【発明の詳細な説明】
新規化合物
本発明は、イミダゾール化合物の新規グループ、その製造方法、サイトカイン
により媒介される疾病の治療におけるその使用、およびかかる使用において使用
する医薬組成物に関する。
発明の背景
インターロイキン−1(IL−1)および腫瘍壊死因子(TNF)は、単球ま
たはマクロファージのごとき種々の細胞により産生される生物学的物質である。
IL−1は、炎症のごとき免疫調節および他の生理学的状態において重要である
と考えられる種々の生物学的活性を媒介することが示されている[例えば、Dina
rello et al.,Rev.Infect.Disease,6,51(1984)参照]]。IL−1の知られてい
る無数の生物学的活性は、Tヘルパー細胞の活性化、発熱の誘導、プロスタグラ
ンジンまたはコラゲナーゼ産生の刺激、好中球化学走性、急性フェーズ蛋白の誘
導および血漿鉄レベルの抑制を包含する。
過剰または調節されないIL−1産生が疾病の悪化および/または発生に関与
している多くの疾病状態がある。これらはリューマチ性関節炎、骨関節炎、内毒
素血症および/またはトキシンショック症候群、内毒素により誘導される炎症性
反応のごとき他の急性もしくは慢性の炎症性疾病状態または炎症性腸疾患;結核
、アテローム性動脈硬化、筋肉変性、悪液質、乾癬性関節炎、ライター症候群、
リューマチ性関節炎、痛風、外傷性関節炎、風疹性関節炎、および急性滑膜炎を
包含する。最近の証拠はIL−1活性を糖尿病および膵臓ベータ細胞に関連づけ
るものでもある。
Dinarello,J.Clinical Immunology,5(5),287-297(1985)には、IL−1による
とされる生物学的活性が概説されている。これらの効果のいくつかは、他の人に
よってIL−1の間接的効果であると説明されている。過剰または調節されない
TNF産生は、リューマチ性関節炎、リューマチ性脊髄炎、骨関節炎、痛風性関
節炎および他の関節の症状;敗血症、敗血性ショック、内毒素ショック、グラム
陰性敗血症、トキシンショック症候群、成人呼吸困難症候群、脳マラリア、慢性
の肺の炎症性疾患、珪肺、肺サルコイドーシス、骨吸収疾患、再灌流障害、対宿
主移植片反応、同種移植片拒絶反応、インフルエンザのごとき感染による発熱お
よび筋肉痛、感染または悪性疾患に続く悪液質、後天性免疫不全症候群(AID
S)に続く悪液質、AIDS、ARC(AIDS関連合併症)、ケロイド形成、
瘢痕組織形成、クローン病、潰瘍性大腸炎、またはパイレシスを包含する多くの
疾病の媒介または悪化に関与している。
AIDSは、Tリンパ球のヒト・免疫不全ウイルス(HIV)への感染により
生じる。少なくとも3つのタイプまたは株のHIVが同定されており、すなわち
、HIV−1、HIV−2およびHIV−3である。HIV感染の結果として、
T細胞により媒介される免疫が付与され、感染個体は重症の日和見感染および/
または通常でない新生物を呈する。HIVのTリンパ球中への侵入はTリンパ球
の活性化を必要とする。HIV−1、HIV−2のごとき他のウイルスは、T細
胞活性化後にTリンパ球に感染し、かかるウイルス蛋白の発現および/または複
製はかかるT細胞活性化により媒介または維持される。活性化されたT細胞がい
ったんHIVに感染すると、Tリンパ球は、HIV遺伝子発現および/またはH
IV複製を可能にするために活性化状態に維持されなくてはならない。モノカイ
ン、詳細にはTNFは、Tリンパ球活性化における役割を果たすことによって、
活性化T細胞により媒介されるHIV蛋白発現および/またはウイルス複製に必
要とされる。それゆえ、例えば、HIV感染個体におけるモノカイン、すなわち
TNF産生の阻害によるモノカイン活性の妨害は、明らかにT細胞活性化の維持
の制限を助け、そのことにより以前未感染であった細胞に対するHIV感染の進
行を抑制し、HIV感染により引き起こされる免疫不全の進行を遅延または除去
することとなる。単球、マクロファージならびにクッパー細胞およびグリア細胞
のごとき関連細胞もHIV感染の維持に関与している。T細胞と同様、これらの
細胞はウイルス複製を標的とし、ウイルス複製レベルはそれらの細胞の活性化状
態に依存する[Rosenberg et al.,The Immunopathogenesis of HIV Infection,A
dvances in Immunology,Vol.57,(1989)参照]。TNFのごときモノカインは、
単球および/またはマクロファージにおけるHIV複製を活性化することが示さ
れており[Poli,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,87:782-784(1990)参照]、それゆ
え、モノカイン産生または活性の阻害は、T細胞について上述のHIV進行の制
限を助ける。
上で述べたのと同様の理由により、TNFは、種々の役割ならびにサイトメガ
リアウイルス(CMV)、インフルエンザウイルスおよびヘルペスウイルスのご
とき他のウイルスの感染にも関与している。
インターロイキン−8(IL−8)は1987年に初めて同定され特徴づけら
れた化学走性因子である。IL−8は、単核細胞、線維芽細胞、内皮細胞および
ケラチノサイトを包含するいくつかの細胞タイプにより産生される。内皮細胞か
らの産生は、IL−1、TNFまたはリポポリサッカライド(LPS)により誘
導される。ヒト・IL−8は、マウス、モルモット、ラットおよびウサギの好中
球に作用することが示されている。好中球誘引/活性化蛋白−1(NAP−1)
、単球由来の好中球化学走性因子(MDNCF)、好中球活性化因子(NAF)
およびTリンパ球化学走性因子のごとき多くの異なる名称がIL−8に付けられ
ている。
IL−8はインビトロで多くの機能を刺激する。IL−8は、好中球、Tリン
パ球および好塩基球に対する化学誘引特性を有することが示されている。さらに
、IL−8は、正常およびアトピー性個体の両方の好塩基球からのヒスタミン放
出ならびにライソゾーム酵素の放出および好中球からの呼吸性バーストを誘導す
る。IL−8は、デノボ蛋白合成を行うことなく好中球上へのMac−1(CD
11b/CD18)の表面発現を増加させることも示されており、このことは、
血管内皮細胞への好中球付着の促進に貢献しうる。多くの疾病は、大量の好中球
浸潤により特徴づけられる。増加したIL−8産生(炎症部位中への好中球の化
学走性の原因である)に関連した症状は、IL−8産生を抑制する化合物によっ
て恩恵を受けるであろう。
IL−1およびTNFは広範な細胞および組織に影響し、これらのサイトカイ
ンならびに他の白血球由来のサイトカインは、多種多様な疾病の状態および症状
の重要かつ決定的な炎症メディエイタである。これらのサイトカインの抑制は、
これらの疾病状態の多くのものを制御、縮小および改善することにおいて有益で
ある。
この分野において、治療に対する必要性があり、サイトカイン抑制的抗炎症剤
である化合物、すなわちIL−1、IL−6、IL−8およびTNFのごときサ
イトカインを抑制しうる化合物に対する必要性がある。
発明の概要
本発明は、式(I)の新規化合物ならびに式(I)の化合物および医薬上許容
される希釈剤または担体を含んでなる医薬組成物に関する。
また本発明は、サイトカインの抑制およびサイトカインにより媒介される疾病
の治療が必要な哺乳動物におけるサイトカインの抑制方法およびサイトカインに
より媒介される疾病の治療方法であって、該哺乳動物に有効量の式(I)の化合
物を投与することを特徴とする方法に関する。
より詳細には、本発明は、IL−1産生を抑制する必要のある哺乳動物におけ
るIL−1産生の抑制方法であって、該哺乳動物に有効量の式(I)の化合物を
投与することを特徴とする方法に関する。
より詳細には、本発明は、IL−8産生を抑制する必要のある哺乳動物におけ
るIL−8産生の抑制方法であって、該哺乳動物に有効量の式(I)の化合物を
投与することを特徴とする方法に関する。
より詳細には、本発明は、TNF産生を抑制する必要のある哺乳動物における
TNF産生の抑制方法であって、該哺乳動物に有効量の式(I)の化合物を投与
することを特徴とする方法に関する。
したがって、本発明は、式:
[式中、R1は4−ピリジル、ピリミジニル、キノリル、イソキノリニル、キナ
ゾリン−4−イル、1−イミダゾリルまたは1−ベンズイミダゾリルであり、環
は1個または2個の置換基で置換されていてもよく、各置換基はC1 〜4アルキル
、ハロゲン、ヒドロキシル、C1 〜4アルコキシ、C1 〜4アルキルチオ、C1 〜4ア
ルキルスルフィニル、CH2OR12、アミノ、モノおよびジ−C1 〜6アルキル置
換アミノ、N(R10)C(O)RcまたはN−ヘテロサイクリル環から独立して選択
され、N−ヘテロサイクリル環は5ないし7員であり、酸素、イオウまたはNR15
からなるさら選択される異種原子を含んでいてもよく;
R4は、1個または2個の置換基により置換されていてもよいフェニル、ナフ
ト−1−イルまたはナフト−2−イルまたはヘテロアリールであり、各置換基は
独立して選択され、4−フェニル、4−ナフト−1−イル、5−ナフト−2−イ
ルまたは6−ナフト−2−イル置換基についてはハロゲン、シアノ、ニトロ、−
C(Z)NR7R17、−C(Z)OR16、−(CR10R20)vCOR12、−SR5、−S
OR5、−OR12、ハロ−置換−C1 〜4アルキル、C1 〜4アルキル、−ZC(Z)
R12、−NR10C(Z)R16または−(CR10R20)vNR10R20であり、他の置換
位置についてはハロゲン、シアノ、−C(Z)NR13R14、−C(Z)OR3、−(C
R10R20)m''COR3、−S(O)mR3、−OR3、ハロ−置換−C1 〜4アルキル、
−C1 〜4アルキル、−(CR10R20)m''NR10C(Z)R3、−NR10S(O)m'R8
、−NR10S(O)m'NR7R17、−ZC(Z)R3または−(CR10R20)m''NR13
R14であり;
vは0または1もしくは2の値を有する整数;
mは0または1もしくは2の値を有する整数;
m'は1または2の値を有する整数;
m''は0または1ないし5の値を有する整数;
Rcは水素、C1 〜6アルキル、C3 〜7シクロアルキル、アリール、アリールC1 〜4
アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1 〜4アルキル、ヘテロサイク
リルまたはヘテロサイクリルC1 〜4アルキルC1 〜4アルキルであり;
R2は置換されていてもよいC3 〜7シクロアルキルまたはC3 〜7シクロアルキ
ルC1 〜10アルキルであり;
R3はヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルC1 〜10アルキルまたはR8であり
;
R5は水素、C1 〜4アルキル、C2 〜4アルケニル、C2 〜4アルキニルまたはN
R7R17であるが、−SNR7R17である−SR5および−SOHである−SOR5
は除くものとし;
R7およびR17は、水素またはC1 〜4アルキルからそれぞれ独立して選択され
るか、あるいはR7およびR17はそれらが結合している窒素と一緒になって5な
いし7員の複素環を形成し、環は酸素、イオウまたはNR15から選択されるさら
なる異種原子を含んでいてもよく;
R8はC1 〜10アルキル、ハロ−置換C1 〜10アルキル、C2 〜10アルケニル、C2 〜10
アルキニル、C3 〜7シクロアルキル、C5 〜7シクロアルケニル、アリール
、アリールC1 〜10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1 〜10アルキル
、(CR10R20)nOR11、(CR10R20)nS(O)mR18、(CR10R20)nNHS(O)2
R18、(CR10R20)nNR13R14であり、ここにアリール、アリールアルキル、
ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルは置換されていてもよく;
nは1ないし10の値を有する整数;
R9は水素、−C(Z)R11または置換されていてもよいC1 〜10アルキル、S(
O)2R18、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいアリール
−C1 〜4アルキルであり;
R10およびR20は水素またはC1 〜4アルキルからそれぞれ独立して選択され;
R11は水素またはR18であり;
R12は水素またはR16であり;
R13およびR14は水素または置換されていてもよいC1 〜4アルキル、置換され
ていてもよいアリールまたは置換されていてもよいアリール−C1 〜4アルキルか
らそれぞれ独立して選択されるか、あるいはそれらが結合している窒素と一緒に
なって5ないし7員の複素環を形成し、環は酸素、イオウまたはNR9から選択
されるさらなる異種原子を含んでいてもよく;
R15は水素、C1 〜4アルキルまたはC(Z)−C1 〜4アルキルであり;
R16はC1 〜4アルキル、ハロ−置換−C1 〜4アルキル、またはC3 〜7シクロア
ルキルであり;
R18はC1 〜10アルキル、C3 〜7シクロアルキル、ヘテロサイクリル、アリー
ル、アリールC1 〜10アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル−C1 〜10
アルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルを意味する]で示され
る化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
発明の詳細な説明
式(I)の新規化合物を、サイトカインの阻害または産生の阻害を必要とする
ヒト以外の哺乳動物の獣医学的治療に関連して使用してもよい。詳細には、動物
において治療的または予防的に処置されるサイトカインにより媒介される疾病は
、本明細書の治療方法に記載のごとき疾病状態、詳細にはウイルス感染を包含す
る。かかるウイルスの例は、ウマ・伝染性貧血ウイルス、ヤギ・関節炎ウイルス
、ビスナウイルスまたはメディウイルスのごときレンチウイルス感染あるいはネ
コ・免疫不全ウイルス(FIV)、ウシ・免疫不全ウイルスまたはイヌ・免疫不
全ウイルスのごときレトロウイルス感染あるいは他のウイルス感染を包含するが
、これらに限らない。
式(I)において、適当なR1部分は4−ピリジル、4−ピリミジニル、4−
キノリル、6−イソキノリニル、4−キナゾリニル、1−イミダゾリルおよび1
−ベンズイミダゾリルを包含し、それらのうち、4−ピリジル、4−ピリミジニ
ルおよび4−キノリルが好ましい。置換されていてもよい4−ピリミジニルまた
は置換されていてもよい4−ピリジル部分がより好ましく、置換されていてもよ
い4−ピリミジニル環が最も好ましい。
R1ヘテロアリール環に適する置換基はC1 〜4アルキル、ハロ、OH、C1 〜4
アルコキシ、C1 〜4アルキルチオ、C1 〜4アルキルスルフィニル、CH2OR12
、アミノ、モノおよびジ−C1 〜6アルキル置換アミノ、N(R10)C(O)Rc、ま
たはN−ヘテロサイクリル環(環は5ないし7員であり、酸素、イオウまたはN
R15から選択されるさらなる異種原子を含んでいてもよい)である。すべてのR1
部分に好ましい置換基はC1 〜4アルキル、詳細にはメチル、アミノならびにモ
ノ−およびジ−C1 〜6アルキル置換アミノであり、好ましくはアミノ基は一置換
されており、より好ましくはメチルで置換されている。モノ−およびジ−C1 〜6
アルキル置換部分におけるアルキル基は、トリフルオロのようにハロ置換されて
いてもよく、すなわち、トリフルオロメチルまたはトリフルオロエチルであって
もよい。
R1について存在してもよい置換基がN(R10)C(O)Rcである場合、Rcは水
素、C1 〜6アルキル、C3 〜7シクロアルキル、アリール、アリールC1 〜4アルキ
ル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1 〜4アルキル、ヘテロサイクリルまたは
ヘテロサイクリルC1 〜4アルキルC1 〜4アルキルであり、好ましくはRcはC1 〜 6
アルキルであり;好ましくはR10は水素である。Rc部分、詳細にはC1 〜6アル
キル基が、好ましくはトリフルオロメチルまたはトリフルオロエチルのようにフ
ッ素のごときハロゲンで1ないし3カ所で置換されていてもよいことも認識され
る。
好ましくは、R1にとり好ましい置換基はアミノまたはモノC1 〜6アルキル置
換された部分である。4−ピリジル誘導体上のR1置換基の環に対する好ましい
位置は2−位であり、例えば2−メチル−4−ピリジルである。4−ピリミジニ
ル環上の好ましい環置換位置も2−位であり、例えば2−メチル−ピリミジニル
、2−アミノピリミジニルまたは2−メチルアミノピリミジニルである。
適当には、R4は、1個または2個の置換基で置換されていてもよいフェニル
、ナフト−1−イルまたはナフト−2−イルあるいはヘテロアリールである。よ
り好ましくは、R4はフェニルまたはナフチル環である。R4が4−フェニル、4
−ナフト−1−イル、5−ナフト−2−イルまたは6−ナフト−2−イル部分で
ある場合、R4につき好ましい置換基は1個または2個の置換基であり、それぞ
れ
は独立してハロゲン、−SR5、−SOR5、−OR12、CF3または−(CR10R20
)vNR10R20から選択され、これらの環の他の置換位置にとり好ましい置換基
はハロゲン、−S(O)mR3、−OR3、CF3、−(CR10R20)m''NR13R14、
−NR10C(Z)R3および−NR10S(O)m'R8である。フェニルおよびナフト−
1−イルの4−位ならびにナフト−2−イルの5−位について好ましい置換基は
、ハロゲン、特にフルオロおよびクロロおよび−SR5および−SOR5を包含し
(ここにR5は好ましくはC1 〜2アルキル、より好ましくはメチル)、そのうち
フルオロおよびクロロがより好ましく、最も詳細にはフルオロが好ましい。フェ
ニルおよびナフト−1−イルの3−位につき好ましい置換基は下記のものを包含
する:ハロゲン、詳細にはフルオロおよびクロロ;−OR3、詳細にはC1 〜4アル
コキシ;CF3、アミノのごときNR10R20;−NR10C(Z)R3、詳細には−N
HCO(C1 〜10アルキル);−NR10S(O)m'R8、詳細には−NHSO2(C1 〜1 0
アルキル)、ならびに−SR3および−SOR3(ここにR3は好ましくはC1 〜2
アルキル、より詳細にはメチル)。フェニル環が二置換されている場合には、好
ましくは2個の独立したハロゲン部分、例えばフルオロおよびクロロ、好ましく
はジクロロであり、より好ましくはそれらは3,4−位にある。−OR3および−
ZC(Z)R3の両部分の3−位についてはR3が水素を包含することも好ましい。
