JP3068910B2 - 新規スフィンゴ糖脂質、その製造法および使用 - Google Patents

新規スフィンゴ糖脂質、その製造法および使用

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JP3068910B2 JP3244385A JP24438591A JP3068910B2 JP 3068910 B2 JP3068910 B2 JP 3068910B2 JP 3244385 A JP3244385 A JP 3244385A JP 24438591 A JP24438591 A JP 24438591A JP 3068910 B2 JP3068910 B2 JP 3068910B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、有効な抗腫瘍活性およ
び免疫賦活活性を有する新規なスフィンゴ糖脂質、その
製造方法ならびにその用途に関するものである。
【0002】
〔発明の概要〕
【0003】
【発明が解決しようとする課題】化学物質の生理活性
は、その化学構造に依存するところが大きく、抗腫瘍活
性あるいは免疫賦活活性を有する新規な化合物に対して
不断の希求があると言えよう。本発明は上記の希求に応
えることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、海綿動物
アゲラス・マウリティアヌスから特定のスフィンゴ糖脂
質を取り出してこれが抗腫瘍活性および免疫賦活活性を
有することを見出し、更にその合成方法を作出し、この
知見をもとに本発明を完成させるに至った。すなわち、
本発明による新規スフィンゴ糖脂質は、次式(I)で示
されるものである。
【化2】 ここで、R1 がα‐D‐ガラクトピラノシルであってか
つR2 が下記の基(a)である場合、R3 は下記の基
(b)または(c)であり、R1 がβ‐D‐グルコピラ
ノシルであってかつR3 が下記の基(d)である場合、
2 は下記の基(a)または(e)である。 (a)−(CH2 21−CH3 (b)−CH(OH)−(CH2 11−CH(CH3
2 (c)−CH(OH)−(CH2 11−CH(CH3
−CH2 −CH3 (d)−CH=CH−(CH2 2 −CH=C(C
3 )−CH=CH−(CH2 6 −CH3 (e)−(CH2 22−CH3 本発明は、また、式(I)で示される化合物の製造法に
関するものである。すなわち、本発明による上記式
(I)で示されるスフィンゴ糖脂質の製造法は、海綿動
物アゲラス・マウリティアヌスを採集してこれを有機溶
媒による抽出操作に付し、その抽出物から上記式(I)
で示されるスフィンゴ糖脂質を採取すること、を特徴と
するものである。また、式(I)で示される本発明化合
物は、後述する工程式もしくは反応経路式に従って化学
的に合成することができる。本発明は、さらにまた、式
(I)で示される化合物の使用に関するものである。す
なわち、本発明による抗腫瘍剤および免疫賦活剤は、上
記式(I)で示されるスフィンゴ糖脂質の1種または2
種以上を有効成分として含有するものである。
【0005】〔発明の具体的説明〕 <スフィンゴ糖脂質>本発明によるスフィンゴ糖脂質は
式(I)で示されるものであることは前記した通りであ
り、これらの具体的な化合物の構造式は次式(1)〜
(4)のように示すことができる。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【0006】<本発明化合物の製造法>本発明による化
合物、すなわち前記式(I)で示されるスフィンゴ糖脂
質は、海綿動物からの抽出によって得ることができる
が、類縁化合物の化学修飾によって誘導することも、あ
るいはスフィンゴ糖脂質を合成するのに必要な種々の一
般的化学反応を組み合わせた化学合成手段によって全合
成することも可能である。式(I)で示される化合物
は、スフィンゴ糖脂質に関する一般的な化学的合成手段
を用いて、たとえば、アグリカルチュラル・アンド・バ
イオロジカル・ケミストリー(Agricultural and Biolog
ical Chemistry),54巻,3号,663−667頁,1
990年に記載の方法を準用して合成することができ
る。このような合成の一例として、たとえば、前記式
