JPH10511641A - ジアリールエチレンメタロセン誘導体、その製法及びその誘導体を含有する医薬組成物 - Google Patents
ジアリールエチレンメタロセン誘導体、その製法及びその誘導体を含有する医薬組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
一般式(I)
Description
【発明の詳細な説明】
ジアリールエチレンメタロセン誘導体、その製法及びその誘導体を含有する医薬
組成物
この発明は、ジアリールエチレンメタロセン誘導体、その製法及びその誘導体
を含有する医薬組成物に関する。
トリアリールエチレン誘導体のある群は、タモキシフェン又はナホキシジンの
ようなものが代表的なもので、経口避妊薬(Rayら、J.Med.Chem.,1994,37,6
96)としての用途、排卵誘発剤としての用途及び特に抗腫瘍剤としての用途(Jor
danとmurphy,Edocr.Rev.,1990,11,578;Doreら、J.Med.Chem.,1992,35
,573;Kym ら、J.Med.Chem.,1993,36,3910)の根拠となる弱いエステロゲ
ン性と顕著な抗エステロゲン性を合せ有している。
この弱いエステロゲン性と顕著な抗エステロゲン性との二重性は、これらの化
合物の構造における2つの明白な官能成分の存在によることは疑いのないところ
である。一方において合成エステロゲンの構造を刺激するトランス−スチルベン
タイプの存在、他方において、エステロゲン活性の開始を干渉し、抗エステロゲ
ン活性に感応する例えば、(ω−tert−アミノアルコキシ)フェニルタイプの群
で構成される付加的極性残基の存在による。
ホルモンの会合部位領域で配位する酸性Zn++が存在する仮
説が最近この挙動を説明する進歩である(Jaoueuら、Acc.Chem.Res.,1993,2
6,361)。
包含される分子過程の性質はともかく、タモキシフェンは、エストラジオール
レセプタの分析に陽に応答する胸部の癌の制御にアジュバント治療として広く用
いられている。この分子は、患者の生存にプラス効果を有し、その上十分に許容
性である。
しかし、タモキシフェンの作用は、殺腫瘍性というより静腫瘍性であるため、
この症状への使用は、一般に長期投与となり、その間患者は治療に耐性となる(
WolfとJordan,Breast Cancer Res.Treat.,1993,27,27)。極端な場合には
、タモキシフェンの刺激によって胸部及び子宮内膜のある癌に発育する。
この理由から、抗腫瘍性を有し、かつ、従来技術のトリアリールエチレン抗エ
ストロゲン、特にタモキシフェンを胸部のエステロゲン依存癌の治療のような抗
腫瘍適用において代わりうる新しい分子を開発する問題が課せられている。
この問題は、従来技術のトリアリールエチレン抗エステロゲン、特にタモキシ
フェンの代替品として、より強い抗腫瘍性を有するため有利に作用しうる新しい
群の化合物と、これらの新規化合物の製法及びこれらの化合物を含有する医薬組
成物を提供するこの発明によって解決される。
従って、この発明の対象は、一般式(I)の化合物
〔式中、−O(CH2)nZ基は、−CR3=CR4R5基に対しメタ又はパラ位に
あり、
nは2〜10の整数を示し、
Zは−NR1R2基(式中、R1とR2は任意に1以上のハロゲン原子で置換され
たC1〜C6アルキル基を示し)、窒素原子含有ヘテロ環基、あるいは−OR1、
−SR1、−SOR1又は−SO2R1基(R1は上記と同義)から選択された塩基
性又は極性配位子を示し);
R3は任意に1以上の水素原子、ハロゲン原子あるいはヒドロキシ基又はC1〜
C3のアルキルもしくはアルコキシ基で置換されたフェニル基であり、R5がメタ
ロセン基であり、一方R4は水素原子、ハロゲン原子、NO2基、クロロエチル基
、CN基又はC1〜C3アルキル基で、その末端炭素は、任意にR3のフェニル基
の2位の炭素と結合できるものであるか、
又はR3はメタロセン基であり、R5が任意に1以上の水素原子、ハロゲン原子
、ヒドロキシ基又はC1〜C3アルキルもしくはアルコキシ基で置換されたフェニ
ル基であり、一方R4は水素原子、ハロゲン原子、NO2基、クロロエチル基、C
N基又はC1〜C3アルキル基である、のいずれかである〕
の全ての立体異性体と塩類である。
この発明者らは、同じ骨格に、抗エステロゲン成分とメタロセン実体が付着し
ていることが、従来技術の抗エステロゲンのものより優れている顕著な静腫瘍性
及び殺腫瘍性を有し、このため、特に胸部のエステロゲン依存癌の治療に抗腫瘍
剤として
使用され得る化合物となることを意外にも事実として見出した。
以上及び以下において、表現“C1〜C6アルキル”とは、6以下の炭素原子を
有する線状又は分枝状アルキル基、たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチル
、イソプロピル又はイソブチル基を意味する。
表現“C1〜C6アルキル”とは、同様に、3以下の炭素原子を有する線状又は
分枝状アルキル基を示す。