好ましくは、R4部分は未置換または置換フェニル部分である。より好ましく
は、R4はフェニルであるかあるいは4−位がフルオロで置換されたフェニルお
よび/または3−位がフルオロ、クロロ、C1 〜4アルコキシ、メタン−スルホン
アミドまたはアセトアミドで置換されたフェニルであり、あるいはまたR4は、
3,4−位が独立してクロロまたはフルオロで、より好ましくはクロロで二置換
されたフェニルである。最も好ましくは、R4は4−フルオロフェニルである。
式(I)において、適当にはZは酸素である。
適当には、R2は置換されていてもよいC3 〜7シクロアルキルまたは置換され
ていてもよいC3 〜7シクロアルキルC1 〜10アルキルである。好ましくはR2はC3 〜7
シクロアルキルであり、そのシクロアルキル基は好ましくはC4 〜7環、より
好ましくはC4環またはC6環、最も好ましくはC6環であり、環は置換されてい
てもよい。
C3 〜7シクロアルキル環は独立して下記のものにより1カ所ないし3カ所にお
いて置換されていてもよい:フッ素、塩素、臭素またはヨウ素のごときハロゲン
;ヒドロキシ;メトキシまたはエトキシのごときC1 〜10アルコキシ;メチルチ
オ、メチルスルフィニルまたはメチルスルホニルのごときmが0、1または2の
S(O)mアルキル;S(O)mアリール;シアノ;ニトロ;NR7R17基のごときア
ミノ、モノおよびジ−置換アミノ(ここにR7およびR17は式(I)の定義に同
じであるか、あるいはR7R17はそれらが結合している窒素と一緒になって環化
して、酸素、イオウまたはNR15から選択されるさらなる異種原子を含んでいて
もよい5ないし7員環を形成する(R15は式(I)の定義に同じ));N(R10)
C(O)X1(ここにR10は式(I)の定義に同じであり、X1はC1 〜4アルキル、
アリールまたはアリールC1 〜4アルキル);N(R10)C(O)アリール;メチル、
エチル、プロピル、イソプロピルまたはt−ブチルのごときC1 〜10アルキル;
置換されていてもよいアルキル(置換基はハロゲン(CF3のごとき)、ヒドロ
キシ、ニトロ、シアノ、アミノ、モノおよびジ−置換アミノ(NR7R17基のご
とき)、S(O)mアルキルおよびS(O)mアリール(ここにmは0、1または2)
);エチレンまたはプロピレンのごとき置換されていてもよいC1 〜10アルキレ
ン;アセチレン(エチニル)または1−プロピニルのごとき置換されていてもよ
いC1 〜10アルキン;遊離酸またはメチルエステル誘導体のごときC(O)OR11(
ここにR11は式(I)の定義に同じ);基Ra;−C(O)H;=O;=N−OR1 1
;−N(H)−OH(または窒素もしくはオキシム部分において置換されている
そのアルキルまたはアリール誘導体);−N(ORb)−C(O)−R6;オキシラン
;フェニルのごとき置換されていてもよいアリール;ベンジルまたはフェネチル
のごとき置換されていてもよいアリールC1 〜4アルキル;置換されていてもよい
複素環またはヘテロサイクリックC1 〜4アルキル(さらにこれらのアリール、ア
リールアルキル、ヘテロサイクリックおよびヘテロサイクリックアルキル部分は
、ハロゲン、ヒドロキシ、C1 〜10アルコキ
シ、S(O)mアルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、NR7R17のごときモノおよび
二置換アミノ、アルキル、ハロ置換アルキルにより1カ所または2カ所において
置換されていてもよい)。
適当には、Raは式−O−(CH2)s−O−で示される1,3−ジオキシアルキレ
ン基であり、ここにsは1ないし3、好ましくはsは2であり、sが2の場合に
は1,3−ジオキシエチレン部分である。
適当には、Rbは水素、医薬上許容されるカチオン、アロイルまたはC1 〜10ア
ルカノイル基である。
適当には、R6はNR19R21;アルキル1 〜6;ハロ置換アルキル1 〜6;ヒドロ
キシ置換アルキル1 〜6;アルケニル2 〜6;ハロゲン、アルキル1 〜6、ハロ置換ア
ルキル1 〜6、ヒドロキシルもしくはアルコキシ1 〜6により置換されていてもよい
アリールまたはヘテロアリールである。
適当には、R19はHまたはアルキル1 〜6である。
適当にはR21はH、アルキル1 〜6、アリール、ベンジル、アルキル(ヘテロア
リール、ハロゲンもしくはヒドロキシルにより置換されている)、またはフェニ
ル(ハロ、シアノ、アルキル1 〜12、アルコキシ1 〜6、ハロ置換アルキル1 〜6、
アルキルチオ、アルキルスルホニルまたはアルキルスルフィニルからなる群より
選択されるメンバーにより置換されている)であるか;あるいはR19およびR21
はそれらが結合している窒素と一緒になって5ないし7員環を形成し、そのメン
バーは酸素、イオウまたは窒素から選択される異種原子で置き換えられていても
よい。環は飽和していてもよく、あるいは1個よりも多い不飽和結合を有してい
てもよい。好ましくはR6はNR19R21であり、R19およびR21は好ましくは水
素である。
R2部分がNR7R17基またはNR7R17C1 〜10アルキル基により置換され、R7
およびR17が式(I)で定義されたものである場合、好ましくは、該置換基は
アミノ、アミノアルキルまたは置換されていてもよいピロリジニル部分である。
詳細には、シクロヘキシル環上の好ましい環置換は、環がC6環である場合に
は4−位である。
シクロヘキシル環が二置換されている場合、好ましくは、例えば:
[式中、R1'およびR2'は独立して存在してもよい置換基であり、すでにR2に
ついて示されたものである]のように4−位において二置換されている。好まし
くは、R1'およびR2'は水素、ヒドロキシ、アルキル、置換アルキル、置換され
ていてもよいアルキニル、アリール、アリールアルキル、NR7R17、およびN(
R10)C(O)R11である。適当には、アルキルはメチル、エチルまたはイソプロ
ピルのごときC1 〜4アルキル;アミノ、メチルアミノ、アミノメチル、アミノエ
チルのごときNR7R17およびNR7R17アルキル;シアノメチル、シアノエチル
、ニトロエチル、ピロリジニルのごとき置換アルキル;プロピニルまたはエチニ
ルのごとき置換されていてもよいアルキニル;ベンジルのごときアリールアルキ
ルであるか;あるいはR1'およびR2'は一緒になってケト官能基となる。
本明細書の用語「置換されていてもよい」は、特記しないかぎり、フッ素、塩
素、臭素またはヨウ素のごときハロゲン;ヒドロキシ;ヒドロキシ置換C1 〜10
アルキル;メトキシまたはエトキシのごときC1 〜10アルコキシ;メチルチオ、
メチルスルフィニルまたはメチルスルホニルのごときmが0、1または2である
S(O)mアルキル;NR7R17基のごときアミノ、一置換および二置換アミノ(あ
るいはR7R17はそれらは結合している窒素と一緒になって環化して5ないし7
員環を形成し、環はO/N/Sから選択されるさらなる異種原子を含んでいても
よい);メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル等またはシクロ
プロピルメチルのごときC1 〜10アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキ
ルアルキル基;CF3のごときハロ置換C1 〜10アルキル;フェニルまたは置換さ
れていてもよいアリールアルキル(例えばベンジルまたはフェネチル)のごとき
置換されていてもよいアリール(ここに、これらのアリール部分は、ハロゲン;
ヒ
ドロキシ;ヒドロキシ置換アルキル;C1 〜10アルコキシ;S(O)mアルキル;N
R7R17基のごときアミノ、モノおよびジ−置換アミノ;アルキルまたはCF3に
より1カ所または2カ所において置換されていてもよい)のごとき基を意味する
。
式(I)の好ましい亜族において、R1は4−ピリジル、2−アルキル−4−
ピリジル、4−ピリミジニル、2−アミノ−4−ピリミジニルまたは2−メチル
アミノ−4−ピリミジニルであり;R2は置換されていてもよいC4またはC6シ
クロアルキルあり、R4はフェニルまたは置換されていてもよいフェニルである
。より好ましい亜族において、R4はフェニルあるいはフルオロ、クロロ、C1 〜 4
アルコキシ、−S(O)mアルキル、メタンスルホンアミドまたはアセトアミドに
より1カ所または2カ所で置換されていてもよいフェニルであり;R2はシクロ
ヘキシル(メチル、フェニル、アミノ、アセトアミド、アミノメチル、アミノエ
チル、シアノメチル、シアノエチル、ヒドロキシ、ニトロエチル、ピロリジニル
、エチニル、1−プロピニル、=O、O−(CH2)2O−、=NOR11により置換
されている)であり(ここに、R11は水素、アルキルまたはアリール)、NHO
HまたはN(OH)−C(O)−NH2であり、R1はアミノまたはメチルアミノによ
り置換されていてもよい4−ピリミジニル部分であるか;あるいはR1はメチル
により置換されていてもよい4−ピリジルである。
適当な医薬上許容される塩は当業者によく知られており、塩酸、臭化水素酸、
硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸
、クエン酸、乳酸、蓚酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸、サリチ
ル酸、フェニル酢酸およびマンデリン酸のごとき無機酸または有機酸の塩基性塩
を包含する。さらに、例えば、置換基がカルボキシ部分を含む場合には、式(I
)の化合物の医薬上許容される塩を医薬上許容されるカチオンから得ることもで
きる。適当な医薬上許容されるカチオンは当業者によく知られており、アルカリ
金属、アルカリ土類金属および4級アンモニウムカチオンを包含する。
本明細書の用語の意味は以下のごとし:
・「ハロ」または「ハロゲン」は以下のハロゲンを包含する:クロロ、フルオロ
、
ブロモおよびヨード。
・「C1 〜10アルキル」または「アルキル」−鎖長について特記しないかぎり、
ともに1個ないし10個の炭素原子の直鎖および分枝鎖基であり、メチル、エチ
ル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、ter
t−ブチル、n−ペンチル等を包含するが、これらに限らない。
・本明細書の用語「シクロアルキル」は、好ましくは3ないし8個の炭素の環状
基を意味し、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を包含するが
、これらに限らない。
・本明細書の用語「シクロアルケニル」は、好ましくは5個ないし8個の炭素の
環状基であって、少なくとも1個の結合を有する環状基を意味し、シクロペンテ
ニル、シクロヘキセニル等を包含するが、これらに限らない。
・本明細書の用語「アルケニル」は、すべての場合において、鎖長について特記
しないかぎり、2〜10個の炭素原子の直鎖または分枝鎖基を意味し、エテニル
、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロピル、1−ブテニル
、2−ブテニル等を包含するが、これらに限らない。
・「アリール」−フェニルおよびナフチル;
・「ヘテロアリール」(それ自体、または「ヘテロアリールオキシ」もしくは「
ヘテロアリールアルキル」のごとき何らかの組み合わせにおいて)−5〜10員
の芳香族環であり、その中で1個またはそれ以上の環がN、OまたはSからなる
群より選択される1個またはそれ以上の異種原子を含むものであり、例えば、ピ
ロール、ピラゾール、フラン、チオフェン、キノリン、イソキノリン、キナゾリ
ニル、ピリジン、ピリミジン、オキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、ト
リアゾール、イミダゾールまたはベンズイミダゾールを包含するが、これらに限
らない。
・「ヘテロサイクリック」(それ自体、または「ヘテロサイクリルアルキル」の
ごとき何らかの組み合わせにおいて)−飽和または部分的に不飽和の4〜10員
の環システムであり、その中で1個またはそれ以上の環がN、OまたはSからな
る群より選択される1個またはそれ以上の異種原子を含むものであり、ピロリジ
ンンピペリジン、ピペラジン、モルホリン、テトラヒドロピランまたはイミダゾ
リジンを包含するが、これらに限らない。
・本明細書の用語「アラルキル」または「ヘテロアリールアルキル」または「ヘ
テロサイクリックアルキル」は、特記しない限り、本明細書定義のアリール、ヘ
テロアリールまたはヘテロサイクリック部分に結合した上記定義のC1 〜4アルキ
ルを意味する。
・「スルフィニル」−対応スルフィドのオキシドS(O)、用語「チオ」はそのス
ルフィドをいい、用語「スルホニル」は完全に酸化されたS(O)2部分をいう。
・「アロイル」−C(O)Ar、ここにArは上記定義のごときフェニル、ナフチ
ル、またはアリールアルキル誘導体であり、かかる基はベンジルおよびフェネチ
ルを包含するが、これらに限らない。
・「アルカノイル」−C(O)C1 〜10アルキル、ここにアルキルは上記定義に同
じ。
本発明化合物は1個またはそれ以上の不斉炭素原子を含み、ラセミ体および光
学活性形態で存在しうることが理解される。これらの化合物すべてが本発明の範
囲内である。
典型的な式(I)の化合物は:
5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1
−(4−(1,3−ジオキシシクロペンチル)シクロヘキシル)イミダゾール;
5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1
−(4−ケトシクロヘキシル)イミダゾール;
5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1
−(4−シクロヘキシルオキシム)イミダゾール;
5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1
−(4−シクロヘキシルヒドロキシルアミン)イミダゾール;
5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1
−(trans−4−ヒドロキシウレア)イミダゾール;
5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1
−(cis−4−ヒドロキシウレア)イミダゾール;
5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1
−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ケトシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(trans−4−ヒドロキシシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−[4−(cis−ピロリジニル)シクロヘキシル]イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−[4−(trans−1−ピロリジニル)シクロヘキシル]イミダゾ
ール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−エチニル−4−ヒドロキシシクロヘキシル)イミダゾール
;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−(1−プロピニル)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)イ
ミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−アミノ−4−メチルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−アセトアミド−4−メチルシクロヘキシル)イミダゾール
;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−オキシラニルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−シアノメチル−4−ヒドロキシシクロヘキシル)イミダゾ
ー
ル;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)イミ
ダゾール;
5−[4−(2−アミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−
1−[4−ヒドロキシ−4−(1−プロピニル)シクロヘキシル]イミダゾール;
5−[4−(2−アミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−
1−(4−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)イミダゾール
を包含する。
式(I)の範囲内のさらなる化合物は:
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−イソプロピルシクロヘキシル)イミダゾ
ール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−フェニルシクロヘキシル)イミダゾール
;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−ベンジルシクロヘキシル)イミダゾール
;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−シアノメチルシクロヘキシル)イミダゾ
ール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−(2−シアノエチル)シクロヘキシル)
イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−(2−アミノエチル)シクロヘキシル)
イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−(2−ニトロエチル)シクロヘキシル)
イ
ミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシメチル−4−アミノシクロヘキシル)イミダゾ
ール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−アミノシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−アミノシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−チオメチルシクロヘキシル)イミダゾー