(I)で示される化合物は下記のような工程を経て合成
することも可能である。
【化7】
【化8】 上記工程式において、下記のような省略記号が使用され
ている。 Bn:ベンジル Bz:ベンゾイル Tr:トリチル Ms:メタンスルホニル TsOH:パラトルエンスルホン酸 DMAP:4‐ジメチルアミノピリジン MS−4A:モレキュラシーブス‐4A(脱水剤) R4 :アルキルまたはアルケニル −CH(OH)−(CH2 2 −R5 :式(I)中のR
3 に相当する R6 :式(I)中のR2 に相当する 本発明化合物の更に具体的な合成方法は、下記のような
反応経路式によって示すことができる。この反応経路式
は、具体的には前記化合物(1)について示しているが
(後記実験例の合成例にこれに関する詳細な記載があ
る)本発明による化合物(3)もこの方法に準じて合成
することができる。
【化9】
【化10】 この式中に用いられている省略記号は、上記工程式の場
合と同じものである。
【0007】海綿動物から得る方法は、基本的にはA)
海綿動物の採集工程、B)本発明化合物を含有する粗抽
出物を得るために、少なくとも1種の適当な有機溶媒と
海綿動物を接触させる抽出工程、C)工程B)より得ら
れた有機溶媒粗抽出物から本発明化合物を採取する工
程、から成るものである。 (工程A))この工程は、海綿動物を採集する工程であ
る。海綿動物の好ましい例としてはアゲラス・マウリテ
ィアヌス(Agelas mauritianus )があげられ、これは
たとえば沖繩県久米島の海中より採集することができ
る。 (工程B))この工程は、海綿動物から、少なくとも1
種の適当な有機溶媒または水を用いて本発明化合物を粗
抽出物として抽出する工程である。抽出溶媒としては有
機溶媒が好ましい。抽出のための適当な有機溶媒は、海
綿動物から本発明化合物を抽出することができるもので
あればよく、そのようなものとしては、酢酸エチル、酢
酸ブチルなどのエステル、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコールなどのアルコール、ヘプタン、ヘ
キサン、イソオクタンなどの脂肪族炭化水素、アセト
ン、メチルエチルケトンなどのケトン、ベンゼン、トル
エンなどの芳香族化合物、ジエチルエーテル、t‐ブチ
ルメチルエーテルなどのエーテル、塩化メチレン、クロ
ロホルム、1,2‐ジクロロエタンなどの低級脂肪族炭
化水素の置換化合物などが好ましい例としてあげられ
る。本発明においては、これらを単独で用いるかあるい
はこれらのうちの複数種を組み合わせた混合物で用いる
ことができる。上記したような有機溶媒のうち、より好
ましいものにはエタノール、アセトン、酢酸エチルなど
が、また、複数種の組み合わせの好ましい例としては、
メタノールとクロロホルム、メタノールと塩化メチレ
ン、アセトンとトルエンなどがあげられる。抽出法とし
ては、動植物材料、微生物材料などの生物材料からの生
理活性物質、特にスフィンゴ糖脂質、の抽出に関する公
知の方法、たとえばリービッヒ・アナーレン・デア・ヘ
ミー(Liebigs Annalen der Chemie) 、1巻、51頁、
1990年に記載の方法、テトラヘドロン(Tetrahedro
n)、45巻、12号、3897頁、1989年に記載の
方法、あるいはツァイシュリフト・フィア・ナトゥアフ
ォーシュング・タイル・ベー(Zeitschrift fuer Natur
forschung Teil B)42巻、11号、1476頁、19
87年に記載の方法など、を準用することができ、これ
らの抽出方法を単独で、あるいは複数種組み合わせて使
用することができる。具体的には、例えば、海綿動物を
そのまま用いるか、もしくはホモジナイズして凍結乾燥
を行うなどの前処理を施し、これを抽出温度が0〜80
℃、好ましくは室温付近で、抽出時間が1〜72時間、
好ましくは12〜36時間の抽出条件で、好ましくは攪
拌しながら抽出操作を行う。必要があれば、上記の抽出
操作を所望回数繰り返して行なうこともできる。 (工程C))この工程は、工程B)より得られた、本発
明化合物を含有する粗抽出物から本発明化合物を採取す
る工程である。この採取法としては、前記したような種
々の生物材料からの生理活性物質、特にスフィンゴ糖脂
質、の分画および単離に関する公知の方法、を使用する
