JPH10512062A - 単色ハロゲン化銀写真プリント材料の処理法 - Google Patents
単色ハロゲン化銀写真プリント材料の処理法Info
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- JPH10512062A JPH10512062A JP8521495A JP52149595A JPH10512062A JP H10512062 A JPH10512062 A JP H10512062A JP 8521495 A JP8521495 A JP 8521495A JP 52149595 A JP52149595 A JP 52149595A JP H10512062 A JPH10512062 A JP H10512062A
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Abstract
(57)【要約】
ヒドロキノン型現像剤またはリダクトン型現像剤のいずれかを、補助現像剤としての電子転移剤と、アニオンがカーボネート、サルファイト又はヒドロオキシドである少なくとも1の塩基性化合物と共に含む現像液を式(I)の化合物
Description
【発明の詳細な説明】
単色ハロゲン化銀写真プリント材料の処理法
写真処理の方法と技術は周知であり、たとえば1975年にFocal Pr
essによって刊行されたLFA MasonによるPhotographic
Processing Chemistryなる書物、及び1979年にMi
ley−Interscienceによって刊行されたG M Haistによ
るModern Photographic Processingに記載され
ている。1つの周知の方法は、写真処理溶液を含む一層から次の層へ写真材料を
供給するローラガイドからなる写真処理機を使用することからなる。写真材料を
ローラガイドからなる機械で処理するときに遭遇するトラブルの1は、ランダム
様式で存在する処理プリント材料上の黒色銀マークとして示される物理的な現像
かぶれの発生である。銀のこの物理現像の原因は明らかでない場合もあるが、多
くの場合ローラ輸送処理機で、写真材料を現像液を含む槽から定着液を含む槽へ
、中間の洗浄工程ないしに供給する間に起こる。また、処理をスピードアップす
るために、このような機械中の温度は30℃以上である。このような機械を使用
するとき、ある濃度の定着銀が定着液中に蓄積する。この種の処理条件は物理的
現像かぶれを促進する傾向がある。この物理的現像かぶれは、プリント材料上の
定着溶液中に運ばれる依然として活性状態にある現像液によって生ずるものと考
えられる。これは、金属銀に現像すべき定着浴中の溶液中の銀のいくらかを定着
させ、次いでこれを処理すべきプリント上に付着する。種々の現像液安定剤がこ
の物理的現像かぶれを防ぐために試みられたが、ほとんどは無効であるか又は他
の有害な効果をもっている。たとえば、物理的現像かぶれを少なくする1又は2
の安定剤はプリント材料の青銅色化を起こすが、これは非常に望ましくない。
それ故、本発明によれば、ヒドロキノン型現像剤またはリダクトン型現像剤の
いづれかを、下記式Iの化合物の存在下に、補助現像剤としての電子転移剤と共
に、及びアニオンがカーボネート、サルファイト又はヒドロキシドである少なく
とも1の塩基性化合物と共に含む現像液を使用することによる処理用機械中でハ
ロゲン化銀写真材料を処理する方法が提供される。
ただしArは、置換又は非置換の芳香族環または複素環芳香環である。
本発明の方法は、写真材料がプリント材料であって、それを現像液を含む槽か
ら定着液を含む槽に中間の洗浄工程なしに供給するときに使用するのに特に有効
である。
それ故、本発明の目的は、物理的現像かぶれの発生を顕著に減少させる写真プ
リント材料の処理法を提供することである。
それ故、本発明によれば、30℃以上の温度で現像液を使用すると共にハロゲ
