【発明の詳細な説明】
D−マンノースまたはキシリトールのエステルと
その医薬としての利用
本発明はフェニル酢酸、3-フェニルプロピオン酸、4-フェニルブチル酸または
n-ブチル酸と、D-マンノース、キシリトールまたはこれらの誘導体とを組み合わ
せたエステルと、その医薬品としての利用に関するものである。
フェニル酢酸、4-フェニルブチル酸およびn-ブチル酸とこれらの塩が胎児ヘモ
グロビンの合成、特にγ鎖の合成を刺激するということは知られている(E.fib
ach 達、Blood(1993),82(7),2203; S.P.Perrine 達、Biochem.Biophys.Res
.Comm.(1987),148,694)。これらは人間の胎児のヘモグロビンのγ遺伝子も
誘導する(J.W.Zhang達、Developmental Genetics(1990),11,168; J.G.Gl
auber 達、Molec.Cell Biol.(1991),11,4690)。こうした特性から、貧血症
やβ−地中海貧血症候群の患者の治療に利用されてきた(S.P.Perrine達、N.En
gl.J.Med.(1993),328,(2),81)。
これらの酸および塩は前癌細胞および癌細胞(D.Samid達、Cancer Res.(199
2),52,1988; E.Ginsburg 達、Proc.Natl.Acad.Sci.(1973),70,2457;
K.Yamada達、J,Cell.Physiol.(1985),125,235; K.N.Prasad,Life Scien
ces(1980),27,1351)、特に、白血病細胞(S.Fisckhoff 達、Leukemia(1990)
,4,302; D.Samid 達、Cancer Res.(1992),52,1988)の成長を阻害し、分化
を引き起こすことも知られている。
n-ブチル酸とその塩はin vivo での血漿寿命が非常に短いことも知られている
(P.Daniel 達、Clin.Chim.Acta(1989),81,255)。この酸と、D-グルコース
、D-ガラクトース、グリセロールまたはこれらの誘導体との共有結合による組合
せで生じるエステルは、in vivo で人間または動物の酵素系の影響を受け、除々
にn-ブチル酸を放出し、その結果、血漿寿命は遙に長くなり、生物活性部分の生
物学的利用価値が高くなることが知られている(F.Pieri達、フランス国特許出
願第 871249 号(1987); フランス国特許出願第 8809092号(1988);PCT88004
470号(1988); 米国特許第071501号(1990))。
上記ブチルエステルの生物学的研究の結果、医薬品として最適な化合物はモノ
エステル 3-O-n- ブタノイル-1,2-O- イソプロピリデン- α-D- グルコフラノー
スであることが分かっている(P.Pouillard,Thesus,Amiens,1990; P.Plan
chon,Thesus,Amiens,1991)。しかし、この化合物は、O-n-ブタノイル基の付
近に2つの水酸基 OH を有する構造のために、内部エステル交換が起こる結果、
溶液中に、3-O-ブタノイルと5-O-ブタノイルと6-O-ブタノイルとを操作条件に応
じた比率で含む異性体混合物が生じる。さらに、この化合物のサンプルを水性媒
体に溶解した場合には制御不可能な状態で異性化反応が継続する。化合物中で、
第1の水酸基が第2位に結合したエステル基と立体配的に近い場合およびこの水
酸基が立体的に隣接するアシル基の攻撃に適した配向を有する場合、異性化反応
は化学的な法則に従う(P.Y.Goueth et al.,J.Carbohydr.Chem.(1994),1
3(2),249)。従って、この化合物は95%以上の純度で合成することは不可能で
ある。
本発明の目的は、フェニル酢酸、3-フェニルプロピオン酸、
4-フェニルブチル酸またはn-ブチル酸と、単糖類またはイトール(itol,糖アル
コール)類 Su(OH)nとを組合せたエステルを合成することにあり、この場合、単
糖類またはイトールおよびこれらの異性体の構造は異性化反応の原因となる内部
エステル交換を防止すると同時に、対応する酸の生物学的利用能を良くするよう
なものが選択される。
本発明の上記の目的は例えば下記一般式で表されるエステルの合成で達成され
る:
ここで、
単糖類またはイトール Su(OH)nすなわち本発明化合物の前駆体は、アノマー
炭素原子上にエステル基を有するD-マンノース[Su(OH)5]か、ペンチトール[Su(O
H)5]、例えばC-1 第1炭素原子上にエステル基を有するキシリトールであり、
R1−COはフェニルアセチル基、3-フェニルプロパノイル基、4-フェニルブ
タノイル基またはn-ブタノイル基であり、
R2、R3、R4およびR5は水素原子か、炭化水素鎖を含むまたは含まない基、
環状または非環状の基、飽和または不飽和の基、分岐鎖を有するまたは有しない
基であり、R2、R3および/またはR4およびR5は下記ジオキサン型のアセター
ル基でもよく:
(R−C−R’基はフェニルメチレン、メチレン、シクロヘキシリデンより選
択されるのが好ましく、より好ましくはイソプロピリデンが選択される)、
