JPH10509235A - ブラシシールの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ブラシシールワイヤ（１４）の余剰部（２０）は、パンチ（３０）とダイ（２６）を用いてせん断される。真のそして正確な直径を有する内包円又は外包円（２２）が形成される。所望であれば、最終的な仕上げ直径（１８）までワイヤを研削することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】 ブラシシールの製造方法 技術分野 本発明は、金属製のワイヤ刺毛を有するブラシシール、特に金属製のワイヤ刺 毛の長さの最終調整に関する。 従来の技術 ブラシシールは一般に、隣接して移動する部材間のシールとして使用される。 支持部材は複数のワイヤを備え、ワイヤは互いに実質的に平行であり、支持部材 より外に向かって伸びる。シールの作動時には、ワイヤは隣接して移動する部材 に対してベアリングとして作用し、エアシールの効果もたらす。 ブラシシールのワイヤは環状支持部材から内外のいずれに向かって伸びてもよ い。ワイヤは多くの場合、支持部材の周辺部に対して一定の角度を成して伸びる が、放射状に伸びることもある。 最初に支持リングにワイヤ刺毛を取り付ける方法は、様々なものが知られてい る。ワイヤの束を形成してリングに溶接、締付けまたはその他の方法によって固 定する方法がある。また、マンドレルにワイヤを巻き付けて、その後ワイヤをマ ンドレルから支持部材へ移すかまたはそのマンドレル自体をブラシシールの支持 リングとして使用する方法等がある。 いずれの方法も、ワイヤ端が所望の最終位置にくるようにワイヤを十分正確に 配置することはできない。従って、まず粗削りなアッセンブリを形成し、研削に よって所望の寸法に仕上げる。ワイヤの 弾性及び柔軟性により、研削は時間がかかる工程である。時間を短縮するために 、研削前に放電加工でブラシシールをある程度寸法出しすることもある。 本発明の概要 ブラシシールを形成する複数の実質的に平行なワイヤが、環状支持部材に対し て周方向に配置及び固定されている。ワイヤは支持部材より内外いずれに向かっ て伸びてもよい。ワイヤの余剰部はパンチとダイによってせん断され、各ワイヤ 端は、正確で真の直径を有する円に沿ってそろえられる。更に精度が要求される 場合、せん断後精密な直径に研削することもできる。 図面の簡単な説明 図１は、ブラシシールの部分的な平面図である。 図２は、パンチ操作の立面図である。 図３は、仕上げの研削操作の略図である。 好適実施形態の説明 ブラシシールのワイヤ刺毛が繊細であることは周知である。従って、ブラシシ ールは細心の注意をもって取り扱わなければならない。製造作業の当業者はブラ シシールのパンチを用いたいかなる寸法調整の提案も却下した。そのような乱雑 な取り扱いはブラシシールを破壊すると信じられていたためである。また、当業 者は経験からブラシシールのせん断にはパンチ機に過大な力が必要とされること を 危惧していた。例えば、ここで問題としているシールは直径０．０７ミリメート ルのワイヤ３０２，０００本から成る。これらのワイヤは溶接によって外径５２ センチメートルのリングに固定される。所望のせん断円でのワイヤの断面積は計 １７．８平方センチメートルであった。標準的な評価ではこのようなシールをせ ん断するには１，４４０，０００ニュートンもの力が必要だとされていた。 しかし、このシールのせん断は８９０，０００ニュートンの能力のパンチで困 難や明らかなひずみもなく達成することができた。必要とされる力がなぜ予想よ りも遥かに少ないのかはわかっていないが、ワイヤを順次せん断することによっ て、せん断角がないスクエアエンド・パンチを使用したにもかかわらずブラシシ ールの厚さをせん断することができたと見られている。更に、ワイヤにおける最 初のせん断と、そのワイヤにおける残りの部分の破断との間になんらかの関係が あり、その結果必要とされる力が驚くほど低い値である可能性もある。 図１を参照すると、ブラシシール１０は支持リング１２を有する。