JPH1052043A - 絶縁型スイッチング電源 - Google Patents

絶縁型スイッチング電源

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JPH1052043A
JPH1052043A JP9094597A JP9459797A JPH1052043A JP H1052043 A JPH1052043 A JP H1052043A JP 9094597 A JP9094597 A JP 9094597A JP 9459797 A JP9459797 A JP 9459797A JP H1052043 A JPH1052043 A JP H1052043A
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JP
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winding
transformer
voltage
power supply
switching power
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JP9094597A
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Tetsushi Otake
徹志 大竹
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Toko Inc
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Toko Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価な部品を使用せず、また製造工数の増加
を伴わずコストの低減ができ、かつ、信頼性の高い絶縁
型スイッチング電源を提供する 【解決手段】 フライバック方式の絶縁型スイッチング
電源を構成する主トランスT1の他に補助トランスT2
を設け、主トランスT1の2次巻線n2に対して並列に
補助トランスT2の入力巻線n3を接続する。補助トラ
ンスT2の出力巻線n4の端子間にダイオードD2とコ
ンデンサC4の直列回路を接続し、コンデンサC4の両
端間に出力電圧に相当する電圧信号を得る。ダイオード
D2とコンデンサC4の接続点は定電圧ダイオードDZ
を介してスイッチングトランジスタQ1のベースに接続
する。望ましくは、主トランスT1と補助トランスT2
は、複数の巻線巻装部を有するコアを共用し、各トラン
スの巻線を別々の巻線巻装部に巻回して形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力側と出力側を
トランスによって絶縁したスイッチング電源の定電圧制
御について、電源装置のコスト低減と信頼性向上を図る
ことのできる信号のフィードバック手段を提供するもの
である。
【0002】
【従来の技術】電子機器の特性や使用環境によっては、
その電子機器の内部に組み込まれる電源装置の入力側と
出力側を絶縁する必要がある。このような時には一般
に、電源装置をスイッチング型とすると共に回路中にト
ランスを組み込み、トランスの1次側と2次側で電力伝
送ラインの絶縁を行う。スイッチング方式の電源装置
(以下、スイッチング電源と呼ぶ)の出力電圧の定電圧
制御には様々な方法があるが、最もよく使用されている
のがパルス幅変調(以下、PWMと略す)制御方式であ
る。このPWM制御方式のスイッチング電源では、出力
電圧の大きさに相当する電圧信号を得て、その電圧信号
の基準値からの偏差に応じてスイッチング素子のオン期
間を変化させる。この時、通常は、制御対象としてのス
イッチング素子は入力側に設けられる。
【0003】ところで、スイッチング電源が絶縁型であ
る場合には、定電圧制御をするのに必要な出力電圧に相
当する電圧信号(あるいは偏差信号)の信号帰還ライン
についても、電力伝送ラインと同様に入力側と出力側を
