JPH1052149A - コンバイン等の刈取装置 - Google Patents

コンバイン等の刈取装置

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JPH1052149A
JPH1052149A JP22774696A JP22774696A JPH1052149A JP H1052149 A JPH1052149 A JP H1052149A JP 22774696 A JP22774696 A JP 22774696A JP 22774696 A JP22774696 A JP 22774696A JP H1052149 A JPH1052149 A JP H1052149A
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raising
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culm
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Kazushi Ohara
一志 大原
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Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引起装置の性能向上、刈取部全体のバランス
の良好化、良好な搬送姿勢の確保、コンバインにあって
は脱穀性能の向上。 【解決手段】 圃場の穀稈を分草する分草体5と、該分
草体5の後側に設けた圃場の穀稈を引き起こす引起ラグ
7を有する引起装置6と、該引起装置6の後方に設けた
搬送装置と、該搬送装置の始端部側下方に設けた刈刃9
とを設けた刈取装置において、前記引起装置6は車速が
零または所定速度以下の低速走行のときでも、予め設定
した所定回転で駆動させ、前記車速が所定速度以上にな
ったときは、車速に同調した回転数に可変速駆動するよ
うに構成したコンバイン等の刈取装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンバイン等の刈取装
置に係るものである。
【0002】
【従来技術】また、従来公知の、特開平2−23811
号公報には、圃場の穀稈を切断する刈刃の前方に、機体
進行方向に対して交差方向に回転するチエンに所定間隔
を置いて複数の引起ラグを起伏自在に取付けて構成した
引起装置を設けた刈取装置において、前記刈取部は車速
が零のときは停止し走行中は車速に同調して作動するよ
うにした構成について記載されている。また、従来公知
の、特開昭56−5013号公報には、上方に脱穀装置
を設けた走行装置の前方に刈取部を設け、機体所望位置
に設けたエンジンと前記走行装置および刈取部へ至る回
転伝達経路にはそれぞれ走行用変速装置および刈取用変
速装置を設け、該走行用変速装置および刈取用変速装置
は走行装置の走行速度に応じて前記刈取部の作業速度を
変速するように構成したコンバインについて記載されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例のうち特開
平2−23811号公報のものは、走行中は車速に同調
しているが、機体が停止しているとき刈取部が停止して
いるので、車速が零または所定速度以下の低速走行のと
きは、引起装置の回転数が遅く、十分な性能を発揮でき
ないという課題がある。また、単に、引起装置の引起性
能にあわせて回転を上昇させると、穀稈の搬送姿勢が乱
れることになる。前記公知例のうち特開昭56−501
3号公報は、機体が停止しているときでも、刈取部全体
を一定の回転数で回転させ、この回転数を基準に車速の
上昇に比例して回転数を上昇させるので、車速が早くな
ったとき、全体の回転数が上昇し過ぎて、引起装置では
杆切れや引抜きが発生し、穀稈の搬送姿勢も乱れ、所定
速度以上で走行できず、かえって、作業効率を低下させ
るという課題がある。
【0004】
【発明の目的】引起装置の性能向上、刈取部全体のバラ
ンスの良好化、良好な搬送姿勢の確保、コンバインにあ
っては脱穀性能の向上。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、圃場の穀稈を
分草する分草体5と、該分草体5の後側に設けた圃場の