ル;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)イミ
ダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−アミノエチルシクロヘキシル)イミダゾ
ール;
5−[4−(2−アミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−
1−(4−アミノ−4−メチルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−アミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−
1−(4−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−アミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−
1−(4−オキシラニルシクロヘキシル)イミダゾール
を包含する。
本発明に包含される典型的なさらなる式(I)の化合物は、上記2−アミノピ
リミニド−4−イル化合物の2−メチルアミノ−4−ピリミジニル誘導体および
上記2−メチルアミノピリミニド−4−イル化合物の2−アミノ−4−ピリミジ
ニル誘導体を包含する。
下記スキームIからXIまでに示したいくつかの合成方法を適用することによ
り、式(I)の化合物を得ることができる。これらのスキームに示された合成は
、種々異なるR1、R2およびR4基を有する式(I)の化合物の製造に適用でき
、適当に保護された置換基を用いて反応を行って本明細書記載の反応と矛盾しな
いようにする。それらの場合、その後の脱保護により一般的に開示された性質を
有する化合物を得る。イミダゾール核が生成したならば、当該分野でよく知られ
た官能基相互変換のための標準的方法を適用することにより、さらなる式(I)
の化合物を調製することができる。
例えば、触媒金属シアニド(例えばNaCN)の存在下または不存在下でHN
R13R14を用いてCH3OH中で加熱することにより−CO2CH3から−C(O)
NR13R14を得ることができ;ピリジン中で例えばClC(O)R3を用いて−OH
から−OC(O)R3を得ることができ;アルキルイソチオシアネートまたはチオ
シアン酸を用いて−NHR10から−NR10−C(S)NR13R14を得ることができ
;クロロギ酸アルキルを用いて−NHR6からNR6C(O)OR6を得ることがで
き;イソシアネート、例えば、HN=C=OまたはR10N=C=Oを用いる処理
により−NHR10から−NR10C(O)NR13R14を得ることができ;ピリジン中
におけるClC(O)R3での処理により−NHR10からNR10−C(O)R8を得る
ことができ;H3NR3 +OAc-を用いてアルコール中で加熱することにより−C
(NR13R14)SR3から−C(=NR10)NR13R14を得ることができ;不活性溶
媒、例えば、アセトン中でR6−Iを用いて−C(S)NR13R14から−C(NR13
R14)SR3を得ることができ;無水アルコール中で加熱することにより、NH2
CNを用いて−C(=NR13R14)−SR3から得たHNR13R14−C(=NCN)
−NR13R14を用いて−C(S)NH2から、別法としてEtOH中BrCNおよ
びNaOEtでの処理により−C(=NH)−NR13R14から−C(S)NR13R14
(R13またはR14はは水素でない)を得ることができ;(R8S)2C=NCNで
の処理により−NHR10から−NR10−C(=NCN)SR8を得ることができ;
ピリジン中で加熱することによりClSO2R3での処理により−NHR10から−
NR10SO2R3を得ることができ;Lawessonの試薬[2,4−bis(4−メトキシ
フェニル)−1,3,2,4−
ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド]での処理により−NR10C(O)
R8から−NR10C(S)R3を得ることができ;トリフリック無水物および塩基を
用いて−NHR6から−NR10SO2CF3を得ることができる(ここに、R3、R6
、R10、R13およびR14は上記式(I)の定義に同じ)。
本発明のさらなる態様において、下記構造を有する式(II):
[式中、pは0または2;R4は式(I)における定義に同じでありArは置換
されていてもよいアリール(本明細書中で定義されている)である]で示される
化合物が提供される。適当には、Arは、C1 〜4アルキル、C1 〜4アルコキシま
たはハロにより置換されていてもよいフェニルである。好ましくはArはフェニ
ルまたは4−メチルフェニル、すなわち、トシル誘導体である。Arがトシルで
ありpが0または2である場合にはR4が未置換フェニルであることを条件に、
式(II)の化合物は新規であると考えられる。
基R1、R2およびR4の前駆体は、官能基相互変換のための標準的方法を適用
することにより相互変換されうる別のR1、R2およびR4基であってもよい。例
えば、R2がハロ−置換C1 〜10アルキルである式(I)の化合物を、適当なアジ
ド塩と反応させ、次いで、所望ならば還元して対応C1 〜10アルキルNH2化合物
とし、今度はそれをR18S(O)2X(ここに、Xはハロ(例えば、クロロ))と
反応させて対応C1 〜10アルキルNHS(O)2R18化合物を得ることにより、対応
するC1 〜10アルキルN3誘導体に変換することができる。
別法として、R2がハロ−置換C1 〜10アルキルである式(I)の化合物をアミ
ンR13R14NHと反応させて対応C1 〜10−アルキルNR13R14化合物を得るこ
とができ、あるいはR18SHのアルカリ金属塩と反応させて対応する
C1 〜10アルキルSR18化合物を得ることができる。
スキーム1を参照して、式(II)の化合物を式(III)の化合物[式中、
pは0または2であり、R1、R2およびR4は本明細書中の式(I)における定
義に同じであるかまたは基R1、R2およびR4の前駆体であり、Arは置換され
ていてもよいフェニル基を意味する]と反応させ、次いで、必要ならばR1、R2
およびR4の前駆体を基R1、R2およびR4に変換することにより式(I)の化合
物を適切に調製することができる。R2NH2をR1CHOと反応させてイミン(
式(III))を得るが、R2部分が反応性官能基、例えば1級もしくは2級ア
ミン、アルコーまたはチオールを含む場合には、これを適当に保護しなければな
らない。適当な保護基は、Protecting Groups in Organic Synthesis,Greene T
W,Wiley-Interscience,New York,1981中に見いだすことができ、その開示を参照
により本明細書に記載されているものと見なす。例えば、R2が置換基としてピ
ペリジン環のごとき複素環を含む場合、窒素をt−Boc、CO2R18または置
換アリールアルキル部分のごとき基で保護する。
適当には、塩化メチレン、DMF、テトラヒドロフラン、トルエン、アセトニ
トリルまたはジメトキシエタンのごとき不活性溶媒中で、1,8−ジアザビシク
ロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)のごとき適当な塩基または1,5,
7−トリアザ−ビシクロ[4.4.0]デク−5−エン(TBD)のごときグアニ
ジン塩基の存在下で、室温または冷却して(例えば−50ないし10℃)または
加熱して反応を行う。式(II)で示される中間体は非常に安定であり、長期間
貯蔵できることがわかっている。好ましくはpは2である。
p=2である式(II)の化合物と式(III)−スキーム1の化合物との反
応により首尾一貫して式(I)の化合物を高収率で(p=0の場合よりも)得ら
れる。さらに、p=2である式(II)の化合物の反応は環境的にも経済的にも
魅力的である。さらに本明細書に記載するように商業的に魅力的な合成(p=2
)を用いる場合と比較すると、p=0である場合、好ましい使用溶媒は塩化メチ
レンであるが、これは大規模に用いる場合には環境的に魅力的でなく、好ましい
塩基TBDも高価であり、いくつかの副産物および不純物を生じる。
記載したように、スキームIは、イミンへの置換アリールチオメチルイソシア
ニドの1,3−双極環付加を用いる。より詳細には、この反応は、脱プロトン化
工程のためにアミン塩基のごとき強塩基を必要とする。t−ブトキシド、Li+
またはNa+、またはK+ヘキサメチルジシラジドを用いることがきるが、市販
TBDが好ましい。塩化メチレンは好ましい溶媒であるが、クロロホルムまたは
四塩化炭素のごとき他のハロゲン化溶媒;THF、DME、DMF、ジエチルエ
ーテル、t−ブチルメチルエーテルのごときエーテル;ならびにアセトニトリル
、トルエンまたはそれらの混合物を用いることもできる。反応は、ピリミジンR1
基を用いる反応については約−20℃ないし約40℃において、好ましくは約
0℃ないし約23℃において、より好ましくは約0℃ないし約10℃において、
最も好ましくは約4℃において行うことができる。R1がピリジンである化合物
については、温度および溶媒の両方の反応条件を変化させること、例えば、温度
を約−50℃に低下させること、あるいは溶媒をTHFに変更することが必要で
あるかも知れないことが認識される。
さらなるプロセスにおいて、式(IX):
[式中、R1、R2およびR4はすでに定義したとおりであり、T1は水素であり、
T4はR4であるか、あるいはまた、T1はR1であり、T4がHである]で示され
る化合物の適当な誘導体を、(i)T1が水素である場合には環カップリング条
件下でヘテロアリール環R1Hの適当な誘導体と反応させてヘテロアリール環R1
をイミダゾール核の5位にカップリングさせることにより;(ii)T4が水素
である場合には環カップリング条件下でアリール環R4Hの適当な誘導体と反応
させてアリール環R4をイミダゾール核の4位にカップリングさせることにより
、式(I)の化合物を調製することができる。
かかるアリール/ヘテロアリールカップリング反応は当業者によく知られてい
る。一般的には、適当な触媒の存在下で、1の化合物のアニオンの有機金属合成
等価体を別の化合物の反応性誘導体とカップリングさせる。アニオン等価体を式
(IX)のイミダゾール(この場合、アリール/ヘテロアリール化合物は反応性
誘導体を提供する)またはアリール/ヘテロアリール化合物(この場合、イミダ
ゾールは反応性誘導体を提供する)のいずれかから得てもよい。したがって、式
(IX)の化合物またはアリール/ヘテロアリール環の適当な誘導体は、有機マ
グネシウム、有機亜鉛、有機すずのごとき有機金属誘導体およびボロニックアシ
ッド誘導体を包含し、適当な反応性誘導体はブロモ、ヨード、フルオロスルホネ
ートおよびトリフルオロメタンスルホネート誘導体を包含する。適当な手順はW
O91/19497に記載されており、参照によりその開示を本明細書に記載さ
れているものと見なす。
Kumada et al.,Tetrahedron Letters,22,5319(1981)の手順に従ってパラジウ
ム(0)またはパラジウム(II)触媒のごとき環カップリング触媒の存在下で
、式(IX)の化合物の適当な有機マグネシウムおよび有機亜鉛誘導体を、ヘテ
ロアリールまたはアリール環のハロゲン、フルオロスルホネートまたはトリフレ
ート誘導体と反応させることができる。適当なかかる触媒は、塩化リチウムおよ
びトリエチルアミンのごとき塩基存在下のtetrakis−(トリフェニルホスフィン
)パラジウムおよびPdCl2[1,4−bis−(ジフェニルホスフィノ)−ブタン
]を包含する。さらに、Pridgen et al.,J.Org.Chem,1982,47,4319の手順に従っ
て、Ni(II)Cl2(1,2−ビフェニルホスフィノ)エタンのごときニッケ
ル(II)触媒をアリール環のカップリングに使用してもよい。適当な反応溶媒
は、ヘキサメチルホスホラミドを包含する。ヘテロアリール環が4−ピリジルで
ある場合、適当な誘導体は4−ブロモ−および4−ヨード−ピリジンならびに4
−ヒドロキシピリジンのフルオロスルホネートおよびトリフレートエステルを包
含する。同様に、アリール環がフェニルである場合の適当な誘導体は、ブロモ、
フルオロスルホネート、トリフレートおよび好ましくはヨード−誘導体を包含す
る。式(IX)の化合物またはそのブロモ誘導体をアルキルリチウム化合物と反
応させて、
それぞれ脱プロトン化またはトランスメタレーションにより対応するリチウム試
薬を得ることにより、適当な有機マグネシウムおよび有機亜鉛誘導体を得ること
ができる。次いで、このリチウム中間体を過剰のハロゲン化マグネシウムまたは
ハロゲン化亜鉛で処理して対応する有機金属試薬を得ることができる。
テトラヒドロフラン、好ましくは10%ヘキサメチルホスホラニド含有テトラ
ヒドロフランのごとき不活性溶媒中、Stille,J.Amer,Chem.Soc,1987,109,5478、
米国特許第4719218号および5002942号記載の方法に従ってパラジ
ウム(0)触媒、例えばtetrakis−(トリフェニルホスフィン)−パラジウムの
ごとき適当なカップリング触媒の存在下で、あるいはジメチルホルムアミドのご
とき不活性溶媒中トリエチルアミンのごとき塩基を所望により添加して、塩化リ
チウムの存在下で、パラジウム(II)触媒を用いることにより、式(IX)の
化合物のトリアルキルすず誘導体を、アリールまたはヘテロアリール環化合物の
ブロマイド、フルオロスルホネート、トリフレート、または好ましくはヨーダイ
ド誘導体で処理することができる。便利には、テトラヒドロフランのごときエー
テル性溶媒中でs−ブチルリチウムまたはn−ブチルリチウムのごときリチウム
化剤を用いて対応する式(IX)の化合物のメタレーションを行い、あるいは式
(IX)の対応化合物のブロモ誘導体をアルキルリチウムで処理し、そしていず
れの場合にもハロゲン化トリアルキルすずで処理することにより、トリアルキル
すず誘導体を得ることができる。別法として、上記と同様の条件下で、tetrakis
−(トリフェニル−ホスフィン)−パラジウムのごとき触媒の存在下で式(IX
)のブロモ誘導体を適当なヘテロアリールまたはアリールトリアルキルすず化合
物で処理してもよい。
ボロニックアシッド誘導体も有用である。よって、ジメトキシエタンのごとき
溶媒中、還流条件下で、重炭酸ナトリウムのごとき塩基の存在下で、tetrakis−
(トリフェニルホスフィン)−パラジウムまたはPdCl2[1,4−bis−(ジフ
ェニル−ホスフィノ)−ブタンのごときパラジウム触媒の存在下で、ブロモ、ヨ
ード、トリフレートまたはフルオロスルホネート誘導体のごとき式(IX)の化
合物の適当な誘導体を、ヘテロアリール−またはアリール−ボロニックアシッド
と
反応させることができる(Fischer and Havinga,Rec.Trav.Chim.Pays Bas,84,43
9,1965、Snieckus,V.,Tetrahedron Lett,29,2135,1988およびTerashima,M.,Chem
.Pharm.Bull.,11,4755,1985参照)。非水性条件、例えば、DMFのごとき溶媒
、約100℃の温度、Pd(II)触媒の存在下という条件を用いてもよい(Th
ompson W J et al.,J Org Chem,49,5237,1984参照)。標準的手順に従って、マ
グネシウムまたはリチウム誘導体をトリエチル、トリ−iso−プロピルまたはト
リブチルボレートのごときトリアルキルボレートエステルで処理することにより
適当なボロニックアシッド誘導体を調製することができる。
かかるカップリング反応において、式(IX)の化合物に存在する官能基に関
して注意を払わなければならないことが容易に理解されよう。よって、一般的に
は、アミノおよびイオウ置換基は酸化すべきでなく、また保護すべきである。
式(IX)の化合物はイミダゾールであり、式(I)の化合物の調製に関して
すでに本明細書で説明した手順のいずれかによって得ることができる。詳細には
、例えばクロロホルムのようなハロゲン化炭化水素溶媒のごとき不活性溶媒中、
中庸に昇温して、必要ならば塩基のごとき適当な縮合剤の存在下で、α−ハロ−
ケトンまたは他の適当に活性化されたケトンR4COCH2Hal(T1が水素で
ある式(IX)の化合物が所望の場合)またはR1COCH2Hal(T4が水素
である式(IX)の化合物が所望の場合)を式R2NH−C=NHで示されるア
ミド(式中、R2は上記式(I)の定義に同じ)またはその塩と反応させること
ができる。適当なα−ハロ−ケトンの調製はWO91/19497に記載されて
いる。適当な反応性エステルは、低級アルカンスルホン酸またはアリールスルホ
ン酸、例えば、メタンまたはp−トルエンスルホン酸のごとき強い有機酸を包含
する。好ましくは、アミジンを塩として、適当には塩酸塩として用い、次いで、
反応性エステルがクロロホルムのごとき不活性有機溶媒中に存在し、塩が水相に
存在する二相系においてそれをin situで遊離アミジンに変換することができ、
その際、激しく撹拌しながら水相に2倍モル量の水性塩基溶液をゆっくりと添加
する。標準的方法により適当なアミジンを得ることができる(例えば、Garigipa
tiR,Tetrahedron Letters,190,31,1989参照)。
米国特許第4803279号;米国特許第4719218号および米国特許第
5002942号開示の方法に従って、T1が水素である式(IX)の化合物を
N−アシルヘテロアリール塩と反応させて、ヘテロアリール環がイミダゾール核
に結合していてその1,4−ジヒドロ誘導体として存在する中間体を得て、次い
で、中間体を酸化的脱アシル化条件(スキームII)に付すことを特徴とする方
法により、式(I)の化合物を調製してもよい。ヘテロアリール塩、例えばピリ
ジニウム塩を前以て得てもよく、あるいはより好ましくは、置換ハロゲン化カル
ボニル(ハロゲン化アシル、ハロゲン化アロイル、アリールアルキルハロホルメ
ートエステルまたは好ましくはアルキルハロホルメートエステル、例えば臭化ア
セチル、ベンゾイルクロライド、クロロギ酸ベンジルもしくは好ましくはクロロ
ギ酸エチル)を、ヘテロアリール化合物R1H中もしくはヘテロアリール化合物
が添加されている塩化メチレンのごとき不活性溶媒中の式(IX)の化合物の溶
液に添加することによりin situで調製してもよい。適当な脱アシル化および酸
化条件は米国特許第4803279号、4719218号および5002942
号に記載されており、参照により本明細書に記載されているものと見なす。適当
な酸化系は、還流条件下のデカリン、デカリンおよびジグライム、p−シメン、