この出願は、“C1〜C3アルコキシ”とは、たとえばメトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ又はイソプロポキシ基のような3以下の炭素原子を有するアルコキシ基
を示すことを意味する。
表現“窒素原子含有ヘテロ環基”とは、たとえばN−ピペリジノ、N−モルホ
リノ又はN−ピロリジノ基のような環中に6以下の原子からなる窒素系ヘテロ環
を意味する。
表現“ハロゲン”は塩素、弗素、臭素又はヨウ素を意味する。
この発明の好ましい具体例において、メタロセン基は、一般式(II)
(式中、Mは化学元素周期律表のVIII群の金属原子を示し、その原子は、任意に
酸化型であることができる)
に対応する。
この発明の他の具体例において、メタロセン基は、一般式(III):
(式中、Mはタンタル、バナジウム、ニオブ、ハフニウム又はモリブデンから選
択された金属原子であり、Xはクロロ、ブロモ又はヨードから選択されたハロゲ
ン原子である)
に対応する。
この発明の対象は、より詳細には上記した化合物であり、それらは式(I−a
):
(式中、−O(CH2)2Z基は、−CR3=CR4R5に対してパラ位にあり、
Zは−NR1R2基(式中、R1及びR2は、同一又は異
なって、メチル基又はエチル基であり)であり、又はZはN−ピロリジノ基であ
り、
R3は任意にヒドロキシ基又はメトキシ基で置換されたフェニル基、
R4は水素原子、ハロゲン原子、NO2基、クロロエチル基あるいはCN基又は
エチル基であり、
Mは鉄、ルテニウム又はオスミウムから選択された金属原子であり、任意にそ
の酸化型である)
に対応する。
これらの化合物は異性体を形成することができ、そのため、以下のように、ト
ランス異性体は、以下の立体配置を示す式(I−a)の化合物:
(式中、R3及びメタロセン基は、オレフィン結合の両側において各々に対して
トランス位である。)を示し、
一方、シス異性体は、以下の立体配置を示すメタロセン化合物:
(式中、R3及びメタロセン基は、オレフィン結合の両側において各々に対して
シス位である)を示す。
式(I−a)の化合物のうち、特に好ましい例は、R1及びR2がメチル基であ
り、R3がヒドロキシ基がパラ位に置換されたフェニル基であり、R4がエチル基
である式(I−a1)に対応するものである。
式(I−a1)は、以下のトランス配置を示す:
好ましくは、Mが鉄原子で、対応するメタロセン化合物が1−〔4−(2−ジ
メチルアミノエトキシ)フェニル〕−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−フ
ェロセニル−1−ブテンである。
特に好ましくは、メタロセン化合物が1−〔4−(2−ジメチルアミノエトキ
シ)フェニル〕−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−フェロセニル−1−ブ
テンのトランス異性体である。
式(I−a)の化合物のうち、好ましい例は、また、R1及びR2がメチル基で
あり、R3がフェニル基であり、R4がエチル基である式(I−a2)に対応する化
合物である。
式(I−a2)は、以下のトランス配置を示す:
好ましくは、Mが鉄原子で、対応するメタロセン化合物が1−〔4−(2−ジ
メチルアミノエトキシ)フェニル〕−1−(フェニル−2−フェロセニル−1−
ブテンである。
この発明の対象は、より詳細には、この式(I)において:
−O(CH2)nZ基は、−CR3=CR4R5基に対してパラ位にあり、
nは2であり、
ZはN−ピロリジノ基であり、
R3は任意にヒドロキシ基又はC1〜C3アルコキシ基でパラ位に置換されたフ
ェニル基であり、一方、
R4はC2アルキル基であり、その末端炭素は、R3のフェニル基の2位の炭素
と結合するものであり、
Mは鉄、ルテニウム又はオスミウムから選択された金属原子であり、任意にそ
の酸化型である、一般式(I)に対応する化合物である。
これら化合物は、式(I−b)
(式中、R6は水素原子又はC1〜C3アルキル基である)に対応する。
この発明によれば、一般式(I)の化合物は、
a)一般式(IV):
(式中、−O(CH2)nZ基は−CR3=CR4R5に対してメタ又はパラ位にあ
り、
nは2〜10の整数であり、
Zは、−NR1R2基(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、任意に1以上
のハロゲン原子によって置換されたC1〜C6アルキル基である)、窒素原子含有
ヘテロ環基、あるいは−OR1、−SR1、−SOR1又は−SO2R1基(R1は上
記と同義)から選択された塩基性又は極性配位子であり、
R3は任意に1以上の水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はC1〜C3ア
ルキルあるいはアルコキシ基で置換されたフェニル基であり、R5は臭素原子で
あり、一方、R4は水素原子、ハロゲン原子、NO2基、クロロエチル基、CN基
又はC1〜C3アルキル基であり、その末端炭素は、任意にR3のフェニル基の2