本発明化合物はフリーの水酸基を有しないためあるいはフリーの水酸基がエス
テル基から遠く離れているため、および/または向きが悪いため、および/また
は第2炭素原子に結合しているために、溶液中での内部エステル交換が起こらな
い。
本発明のエステル合成を例えばD-マンノースまたはキシリトールの di-O-アセ
タールを出発材料として行う場合、合成は例えばA型およびB型のD-マンノース
化合物に関してはスキーム1、C型のキシリトール化合物に関してはスキーム2
に記載のように、ステップa、次いで任意にステップbおよび/またはcに従っ
て進行する。
ステップa
α−およびβ-O- アシル-2,3:5,6-di-O-アセタール-D-マンノシド(α-DAM- Aおよびβ-DAM-B)エステルと
、1-O- アシル-2,3:4,5-di-O-アセタルキシリトー ル(DAXyli-C)エステルの合成
これらのエステルは、例えばジアセタールDAMannose およびDAXylitol にアシ
ル化剤R1-CO−Yを添加することによって合成することができる。この合成は
塩基の存在下で必要に応じて溶媒中で行うことができる。
アシル化剤は酸(Y=OH)、酸無水物(Y=O-CO-R1)、エステル(Y=OR
”、ここで、R”=CH3またはC2H5)、好ましくは酸塩化物(Y=Cl)にする
ことができる。
溶媒は極性または非極性でも、脂肪族でも芳香族でもよく、これらを単独また
は混合物で使用することができる。
塩基は無機弱塩基または有機塩基、例えばアルカリ炭酸塩、ピリジン、好まし
くはトリエチルアミンの中から選択することができる。
ジアセタールDAマンノースをアシル化すると、アノマーであるα-DAM-Aエステ
ルとβ-DAM-Bエステルとの混合物が生成する。これらのエステルは例えば液体ク
ロマトグラフィーによって混合物から分離される。ステップb
対応するジアセタールエステルの選択的保護解除(deprotection)による、α - およびβ-O- アシル- 2,3-O-アセタール-D-マンノシド(α-MAM-Aおよびβ-MA M-B)モノアセタールエステルと1-O-アシル-2,3-O- アセタールキシリトール(M AXyli-C)エステルの合成
スキーム1および2に示すステップbのアセタール部位の選択的保護解除は、
水酸基を有する溶媒SOH中で酸性触媒を用いて均質相または不均質相中で行わ
れる。
水酸基を有する溶媒は水、アルカノール、水/アルカノール混合物、アルカノ
ール/アルカノール混合物あるいは水またはアルカノールと水酸基を持たない共
溶媒との混合物にすることができる。アルカノールは例えばメタノール、エタノ
ールまたはプロパノールから選択することができる。共溶媒は例えばジオキサン
またはテトラヒドロフランより選択することができる。
均質相中での酸性触媒作用は、媒体中に有機または無機酸を添加することで行
うことができる。有機酸はカルボン酸またはスルホン酸、例えばギ酸、酢酸、ト
リフルオロ酢酸およびパラトルエンスルホン酸等から選択することができる。無
機酸は例えば硫酸、塩化水素酸、硝酸およびリン酸等から選択することができる
。α−MAM-A、β-MAM-Bおよび MAXylic-Cエステルは有機または無機塩基を用い
て媒体を中和し、濾過、溶媒留去、液体クロマトグラフィーによる精製を行うこ
とで純粋な状態で回収される。
不均質相中での酸性触媒作用は媒体中に酸性樹脂を存在させることによって行
うか、あるいは酸性樹脂を充填したカラムに上記の水酸基を有する溶媒(SOH
)を用いて調製したエステ
ルの溶液を通過させて行うことができる。α-MAM-A、β-MAM-BおよびMAXyli-Cエ
ステルは、例えば濾過、溶媒留去および液体クロマトグラフィーによる精製によ
って純粋な状態で回収される。
上記のα-MAM-A型およびβ-MAM-B型のD-マンノース誘導体およびMAXyli-C型の
キシリトール誘導体中のフリーの水酸基は、エステル基から離れた位置にあるか
、および/または向が悪いか、および/または第2炭素原子に結合しているので
、溶液中で内部エステル交換を引き起こすことがない。ステップC1およびC2
対応するモノアセタールまたはジアセタールエステルの保護解除による、α -およびβ-O- アシル-D-マンノシド(α-M-Aおよびβ-M-B)エステルと1-O-アシ ルキシリトール(Xyli-C)エステルの合成
スキーム1および2に記載のステップC1に準じたジアセタールエステルの保
護解除またはステップC2に準じたモノアセタールエステルの保護解除は、本発
明のステップbで定義したものと同じ溶媒(SOH)および同じ酸を用いて、必
要に応じて酸の量、温度および反応時間を調節することによって行うことができ
る。
α-M-A型とβ-M-B型のD-マンノース誘導体およびXyli-C型のキシリトール誘導
体中のフリーの水酸基はエステル基から離れた位置にあるか、および/または向
きが悪いか、および/または第2炭素原子に結合しているので、溶液中で内部エ
ステル交換を引き起こすことがない。
本発明の他の目的は、フェニル酢酸、3-フェニルプロピオン
酸、4-フェニルブチル酸またはn-ブチル酸と、D-マンノース、キシリトールおよ
びこれらの誘導体とを組合せた下記一般式で表されるエステルの医薬として利用