キシレンまたはメシチレンのごとき不活性溶媒または溶媒混合物中のイオウ、あ
るいは好ましくは乾燥空気もしくは酸素を伴ったt−ブタノール中のカリウムt
−ブトキシドを包含する。
下のスキームIIIに示すさらなる方法において、熱的に、あるいはオキシ塩
化リンまたは五塩化リンのごとき環化剤の助けを借りて式(I)の化合物を調製
することができる(Engel and Steglich,Liebigs Ann Chem,1978,1916およびStr
zybny et al.,J Org Chem,1963,28,3381参照)。例えば、標準的なアシル化条件
下で、対応無水物のごとき活性化ホルメート誘導体を用いて対応α−ケト−アミ
ンをアシル化を行い、次いで、R2NH2を用いてイミンを得ることにより、式(
X)の化合物を得ることができる。オキシアミノ化および還元によりアミノケト
ンを親ケトンから得ることができ、今度はアリール(ヘテロアリール)酢酸エス
テルとR1COX成分との縮合により得られるベータ−ケトエステルの脱カルボ
キシル化により必要なケトンを調製することができる。
下のスキームIVにおいて、式(I)の化合物の調製のためにケトン(式XI
)を用いる2つの異なるルートがある。4−メチル−キノリンのごときアルキル
ヘテロサイクルのアニオン(n−ブチルリチウムのごときアルキルリチウムでの
処理により調製)をN−アルキル−O−アルコキシベンズアミド、エステル、ま
た
は同じ酸化状態の他の適当に活性化された誘導体に添加することにより、複素環
ケトン(XI)を調製する。別法として、アニオンをベンズアルデヒドと縮合さ
せてアルコールを得て、次いで、それを酸化してケトン(XI)を得てもよい。
さらなる方法において、式(XII):
R1CH2NR2COH (XII)
[式中、R1およびR2は上記定義に同じ]で示されるアミドのアニオンを、
(a)式(XIII):
R4CN (XIII)
[式中、R4は上記定義に同じ]で示されるニトリル、あるいは
(b)式(XIV):
R4COHal (XIV)
[式中、R4は上記定義に同じ、Halはハロゲンを意味する]で示される過剰
のハロゲン化アシル、例えば塩化アシル、または対応無水物
で処理してbis−アシル化中間体を得て、次いで、酢酸アンモニウムのごときア
ンモニア源で処理することにより、式(I)のN−置換化合物を調製することが
できる。
このアプローチの1のバリエーションを上のスキームVに示す。1級アミン(
R2NH2)を式R1CH2Xのハロメチルエテロサイクルで処理して2級アミンを
得て、次いで、これを標準的方法によりアミドに変換する。別法として、ホルム
アミドをR1CH2Xでアルキル化することによりスキームVに示すようにしてア
ミドを調製してもよい。リチウムジ−iso−プロピルアミドまたはナトリウムbis
−(トリメチルシリル)アミドのごとき強いアミド塩基を用いるこのアミドの脱
プロトン化、次いで、過剰の塩化アロイルの添加によりbis−アシル化化合物を
得て、次いで、酢酸アンモニウム含有酢酸中で加熱することによりこれを閉環し
て式(I)のイミダゾール化合物とする。別法として、アミドのアニオンを置換
アリールニトリルと反応させて式(I)のイミダゾールを直接得てもよい。
以下の説明およびスキームは、すでに上記スキームIで説明した方法のさらな
る説明である。下のスキームVIに示す種々のピリミジンアルデヒド誘導体6、
7および8を、Brederek et al.Chem.Ber.1964,97,3407(参照により本明細書に
記載されているものと見なす)の手順の変法により調製することができる。次い
で、これらのピリミジンアルデヒドを、すでに本明細書で説明する合成における
中間体として使用する。保護されていないアミノアルデヒド誘導体、例えば、8
はいくぶん不安定でありうる。アルデヒド7がアセトアミド誘導体として単離さ
れるスキームVI記載のようなアセトリシス手順の使用により(化合物3を中間
体4を経由して7に変換する)、式(I)の化合物の調製のための環付加反応に
使用される、より安定な化合物が得られる。
かかる反応のために一般的アセトリシス条件を用い、それは当業者によく知ら
れている。適当な条件は、例えば、実施例83に示される。より詳細には、反応
には触媒量の濃硫酸存在下で無水酢酸を用いる2−アミノピリミジンジアルコキ
シアセタールの加熱を用い、そのことによりアミンが同時にアセトリシスされて
アルコキシ基の1つがアセトキシ基に変換される。触媒量のアルコキシド塩およ
び対応アルコール溶媒、例えば、Na+メトキシドおよびメタノールを用いる脱
アセチル化により、得られた化合物をアルデヒドに変換する。別法として、まず
、アミンを無水酢酸でアセチル化し、次いで、濃硫酸添加により変換を行うこと
により高収率を得ることができる。
イミンとトシルメチルイソニトリルとの反応は、最初にvan Leusen(van Leus
en et al.,J.Org.Chem.1977,42,1153)により報告された。以下の条件が報告さ
れた:ジメトキシエタン(DME)中tertブチルアミン(tBuNH2)、Me
OH中K2CO3、およびDME中NaH。それらの条件を再試験したところ、低
収率であることがわかった。t−ブチルイミンを生成するためのアミン交換、次
いで、1−tBuイミダゾールを生成するためのイソシアニドとの反応を包含す
る第2の経路も用いられた。これには塩基として1級アミンを使用することとな
ろう。2級アミンは使用には好ましくないが、イソニトリルをゆっくりと分解す
る可能性がある。反応が完結して約50%の単離収率を得るためには、反応には
約3当量のアミンが必要であろう。立体障害のある2級アミン(ジイソプロピル
アミン)も使用可能であるが、反応が非常に遅く、一般的にはあまり効果的でな
い。ピリジンおよびトリエチルアミンのごとき3級アミンおよび芳香族アミンは
、ある種の試験条件下では反応しなかったが、DBUおよび4−ジメチルアミノ
ピリジン(DMAP)のようなより塩基性のタイプは、反応は遅いが、ある程度
の収率が得られ、それゆえ本発明での使用に適する可能性がある。
下のスキームVIIおよびVIIIに示すように、スキームVIのピリミジン
アルデヒドを1級アミンと縮合させてイミンを得ることができ、適当にはイミン
を単離し、あるいは種々の適当な塩基および本明細書記載の溶媒の存在下で所望
イソニトリルとin situで反応させて5−(4−ピリミジニル)イミダゾール(
ここに、R2およびR4は式(I)の化合物の定義に同じ)を得ることができる。
式(I)の化合物の調製のための1の好ましい方法を下のスキームVIIに示す
。分離工程においてしばしばタール状で調製され単離されるイミンは取り扱いが
困難である。黒色はしばしば最終生成物まで残る。イミン調製の収率は変動し、
環境的にあまり許容されない溶媒(例えばCH2Cl2)がその調製にしばしば用
いられる。
p=2であるこの反応は、反応の進行のために適当な塩基を要する。反応は、
イソニトリルを脱プロトンするに十分強力な塩基を必要とする。適当な塩基は、
イン、炭酸塩、ヒドリド、またはアルキルもしくはアリールリチウム試薬;ある
いはそれらの混合物を包含する。塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、t−
ブチルアミン、ジイソプロピルアミン、モルジョリン、ピペリジン、ピロリジン
のごとき1級および2級アミン、ならびにDBU、DMAPおよび1,4−ジア
ザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)のごとき他の非求核性塩基を包
含するが、これらに限らない。
この反応に用いる適当な溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、
MeCN、塩化メチレンまたはクロロホルムのごときハロゲン化溶媒、テトラヒ
ドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノールまたは
エタノールのごときアルコール、ベンゼン、トルエン、DMEまたはEtOAc
を包含するが、これらに限らない。好ましくは、溶媒はDMF、DME、THF
またはMeCNであり、より好ましくはDMFである。一般的には、水を添加し
、生成物を濾過して透明化合物とすることにより生成物の単離を行うことができ
る。混合物は非求核性であり、よってイソニトリルの分解は起こらない。
大規模合成には便利でないが、t−ブチルアミンのかわりにNaHをイソニト
リルに添加することが、おそらく、25℃よりも低温(THF中)では必要であ
ろう。さらに、−50℃におけるトシルベンジルイソニトリルの脱プロトン化に
はBuLiが効果的な塩基であることも報告されている(DiSanto,R.;Massa,S.;
Artico,M.Synth.Commun.1995,25,795)。
好ましい塩基に応じて種々の温度条件を用いることができる。例えば、40℃
以上においてDMF中tBuNH2/DME、K2CO3/MeOH、K2CO3は
収率を約20%にまで低下させるが、0℃と25℃との間ではほとんど変化がな
いと考えられる。結果的に、0℃未満および80℃以上の温度範囲も本発明の範
囲内であると考えられる。好ましくは、温度範囲は約0℃から約25℃である。
本発明の目的からすれば、室温は25℃と記載されるが、これを20℃ないし3
0℃の間で変化させてもよい。
下のスキームVIIIに示すように、好ましくは、溶媒中でイミンをin situ
で得る。この好ましい合成は、ワン−ポット(one-pot)合成として存在する方
法である。適当には、例えば実施例のように塩酸塩として1級アミンを塩として
用いる場合には、反応系はさらに炭酸カリウムのごとき塩基をイソニトリル添加
前に含んでいてもよい。あるいはまた、ピペリジン窒素を下記のごとく保護する
必要があるかもしれない。溶媒、塩基、温度等のごとき反応条件は、スキームV
IIIに示す単離イミンに関して説明し議論したものと類似である。ある環境下
においてはイミンのin situ生成には脱水的条件が必要であり、あるいは酸触媒
が必要であるかもしれないと当業者は容易に認識するであろう。
式(I)の化合物のもう1つの調製方法を下記スキームVIIIaに示す。ピ
リミジンアルデヒド8の単離に関連した困難性を回避するために、本明細書に説
明するようにアセタール3をアルデヒド8にまで加水分解することが可能である
。in situで生成したアルデヒド8を、1級アミン、酢酸エチル、次いでNaH
CO3で順次処理してin situで対応イミンを得ることができ、それを酢酸エチル
中に抽出する。イソニトリル、炭酸塩およびDMFの添加により5−(4−ピリ
ミジニル)−イミダゾールが生成し、ここにR2およびR4は式(I)の化合物に
ついての定義に同じである。
スキームVII、VIIIおよびVIII(a)はR2位置におけるピペリジ
ン環を用いて示されるが、このことは単なる説明目的であって、本明細書定義の
いずれの適当なR2を用いてもよい。
式(I)の化合物の好ましい合成方法は、実施例セクションにも説明するよう
に、例えば2−メチルチオピリミジンアルデヒド誘導体を用いることによるS(
O)mアルキル部分のピリミジン(R1基)上への適当かつ信頼できる導入方法を
も提供する。
下のスキームIX(X=Sメチル)において、上記のごとく化合物1(最終生
成物であっても)を前駆体として用いて式(I)のさらなる化合物を得てもよい
。この特別な例において、メチルチオ部分を酸化してメチルスルフィニル部分と
し、さらにこれを修飾して置換アミノ基とする。
本発明のもう1つの具体例は、下のスキームXに示すような、2−チオメチル
ピリミジンアセタールの2−チオメチルピリミジンアルデヒドへの新たな加水分
解である。ギ酸のごとき種々の既知反応条件を用いるアセタールのアルデヒドへ
の加水分解は、満足なアルデヒド収率が得られず、13%未満であった。好まし
い合成は、溶媒としてのAc(OH)(新鮮)および加熱条件下での濃硫酸、好ま
しくは触媒量の硫酸の使用を包含する。加熱条件は、高温として約60℃ないし
85℃、好ましくは約70℃ないし約80℃を包含し、反応混合物の黒色化が示
される。反応が完結した後、混合物をほぼ室温まで冷却し、酢酸を除去する。こ
の手順に対する別の手順は、3N HCl中、40℃、18時間のアセタールの
加熱、冷却、次いで、重炭酸塩で中和された溶液のEtOAc中への抽出を包含
する。
最終的な式(I)の2−アミノピリミジン−4−イルイミダゾール化合物、な
らびに類似のピリジン含有化合物を、以下の3つの方法のうちの1つにより調製
することができる:1)2−アミノピリミジンイミンとイソニトリルとの直接反
応;2)2−アセトアミドピリミジンイミンとイソニトリルとの縮合、次いでア
セトアミド基の除去;および3)2−メチルチオピリミジン誘導体の対応スルホ
キシドへの酸化、次いで所望アミンでの置換。
本明細書のこれらのスキームは、例えば、結果として生じるR2位置に関して
は置換されていてもよいピペリジン部分、またはR4位置に関しては4−フルオ
ロフェニルを用いて表されるが、1級アミンに基づいて調製される場合には、い
ずれの適当なR2部分またはR4部分をこの方法で付加することができる。同様に
、いずれの適当なR4を、イソニトリル経路により付加することができる。
スキーム(I)の式(II)の化合物を、上記Van Leusenらの方法により調製
してもよい。例えば、式(II)の化合物を、式(IV)−スキームIの化合物
(Ar、R4およびpは本明細書中の定義に同じ)を脱水することにより調製し
てもよい。
適当な脱水剤は、トリエチルアミンまたはジイソプロピルアミンのごとき適当
な塩基、あるいはピリジンのごとき類似の塩基等の存在下のオキシ塩化リン、塩
化オキサリル、塩化チオニル、ホスゲン、または塩化トシルを包含する。適当な
溶媒はジメトキシエーテル、テトラヒドロフラン、またはハロゲン化溶媒、好ま
しくはTHFを包含する。反応温度を−10℃と0℃の間に保った場合、反応は
最も有効である。より低温では不完全な反応が起こり、より高温では溶液は黒色
化し生成物収率が低下する。
所望により酸触媒の存在下で、水分を除去せずにあるいは除去して、好ましく
は脱水条件下で、周囲温度または例えば30ないし150℃に昇温して、便利に
は還流して、式(V)−スキームIの化合物式R4CHO(R4は本明細書におい
て定義したのと同じ)をArS(O)pHおよびホルムアミドと反応させることに
より、(IV)−スキームIの化合物を調製してもよい。別法として、塩化トリ
メチルシリルを酸触媒のかわりに用いることができる。酸触媒の例は、しょうの
う−10−スルホン酸、ギ酸、p−トルエンスルホン酸、塩化水素または硫酸を
包含する。
式(II)のイソニトリルの最適な製造方法を下のスキームXIに示す。
置換アルデヒドのトシルベンジルホルムアミドへの変換を、酸(p−トルエン
スルホン酸、ギ酸またはしょうのうスルホン酸のごとき)ならびにホルムアミド
およびp−トルエンスルフィン酸とともにアルデヒド1−スキームXIを加熱す
ること[約60℃、約24時間の反応条件にて]により行ってもよい。好ましく
は、溶媒を使用しない。DMF、DMSO、トルエン、アセトニトリルのごとき
溶媒、あるいは過剰のホルムアミドを用いた場合には反応は低収率(30%未満
)であるかもしれない。一般的には、60℃未満の温度では所望生成物をうまく
生じさせず、生成物は分解するが、あるいはベンジリックbis−ホルムアミド2
−スキームXIを生じる。AdamsらのWO95/02591に記載された実施例
23(a)において、p=2である式(IV)−スキームIの化合物4−フルオ
ロフェニル−トシルメチルホルムアミドが合成されている。この手順は、下記条
件(すなわち、トルエンスルフィン酸のナトリウム塩をそのまま使用すること)
により本明細書に記載された手順とは異なっており、その手順によれば不均一な
加熱が起こり、収率が低く、再現性も低いが、本発明はスルフィン酸を用い、非
水条件の使用を可能にしている。
AdamsらのWO95/02591の実施例23(b)に記載されたα−(p−
トルエンスルホニル)−4−フルオロベンジルイソニトリルの製造条件は、生成
物抽出溶媒としてMeClおよび溶媒としてDMEを使用するものである。本発
明は、抽出のためにTHFおよびEtOAcのごときより高価でない溶媒を使用
することによってこの方法を改良するものである。1−プロパノールのごときア
ルコールを用いる再結晶化によりさらに高収率が得られるが、メタノール、エタ
ノールおよびブタノールのごとき他のアルコールも使用できる。以前は、化合物
はクロマトグラフィー法により部分精製されており、危険な溶媒をさらなる精製
に用いていた。
本発明のもう1つの具体例は、ビスホルムアミド中間体2−スキームXIをp
−トルエンスルフィン酸と反応させることによるトシルベンジルホルムアミド化
合物の合成である。この好ましい経路において、酸触媒を伴った適当な溶媒中で
アルデヒドをホルムアミドとともに加熱することにより、アルデヒドからビス−
ホルムアミドを得る。適当な溶媒はトルエン、アセトニトリル、DMFおよびD
MSOまたはそれらの混合物である。酸触媒は当業者によく知られており、塩
化水素、p−トルエンスルホン酸、しょうのうスルホン酸および他の無水酸を包
含するが、これらに限らない。約25℃ないし110℃の範囲の温度、好ましく
は約50℃において、適当には約4ないし5時間反応を行うことができるが、よ
り長い反応時間であってもよい。より高温(>70℃)におけるより長い反応時
間では生成物の分解および低収率が観察されるかもしれない。一般的には生成物
の完全な変換には反応混合物からの水の除去を必要とする。
酸触媒およびp−トルエンスルフィン酸を伴った適当な溶媒中でビスホルムア
ミドを加熱することにより、ビス−ホルムアミド誘導体をトシルベンジルホルム
アミドに変換するための好ましい条件を達成する。この反応に使用する溶媒は、
トルエンおよびアセトニトリルまたはそれらの混合物を包含するが、これらに限
らない。DMFまたはDMSOとこれらの溶媒とのさらなる混合物を用いてもよ
いが、より低い収率となるかもしれない。温度は約30℃から約100℃までの
範囲で変化させてもよいが、40℃未満および60℃以上は収率および反応速度
の低下があるため好ましくない。好ましくは、使用される酸は、トルエンスルホ
ン酸、しょうのうスルホン酸および塩化水素ならびに他の無水酸を包含するが、
これらに限らない。最も好ましくは、p−ルエンスルフィン酸および塩化水素を
伴った1:1の割合のトルエン:アセトニトリル中でビスホルムアミドを加熱す
る。
本発明のもう1つの具体例は、ワン−ポット法を用いて行われるトシルベンジ
ルホルムアミド化合物の好ましい合成経路である。この方法は、まず、アルデヒ
ドをビス−ホルムアミド誘導体に変換し、次いで、ビス−ホルムアミド誘導体を