穀稈を引き起こす引起ラグ7を有する引起装置6と、該
引起装置6の後方に設けた搬送装置と、該搬送装置の始
端部側下方に設けた刈刃9とを設けた刈取装置におい
て、前記引起装置6は車速が零または所定速度以下の低
速走行のときでも、予め設定した所定回転で駆動させ、
前記車速が所定速度以上になったときは、車速に同調し
た回転数に可変速駆動するように構成したコンバイン等
の刈取装置としたものである。
【0006】
【実施例】本発明の一実施例を図面により説明すると、
1はコンバインの機体フレーム、2は該機体フレーム1
の下方に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方に
設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前方位置に設けた刈
取部、5は刈取部4の最前方位置に設けた分草体、6は
前記分草体5により分草した穀稈を引起ラグ7により引
起す引起装置、8は掻込装置、9は刈刃、10は株元側
穀稈搬送装置、11は穂先側穀稈搬送装置であり、前記
刈取部4は支持パイプ12の先端に取付けられ、支持パ
イプ12の基部は前記機体フレーム1側に設けた支持台
13に回動自在に取付け、前記機体フレーム1と支持パ
イプ12との間に刈取上下シリンダ14を設けて刈取部
4を上下するように構成している。15はスターホイ
ル、16は前記脱穀装置3の脱穀室の側部に設けた穀稈
供給搬送装置、17は穀稈供給搬送装置16と前記株元
側穀稈搬送装置10との間に設けたは株元側穀稈引継搬
送装置、18は穀稈供給搬送装置16と穂先側穀稈搬送
装置11との間に設けた穂先側引継搬送装置である。
【0007】しかして、前記機体フレーム1の前側位置
には前記走行装置2に回転を伝達するミッションケース
20を設け、ミッションケース20には走行用変速装置
(油圧式無段変速装置 ハイドロスタチックトランスミ
ッション)21を設ける。走行用変速装置21は、図示
は省略するがHSTポンプと該HSTポンプと油路によ
り接続される走行用HSTモータとにより構成され、エ
ンジン22の回転により作動する走行用HSTポンプが
無段階に送油量を増減しながら送油してHSTモータを
可変回転させ、モータの回転がミッションケース20内
の伝達経路により前記走行装置2の車軸23に伝達され
る。また、ミッションケース20には刈取部4への出力
軸24を設け、該出力軸24に設けた出力プーリ25と
刈取入力プーリ26との間にベルト27を掛け回し、ベ
ルト27に刈取クラッチ28を当接させる。したがっ
て、走行用変速装置21により変速された回転が、走行
装置2および刈取部4に伝達され、刈取部4(引起装置
6は除く)の回転は、走行速度に対応して変速する。
【0008】この場合、前記刈取入力プーリ26より回
転が伝達されるのは、掻込装置8や株元側穀稈搬送装置
10等の穀稈搬送に関するものと、刈刃9であり、引起
装置6は別の回転伝達経路により回転させる。即ち、エ
ンジン22の回転により駆動する任意のアクチュエータ
30を設け、アクチュエータ30の出力軸31に回転伝
達機構32の一端を接続し、回転伝達機構32の他端を
引起装置6側に接続する(図3)。アクチュエータ30
の構成は本願の要件ではなく、割りプーリを使用したも
のや歯車のかみ合わせを変更するものや油圧無段変速装
置等任意である。
【0009】しかして、前記引起装置6そのものは、公
知構成であり、前側ケースと後側ケースとにより分割可
能に形成した引起ケース33内に、図示は省略するが、
前記アクチュエータ30からの回転で機体進行方向に対
して交差方向に回転する受動歯車と、案内ローラーとを
設け、これらに前記引起ラグ7を所定間隔を置いて複数
起伏自在に取付けたチエンを掛け回し、引起ケース33
内には前記引起ラグ7を起立させるガイドと倒伏させる
ガイドを設け、前記引起ラグ7が起立(突出)状態で下
から上に移動して穀稈を引起し、引起ケース33の上部
で引起ケース33内に格納されて移動し、引起ケース3
3の下部で再び起立して上方移動するとき穀稈を引起
す。そして、引起装置6は前記引起ケース33の上部側
後面に支持体34の上端を取付け、支持体34の下端は
刈取部4の固定部に固定しているが、その支持構成は任
意である。
【0010】しかして、前記引起装置6は、車速が零ま
たは所定速度以下の低速走行のときでも、予め設定した