位の炭素と結合できるものであるか、
又はR3は臭素原子であり、R5は任意に1以上の水素原子、ハロゲン原子、ヒ
ドロキシ基又はC1〜C3アルキルあるいはアルコキシ基であり、一方、R4は水
素原子、ハロゲン原子、NO2基、クロロエチル基、CN基あるいはC1〜C3ア
ルキル基であり、のいずれかである)
の化合物を、シクロペンタジエニル金属塩と反応させ、シクロペンタジエン基に
よって臭素原子を置換し、
b)工程a)で得られた化合物を、強塩基と反応させてシクロペンタジエニル
アニオンを形成し、
c)工程b)で得られた化合物を、
式:Cp−M−(CO)2−X
(式中、Cpはシクロペンタジエン基、Mは化学元素周期律表のVIII群の金属原
子、Xは塩素、臭素又はヨウ素から選択されたハロゲン原子を示す)の有機金属
化合物と反応させるか、あるいは
式:Cp−M−Xm
(式中、Cp及びXは上記と同義、Mはチタニウム、バナジウム、ニオブ、ハフ
ニウム又はモリブデンから選択された金属原子、mは3又は4の整数)の有機金
属化合物と反応させることにより製造することができる。
一般式(IV)の化合物は、トリアリールエチレン抗エストロゲンの合成の先行
技術(Cur.Med.Chem.,1994,1,61-104)で提供される方法に従って製造する
ことができる。
この方法の工程a)の方法に適当なシクロペンタジエニル金属塩は、ナトリウ
ムシクロペンタジエニリドを示す。
工程b)の方法に有用な強塩基は、例えばNaH又はNaNH2であり得る。
式(I−a1)の化合物は、上記製法に従って製造することができるが、この発
明の他の対象は、
a)式(V)
(式中、Mは鉄、ルテニウム又はオスミウムから選択された金属原子である)の
メタロセンエステルを、有機リチウム化合物CH3−O−C6H4−Li又は
式:CH3−O−C6H4−MgX
(式中、Xは塩素、臭素又はヨウ素)の有機マグネシウム化合物とさらに反応さ
せて、中間体アルコールを形成させ、続いてそのアルコールを脱水反応に付し、
b)工程a)で得られた化合物を脱メチル化反応に付し、c)工程b)で得ら
れた化合物を、ナトリウムエトキシドと2−ジメチルアミノエトキシクロライド
塩酸塩とアルキル化反応に付すことにより製造することができる。
式(I−a1)の化合物の2つのシス及びトランス異性体の混合物は、このよう
に得られる。
中間体アルコールの脱水は、塩酸のような強酸を作用させることにより行うの
が有利である。
脱メチル化反応は、例えばジクロロメタンのような適当な溶媒の存在下、三臭
化ボロンの反応によって行うのが有利である。
この発明の製法の好ましい具体例によれば、この方法は、対応するメタロセニ
ル酢酸のエステル化によって、式(V)のメタロセンエステルをまず製造し、続
いてこのエステルのメタロセニル環に対してα位における炭素のアルキル化反応
からなる。
メタロセニル酢酸は、カリウムtert−ブトキシド(t−BuOK)のような強
塩基を用いることにより、エステル化することができる。
適当なアルキル化剤は、ヨードエチルで代表される。このアルキル化は、例え
は、t−BuOK又はナトリウムあるいはカリウム ヘキサメチルジシラザニド
のような強塩基及び、例えばジメチル スルホキシド(DMSO)のような適当
な溶媒の存在下に行うのが有利である。
メタロセニル酢酸は、文献(Lednicerら、J.Org.Chem.,1958,23,653)に
記載された方法によって製造することができ、メタロセニルメチルトリメチルア
ンモニウム アイオダイドとカリウムシアニドとの反応により、対応するメタロ
セニルアセトニトリルを得、次いで後者の加水分解からなる。
この方法による式(I−a1)のメタロセン誘導体の製造に関するかぎり、つね
にこの誘導体の2つのシス及びトランス異性体の生成をもたらし、一般に、2つ
の異性体の1つ、つまりトランス異性体のみ顕著な抗エストロゲン性を示すので
、上記工程c)の結果得られた2つの異性体の分離を行うことが有利で
ある。
この発明によれば、式(I−a1)の化合物の特別の製法は、さらに、これら化
合物のシス及びトランス異性体の分離工程からなる。
この分離は、分別晶出によって行うのが有利である。しかし、例えば、適当な
溶離剤を使用する薄層クロトマグラフィーのような従来の他の技術を使用するこ
とによっても可能である。
式(I−2a)の化合物は、一般式(I)の化合物の製造方法によっても得るこ
とができるが、この発明の他の対象は、
a)式(VI)のメタロセン酸クロライド
(式中、Mは鉄、ルテニウム又はオスミウムから選択された金属原子)をジフ
ェニル亜鉛と反応させ、塩素原子をフェニル基に置換させ、
b)工程a)で得られた化合物を、さらに有機リチウム化合物(CH3)2−N
−(CH2)2−O−C6H4−Li又は有機マグネシウム化合物
式:(CH3)2−N−(CH2)2−O−C6H4−MgX
(式中、Xは塩素、臭素又はヨウ素から選択されたハロゲン原
子)と反応させ、中間体アルコールを形成させ、続いてそのアルコールの脱水反
応に付すことからなる式(I−a2)のこれら化合物の製法である。