ン化銀プリント材料を現像液から定着液に直接供給してローラ輸送処理装置中で
ハロゲン化銀プリント材料を処理する方法であって、現像液としてヒドロキノン
型現像剤またはリダクトン現像剤を、補助現像剤としての電子転移剤と、アニオ
ンがカーボネート、サルファイト又はヒドロキシドである少なくとも1の塩基性
化合物とを含み、且つ式Iの化合物が存在する現像液を用いる方法が提供される
。
ただし、Arは置換していてもよい芳香族環または複素環芳香環である。
好適な置換基としてスルホン酸基およびその塩、カルボン酸基およびその塩、
ハライドたとえばフルオライド又はクロライド、低級アルキルたとえばメチル又
はエチル、低級アルコキシたとえばメトキシ、又はスルホンアミド、又はカルボ
キサミド基があげられる。式Iの化合物は、周知の方法によって、特に置換フェ
ニル化合物とカリウムチオシアネートとの間の反応によって製造しうる化合物で
ある。
好ましくは、芳香環はフェニル環である。
最も好ましくは、式Iの化合物は式IIをもつ。
式Iの化合物が現像液中に0.02〜0.05g/lの濃度で存在すると、プ
リント材料への銀の物理的現像が非常に減少するということが発見された。
式IIの化合物をここに化合物Aと呼ぶ。
式Iの化合物を含む現像液を与える別法は、現像液中で破壊して活性形体の式
Iの化合物を与える前駆体化合物を使用することである。このような前駆体化合
物の一例は式IIIの化合物である。
以後これを化合物Bと呼ぶ。
これは化合物Aのジスルフイドであり、サルファイト化合物Bの存在下での現
像液中のヨード酸化によってそれから製造されて化合物Aを与える。
我々は次の実施例において、周知の現像液安定剤がプリント材料上の銀の望ま
しくない物理的現像を目立って減少させないこと、あるいはそれらは実施例4に
示すようにプリント材料の青銅色化を生ぜしめること、を示した。
リダクトン型現像剤は、それ自体式HOCH=COHCHOのリダクトン及び
他の基−CO−CHOH−又はその互変異性体−COH=COH−を含む化合物
たとえばヒドロキシアセトン、テトラメチル還元性酸または一般式IIIのアスコ
ルベート、
又はそのアルカリ金属塩(Rはヒドロキシル化アルキルを表わす)、又は一般式
IVの化合物
(Xは環系を完了するに必要な原子を表わし、Yは2級アミン基である)である
。
式IV中のYは好ましくは環状アミンたとえばモルホリン又はピペリジンである
。式IVの特に有用なリダクトンの例は式V
の化合物である。この化合物はピペリジノ−ヘキソース リダクトンの名称をも
つ。
現像剤溶液に使用するための一般式IIIの好ましいアスコルベートとしてL−
アスコルビン酸、D−インアスコルビン酸、及びL−エリスロアスコルビン酸が
あげられる。これらの化合物の塩類も使用することができる。
ヒドロキノン型現像剤とは、ヒドロキノン自体又は置換ヒドロキノンたとえば
現像剤として働くクロロヒドロキノン、を意味する。
好ましくは作業強度をもつ写真現像液中に存在するリダクトン現像剤もしくは
ヒドロキノン現像剤の量は5〜15g/lである。
電子転移剤とは、リダクトンもしくはヒドロキノン型現像剤と相乗的に働いて
活性の比較的長く続く現像の組合せを与える化合物のことをいう。多数の化合物
が特許文献から知られているが、実際には2つの化合物が最もふつうに使用され
、1つはp−メチルアミノフェノールのようなアミノフェノール類であり、これ
はメトール及び一般式VIのピラゾリジノン化合物として商業的に知られている。
ただし、R5は芳香環であり、R1とR2は水素、低級アルキル、又はヒドロキ
シアルキルであり、R3とR4は水素、低級アルキル又はフェニルである。低級ア
ルキルとは3以下の炭素原子をもつアルキル基のことをいう。
好ましくはR5はフェニル又は置換フェニルたとえば4−メチルフェニル又は
4−クロロフェニルである。
本発明のこの面の現像液に使用するための特に好ましい化合物は1−フェニル
