JPH1052251A - 発泡酒の製造方法 - Google Patents
発泡酒の製造方法Info
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- JPH1052251A JPH1052251A JP21270896A JP21270896A JPH1052251A JP H1052251 A JPH1052251 A JP H1052251A JP 21270896 A JP21270896 A JP 21270896A JP 21270896 A JP21270896 A JP 21270896A JP H1052251 A JPH1052251 A JP H1052251A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 麦芽の使用量が副原料より少ない発泡酒を製
造する方法において、仕込条件を調整して麦汁中に形成
される遊離アミノ態窒素量を制御し、リンゴ酸及びコハ
ク酸等の有機酸の生成量を調整できるようにする。 【解決手段】 仕込槽内で麦芽と温水とを混合して麦芽
の蛋白質を分解させてマイシェを形成する蛋白休止時間
を変化させることにより、麦汁中に形成される遊離アミ
ノ態窒素量を制御することができる。これにより、発泡
酒におけるリンゴ酸、コハク酸の有機酸の生成量を調整
し、香味に幅広い変化幅を与えることが可能となる。ま
た、蛋白休止温度を変えることによっても遊離アミノ態
窒素生成量を制御することができる。
造する方法において、仕込条件を調整して麦汁中に形成
される遊離アミノ態窒素量を制御し、リンゴ酸及びコハ
ク酸等の有機酸の生成量を調整できるようにする。 【解決手段】 仕込槽内で麦芽と温水とを混合して麦芽
の蛋白質を分解させてマイシェを形成する蛋白休止時間
を変化させることにより、麦汁中に形成される遊離アミ
ノ態窒素量を制御することができる。これにより、発泡
酒におけるリンゴ酸、コハク酸の有機酸の生成量を調整
し、香味に幅広い変化幅を与えることが可能となる。ま
た、蛋白休止温度を変えることによっても遊離アミノ態
窒素生成量を制御することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、麦芽を使用した酒
類のうち、麦芽の使用量が副原料より少ない発泡酒の製
造方法に係り、特に、麦芽及び副原料であるでんぷん質
原料を仕込む際の仕込方法に関する。
類のうち、麦芽の使用量が副原料より少ない発泡酒の製
造方法に係り、特に、麦芽及び副原料であるでんぷん質
原料を仕込む際の仕込方法に関する。
【0002】
【従来の技術】麦芽及び米、コーン、スターチの副原料
を主体とする発泡酒では、仕込等を同一条件で製造した
としても、麦芽の使用量に応じてその味及び香(以下、
「香味」という)に変化を生ずる。たとえば、ビールと
同一条件の製造方法を用いた場合、副原料の使用量に比
べて麦芽の使用量を多くすれば、ほぼビールと同様のも
のが得られる。
を主体とする発泡酒では、仕込等を同一条件で製造した
としても、麦芽の使用量に応じてその味及び香(以下、
「香味」という)に変化を生ずる。たとえば、ビールと
同一条件の製造方法を用いた場合、副原料の使用量に比
べて麦芽の使用量を多くすれば、ほぼビールと同様のも
のが得られる。
【0003】一方、麦芽の使用量を減らして行き、副原
料の使用量に対して麦芽の使用量を少なくした場合に
は、本発明者の研究結果によると、ビールと同一条件で
製造したとしても、通常のビールと異なる香味のものが
得られることがわかった。 すなわち、麦芽の使用量を
減らしていくと、味覚的には、酸味の増加が目立ってく
る。
料の使用量に対して麦芽の使用量を少なくした場合に
は、本発明者の研究結果によると、ビールと同一条件で
製造したとしても、通常のビールと異なる香味のものが
得られることがわかった。 すなわち、麦芽の使用量を
減らしていくと、味覚的には、酸味の増加が目立ってく
る。
【0004】本発明者の研究によると、麦芽の使用量を