この支持リ ング１２には、複数のワイヤが溶接されて、上記ブラシシールが形成されている 。ワイヤは望ましくは複数の束１６に形成されており、各束が支持リング１２に 固定されている。ここで開示しているように、ワイヤは支持部材より内側に向か って、リングの円周に対して約４５度の角度で伸びている。点線で示した円弧１ ８は、ブラシシールによって形成される最終的な所望の内径を示している。この 内径を形成するために、余分なワイヤの長さ２０は円型のパンチとダイによって 正確で真のせん断直径２２にせん断される。 場合によっては、せん断後の直径が最終的に十分で、更に研削することは不要 であろう。しかし、より精度が要求される場合は、最終的な直径１８までワイヤ を研削することもできる。図２はワイヤ１４が支持部材１２と補助支持部材２４ に溶接されたブラシシール１０を示している。ブラシシールはダイ２６上に配置 され、力２８がパンチ３０に加えられる。余分なワイヤ１６はパンチによって除 去される。正確な寸法調整が可能であり、放電加工時に起こるような鋳造層がワ イヤ端にできることはない。 図３に示すように、その後ワイヤを研削といし３０によって最終的な寸法と平 滑度に研削することができる。図１の円弧１８で図示の所望の長さにワイヤ１４ が研削されるように、複数のロール３２はシール１０を支持して回転させる。 先の説明で用いた寸法のシールの製造では、余分な物質の研削には１７時間か かる。放電加工と研削を組み合わせることによって全工程にかかる時間は１．７ 時間に短縮される。放電加工は３時間、研削仕上げは１．７時間かかる。 本発明のパンチによる作業では、作業の全サイクルタイムは１分間しかかから ない。更に研削が必要であれば、１．７時間が加算される。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９７年１月１４日 【補正内容】 ブラシシールの製造方法 技術分野 本発明は、金属製のワイヤ刺毛を有するブラシシール、特に金属製のワイヤ刺 毛の長さの最終調整に関する。 従来の技術 ブラシシールは一般に、隣接して移動する部材間のシールとして使用される。 支持部材は複数のワイヤを備え、ワイヤは互いに実質的に平行であり、支持部材 より外に向かって伸びる。シールの作動時には、ワイヤは隣接して移動する部材 に対してベアリングとして作用し、エアシールの効果もたらす。 ブラシシールのワイヤは環状支持部材から内外のいずれに向かって伸びてもよ い。ワイヤは多くの場合、支持部材の周辺部に対して一定の角度を成して伸びる が、放射状に伸びることもある。 最初に支持リングにワイヤ刺毛を取り付ける方法は、様々なものが知られてい る。ワイヤの束を形成してリングに溶接、締付けまたはその他の方法によって固 定する方法がある。また、マンドレルにワイヤを巻き付けて、その後ワイヤをマ ンドレルから支持部材へ移すかまたはそのマンドレル自体をブラシシールの支持 リングとして使用する方法等がある。 いずれの方法も、ワイヤ端が所望の最終位置にくるようにワイヤを十分正確に 配置することはできない。従って、まず粗削りなアッセンブリを形成し、研削に よって所望の寸法に仕上げる。ワイヤの 弾性及び柔軟性により、研削は時間がかかる工程である。時間を短縮するために 、研削前に放電加工でブラシシールをある程度寸法出しすることもある。 従来技術文献英国出願番号 ２ １９６ ７０５Ａは、回転する切断及び研削 手段を用いた切削ブラシシールを開示している。吸着端を有するアップマンドレ ルが回転して、切断が行われる。 本発明の概要 ブラシシールを形成する複数の実質的に平行なワイヤが、環状支持部材に対し て周方向に配置及び固定されている。ワイヤは支持部材より内外いずれに向かっ て伸びてもよい。ワイヤの余剰部はパンチとダイによってせん断され、各ワイヤ 端は、正確で真の直径を有する円に沿ってそろえられる。更に精度が要求される 場合、せん断後精密な直径に研削することもできる。 図面の簡単な説明 図１は、ブラシシールの部分的な平面図である。 図２は、パンチ操作の立面図である。 