トルエンスルフィン酸と反応させる。この方法は最適条件を結び付けて単純かつ
効果的な方法とするものである。かかる方法において高収率(>90%)のアリ
ールベンジルホルムアミドを得ることができる。
好ましい反応条件は、好ましくは1:1の割合の好ましい溶媒トルエン:アセ
トニトリル中の塩化トリメチルシリル(TMSCl)のごとき触媒を用いる。反
応中に生じた水と反応し、同時に反応を触媒する塩化水素を生成するTMSCl
のごとき試薬が好ましい。塩化水素およびp−トルエンスルホン酸の使用も好ま
しい。それゆえ、ここに使用する3つの適当な反応条件は以下のものを包含する
:1)同時に反応を触媒する塩化水素を生成するTMSClのごとき脱水剤の使用
;または2)適当な脱水剤および適当な酸源(例えば、しょうのうスルホン酸、
塩化水素またはトルエンスルホン酸であるがこれらに限らない)の使用;および
3)水の共沸除去のごとき別の脱水条件ならびに酸触媒およびp−トルエンスル
フィン酸の使用。
強塩基の存在下で式(VI)−スキームIの化合物R4CH2NCを式(VII
)−スキームIの化合物ArSO2L1と反応させることにより、pが2である
式(II)の化合物を調製することができる(式中、R4およびArは本明細書
の定義に同じ、L1はハロ、例えばフルオロのごとき脱離基を意味する)。適当
な強塩基は、ブチルリチウムまたはリチウムジイソプロピルアミドのごときアル
キルリチウム類(van Leusen et al.,Tetrahedron Letters,No.23,2367-2368(19
72))を包含するが、これらに限らない。
式(VIII)−スキームIの化合物R4CH2NH2をギ酸アルキル(例えば
、ギ酸エチル)と反応させて中間体アミドを得て、トリエチルアミンのごとき適
当な塩基の存在下でよく知られた脱水剤(例えば、塩化オキサリル、オキシ酸化
リンまたは塩化トシルであるがこれらに限らない)と反応させることにより所望
イソニトリルに変換することにより、式(VI)−スキームIの化合物を調製す
ることができる。
別法として、相転移触媒下の水性ジクロロメタン中のクロロホルムおよび水酸
化ナトリウムとの反応により式(VIII)−スキームIの化合物を式(VI)
−スキームIの化合物に変化させてもよい。
式R1CHOの化合物を1級アミンR2NH2と反応させることにより式(II
I)−スキームIの化合物を調製することができる。
式(VIII)−スキームIのアミノ化合物は知られているか、あるいは標準
的な官能基相互変換を用いて対応アルコール、オキシムまたはアミドから調製す
ることができる。
下のスキームXIIの化合物5−スキーム12を実施例セクションの実施例2
に、化合物6−スキーム12を実施例4に、化合物7−スキーム12を実施例5
に、8−スキーム12を実施例6に、化合物9−スキーム12を実施例7に示す
。
H2O中のヒドロキシルアミンを用いるオキシム生成のごとき還元的アミノ化
のための慣用的方法、次いで、H2雰囲気下のラネーニッケルを用いる触媒的水
素化のごとき標準的条件によるオキシムのアミンへの還元により、1−スキーム
XIIのごときシクロアルカノン(Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,Wi)を、
2−スキームXIIのごときシクロアルキルアミンに変換することができる。得
られた2−スキームXIIのごときシクロアルキルアミンを、有機溶媒中で2−
アミノピリミジニル−4−カルボキシアルデヒドのごときアリールアルデヒドと
反応させて、3−スキームXIIのごときイミンを得ることができる。イミンに
なるアルデヒドの活性化の程度に応じて、触媒酸(トルエンスルホン酸のごとき
)および脱水条件(還流ベンゼン中における水の共沸除去のごとき)が必要とな
るかもしれないし、必要とならないかもしれない。CH2Cl2のごとき有機溶媒
中、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−デク−5−エン(TBD)のご
とき塩基の存在下で、4−フルオロフェニル−トリルチオメチルイソシアニドの
ごときイソニトリルとの反応により、3−スキームXIIのごときイミンを、シ
クロアルキル基でアルキル化された1,4−ジイールイミダゾールに変換するこ
とができる。このようにして、3−スキームXIIを5−スキームXIIに変換
した。5−スキームXIIのごときシクロアルキルケタール置換イミダゾールを
水性酸(HCl水溶液のごとき)で加水分解し、次いで、塩基(Na2CO3水溶
液のごとき)で中和して6−スキームXIIのごときケトンを得る。H2O中の
ヒドロキシルアミンを用いて6−スキームXIIをオキシム7−スキームXII
に変換する。メタノール中のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを用いる還元により
7−スキームXIIをヒドロキシアミン8−スキームXIIに変換する。Adams
らの方法(1991年10月3日公開のWO91/14674)により8−スキ
ームXをヒドロキシウレア9−スキームXIIに変換する。
上記スキームにおいて、NaBH4のごとき適当な還元剤を用いて6−スキー
ム13のケトンを還元することによりアルコール10−スキーム13を調製する
ことができる。
下式XIにおいて、R1は置換されていてもよいアルキル、アリールまたはヘ
テロアリール基であり、R2はOH、NH2またはSHであるか、あるいはR1お
よびR2は一緒になってC3 〜7シクロアルキル環(例えば、ピロリジンまたはピ
ペリジン環)を形成しうる。かかる化合物のいくつかの典型例を下のスキームX
IVに示す。
ケトン1を有機金属試薬(R1M)と反応させて対応アルコール2を得ること
ができる(ここにR1は水素または置換されていてもよいアルキル、アリール、
アリールアルキル、ヘテロサイクリック、ヘテロサイクリックアルキル等の部分
を意味する)。当業者によく知られた古典的なRitter反応を用いることによりア
ルコール2をネオペンチルアミン3に変換することができる。アミン3をアシル
化またはスルホニル化することができる。ジメチルスルホニウムメチリドおよび
ジメチルスルホキソニウムのごとき試薬によりケトン1をスピロオキシラン4に
変換することができる。水酸化物、チオレート、アミン、有機金属試薬(当業者
によく知られた有機銅または有機アルミニウム試薬等のごとき)のごとき過剰の
求核剤を用いてオキシラン4を開環することができる。
ケトンI−スキームXVを1級アミンまたは2級アミンによる還元的アミノ化
に供してアミン6−スキームXVを得てもよい。
ヒドロキシル基およびイミダゾール窒素に使用する適当な保護基は当該分野に
おいてよく知られており、多くの文献、例えば、Protecting Groups in Organic
Synthesis,Greene T W,Wiley-Interscience,New York,1981に記載されている。
ヒドロキシル保護基の適当な例は、t−ブチルジメチルまたはt−ブチルジフェ
ニルのごときシリルエーテル、および種々の結合のアルキル鎖(CR10R20)nに
より結合されたメチルのごときアルキルエーテルを包含する。イミダゾール窒素
保護基の適当な例はテトラヒドロピラニルを包含する。
式(I)の化合物の医薬的酸付加塩を既知方法において、例えば適当な溶媒の
存在下での適量の酸を用いる処理により得ることができる。治療方法
式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を、ヒトまたは他の哺乳動物
における、単球および/またはマクロファージ(これらに限らない)のごときか
かる哺乳動物の細胞による過剰または調節されないサイトカイン産生により引き
起こされる疾病状態の予防的処置または治療的処置のための医薬の製造に使用す
ることができる。
式(I)の化合物は、IL−1、IL−6、IL−8およびTNFのごとき前
炎症サイトカインを阻害する能力があり、それゆえ治療に有用である。IL−1
、IL−6、IL−8およびTNFは広範な細胞および組織に影響し、これらの
サイトカインならびに他の白血球由来のサイトカインは広範な疾病状態および症
状の重要かつ決定的な炎症メディエイタである。これらの前炎症サイトカインの
阻害は、これらの疾病状態の制御、軽減および改善において有益である。
式(I)の化合物は、COX−2(プロスタグランジンドペルオキシドシンタ
ーゼ−2(PGHS−2)のごとき多くの他の名称がつけられている)のごとき
誘導可能な前炎症蛋白を阻害する能力があり、それゆえ、治療において有用であ
る。シクロオキシゲナーゼ(CO)経路のこれらの前炎症脂質メディエイタは、
誘導可能なCOX−2酵素により生成される。それゆえ、プロスタグランジンの
ごときアラキドン酸から誘導されるこれらの生成物に関連しているCOX−2の
調節は、広範な細胞および組織に影響するものであり、種々の疾病状態および症
状の重要かつ決定的な炎症メディエイタである。COX−1の発現は式(I)の
化合物によっては起こらない。このCOX−2の選択的阻害は、COX−1の阻
害に関連した潰瘍発生傾向を改善または解消し、そのことにより細胞防御効果に
必須のプロスタグランジンを阻害する。よって、これらの前炎症メディエイタの
阻害は、多くのこれらの疾病状態の制御、軽減および改善において有益である。
最も目立ったこれらの炎症メディエイタ、詳細にはプロスタグランジンは、痛み
の受容体の過敏化のごとき痛み、あるいは浮腫に関与している。それゆえ、痛み
の管理に関するこの態様は、神経筋肉痛、頭痛、ガンの痛みおよび関節炎の痛み
の治療を包含する。式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩は、COX
−2酵素の合成を阻害することにより、ヒトまたは他の哺乳動物における予防ま
たは治療において有用である。
したがって、本発明は、有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容され
る塩を投与することを特徴とする、COX−2の合成を阻害する方法を提供する
。また本発明は、COX−2酵素の合成を阻害することによる、ヒトまたは他の
哺乳動物における予防的処置方法を提供する。
したがって、本発明は、有効なサイトカイン妨害量の式(I)の化合物または
その医薬上許容される塩を投与することを特徴とする、サイトカインにより媒介
される疾病の治療方法を提供する。
詳細には、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩は、単球およびお
/またはマクロファージ(これらに限らない)のごとき哺乳動物の細胞による過
剰または調節されないIL−1、IL−8またはTNFの産生により悪化または
引き起こされるヒトまたは哺乳動物における疾病状態の予防または治療に有用で
ある。
したがって、もう1つの態様において、本発明は、IL−1の産生を阻害する
ことを必要とする哺乳動物におけるIL−1の産生を阻害する方法であって、か
かる哺乳動物に有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を投与
することを特徴とする方法に関する。
過剰または調節されないIL−1産生がその悪化および/または発症に関与し
ている多くの疾病がある。これらは、リューマチ性関節炎、骨関節炎、卒中、内
毒素血症および/またはトキシンショック症候群、内毒素により誘導される炎症
反応のごとき他の急性もしくは慢性炎症性疾病状態、または炎症性腸疾患、結核
、アテローム性動脈硬化、筋肉変性、多発性硬化症、悪液質、骨吸収、乾癬性関
節炎、ライター症候群、リューマチ性関節炎、痛風、外傷性関節炎、風疹性関節
炎および急性滑膜炎を包含する。
さらなる態様において、本発明は、TNF産生の阻害を必要とする哺乳動物に
おけるTNF産生の阻害方法であって、該哺乳動物に有効量の式(I)の化合物
またはその医薬上許容される塩を投与することを特徴とする方法に関する。
過剰または調節されないTNF産生は、リューマチ性関節炎、リューマチ性脊
髄炎、骨関節炎、痛風性関節炎および他の関節の症状;敗血症、敗血性ショック
、
内毒素ショック、グラム陰性敗血症、トキシンショック症候群、成人呼吸困難症
候群、脳マラリア、慢性肺炎、珪肺、肺サルコイドーシス、骨粗鬆症のごとき骨
吸収疾患、再灌流障害、対宿主移植片反応、同種移植片拒絶反応、インフルエン
ザのごとき感染による発熱および筋肉痛、感染または悪性疾患に続く悪液質、後
天性免疫不全症候群(AIDS)に続く悪液質、AIDS、ARC(AIDS関
連合併症)、ケロイド形成、瘢痕組織形成、クローン病、潰瘍性大腸炎、または
パイレシスを包含する多くの疾病の媒介または悪化に関与している。
ウイルスがTNFによるアップレギュレーションに感受性があるか、あるいは
in vivoでTNF産生を誘発するウイルス感染の治療においても式(I)の化合
物は有用である。本発明治療の対象とされるウイルスは、感染の結果としてTN
Fを産生するウイルスであるか、あるいは式(I)のTNF阻害化合物により直
接的または間接的に複製を減じることによるような阻害に対して感受性があるウ
イルスである。かかるウイルスは、HIV−1、HIV−2およびHIV−3、
サイトメガロウイルス(CMV)、インフルエンザ、アデノウイルスおよびヘル
ペスグループのウイルス(帯状疱疹および単純ヘルペスのごときものであるが、
これらに限らない)を包含するが、これらに限らない。したがって、さらなる態
様において、本発明は、ヒト・免疫不全ウイルス(HIV)にかかっている哺乳
動物の治療方法であって、かかる哺乳動物に有効なTNF阻害量の式(I)の化
合物またはその医薬上許容される塩を投与することを特徴とする方法に関する。
式(I)の化合物を、TNF産生の阻害を必要とするヒト以外の哺乳動物の獣
医学的治療に関連して使用してもよい。哺乳動物において治療的または予防的に
処置されるTNFにより媒介される疾病は上記のごとき疾病を包含するが、詳細
にはウイルス感染症である。かかるウイルスの例は、ウマ・感染性貧血ウイルス
、ヤギ・関節炎ウイルス、ビスナウイルスまたはメジウイルス(これらに限らな
い)のごときレンチウイルス感染、あるいはネコ・免疫不全ウイルス(FIV)
、ウシ・免疫不全ウイルスまたはイヌ・免疫不全ウイルス(これらに限らない)
のご
ときレトロウイルス感染、あるいは他のレトロウイルス感染を包含するが、これ
らに限らない。
それぞれIL−1またはTNFのごときサイトカインの過剰産生により悪化さ
せられる局所的な疾病状態(例えば、関節炎、湿疹、乾癬および日焼けのごとき
他の炎症性皮膚症状;結膜炎を包含する炎症性の目の症状;パイレシス、痛みお
よび炎症に関連した他の症状)の治療または予防において、式(I)の化合物を
局所的に用いてもよい。
式(I)の化合物は、IL−8(インターロイキン−8、NAP)の産生を阻
害することもわかっている。したがって、さらなる態様において、本発明は、I
L−8の産生の抑制を必要とする哺乳動物におけるIL−8の産生の抑制方法で
あって、該哺乳動物に有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩
を投与することを特徴とする方法に関する。
過剰または調節されないIL−8産生が疾病の悪化および/または発生に関与
している多くの疾病がある。これらの疾病は、乾癬、炎症性腸疾患、喘息、心臓
および腎臓の再灌流障害、成人呼吸困難症候群、血栓症および糸球体腎炎のごと
き、大量の好中球浸潤により特徴づけられるものである。これらの疾病のすべて
は増大したIL−8産生に関連しており、その産生は好中球の炎症部位中への化
学走性が原因である。他の炎症サイトカイン(IL−1、TNF、およびIL−
6)とは対照的に、IL−8は、好中球化学走性および活性化の促進というユニ
ークな特性を有している。それゆえ、IL−8産生の抑制は好中球浸潤の直接的
減少を引き起こすであろう。
式(I)の化合物を、サイトカイン産生、詳細にはIL−1、IL−6、IL
−8またはTNFの産生を阻害するに十分量投与して、その産生を正常レベルに
まで、あるいはいくつかの場合においては正常以下のレベルにまで低下させ、疾
病状態を改善または予防する。例えば、本願の文脈からすると、IL−1、IL
−6、IL−8またはTNFの異常なレベルは次のものをいう:(i)1mlに
つき1ピコグラムより多いかまたはそれに等しい遊離(細胞結合していない)I
L−1、IL−6、IL−8またはTNFのレベル;(ii)いずれかの細胞
関連IL−1、IL−6、IL−8またはTNF;または(iii)それぞれI
L−1、IL−6、IL−8またはTNFが産生される細胞または組織における
基底レベル以上のIL−1、IL−6、IL−8またはTNFのmRNAの存在
。
式(I)の化合物がサイトカイン、詳細にはIL−1、IL−6、IL−8お
よびTNFの阻害剤であるという知見は、in vitroアッセイにおけるIL−1、
IL−6、IL−8およびTNF産生に対する式(I)化合物の影響に基づくも
のであり、それは本明細書に記載されている。
本明細書の用語「IL−1(IL−6、IL−8またはTNF)の産生を阻害
」とは次のことをいう:
a)すべての細胞(単球またはマクロファージを包含するが、これらに限らな
い)によるin vivoでのサイトカイン放出を阻害することによる、ヒトにおける
サイトカイン(IL−1、IL−6、IL−8またはTNF)の過剰なin vivo
レベルの正常または正常以下のレベルへの低下;
b)ヒトにおけるサイトカイン(IL−1、IL−6、IL−8またはTNF
)の過剰なin vivoレベルのゲノムレベルでの正常または正常以下レベルへのダ
ウンレギュレーション;
c)移植後の出来事としてサイトカイン(IL−1、IL−6、IL−8また
はTNF)の直接合成を阻害することによるダウンレギュレーション;または
d)ヒトにおけるサイトカイン(IL−1、IL−6、IL−8またはTNF
)の過剰なin vivoレベルの翻訳レベルでの正常または正常以下レベルへのダウ
ンレギュレーション。
本明細書の用語「TNFにより媒介される疾病または疾病状態」は、TNF自
体の産生により、あるいはTNFが他のモノカイン(IL−1、IL−6または
IL−8を包含するが、これらに限らない)の放出を引き起こすことにより、T
NFが役割を果たしているいずれかのまたはすべての疾病をいう。例えば、IL
−1が主要成分であり、TNFに応答してその産生または作用が増大しあるいは
分泌される疾病状態は、それゆえ、TNFにより媒介される疾病状態であろ
う。
本明細書の用語「サイトカイン」は、細胞機能に影響し、免疫、炎症または造
血応答における細胞間相互作用を転調させる分子である分泌ポリペプチドをいう