変化させた数種類の麦汁をつくり、発酵試験を行ったと
ころ、主発酵終了時の有機酸生成量は、発酵条件が同一
であっても、麦芽使用量を少なくするにつれて有機酸生
成量が増加することが明らかとなった。
変化させた数種類の麦汁をつくり、発酵試験を行ったと
ころ、主発酵終了時の有機酸生成量は、発酵条件が同一
であっても、麦芽使用量を少なくするにつれて有機酸生
成量が増加することが明らかとなった。
【0005】そこで、本発明者は、発酵過程において必
要な物質である、麦汁中の遊離アミノ態窒素含量と麦芽
の使用量との関連性について調査、研究を行うため、麦
汁に添加量を変化させて試験を行ったところ、図1に示
す試験結果を得た。このことから、アミノ酸添加量の増
加に伴ってリンゴ酸やコハク酸等の有機酸の生成量が減
少することが明らかになった。この事実は、麦汁中の遊
離アミノ態窒素の生成量に応じて有機酸の生成量も変化
し、得られる発泡酒の香味を調整可能にすることを示す
ものである。
要な物質である、麦汁中の遊離アミノ態窒素含量と麦芽
の使用量との関連性について調査、研究を行うため、麦
汁に添加量を変化させて試験を行ったところ、図1に示
す試験結果を得た。このことから、アミノ酸添加量の増
加に伴ってリンゴ酸やコハク酸等の有機酸の生成量が減
少することが明らかになった。この事実は、麦汁中の遊
離アミノ態窒素の生成量に応じて有機酸の生成量も変化
し、得られる発泡酒の香味を調整可能にすることを示す
ものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記各種研
究及び実験から得られた知見に基づきなされたもので、
麦芽及び米、コーン、スターチ等の副原料より製造する
発泡酒であって、麦芽の使用量が前記副原料より少ない
発泡酒の製造方法において、麦汁中の遊離アミノ態窒素
の生成量を調整することにより有機酸の生成量を制御
し、もって発泡酒の香味の調整を行うことができる発泡
酒の製造方法を提供することにある。
究及び実験から得られた知見に基づきなされたもので、
麦芽及び米、コーン、スターチ等の副原料より製造する
発泡酒であって、麦芽の使用量が前記副原料より少ない
発泡酒の製造方法において、麦汁中の遊離アミノ態窒素
の生成量を調整することにより有機酸の生成量を制御
し、もって発泡酒の香味の調整を行うことができる発泡
酒の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した問題点
を解決することを目的としてなされたもので、麦芽と該
麦芽よりも多い量の副原料を使用し、所定量の麦芽を仕
込槽でマイシェ化し、残りの麦芽と前記副原料とを仕込
釜にてマイシェ化した後両マイシェを混合して糖化を行
う形式の仕込工程を有する発泡酒の製造方法であって、
麦汁中の遊離アミノ態窒素量を制御するため、原料の仕
込条件を以下のように設定して行うことを特徴とするも
のである。
を解決することを目的としてなされたもので、麦芽と該
麦芽よりも多い量の副原料を使用し、所定量の麦芽を仕
込槽でマイシェ化し、残りの麦芽と前記副原料とを仕込
釜にてマイシェ化した後両マイシェを混合して糖化を行
う形式の仕込工程を有する発泡酒の製造方法であって、
麦汁中の遊離アミノ態窒素量を制御するため、原料の仕
込条件を以下のように設定して行うことを特徴とするも
のである。
【0008】(1)蛋白休止時間 麦芽を温水中に投与し、所定温度及び所定時間維持して
麦芽中の蛋白質を分解する期間の蛋白休止時間を変化さ
せることにより麦汁中に生成される遊離アミノ態窒素を
変化させることができる。
麦芽中の蛋白質を分解する期間の蛋白休止時間を変化さ
せることにより麦汁中に生成される遊離アミノ態窒素を
変化させることができる。
【0009】図2は、蛋白休止時間を変化させた場合の
麦汁中に生成される遊離アミノ態窒素(FAN)の生成
量の変化の様子を蛋白休止温度を変えて調べたものであ
る。図からわかるように、いずれの場合も、略90分位
までは遊離アミノ態窒素の生成量は増加傾向を示し、略
120分位で飽和状態となる。したがって、蛋白休止時