図３は、仕上げの研削操作の略図である。 好適実施形態の説明 ブラシシールのワイヤ刺毛が繊細であることは周知である。従って、ブラシシ ールは細心の注意をもって取り扱わなければならない。製造作業の当業者はブラ シシールのパンチを用いたいかなる寸法調 整の提案も却下した。そのような乱雑な取り扱いはブラシシールを破壊すると信 じられていたためである。また、当業者は経験からブラシシールのせん断にはパ ンチ機に過大な力が必要とされることを 請求の範囲 １．ブラシシールの製造方法であって、環状支持部材１２の周方向に沿って複数 の実質的に平行なワイヤ１４を前記支持部材の内包円又は外包円を越えて伸びる ように配置して固定し、ワイヤの余剰部２０をせん断することにより各ワイヤ端 が正確で真の直径を有する内包円又は外包円に沿ってそろえられる方法であり、 前記せん断工程で円形パンチ３０とダイ２６のアッセンブリを用いることを特徴 とする方法。 ２．更に、残るワイヤの余剰部を精密な直径１８に研削する工程を含む請求項１ 記載の方法。 ３．前記複数のワイヤを複数のワイヤ束１６とした後に前記支持部材に固定する 請求項１記載の方法。 ４．前記ワイヤは、前記支持部材より半径方向内側に伸びるように固定される請 求項１記載の方法。 ５．前記ワイヤは、前記環状支持部材の周縁部に対して一定の角度を成して伸び る請求項１記載の方法。 ６．前記複数のワイヤを複数のワイヤ束１６とした後に前記支持部材に固定する 請求項２記載の方法。 ７．前記ワイヤは、前記支持部材より半径方向内側に伸びるように固定される請 求項２記載の方法。 ８．前記ワイヤは、前記環状支持部材の周縁部に対してある一定の角度を成して 伸びる請求項２記載の方法。 ９．前記ワイヤは、前記支持部材より半径方向内側に伸びるように固定される請 求項３記載の方法。 １０．前記ワイヤは、前記環状支持部材の周縁部に対してある一定の角度を成し て伸びる請求項３記載の方法。 １１．前記ワイヤは、前記支持部材より半径方向内側に伸びるように固定される 請求項６記載の方法。 １２．前記ワイヤは、前記環状支持部材の周縁部に対してある一定の角度を成し て伸びる請求項６記載の方法。 １３．前記ワイヤは、前記環状支持部材の周縁部に対してある一定の角度を成し て伸びる請求項１１記載の方法。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ブラシシールの製造方法であって、環状支持部材の周方向に沿って複数の実 質的に平行なワイヤを前記支持部材の内包円又は外包円を越えて伸びるように配 置して固定し、円型のパンチとダイを用いてワイヤの余剰部をせん断することに より各ワイヤ端が正確で真の直径を有する内包円又は外包円に沿ってそろえられ ることを特徴とする方法。 ２．更に、残るワイヤの余剰部を精密な直径に研削する工程を含む請求項１記載 の方法。 ３．前記複数のワイヤを複数のワイヤ束とした後に前記支持部材に固定する請求 項１記載の方法。 ４．前記ワイヤは、前記支持部材より半径方向内側に伸びるように固定される請 求項１記載の方法。 ５．前記ワイヤは、前記環状支持部材の周縁部に対してある一定の角度を成して 伸びる請求項１記載の方法。 ６．前記複数のワイヤを複数のワイヤ束とした後に前記支持部材に固定する請求 項２記載の方法。 ７．前記ワイヤは、前記支持部材より半径方向内側に伸びるように固定される請 求項２記載の方法。 ８．前記ワイヤは、前記環状支持部材の周縁部に対してある一定の角度を成して 伸びる請求項２記載の方法。 ９．前記ワイヤは、前記支持部材より半径方向内側に伸びるように固定される請 求項３記載の方法。 １０．前記ワイヤは、前記環状支持部材の周縁部に対してある一定の角度を成し て伸びる請求項３記載の方法。 １１．前記ワイヤは、前記支持部材より半径方向内側に伸びるように固定される 請求項６記載の方法。 １２．前記ワイヤは、前記環状支持部材の周縁部に対してある一定の角度を成し て伸びる請求項６記載の方法。 １３．前記ワイヤは、前記環状支持部材の周縁部に対してある一定の角度を成し て伸びる請求項１１記載の方法。