所定回転で駆動回転させ、前記車速が所定速度以上に増
速したときは、追随して変速するように構成する(図
4)。この場合、引起装置6の初期の回転速度は、一定
回転に設定している。なお、引起装置6の初期の回転速
度は倒伏穀稈のときは早くする等穀稈条件などにより変
更可能に構成している。しかして、図5の実施例では、
前記アクチュエータ30は、油圧モータ40により構成
し、油圧モータ40の出力軸31に回転伝動軸41を接
続し、回転伝動軸41にベベルギヤ42や別の回転伝動
軸43等により構成した回転伝達機構32の一端を接続
し、回転伝達機構32の他端を引起装置6に接続する。
44は切替バルブ、45はソレノイド、46は油ポン
プ、47は流量調節用の可変絞り、48はリリーフバル
ブであり、前記した各実施例のように、車速が零または
所定速度以下の低速走行のときでも、引起装置6を作動
させ、車速が所定速度以上に増速したときは、追随して
変速するように前記油圧モータ40を作動させる。
【0011】図6は車速の変化に対する前記可変絞り4
7による流量調節の模式図であり、36は前記走行用変
速装置21の操作用の変速レバー、37は目盛りであ
る。また、図7、図8のように、車速が零のときは、予
め設定した所定回転で回転させ、車速が零のときから所
定速度以下の低速走行までは、車速の上昇に合わせて緩
やかに引起装置6の駆動回転速度を上昇させ、車速が所
定速度以上に増速したときは、車速と比例して変速する
ように構成することもある。図9において、49は制御
部、50は車速センサ、51は倒伏穀稈検出装置、52
は前記変速レバー36の位置を検出するポジションセン
サである。また、図10は、前記変速レバー36の基部
にカム体55を設け、カム体55に前記油圧回路中の流
量を制御する流量制御部材(前記可変絞り47を直接又
は間接的に操作するものでもよい)56を当接させ、車
速が零から所定速度以下の低速走行のときまで緩やかな
円弧を描くように引起装置6の回転速度を上昇させ、所
定速度近傍から高速走行に至るまで徐々に急な円弧とな
るように引起装置6の回転速度を上昇させるように構成
する(図11)。
【0012】しかして、運転席の操作パネルには、流量
調節ダイヤル57を設け、流量調節ダイヤル57を操作
すると、前記油圧モータ40(アクチュエータ30)の
回転制御の設定を変更するように構成し、基本ラインA
に対して、初期の回転数も低く、回転を上昇させたとき
の上昇時の回転数の低いダウンラインBや、基本ライン
Aに対して、初期の回転数も高く、回転を上昇させたと
きの回転数も高いアップラインCと、前記流量調節ダイ
ヤル57により設定を変更可能に構成する(図13)。
なお、ダウンラインBと、アップラインCとの間は、段
階的に、あるいは無段階で複数のラインの設定し、それ
ぞれに切り替えることはもちろん可能である。図14
は、前記油圧モータ40の油圧回路に負荷検出装置58
を設け、該負荷検出装置58による負荷に応じて引起装
置6の回転数を増減させる。
【0013】また、以上の各実施例は、走行速度に対す
る引起装置6の回転数の関係を例示しているが、図15
は、引起装置6と他の刈取部4の刈刃9や株元側穀稈搬
送装置10等の穀稈搬送に関するものとの作動速度(回
転数)の関係を示し、車速が零のとき引起装置6以外の
刈取部4は回転を停止させ、引起装置6は前記各実施例
のように所定回転させておき、車速の上昇に比例させて
引起装置6以外の刈取部4は回転を上昇させ、このと
き、所定速度から増速するとき、引起装置6および引起
装置6以外の刈取部4を車速に比例させて対応させるの
が基本ラインaであり、基本ラインaに対して、引起装
置6の回転数の上昇を低くしたのがダウンラインbであ
り穀稈の長さが短い(高さが低い)短穀稈の条件の設定
である。また、基本ラインaに対して、引起装置6の回
転数の上昇を高くしたのがアップラインcであり、穀稈
の長さが長い(高さが高い)長穀稈の条件、あるいは、
穀稈が倒伏しているときの設定である。なお、図15の
各ラインの傾斜角度は例示であり、各ラインの上昇率は
変更可能であり、特に、基本ラインaの上昇率は、倒伏
穀稈の場合等の穀稈条件、圃場条件、麦、米等の作物の
種類によって任意な種々の上昇率に変更可能に構成して
おり、この基本ラインaに対して前記ダウンラインbと
アップラインcを設定する。