−4−メチル−4−ヒドロキシメチルピラゾリド−3−オンであり、以下にこれ
を化合物Cと呼ぶ。
好ましくは作業強度をもつ現像液に存在する電子転移剤の量は0.2〜1.5
g/lである。
作業強度をもつ現像液の好ましいpHは10〜11である。
サルファイト及びカーボネートの双方の塩を含むのが好ましく、サルファイト
は塩基性化合物として、抗酸化剤として及び現像促進剤として働く(USP50
98819参照)、カーボネートは塩基性化合物として及び使用時の現像液中の
バッファーとして働く。十分なサルファイト、カーボネート及びヒドロオキシド
を存在させて作業溶液のpHを10〜11に調節すべきである。
有利には少なくとも1の金属錯化剤を現像液中に存在させる。特に好適な化合
物はジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)である。
他の好適な金属錯化剤として、ホスホン酸たとえば1−ヒドロキシエチリデン
1,1−ジホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、
エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、及びそれらのアルカリ金属塩
があげられる。
アルカリ金属ブロマイドを現像液中に安定剤もしくはカブレ防止剤として存在
させることができる。
本発明における現像液は、作業強度をもつ溶液を作るために水による希釈を必
要とする濃厚現像液、または作業強度をもつ現像液のいづれでもよい。本発明は
また水中にとかすことの必要な粉末現像組成物にも関する。
実施例により本発明を更に具体的に説明する。
これらの実施例は、0.02〜0.5g/lの濃度範囲で式Iの化合物を現像
液に加えることの利点を示している。式Iの化合物は現像後の定着液に加えるこ
ともできるけれども、物理現像のかぶれに及ぼすその効果は余りにも小さくて、
作業強度定着液中に1g/lほどの高い濃度においてさえ有用でない。実施例1
使用する用意のできたハロゲン化銀現像液を次の処方で製造した。
カリウムサルファイト(65% w/v) 62cm3
DTPA Na5(37% w/v) 6.8cm3
ジエチレングリコール 22cm3
ヒドロキノン 9g
カリウムカーボネート 34g
ホウ酸 5g
化合物C 0.8g
カリウムブロマイド 1.5g
カリウムヒドロキシド 9g
水 全体が1lになる迄
pH=10.60
これは現像剤1であり、カブレ防止剤化合物を含まなかった。3×1l部分の
この現像剤を製造した。
第1の部分に0.01g/lのフェニルメルカプトテトラゾールを加えた。
第2の部分に0.04g/lのベンゾトリアゾールを加えた。
第3の部分に0.2g/lの化合物Aを加えた。
それぞれの現像剤を使用して次のようにハロゲン化銀写真プリント材料を処理
した。
未露光の10″×8″シートの上記プリント材料を30秒間のあいだ皿で現像
した。このシートから現像液を部分的にドレイン抜きしてからローラ輸送処理機
の定着ラックに供給した。これは、ハロゲン化銀写真材料が垂直に対して少なく
とも60°の角度にあり、これによって定着ラックの入口のローラに現像液の蓄
積が確保されるように行なった。ハロゲン化銀写真材料のシートをローラ輸送処
理機によって定着させ、洗浄及び乾燥し、次いで肉眼検査した。
ベンゾトリアゾールを処理した現像剤はシートの縁に高密度のマークをもたら
し、ならびにシート全体を横切って不均一なカブレ密度をもたらした。フェニル
メルカプトテトラゾールを処方した現像剤1は境界のハッキリしない且つ低水準
のカブレを与えたが、依然として許容しえないものであった。化合物Aを処方し
た現像剤1は、物理的現像のカブレを生ずると予想された方法で処理したにもか
かわらず、縁密度もしくはカブレが全くなく、完全に許容しうるものであった。
この3つのカブレ防止剤のえらばれた量は、それらの活性の関数である。0.