。サイトカインとは、細胞が産生するかどうかにかかわらず、モノカインおよび
リンホカイン(これらに限らない)を包含する。例えば、一般的には、モノカイ
ンは、マクロファージおよび/または単球のごとき単核細胞により産生され分泌
されるといわれている。しかしながら、多くの他の細胞も、天然キラー細胞、線
維芽細胞、好塩基球、好中球、ない非細胞、脳の星状細胞、骨髄基質細胞、上皮
角化細胞およびBリンパ球を産生する。一般的にはリンホカインはリンパ球によ
り産生されるといわれている。サイトカインの例は、インターロイキン−1(I
L−1)、インターロイキン−6(IL−6)、インターロイキン−8(IL−
8)、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)および腫瘍壊死因子−ベータ(T
NF−β)を包含するが、これらに限らない。
本明細書の用語「サイトカイン妨害量」または「サイトカイン抑制量」は、過
剰または調節されないサイトカニン産生により悪化または発生させられる疾病状
態の予防または治療のために患者に投与した場合、in vivoにおけるサイトカイ
ンのレベルを正常または正常以下のレベルに低下させる式(I)の化合物の有効
量をいう。
本明細書において、HIV感染したヒトの治療における「サイトカインの阻害
」という語句中のサイトカインは、次のことがらに関与しているサイトカインを
意味する:(a)T細胞活性化および/または活性化T細胞により媒介されるH
IV遺伝子の発現および/または複製の開始および/または維持、ならびに/あ
るいは(b)悪液質または筋肉変性のごときサイトカインにより媒介される疾病
に関連した問題。
TNF−β(リンホトキシンともいう)はTNF−α(カヘクチンとしても知
られる)に関して密接な構造相同性を有しており、それぞれが類似の生物学的応
答を誘導し、同じ細胞受容体に結合するので、TNF−αおよびTNF−βは両
方とも本発明化合物により阻害され、よって、特記しない限り、本明細書におい
てはそれらをまとめて「TNF」という。
MAPキナーゼファミリーの新しいメンバー(CSBP、p38またはRKと
もいう)は、最近、いくつかの研究室により独立別個に同定された。二重ホスホ
リレーションによるこの新規蛋白キナーゼの活性化は、広範な刺激(例えば、物
理化学的ストレスおよびリポポリサッカライドもしくは前炎症サイトカイン(例
えば、インターロイキン−1および腫瘍壊死因子)での処理による刺激に対して
異なる細胞系において観察された。本発明サイトカイン生合成阻害剤、すなわち
式(I)の化合物は、CSBP/p38/RKキナーゼ活性の有効かつ選択的な
阻害剤であることがわかった。これらの阻害剤は炎症応答におけるシグナリング
経路の関与の決定を助ける。詳細には、まず、明確なシグナルトランスダクショ
ン経路は、マクロファージ中でのサイトカイン産生におけるリポポリサッカライ
ドの作用を規定しうる。
次いで、サイトカイン阻害剤は多くの動物モデルにおいて抗炎症活性について
試験された。サイトカイン抑制剤のユニークな活性を明らかにするために、シク
ロオキシゲナーゼ阻害剤に対して比較的感受性のないモデル系が選択された。多
くのかかるin vivo研究において阻害剤は有意な活性を示した。最も重要なのは
、コラーゲンにより誘導される関節炎モデルにおける有効性および内毒素ショッ
クモデルにおけるTNF産生の阻害である。後者の研究において、TNF血漿レ
ベルの低下は内毒素ショック関連死亡からの生還および防御と相関関係があった
。ラット・胎児の長骨器官培養系における骨吸収の阻害における化合物の有効性
も非常に重要である(Griswold et al.,(1988)Arthritis Rheum.31:1406-1412;B
adger,et al.,(1989)Circ.Shock 27,51-61;Votta et al.,(1994)in vitro.Bone1
5,533-538;Lee et al.,(1993)B.Ann.N.Y.Acad.Sci,696,149-170)。
式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を治療に用いるためには、通
常には、標準的な製薬慣習に従ってそれを医薬組成物中に処方する。それゆえ、
本発明は、有効量かつ無毒の量の式(I)の化合物および医薬上許容される担体
または希釈剤を含んでなる医薬組成物に関する。
式(I)の化合物、その医薬上許容される塩およびそれを含有する医薬組成物
を、薬剤投与に慣用的に使用されている経路のいずれか、例えば、経口、局所、
非経口または吸入により投与することができる。慣用的手順により式(I)の化合
物を標準的な医薬担体と混合することにより調製される慣用的剤型として式(I)
の化合物を投与することができる。式(I)の化合物を知られている第2の治療
活性化合物と組み合わせて投与してもよい。これらの手順は、混合、顆粒化およ
び打錠または所望調合品に応じた成分の溶解を包含しうる。医薬上許容される担
体または希釈剤の形態および特性は一緒に用いられる活性成分量、投与経路およ
び他のよく知られた変数により決定される。担体は、処方中の他の成分に適合し
、その受容者に有害でないという意味で「許容される」ものでなくてはならない
。
使用される医薬担体は、例えば固体または液体であってよい。固体担体の典型
例は、乳糖、白陶土、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸等である。液体担体の典型例は、糖蜜、ピ
ーナッツ油、オリーブ油、水等である。同様に、担体または希釈剤は、グリセリ
ルモノステアレートまたはグリセリルジステアレートのみまたはロウとの混合物
のごとき当該分野においてよく知られた時間遅延材料を包含しうる。
種々の医薬形態を用いることができる。よって、固体担体を用いる場合には、
調合品は錠剤であってもよく、粉末または顆粒として硬ゼラチンカプセル中に入
れられてもよく、あるいはトローチまたは甘味入り錠剤の形態であってもよい。
固体担体量は広範囲に変化させられるであろうが、約25mgないし約1gであ
ろう。液体担体を用いる場合には、調合品はシロップ、エマルジョン、軟ゼラチ
ンカプセル、アンプルのごとき滅菌注射可能液体、または非水性懸濁液の形態で
あろう。
式(I)の化合物を、局所的に、すなわち非全身的に投与することができる。
これには、式(I)の化合物の皮膚または口腔への外部からの適用およびかかる
化合物の耳、目および鼻への滴下が包含され、その結果、化合物は有意には血流
中に入らない。対照的に、全身投与は経口、静脈内、腹腔内および筋肉内投与を
いう。
局所投与に適した処方は、リニメント、ローション、クリーム、軟膏またはパ
スタのごとき皮膚から炎症部位への浸透に適した液体または半液体調合品、なら
びに目、耳または鼻への投与に適した滴剤を包含する。局所投与には、有効成分
は処方の0.001%ないし10% w/w、例えば1重量%ないし2重量%を
占める。しかしながら、有効成分は処方の10%程度であってもよいが、好まし
くは5% w/w未満、より好ましくは0.1%ないし1% w/wであろう。
本発明ローションは、皮膚または目への適用に適したものを包含する。アイロ
ーションは、殺殺菌剤を含有していてもよい滅菌水溶液を含んでなり、滴剤の調
製と同様の方法により調製することができる。皮膚に適用されるローションまた
はリニメントは、アルコールまたはアセトンのごとき乾燥促進剤および皮膚冷却
剤、および/またはグリセロールまたはヒマシ油または落花生油のごとき油脂の
ような保湿剤を含んでいてもよい。
本発明クリーム、軟膏またはパスタは外用有効成分の半固体処方である。それ
らは、細分または粉末形態の有効成分を、単独で、あるいは水性または非水性液
体中の溶液または懸濁液として調製してもよく、あるいは適当な機械を用いてグ
リース状または非グリース状基材と混合することにより調製してもよい。基材は
、硬、軟または流体パラフィン、グリセロール、蜜ロウ、金属セッケンのごとき
炭化水素;ゴムのり;アーモンド油、トウモロコシ油、落花生油、ヒマシ油また
はオリーブ油のごとき天然起源の油脂;羊毛脂またはその誘導体、あるいはプロ
ピレングリコールまたはポリエチレングリコールのごときアルコールと混合され
たステアリン酸またはオレイン酸のごとき油脂を含んでなっていてもよい。処方
は、ソルビタンエステルまたはそのポリオキシエチレン誘導体のごときアニオン
性、カチオン性または非イオン性界面活性剤のごとき適当な界面活性剤を含有し
ていてもよい。天然ゴム、セルロース、セルロース誘導体のごとき懸濁剤、また
はシリカ性シリカのごとき無機材料、ならびにラノリンのごとき他の成分を含ん
でいてもよい。
本発明滴剤は滅菌水性または油性溶液または懸濁液を含んでなっていてもよく
、殺細菌剤および/または殺真菌剤および/または他の適当な保存料の適当な水
溶
液(好ましくは、界面活性剤を含有)中に有効成分を溶解することにより製造し
てもよい。次いで、得られた溶液を濾過により清澄化し、適当な容器に移し、次
いで、密封し、オートクレーブまたは98〜100℃に半時間維持することによ
り滅菌する。別法として、濾過により溶液を滅菌し、無菌的方法により容器に移
してもよい。滴剤に含有される殺細菌および殺真菌剤の例は硝酸フェニル水銀ま
たは酢酸フェニル水銀(0.002%)、塩化ベンザルコニウム(0.01%)お
よび酢酸クロロヘキシジン(0.01%)である。油性溶液調製に適する溶媒は
、グリセロール、希釈されたアルコールおよびプロピレングリコールを包含する
。
式(I)の化合物を非経口的に、すなわち静脈内、筋肉内、皮下、鼻腔内、直
腸内、膣内または腹腔内投与してもよい。皮下および筋肉内形態の非経口投与が
一般的に好ましい。かかる投与に適する剤型を慣用的方法により調製することが
できる。式(I)の化合物を吸入により、すなわち鼻腔内および経口吸入投与に
より投与してもよい。エアロゾル処方または計量吸入器のごときかかる投与に適
する剤型を慣用的方法により調製することができる。
式(I)の化合物について本明細書に開示したすべての使用方法に関し、好ま
しくは、1日の経口投与規則は約0.1ないし約80mg/kg体重、好ましく
は約0.2ないし30mg/kg体重、より好ましくは約0.5mgないし15m
gであろう。1日の非経口投与規則は約0.1ないし約80mg/kg体重、好
ましくは約0.2ないし約30mg/kg体重、より好ましくは約0.5mgない
し15mg/kg体重であろう。1日の局所投与規則は、好ましくは0.1mg
ないし150mgであり、1日1ないし4回、好ましくは2または3回投与する
。1日の吸入投与規則は、好ましくは1日につき約0.01mg/kg体重ない
し約1mg/kg体重であろう。式(I)の化合物またはその医薬上許容される
塩の最適量および投与間隔は、治療すべき症状の程度、投与形態、経路および部
位、ならびに治療すべき個々の患者により決定されるであろうし、かかる最適値
を慣用的方法により決定できることが当業者により認識されるであろう。知慮の
最適コース、すなわち、一定日数における式(I)の化合物またはその医薬上許
容される塩の1日の投与回数は、慣用的な治療決定試験コースを用いて当業
者により決定されうるということも、当業者により理解されるであろう。
以下の生物学的実施例を参照して本発明を説明するが、それらは単に説明のた
めのものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。生物学的実施例
本発明化合物のサイトカイン阻害効果を以下のin vitroアッセイにより調べた
:
インターロイキン−1(IL−1):
Colotta et al,J Immunol,132,936(1984)の手順に従って、志願者ドナーまた
は血液銀行のバフィーコートからヒト・末梢血単球を単離し精製する。これらの
単球(1x106個)をウェル1個あたり1〜2百万個/mlの濃度で24ウェ
ルプレートに入れる。細胞を2時間放置して付着させ、次いで、非付着細胞をゆ
るやかに洗浄することにより除去する。次に、試験化合物を細胞に添加し、約1
時間たってからリポポリサッカライド(50ng/ml)を添加し、次いで、培
養を37℃でさらに24時間インキュベーションする。この時間の終わりに培養
上清を取り、細胞または細胞残渣を除去して清澄化する。次いで、Simon et al.
,J.Immunol.Methods,84,85(1985)の方法(インターロイキン−2産生細胞系(E
L−4)を刺激してA23187イオノフォアと協奏してIL−2を分泌させる
IL−1の能力に基づく)あるいはLee et al.,J.Immuno Therapy,6(1),1-12(19
90)の方法(ELISAアッセイ)のいずれかにより培養上清をIL−1の生物
学的活性について即座にアッセイする。
腫瘍壊死因子(TNF):
Colotta,R.et al.,J.Immunol,132(2),936(1984)の手順に従って、血液銀行の
バフィーコートまたは血小板フェレーシス残渣のいずれかからヒト・末梢血単球
を単離し、精製する。単球を1X106個/ml培地/ウェルの密度で24ウェ
ルマルチディッシュに撒く。細胞を1時間付着させ、次いで、上清を吸引除去し
、
1%ウシ胎児血清およびペニシリンおよびストレプトマイシン(10ユニット/
ml)を補足した新鮮培地(1ml,RPMI-1640,Whitaker Biomedical Products,Whi
taker,CA)を添加する。1nM〜10mMの範囲の試験化合物存在下で細胞を4
5分インキュベーションする(化合物をジメチルスルホキシド/エタノールで可
溶化して、培地中の最終溶媒濃度をジメチルスルホキシド0.5%/エタノール
0.5%とする)。次いで、細菌リポポリサッカライド(Sigma Chemical Co.か
ら得たE.coli 055:B5[LPS])を添加し(10mlのリン酸緩衝化セイライン中1
00ng/ml)、5% CO2インキュベーター中で培養を37℃で16〜18
時間インキュベーションする。インキュベーション時間の終わりに、培養上清を
細胞から取り、3000rpmで遠心分離して細胞残渣を除去する。次いで、W
O92/10190およびBecker et al.,J.Immunol,1991,147,4307に記載され
たように、ラジオイムノまたはELISAアッセイのいずれかを用いて上清をT
NF活性についてアッセイする。
アラキドン酸代謝阻害を媒介することにおいて、IL−1およびTNF阻害活
性は式(I)の化合物の特性と相関関係があるとは思われない。さらに、有効な
シクロオキシゲナーゼおよび/またはリポオキシゲナーゼ阻害活性を有する非ス
テロイド抗炎症剤によるプロスタグラインジン産生阻害能および/またはロイコ
トリエン合成阻害能は、必ずしも化合物が無毒の用量でTNFまたはIL−1産
生を阻害するとは限らないことを意味する。
インターロイキン−8(IL−8):
初期のヒト・臍帯内皮細胞(HUVEC)(Cell Systems,Kirland,Wa)を、15%
ウシ胎児血清および1%CS−HBGF(aFGFおよびヘパリンからなる)を
補足した培地で培養する。次いで、ゼラチンコーティングした96ウェルプレー
ト中に撒く(250μl)前に細胞を20倍希釈する。使用前に、培地を新鮮培
地(200μl)と交換する。次いで、バッファーまたは試験化合物(25μl
,濃度1μMないし10μM)を各ウェルに添加し(4系で行う)、5% CO2
雰囲気下の37℃の加湿インクイベーター中で6時間プレートをインキュベーシ
ョ
ンする。インキュベーション時間の終わりに、上清を取り、R&D Systems(Minne
apolis,MN)から得たIL−8 ELISAキットを用いてIL−8濃度をアッセ
イする。すべてのデータは標準曲線に基づく複数試料の平均値(ng/ml)で
ある。非線形回帰分析によりIC50を適宜求める。
サイトカイン特異的結合蛋白アッセイ
放射競争結合アッセイ(radiocompetitive binding assay)を開発して、構造
−活性の研究のための非常に再現性のある1次スクリーニングを行った。新たに
単離されたヒト・単球をサイトカイン源として用い、それらの定量にELISA
を用いる慣用的なバイオアッセイよりも、このアッセイは多くの利点を提供する
。THP.1細胞由来の可溶性細胞質ゾルフラクションおよび放射性標識化合物
を用いて特異的かつ再現性のあるサイトカイン阻害剤結合アッセイを開発した。
特許出願USSN08/123175 Leeら,1993年9月出願;LeeらPCT
94/10529 1994年9月16日出願、およびLee et al.,Nature 300,n
(72),739-746(1994年12月)の開示を参照により本明細書に記載されてい
るものと見なし、それらには薬剤をスクリーニングしてサイトカイン特異的結合
蛋白(以後CSBPという)と相互作用しこれに結合する化合物を同定する上記
方法が記載されている。しかしながら、本発明の目的からすれば、結合蛋白は溶
液中の単離形態、または固定化形態であってよく、あるいは遺伝子組み換えによ
り組み換え宿主細胞の表面上に発現されてもよく(例えばファージディスプレイ
システムにおいて)、融合蛋白として発現されてもよい。別法として、全細胞ま
たはCSBPを含んでなる細胞質ゾルフラクションをスクリーニングプロトコー
ルに用いてもよい。結合蛋白の形態に関係なく、化合物/結合蛋白複合体の形成
に十分な条件下において、多数の化合物が結合蛋白に接触し、複合体を形成、促
進または妨害できる化合物が検出される。
式(I)、実施例4、7、8、10ないし21の典型的な最終化合物はすべて
この結合アッセイにおいて正の阻害活性を示した。
プロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ−2(PGHS−2)アッセ
イ:
下記アッセイは、LPSにより刺激されたヒト・単球におけるヒト・PGHS
−2蛋白発現に対する式(I)の化合物の阻害効果を調べるための方法を説明す
る。方法
:
FicollおよびPercollグラジエントを用いる遠心分離によりヒト・末梢血単球
をバフィーコートから単離した。細胞を2X106個/ウェルとして24ウェル
プレートに撒き、1%ヒト・AB血清、20mM L−グルタミン、ペニシリン
−ストレプトマイシンおよび10mM HEPESを補足したRPMI中で1時
間付着させた。化合物を種々の濃度で添加し、37℃で10分インキュベーショ
ンした。LPSを50ng/ウェルで添加し(酵素発現を誘導するために)、3
7℃で一晩インキュベーションした。上清を除去し、細胞を冷PBSで1回洗浄
した。100μlの冷溶解バッファー(50mM Tris/HCl pH7.5,
150mM NaCl,1% NP40,0.5%デオキシコール酸ナトリウム,0.