絶縁しなければならない。従来の信号帰還ラインの絶縁
には、代表的な手段の一つとして、フォトカプラを使用
することがあった。このフォトカプラは、電気信号を光
信号に変換し、光によって信号伝送を行い、さらに光信
号を電気信号に変換するという過程により、入力側と出
力側を電気的に絶縁している。フォトカプラを使用して
信号帰還ラインの絶縁を行う場合、第1に、出力電圧を
直接監視することが可能で制御の信頼性が高い、第2
に、簡単に入出力間を絶縁できる、といった利点が有る
が、その反面、フォトカプラを使用する上でフォトカプ
ラの駆動回路が必要となり部品数が増加する、フォトカ
プラ自体が高価であり、部品数の増加と共に原価コスト
を増加させるといった問題があった。この原価コストを
低減するためのスイッチング電源としては、図4に示す
ようなフォトカプラを使用しない絶縁型スイッチング電
源が存在した。
【0004】図4において、入力端子1a、1b間に接
続されたトランスT3の1次巻線n8とスイッチングト
ランジスタQ1の直列回路、出力端子2a、2b間に接
続された整流ダイオードD1とトランスT3の2次巻線
n9の直列回路及び平滑コンデンサC2によって、フラ
イバック方式の絶縁型スイッチング電源が形成されてい
る。トランスT3には3次巻線n10(帰還巻線兼検出
巻線)が設けられ、その一端は抵抗R2とコンデンサC
3の直列回路を介してスイッチングトランジスタQ1の
ベースに接続され、他端は入力端子1bと接続されてい
る。さらに3次巻線n10に対して並列にダイオードD
2とコンデンサC4の直列回路が接続され、ダイオード
D2とコンデンサC4の接続点が定電圧ダイオードDZ
を介してスイッチングトランジスタQ1のベースに接続
されている。なお、R1は起動抵抗であり、C1は入力
コンデンサである。
【0005】この図4の回路は、3次巻線n10に発生
した電圧を抵抗R2、コンデンサC3を介してスイッチ
ングトランジスタQ1のベース、エミッタ間に印加する
ことにより自励発振が行われる、自励式のスイッチング
電源となっている。ここでトランスT3の2次巻線n9
と3次巻線n10は磁気的に結合しているため、2次巻
線n9に現れる電圧と3次巻線n10に現れる電圧は、
理論的には相関(比例)した関係を示す。そこで3次巻
線n10に現れる電圧をダイオードD2、コンデンサC
4によって整流平滑し、等価的に出力電圧に相当する電
圧信号をコンデンサC4の両端に得ている。なお、3次
巻線n10と2次巻線n9は絶縁されているため、出力
電圧に相当する電圧信号の信号帰還ラインは入出力間で
絶縁された状態であると見なされる。そして等価的に出
力電圧に相当する電圧信号は定電圧ダイオードDZを介
してスイッチングトランジスタQ1のベースへ印加さ
れ、これによりスイッチングトランジスタQ1のオンデ
ューティが制御される。
【0006】つまり図4に示す回路は、3次巻線n10
に、自励発振のための帰還巻線としての機能と定電圧制
御のための検出巻線としての機能を兼用させたものとな
っている。これに加えて、定電圧制御のために信号をフ
ィードバックする回路は、ダイオードD2、コンデンサ
C4、定電圧ダイオードDZで構成され、いずれも部品
単価が安い素子であり、素子数も少ない。従って図4の
回路は、フォトカプラを使用する場合に比べてはるかに
安価な絶縁型スイッチング電源を構成することができ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】理論的には、磁気的に
結合したトランスの各巻線に現れる電圧は、その巻数比
に応じた値となる。しかし現実のトランスでは、各巻線
に各々負荷を接続した時、各巻線に現れる実際の電圧は
単純に巻数比から導出される計算値と等しくならない。
ちなみに1次巻線に現れる電圧を基準として考えた時、
2次巻線など他の巻線に現れる実際の電圧値は計算値よ
りも低い値となり、この実際の電圧値と計算値の差(以
後、降下分と呼ぶ)は負荷の状態によって変動する。こ
のような実際の電圧値が計算値と等しくならなくなる現
