JPH10508939A - 改良された波形通路をもつプレート型熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ２５mm未満のコア厚さをもつ複数の積み重ねたプレート対（１２）を有する熱交換器（１０）が開示される。プレート対の各プレートは、３２°未満の角度で斜めに配置されて隣接するプレート対のうねとうねとの間に２点接触を設ける、非対称に配設された並行なうね（３８、４０）を有している。

Description

【発明の詳細な説明】 改良された波形通路をもつプレート型熱交換器発明の分野 本発明は熱交換器に関し、特に、間に流路を画定する積み重ねたプレート対で 構成されたオイル冷却装置に関する。 熱交換器を要する現代の工業、たとえば自動車工業では、熱交換器を小さく、 またはコンパクトにすると同時に、熱交換器中の流体の通過に関連して、熱交換 効率を高め、内部および外部の流動抵抗を下げ、圧力降下を減らすことが非常に 重要になった。これらの所望の結果すべてを達成するのに最も有望な構造の一つ は、積み重ねたプレート対で構成された熱交換器である。このような熱交換器の 一例が、発明者Desmond M．Donaldsonによる米国特許第４，００２，２０１号明 細書に開示されている。Donaldson の特許は、プレート対の間のフィンの使用を 示すが、これらのフィンは除くこともできる。 プレート対の間のフィンを除く一つの方法は、プレート対を形成するプレート の平面に波形またはディンプル形を付ける方法である。これらの波形またはディ ンプル形は二つの主要な機能、すなわち、プレートの熱伝導特性を改善する機能 と、熱交換器が、それが付されるおそれのある内圧に耐えることができるよう、 プレートどうしの結合を支援し、助長する機能とを発揮する。発明の概要 本発明は、プレート対を形成する波形プレートを有する積み重ねプレート対型 熱交換器、特に、斜めに配向したうねまたは谷が中に形成されているプレートに 関する。通常は、２枚の対称なプレートを合わせて、一方のプレートの谷または うねが他方のプレートの谷またはうねと十字形に交差するプレート対を形成する 。しかし、過去に製造された交差うねプレート対型熱交換器に伴う難点は、特に プレートがアルミニウムで形成されている場合に製造し難いということである。 問題は、交差するうねどうしが理想的なかたちで合わされず、その結果、プレー トおよびプレート対どうしを結合する過程でプレート対の揺動または移動が 起こることである。この結果、不均一な結合が生じ、同時に、熱交換器の強度の 低下や、漏れのような欠陥さえ生じる。極端な場合には、製造許容差を満足な水 準に維持することができない。 本発明は、従来技術の製造上の困難の多くを解消すると同時に、熱交換器の性 能における驚くべき改善の成果をもたらす、改良されたうね設計を用いる。 本発明によると、複数の積み重ねたプレート対を含む積み重ねプレート型熱交 換器が提供される。各プレート対は、互いに接合された周縁部と、互いに離間し て間に流路を画定する中央の平面部とを有する第一および第二のプレートを含む 。各プレート対は、離間した入口開口および出口開口を有し、流路に流体を流す ために開口どうしが接続される。中央の平面部は、その中に形成された、斜めに 配向した並行なうねを有し、前記うねが、隣接するプレート対の背中合わせのプ レートにおいて前記背中合わせのプレートの一方のプレートの各うねが、隣接す るプレートの２個以下のうねとしか接触しないよう、プレート対の各プレートに 非対称に配設されている。図面の簡単な説明 ここで、添付の図面を参照しながら本発明の好ましい実施態様を一例として説 明する。 図１は、本発明の積み重ねプレート型熱交換器の好ましい実施態様の斜視図で ある。 図２は、各プレート対の一方のプレートの平面図である。 図３は、各プレート対の第二のプレートの平面図である。 図４は、積み重ねプレート対型熱交換器のプレート対を構成するのに使用され る典型的な従来技術のプレートの平面図である。 図５は、図２の５−５線から見た断面図である。 図６は、合わさったプレートのうねの交差を示す、プレート対の一部の拡大平 面図である。 図７は、図１の７−７線から見た断面図である。 図８は、図４に示す従来技術のプレートのうね交差パターンを示す、図６に類 似した平面図である。 図９は、図４の従来技術のプレートで構成された積み重ねプレート対を示す、 図７に類似した縦断面図である。