2g/lのフェニルメルカプトテトラゾール又はベンゾトリアゾールを使用した
ならば、像の現像は起こらなかった。他方、0.2g/lの化合物Aは好ましい
量であった。実施例2
使用する用意のできたハロゲン化銀現像液を次の処方で製造した。
カリウムサルファイト(65% w/v) 30cm3
DTPA Na5(37% w/v) 6.8cm3
化合物C 0.8g
ナトリウム−1−アスコルベート 35g
カリウム−1−カーボネート 40g
カリウムブロマイド 2.3g
カリウムヒドロオキシド 9g
水 全体が1lになる迄
pH=10.30
これは現像剤2であり、カブレ防止剤を含まないアスコルベート基材の現像剤
であった。この現像剤の3×1l部分を製造した。
第1の部分に0.01g/lのフェニルメルカプトテトラゾールを加えた。
第2の部分に0.04g/lのベンゾチアゾールを加えた。
第3の部分に0.2g/lの化合物Aを加えた。
それぞれの現像剤を使用して実施例1に述べたようにハロゲン化銀写真プリン
ト材料を処理した。えられた結果は実施例1にみられたものと非常に類似してい
たが化合物Aを含むもののみが完全に許容しうる結果を与えた。
実施例1及び2は化合物Aの明瞭な目にみえる例証を与えたけれども、このよ
うな事情のもとでの物理的現像のカブレのランダム性のために、これらの利点を
定量化することは不可能であった。実施例1および2において、物理的現像のか
ぶれは処理紙の上の定着液中への活性現像剤の搬出によって誘導される。再現性
および測定容易性のために、物理的現像のカブレはこれらの実施例においては定
着液による現像液の搬出汚染によって誘導された。定着液への現像剤の搬出はふ
つうは小さいけれども、このような偶然の汚染は知られておらず、類似の有害な
結果がある。実施例3
使用する用意のできたハロゲン化銀現像液を次の処方で製造した。
カリウムサルファイト(65% w/v溶液) 62cm3
CTPA Na5 (37% w/v) 6.8cm3
ジエチレングリコール 22cm3
ヒドロキノン 9g
カリウムカーボネート 34g
ホウ酸 5g
化合物C 0.8g
カリウムブロマイド 1.5g
ベンゾトリアゾール 0.04g
カリウムヒドロオキシド 9g
水 全体で1lになる迄
pH=10.60
これは現像剤3であり、式Iの化合物を含まなかった。
現像液4は同じ処方をもっていたが更に0.2g/lの化合物Aを含んでいた
。
現像液5〜6は現像液3のように処方したが、更に次の化合物を加えた。
使用した濃度は0.2g/lの化合物Aのモル当量であった。
現像剤5〜11に加えた化合物は写真文献から周知のカブレ防止剤である。
現像液3〜15は次の処方により製造した12cm3の定着液で汚染された。
アンモニウムチオサルフェート(80% w/v) 150cm3
ホウ酸 7g
ナトリウムヒドロオキシド 2.5g
ナトリウムメタビサルファイト 5g
ナトリウムサルファイト 6g
酢酸(氷状) 9cm3
水 全体で1lになる迄
これを以後、定着液Iと呼ぶ。
現像液16を現像液3のように製造したが、定着液Iで汚染されなかった。
現像液3〜16を使用して未露光写真プリント材料を処理した。処理後に、写
真プリント材料のそれぞれの試料の密度を反射比重計によって測定して表Iに示
す結果を得た。
化合物Aを含む現像液4、及び本発明の現像液12及び15は定着液汚染の効
果に最も小さい感性であることがわかる。事実、現像液12の場合に、その効果
は非汚染現像液16と比較したときに殆ど無くなる。
現像液4及び15は、活性種がそれぞれの現像剤において同じであると予想さ
れるように、非常に類似の効果をもつ。実施例4
使用する用意のできたハロゲン化銀現像液を実施例1に示す処方により製造し
た。
これは現像液1であり、この現像液の3×1l部分を次のように作った。
第1の部分に0.01g/lのフェニルメルカプトテトラゾールを加えた。
第2の部分に0.04g/lのベンゾトリアゾールを加えた。
第3の部分に0.2g/lの化合物Aを加えた。
これらの現像剤を使用してハロゲン化銀写真プリント材料(これは連続くさび
を通して予め露光したものである)を処理した。えられた結果を次の表1に示す