1% SDS,300μg/ml DNAse,0.1% TRITON X−100,
1mM PMSF,1mM ロイペプチン)中で細胞を溶解した。溶解物を遠心分
離(10000Xg、10分、4℃)して残渣を除去し、可溶性フラクションを
ADA−PAGE分析(12%ゲル)に供した。ゲル上で分離された蛋白を電気
泳動手段(2時間、60ボルト)によりニトロセルロース膜上に移した。5%脱
脂乾燥乳を含有するPBS/0.1%,Tween 20中に膜を1時間浸した。
PBS/Tweenバッファーで3回洗浄後、1% BSA含有PBS/Twe
en中に1:2000希釈したPGHS−2に対する単一特異性抗血清または1
:1000希釈したPGHs−1に対する抗血清とともに、連続的に振盪しなが
ら膜を1時間インキュベーションした。PBS/Tweenで膜を3回洗浄し、
次いで、1% BSA含有PBS/Tween中に1:3000希釈したウサギ
・Igに対するセイヨウワサビ・ペルオキシダーゼ抱合ロバ・抗血清(Amersham
)とともに、振盪しながら1時間インキュベーションした。次いで、
膜をPBS/Tweenで3回洗浄し、ECL免疫検出システム(Amersham)を
用いてプロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ−2の発現レベルを検
出した。
結果:
下記化合物:
6−(4−フルオロフェニル)−2,3−ジヒドロ−5−(4−ピリジニル)イ
ミダゾ[2,1−b]チアゾールおよびデキサメタソン(Dexamethasone)
を試験し、活性があることがわかった(アッセイのところに記載したサイトカイ
ン産生阻害の能力ランク順と同様のランク順で、LPSにより誘導されるPGH
S−2蛋白発現を阻害した)。
いくつかの化合物:
2−(4−メチルスルフィニルフェニル)−3−(4−ピリジル)−6,7−ジ
ヒドロ−(5H)−ピロロ[1,2−a]イミダゾール ロリプラム(rolipram)
、フェニドン(phenidone)およびNDGA
を試験し、不活性であることがわかった(10μMまで)。
同様の実験において試験した化合物はPGHS−1またはcPLA2蛋白レベ
ルを抑制しないことがわかった。
合成の実施例
今度は、本発明を下記実施例を参照して説明するが、実施例は単なる説明であ
って、本発明の範囲を限定するものと解してはならない。すべての温度はセ氏で
あり、すべての溶媒は市販最高純度のものであり、特記しないかぎり、すべての
反応は無水条件下、アルゴン雰囲気下で行う。
実施例において、すべての温度はセ氏(℃)である。特記しないかぎり、高速
原子衝撃を用いるVG Zab質量スペクトル計により質量スペクトル分析を行った。
Bruker AM 250またはAm 400スペクトル計を用いて1H−NMR(以後「NMR」
という)スペクトルを250MHzにおいて記録した。示された多重度は:s=
シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、m=マル
チプレットであり、brは広いシグナルを示す。Sat.は飽和溶液を示し、e
qは主反応物に対する試薬のモル当量の割合を示す。
Merckシリカゲル60(230〜400メッシュ)にてフラッシュクロマトグ
ラフィーを行う。
実施例1 1−[3−(4−モルホリニル)プロピル]−4−(4−フルオロフェニル)− 5−(4−ピリジル)イミダゾール
a)4−フルオロフェニル−トリルチオメチルホルムアミド
p−フルオロベンズアルデヒド(13.1ミリリットル(以後mLという),1
22ミリモル(以後mmolという))、チオクレゾール(16.64グラム(
以後gという),122mmol)、ホルムアミド(15.0mL,445mmo
l)、およびトルエン(300mL)の溶液を混合し、加熱してトルエンを還流
し、H2Oを18時間共沸除去した。冷却した反応物をEtOAc(500ml
)で希釈し、Na2CO3飽和水溶液(3x100mL)、NaCl飽和水溶液(
100mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。残渣を石油エーテル
で粉砕し、濾過し、減圧乾燥して28.50gの標記化合物を白色結晶として得
た(85%)。融点(以後mpという)=119〜120℃。
b)4−フルオロフェニル−トリルチオメチルイソシアニド
CH2Cl2(300mL)中の実施例1(a)の化合物(25g,91mmo
l)を−30℃まで冷却し、機械的に撹拌しながらPOCl3(11mL,110
mmol)を滴下し、次いで、温度を−30℃に維持しながらEt3N(45m
L,320mmol)を滴下した。−30℃で30分、次いで、5℃で2時間撹
拌し、CH2Cl2(300mL)で希釈し、5% Na2CO3(3x100mL
)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、500mLまで濃縮した。大型
焼結ガラス漏斗中の12x16cmのシリカゲルの筒でこの溶液をCH2Cl2と
ともに濾過し、12.5g(53%)の精製イソニトリルをうす褐色ロウ状固体
として得た。IR(CH2Cl2)2130cm-1。
c)ピリジン−4−カルボキシアルデヒド[4−モルホリニルプロプ−3−イル ]イミン
ピリジン−4−カルボキシアルデヒド(2.14g,20mmol)、4−(3
−アミノプロピル)モルホリン(2.88g,20mmol)、トルエン(50m
L)およびMgSO4(2g)を混合し、アルゴン下で18時間撹拌した。Mg
SO4を濾別し、濾液を濃縮し、残渣をCH2Cl2から再濃縮して4.52g(9
7%)の標記化合物を黄色油状物質として得た(1H NMRによれば5%未満の
アルデヒドを含有)。1H NMR(CD3Cl):8.69(d,J=4.5Hz,
2H),8.28(s,1H),7.58(d,J=4.5Hz,2H),3.84(m,
6H),2.44(m,6H),1.91(m,2H)。
d)1−[3−(4−モルホリニル)プロピル]−4−(4−フルオロフェニル )−5−(4−ピリジル)イミダゾール
実施例1(b)の化合物(1.41g,5.5mmol)、および実施例1(c
)の化合物(1.17g,5.0mmol)およびCH2Cl2(10mL)を5℃
まで冷却した。1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デク−5−エン(以後
TBDという)(0.71g,5.0mmol)を添加し、反応を5℃に16時間
維持し、EtOAc(80mL)で希釈し、Na2CO3(2x15mL)飽和水
溶液で洗浄した。EtOAcを1N HCl(3x15mL)で抽出し、酸の相
をEtOAc(2x25mL)で洗浄し、EtOAc(25mL)との層を形成
させ、pH8.0になるまで固体K2CO3を添加し、次いで、pH10になるま
で10%NaOHを添加した。相を分離させ、水相をさらなるEtOAc(3x
25mL)で抽出した。抽出物を乾燥(K2CO3)し、濃縮し、残渣をアセトン
/ヘキサンから再結晶化して0.94g(51%)の標記化合物を得た。融点=
149〜150℃。
実施例2 5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1− (4−(1,3−ジオキシシクロペンチル)シクロヘキシル)イミダゾール
a)1−アミノ−4−(1,3−ジオキシシクロペンチル)シクロヘキサン
1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール(15.6g,0.10mo
l)、H2O(170ml)およびNa2CO3(27.8g)を混合し、NH2O
H・HCl(27.8g,0.40mol)を少しずつ添加した。得られた混合物を
30分撹拌した。EtOAcでの抽出、乾燥(Na2SO4)、次いで、濃縮によ
り17.1g(100%)の4−(1,3−ジオキシシクロペンチル)−シクロヘ
キサノンオキシムを得た。
オキシム(6.0g,35mmol)、ラネーニッケル(pH7.0のH2O中懸
濁液として約3mL)およびEtOH(無水)を混合し、50psiのH2下で
16時間振盪した。触媒を濾別し、濾液を濃縮し、次いで希釈して2.4g(6
0%)の標記化合物を得た(沸点=68℃,0.18mm)。
b)2−アミノピリミジン−4−カルボキシアルデヒド(4−エチレンケタール −1−シクロヘキシル)イミン
溶媒がCH2Cl2であり、乾燥剤(MgSO4)を必要とせずに標記化合物を
黄色油状物質として得たことを除き1(c)の手順により、上の工程2(a)の
生成物および下で調製する実施例3(b)の生成物を反応させた。
c)5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)− 1−(4−ジオキシシクロヘキシル)イミダゾール
前工程の化合物をイミンとして用いること以外は実施例1(d)の手順に従っ
て標記化合物を得た。ESI質量スペクトル MH+=396。
実施例3 2−アミノピリミジン−4−カルボキシアルデヒド
a)2−アミノピリミジン−4−カルボキシアルデヒドジメチルアセタール
ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(55mL,0.41mol)、およ
びピルビックアルデヒドジメチルアセタール(50mL,0.41mol)を混合
し、100℃で18時間加熱した。メタノールを減圧除去して油状物質を得た。
H2O(50mL)中のNaOH(18g,0.45mol)の溶液を、H2O(
100mL)中のグアニジン塩酸(43g,0.45mol)に添加し、得られた
溶液を上記油状物質に添加した。得られた混合物を23℃で48時間撹拌した。
濾過により25g(50%)の標記化合物を得た。
b)2−アミノピリミジン−4−カルボキシアルデヒド
前工程の化合物(1.69g,10mmol)および3N HCl(7.3mL,
22mmol)を混合し、48℃で1時間加熱し、冷却し、EtOAc(50m
L)を用いて層を形成させ、次いで、NaHCO3(2.1g,25mmol)を
少しずつ添加することにより中和した。水相をEtOAc(5x50mL)で抽
出し、抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濃縮して0.793g(64%)の標記
化合物を得た。
実施例4 5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1− (4−ケトシクロヘキシル)イミダゾール
実施例2の生成物(1.27g,3.22mmol)および3N HCl(12.
4mL)を混合し、23℃で16時間撹拌し、10% Na2CO3水溶液(50
mL)と混合し、EtOAcで抽出した。抽出物を粗(Na2SO4)し、濃縮し
、フラッシュクロマトグラフィー(0〜4% MeOH)により0.72g
(64%)の標記化合物を白色固体として得た。ESI質量スペクトル MH+=
352。
実施例5 5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1− (4−シクロヘキシルオキシム)イミダゾール
実施例4の生成物(351mg,1.0mmol)、NH2OH・HCl(278
mg,4.0mmol)、H2O(6mL)およびCH3OH(2mL)を混合し、
Na2CO3(278mg,2.6mmol)を少しずつ添加した。混合物を24時
間撹拌し、NaHCO3水溶液を添加し、混合物をCH2Cl2で抽出し、濃縮し
、0〜8%MeOHを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより0.248g
(67%)の標記化合物を得た。
実施例6 5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1− (4−シクロヘキシルヒドロキシルアミン)イミダゾール
実施例5の生成物(250mg,0.68mmol)、NaCNBH3(42m
g,0.68mmol)およびMeOH(2.5mL)を混合した。メタノール性
HCl(数滴)を添加し(pH<3)、混合物を1時間撹拌し、10%NaOH
水溶液で希釈し、EtOAcで抽出した。抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濃縮
し、フラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2中0〜8% MeOH)により
160mg(64%)を得た。ESI質量スペクトルMH+=369。
実施例7 5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1− trans−4−ヒドロキシウレア)イミダゾールおよび5−(2−アミノ−4−ピ リミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(cis−4−ヒドロキシウ レア)イミダゾール
Adamsらの手順(1991年10月3日公開のWO91/14674)に
従って実施例6の生成物を反応させてcisおよびtransシクロヘキシルヒドロキン
ウレア異性体の混合物を得た。混合物をCH2Cl2で粉砕し、cis異性体を選択
的に溶解させた(NMRにより確認)。固体を濾別した。濾液を濃縮して5−(
2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(cis
−4−ヒドロキシウレア)イミダゾール SB223768(NMRによれば約
20%のtrans異性体を含有)を得た。融点=185〜245℃(分解)。
上で得られた固体をCH2Cl2/MeOHに再溶解し、沈殿し始めるまで濃縮
した。濾過により純粋な5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フ
ルオロフェニル)−1−(trans−4−ヒドロキシウレア)イミダゾールを得た
。融点=188〜190℃。
実施例8 5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1− (trans−4−ヒドロキシシクロヘキシル)イミダゾール
CH3OH中の実施例4の生成物(0.61g,1.74mmol)および1M
NaBH4を、CH3OH/THF(1:1,7mL)中に混合し、10分撹拌し
、反応物を10%Na2CO3(25mL)水溶液中に注ぎ、EtOAc(4x5
0mL)で抽出し、乾燥(Na2SO4)した。フラッシュクロマトグラフィー(
CH2Cl2中0〜8% CH3OH)により0.52g(85%)の標記化合物を
得た。
上記のこれらの方法および本明細書のスキームと同様の方法で、下記化合物を
調製することができる:実施例9
:5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニ
ル)−1−(4−アミノシクロヘキシル)イミダゾール
実施例10 5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェ ニル)−1−(4−ケトシクロヘキシル)イミダゾール
a)2−N−メチルアミノピリミジン−4−カルボキシアルデヒド
メチルグアニジン・HClを用いて実施例3に記載したようにして標記化合物
を調製した。1H NMR(CDCl3,400MHz):δ9.95(s,1H),
8.88(d,1H),7.50(,1H),3.54(s,3H),2.54(s,3H)
。
b)2−N−メチルアミノピリミジン−4−カルボキシアルデヒド−(4−エチ レンケタール−1−シクロヘキシル)イミン
実施例10(a)の化合物(.8g,5.8mmol)および実施例2(a)の
化合物(0.8g,5.1mmol)をDMF(12mL)中で18時間撹拌した
。減圧濃縮により標記化合物を黄色油状物質として得た。1H NMR(400M
Hz,CDCl3):δ8.34(d,1H),8.15(s,1H),7.13(d,1
H),5.25(d,1H),3.39(m,1H),3.03(d,3H),1.90(
m,7H),1.79(m,2H),1.65(m,2H)。
c)4−フルオロフェニル−トリルスルホニルメチルホルムアミド
H2O(15mL)中のp−トルエンスルフィン酸ナトリウム塩(30g)お
よびtert−ブチルメチルエーテル(50mL)の懸濁液に濃塩酸(15mL)を
滴下した。15分撹拌後、有機相を除去し、水相をtert−ブチルメチルエーテル
で抽出した。有機相を一緒にし、乾燥(Na2SO4)し、ほとんど乾燥するまで
濃縮した。ヘキサンを添加し、得られた固体を濾過して遊離酸(22.06g)
を得た。遊離酸(140.6mmol)を、p−フルオロベンズアルデヒド(2
2mL,206mmol)、ホルムアミド(20mL,503mmol)およびし
ょうのうスルホン酸(4g,17.3mmol)と混合し、60℃で18時間撹拌
した。得られた固体を粉砕し、メタノール(35mL)およびヘキサン(82m
L)とともに撹拌した。混合物を濾過した。大きなかたまりを粉砕し、
得られた固体をメタノール/ヘキサン(200mL,1:3)中で0.5時間激し
く撹拌した。懸濁液を濾過して標記化合物(27.08g,収率62.7%)を得
た。1H NMR(400MHz,CDCl3):δ8.13(s,1H),7.71(
d,2H),7.43(dd,2H),7.32(d,2H),7.08(t,2H),6.
35(d,1H),2.45(s,3H)。
d)4−フルオロ−トリルスルホニルメチルイソシアニド
エチレングリコールジメチルエーテル(DME)(32mL)中の実施例10
(c)からの化合物(2.01g,6.52mmol)の混合物を−10℃に冷却
した。内部温度を−5℃以下に保ちながらDME(3mL)中に溶解した
POCl3(1.52mL,16.30mmol)を滴下した。−5℃で1時間撹拌
後、反応をH2Oで不活性化し、生成物をEtOAcで抽出し、次いで、水層を
飽和NaHCO3で洗浄した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。残渣
を石油エーテルで粉砕し、濾過して標記化合物(1.70g,収率90%)をオレ
ンジ−褐色固体として得た。IR(CH2Cl2) 2135cm-1。
e)5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロ フェニル)−1−[4−(1,3−ジオキシシクロペンチル)シクロヘキシル] イミダゾール
実施例10(b)からの化合物(1.6g,5.84mmol)を、DMF(1
2mL)中の実施例10(d)からの化合物(2g,6.9mmol)および粉末
K2CO3(1.2g,8.7mmol)と、0℃において3時間混合した。混合物
をゆっくりと室温まで暖め、さらに18時間撹拌した。EtOAcを添加し、混
合物を濾過し、濃縮し、H2O/EtOAc中に取った。得られた黄色固体を濾
過し、5%MeOH/CH2Cl2で溶離するフラッシュクロマトグラフィー(シ
リカゲル)により標記化合物(0.50g,収率29%)を得た。1H NMR(4
00MHz,CDCl3):δ8.16(d,1H),7.78(s,1H),7.45
(q,2H),6.99(t,2H),6.40(d,1H),5.70(m,
1H),4.74(m,1H),3.99(s,4H),3.05(d,3H),2.20
(m,2H),2.04(q,2H),1.89(dd,2H),1.68(m,3H)。
f)5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロ フェニル)−1−(4−ケトシクロヘキシル)イミダゾール
実施例10(e)の化合物を用いること以外は実施例4の手順に従って標記化
合物を得た(0.37g,収率78%)。融点232.5〜233.5℃。1NMR
(400MHz,CDCl3):δ7.97(d,1H),7.69(s,1H),6.
89(t,2H),6.24(d,1H),5.08(m,1H),3.25(s,1H)
,2.91(d,3H),2.39(d,5H),2.08(m,2H),1.92(m,1
H)。
実施例11 5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェ ニル)−1−(trans−4−ヒドロキシシクロヘキシル)イミダゾール
実施例11(f)(0.49g,1.34mmol)を用い、EtOH/H2Oか
ら再結晶化すること以外は実施例8の手順に従って標記化合物を調製し、白色結
晶(0.38g,収率77%)を得た。融点230〜231℃。1H NMR(40
0MHz,CDCl3):δ8.08(m,1H),7.70(s,1H),7.37(
q,2H),6.98(t,2H),6.32(d,1H),4.67(m,1H),3.6
7(m,1H),3.00(s,3H),2.18(m,2H),2.07(m,2H),
1.75(m,2H),1.37(m,2H)。
実施例11と類似の方法を用いて、cis異性体も得た:5−[4−(2−N−
メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(cis−
4−ヒドロキシシクロヘキシル)イミダゾール
実施例12 5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェ ニル)−1−[4−(cis−ピロリジニル)シクロヘキシル]イミダゾールおよ び5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ ェニル)−1−[4−(trans−ピロリジニル)シクロヘキシル]イミダゾール
MeOH(3mL)中のピロリジン(0.3mL,3.6mmol)の溶液に、
5%エタノール性HCl(0.25mL)を添加した。実施例10(f)の化合
物(0.50g,1.26mmol)を添加し、次いで、シアノ水素化ホウ素ナト
リウム(0.05g,1.30mmol)を添加した。2日間撹拌後、混合物を濃
縮し、残渣をH2Oおよびブラインに懸濁し、次いで、EtOAcで抽出した。
有機相を乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。5%〜20% MeOH/CH2Cl2
で溶離するフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により生成物を精製
したところ、最初にcis−異性体がカラムから溶離し、標記化合物5−[4−(
2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−
[4−(cis−ピロリジニル)シクロヘキシル]イミダゾールが得られた。融点
192〜193℃。1H NMR(400MHz,CDCl3):δ8.04(s,1
H),7.95(s,1H),7.35(q,2H),6.95(t,2H),6.30(
d,1H),4.59(s,1H),3.40(m,1H),2.97(s,3H),2.5
8(s,4H),2.13(q,2H),2.00(d,2H),1.84(m,6H),
1.50(t,2H)。次いで、5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニ
ル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−[4−(trans−ピロリジニル)シ
クロヘキシル]イミダゾールが得られた。融点155〜156℃。1H NMR(
400MHz,CDCl3):δ8.03(d,1H),7.69(s,1H),7.3
5(q,2H),6.95(t,2H),6.28(d,1H),4.61(t,1H),
3.12(s,1H),2.96(s,3H),2.58(s,4H),2.25〜2,0
5(m,4H),1,78(s,4H),1.70(m,2H),1.35(t,2H)。
実施例13 5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェ ニル)−1−(4−エチニル−4−ヒドロキシシクロヘキシル)イミダゾール
実施例10(f)からの化合物(0.50g,1.37mmol)を乾THF(
5mL)に懸濁し、−78℃まで冷却した。臭化エチニルマグネシウム(13.