にある:
この利用としては、対応する酸および塩を用いた血色素病(hemoglobinopathie
s)、例えば貧血、β−地中海貧血または鎌状赤血球症あるいは前癌性または癌性
腫瘍、例えば胸部癌、大腸癌あるいは急性または慢性白血病が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
本発明のエステルは、血漿寿命がはるかに長いので生物学的利用性がはるかに
高く、従ってヒトの長期治療ができる点で、対応するエステルおよび塩とは区別
される。
以下、本発明によるD-マンノース、キシリトールおよびこれらの誘導体のエス
テルの合成法を説明するが、本発明が下記実施例は限定されるものではない。実施例1
α- およびβ-O- アシル-2,3:5,6-di-O-イソプロピリデン-D-マンノフラノシ ド(α-DAM-Aおよびβ-DAM-B)の合成
a)n- ブタノイルクロライドによるジアセトンマンノースのエステル化
温度を60℃に調節した3l容の反応器内で 260g(1mol)のジアセトンマ
ンノース(2,3:5,6-di-O-イソプロピリデン-D-
マンノース)を2.6 lのトルエンに攪拌しながら溶解する。溶液を減圧下、60℃
で沸点まで加熱し、含有されている可能性のある痕跡量の水を水/トルエン共沸
化合物として蒸発させる。100 mlの留出物を回収した後、カール−フィッシャー
法によって反応器内の溶液が完全に無水であることを確認する。その後媒体を大
気圧に戻し、室温で106g(1.05mol)のトリエチルアミン(TEA)を導入し、攪拌
しながら106.5g(1mol)のn-ブタノイルクロライドを一滴ずつ添加する(添加
時間:10分)。VPC(OV17カラム)でモニタリングして60分反応後にジアセ
トマンノースの完全な消失を確認する。
トルエン溶液を濾過してTEAハイドロクロライドを除去する。減圧下に濾液
を蒸発して 332gのシロップ状粗生成物を得る。VPC(OV17カラム)で測定
される組成は90%のαアノマーと10%のβアノマーである。
b)α-DAM-Bおよびβ-DAM-Bアノマーブチレートの分離
500 mlのアセトンと、60Åの中性シリカ(35〜40メッシュ)300 gとを3 32g
の上記粗生成物に添加する。この混合物を減圧蒸発する。残留物を 700gのシリ
カを詰めたカラム(直径40mm)に移し、アセトン濃度勾配を付けたヘキサン/ア
セトン混合物を用いて溶出する。
下記i)〜iii)が順次単離される:
i) ヘキサン/アセトン(97/3、v/v)混合物を10l通過させると、290gの純粋な
α−アノマーが単離される。これは室温で液体である:
1Hおよび13CNMRスペクトル(表1)はαアノマーの構
造と一致する。
ii) 1lのヘキサン/アセトン(96/4v/v )混合物を通過させると、1.5 gのα
、β混合物が単離される:
iii)4lのヘキサン/アセトン(90/10v/v)混合物を通過させると28gの純粋な
βアノマーが単離される。これは室温で液体である:
1Hおよび13CNMRスペクトル(表2)はβアノマーの構造と一致する。
回収されたエステルの合計量は 319.5g(収率はジアセトンマンノースに対し
て97%)である。精製後のアノマージアセトンマンノースブチレートの最終収率
はαエステルが88%、βエステルが9%になる。
c)α-およびβ-O-アシル-2,3: 5,6-di-O- イソプロピリデン-D- マンノシド( α-DAM-Aおよびβ-DAM-B)の合成(アシル=Ph-(CH2)n -O、n=1、2または3 )
これらのエステルは対応するn-ブチレートと同じ条件(a参照)でその10分の
1の量を合成する。反応時間、アノマーのα/β分布、αアノマーを単離するた
めのクロマトグラフィー用溶出液の組成および回収率と物理定数を下記表に示す
。
1Hおよび13CNMRスペクトルは予想される生成物の構造と一致する。実施例2
α-O- アシル-2,3-O- イソピリデン-D-マンノフラノシド(α-MAM-A)の合成
a) α-DAM-A- ブチレートの酸触媒による選択的保護解除
a.1) 試験条件および酸性樹脂上での保護解除速度
20gの湿ったアンバーライト15H+酸性樹脂と15gのαエステルとを温度51℃
に制御された丸底フラスコに入れた135 mlの96Cエタノール中で攪拌する。HP
LC(RP18カラム)による経時的定量を行って反応速度をモニターした。擬一
次反応に準じた保護解除速度定数はk=1.10×10-2/min であり、これは4時間
反応後の進行度で93%に相当する。4時間後に採取したサンプルをHPLC(R
P18カラム)で分析したところ、相対強度が93/7である2つの信号の存在が確
認された。強度の高い方の信号はより極性の強い生成物に相当し、これは2hに記
載の分析でO-n-ブタノイル-2,3-O- イソプロピリデン- α- D-マンノシドと同定
された。
この試験条件下で5,6-O-イソプロピリデン基の保護解除が極めて高い選択性で
行われる。
a.2) 酸性樹脂上でのα-DAM-A-ブチレートの定量的保護解除
a.1)と同様に操作するが、2.25lの96Cエタノール、187.5gの酸性樹脂および