。
この表において、
Dminは最小密度であり、
DsはDmax(最大密度)の90%であり、
コントラストはDmin+0.04とDsにおける1ogE値の間の相違であり
、
速度は0.6+Dminの密度で測定する。
‘a’は像の赤色又は緑色の尺度であり、
‘b’は像の青色又は黄色の尺度である。
これらの結果は、化合物Aが少しの速度損失を生ぜしめるが、その他は他の試
験化合物と同様の増感結果を与えるということを示している。化合物Aも大きな
負の‘b’値、すなわち冷たい像カラーを与えた。
上記の3種の現像液を使用して、一工程のクサビを通して露光したハロゲン化
銀写真プリント材料を処理した。それぞれの現像液について2片のストリップを
処理した。一方を基準として残し、他方を次のように処理にかけてハロゲン化銀
の安定性を査定した。この試験は写真像の青銅色化の標準ANSI試験法と等し
い。
それぞれの試験片を直径14cmの円筒形の透明風防ガラス試料ホルダーにと
り付け、乳液面を外にした。これをデシケータに入れ、孔あき板上に置いた。デ
シケータの底部のこの板の下に、10gの塩化カリウムを含むペトリ皿を入れ、
これに20m3の標準塩化カリウム溶液を加えた。板と試料ホルダーとの間の孔
あき板の頂部に、4.8%w/vの過酸化水素溶液の80μlで湿潤させた16
m2片のクロマトグラフ紙を置いた。このデシケータを、小さい電気駆動ファン
付きのフタで密封して、デシケータ中の雰囲気を攪拌した。
密封デシケータを、50℃に予熱したオーブン中に入れ、ファンを1時間作動
させた。装置を更に17時間オーブン中に加温のまま置き、その後に装置を除き
、試験ストリップを抜き出した。
それぞれのストリップの密度を反射密度計上で測定し、非処理の基準試料の同
じ工程で記録した密度から差し引いた。これらの試料もそれらの外観について肉
眼で検査し、えられた結果を下記の表2に示す。
これらの結果は、この処理によってすべてのストリップはそれらの最大密度の
若干を失うが、フェニルメルカプトテトラゾールで処理したストリップは露出範
囲を越えて、とくに低密度区域において、密度を損失したことを示している。ま
た、このストリップは他の試験ストリップにはない著しい黄色の汚れを示した。
この黄色の汚れはふつう青銅色化と呼ばれている。
最後の試験において、これらの現像液を12cm3の定着液Iで汚染させた。
それぞれを非露光写真プリント材料を処理するのに使用し、その後にそれぞれの
密度を反射比重計を使用して測定した。えられた結果を表3に示す。
これらの結果は、化合物Aはえらばれた濃度の汚染で定着液の有害な効果を完
全に無くし、フェニルメルカプトテトラゾールは部分的に有効であるにすぎず、
ベンゾトリアゾールは更にもっと有効でない。
結論として、これらの結果は、化合物Aは、写真現像液に加えたとき、2つの
他の周知の写真カブレ防止剤と比べて許容しうる感度結果を与えることを示して
いる。更に、化合物Aは定着液汚染によって生ずるカブレに対して非常に良好な
保護を与え、安定な銀像をもたらす。ベンゾトリアゾールは像安定性に対しては
有害ではないが、定着液汚染によって生ずるカブレに対してはほとんど効果を与
えない。フェニルメルカプトテトラゾールは定着液汚染によって生じるカブレに
対して若干の保護を与えるが、像安定性に対しては有害である。実施例5
使用する用意のできたハロゲン化銀現像液を実施例2に示す処方により製造し
た。これは現像液2であり、カブレ防止剤を含まないアスコルビン酸塩基剤の現
像液であった。この現像液の3×1l部分を次のようにして製造した。
第1の部分に0.01g/lのフェニルメルカプトテトラゾールを加えた。
第2の部分に0.04g/lのベンゾトリアゾールを加えた。
第3の部分に0.2g/lの化合物Aを加えた。
それぞれの現像液を使用して実施例4で述べたようにハロゲン化銀写真プリン
ト材料を処理した。えられた結果を表4に示す。
これらの結果は、化合物Aは小さい速度損失を生じたがその他は他の試験化合
物と類似の感度結果を与えたことを示している。化合物Aはまたより大きな負の
‘b’値を与えた。すなわちより冷たい像カラーを与えた。
