.02%が、パラジメチルアミノ安息
香酸−2−エチルヘキシルの0.02%希釈液に相当す
る吸収が確認された(図1)。
【0019】即ち、使用する場合は、パラジメチルアミ
ノ安息香酸−2−エチルヘキシルと等量使用すればよい
ことになる。
【0020】
【実験例2】乾燥アカハギンナンソウ1kgに50%エタ
ノール10lを加え14日間抽出を行う。得られた抽出
液は、減圧濃縮し、濃縮液200g を得る。濃縮液をエ
タノールで0.02%に希釈し、紫外吸収を調べた。
【0021】230nm付近に吸収極大を示す物質と、3
10〜330nm付近に吸収極大を示す物質が確認され
た。濃縮液0.02%が、パラジメチルアミノ安息香酸
−2−エチルヘキシルの0.02%希釈液に相当する吸
収が確認された(図2)。
【0022】即ち、使用する場合は、パラジメチルアミ
ノ安息香酸−2−エチルヘキシルと等量使用すればよい
ことになる。
【0023】
【実験例3】米糠油1kgから分離精製したγ−オリザノ
ール(白色結晶粉体)をエタノールで0.03%に希釈
し、紫外吸収を調べた。
【0024】290nmと330nm付近に主な吸収極大を
示すが、広い範囲において吸収を示す物質が確認され
た。γ−オリザノール0.03%希釈液が、パラジメチ
ルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシルの0.02%希
釈液に相当する吸収が確認された(図3)。
【0025】即ち、使用する場合は、パラジメチルアミ
ノ安息香酸−2−エチルヘキシルの1.5倍量使用すれ
ばよいことになる。
【0026】
【実験例4】甘草の乾燥根1kgにエタノール10lを加
え、還流下で5時間抽出を行う。抽出液を減圧濃縮し、
乾燥粉砕後、粉末30g を得る。精製された甘草抽出物
をエタノールで0.06%に希釈し、紫外吸収を調べ
た。
【0027】380nm付近に主な吸収極大を示すが、広
い範囲において吸収を示す物質が確認された。甘草抽出
物0.06%希釈液が、パラジメチルアミノ安息香酸−
2−エチルヘキシルの0.02%希釈液に相当する吸収
が確認された(図4)。
【0028】即ち、使用する場合は、パラジメチルアミ
ノ安息香酸−2−エチルヘキシルの3倍量使用すればよ
いことになる。
【0029】
【実施例1】前記実験例1より得たエゾイシゲ抽出液と
実験例3より得たγ−オリザノールを2:3の比で混合
し、それをエタノールで0.04%に希釈し、紫外吸収
を調べた。
【0030】200〜340nmの広い範囲において吸収
を示す物質が確認された。この混合物0.04%希釈液
が、パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル
の0.02%希釈液に相当する吸収が確認された(図
5)。
【0031】即ち、使用する場合は、パラジメチルアミ
ノ安息香酸−2−エチルヘキシルの2倍量使用すればよ
いことになる。
【0032】更に本混合物は、紫外線吸収力以外に消炎
等の薬理効果や酸化防止力を備えた有用性の高い紫外線
吸収剤である。
【0033】
【実施例2】前記実験例4より得た甘草エキスとパラジ
メチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシルを3:1の
比で混合し、それをエタノールで0.04%に希釈し、
紫外吸収を調べた。
【0034】200〜380nmの広い範囲において吸収
を示す物質が確認された。この混合物0.04%希釈液
が、パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル
の0.02%希釈液に相当する吸収が確認された(図
6)。
【0035】即ち、使用する場合は、パラジメチルアミ
ノ安息香酸−2−エチルヘキシルの2倍量使用すればよ
いことになる。
【0036】更に合成紫外線吸収剤は、酸化されやすく
安全性に対して問題が有るが、甘草抽出液を用いること
により、合成品の使用量を抑えることができ、消炎効果
により皮膚の炎症を鎮める。
【0037】
【実施例3】一般処方のスキンクリームに、実験例2記
載のアカハギンナンソウ抽出液を5%を配合すると、S
PF6に相当する日焼け止めスキンクリームができる。
【0038】
【実施例4】一般処方のローションに、実験例4記載の
甘草抽出物を6%を配合すると、SPF3に相当する日
焼け用ローションができる。
【0039】
【実施例5】一般処方のスキンオイルに、実験例3記載
のγ−オリザノールを3%を配合すると、SPF3に相
当する日焼け用オイルができる。
【0040】
【発明の効果】この発明によれば、天然抽出物を使用し
たので、合成紫外線吸収剤を使用した場合の問題点がな
くなった。また天然抽出物に含まれる紫外線吸収物質
は、酸化防止能があり比較的安定であり、各々吸収能に
特性があるので(或範囲に吸収能の極大部がある)、吸
収波長範囲を考慮し適宜複合使用することにより、全波
長に平均的効果を奏する化粧品又は選択的波長に特性を
有する化粧品を得ることができる。
【0041】また合成紫外線吸収剤の使用に比し、皮膚
に対しての安全性が高くなり、合成紫外線吸収剤による
炎症刺激を防止などの諸効果がある。例えば従来使用さ
れた合成品では、SPF5までが安全域であったが、こ
の発明によればSPFは5を越え30でも安全である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実験例1のエゾイシゲの吸光度のグ
ラフ(0.02%溶液)。
【図2】同じく実験例2のアカハギンナンソウの吸光度
のグラフ(0.02%溶液)。
【図3】同じく実験例3のγ−オリザノールの吸光度の
グラフ(0.03%溶液)。
【図4】同じく実験例4の甘草の吸光度のグラフ(0.
06%溶液)。
【図5】同じく実施例1の混合物の吸光度のグラフ
(0.04%溶液)。
【図6】同じく実施例2の混合物の吸収光度のグラフ
(0.04%溶液)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緑藻類、褐藻類および紅藻類よりなる海
    藻またはγ−オリザノール、カミツレおよび甘草の陸生
    植物から抽出した吸光度の異なる紫外線吸収物質の複数
    種を用い吸収波長範囲を互に補完的に調整し、各波長に
    対し平均吸収能を付与してSPF5を越えるようにした
    ことを特徴とする天然紫外線吸収剤。
  2. 【請求項2】 緑藻類、褐藻類、紅藻類、γ−オリザノ
    ール、カミツレ又は甘草から抽出した吸光度の異なる紫
    外線吸収物質の複数種を用い、吸収波長範囲を互に補完
    的に調整し、各波長に対し平均的吸収能を付与した紫外
    線吸収剤を化粧料に適量混入させ、SPF5を越えるよ
    うにしたことを特徴とする天然紫外線吸収剤を含む化粧
    品。
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