ことができる。このような方法に関する一般的な記載に
ついては例えばリービッヒ・アナーレン・デア・ヘミー
(Liebigs Annalen der Chemie) 1巻、51頁、199
0年などを参照することができる。具体的には、分画法
としては、例えば溶解度の差を利用した分別法(たとえ
ば含水メタノールとメタノールの組合せによる)、分配
率の差を利用した分配法(向流分配法も含まれる)(た
とえば酢酸エチルと水の組合せによる)、などがあげら
れ、上述の粗抽出物をこれらの分画法によって処理し、
目的の画分を回収することにより式(I)で示される本
発明化合物を粗精製品として得ることができる。このよ
うにして得られる本発明化合物の粗精製品をさらに精製
するためには、上記の分画法に後述するような単離法を
組合せて必要回数行えばよい。また、必要があれば、工
程B)から得られた粗抽出物を適当な単離法の操作に必
要回数付すことにより、本発明化合物の精製品を得るこ
とができる。このような単離法としては、例えば、吸着
クロマトグラフィー、分配クロマトグラフィー、薄層ク
ロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、ゲル
槇過等のクロマトグラフィーによって溶出する方法があ
げられる。クロマトグラフィーの具体例としては、例え
ば、固定相としてシリカゲル、ODS、トヨパールHW
−40(東ソー)、セファデックスLH−20(ファル
マシア)等を用い、移動相として工程B)の項で前述し
たような有機溶媒、水などを単独であるいはこれらのう
ちの複数種を組み合わせた混合物で用いるカラムクロマ
トグラフィーがあげられる。溶出液の好ましい具体例と
しては、単一物ではメタノール、クロロホルムなど、混
合物ではメタノールとクロロホルム、メタノールと水、
などがあげられる。
【0008】<本発明化合物の用途>式(I)で示され
る本発明化合物は、次の生理活性、すなわち抗腫瘍活性
および免疫賦活活性、を有するという点で有用である。 1)抗腫瘍活性 本発明化合物は、後記実験例2に示すように、B16マ
ウスメラノーマ細胞に対して、マウスの腹腔内および皮
下において抗腫瘍活性を示した。 2)免疫賦活活性 本発明化合物は、後記実験例2に示すように、マウスリ
ンパ球混合培養反応、マウスナチュラルキラー(NK)
細胞活性増強反応およびマクロファージ活性化反応の試
験において活性作用を示した。 3)抗腫瘍剤および免疫賦活剤 このように、本発明化合物は、抗腫瘍活性および免疫賦
活活性を示すことが明らかにされた。したがって、本発
明化合物は抗腫瘍剤もしくは免疫賦活剤として使用する
ことができる。抗腫瘍剤もしくは免疫賦活剤としての本
発明化合物は合目的的な任意の投与経路で、また採用投
与経路によって決まる剤型で投与することができる。薬
剤としては製薬上許容される担体ないし希釈剤で希釈さ
れた形態がふつうである。本発明化合物を抗腫瘍剤、も
しくは免疫賦活剤として使用する場合は、ヒトまたは哺
乳動物に経口的にまたは非経口的に投与することができ
る。例えば本発明化合物を適当な注射用溶剤(たとえば
注射用蒸留水など)に溶解、または懸濁して静注、筋
注、もしくは皮下注射などによって投与し得る。また適
当な希釈剤(例えばデンプン、ショ糖、乳糖、炭酸カル
シウム、など通常この種の目的に用いられる任意の化合
物)あるいは滑沢剤(例えばステアリン酸、安息香酸ナ
トリウム、ホウ酸、シリカ、ポリエチレングリコールな
ど通常この種の目的に用いられる任意の化合物)などの
製薬成分を添加して、粉末、錠剤、顆粒剤、カプセル、
トローチ、ドライシロップなどの形態に成形して経口投
与することができる。本発明化合物の投与量は、動物試
験の結果および個々の状況を勘案して、連続的または間
けつ的に投与したときに総投与量が一定量を超えないよ
うに定められる。具体的な投与量は、投与方法、患者ま
たは被処理動物の状況、たとえば年令、体重、性別、感
受性、食餌、投与時間、併用する薬剤、患者またはその
病気の程度に応じて変化することはいうまでもなく、ま
た一定の条件のもとにおける適量と投与回数は、上記の
指針を基として専門医の適量決定試験によって決定され
なければならない。なお、本発明化合物の活性の発現に
必要な最少投与量は、一般に宿主の体重1kgあたり0.