式(I−a2)の化合物の2つのシス及びトランス異性体の混合物はこのように
得られる。
メタロセニン酸クロライドは、三塩化リンあるいは五塩化リン、又はチオニル
クロリド、又はホスゲンと対応する2−メタロセニルブタン酸との反応によって
得ることができる。
中間体アルコールの脱水は、塩酸のような強酸を作用させることによって行う
ことができる。
この方法による式(I−a2)の化合物の製造は、つねにその化合物の2つのシ
ス及びトランス異性体の生成をもたらし、よって、さらにこれらシス及びトラン
ス異性体の分離工程からなり、分離は、例えば、分別晶出によって行うことがで
きる。
この発明の他の対象は、式(I−b)の化合物の製法であり、
a)式(VII)のテトラロン:
(式中、R6は水素原子又はC1〜C3アルキル基である)と有機リチウム化合物
又は有機マグネシウム化合物
(式中、Xは塩素、臭素、ヨウ素から選択されたハロゲン原子を示す)
とを反応させ、中間体アルコールを形成させ、続いてそのアルコールを脱水反応
に付し、
b)工程a)で得られた化合物を、臭素化反応に付して式(VIII):
の化合物を得、
c)このように得られた式(VIII)の化合物を、有機金属化合物Cp−M−(C5
H4)−Y
(式中、Cpはシクロペンタジエン基、Mは鉄、ルテニウム又はオスミウムから
選択された金属原子、Yはリチウム原子、銅原子又はSnBu3基又はHgCl
基である)
とのカップリング反応に付すことからなる。
式(VIII)の化合物への臭素化反応は、例えばピリジンのような適当な溶媒の
存在下、臭化水素酸とで行うことができる。
一般式(I)の生成物及び薬理学的観点から許容される酸とのそれら付加塩は
、医薬として、経口又は非経口投与を可能と
する単独又は医薬組成物の形態でヒトに投与することができ、活性成分として、
式(I)の少なくとも1つの生成物又はその化合物の酸付加塩の有効量、さらに
、製剤に通常使用され、許容される賦形剤及び添加剤を含有する。
一般式(I)の生成物及びその塩は、それらの静腫瘍性又は殺腫瘍性のため、
抗腫瘍の目的で医薬製剤として、特にエストロゲン依存性の胸部癌の治療におい
て適用することができることを見い出した。
以下の配列に加えて、この発明は、また、実施例によって得られる以下の記載
及び添付の図面を参照することから想定されるであろう他の配列を包含する。
図1A、1B及び2は、この発明によるメタロセン誘導体の2つの誘導体とタ
モキシフェンでそれぞれ行われた細胞毒性試験の結果を示す。
しかし、これら実施例は、この発明の説明のために与えられ、それらに限定さ
れるものではないことは明確に理解すべきである。実施例1
:1−〔4−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェニル〕−1−(4−
ヒドロキシフェニル)−2−フェロセニル−1−ブテンのトランス及びシス異性
体の製造
1.1:フェロセニルアセトニトリルの製造
フェロセニルメチルトリメチルアンモニウム アイオダイド(Strem)8.00
g(20.8mmol)とKCN8g(123mmol)を80mlの水に溶解する。混
合物を、還流冷却器を備え
た丸底フラスコに入れる。混合物を2時間加熱還流し、次いで室温まで冷却する
。生成物を40mlエチルエーテルで3回抽出する。有機相をまず水30mlで
2回洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムにて乾燥する。濾過及び蒸発後、フェロ
セニルアセトニトリル4.1gを採取する。
化学式:C12H11NFe
質量分析(Mass):225
収率:87.7%
1.2:フェロセニル酢酸の製造
フェロセニルアセトニトリル4.10g(18.2mmol)を80mlのエタノ
ールに溶解する。KOH(180mmol)10.08gを80mlの水に溶解する
。水酸化カリウム溶液を第1の溶液に注ぎ、混合物を4時間還流する。反応混合
物を、エタノールのほとんどを除去するために濃縮する。生成物を30mlのエ
ーテルで3回抽出する。水相を塩酸でpH1にまで酸性化し、再度50mlのエ
チルエーテルで4回抽出する。有機相を混合し、硫酸マグネシウムにて乾燥、濾
過し、次いで蒸発させる。フェロセニル酢酸4.20gを黄色固体の形態で得る
。
化学式:C12H12O2Fe
質量分析:244
収率:94.5%1
H NMR(200 MHz,CDCl3):δ4.23(m,2H,置換Cp),4.15(s,7H,Cp 及び置換Cp
),3.42(s,2H,CH2)
1.3:エチル フェロセニルアセテートの製造
フェロセニル酢酸2.00g(8.2mmol)を50mlのエタノールに溶解す
る。0.5mlの濃硫酸を添加する。混合物を1時間還流に付す。冷却後、反応
混合物を100mlの氷冷水にそそぐ。生成物を40mlのエーテルで3回抽出
する。エーテル相をまず水(40ml、2回)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウ
ムにて乾燥し、濾過し、蒸発させる。エチル フェロセニルアセテート2.22