象は、現実のトランスの各巻線間の結合度が1.0では
無い、巻線に存在する電気抵抗で電圧降下を生じるなど
の他、様々な要因により引き起こされるものと考えられ
る。
【0008】図4に示すような回路構成を有する電源装
置を実際に作製した時、図4の回路における2次巻線n
9、3次巻線n10についても、各巻線に現れる電圧は
計算により導出される値とはならず、実際の電圧値と計
算値との間に誤差(降下分)が発生する。ここで、2次
巻線n9に現れる電圧の降下分と3次巻線n10に現れ
る電圧の降下分には相関関係は無く、それぞれ巻線毎、
トランス毎にランダムな値となる。ところで図4に示さ
れる回路では、コンデンサC4の端子間電圧と定電圧ダ
イオードDZのツェナー電圧との比較結果に応じてスイ
ッチングトランジスタQ1のオンデューティを変化させ
ている。すなわち、この図4の回路の出力電圧は、コン
デンサC4の端子間電圧が出力電圧との間に相関関係を
示すとの前提に基づいて制御されている。
【0009】しかし、2次巻線n9と3次巻線n10に
実際に現れる電圧には各々に降下分による誤差が含まれ
ており、この降下分のために出力電圧とコンデンサC4
の端子間電圧は、それぞれが計算値と等しくならない。
この状態でコンデンサC4の端子間電圧を出力電圧に相
当する電圧信号と見なし、出力電圧の定電圧制御を行え
ば、実際の製品の出力電圧の値は製品設計時に定めた設
定値には成り得ず、2次巻線n9と3次巻線n10に現
れる電圧の降下分に基づく誤差を生じる。なお、前記し
たように、巻線に発生する電圧の降下分はトランス毎、
巻線毎に一定していないため、電源装置の出力電圧の誤
差の大きさは製品毎に異なってしまう。
【0010】このような事態に対して従来では、図4に
示す回路構成の電源装置を製作する時、出力電圧を本来
の設定値に合わせるために、トランスT3の2次巻線n
9と3次巻線n10に現れる電圧に応じて、装置毎に適
切なツェナー電圧を有した定電圧ダイオードDZを選定
するという作業を必要としていた。このため図4に示す
回路構成の電源装置は量産体制の確立が難しく、製造工
数の増加によって製造コストの上昇を招いていた。ま
た、2次巻線n9に現れる電圧の降下分は負荷状態によ
ってわずかながら変動するため、図4に示す回路は負荷
変動に対して出力電圧の安定度低下する恐れも有り、
電源装置の信頼性を低下させる結果となっていた。そこ
で本発明は、フォトカプラ等の高価な部品を使用せず、
また製造工数の増加を伴わずにコストの低減ができ、か
つ、出力電圧の安定度が高く、信頼性の高い絶縁型スイ
ッチング電源を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】仮にトランスの1次巻線
と2次巻線との間の結合度をk12、1次巻線と3次巻線
(検出巻線)との間の結合度をk13、2次巻線と3次巻
線との間の結合度をk23とする。ここで、結合度k23
結合度k13よりも大きくなるような巻線構造とした場
合、一般的傾向として、k23とk13の差が大きくなる
程、2次巻線に現れる電圧の降下分の大きさとは無関係
に、3次巻線に現れる電圧は2次巻線に実際に現れる電
圧と巻数比から導出される値へ近づくという事実を、本
発明者は実験に基づく検証により得ている。そこで本発
明は、主トランスの1次巻線に直列に接続したスイッチ
ング素子をオン、オフさせることにより2次巻線に電圧
を誘起し、2次巻線に現れた電圧を整流平滑して直流出
力を得る絶縁型のスイッチング電源において、2次巻線
と磁気的に結合した巻線を定電圧制御用のフィードバッ
ク手段の検出巻線とし、2次巻線と検出巻線との間の結
合度k23を、1次巻線と検出巻線との間の結合度k13
りも充分に大きな値とすることを特徴とする。
【0012】具体的には、第1の手段として、主トラン
スの2次巻線に入力巻線を並列に接続した補助トランス
を設け、その補助トランスの出力巻線をフィードバック
手段の検出巻線とする。第2の手段として、複数の巻線