間を120分以下の範囲内で適宜設定することにより、
遊離アミノ態窒素の生成量を制御することが可能とな
る。これにより、製造する発泡酒の有機酸生成量を調整
し、発泡酒の香味の幅に変化を持たせることが可能とな
る。
麦汁中に生成される遊離アミノ態窒素(FAN)の生成
量の変化の様子を蛋白休止温度を変えて調べたものであ
る。図からわかるように、いずれの場合も、略90分位
までは遊離アミノ態窒素の生成量は増加傾向を示し、略
120分位で飽和状態となる。したがって、蛋白休止時
間を120分以下の範囲内で適宜設定することにより、
遊離アミノ態窒素の生成量を制御することが可能とな
る。これにより、製造する発泡酒の有機酸生成量を調整
し、発泡酒の香味の幅に変化を持たせることが可能とな
る。
【0010】なお、通常のビールにあっては10〜30
分で行われているが、通常のビールより長い、例えば、
90分程度の蛋白休止時間をとることにより、かなりの
遊離アミノ態窒素を生成することが可能となり、これに
より製造される発泡酒の有機酸生成量を減らすことが可
能となる。
分で行われているが、通常のビールより長い、例えば、
90分程度の蛋白休止時間をとることにより、かなりの
遊離アミノ態窒素を生成することが可能となり、これに
より製造される発泡酒の有機酸生成量を減らすことが可
能となる。
【0011】(2)蛋白休止温度 麦芽を温水中に投与し、所定温度及び所定時間維持して
麦芽中の蛋白質を分解する期間の温度である蛋白休止温
度を適宜の温度に調整して設定することにより麦汁中の
遊離アミノ態窒素の生成量を制御する。図3は、蛋白休
止温度を変えたときの遊離アミノ態窒素量の変化を調べ
たものである。なお、図3は、蛋白休止時間を60分と
して行ったものである。
麦芽中の蛋白質を分解する期間の温度である蛋白休止温
度を適宜の温度に調整して設定することにより麦汁中の
遊離アミノ態窒素の生成量を制御する。図3は、蛋白休
止温度を変えたときの遊離アミノ態窒素量の変化を調べ
たものである。なお、図3は、蛋白休止時間を60分と
して行ったものである。
【0012】図に示すように、蛋白休止温度を高くする
程遊離アミノ態窒素の生成量は増加する。このように、
蛋白休止温度を調整することにより麦汁中の遊離アミノ
態窒素量を制御することができ、これにより、製造する
発泡酒の有機酸生成量を調整し、発泡酒の香味の幅に変
化を持たせることが可能となる。
程遊離アミノ態窒素の生成量は増加する。このように、
蛋白休止温度を調整することにより麦汁中の遊離アミノ
態窒素量を制御することができ、これにより、製造する
発泡酒の有機酸生成量を調整し、発泡酒の香味の幅に変
化を持たせることが可能となる。
【0013】蛋白休止温度は実際には30〜55℃の範
囲とする。なお、麦芽中に含まれる蛋白質の分解に働く
酵素であるエンドペプチターゼの至適温度が50〜55
℃であり、カルボキシペプチターゼの至適温度が50℃
近辺にあり、蛋白休止温度を50〜55℃の範囲に設定
することにより遊離アミノ態窒素の生成をかなり増加さ
せることができる。なお、蛋白質分解酵素は実際には、
60℃以上においては失活してしまい、また、30℃以
下においては活性が著しく弱まる。
囲とする。なお、麦芽中に含まれる蛋白質の分解に働く
酵素であるエンドペプチターゼの至適温度が50〜55
℃であり、カルボキシペプチターゼの至適温度が50℃
近辺にあり、蛋白休止温度を50〜55℃の範囲に設定
することにより遊離アミノ態窒素の生成をかなり増加さ
せることができる。なお、蛋白質分解酵素は実際には、
60℃以上においては失活してしまい、また、30℃以
下においては活性が著しく弱まる。
【0014】(3)仕込釜、仕込槽への麦芽投入量比 仕込釜において副原料と混合してマイシェを形成するた
めの麦芽使用量を、全麦芽使用量の2分の1以下とし、
その範囲において、仕込釜、仕込槽への麦芽の投入比率
を変化させて仕込槽における遊離アミノ態窒素の生成量
を制御する。なお、仕込釜への麦芽の投入量の下限は副
原料液化可能最低限度の量とする。