【0014】即ち、走行速度に対する刈取部4の作業速
度の変速の程度(変速率)をモード切替スイッチにより
倒伏穀稈の刈取モードに切替えたり、また、モード切替
スイッチにより麦の刈取モードを選択したり、刈取作業
速度を独自に変速し、これに対して、引起装置6の回転
は独立して変速する。しかして、前記のように、油圧モ
ータ40により引起装置6の回転を変速するように構成
したものにおいて、引起装置6の下部を分草体5を取付
ける分草杆60に回動自在に取付け、引起装置6の上部
と刈取部4の固定部との間に引起装置6の角度を変更す
る引起角度変更シリンダ61を設ける。引起角度変更シ
リンダ61は、そのロッド62の先端を引起装置6側に
取付け、引起角度変更シリンダ61の基部を前記支持体
34の上端に回動自在に取付ける。引起装置6は、上部
を前側に回動させて起こすと、引起力が強くなり、倒伏
穀稈の引起を良好に行い、更に前側に倒すと、株元側穀
稈搬送装置10や穂先側穀稈搬送装置11等の引起装置
6の後側のメンテナンスを容易にする。
【0015】
【作用】次に作用を述べる。エンジン22を始動し、所
定の回転数まで上昇させると、この回転がプーリー、ベ
ルト等の伝達手段によって走行用変速装置21に伝達さ
れ、変速レバー36を操作すると実施例の走行用変速装
置21は走行用HSTポンプの斜板の角度を変更させ
て、走行用HSTモータに無段階に送油量を増減させな
がら送油し、走行用HSTモータはミッションケース2
0の入力軸に出力し、入力軸の回転がミッションケース
20内の伝動機構を介して車軸23、23に出力され、
走行装置2を作動させて、走行する。しかして、走行装
置2により走行を開始すると、刈取部4は分草体5によ
り分草し、分草した穀稈を引起装置6の引起ラグ7によ
り引起し、掻込装置8により掻込んで刈刃9で刈取り、
刈取った穀稈の株元は株元側穀稈搬送装置10で、穂先
側は穂先側穀稈搬送装置11で搬送し、この穀稈を株元
側穀稈引継搬送装置17および穂先側穀稈引継搬送装置
18により脱穀装置3の脱穀室に供給する穀稈供給搬送
装置16に引継ぎ、脱穀装置3に供給する。
【0016】この場合、走行速度と刈取部4の作業速度
の関係は、走行用変速装置21により変速された回転が
伝達されたミッションケース20より刈取部4に出力し
ているので、走行装置2の走行速度と、刈取部4の株元
側穀稈搬送装置10および穂先側穀稈搬送装置11の搬
送等の刈取部4の作業速度とを、同調させることがで
き、円滑で効率の良い刈取作業を行える。しかして、前
記刈取部4の作業速度は、走行速度が零のとき停止して
おり、走行速度の上昇に合わせて上昇するので、機体の
走行と穀稈の搬送が一致して、搬送姿勢を良好にして問
題がないが、これに対して、引起装置6の場合は、走行
速度の零から僅かに前進して引起ラグ7が穀稈に接触し
たときに引起すには所定の回転が必要であり、他の刈取
部4と同様に零の走行速度から比例させて回転数を上昇
させたのでは、走行速度が所定速度になるまで、刈取部
4の作業速度が遅すぎて、引起装置6の引起ラグ7の引
起しが充分にできないことになる。
【0017】本発明は、掻込装置8や株元側穀稈搬送装
置10等の引起装置6を除いた刈取部4の回転に対し
て、車速が零または所定速度以下の低速走行のときで
も、予め設定した引起ラグ7が正常に作動しうる所定回
転で引起装置6を回転させ、前記車速が所定速度以上に
増速したときは、車速に追随して変速するように構成し
ているから、作業開始時の車速が零または所定速度以下
の低速走行のときでも、引起装置6の引起ラグ7は円滑
・確実に穀稈を引き起こせる。したがって、畦際や条合
せなどの走行速度が所定速度以下のときでも、引起装置
6の引起ラグ7の引起しは充分に作用し、掻込装置8に
よる掻込前のヘッドロスを防止でき、刈刃9による刈跡
も美麗となり、また、株元側穀稈搬送装置10および穂
先側穀稈搬送装置11による穀稈の搬送姿勢も良好とな
って、株元側穀稈引継搬送装置17および穂先側穀稈引
継搬送装置18への引継ぎ、および、株元側穀稈引継搬
送装置17および穂先側穀稈引継搬送装置18から穀稈
供給搬送装置16への引継ぎも良好となって引継部での
ロスを防止でき、刈取部4および穀稈供給搬送装置16
での搬送中の稈こぼれを防止でき、脱殻のときの扱き残
しを防止する。
【0018】また、掻込装置8や株元側穀稈搬送装置1