gを得る。反応物の収率は100%である。
化学式:C14H16O2Fe
質量分析:2721
H NMR(200 MHz,CDCl3):δ4.23(m,2H,置換Cp),4.18(m,2H,O-CH2),4.14(
s,5H,Cp),4.13(m,2H,置換Cp),3.34(s,2H,Cp-CH2),1.31(t,3H,J=7.12
Hz,Me)
1.4:エチル 2−エチル−2−フェロセニルアセテートの製造
エチル フェロセニルアセテート2.22g(8.2mmol)をアルゴン雰囲気
下、無水DMSO25mlに溶解する。t−BuOK1.01g(9mmol)を添
加する。5分間攪拌後、ヨードエタンを迅速に添加する。攪拌を2分間続け、次
いで反応混合物を100mlの氷冷水にそそぐ。生成物を50mlのエーテルで
3回抽出する。エーテル相を50mlの水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムにて
乾燥し、濾過し、次いで蒸発させた。得られた粗生成物を、溶離剤として1/9
のエーテル/ペンタン混合物を用いて、膜厚1mmの60GF254(メルク77
30)シリカゲルプレートで、クロマトフラフィーに付す。
エチル 2−エチル−2−フェロセニルアセテート1.16gを47%の収率
で得る(Rf=0.6)。
化学式:C16H20O2Fe
質量分析:3001
H NMR(200 MHz,CDCl3):δ4.23(m,2H,置換Cp),4.16(m,2H,O-CH2),4.13(
s,5H,Cp),4.12(m,2H,置換Cp),3.19(m,1H,Fc-CH-),1.77(m,2H,Fc-CH-CH 3
),1.35(T,3H,J=7.14 Hz,O-CH2-CH 3),0.92(t,3H,J=7.38 Hz,CH-CH2-C H 3
)
1.5:1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−2−フェロセニル−1−ブテ
ンの製造
4−ヨードアニソール1.20g(5.5mmol)を、アルゴン雰囲気下無水エ
ーテル20mlに溶解する。溶液を0℃に冷却し、次いで1.6M n−ブチル
リチウム溶液2.9ml(4.6mmol)を滴下する。完全に添加した後、混合物
を15分間0℃に保持する。10mlの無水ーテルに溶解されたエチル
2−エチル−2−フェロセニルアセテートの溶液(0.69g、2.3mmol)
を滴下漏斗に配置する。後者の溶液を、0℃に維持された温度で、第1の溶液に
滴加する。攪拌を、0℃で30分間、及び室温で2時間保持する。次いで1N塩
酸溶液を、pH1まで添加し、反応混合物を4時間加熱する。冷却後、生成物を
エーテルで抽出する。エーテル相を、まず水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾
燥し、濾過し、次いで蒸発させる。得られた粗生成物を、溶離剤として1/9の
エーテル/ペンタン
混合物を用いて、60GF254シリカゲルプレートで、クロマトフラフィーに付
す。
所望の化合物0.65gを62.5%の収率で得る(Rf=0.45)。
化学式:C28H28O2Fe
質量分析:4521
H NMR(200 MHz,CDCl3):δ7.12と6.16(dd,4H,J=8.4Hz,C6H4),6.98と6.87(
dd,4H,J=8.4 Hz,C6H4),4.14(s,5H,Cp),4.10(m,2H,置換Cp),3.95(m,2
H,置換Cp),3.82と3.78(s,s,3H,3H,O-Me),2.56(q,2H,J=7.4 Hz,-CH2-C H 3
),1.02(t,3H,J=7.3 Hz,-CH2-CH 3)
1.6:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−フェロセニル−1−ブ
テンの製造
1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−2−フェロセニル−1−ブテン0.
55g(1.28mmol)を、アルゴン雰囲気下、ジクロロメタン5mlに溶解す
る。溶液を−78℃に冷却し、次いで、BBr30.3ml(2.84mmol)を
添加する。完全に添加した後、冷浴を除去し、30分間攪拌する。反応混合物を
、次いで氷冷水に注ぐ。10分間攪拌した後、NaClを飽和するまで添加し、
生成物をジクロロメタン(40ml、4回)で抽出する。有機相をまず水で洗浄
し、硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過し、次いで蒸発させる。得られた粗生成
物を、溶離剤として3/2のエーテル/ペンタン混合物を用いて、60GF254
シリカゲルプレートで、クロマトフラフィーに付
す。
所望の化合物0.43gを得る(Rf=0.4、収率=79%)。
化学式:C26H24O2Fe
質量分析:4241
H NMR(200 MHz,CDCl3):δ7.07と6.68(d,d,4H,J=8.6 Hz,C6H4),6.92と6.