めの麦芽使用量を、全麦芽使用量の2分の1以下とし、
その範囲において、仕込釜、仕込槽への麦芽の投入比率
を変化させて仕込槽における遊離アミノ態窒素の生成量
を制御する。なお、仕込釜への麦芽の投入量の下限は副
原料液化可能最低限度の量とする。
【0015】(4)仕込槽における麦芽対仕込用水比
(マイシェ濃度) 麦芽と温水とを混合してマイシェを形成する際の仕込槽
へ投入する麦芽と仕込用水の比率(マイシェ濃度)を変
化させることにより、麦汁中に生成される遊離アミノ態
窒素量を制御することができる。図4は、仕込槽におけ
る麦芽に対する水の比率を変化させた場合の遊離アミノ
態窒素生成量の変化を調べたものである。図4に示すよ
うに、麦芽に対する水の比を減少させていくにつれて
(マイシェ濃度を濃くするにつれて)、麦汁中の遊離ア
ミノ態窒素量を増加させることができる。したがって、
マイシェ濃度を変化させることにより、麦汁中の遊離ア
ミノ態窒素量を制御することができる。なお、図4に示
すように、マイシェ濃度を濃くする程、遊離アミノ態窒
素の生成量は増すが、マイシェ濃度が濃くなりすぎる
と、即ち、麦芽に対する仕込用水の量が少なくなりすぎ
ると、仕込槽内における流動性が失われ、作業性が損な
われることとなり、実際には、仕込用水量は、麦芽1に
対して2程度が下限である。また、麦芽1に対する仕込
用水の比が25以上となると効果はほぼなくなる。した
がって、麦芽1に対する仕込水の比は実際には2乃至2
5の範囲で調整する。
(マイシェ濃度) 麦芽と温水とを混合してマイシェを形成する際の仕込槽
へ投入する麦芽と仕込用水の比率(マイシェ濃度)を変
化させることにより、麦汁中に生成される遊離アミノ態
窒素量を制御することができる。図4は、仕込槽におけ
る麦芽に対する水の比率を変化させた場合の遊離アミノ
態窒素生成量の変化を調べたものである。図4に示すよ
うに、麦芽に対する水の比を減少させていくにつれて
(マイシェ濃度を濃くするにつれて)、麦汁中の遊離ア
ミノ態窒素量を増加させることができる。したがって、
マイシェ濃度を変化させることにより、麦汁中の遊離ア
ミノ態窒素量を制御することができる。なお、図4に示
すように、マイシェ濃度を濃くする程、遊離アミノ態窒
素の生成量は増すが、マイシェ濃度が濃くなりすぎる
と、即ち、麦芽に対する仕込用水の量が少なくなりすぎ
ると、仕込槽内における流動性が失われ、作業性が損な
われることとなり、実際には、仕込用水量は、麦芽1に
対して2程度が下限である。また、麦芽1に対する仕込
用水の比が25以上となると効果はほぼなくなる。した
がって、麦芽1に対する仕込水の比は実際には2乃至2
5の範囲で調整する。
【0016】以上は、仕込工程における4つの仕込条件
を個々に調整することにより、麦汁中の遊離アミノ態窒
素の生成量を調整し、発泡酒の香味を調整することがで
きることを述べたが、これら4つの条件の内、2つもし
くは3つ、あるいは4つ全て組み合わせると、その相乗
効果により明確な調整効果が期待できる。以下具体例の
説明に際しては上記4つの仕込条件を組合わせて調整す
る形態を用いて説明する。
を個々に調整することにより、麦汁中の遊離アミノ態窒
素の生成量を調整し、発泡酒の香味を調整することがで
きることを述べたが、これら4つの条件の内、2つもし
くは3つ、あるいは4つ全て組み合わせると、その相乗
効果により明確な調整効果が期待できる。以下具体例の
説明に際しては上記4つの仕込条件を組合わせて調整す
る形態を用いて説明する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明による発泡酒の製
造方法における仕込方法の実施例を示す。 実施例1 図5は本発明の第1の実施例に係る仕込ダイアグラムを
示す。
造方法における仕込方法の実施例を示す。 実施例1 図5は本発明の第1の実施例に係る仕込ダイアグラムを
示す。
【0018】本実施例は、麦芽の使用量が全原料の24
重量%である原料を使用して発泡酒を製造する例を示す
もので、麦芽の全使用量は 2800Kgであり、副原