250gのα-DAM-Aエステルを使用する。4時間反応後、混合物を濾過し、200 ml
の96Cエタノールを用いて2回、樹脂を洗浄する。アルコール溶液を合わせて蒸
発させて 220gの固体残留物を得る。
a.3) 均質媒体中での酸触媒によるα-DAM-Aブチレートの選択的保護解除
100 mlの96Cエタノールまたは100 mlのジオキサン/水(80/20v/v)溶媒を入
れた温度が30℃に調節された丸底フラスコ中で0.2NのH2SO4と15gのα-DAM-
Aブチレートとを用いて均質溶液中でエステルの保護解除を行った。
保護解除率は4時間反応後で90%を越える。生成物の抽出では水酸化ナトリウ
ム水溶液を用いて中和する。生成物のエステル分解(deesterification)を防ぐた
めに塩基の添加は低温(0〜10℃)で行われなければならず、媒体のpHが7に達
した時点で停止されなければならない。硫酸ナトリウムを濾過分離し、溶媒を減
圧留去して粗生成物を単離する。
b) α-MAM-Aブチレートの精製
500 mlのトルエンと60Åの中性シリカ(35〜40メッシュ)250gとを 220gの上
記の固体残留物に添加する。この混合物を減圧蒸発する。残留物を 750gのシリ
カを詰めたカラム(直径40mm)に移す。アセトン濃度勾配を設けたヘキサン/ア
セトン混合物を用いて溶出する。
下記i)〜iii)が順次単離される:
i) ヘキサン/アセトン(85/15v/v)混合物を 4.5l通過させた時点で15gのα
-DAM-A- エステルが単離され、
ii) 6lのヘキサン/アセトン(70/30、v/v )混合物を通過させた時点で190
gのO-n-ブタノイル-2,3-O- イソプロピリデン- α-D- マンノシド- α-MAM-Aが
単離され:
M.p.=79℃、
(1Hおよび13CNMRスペクトル(表6)は予想される生成物の構造と一
致する)、
iii)1lのヘキサン/アセトン(50/50v/v)混合物、次いで2lの100%アセト
ンを通過させた時点で、O-n-ブタノイル-α-D- マンノシドを主成分とする混合
物6gと、純粋な(HPLCによる)O-n- ブタノイル- α-D- マンノシド3gと
が単離される。
c) O-アシル-2,3-O- イソプロピリデン- α-D- マンノフラノシド(α-MAM-A)
エステルの合成(アシル= Ph-(CH2)n-CO でn=1、2または3)
このエステルは対応するn-ブチレートと同じ条件(a.2 参照)でその10分の1
の量で合成した。反応時間、クロマトグラフィー用溶出液の組成、収率および物
理定数を下記表に示す。
1Hおよび13CNMRスペクトルは予想される生成物の性質と一致した。実施例3
1-O- アシル-2,3:4,5-di-O-イソプロピリデンキシリトール(DAXyli-C)の合成
a) ジアセトンキシリトールとn-ブタノイルクロライドのエステル化
温度を60℃に調節した3l容の反応器内で 100g(0.43mol)のジアセトンキシ
リトール(2,3:4,5-di- O-イソプロピリデンキシリトール)を攪拌しながら800
mlのトルエンに溶解させる。溶液を減圧下、60℃で沸点まで加熱し、含有されて
いる可能性のある痕跡量の水を水/トルエン共沸化合物として蒸発させる。40ml
の留出物を回収した後、カール−フィッシャー法で反応器内の溶液が完全に無水
状態であることを確認する。その後、媒体を大気圧に戻し、室温で47.1g(0.47m
ol)のトリエチルアミン(TEA)を導入し、次いで、攪拌しながら45.9g(0.43mol)
のブタノイルクロライドを一滴ずつ添加する(添加時間:7分)。VPC(OV
17カラム)でモニタリングした結果、4時間反応後にジアセトンキシリトールが
完全に消失したことが確認され
た。
トルエン溶液を濾過してTEAハイドロクロライドを除去する。濾液を減圧蒸
発して 131gのシロップ状粗生成物を得る。
b) DAXyli-C ブチレートの精製
250 mlのアセトンと、60Åの中性シリカ(35〜40メッシュ)100 gとを 131g
の上記粗生成物に添加する。この混合物を減圧蒸発する。残留物を400 gのシリ
カを詰めたカラム(直径40mm)に移す。アセトン濃度勾配を設けたヘキサン/ア
セトン混合物を用いて溶出を行う。
ヘキサン/アセトン(98/2 V/V)混合物を通過させた時点で108.7gの純粋な
エステルが単離され、これはジアセトンキシリトールに対する収率で84%である
。
(1Hおよび13CNMRスペクトル(表10)はαアノマーの構造と一致する
)
c) 1-O- アシル-2,3:4,5-di-O-イソプロピリデンキシリトールエステルの合成( アシル=Ph-(CH2)h -O、n=1、2または3
)
これらのエステルは対応するn-ブチレートと同じ条件(a 参照)でその10分の
1の量で合成した。これらの化合物は室温で液体である。反応時間、クロマトグ
ラフィー用溶出液の組成、回収率および物理定数を下記表に示す。
1Hおよび13CNMRスペクトルは予想される生成物の構造と一致した。実施例4
1-O- アシル-2,3-O- イソプロピリデンキシリトール(MAXyli-C)および1-O- アシルキシリトール(Xyli-C)の合成