好ましい実施態様の説明 まず図１〜３を参照すると、本発明の熱交換器の好ましい実施態様が図１に符 号１０によって示されている。熱交換器１０は、複数の積み重ねたプレート対１ ２と、上支持チャネル１４と、下支持チャネル１６とから構成されている。上支 持チャネル１４は、熱交換器１０を所望の位置に取り付けるための取り付け孔２ ０をもつ垂直フランジ１８を有している。上下の支持チャネル１４、１６は、熱 交換器１０にとって必須ではなく、望むならば除いてもよい。同様に、垂直フラ ンジ１８の代わりに、熱交換器１０を取り付けるための他の適当な構造を使用し てもよい。 自動車に応用する際、熱交換器１０は通常、エンジンまたはトランスミッショ ンオイルを冷却するのに使用され、普通は、エンジン冷却系の一部である通常の ラジエータの前面に取り付けられる。入口および出口の管台２２、２４が上支持 チャネル１４に取り付けられ、冷却されるオイルを熱交換器１０に通すための油 供給管路および油戻し管路（図示せず）に接続されている。空気が熱交換器１０ の中をプレート対の間で横方向に通過して、熱交換器１０を通過するオイルを冷 却する。 図２および３は、各プレート対１２を構成するプレートの好ましい実施態様を 示す。図２は、上プレートであってもよい第一のプレート２６を示し、図３は、 下プレートであってもよい第二のプレート２８を示す。プレート２６、２８は、 プレート対１２を形成するために接合される周縁部３０、３２をそれぞれ有して いる。プレート２６、２８はまた、プレートとプレートとの間に流路を画定する ために互いに離間している中央の平坦部３４、３６を有している（図５を参照） 。実際には、中央の平坦部３４、３６には、複数の斜めに配向した並行なうね３ ８、４０が形成されている。図２では、第一のプレート２６の外面が、うね３８ が紙面から突出するように示されている。図３では、第二のプレート２８の内面 が、うね４０が紙面に入り込むように示されている。図３では、うね４０は実際 には第二のプレート２８中の谷または溝として見えるであろう。第一のプ レート２６が第二のプレート２８の上に配置されて、プレート対１２の１個を形 成する。 プレート２６、２８にはまた、それぞれの入口開口４６および出口開口４８を 画定する端部ボス４２、４４が形成されている。プレート対１２を積み重ねると 、入口開口４６の位置がすべて整合し、入口管台２２と連絡し、また、出口開口 ４８の位置がすべて整合し、出口管台２４と連絡する。このようにして、端部ボ ス４２のすべてが入口マニホールドを形成し、また、端部ボス４４のすべてが出 口マニホールドを形成して、それにより、流体はプレート対１２のすべての中を 並行に流れるようになる。しかし、当業者によって察知されるように、入口開口 ４６のいくつか、および出口開口４８のいくつかを選択的に閉鎖または省略して 、流体を各プレート対１２の中に直列に流したり、直列／並列の組み合わせで流 したりすることができることが理解されよう。 各プレート２６、２８中のうね３８、４０は非対称に配設されている。すなわ ち、プレート２６中のうね３８は、出口開口４８よりも入口開口４６に近い位置 にある。同様に、プレート２８中のうね４０は、入口開口４６よりも出口開口４ ８に近い位置にある。この目的を以下さらに説明する。しかし、プレート２６、 ２８は、どちらかのプレートをひっくり返し、１８０°回転させると同じに見え る点では同一である。 次に図６を参照すると、１個のプレート対１２の下側または第二のプレート２ ８が、第二のプレート対１２の上側または第一のプレート２６の上に重ねられた 状態で示されている。この図から、隣接するプレート対の背中合わせプレートが 、これらの背中合わせプレートの一方のプレートの各うねが、隣接するプレート の２個以下のうねとしか接触しないように配設されていることが理解されよう。 言い換えるならば、各うねは上流端５２および下流端５４を有し、背中合わせの プレートの一方のプレートのうねの上流端５２が、隣接するプレートのうねの下 流端５４と接触している。これを、隣接するプレートのうねどうしの２点接触と 呼ぶ。対照的に、図４および８に示す従来技術のプレートでは、一方のプレート の各うねが隣接するプレートの３個のうねと接触して、その結果、隣接するプレ ートのうねとうねとの間に３点接触が起こる。もう一つの違いは、図４に 示す従来技術のプレートでは、うねは対称に配設されている。 従来技術の３点接触は、プレートが３個の点すべてにおいて接触を成すことが 困難であるため、製造に問題をきたす。