料としては、米、コーン、スターチ等の澱粉質を使用
し、全副原料は9000Kgとして使用している。表1
に本実施例の仕込条件の特徴点を示す。
重量%である原料を使用して発泡酒を製造する例を示す
もので、麦芽の全使用量は 2800Kgであり、副原
料としては、米、コーン、スターチ等の澱粉質を使用
し、全副原料は9000Kgとして使用している。表1
に本実施例の仕込条件の特徴点を示す。
【0019】
【表1】
【0020】〔仕込条件〕採用される仕込条件の特徴点
を表1に示している。 (1)仕込釜、仕込槽の麦芽量 仕込釜に投入する麦芽と仕込槽に投入する麦芽の量の比
率は、仕込釜1に対して仕込槽1とし、仕込槽への投入
の比率を1:1としている。なお、通常のビールにおい
ては、1:7〜10程度である。
を表1に示している。 (1)仕込釜、仕込槽の麦芽量 仕込釜に投入する麦芽と仕込槽に投入する麦芽の量の比
率は、仕込釜1に対して仕込槽1とし、仕込槽への投入
の比率を1:1としている。なお、通常のビールにおい
ては、1:7〜10程度である。
【0021】(2)仕込槽マイシェ濃度 本実施例では、仕込槽でのマイシェ濃度、即ち、仕込用
水(汲み水)と麦芽の重量比を、24:1としている。 (3)蛋白休止温度 本実施例においては、蛋白休止温度は37℃としてい
る。
水(汲み水)と麦芽の重量比を、24:1としている。 (3)蛋白休止温度 本実施例においては、蛋白休止温度は37℃としてい
る。
【0022】(4)蛋白休止時間 蛋白休止時間を通常ビールの場合に近い30分とした。
本実施例の仕込条件により得られた麦汁中、遊離アミノ
酸量は表4に示すように440mg/Lの収量を得た。 実施例2 図6は本発明の第2の実施例の仕込ダイアグラムを示
し、表2に仕込方法の特徴点を示している。
本実施例の仕込条件により得られた麦汁中、遊離アミノ
酸量は表4に示すように440mg/Lの収量を得た。 実施例2 図6は本発明の第2の実施例の仕込ダイアグラムを示
し、表2に仕込方法の特徴点を示している。
【0023】
【表2】
【0024】本実施例においても、実施例1と同様、麦
芽の使用量を2800Kgとし、副原料として米、コー
ン、スターチを使用し、全副原料は9000Kgであ
る。したがって、麦芽の使用量は水を除く全原料に対し
て24重量%である。 〔仕込条件〕 (1)仕込釜、仕込槽の麦芽量 仕込釜に投入する麦芽と仕込槽に投入する麦芽の量の比
率は、仕込釜1に対して仕込槽4.6 とし、仕込槽への投
入の比率を多くしている。本実施例でも、副原料の全原
料に占める比率は大きいが、副原料と共に仕込釜中で混
合する麦芽の量を副原料を液化するのに必要最小限度に
抑制し、仕込槽への麦芽投入比率を高めている。
芽の使用量を2800Kgとし、副原料として米、コー
ン、スターチを使用し、全副原料は9000Kgであ
る。したがって、麦芽の使用量は水を除く全原料に対し
て24重量%である。 〔仕込条件〕 (1)仕込釜、仕込槽の麦芽量 仕込釜に投入する麦芽と仕込槽に投入する麦芽の量の比
率は、仕込釜1に対して仕込槽4.6 とし、仕込槽への投
入の比率を多くしている。本実施例でも、副原料の全原
料に占める比率は大きいが、副原料と共に仕込釜中で混
合する麦芽の量を副原料を液化するのに必要最小限度に
抑制し、仕込槽への麦芽投入比率を高めている。
【0025】(2)仕込槽マイシェ濃度 本実施例で特徴的なことは、仕込槽でのマイシェ濃度、
即ち、仕込用水と麦芽の重量比を、3.5:1として仕
込槽のマイシェ濃度を高くしている。したがって、仕込
槽のマイシェ量は仕込釜のそれに比して少なくなるが、
仕込釜のマイシェと混合して糖化工程に移す前に湯を所
定量加えることにより、以後の糖化工程の65℃を達成
するようにしている。
即ち、仕込用水と麦芽の重量比を、3.5:1として仕
込槽のマイシェ濃度を高くしている。したがって、仕込
槽のマイシェ量は仕込釜のそれに比して少なくなるが、
仕込釜のマイシェと混合して糖化工程に移す前に湯を所
定量加えることにより、以後の糖化工程の65℃を達成