巻装部を有し、巻線巻装部の境界には各巻線部間の磁気
的結合を断つような磁路が形成されたコアを使用し、コ
アの所定の巻線巻装部には1次巻線の一部、2次巻線、
3次巻線を巻回し、1次巻線の残余を他の巻線巻装部に
巻回してトランスを形成し、その3次巻線をフィードバ
ック手段の検出巻線とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態として
は、フライバック方式の絶縁型スイッチング電源を構成
する主トランスの他に補助トランスを設け、主トランス
の2次巻線に対して並列に補助トランスの入力巻線を接
続する。この補助トランスの出力巻線の端子間に、ダイ
オードと第1のコンデンサの直列回路を第1のコンデン
サを入力端子(低電位側)側として接続する。ここでダ
イオードの順方向は、スイッチング素子がオフ状態とな
った時に補助トランスの出力巻線に現れる電圧によって
第1のコンデンサが充電される方向とする。第1のコン
デンサに対して並列に第1の抵抗を接続し、ダイオード
と第1のコンデンサの接続点を定電圧ダイオードを介し
てスイッチング素子の制御端子に接続する。ここで主ト
ランス、補助トランスについては、複数の巻線巻装部を
有する一のコアを共用し、そのコアの所定の巻線巻装部
に1次巻線及び2次巻線を巻回して主トランスを構成
し、他の巻線巻装部に入力巻線及び出力巻線を巻回して
補助トランスを構成する。
【0014】本発明の第2の実施の形態としては、3枚
の鍔によって2つの巻線巻装部が形成された高透磁率磁
性体製のコアに対し、第2の巻線巻装部に1次巻線の一
部、2次巻線、3次巻線を巻回し、第1の巻線巻装部に
1次巻線の残余を巻回した構成のトランスを使用する。
このトランスの3次巻線の端子間に、ダイオードと第2
のコンデンサの直列回路を第2のコンデンサを入力端子
(低電位側)側として接続する。ここでダイオードの順
方向は、スイッチング素子がオフ状態となった時に補助
トランスの出力巻線に現れる電圧によって第2のコンデ
ンサが充電される方向とする。第2のコンデンサに対し
て並列に第2の抵抗を接続し、ダイオードと第2のコン
デンサの接続点を定電圧ダイオードを介してスイッチン
グ素子の制御端子に接続する。
【0015】
【実施例】電源装置のコスト低減と信頼性の向上実現
できる本発明による絶縁型スイッチング電源の第1の実
施例の回路を図1に示した。なお図1において、図4で
示した構成要素と同じ構成要素には同一の符号を付与し
てある。図1において、入力端子1a、1b間に接続し
た主トランスT1の1次巻線n1とスイッチングトラン
ジスタQ1の直列回路、出力端子2a、2b間に接続し
た主トランスT1の2次巻線n2と整流ダイオードD1
の直列回路及び平滑コンデンサC2によってフライバッ
ク方式の絶縁型スイッチング電源が構成されている。
【0016】この絶縁型スイッチング電源に補助トラン
スT2を追加して設け、その補助トランスT2の入力巻
線n3を主トランスT1の2次巻線n2に対して並列に
接続する。補助トランスT2の出力巻線n4は、その一
端をスイッチングトランジスタQ1のエミッタと入力端
子1bの接続点に接続し、他端を抵抗R2とコンデンサ
C3の直列回路を介してスイッチングトランジスタQ1
のベースに接続する。補助トランスT2の出力巻線n4
の端子間に、出力巻線n4の抵抗R2側の一端をダイオ
ードD2のカソードに接続する形で、ダイオードD2と
コンデンサC4の直列回路を接続する。コンデンサC4
に対して抵抗R3を並列接続し、ダイオードD2とコン
デンサC4の接続点を、そのカソードがスイッチングト
ランジスタQ1のベースに接続された定電圧ダイオード
DZのアノードに接続する。
【0017】スイッチングトランジスタQ1のベースは
起動抵抗R1を介して入力端子1a(高電位側)に接続
する。ここで補助トランスT2の出力巻線n4の極性
は、主トランスT1の1次巻線n1に電流が流れた時、
2次巻線n2、入力巻線n3を介したエネルギー伝達に
より出力巻線n4に現れる電圧が、抵抗R2、コンデン