a) 酸性触媒を用いたDAXyli-Cブチレートの選択的且つ完全な保護解除
温度52℃に制御された丸底フラスコに 200gの湿ったアンバーリスト15H+酸
性樹脂と、100 gのエステルを入れ、800 mlの96Cエタノール中で攪拌する。H
PLC(RP18カラム)による経時的定量を行って反応速度をモニターし、4時
間反応後の進行度が98%であることを確認する。サンプルを採取し、HPLC分
析したところ、相対強度が7/3の2つの信号の存在が確認される。強度の高い
方の信号はより極性の強い生成物に相当し、これは下記4bに記載の分析で1-O-n-
ブタノイルキシリトールと同定された。4時間反応後、混合物を濾過し、96Cエ
タノール200 mlを用いて2回、樹脂を洗浄する。アルコール溶液を合わせて蒸発
して79gのシロップ状液体が回収される。
b) MAXyli-C およびXyli-Cブチレートの分離
150mlの96Cエタノールと60Åの中性シリカ(35〜40メッシュ)80gとを79gの
上記粗生成物に添加する。この混合物を減圧蒸発する。沈澱物を 320gのシリカ
を詰めたカラム(直径30mm)に移す。アセトン濃度勾配を設けた工業用ヘキサン
/アセトン混合物を用いて溶出する。
下記i)〜ii)が順次単離される:
i)ヘキサン/アセトン(75/25、v/v)混合物を7l通過させた時点で25gの純粋
なMAXli-C エステルが単離され、これは室温で液体である:
(1Hおよび13CNMRスペクトル(表14)は予想される生成物の構造と一
致する);
ii)ヘキサン/アセトン(20/80、v/v )混合物を通過させた時点で46.8gの純
粋なXy1i-Cエステルが単離され、これは室温で液体である;
(1Hおよび13CNMRスペクトル(表15)は予想される生成物の構造と一
致する)。
c) 1-O- アシル-2,3-O- イソプロピリデンキシリトールと、1-O-アシルキシリト ール(Xyli-C)エステルの合成(アシル=Ph-(CH2)n-O、n=1、2または3)
これらのエステルは対応するn-ブチレートと同じ条件(a 参照)で、その10分
の1の量で合成した。反応時間、MAXyli-CエステルとXyli-Cエステルとの分布、
それぞれを単離するためのクロマトグラフィー用溶出液の組成、回収率およびこ
れらの化
合物の物理定数を下記表に示す。
1Hおよび13CNMRスペクトルは予想される生成物の構造と一致した。実施例5
水性媒体中でエステルの化学安定性
実施例2に記載のα-O- アシル-2,3-O- イソプロピリデンマンノシドエステル
と、実施例4に記載の1-O-アシル-2,3-O- イソプロピリデンキシリトールおよび
1-O-アシルキシリトールエステルについて、下記1〜3の条件下、水性媒体中で
の長期安定性を調べた:
1.4℃と25℃の蒸留水中(pH=6.5)
2.25℃の水/エタノール50/50(v/v)混合物中
3.0.2mol/LのCO3HNaを含む25℃の蒸留水中(pH=8.1)結果
1および2の条件下でHPLC(RP18カラム、水/アセトン溶出液)でモニ
タリングすると、加水分解によるエステルの
損失は溶液中で1ヵ月で1%以下であった。さらに、1ヶ月後に蒸発し、液体ク
ロマトグラフィーに通すと、純粋なエステルが得られた。その物理定数および分
光分析定数から、その量は初めに溶解したエステルの量の98%にあたる。
3の条件下で、1および2と同様にHPLCによるモニタリングした。媒体が
塩基性(条件1ではpH=6.5 であるのに対してpH=8.1)なために、上記条件より
も速い速度でエステル分解が進んだ。このエステル分解反応は3-O-n-ブタノイル
-1,2-O-イソプロピリデン- α-D- グルコフラノースに関して同じ条件で得られ
る値(Goueth et al.,Carbohydr.Chem.(1994),13(2),249)すなわち95時間で
20%という値の付近の速度で起こる(試験したエステルでは15〜25%)。しかし
。本発明のエステルでは95時間後に回収されるエステル分が初めに溶解したもの
と同じ物理定数と分光分析定数とを示すのに対し、3-O-n-ブタノイル-1,2-O- イ
ソプロピリデン- α-D- グルコフラノースではエステル分解しなかった分は元の
エステルの6%であり、90%は6-O-n-ブタノイル異性体と4%の5-O-n-ブタノイ
ル異性体とで構成される。実施例6
急性骨髄性白血病を引き起こす細胞系に対するα-MAM-A、MAXyli-CおよびXyli -Cブチルエステル(R1=n−C3H7)の非増殖性(antiproliferative)特性および 細胞成熟特性のデモンストレーション
これらの試験は安定化された細胞系(HL60、その他)を用いて成長因子の非
存在下で行った。ブチル誘導体の濃度は0.5〜1mMにした。
“FASCスキャン”スキャニングとフローサイトメトリー(血球計算法)に
よって下記パラメータi)〜iv) に関する評価を行った。
i) トリチウム化チミジンの取込み(細胞代謝物の調査)、
ii) プロピリウムアイオダイドの取込み(細胞周期の期の決定)
iii)アポプトシス(細胞消滅)期(プログラムされた細胞の死)にある細胞の割
合の判定
iv) 細胞成熟の判定(特異的なモノクロナル抗休を用いた表面抗原の定量)。