するようにしている。
【0026】(3)蛋白休止温度 本実施例においては、蛋白休止温度は48℃とし、酵素
の至適温度の範囲とした。 (4)蛋白休止時間 蛋白休止時間を仕込ダイアグラム上可能な長時間である
90分とした。図6のダイアグラムが示すように、仕込
釜の昇温が、110分と緩やかなため、全仕込時間に影
響与えることなく90分とすることは可能である。
の至適温度の範囲とした。 (4)蛋白休止時間 蛋白休止時間を仕込ダイアグラム上可能な長時間である
90分とした。図6のダイアグラムが示すように、仕込
釜の昇温が、110分と緩やかなため、全仕込時間に影
響与えることなく90分とすることは可能である。
【0027】本実施例の仕込条件により得られた麦汁
中、遊離アミノ態窒素量は表2に示すように540mg
/Lの収量を得た。なお、麦芽の仕込釜、仕込槽の投入
量比を1:1とした表1及び表2に示した条件の場合と
比較して23%増加させることができた。
中、遊離アミノ態窒素量は表2に示すように540mg
/Lの収量を得た。なお、麦芽の仕込釜、仕込槽の投入
量比を1:1とした表1及び表2に示した条件の場合と
比較して23%増加させることができた。
【0028】
【発明の効果】上述のように、本発明は、麦芽が他の副
原料より少ない原料を使用して発泡酒を製造する場合
に、原料の仕込条件、蛋白休止時間、蛋白休止温度、仕
込釜、仕込槽への麦芽の投入量比、仕込槽におけるマイ
シェ濃度を、適宜変えることにより糖化液中の遊離アミ
ノ態窒素の生成量を制御することができ、発泡酒におけ
る香味の調整の幅を広くすることが可能となる。
原料より少ない原料を使用して発泡酒を製造する場合
に、原料の仕込条件、蛋白休止時間、蛋白休止温度、仕
込釜、仕込槽への麦芽の投入量比、仕込槽におけるマイ
シェ濃度を、適宜変えることにより糖化液中の遊離アミ
ノ態窒素の生成量を制御することができ、発泡酒におけ
る香味の調整の幅を広くすることが可能となる。
【図1】麦汁中のアミノ酸量とコハク酸、リンゴ酸の生
成量の関係を示す図である。
成量の関係を示す図である。
【図2】蛋白休止時間と麦汁の遊離アミノ態窒素の生成
量の関係を示す図である。
量の関係を示す図である。
【図3】蛋白休止温度と麦汁の遊離アミノ態窒素の生成
量の関係を示す図である。
量の関係を示す図である。
【図4】麦芽量対仕込水量と麦汁の遊離アミノ態窒素の
生成量との関係を示す図である。
生成量との関係を示す図である。
【図5】本願発明による仕込ダイヤグラムの第1の実施
例を示す図である。
例を示す図である。
【図6】本願発明による仕込ダイヤグラムの第2の実施
例を示す図である。
例を示す図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 麦芽と該麦芽よりも多い量の副原料を使
用し、所定量の麦芽を仕込槽でマイシェ化し、残りの麦
芽と前記副原料とを仕込釜にてマイシェ化した後両マイ
シェを混合して糖化を行う形式の仕込工程を有する発泡
酒の製造方法であって、 前記仕込工程における蛋白休止時間を所定の時間範囲で
変化させて麦汁中の遊離アミノ態窒素の生成量を制御す
るようにしたことを特徴とする発泡酒の製造方法。 - 【請求項2】 蛋白休止時間は120分以下である請求
項1記載の発泡酒の製造方法。 - 【請求項3】 麦芽と該麦芽よりも多い量の副原料を使
用し、所定量の麦芽を仕込槽でマイシェ化し、残りの麦
芽と前記副原料とを仕込釜にてマイシェ化した後両マイ
シェを混合して糖化を行う形式の仕込工程を有する発泡
酒の製造方法であって、 前記仕込工程における蛋白休止温度を所定の温度範囲に
おいて調整して麦汁中の遊離アミノ態窒素の生成量を制
御するようにしたことを特徴とする発泡酒の製造方法。 - 【請求項4】 蛋白休止温度を30℃以上55℃以下の
範囲に設定したことを特徴とする請求項3記載の発泡酒
の製造方法。 - 【請求項5】 麦芽と該麦芽よりも多い量の副原料を使
用し、所定量の麦芽を仕込槽でマイシェ化し、残りの麦
芽と前記副原料とを仕込釜にてマイシェ化した後両マイ