サC3を介してスイッチングトランジスタQ1のベー
ス、エミッタ間に順方向バイアスを与える方向とする。
【0018】このような構成とした場合、補助トランス
T2の出力巻線n4には主トランスT1の2次巻線n2
に現れる電圧と相関した電圧が発生する。そして出力巻
線n4は図4の回路における3次巻線n10と同様に機
能し、出力巻線n4に現れる電圧によってスイッチング
トランジスタQ1は自励発振を行う。また出力巻線n4
に現れた電圧はダイオードD2、コンデンサC4によっ
て整流平滑され、その結果、コンデンサC4の端子間に
出力電圧に相当する電圧信号が得られる。ここで、スイ
ッチングトランジスタQ1がオン状態の時、コンデンサ
C4の端子間電圧、定電圧ダイオードDZのツェナー電
圧及び出力巻線n4に現れる電圧との関係に応じて
電圧ダイオードDZに流れる電流とスイッチングトラン
ジスタQ1のベース電流が変化する。これによりスイッ
チングトランジスタQ1のオン期間が出力電圧に応じて
変化することになり、出力電圧が一定に制御される。
【0019】図1に示す本発明の回路の図4の従来の回
路と異なる点は、図4中の3次巻線(n10)を回路か
ら除き、出力電圧を得るための2次巻線n2(図4中で
はn9)に現れる電圧を、別個に設けた補助トランスT
2によって検出するようにしたことにある。このような
構成とした場合、主トランスT1の2次巻線n2と補助
トランスT2の出力巻線n4との間に、補助トランスT
2の入力巻線n3を介して等価的に存在すると見なされ
る結合度(k23)は、補助トランスT2の入力巻線n3
と出力巻線n4の間の結合度とほぼ同じになると考える
ことができる。一方、主トランスT1の1次巻線n1と
補助トランスT2の出力巻線n4との間の結合度
(k13)は、主トランスT1と補助トランスT2の磁路
が完全に独立していれば零となり、各結合度の関係は
(k13<<k23)となる。
【0020】従って補助トランスT2の出力巻線n4に
現れる電圧は、2次巻線n2に現れる電圧と補助トラン
スT2の巻数比から計算される値とほぼ同じとなる。こ
のことから、従来行われていたトランス毎に適切なツェ
ナー電圧を示す定電圧ダイオードを選定する作業が不要
となり、製造工数が減少し、コストを削減することが可
能となる。また主トランスT1の2次巻線n2に現れる
電圧の降下分の大きさに関係無く、2次巻線n2に実際
に現れる電圧に相当する電圧が補助トランスT2の出力
巻線n4に現れるため、負荷変動に対して出力電圧の安
定度を低下させることが無くなる。従って、簡単な構成
で高い出力安定度が得られ、電源装置の信頼性が向上す
る。
【0021】ここで、主トランスT1と補助トランスT
2については、個別のトランス部品を使用しても構わな
いが、原価コストの低減を考慮した時、以下のようにし
て主トランスT1、補助トランスT2を構成するのが望
ましい。すなわち、図2に示すように、3つの鍔4a、
4b、4cを有し、そのうちの中央鍔4cによって2つ
の巻線巻装部5a、5bが形成された、高透磁率磁性体
製のコア3を用意する。このコア3の巻線巻装部5aに
主トランスT1の各巻線n1、n2を巻回し、巻線巻装
部5bに補助トランスT2の各巻線n3、n4を巻回す
ることにより、1つのコアで2つのトランスを形成す
る。この時、各トランスT1、T2の巻線n1〜n4
は、中央鍔4cによって磁束の流れがそれぞれ独立した
ループを形成する。
【0022】このようにして主トランスT1、補助トラ
ンスT2を構成することにより、独立した2つのトラン
ス部品を使用する場合に比べ、トランスに要するコスト
を大幅に低減することができる。なお図2のようにして
構成した主トランスT1と補助トランスT2には多少の
磁気的な結合が有る。この図2に示すような構造のトラ
ンス部品では、コア3の形状や巻線状態にもよるが、仮
に鍔4a、4c、4bがほぼ同じ形状である場合、1次
巻線n1と2次巻線n2との間の結合度及び、入力巻線
n3と出力巻線n4との間の結合度がおよそ0.96で
あるのに対し、入力巻線n3を介在させない1次巻線n