細胞成長阻害の割合とアポプトシス期にある細胞の割合とに関する下記表のデ
ータから非増殖特性が示される。
骨髄細胞の成熟は特異的抗原CD15、CD11a およびCD11b の発現によって評価す
る。上記3種類の物質は、濃度1mMで、成熟のための特異的抗原をわずかに増加
させるに留まった。実施例7
胎児ヘモグロビンの合成に対するα-MAM-AとXyli-Cブチルエステル(R1=n −C3H7)の効果のデモンストレーション
正常な人間の血清の存在下で赤血球白血病細胞系を用いて行った。
以下i)およびii)のパラメータを評価した:
i) ヘモグロビンのγ鎖の割合(二重抗原抗体反応と、アルカリホスファターゼ
−抗アルカリホスファターゼA.P.A.A.P.の存在下で行う免疫細胞化学的定量とを
用いた免疫学的定量分析)
ii) γ鎖のmRNAの割合(ノーザンブロット分析)
α-MAM-AおよびXyli-Cエステルはそれぞれ濃度0.70mMおよび0.35mMでヘモグロ
ビンのT鎖の割合を上昇させることが観察される。
A.P.A.A.P.の存在下では、この割合は、エステルなしの場合で10%から、α-M
AM-Aを用いた場合で22%、Xyli-Cを用いた場合で17%に変化する。上記エステル
の存在下でT鎖のmRNAを検出する試験では非常に顕著なmRNAの増加が示
された。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1996年8月13日
【補正内容】
明細書
フェニル酢酸、3-フェニルプロピオン酸、フェニルブチル酸またはn-ブチル酸
と、D-マンノース、キシリトールおよびその誘導体とを組み合わせて成るエステ
ル。その医薬としての利用
本発明はフェニル酢酸、3-フェニルプロピオン酸、4-フェニルブチル酸または
n-ブチル酸と、D-マンノース、キシリトールまたはこれらの誘導体とを組み合わ
せたエステルと、その医薬品としての利用に関するものである。
フェニル酢酸、4-フェニルブチル酸およびn-ブチル酸とこれらの塩が胎児ヘモ
グロビンの合成、特にγ鎖の合成を刺激するということは知られている(E.fib
ach 達、Blood(1993),82(7),2203; S.P.Perrine 達、Biochem.Biophys.Res
.Comm.(1987),148,694)。これらは人間の胎児のヘモグロビンのγ遺伝子も
誘導する(J.W.Zhang達、Developmental Genetics(1990),11,168; J.G.Gl
auber 達、Molec.Cell Biol.(1991),11,4690)。こうした特性から、貧血症
やβ−地中海貧血症候群の患者の治療に利用されてきた(S.P.Perrine達、N.En
gl.J.Med.(1993),328,(2),81)。
これらの酸および塩は前癌細胞および癌細胞(D.Samid達、Cancer Res.(199
2),52,1988; E.Ginsburg 達、Proc.Natl.Acad.Sci.(1973),70,2457;
K.Yamada 達、J,Cell.Physiol.(1985),125,235; K.N.Prasad,Life Scie
nces(1980),27,1351)、特に、白血病細胞(S.Fisckhoff 達、Leukemia(1990)
,4,302; D.Samid 達、Cancer Res.(1992),52,1988)の成長を阻害し、分化
を引き起こすことも知られて
いる。
n-ブチル酸とその塩はin vivo での血漿寿命が非常に短いことも知られている
(P.Daniel 達、Clin.Chim.Acta(1989),81,255)。この酸と、D-グルコース
、D-ガラクトース、グリセロールまたはこれらの誘導体との共有結合による組合
せで生じるエステルは、in vivo で人間または動物の酵素系の影響を受け、除々
にn-ブチル酸を放出し、その結果、血漿寿命は遙に長くなり、生物活性部分の生
物学的利用価値が高くなることが知られている(F.Pieri達、フランス国特許出
願第 871249 号(1987);フランス国特許出願第 8809092号(1988);PCT/FR88/
004470 号(1988);米国特許第071501号(1990))。
上記ブチルエステルの生物学的研究の結果、医薬品として最適な化合物はモノ
エステル 3-O-n- ブタノイル-1,2-O- イソプロピリデン- α-D- グルコフラノー
スであることが分かっている(P.Pouillard,Thesus,Amiens,1990; P.Plan
chon,Thesus,Amiens,1991)。しかし、この化合物は、O-n-ブタノイル基の付
近に2つの水酸基 OH を有する構造のために、内部エステル交換が起こる結果、
溶液中に、3-O-ブタノイルと5-O-ブタノイルと6-O-ブタノイルとを操作条件に応
じた比率で含む異性体混合物が生じる。さらに、この化合物のサンプルを水性媒
体に溶解した場合には制御不可能な状態で異性化反応が継続する。化合物中で、
第1の水酸基が第2位に結合したエステル基と立体配的に近い場合およびこの水
酸基が立体的に隣接するアシル基の攻撃に適した配向を有する場合、異性化反応