0等の引起装置6を除いた刈取部4は、走行速度に同期
させることにより、機体の走行速度と穀稈の搬送速度が
一致して、搬送姿勢を良好にするので、当初より回転さ
せておくのは妥当でなく、かえって搬送姿勢を悪くす
る。したがって、単に、車速が零のときから一定割合高
く比例させて刈取部4全体の回転を上昇させると、引起
装置6の場合、引起装置6の回転速度の変化の全体の速
度が早過ぎて稈切れや引抜き、および耐久性の問題が生
じ、また、引起装置6の回転が適切なときは、前記した
ように搬送姿勢が乱れる。本発明は、車速が零または所
定速度以下の低速走行のときの低速域における前記不具
合の発生を防止し、所定速度以上の高速域では、必要以
上に回転を上げないので、耐久性の不具合もない。
【0019】しかして、引起装置6および引起装置6を
除いた刈取部4への回転伝達経路は必ずしも要件ではな
いが、図3の実施例では、エンジン22の回転によりア
クチュエータ30が作動し、アクチュエータ30の出力
軸31の回転を回転伝達機構32により引起装置6に伝
達し、引起装置6は前記アクチュエータ30により車速
が零のときでも、予め設定した所定回転で回転作動し、
このとき、ミッションケース20に設けた出力軸24の
回転は零であるので、刈取部4は回転停止している。そ
して、前記刈取部4は走行用変速装置21により変速さ
れた回転が出力軸24より出力されて伝達され、走行速
度に同調して上昇(変速)し、車速が所定速度以上に増
速したときは、引起装置6は前記アクチュエータ30に
より対応して走行速度に追随して変速する。この場合、
引起装置6の初期の回転速度は、走行停止状態から所定
速度以下の低速走行において、穀稈を引き起こせる回転
数にしているから、走行開始時であっても、引起装置6
の引起ラグ7は円滑・確実に穀稈を引き起こせる。
【0020】また、走行速度が所定速度以上になると、
引起装置6の回転数も上昇させるので、引起装置6の引
起ラグ7は、遅れることなく、円滑・確実に穀稈を引き
起こせる。しかして、図5の実施例では、前記アクチュ
エータ30は、油圧モータ40により構成し、油圧モー
タ40の出力軸31に回転伝動軸41を接続し、回転伝
動軸41にベベルギヤ42や別の回転伝動軸43等によ
り構成した回転伝達機構32の一端を接続し、回転伝達
機構32の他端を引起装置6に接続しているから、油圧
モータ40の回転が、出力軸31、回転伝動軸41、回
転伝達機構32を介して引起装置6に伝達され、引起装
置6が作動する。前記油圧モータ40は、制御部49が
切替バルブ44のソレノイド45に通電して切替バルブ
44を切替え、変速レバー36の操作に応じて、制御部
49が可変絞り47を開閉して、油圧モータ40の出力
する回転数を制御しているから、制御精度を向上させ、
引起装置6の回転数を適切にする。
【0021】また、図7、図8の実施例では、車速が零
から所定速度以下の低速走行のときまでは、走行停止状
態からの車速の上昇に合わせて緩やかに引起装置6の回
転速度を上昇させ、車速が所定速度以上に増速したとき
は、車速と比例して変速するように構成しているから、
走行停止状態から所定速度までの間であっても、車速の
上昇に合わせて緩やかに引起装置6の回転速度を上昇さ
せるので、低速域でも車速にある程度対応している分稈
切れや引抜きを防止でき、一層、引起装置6の引起ラグ
7は円滑・確実に穀稈を引き起こせる。また、図10の
実施例では、前記変速レバー36の基部にカム体55を
設け、カム体55に流量を制御する流量制御部材56を
当接させているから、カム体55の形状により、車速が
零または所定速度以下の低速走行のときは、緩やかな円
弧を描くように引起装置6の回転速度を上昇させ、所定
速度近傍から高速走行に至るまで徐々に急な円弧となる
ように引起装置6の回転速度を上昇させるように構成す
るのが、容易であり、また、引起装置6の回転上昇も思
うように設定できる。
【0022】また、図14の実施例では、前記油圧モー
タ40の油圧回路に負荷検出装置58を設け、該負荷検
出装置58による負荷に応じて引起装置6の回転数を増
減させるから、作業の負荷に応じて自動的に引起速度が
変速し、穀稈の搬送姿勢を良好にし、脱穀ロスを軽減
し、回転数の変更を自動で行うので、作業能率が向上
し、また、負荷が小のときは回転を早くする無駄を省略
するので、省エネとなって、引起伝動の耐久性を向上さ