1と出力巻線n4との間の結合度は0.50に近い値と
なる。しかし、前述した図1の回路の動作から分かるよ
うに、補助トランスT2は主トランスT1に従属した動
作を行うため、主トランスT1と補助トランスT2の磁
気的な結合による悪影響はほとんど無い。2次巻線n2
と出力巻線n4との間の等価的な結合度k23が1次巻線
n1と出力巻線n4との間の結合度k13よりも充分に大
きな値であれば、構造的に主トランスT1と補助トラン
スT2が磁気的に結合した状態、換言すると、1つのト
ランスとして見なせる状態であっても構わない。
【0023】1つのトランスで結合度k23を結合度k13
よりも充分に大きな値とするには、図3に示すような巻
線構造としても良い。すなわち、3つの鍔4a、4b、
4cを有し、そのうちの中央鍔4cによって2つの巻線
巻装部5a、5bが形成された、高透磁率のコア3を用
意する。このコア3の巻線巻装部5bに1次巻線(n
5)の一部の巻線n5−1、2次巻線n6、3次巻線
(検出巻線)n7を順次巻回し、1次巻線(n5)の残
余の巻線n5−2を巻線巻装部5aに巻回する。このよ
うな巻線構造とした場合、巻線n5−2によって生じる
磁束は、中央鍔4cから漏出して2次巻線n6、3次巻
線n7と鎖交しない独立したループを形成するため、巻
線n5−1と巻線n5−2を合わせた全体の1次巻線
(n5)と、3次巻線n7との間の結合度k13は必然的
に小さくなる。一方、2次巻線n6と3次巻線n7は同
じ巻線巻装部5bに巻線されているため、2次巻線n6
と3次巻線n7の結合度k23は高くなる。この図3に示
すような巻線構造のトランス部品においては、仮に、そ
れぞれの鍔4a、4b、4cの形状がほぼ同じコア3を
使用し、1次巻線n5−1と巻線n5−2の巻数比を
1:1とした場合、2次巻線n6と3次巻線n7との間
の結合度がおよそ0.96であるのに対し、全体の1次
巻線(n5)と3次巻線n7との間の結合度は0.50
前後の値となる。
【0024】このようにして結合度k23を結合度k13
りも充分に大きくすれば、3次巻線n7に現れる電圧
は、2次巻線n6に実際に現れる電圧と、2次巻線n6
と3次巻線n7の巻数比から計算される値とほぼ同じに
なる。なお、この図3に示すトランスを使用する時の回
路は、図4に示す従来のスイッチング電源の回路と同じ
となる。この時、図3のトランスの1次巻線全体(n
5)を図4の従来の電源回路の1次巻線n8として使用
し、図3の2次巻線n6を図4の2次巻線n9として使
用し、図3の3次巻線n7を図4の3次巻線n10とし
て使用する。この図3に示す巻線構造のトランスは、図
2に示す巻線構造のトランスに比べて1次巻線全体(n
5)と2次巻線n6との間の結合度も低下する不都合が
ある。このため、トランスの巻線構造は特に制限が無い
限り図2に示すものとするのが望ましい。
【0025】ちなみに、実際にトランス部品を製造する
に当たっては、どのように各巻線を緻密に巻回しても、
結合度はおよそ0.98位しか得られない。これに対
し、コアやボビン、巻線の巻数、巻線の巻回方式などの
構造的条件を同じにして、逆に各巻線を粗雑に巻回した
場合でも、およそ0.90位の結合度は容易に得ること
ができる。巻線を緻密に巻回した場合と粗雑に巻回した
場合の結合度の差は、意図的に構造的条件を変更しない
限り0.1も生じない。なお、自動化された工程におい
て実際に製造されたトランス部品の、製品毎に現れる結
合度のバラツキは、せいぜい0.03前後である。この
実際の製品の結合度を見て分かるように、本来、巻線間
の結合度はトランス毎に大きな差は生じるものでなく、
数字の上ではほぼ同じ値となる。しかし、この小数点以
下第2位の数字の僅かな差と各巻線の電気抵抗によって
生じる電圧降下との相乗効果により、製品毎の出力電圧
に誤差が生じ、また出力電圧の安定度が低下するという
不都合が生じるのである。従って、前記不都合を生じる
結合度の差を考慮すると、結合度k13と結合度k23の値
におよそ1.2倍以上の差が有れば、この技術分野にお