は化学的な法則に従う(P.Y.Goueth et al.,J.Carbohydr.Chem.(1994),1
3(2),249)。従って、この化合物は95%以上の純度で合成することは不可能で
ある。
本発明の目的は、フェニル酢酸、3-フェニルプロピオン酸、4-フェニルブチル
酸またはn-ブチル酸と、単糖類またはイトール(itol,糖アルコール)類Su(OH)n
とを組合せたエステルを合成することにあり、この場合、単糖類またはイトー
ルおよびこれらの異性体の構造は異性化反応の原因となる内部エステル交換を防
止すると同時に、対応する酸の生物学的利用能を良くするようなものが選択され
る。
本発明の上記の目的は例えば下記一般式で表されるエステルの合成で達成され
る:
ここで、
単糖類またはイトール(糖アルコール)Su(OH)nすなわち本発明化合物の前駆
体は、アノマー炭素原子上にエステル基を有するD-マンノース[Su(OH)5]か、ペ
ンチトール[Su(OH)5]、例えばC-1 第1炭素原子上にエステル基を有するキシリ
トールであり、ステップb
対応するジアセタールエステルの選択的保護解除(deprotection)による、α - およびβ-O- アシル- 2,3-O-アセタール-D- マンノシド(α-MAM-Aおよびβ-M AM-B)モノアセタールエステルと1-O-アシル-2,3-O- アセタールキシリトール(M AXyli-C)エステルの合成
スキーム1および2に示すステップbのアセタール部位の選択的保護解除は、
水酸基を有する溶媒SOII中で酸性触媒を用いて均質相または不均質相中で行わ
れる。
水酸基を有する溶媒は水、アルカノール、水/アルカノール混合物、アルカノ
ール/アルカノール混合物あるいは水またはアルカノールと水酸基を持たない共
溶媒との混合物にすることができる。アルカノールは例えばメタノール、エタノ
ールまたはプロパノールから選択することができる。共溶媒は例えばジオキサン
またはテトラヒドロフランより選択することができる。
均質相中での酸性触媒は有機または無機塩基を用いて媒体を中和し、濾過、溶
媒留去、液体クロマトグラフィーによる精製を行うことで純粋な状態で回収され
る。
不均質相中での酸性触媒作用は媒体中に酸性樹脂を存在させることによって行
うか、あるいは酸性樹脂を充填したカラムに上記の水酸基を有する溶媒(SOH
)を用いて調製したエステルの溶液を通過させて行うことができる。α-MAM-A、
β-MAM-BおよびMAXyli-Cエステルは、例えば濾過、溶媒留去および液体クロマト
グラフィーによる精製によって純粋な状態で回収される。
上記のα-MAM-A型およびβ-MAM-B型のD-マンノース誘導体およびMAXyli-C型の
キシリトール誘導体中のフリーの水酸基は、
エステル基から離れた位置にあるか、および/または向が悪いか、および/また
は第2炭素原子に結合しているので、溶液中で内部エステル交換を引き起こすこ
とがない。ステップC1およびC2
対応するモノアセタールまたはジアセタールエステルの保護解除による、α - およびβ-O- アシル-D-マンノシド(α-M-Aおよびβ-M-B)エステルと1-O-ア シルキシリトール(Xyli-C)エステルの合成
スキーム1および2に記載のステップC1に準じたジアセタールエステルの保
護解除またはステップC2に準じたモノアセタールエステルの保護解除は、本発
明のステップbで定義したものと同じ溶媒(SOH)および同じ酸を用いて、必
要に応じて酸の量、温度および反応時間を調節することによって行うことができ
る。
α-M-A型とβ-M-B型のD-マンノース誘導体およびXyli-C型のキシリトール誘導
体中のフリーの水酸基はエステル基から離れた位置にあるか、および/または向
きが悪いか、および/または第2炭素原子に結合しているので、溶液中で内部エ
ステル交換を引き起こすことがない。
本発明の他の目的は、フェニル酢酸、3-フェニルプロピオン酸、4-フェニルブ
チル酸またはn-ブチル酸と、D-マンノース、キシリトールおよびこれらの誘導体
とを組合せた下記一般式で表されるエステルの医薬として利用にある:
請求の範囲
1.フェニル酢酸、3-フェニルプロピオン酸、4-フェニルブチル酸およびn-ブチ
ル酸と、単糖類またはイトール(糖アルコール)Su(OH)nとを組合せた下記一般
式で表されるエステル:
ここで、
Su(OH)n前駆体は単糖類またはイトール(糖アルコール)を表し、その構造お
よびその誘導体の構造は一般式で表されるエステルがフリーの水酸基を含まない
か、フリーの水酸基がエステル基に対して離れた位置にあるか、および/または
向きが悪いか、および/または第2炭素原子に結合しているという理由で内部エ
ステル交換が防止されるとともに、対応する酸の高い生物学的利用性が実現され
るように選択され、単糖類またはイトール(糖アルコール)Su(OH)nはそれぞれ
アロマー炭素原子上またはC-1 第1炭素原子上にエステル基を有し、
R1−COはフェニルアセチル基、3-フェニルプロパノイル基、4-フェニルブ
タノイル基またはn-ブタノイル基であり、
R2、R3、R4およびR5は水素原子か、炭化水素鎖を含むまたは含まず、環状
または非環状で、飽和または不飽和である分岐鎖を有するか有しない基であるか