せる。しかして、運転席の操作パネルには、流量調節ダ
イヤル57を設け、流量調節ダイヤル57を操作する
と、前記油圧モータ40(アクチュエータ30)の回転
制御の設定を変更するように構成し、基本ラインAに対
して、初期の回転数も低く、回転を上昇させたときも回
転数の低いダウンラインBや、基本ラインAに対して、
初期の回転数も高く、回転を上昇させたときの回転数も
高いアップラインCと、前記流量調節ダイヤル57によ
り設定を変更可能に構成しているから、穀稈条件や圃場
条件や作物条件に応じて、最適な作業速度にする。な
お、ダウンラインBと、アップラインCとの間は、段階
的に、あるいは無段階で設定を変更可能であるから、こ
の点でも、作業回転を適切にする。
【0023】しかして、引起装置6の回転と、他の刈取
部4の刈刃9や株元側穀稈搬送装置10等の穀稈搬送に
関するものの作動速度(回転数)との関係は、車速が零
のとき引起装置6以外の刈取部4は回転を停止させ、引
起装置6は前記各実施例のように所定回転させておき、
車速の上昇に比例させて引起装置6以外の刈取部4は回
転を上昇させ、このとき、所定速度から増速するとき、
引起装置6および引起装置6以外の刈取部4を車速に比
例させて対応させるのを基本ラインaとし、この基本ラ
インaに対して引起装置6の回転数の上昇を低くするダ
ウンラインbと、基本ラインaに対して引起装置6の回
転数の上昇を高くしたのがアップラインcとの選択可能
に構成しているから、単なる引起装置6の引起性能だけ
でなく、刈取部4の作業とのマッチングを良好にし、刈
取部4の刈取性能を向上させる。しかして、前記のよう
に、油圧モータ40により引起装置6の回転を変速する
ように構成しているから、引起装置6に至る伝動構成が
簡素となって、引起装置6の下部を分草体5を取付ける
分草杆60に回動自在に取付け、引起装置6の上部と刈
取部4の固定部との間に引起装置6の角度を変更する引
起角度変更シリンダ61を設け、引起装置6の傾斜角度
を変更自在に構成できる。
【0024】即ち、従来の伝動構成では、複雑で角度変
化によって駆動が円滑に伝動されないが、この点、どん
な傾斜角度出も円滑に回転を伝動する。また、引起装置
6の傾斜角度を変更できるから、作物条件によって傾斜
角度を変更することにより引起性能を向上させる。即
ち、倒伏穀稈の場合、引起装置6の傾斜を起立気味に前
側回動させて起こすと、引起力が強くなり引起性能を向
上させる。また、通常の穀稈の場合、倒伏穀稈の場合よ
りも後側に所定の角度に傾斜させているから、引起力が
強過ぎることがなく、稈切れや引抜きを防止する。ま
た、倒伏穀稈用の位置から更に前側に倒すと、引起装置
6の後側を開放し、引起装置6および引起装置6の後側
にある株元側穀稈搬送装置10や穂先側穀稈搬送装置1
1等のメンテナンスを容易にする。
【0025】
【効果】本発明は、圃場の穀稈を分草する分草体5と、
該分草体5の後側に設けた圃場の穀稈を引き起こす引起
ラグ7を有する引起装置6と、該引起装置6の後方に設
けた搬送装置と、該搬送装置の始端部側下方に設けた刈
刃9とを設けた刈取装置において、前記引起装置6は車
速が零または所定速度以下の低速走行のときでも、予め
設定した所定回転で駆動させ、前記車速が所定速度以上
になったときは、車速に同調した回転数に可変速駆動す
るように構成したコンバイン等の刈取装置としたもので
あるから、作業開始時の車速が零または所定速度以下の
低速走行のときでも、引起装置6の引起ラグ7は円滑・
確実に穀稈を引き起こせ、畦際や条合せなどの走行速度
が所定速度以下のときでも、引起装置6の引起ラグ7の
引起しが充分に作用するので、掻込装置8による掻込前
のヘッドロスを防止でき、刈刃9による刈跡も美麗とな
り、また、株元側穀稈搬送装置10および穂先側穀稈搬
送装置11による穀稈の搬送姿勢も良好となって、株元
側穀稈引継搬送装置17および穂先側穀稈引継搬送装置
18への引継ぎ、および、株元側穀稈引継搬送装置17
および穂先側穀稈引継搬送装置18から穀稈供給搬送装
置16への引継ぎも良好となって引継部でのロスを防止
でき、刈取部4および穀稈供給搬送装置16での搬送中
の稈こぼれを防止でき、脱殻のときの扱き残しを防止し
て脱穀ロスを減少させる効果を奏し、車速が零または所
定速度以下の低速走行のとき、引起装置6を所定回転で
駆動させるので、引起装置6以外の刈取部4は当初より