また、プレートを製造するのに使用され るパンチとダイのセットが摩耗するにつれ、うねが短くなったり、端部がより丸 くなったりする傾向が生じ、その結果、最後にはうねが中央の点でしか接触を起 こさなくなる。図６に示す２点接触はこれらの難点を解消する。 再び図２および３を参照すると、うね３８、４０は、１８〜３２°の間の角度 αで斜めに配向している。好ましい範囲は２０〜２４°である。プレート２６、 ２８の横方向の幅は好ましくは１６〜２５mmである。２０mmの幅の場合、好まし い角度αは約２４°であり、約２５mmの幅の場合、好ましい角度は約１８°であ る。プレート２６、２８は、厚さ０．４〜０．８mmのろう付け被覆アルミニウム で形成されていることが好ましい。図５に示すうねの高さは好ましくは７mm未満 である。 次に、図７を、図９に示す従来技術の配置と比較しながら参照すると、プレー ト対１２の内部流動断面積は、うねの高さが図９に示す従来技術の配置と同じ場 合で、約１７％大きい。また、流動開口のサイズの変化が、図９の従来技術の実 施態様におけるよりも小さい。その結果、プレート対１２の中では、従来技術の 配置におけるよりもオイルの滑り流動抵抗および圧力降下が小さい。 熱交換器１０を組み立てるには、プレート２６、２８を積み重ねたプレート対 に配設して、図６に示すような２点うね接触を作り出す。この際、プレート２６ 、２８を正しく配向させなければならない。さもなければ、入口開口４６および 出口開口４８がまっすぐに並ばない。まっすぐに並ばないとしても、プレート２ ６、２８の一方をひっくり返すだけで修正することができる。これは、上述した ようにプレート２６、２８が非対称であるからである。組み立て中にプレート２ ６、２８の正しい配向を支援するために、プレートの角６０の１個以上を面取り して、プレートを積み重ねるとき、面取りされた角がまっすぐ並ぶようにしても よい。また、プレート対１２を積み重ねるとき、上下の支持チャネル１４および １６を配置する。そこで、プレートを一体にろう付けして、熱交換器１０を完成 させる。 前記開示を考慮すると、本発明の実施において、本発明の真髄または範囲を逸 することなく、多くの変更および変形が可能であることが当業者には明白であろ う。したがって、本発明の範囲は、以下の請求の範囲に定義する要旨にしたがっ て解釈すべきである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，Ｂ Ｙ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ， ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，Ｍ Ｇ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ， ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 複数の積み重ねたプレート対を含み、各プレート対が、互いに接合された 周縁部と、互いに離間して間に流路を画定する中央の平面部とを有する第一およ び第二のプレートを含み、各プレート対が、離間した入口開口および出口開口を 有し、前記流路に流体を流すために前記開口どうしが接続され、前記中央の平面 部が、その中に形成された、斜めに配向した並行なうねを有し、前記うねが、隣 接するプレート対の背中合わせのプレートにおいて前記背中合わせのプレートの 一方のプレートの各うねが、隣接するプレートの２個以下のうねとしか接触しな いよう、プレート対の各プレートに非対称に配設されている、積み重ねプレート 型熱交換器。 ２． うねが上流端および下流端を有し、前記背中合わせのプレートの一方のプ レートのうねの上流端が、隣接するプレートのうねの下流端と接触する請求項１ 記載の熱交換器。 ３． うねが１８〜３２°の角度で斜めに配向している請求項１記載の熱交換器 。 ４． プレートの横方向の幅が１６〜２５mmである請求項１記載の熱交換器。 ５． うねが２０〜２４°の角度で斜めに配向し、プレートの横方向の幅が約２ ０mmである請求項１記載の熱交換器。 ６． 斜めの配向の角度が約１８°であり、プレートの横方向の幅が約２５mmで ある請求項５記載の熱交換器。 ７． プレートがアルミニウムで形成されている請求項５記載の熱交換器。 ８． プレートが厚さ０．４〜０．８mmのアルミニウムで形成され、うねの高さ が７mm未満である請求項７記載の熱交換器。