いては結合度k23は結合度k13より充分に大きな値であ
ると言うことができる。
【0026】なお、図1においては出力電圧に相当する
電圧信号を得るコンデンサC4に対して抵抗R3を並列
接続しているが、電源の仕様によっては抵抗R3は回路
から除かれる場合がある。また、図1の回路では補助ト
ランスT2の出力巻線n4に、自励発振のための帰還巻
線としての機能と定電圧制御のための検出巻線としての
機能を兼用させているが、主トランスT1に3次巻線を
さらに設け、この3次巻線を自励発振のための帰還巻線
とし、出力巻線n4は検出巻線専用として使用しても構
わない。本発明の説明には、自励発振/フライバック方
式の絶縁型スイッチング電源回路を使用したが、これに
限定されず、他励発振方式、フォワード方式など様々な
回路方式にも本発明は適用可能である。
【0027】
【発明の効果】以上に述べたように本発明は、絶縁型ス
イッチング電源において、フィードバック手段の検出巻
線と2次巻線との間の結合度k23を、検出巻線と1次巻
線との間の結合度k13よりも充分に大きな値となるよう
に、電源のトランスおよび回路を構成したものである。
なおこの技術分野においては、結合度k23が結合度k13
よりも1.2倍以上の値となっていれば、結合度k23
結合度k13よりも充分に大きな値であると言うことがで
きる。具体的には、絶縁型スイッチング電源を構成する
主トランスの他に補助トランスを設け、主トランスの2
次巻線に補助トランスの出力巻線を並列接続し、補助ト
ランスの出力巻線を検出巻線として用いる。あるいは、
各々の間での磁気的結合が低い複数の巻線巻装部に対
し、所定の巻線巻装部には1次巻線の一部、2次巻線、
3次巻線を巻回し、1次巻線の残余を他の巻線巻装部に
巻回してトランスを構成し、その3次巻線を検出巻線と
して用いるものである。
【0028】この構成により、検出巻線に現れる電圧は
2次巻線に実際に現れる電圧に正確に相関関係を示すよ
うになる。その結果、定電圧ダイオードの選定作業が不
要となり、製造工数の減少、量産体制確立の容易化が図
られる。これに加えて、その回路中にフォトカプラ等の
高価な部品を使用せずに済み、しかも回路構成が簡素で
あるため、電源装置の原価コスト、製造コストが共に低
減できる。また、検出巻線に現れる電圧は2次巻線に現
れる電圧の降下分の大きさに無関係であり、負荷変動に
対して出力電圧の安定度が低下しない。よって、簡素な
構成で高い出力安定度が得られるため、電源装置の信頼
性を向上できる。従って本発明によれば、安価で信頼性
の高い絶縁型スイッチング電源を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による絶縁型スイッチング電源の第1
の実施例の回路図。
【図2】 本発明による絶縁型スイッチング電源のトラ
ンス(主トランスと補助トランス)の第1の形成例。
【図3】 本発明による絶縁型スイッチング電源のトラ
ンスの第2の形成例。
【図4】 従来のフォトカプラが不要な絶縁型スイッチ
ング電源の一例の回路図。
【符号の説明】
1a、1b 入力端子 2a、2b 出力端子 3 コア 4a、4b 鍔 4c 中央鍔 5a、5b 巻線巻装部 Q1 スイッチングトランジスタ T1 主トランス T2 補助トランス C4 出力電圧に応じた電圧信号を得るためコン
デンサ DZ 定電圧ダイオード n1、n5 1次巻線 n2、n6 2次巻線 n3 入力巻線 n4 出力巻線 n7 3次巻線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主トランスの1次巻線に直列に接続した
    スイッチング素子をオン、オフさせることにより2次巻
    線に電圧を誘起し、該2次巻線に現れた電圧を整流平滑
    して直流出力を得る絶縁型のスイッチング電源におい
    て、 該2次巻線と磁気的に結合した巻線を定電圧制御用のフ
    ィードバック手段の検出巻線とし、該2次巻線と該検出