回転させるのではなく、車速が零のとき停止させ、車速
に比例させて回転を上昇させることができ、機体の走行
速度と穀稈の搬送速度を一致させて搬送姿勢を良好にす
るという効果も期待できるだけでなく、刈取部4を停止
させるので、省エネルギー化できるという効果も奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンバインの側面図。
【図2】 刈取部の側面図。
【図3】 伝動機構の概略図。
【図4】 変速状態説明図。
【図5】 第2実施例の伝動機構の概略図。
【図6】 操作レバーと引起装置の駆動回転の関係説
明図。
【図7】 他の実施例による変速状態説明図。
【図8】 同操作レバーと引起装置の駆動回転の関係
説明図。
【図9】 ブロック図。
【図10】 他の実施例による操作レバーと引起装置の
駆動回転の関係説明図。
【図11】 同変速状態説明図。
【図12】 流量調節ダイヤルの斜視図。
【図13】 流量調節ダイヤルによる引起装置の変速状
態説明図。
【図14】 他の実施例による伝動機構の概略図。
【図15】 刈取部(引起装置を除く)と引起装置の駆
動回転の関係説明図。
【図16】 他の実施例の刈取部の側面図。
【符号の説明】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…
刈取部、5…分草体、6…引起装置、7…引起ラグ、8
…掻込装置、9…刈刃、10…株元側穀稈搬送装置、1
1…穂先側穀稈搬送装置、12…支持パイプ、13…支
持台、14…刈取上下シリンダ、15はスターホイル、
16…穀稈供給搬送装置、17…株元側穀稈引継搬送装
置、18…穂先側引継搬送装置、20…ミッションケー
ス、21…走行用変速装置、22…エンジン、23…車
軸、24…出力軸、25…出力プーリ、26…刈取入力
プーリ、27…ベルト、28…刈取クラッチ、30…ア
クチュエータ、31…出力軸、32…回転伝達機構、3
3…引起ケース、34…支持体、36…変速レバー、3
7…目盛り、40…油圧モータ、41…回転伝動軸、4
2…ベベルギヤ、43…回転伝動軸、44…切替バル
ブ、45…ソレノイド、46…油ポンプ、47…可変絞
り、48…リリーフバルブ、49…制御部、50…車速
センサ、55…カム体、56…流量制御部材、57…流
量調節ダイヤル、58…負荷検出装置、60…分草杆、
61…引起角度変更シリンダ、62…ロッド。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年12月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図9】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図13】
【図15】
【図14】
【図16】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圃場の穀稈を分草する分草体5と、該分
    草体5の後側に設けた圃場の穀稈を引き起こす引起ラグ
    7を有する引起装置6と、該引起装置6の後方に設けた
    搬送装置と、該搬送装置の始端部側下方に設けた刈刃9
    とを設けた刈取装置において、前記引起装置6は車速が
    零または所定速度以下の低速走行のときでも、予め設定
    した所定回転で駆動させ、前記車速が所定速度以上にな
    ったときは、車速に同調した回転数に可変速駆動するよ
    うに構成したコンバイン等の刈取装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001352820A (ja) * 2000-06-12 2001-12-25 Iseki & Co Ltd 汎用コンバインの掻込みリ−ル装置
JP2004113131A (ja) * 2002-09-26 2004-04-15 Kubota Corp 収穫作業機の変速制御装置
JP2004229595A (ja) * 2003-01-31 2004-08-19 Iseki & Co Ltd コンバインの脱穀装置
JP2019110855A (ja) * 2017-12-25 2019-07-11 株式会社クボタ 作物収穫機
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