01mg程度である。
【0009】<実験例>
【実施例】以下は、本発明を実験例によって更に具体的
に説明するものであり、この実験例によって本発明は限
定されるものではない。実験例1化合物の調製 沖繩県久米島の海中において採集した海綿動物(アゲラ
ス・マウリティアヌス(Agelas mauritianus ) )をホ
モジナイズし凍結乾燥を行った(346.5g)。第一
の溶媒としてメタノール‐クロロホルム(1:1)で抽
出して抽出物を得、これを減圧下濃縮して残渣を得た
(43.67g)。残渣は粗活性画分を得るために第一
の分配溶剤として酢酸エチルと水の間で分配され、上層
の酢酸エチル層は無水硫酸ナトリウムで脱水し、下層の
水層は1‐ブタノールで抽出した。化合物(1)、
(2)、(3)および(4)を含有する酢酸エチル溶解
フラクション、及び1‐ブタノール溶解フラクションを
まとめて減圧下濃縮して残渣を得た(36.77g)。
残渣は30%水性メタノールで洗浄した後、メタノール
にて抽出し、抽出物を減圧下濃縮して褐色の固体4.6
6gを得た。この固体をシリカゲル(ワコーゲルC−2
00)カラムクロマトグラフに付し、最初にクロロホル
ムを用い、ついでメタノールを徐々に加えながら溶出す
ることによって分離した。5%ないし8%メタノール含
有クロロホルムを用いて溶出した画分から活性フラクシ
ョンを得(224.3mg)、再度メタノールにて抽出し
減圧下濃縮して褐色の固体を得た。この固体をトヨパー
ルHW−40カラムにかけ、クロロホルム‐メタノール
(1:1)を用い溶出した画分から活性フラクションを
得(161.8mg)、これを逆相高速液体クロマトグラ
フィー(Rp−HPLC;YMC−D−ODS−7(株
式会社ワイエムシィ製)、100%メタノール、11ml
/min (検出は示差屈折計))を行うことにより無色の
粉末である本発明化合物(1)(8.4mg)、化合物
(2)(31.7mg)、化合物(3)(6.8mg)、化
合物(4)(9.9mg)をそれぞれ50分、53分、5
7分、61分の溶出時間で順に得た。化合物(1)、化
合物(2)、化合物(3)および化合物(4)は以下の
スペクトルデータを示した。化合物(1) [α]28 D =+65.4゜(1−PrOH、=1.
0) MS:FDMS 846(M+H)+ negative FABMS 844(M−H)- UV:(λmax(nm) 、MeOH)202(ε2200) IR:(cm-1、KBr)3400、2950、287
0、1645、1535、1475、1080。 mp:198−200℃ NMR: 1H(500MHz、C5 5 N;27℃)δ
(ppm) 8.50(1H、d、J=9.2Hz)、7.5
5(1H,bs)、7.01(1H,bs)、6.69
(1H,d,J=6.7Hz)、6.65(1H,b
s)、6.52(1H,bs)、6.30(1H,b
s)、6.08(1H,d,J=6.1Hz)、5.59
(1H,d,J=3.7Hz)、5.28(1H,m)、
4.64(2H,m)、4.58(1H,m)、4.5
3(1H,m)、4.48(2H,m)、4.39(1
H,m)、4.34(2H,m)、4.32(1H,
m)、4.27(1H,m)、2.29(1H,m)、
2.19(1H,m)、1.99(1H,m)、1.8
8(2H,m)、1.73(1H,m)、1.66(2
H,m)1.46(2H,m)、1.42−1.10
(55H,m)、0.88(9H,m)。 1 H(500MHz、C5 5 N+D2O;55℃)δ
(ppm) 5.46(1H,d,J= 3.7Hz)、5.