80(d,d,4H,J=8.5 Hz,C6H4),4.88と4.42(s,s,H,H,20H),4.11(s,5H,C
p),4.08(m,2H,置換Cp),3.91(m,2H,置換Cp),2.58(q,2H,J=7.5 Hz,-CH2
-CH 3),1.02(t,3H,J=7.5 Hz,-CH2-CH 3)
1.7:1−〔4−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェニル〕−1−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−2−フェロセニル−1−ブテンのトランス及びシス異性体
の製造
まず、ナトリウムエトキシド溶液を、ナトリウム0.120g(5.2mmol)
をエタノール20mlに反応させて調製する。次いで、エタノール10mlに溶
解した1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−フェロセニル−1−ブテ
ン0.45g(1.06mmol)を、この溶液に添加する。80℃で1時間攪拌し
た後、2−ジメチルアミノエトキシクロリド塩酸塩0.302g(2.1mmol)
を添加し、混合物を3時間加熱還流する。次いで溶液を室温まで冷却する。加水
分解を100mlの水で行い、生成物をエーテル(50ml、4回)で抽出する
。まず、有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで蒸発
させる。得られた粗生成物を、溶離剤として1
/9の(C2H5)3N/クロロホルム混合物を用いて、60GF254シリカゲルプ
レートで、クロマトフラフィーに付す。
まず、1−〔4−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェニル〕−1−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−2−フェロセニル−1−ブテンのトランス異性体及びシス
異性体の混合物0.28gを得た(収率=53%)。
次いで、より極性の、フラクションが、1,1−ビス〔4−(2−ジメチルア
ミノエトキシ)フェニル〕−2−フェロセニル−1−ブテン(0.050g、収
率=9.5%)に対応する。
1.8:1−〔4−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェニル〕−1−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−2−フェロセニル−1−ブテンのトランス及びシス異性体
の分離
上記で得た2つの異性体の混合物をエーテル/ヘキサン(5/1)混合物に溶
解し、得られた溶液を1晩冷蔵庫に放置した。
シス異性体のエーテル中への溶解度はトランス異性体のそれよりも低いので、
まず、シス異性体を、溶媒を徐々に蒸発させた後、結晶化させる。シス異性体の
結晶を単離し、母液を1日間冷蔵庫の冷凍室(−15℃)で再度冷却する。次い
で、トランス異性体を微細針状晶の形態で結晶化させる。実施例2
:1−〔4−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェニル〕−1−(4−
ヒドロキシフェニル)−2−フェロセニル−1−ブテンのトランス及びシス異性
体の特性
2.1:化学式及び分子量
化学式:C30H33O2NFe
質量分析:495.5
2.2:1H NMR分光測定データ
2つのトランス及びシス異性体の1H NMRスペクトラを、d6−DMSO(ヤッ
セン)中でブルッカーAC200MHzスペクトロメータに記録した。この溶媒
は二つの異性体の異性化をもたらさないからである。
二つの異性体の1H NMR値は以下のようである。トランス異性体
δ:9.34(s,1H,OH),6.97と6.71(d,d,4H,J=8.7 Hz,C6H4-OH),6.89と6.
80(d,d,4H,J=8.5 Hz,C6H4-CH2),4.11(s,5H,Cp),4.07(m,2H,置換Cp),3
.99(t,2H,J=6.0 Hz,O-CH2),3.80(m,2H,置換Cp),2.60(t,2H,J=6.0 Hz,
N-CH2),2.49(DMSO 信号によりマスク,2H,-CH2-CH 3),2.20(s,6H,NMe2),0.
98(t,3H,J=7.3 Hz,-CH2-CH 3)シス異性体
δ:9.29(s,1H,OH),7.08と6.89(d,d,4H,J=8.5 Hz,C6H4-OCH2),6.80と
6.63(d,d,4H,J=8.4 Hz,C6H4-OH),4.11(s,5H,Cp),4.08(m,2H,(t,2H,
J=6.0 Hz,N-CH2),2.49(DMSO 信号によりマスク,2H,-CH2-CH 3),2.23(s,6H
,NMe2),0.98(t,3H,J=7.3 Hz,-CH2-CH 3)
2.3:融点
トランス及びシス異性体の融点をコフラーベンチを使用して測定した。それら
は、それぞれトランス異性体で93〜94℃、シス異性体で181℃である。実施例3
:1−〔4−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェニル〕−1−(4−
ヒドロキシフェニル)−2−フェロセニル−1−ブテンのトランス及びシス異性
体の細胞毒性活性
1−〔4−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェニル〕−1−(4−ヒドロキ
シフェニル)−2−フェロセニル−1−ブテンのトランス及びシス異性体の細胞
毒性の評価は、乳癌(MCF−7 ATCC HTB系)及びその変異体のひと
つ(MCF−7P系)からの胸膜滲出由来のヒト細胞系における試験に付すこと
からなる。
これら細胞は、10%ウシ胎児血清を添加したダルベッコMEM培地で、5%
CO2を含有する湿った雰囲気中(90%相対湿度)中で、前培養した。対数増
殖期において、これら細胞をトリプシン処理し、1ml容量を有するウェルで、
1ウェルあたり2×105細胞の割合で、24ウェルプレートにて二次培養した
。
3日間の培養の後、試験化合物を適当な用量で添加し、プレートを5日間培養