4mL,6.17mmol,THF中0.5M)を添加し、混合物を2時間撹拌した
。NH4Cl飽和水溶液で反応を不活性化し、生成物をEtOAcで抽出した。
有機相を乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。2% MeOH/CH2Cl2で溶離
するフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により生成物を精製して標記
化合物を得た。融点233.5〜234.5℃。1H NMR(400MHz,CD
Cl3):δ8.08(d,1H),7.77(s,1H),7.38(q,2H),6.
97(t,2H),6.31(d,1H),4.68(s,1H),2,76(s,3H)
,2.62(s,1H),2.10(m,6H),1.63(q,2H)。
実施例14 5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェ ニル)−1−(4−アミノ−4−メチルシクロヘキシル)イミダゾール
a)5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロ フェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)イミダゾール
臭化メチルマグネシウムを用いること以外は実施例13の手順に従って標記化
合物(収率76%)をcis−およびtrans−異性体の1:1混合物として得た。1
H NMR(400MHz,CDCl3):δ8.13(s,1H),7.79(s,0
.5H),7.72(s,0.5H),7.43(m,2H),6.96(m,2H),6.
38(m,1H),5.45(m,1H),4.68(m,5H),4.52(m,0.5
H),3.00(d,3H),2.30〜1.40(m,8H),1.36(s,1.5H
),1.25(s,1.5H)。
b)5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロ フェニル)−1−(4−アミノ−4−メチルシクロヘキシル)イミダゾール
実施例14(a)からの化合物(0.28g,0.75mmol)、シアン化ナ
トリウム(0.03g)およびH2SO4(0.5mL)の混合物を18時間撹拌し
た。H2Oで希釈し、50% NaOHを添加後、混合物を4時間還流し、次いで
、冷却し、EtOAcで抽出した。50% NaOHで水相を塩基性にし、Et
OAcで抽出した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。MeOH/CH2
Cl2/H2O(20:80:2)で溶離するフラッシュクロマトグラフィー(
シリカゲル)により残渣を精製して標記化合物を得た。融点186〜192℃。
実施例15 5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェ ニル)−1−(4−アセトアミド−4−メチルシクロヘキシル)イミダゾール
ピリジン(1mL)中の実施例14(b)の化合物(0.02g,0.05mm
ol)およびDMAP(0.0012g,0.01mmol)の混合物を0℃まで
冷却した。無水酢酸(0.009mL)を添加し、混合物を室温まで暖めた。1
8時間撹拌後、混合物をH2Oで希釈し、生成物をEtOAcで抽出した。有機
相を乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。0%〜5% MeOH/CH2Cl2で溶
離するフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により標記化合物(0.0
19g,収率90%)を得た。融点175〜176℃。1H NMR(400MH
z,CDCl3):δ8.14(d,1H),7.77(s,1H),7.43(q,2H
),7.00(t,2H),6.40(d,1H),4.58(m,1H),3.03(d,
3H),2.41(d,2H),2.09(m,2H),2.02(s,3H),1.82
(m,2H),1.40(c,3H),1.37(m,2H)。
上記実施例1から15までと類似の方法で、以下の化合物を合成した:
実施例16:5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−
フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)イミ
ダゾール;融点160〜161℃。
実施例17:5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−
フルオロフェニル)−1−(4−オキシラニル−シクロヘキシル)イミダゾール;
融点229〜230℃。
実施例18 5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェ ニル)−1−(4−シアノメチル−4−ヒドロキシシクロヘキシル)イミダゾー ル
a)4−フルオロフェニル−トリルスルホノメチルホルムアミド
H2O(100mL)中のp−ルエンスルフィン酸ナトリウム塩(30g)の
懸濁液に、メチルt−ブチルエーテル(50mL)を添加し、次いで、濃塩酸(
15mL)を滴下した。5分間撹拌後、有機相を除去し、水相をメチルt−ブチ
ルエーテルで抽出した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、ほとんど乾燥するまで
濃縮した。ヘキサンを添加し、遊離酸を濾過した。
p−トルエンスルフィン酸(22g,140.6mmol)、p−フルオロベン
ズアルデヒド(22mL,206mmol)、ホルムアミド(20mL,503m
mol)およびしょうのうスルホン酸(4g,17.3mmol)を混合し、60
℃で18時間撹拌した。得られた固体を粉砕し、MeOH(35mL)およびヘ
キサン(82mL)の混合物とともに撹拌し、次いで、濾過した。固体をMeO
H/ヘキサン(1:3,200mL)に再懸濁し、激しく撹拌して残りのかたま
りを粉砕した。濾過により標記化合物を得た(27g,収率62%)。1H NM
R(400MHz,CDCl3):δ8.13(s,1H),7.71(d,2H9,7
.43(dd,2H),7.32(d,2H),7.08(t,2H),6.34(d,1
H),2.45(s,3H)。
b)4−フルオロフェニル−トリルスルホノメチルイソシアニド
DME(32mL)中の前工程の化合物(2.01g,6.25mmol)を
−10℃まで冷却した。内部温度を−5℃以下に保ちながらPOCl3(1.52
mL,16.3mmol)を添加し、次いで、DME(3mL)中のトリエチルア
ミン(4.6mL,32.6mmol)を滴下した。混合物を1時間かけて暖め、
H2Oで反応を不活性化し、EtOAcで抽出した。有機相をNaHCO3飽和水
溶液で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。得られた残渣を石油エーテル
で粉砕し、濾過して標記化合物(1.7g,収率90%)を得た。1H NMR(C
DCl3):δ7.63(d,2H),7.33(m,4H),7.10(t,2H),5.
60(s,1H),2.50(s,3H)。
c)1−アミノ−4−(1,3−ジオキシシクロフェニル)シクロヘキサン
H2O(250mL)中の1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール
(27.6g,177mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸(49.2g,70
8mmol)の混合物に、Na2CO3(49.2g,547mmol)を少しずつ
添加した。1時間撹拌後、混合物をEtOAcで抽出した。有機相を乾燥(Na2
SO4)し、濃縮して4−(1,3−ジオキシシクロペンチル)−シクロヘキサ
ノンオキシム(27.5g,収率90%)を得た。
オキシム(27.5g,161mmol)、ラネーニッケル(EtOH中懸濁液
約13.5mL)およびEtOH(200mL)を混合し、50psiのH2下で
4時間振盪した。触媒を濾別し、濾液を濃縮して標記化合物を無色油状物質とし
て得た(23.6g,収率93%)。1H NMR(CDCl3):δ2.64(m,
1H),1.75〜1.25(m,12H)。
d)2−N−メチルアミノピリミジン−4−カルボキシアルデヒドジメチルアセ タール
ピルビックアルデヒドジメチルアセタール(277mL,2.3mmol)およ
びN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(304mL,2.3mmo
l)を混合して100℃で18時間撹拌した。
この粗生成物を、メチルグアニジン塩酸(112g)およびNaOEt(74
g)のよく撹拌されている溶液に添加し、得られた混合物を24時間還流し、次
いで、冷却し、濾過し、濃縮した。得られた残渣を熱EtOAcで粉砕し、セラ
イトで濾過した。濾液を濃縮して標記化合物を褐色油状物質として得た。1H N
MR(CDCl3):δ8.33(d,1H),6.75(d,1H),5.10(s,
1H),3.40(s,6H),3.00(s,3H)。
e)2−N−メチルアミノピリミジン−4−カルボキシアルデヒド
3N HCl(45mL)中の前工程からの化合物(10.04g,55mmo
l)の混合物を47℃で24時間撹拌した。冷却後、EtOAcを添加し、次い
で、固体NaHCO3を添加した。水相をEtOAc(4x100mL)で抽出
した。有機相を一緒にし、乾燥(Na2SO4)し、濃縮して標記化合物を黄色泡
状物質として得た。1H NMR(CDCl3):δ9.88(s,1H),7.13
(d,1H),7.01(d,1H),2.05(s,3H)。
f)2−N−メチルアミノ−4−カルボキシアルデヒド(4−エチレンケタール シクロヘキシル)イミン
前工程からの化合物(9.5g,6.9mmol)および実施例18(c)で調
製した1−アミノ−4−(1,3−ジオキシシクロペンチル)シクロヘキサン(
10.8g,6.9mmol)の混合物をDMF(150mL)中で18時間撹拌
した。標記化合物を精製せずに使用した。1H NMR(CDCl3):δ8.34
(d,1H),8.15(s,1H),7.13(d,1H),5.25(d,1H),3.
39(m,1H),3.03(d,3H),1.90(m,7H),1.79(m,2H)
,1.65(m,2H)。
g)5−[4−(2−N−メチルアミノピリミジニル]−4−(4−フルオロフ ェニル)−1−(4−エチレンケタールシクロヘキシル)イミダゾール
0℃に冷却されたDMF中の前実施例からの粗生成物に、実施例1(b)で調
製した4−フルオロフェニル−トリルスルホノメチルイソシアニド(20g,
69mmol)およびK2CO3(12g,87mmol)を添加した。混合物を
0℃で3時間撹拌し、次いで、徐々に室温まで暖め、18時間撹拌した。EtO
Acを添加し、混合物を濾過して固体をEtOAcで洗浄した。H2Oを濾液に
添加し、有機相を分離し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。残渣をフラッシュ
クロマトグラフィー(シリカゲル、2% MeOH/CH2Cl2)により精製し
て標記化合物を黄色固体として得た(10.7g,収率38%)。1H NMR(C
DCl3):δ8.16(d,1H),7.78(s,1H),7.45(q,2H),6.
99(t,2H),6.40(d,1H),5.70(m,1H),4.74(m,1H)
,3.99(s,4H),3.05(d,3H),2.20(m,2H),2.04(dq,
2H),1.89(dd,2H),1.68(m,2H)。
h)5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロ フェニル)−1−(4−オキソシクロヘキシル)イミダゾール
3N HCl(150mL)中の前工程からの化合物の混合物を36時間撹拌
し、次いで、Na2CO3飽和水溶液で中和した。固体を水洗し、水性混合物をE
tOAcで抽出した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、濃縮して標記化合物をう
す黄色固体として得た(7.9g,収率77%)。融点232.5〜233.5℃。
i)5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロ フェニル)−1−(4−オキシラニルシクロヘキシル)イミダゾール
DMSO(1.2mL)中の水素化ナトリウム(0.07g,1.18mmol,
鉱油中60%懸濁液)の懸濁液にヨウ化トリメチルスルホキソニウム(0.39
g,1.78mmol)を添加した。気体の発生か止むまで混合物を撹拌した。乾
THF(5mL)中の前工程からの化合物(0.50g,1.4mmol)をこれ
に添加した。得られた混合物を4時間撹拌し、次いで、H2O中に注ぎ、濾過し
た。得られた固体をアセトン/ヘキサンで粉砕して標記化合物(0.4117g,
収率77%)を得た。融点229〜230℃。
j)5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロ フェニル)−1−(4−シアノメチル−4−ヒドロキシシクロヘキシル)イミダ ゾール
乾THF(10mL)中の前工程からの化合物の溶液に、シアン化ジエチルア
ルミニウム(2mL,トルエン中1M)を添加した。70℃で1時間撹拌後、混
合物を冷却し、10% NaOHで反応を不活性化し、デカンテーションした。
有機相をデカンテーションし、次いで、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグ
ラフィー(シリカゲル,5% MeOH/CH2Cl2)により精製し、生成物をE
tOH/H2Oから再結晶化して標記化合物を白色結晶として得た。融点152
〜154℃。実施例19 5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェ ニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)イミダ ゾール
a)実施例18(i)からの化合物(0.084g,0.22mmol)および8
8%ギ酸(3mL)の溶液を1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をMeOH
に溶解した。過剰のEt3Nを添加し、混合物を24案撹拌した。混合物を濃縮
し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,2%〜10%MeOH/CH2
Cl2)により精製した。得られた白色固体をアセトン/ヘキサンで粉砕して標
記化合物をcisおよびtrans異性体の混合物(0.047g,収率53%)として得
た。融点125〜130℃。実施例20 5−[4−(2−アミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1 −[4−ヒドロキシ−4−(1−プロピニル)シクロヘキシル]イミダゾール
a)2−アミノ−4−カルボキシアルデヒド(4−エチレンケタールシクロヘキ シル)イミン
2−アミノピリミジン−4−カルボキシアルデヒド(実施例3にて調製)を用
いて実施例18(f)の手順に従って標記化合物を得た。1H NMR(CDCl3
):δ8.36(d,1H),8.16(s,1H),7.21(d,1H),5.13(
m,1H),3.98(s,4H),2.00〜1.40(m,8H)。
b)5−[4−(2−アミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル) −1−(4−エチレンケタールシクロヘキシル)イミダゾール
前工程からの化合物を用い、実施例18(b)の手順に従って標記化合物を得
た。1H NMR(CDCl3):δ8.29(d,1H),7.77(s,1H),7.
45(q,2H),7.00(t,2H),6.50(d,1H),5.12(s,2H)
,4.63(m,1H),4.00(s,4H),2.17(m,2H),2.05(m,2
H),1.90(m,2H),1.73(m,2H)。
c)5−[4−(2−アミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル) −1−(4−オキソシクロヘキシル)イミダゾール
前工程からの化合物を用いること以外は実施例1(h)の手順に従って標記化
合物を白色固体として得た。1H NMR(CDCl3):δ8.02(d,1H),
7.74(s,1H),7.32(q,2H),6.94(t,2H),6.28(d,1
H),5.10(m,1H),2.93(s,3H),2.44(m,6H),2.12(
m,2H)。
d)5−(アミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−[4 −ヒドロキシ−2−プロピニル)シクロヘキシル]イミダゾール
乾THF(30mL)中の前工程からの化合物(0.49g,1.4mmol)
の−78℃の懸濁液にプロピニルマグネシウムブロミド[15mL,THF中1
M溶液、乾THF(75mL)中にプロピン気体(4g)を吹き込み、次いで、
メチルマグネシウムブロミド(26mL,78mmol,Et2O中3M)を添加
し、気体発生が止むまで混合物を撹拌することにより得た]を添加した。得られ
た混合物を徐々に室温まで暖めた。NH4Cl飽和水溶液で反応を不活性化し、
混合物をEtOAcで抽出した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。得
られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、5% MeOH/C
H2Cl2)により精製して標記化合物(0.068g,収率12%)を白色固体と
して得た。融点231〜232℃。
実施例21 5−[4−(2−アミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1 −(4−ヒドロキシ−4−メチル−シクロヘキシル)イミダゾール
a)5−[4−(2−アミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル) −1−(4−オキシラニルシクロヘキシル)イミダゾール
実施例20(c)にて調製した5−[4−(2−アミノ)ピリミジニル]−4
−(4−フルオロフェニル)−1−(4−オキソシクロヘキシル)イミダゾール
を用いること以外は実施例18(i)の手順に従って標記化合物を黄色固体とし
て得た。1H NMR(CDCl3):δ8.11(d,1H),7.78(s,1H)
,7.38(q,2H),6.99(t,2H),6.43(d,1H),4.65(m,1
H),2.71(s,2H),2.26(m,2H),2.03(m,4H),1.39(
m,2H)。
b)5−[[4−(2−アミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル )−1−(4−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)イミダゾール
乾THF(40mL)中の前工程からの化合物(1.24g,3.39mmol
)の懸濁液に水素化アルミニウムリチウム(5mL,5mmol,THF中1M)
を添加した。得られた混合物を1時間還流し、次いで、3N HCl(300m
L)中に注ぎ、固体NaHCO3を用いて塩基性にした。EtOAcで抽出後、
有機
相を乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラ
フィー(シリカゲル、5% MeOH/CH2Cl2)により精製し、次いで、E
tOH/H2Oから再結晶化して標記化合物を白色固体として得た(0.06g,
収率4.8%)。融点110〜111℃。上記実施例1から18までの方法で、
以下の化合物を合成することができる:
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−イソプロピルシクロヘキシル)イミダゾ
ール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−フェニルシクロヘキシル)イミダゾール
;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−ベンジルシクロヘキシル)イミダゾール
;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−シアノメチルシクロヘキシル)イミダゾ
ール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−(2−シアノエチル)シクロヘキシル)
イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−(2−アミノエチル)シクロヘキシル)
イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−(2−ニトロエチル)シクロヘキシル)
イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシメチル−4−アミノシクロヘキシル)イミダゾ
ール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェ
ニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−アミノシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−アミノシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−チオメチルシクロヘキシル)イミダゾール
;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)イミ
ダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフ
ェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−アミノエチルシクロヘキシル)イミダゾ
ール;
5−[4−(2−アミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−
1−(4−アミノ−4−メチルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−アミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−
1−(4−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−アミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−
1−(4−オキシラニルシクロヘキシル)イミダゾール
上記説明は、好ましい具体例を含めて本発明を十分に開示する。詳細に本明細
書に開示した具体例の修飾および改良は下記請求の範囲の範囲内である。さらに
苦労することなく、当業者は上記説明を用いて本発明を最大限に利用できると確
信する。それゆえ、本明細書の実施例は本発明の単なる説明であって本発明の範
囲を何ら限定しないと解される。排他的権利または独占権が主張されている本発
明の具体例を以下に記載する。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 31/505 ADU A61K 31/505 ADU
AED AED
31/535 ABE 31/535 ABE
ABG ABG
ABN ABN
ABX ABX
ACD ACD
ACJ ACJ
ADY ADY
C07D 403/04 233 C07D 403/04 233
(31)優先権主張番号 08/483,348
(32)優先日 1995年6月7日
(33)優先権主張国 米国(US)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U
G),AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
N,CZ,EE,FI,GE,HU,IS,JP,KE
,KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LT,LV,
MD,MG,MN,MX,NO,NZ,PL,PT,R
O,RU,SD,SG,SI,SK,TJ,TM,TT
,UA,US,UZ,VN
(72)発明者 リー,ジョン・チョン−ルン
アメリカ合衆国19312ペンシルベニア州
バーウィン、アナデイル・ドライブ 504
番