14(1H,m)、4.62(1H,m)、4.58
(2H,m)、4.48(2H,m)、4.43(1
H,dd,J=3.7,10.4Hz)、4,32(2
H,m)、4.30(2H,m)、4.26(1H,
m)、2.21(2H,m)、2.01(1H,m)、
1.90(2H,m)、1.75(1H,m)、1.7
0(2H,m)、1.55(2H,m)、1.50−
1.15(55H,m)、0.92(9H,m)。13 C(125MHz、C5 5 N;55℃)δ(ppm)
175.9(s)、101.2(d)、76.1
(d)、72.9(d)、72.8(d)、72.8
(d)、71.5(d)、70.9(d)、70.2
(d)、68.6(t)、62.7(t)、51.2
(d)、39.6(t)、35.7(t)、34.1
(t)、32.3(t)、30.6(t)、30.5
(t)、30.2(t)、30.2(t)、30.1
(t)、29.8(t)、28.5(d)、28.0
(t)、26.8(t)、26.1(t)、23.1
(t)、23.0(q)、14.5(q)。化合物(2) [α]28 D =−1.6゜(1−PrOH、=1.0) MS:FDMS 838(M+H)+ negative FABMS 836(M−H)- UV:(λmax(nm) 、MeOH)236(ε5800) IR:(cm-1、KBr)3350、2920、285
0、1640、1530、1470、1080。 mp:141.0−142.0℃ NMR: 1H(500MHz、C5 5 N;27℃)δ
(ppm) 8.33(1H、d、J=9.2Hz)、7.6
1(1H,d、J=5.5Hz)、7.22(1H,b
s)、7.12(1H,bs)、6.86(1H,d,
J=4.9Hz)、6.35(1H,bs)、6.19
(1H,d,J=15.3Hz)、5.99(1H,d
d,J=6.7,15.9Hz)、5.90(1H,d
t,J=6.1,15.9Hz)、5.64(1H,d
t,J=7.3,15.3Hz)、5.49(1H,b
t,J=6.7Hz)、4.89(1H,d,J=7.9
Hz)、4.79(1H,m)、4.74(1H,m)、
4.69(1H,dd,J=6.1,10.4Hz)、
4.56(1H,m)、4.49(1H,bd,J=1
1.0Hz)、4.34(1H,m)、4.21(1H,
m)、4.19(2H,m)、4.01(1H,m)、
3.88(1H,m)、2.21(2H,m)、2.1
5(2H,m)、2.11(2H,m)、2.00(1
H,m)、1.79(1H,m)、1.75(3H,
s)、1.70(1H,m)、1.45−1.05(4
9H,m)、0.84(3H,t,J=6.7Hz)、
0.84(3H,t,J=6.7Hz)。13 C(125MHz、C5 5 N;27℃)δ(ppm)
175.5(s)、135.3(d)、134.2
(s)、132.1(d)、131.9(d)、12
9.9(d)、127.8(d)、105.5(d)、
78.4(d)、78.4(d)、75.0(d)、7
2.5(d)、72.3(d)、71.6(d)、7
0.0(t),62.7(t)、54.6(d)、3
5.6(t)、33.1(t)、32.7(t)、3
2.0(t)、32.0(t)、29.9(t)、2
9.8(t)、29.5(t)、29.4(t)、2
9.4(t)、28.3(t)、25.8(t)、2
2.8(t)、14.2(q)、12.7(q)。化合物(3) [α]28 D =+62.8゜(1−PrOH、=1.