、あるいはR2とR3および/またはR4とR5が下記ジオキサン型のアセタール基
を形成するように選択される:
ただし、3-O-ブタノイル-1,2:5,6-di-O-イソプロピリデン-α-D- グルコフラ
ノースおよび6-O-ブタノイル-1,2:3,4-di-O-イソプロピリデン- α-D- ガラクト
ピラノースは除く。
2.Su(OH)n前駆体がフェニル酢酸、3-フェニルプロピオン酸、4-フェニルブチ
ル酸およびn-ブチル酸とエステルの形に結合されたD-マンノースまたはキシリト
ールである請求項1に記載の化合物。
3.R−C−R’基が、フェニルメチレン、メチレン、シクロヘキシリデンおよ
びイソプロピリデンの中から選択される請求項1に記載の化合物。
4.D-マンノースと、フェニル酢酸、3-フェニルプロピオン酸、4-フェニルブチ
ル酸およびn-ブチル酸とのエステルが、α- およびβ-O- アシル-2,3:5,6-di-O-
アセタール-D-マンノシド;α- およびβ-O- アシル-2,3-O- アセタール-D- マ
ンノシド;またはα- およびβ-O- アシル-D- マンノシドである請求項1〜3の
いずれか一項に記載の化合物。
5.キシリトールと、フェニル酢酸、3-フェニルプロピオン酸、4-フェニルブチ
ル酸およびn-ブチル酸とのエステルが、1-O-アシル-2,3:4,5-di-O-アセタールキ
シリトール;1-O-アシル-2,3-O- アセタルキシリトール;または1-O-アシルキシ
リトールで
ある請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
6.α-O-n- ブタノイル-D- マンノシドとそのα-O-n- ブタノイル-2,3:5,6-di-
O-イソプロピリデン-D- マンノシドおよびα-O-n- ブタノイル-2,3-O- イソプロ
ピリデン-O-マンノシド誘導体。
7.α-O- フェニルアセチル-D- マンノシドとそのα-O- フェニルアセチル-2,3
:5,6-di-O-イソプロピリデン-D- マンノシドおよびα-O- フェニルアセチル-2,3
-O- イソプロピリデン-D-マンノシド誘導体。
8.α-O-3'-フェニルプロパノイル-D- マンノシドとそのα-O-3'-フェニルプロ
パノイル-2,3:5,6-di-O-イソプロピリデン-D- マンノシドおよびα-O-3'-フェニ
ルプロパノイル-2,3-O- イソプロピリデン-D- マンノシド誘導体。
9.α-O-4'-フェニルブタノイル-D- マンノシドとそのα-O-4'-フェニルブタノ
イル-2,3:5,6-di-O-イソプロピリデン-D- マンノシドおよびα-O-4'-フェニルブ
タノイル-2,3-O- イソプロピリデン-D- マンノシド誘導体。
10.1-O-n-ブタノイルキシリトールとその1-O-n-ブタノイル-2,3:4,5-di-O- イ
ソプロピリデンキシリトールおよび1-O-n-ブタノイル-2,3-O- イソプロピリデン
キシリトール誘導体。
11.1-O-フェニルアセチルキシリトールとその1-O-フェニルア
セチル-2,3:4,5-di-O-イソプロピリデンキシリトールおよび1-O-フェニルアセチ
ル-2,3-O- イソプロピリデンキシリトール誘導体。
12.1-O-(3'-フェニルプロパノイル)キシリトールとその1-O-3'- フェニルプロ
パノイル-2,3:4,5-di-O-イソプロピリデンキシリトールおよび1-O-3'- フェニル
プロパノイル-2,3-O- イソプロピリデンキシリトール誘導体。
13.1-O-(4'-フェニルブタノイル)キシリトールとその1-O-4'-フェニルブタノイ
ル-2,3:4,5-di-O-イソプロピリデンキシリトールおよび1-O-4'- フェニルブタノ
イル-2,3-O- イソプロピリデンキシリトール誘導体。
14.請求項1〜13のいずれか一項に記載のD-マンノース、キシリトールおよびこ
れらの誘導体のエステルを単独または他の化合物と組み合わせて用いた血色素病
、例えば貧血、β−地中海貧血または鎌状赤血球症等の治療用医薬。
15.請求項1〜13のいずれか一項に記載のD-マンノース、キシリトールおよびこ
れらの誘導体のエステルを単独または他の化合物と組み合わせて用いた、前癌性
および癌性腫瘍、例えば胸部癌、大腸癌または急性および慢性白血病の治療用医
薬。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,C
Z,EE,FI,GE,HU,IS,JP,KG,KP
,KR,KZ,LK,LR,LT,LV,MD,MG,
MN,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG,S
S,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN
(72)発明者 プイヤール,フィリプ,ルネ,ミシェル
フランス国 80330 ロングオ リュ ヴ
ェラン−クチュリエ 4
(72)発明者 ロンコ,ジノ,リノ
フランス国 80000 アミエン ブルヴァ
ール ポン−ノワイエル 11
(72)発明者 ヴィラ,ピエール,ジョゼフ
フランス国 80000 アミエン アレ ド
ゥ ラ プレヤド 1