した。
この培養の結果、PBS緩衝液1ml中に3−(4,5−ジメチルチアゾール
−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウム ブロマイド(MTT)5m
gを含有する溶液を、20μl各ウェルに添加し、続いて、上述したのと同様の
雰囲気条件下、37℃で1時間、プレートを培養することからなるいわゆる「M
TT」試験を用いて、培養の細胞生存度を測定した。MTTは、生存細胞中で不
溶性青色化合物(ホルマザン(form
azan))に代謝される。
この培養の結果、ウェルを、MTTを除去するためにPBSを用いて洗浄し、
残りのホルマザン結晶をDMSO1mlで採取する。各ウェルのホルマザン濃度
を550nmの波長で光度計によって読みとり、MTT存在下、細胞非存在下で
培養した培地に対応する対照と比較する。
図1A及び1Bは、上記に示した2つの細胞系における1−〔4−(2−ジメ
チルアミノエトキシ)フェニル〕−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−フェ
ロセニル−1−ブテンのシス異性体(図1A)及びトランス(図1B)異性体で
それぞれ行った細胞毒性試験の結果を示す。これら結果は、試験された化合物の
用量の関数として生存細胞フラクションとして表される。
比較するために、図2に、同様の条件下で、タモキシフェンで同様の試験を行
って得られた結果を示す。
50%阻害用量(IC50)を、μmolで表し、図1A、1B及び2における
5×10-7と10-5mol/lとの間の点において計算して、以下の表1に示す
。
50%阻害用量より低くなるにつれ、細胞毒性活性が大きく
なり、表1に示された結果は、1−〔4−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェ
ニル〕−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−フェロセニル−1−ブテンのシ
ス及びトランス異性体が、試験した2つの細胞系について、タモキシフェンのそ
れよりも大きな細胞毒性活性を示す。
上記から明らかなように、本発明は、より明示的に示されたその手段、生成物
及び適用方法のそれらに何ら限定されるものではなく、一方、本発明の内容又は
観点から逸脱せずに、本発明に関する専門家がなし得るそれらの変形のすべてを
包含するものである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AL,AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
N,CZ,EE,FI,GE,HU,IS,JP,KG
,KP,KR,KZ,LK,LR,LT,LV,MD,
MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,R
U,SG,SI,SK,TJ,TM,TT,UA,US
,UZ,VN
(72)発明者 トップ シダン
フランス エフ−91090 リス、リュ マ
リ−ロッシュ 58
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.一般式(I) 〔式中、−O(CH2)nZ基は、−CR3=CR4R5基に対しメタ又はパラ位に あり、 nは2〜10の整数を示し、 Zは−NR1R2基(式中、R1とR2は任意に1以上のハロゲン原子で置換され たC1〜C6アルキル基を示し)、窒素原子含有ヘテロ環基、あるいは−OR1、 −SR1、−SOR1又は−SO2R1基(R1は上記と同義)から選択された塩基 性又は極性配位子を示し); R3は任意に1以上の水素原子、ハロゲン原子あるいはヒドロキシ基又はC1〜 C3のアルキルもしくはアルコキシ基で置換されたフェニル基であり、R5がメタ ロセン基であり、一方R4は水素原子、ハロゲン原子、NO2基、クロロエチル基 、CN基又はC1〜C3アルキル基で、その末端炭素は、任意にR3のフェニル基 の2位の炭素と結合できるものであるか、 又はR3はメタロセン基であり、R5が任意に1以上の水素原子、ハロゲン原子 、ヒドロキシ基又はC1〜C3アルキルもしくはアルコキシ基で置換されたフェニ ル基であり、一方R4は水素原子、ハロゲン原子、NO2基、クロロエチル基、C N 基又はC1〜C3アルキル基である、のいずれかである〕 で示される全ての立体異性体形態の化合物及び塩類。 2.メタロセン基が、一般式(II) (式中、Mは化学元素周期律表のVIII群の金属原子を示し、その原子は、任意に 酸化型であることができる) に対応する請求項1記載の化合物。 3.メタロセン基が、一般式(III): (式中、Mはタンタル、バナジウム、ニオブ、ハフニウム又はモリブデンから選 択された金属原子であり、Xはクロロ、ブロ モ又はヨードから選択されたハロゲン原子である) に対応する請求項1記載の化合物。 4.式(I−a): (式中、−O(CH2)2Z基は、−CR3=CR4R5に対してパラ位にあり、 Zは−NR1R2基(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、メチル基又はエ チル基であり)であり、又はZはN−ピロリジノ基であり、 R3は任意にヒドロキシ基又はメトキシ基で置換されたフェニル基、 R4は水素原子、ハロゲン原子、NO2基、クロロエチル基あるいはCN基又は エチル基であり、 Mは鉄、ルテニウム又はオスミウムから選択された金属原子であり、任意にそ の酸化型である) に対応する請求項1又は2記載の化合物。 5.R1及びR2がメチル基であり、R3がヒドロキシ基によってパラ位で置換さ れたフェニル基であり、R4がエチル基である式(I−a1)に対応する化合物で ある請求項4記載の化合物。 6.1−〔4−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェニル〕−1−(4−ヒドロ キシフェニル)−2−フェロセニル−1−ブテンである請求項5記載の化合物。 7.1−〔4−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェニル〕−1−(4−ヒドロ キシフェニル)−2−フェロセニル−1−ブテンのトランス異性体である請求項 6記載の化合物。 