    巻線との間の結合度をk23、該1次巻線と該検出巻線と
    の間の結合度をk13とした場合、各結合度の関係を(k
    13<<k23)とすることを特徴とする絶縁型スイッチン
    グ電源。
  2. 【請求項2】 前記検出巻線は、前記2次巻線に電気的
    に並列接続された状態にある補助の巻線と直接、磁気的
    に結合した構造となっており、これにより該検出巻線と
    該2次巻線は該補助の巻線を介して磁気的に結合されて
    いることを特徴とする、請求項1に記載した絶縁型スイ
    ッチング電源。
  3. 【請求項3】 主トランスの1次巻線に直列に接続した
    スイッチング素子をオン、オフさせることにより2次巻
    線に電圧を誘起し、該2次巻線に現れた電圧を整流平滑
    して直流出力を得る絶縁型のスイッチング電源におい
    て、 主トランスの該2次巻線に入力巻線を並列に接続した補
    助トランスを設け、該補助トランスの出力巻線に現れる
    電圧を整流平滑することにより直流電圧信号を得て、該
    直流電圧信号を前記スイッチング素子のオンデューティ
    制御のための帰還信号として使用することを特徴とする
    絶縁型スイッチング電源。
  4. 【請求項4】 前記補助トランスの出力巻線に現れる電
    圧を自励発振のための発振信号として使用することを特
    徴とする、請求項3に記載した絶縁型スイッチング電
    源。
  5. 【請求項5】 前記主トランスと前記補助トランスは、
    少なくとも第1と第2の巻線巻装部を有する1つのコア
    に、それぞれ、主トランスの1次巻線と2次巻線を第1
    の巻線巻装部に巻回し、補助トランスの入力巻線と出力
    巻線を第2の巻線巻装部に巻回して形成することを特徴
    とする、請求項3あるいは請求項4に記載した絶縁型ス
    イッチング電源。
  6. 【請求項6】 トランスの1次巻線に直列に接続したス
    イッチング素子をオン、オフさせることにより2次巻線
    に電圧を誘起し、該2次巻線に現れた電圧を整流平滑し
    て直流出力を得る絶縁型のスイッチング電源において、 複数の巻線巻装部を有し、該巻線巻装部の境界には各巻
    線巻装部間の磁気的結合を断つような磁路が形成された
    コアを使用し、該コアの所定の巻線巻装部には前記1次
    巻線の一部、該2次巻線、及び3次巻線を巻回し、該コ
    アの他の巻線巻装部には前記1次巻線の残余を巻回した
    トランスを具備し、 該3次巻線に現れる電圧を整流平滑することにより直流
    電圧信号を得て、該直流電圧信号を前記スイッチング素
    子のオンデューティ制御のための帰還信号として使用す
    ることを特徴とする絶縁型スイッチング電源。
  7. 【請求項7】 前記2次巻線と前記3次巻線との結合度
    を前記1次巻線全体と該3次巻線との結合度よりも充分
    に大きくすることを特徴とする、請求項6に記載した絶
    縁型スイッチング電源。
JP9094597A 1996-04-05 1997-03-28 絶縁型スイッチング電源 Pending JPH1052043A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016515764A (ja) * 2013-03-29 2016-05-30 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. マルチプル誘導素子

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JP2016515764A (ja) * 2013-03-29 2016-05-30 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. マルチプル誘導素子

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