また、上記の3つの現像液を使用して一工程くさびにより露光したハロゲン化
銀写真材料を処理した。それぞれの現像液について2片のストリップを処理した
。1つは基準として保持し、他は実施例4で述べたように処理した。えられた結
果を表5に示す。
これらの結果は、すべてのストリップはこの処理後にそれらの最大密度の若干
を失うが、フェニルメルカプトテトラゾールを含む現像液中で処理したスリップ
は全露出範囲にわたって密度を失うことを示している。またこのストリップは他
のストリップには存在しない著しい黄色の汚れを示した。
最後の試験において、上記の現像液のそれぞれは定着液Iの12cm3で汚染
された。それぞれを使用して非露光写真プリント材料を処理し、その後にそれぞ
れの試料の密度を反射密度計を使用して測定した。えられた結果を表6に示す。
結論として、アスコルビン酸塩基材の現像液2中で試験した3種のカブレ防止
剤はヒドロナノン基材の現像液I中で、実質的に同様に参加した。化合物Aの使
用は使用した他の2種の周知のカブレ防止剤と比べて有利であることを示してい
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.ヒドロキノン型現像剤またはリダクトン型現像剤のいずれかを、補助現像剤 としての電子転移剤、及びアニオンがカーボネート、サルファイト又はヒドロキ シドである少なくとも1の塩基性化合物と共に含む現像液を、式I ただしArは置換していてもよい芳香環または複素芳香環である、 の化合物の存在下に使用して処理機中でハロゲン化銀写真材料を処理する方法。 2.現像液を30℃以上の温度で使用すると共にプリント材料を現像液から定着 液中に直接に供給するローラ転送処理装置中でハロゲン化銀プリント材料を処理 する方法であって、現像液としてヒドロキノン型現像剤またはリダクトン現像剤 のいずれかを、補助現像剤としての電子転移剤、及びアニオンがカーボネート、 サルファイト又はヒドロオキシドである少なくとも1の塩基性化合物と共に含み 、且つ式I ただしArは置換していてもよい芳香環または複素芳香環である、 の化合物が存在する現像液を用いることを特徴とする方法。 3.式Iの化合物のArがフェニル環である請求項1又は2の方法。 4.式Iの化合物が式II をもつ請求項1又は2の方法。 5.式Iの化合物が0.02〜0.5g/lの濃度で存在する請求項1又は2の 方法。 6.リダクトン型現像剤がリダクトン自体、ジヒドロキシアセトン、テトラメチ ル環元性酸、または一般式III のアスコルベート又はそのアルカリ金属塩、ただし式IIIのRはヒドロオキシ ル化アルキルを表すか又は一般式IV (Xは環系を完成するに必要な原子を表し、Yは二級アミン基である) の化合物を表す請求項1又は2の方法。 7.式IIIのアスコルベート現像剤がL−アスコルビン酸、D−イソアスコル ビン酸、又はL−エリスロアスコルビン酸、あるいはこのようなアスコルベート の塩である請求項1又は2の方法。 8.作業強度をもつ写真現像液中に存在するリダクトン現像剤またはヒドロキノ ン現像剤の量が5〜15g/lである請求項1又は2の方法。 9.電子転移剤がp−メチルアミノフェノール又は一般式VIのピラゾリジノン 化合物 (式中、R5は芳香環であり、R1及びR2は水素、低級アルキル、又はヒドロオ キシアルキルであり、そしてR3及びR4は水素、低級アルキル又はフェニルであ る) である請求項1又は2の方法。 10.式VI中のR5がフェニル又は置換フェニルである請求項9の方法。 11.電子転移剤が1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロオキシメチルピリゾ リド−3−オンである請求項1又は2の方法。 12.電子転移剤が0.2〜1.5g/lの濃度で作業強度現像液中に存在する 請求項1又は2の方法。 13.サルファイトとカーボネートの両方の塩が存在する請求項1又は2の方法 。 14.金属錯化剤が現像液中に存在する請求項1又は2の方法。 15.金属錯化剤がジエチレントリアミン五酢酸である請求項13の方法。
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