8.R1及びR2がメチル基であり、R3がフェニル基であり、R4がエチル基であ る式(I−a2)に対応する請求項4記載の化合物。 9.1−〔4−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェニル〕−1−フェニル−2 −フェロセニル−1−ブテンである請求項8記載の化合物。 10.−O(CH2)nZ基は、−CR3=CR4R5基に対してパラ位にあり、 nは2であり、 ZはN−ピロリジノ基であり、 R3は任意にヒドロキシ基又はC1〜C3アルコキシ基でパラ位に置換されたフ ェニル基であり、一方、 R4はC2アルキル基であり、その末端炭素は、R3のフェニル基の2位の炭素 と結合するものであり、 Mは鉄、ルテニウム又はオスミウムから選択された金属原子であり、任意にそ の酸化型である、一般式(I−b)に対応する請求項1又は2記載の化合物。 11.a)一般式(IV): (式中、−O(CH2)nZ基は−CR3=CR4R5に対してメタ又はパラ位にあ り、 nは2〜10の整数であり、 Zは、−NR1R2基(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、任意に1以上 のハロゲン原子によって置換されたC1〜C6アルキル基である)、窒素原子含有 ヘテロ環基、あるいは−OR1、−SR1、−SOR1又は−SO2R1基(R1は上 記と同義)から選択された塩基性又は極性配位子であり、 R3は任意に1以上の水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ 基又はC1〜C3アルキルあるいはアルコキシ基で置換されたフェニル基であり、 R5は臭素原子であり、一方、R4は水素原子、ハロゲン原子、NO2基、クロロ エチル基、CN基又はC1〜C3アルキル基であり、その末端炭素は、任意にR3 のフェニル基の2位の炭素と結合できるものであるか、 又はR3は臭素原子であり、R5は任意に1以上の水素原子、ハロゲン原子、ヒ ドロキシ基又はC1〜C3アルキルあるいはアルコキシ基であり、一方、R4は水 素原子、ハロゲン原子、NO2基、クロロエチル基、CN基あるいはC1〜C3ア ルキル基であり、のいずれかである) の化合物を、シクロペンタジエニル金属塩と反応させ、シクロペンタジエン基に よって臭素原子を置換し、 b)工程a)で得られた化合物を、強塩基と反応させてシクロペンタジエニル アニオンを形成し、 c)工程b)で得られた化合物を、 式:Cp−M−(CO)2−X (式中、Cpはシクロペンタジエン基、Mは化学元素周期律表のVIII群の金属原 子、Xは塩素、臭素又はヨウ素から選択されたハロゲン原子を示す)の有機金属 化合物と反応させるか、あるいは 式:Cp−M−Xm (式中、Cp及びXは上記と同義、Mはチタニウム、バナジウム、ニオブ、ハフ ニウム又はモリブデンから選択された金属原子、mは3又は4の整数)の有機金 属化合物と反応させること からなる請求項1〜10のいずれか1つに記載の化合物の製法。 12.a)式(V) (式中、Mは鉄、ルテニウム又はオスミウムから選択された金属原子である)の メタロセンエステルを、有機リチウム化合物CH3−O−C6H4−Li又は 式:CH3−O−C6H4−MgX (式中、Xは塩素、臭素又はヨウ素)の有機マグネシウム化合物とさらに反応さ せて、中間体アルコールを形成させ、続いてそのアルコールを脱水反応に付し、 b)工程a)で得られた化合物を脱メチル化反応に付し、 c)工程b)で得られた化合物を、ナトリウムエトキシドと2−ジメチルアミ ノエトキシクロライド塩酸塩とアルキル化反応に付すことからなる請求項5〜7 のいずれか1つに記載の式(I−a1)の化合物の製法。 13.対応するメタロセニル酢酸のエステル化によって、式(V)のメタロセン エステルをまず製造し、続いてこのエステルのメタロセニル環に対してα位にお ける炭素のアルキル化反応からなる請求項12記載の製法。 14.さらに、得られた式(I−a1)の化合物のシス及びトランス異性体の分離 工程からなる請求項12又は13記載の製法。 15.a)式(VI)のメタロセンニック アシッド クロライド (式中、Mは鉄、ルテニウム又はオスミウムから選択された金属原子)をジフ ェニルジンクと反応させ、フェニル基によって塩素原子を置換させ、 b)工程a)で得られた化合物を、さらに有機リチウム化合物(CH3)2−N −(CH2)2−O−C6H4−Li又は有機マグネシウム化合物 式:(CH3)2−N−(CH2)2−O−C6H4−MgX (式中、Xは塩素、臭素又はヨウ素から選択されたハロゲン原 子)と反応させ、中間体アルコールを形成させ、続いてそのアルコールの脱水反 応に付すことからなる請求項8又は9記載の式(I−a2)の化合物の製法。 16.さらに、得られた式(I−a2)の化合物のシス及びトランス異性体の分離 工程からなる請求項15記載の製法。 17.a)式(VII)のテトラロン: (式中、R6は水素原子又はC1〜C3アルキル基である)と有機リチウム化合物 又は有機マグネシウム化合物 式: (式中、Xは塩素、臭素、ヨウ素から選択されたハロゲン原子を示す) とを反応させ、中間体アルコールを形成させ、続いてそのアルコールを脱水反応 に付し、 b)工程a)で得られた化合物を、臭素化反応に付して式(VIII): の化合物を得、 c)このように得られた式(VIII)の化合物を、有機金属化合物Cp−M−(C5 H4)−Y (式中、Cpはシクロペンタジエン基、Mは鉄、ルテニウム又はオスミウムから 選択された金属原子、Yはリチウム原子、銅原子又はSnBu3基又はHgCl 基である) とのカップリング反応に付すことからなる請求項10記載の式(I−b)の化合 物の製法。 18.請求項1〜10のいずれかに記載の式(I)の化合物の少なくとも1つ又 はその塩と、任意に薬理学的に許容される賦形剤とを含有する医薬組成物。 19.抗腫瘍薬の製造のための請求項1〜10のいずれかに記載の式(I)又は その塩の用途。
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