シェを混合して糖化を行う形式の仕込工程を有する発泡
酒の製造方法であって、 仕込釜に投入する麦芽の使用量を、全麦芽の使用量の2
分の1以下との範囲とし、該範囲内で調整することによ
り麦汁中の遊離アミノ態窒素の生成量を制御するように
したことを特徴とする発泡酒の製造方法。 - 【請求項6】 麦芽と該麦芽よりも多い量の副原料を使
用し、所定量の麦芽を仕込槽でマイシェ化し、残りの麦
芽と前記副原料とを仕込釜にてマイシェ化した後両マイ
シェを混合して糖化を行う形式の仕込工程を有する発泡
酒の製造方法であって、 仕込槽のマイシェ濃度を所定の範囲内で調整して、麦汁
中の遊離アミノ態窒素の生成量を制御するようにしたこ
とを特徴とする発泡酒の製造方法。 - 【請求項7】 仕込槽のマイシェ濃度を、麦芽投入量1
に対する仕込用水の使用量率を2乃至25の範囲に設定
し、この範囲内でマイシェ濃度を調整することにより糖
化液中の遊離アミノ酸の生成量を調整するようにしたこ
とを特徴とする請求項6記載の発泡酒の製造方法。 - 【請求項8】 麦芽と該麦芽よりも多い量の副原料を使
用し、所定量の麦芽を仕込槽でマイシェ化し、残りの麦
芽と前記副原料とを仕込釜にてマイシェ化した後両マイ
シェを混合して糖化を行う形式の仕込工程を有する発泡
酒の製造方法であって、 前記仕込工程における蛋白休止時間、蛋白休止温度、仕
込釜に投入する麦芽の使用料及び仕込槽のマイシェ濃度
の各仕込条件の少なくとも2つを所定の範囲で調整し
て、麦汁中の遊離アミノ態窒素の生成量を制御するよう
にしたことを特徴とする発泡酒の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21270896A JPH1052251A (ja) | 1996-08-12 | 1996-08-12 | 発泡酒の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21270896A JPH1052251A (ja) | 1996-08-12 | 1996-08-12 | 発泡酒の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1052251A true JPH1052251A (ja) | 1998-02-24 |
Family
ID=16627122
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21270896A Pending JPH1052251A (ja) | 1996-08-12 | 1996-08-12 | 発泡酒の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1052251A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006304764A (ja) * | 2005-03-28 | 2006-11-09 | Suntory Ltd | 残存窒素量を調整した発酵飲料の製造方法 |
JP2011142922A (ja) * | 2005-03-28 | 2011-07-28 | Suntory Holdings Ltd | 残存窒素量を調整した発酵飲料の製造方法 |
-
1996
- 1996-08-12 JP JP21270896A patent/JPH1052251A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006304764A (ja) * | 2005-03-28 | 2006-11-09 | Suntory Ltd | 残存窒素量を調整した発酵飲料の製造方法 |
JP2011142922A (ja) * | 2005-03-28 | 2011-07-28 | Suntory Holdings Ltd | 残存窒素量を調整した発酵飲料の製造方法 |
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