0) MS:FDMS 860(M+H)+ negative FABMS 858(M−H)- UV:(λmax(nm) 、MeOH)201(ε2300) IR:(cm-1、KBr)3350、2940、285
0、1660、1545、1495、1100。 mp:189.5−190.5℃ NMR: 1H(500MHz、C5 5 N;27℃)δ
(ppm) 8.47(1H,d,J=9.2Hz)、7.5
1(1H,d,J=4.9Hz)、6.96(1H,d,
J=4.9Hz)、6.64(1H,d,J=6.7H
z)、6.60(1H,d,J=5.0Hz)、6.48
(1H,bt,J=5.1Hz)、6.24(1H,d,
J=3.7Hz)、6.04(1H,d,J=6.1H
z)、5.56(1H,d,J=3.7Hz)、5.24
(1H,m)、4.60(2H,m)、4.56(1
H,m)、4.50(1H,bs)、4.45(2H,
m)、4.35(1H,m)、4.31(3H,m)、
4.24(1H,m)、2.26(1H,m)、2.1
8(1H,m)、1.98(1H,m)、1.87(2
H,m)、1.73(1H,m)、1.65(2H,
m)、1.42−1.10(59H,m)、0.88
(9H,m)。 1 H(500MHz、C5 5 N+D2O;55℃)δ
(ppm) 5.43(1H,d,J=3.7Hz)、5.0
4(1H,m)、4.67(1H,dd,J=4.0,
7.4Hz)、4.56(1H,m)、4.54(1H,
m)、4.46(1H,m)、4.45(1H,m)、
4.44(1H,m)、4.38(1H,dd,J=
4.9,5.0Hz)、4.33(1H,m)、4.3
1(1H,m)、4.28(1H,m)、4.25(1
H,m)、2.19(2H,m)、2.07(1H,
m)、1.95(1H,m)、1.75(2H,m)、
1.50−1.20(61H,m)、1.00(9H,
m)。13 C(125MHz、C5 5 N;27℃)δ(ppm)
175.0(s)、101.2(d)、76.5
(d)、72.9(d)、72.4(d)、72.4
(d)、71.6(d)、70.9(d)、70.2
(d)、68.3(t)、62.6(t)、50.6
(d)、36.8(t),35.5(t)、34.5
(d)、34.4(t)、32.1(t)、30.3
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(t)、22.9(t)、19.3(q)、14.2
(q)、11.5(q)。13 C(125MHz、C5 5 N;55℃)δ(ppm)
176.4(s)、101.2(d)、75.9
(d)、73.0(d),73.0(d)、73.0
(d)、71.6(d)、71.0(d)、70.3
(d)、68.9(t)、62.8(t)、51.5
(d)、37.4(t)、35.8(t)、35.1
(d)、33.6(t)、32.6(t)、30.8
(t)、30.6(t)、30.4(t)、30.4
(t)、30.4(t)、30.3(t)、30.2
(t)、30.0(t)、27.8(t)、26.9
(t)、26.1(t)、23.3(t)、19.9
(q)、14.7(q)、12.0(q)。化合物(4) [α]28 D =−2.0゜(1−PrOH、=1.0) MS:FDMS 852(M+H)+ negative FABMS 850(M−H)- UV:(λmax(nm) 、MeOH)236(ε5500) IR:(cm-1、KBr)3350、2920、285
0、1640、1530、1470、1080。 mp:158.5−159.5℃ NMR: 1H(500MHz、C5 5 N;27℃)δ
(ppm) 8.34(1H,d,J=9.2Hz)、7.6
2(1H,d,J=5.5Hz)、7.22(1H,d,
J=3.7Hz)、7.13(1H,bs)、6.87
(1H,d,J=4.9Hz)、6.36(1H,bt,
J=6.1Hz)、6.19(1H,d,J=15.3H
z)、5.99(1H,dd,J=6.7,15.9H
z)、5.89(1H,dt,J=6.1,15.9H
z)、5.63(1H,dt,J=7.3,15.3H
z)、5.49(1H,bt,J=6.7Hz)、4.8
9(1H,d,J=7.9Hz)、4.78(1H,
m)、4.74(1H,m)、4.69(1H,dd,
J=6.1,10.4Hz)、4.56(1H,m)、
4.49(1H,m)、4.34(1H,m)、4.2
1(1H,m)、4.19(2H,m)、4.01(1
H,m)、3.88(1H,m)、2.21(2H,
m)、2.15(2H,m)、2.11(2H,m)、
2.00(1H,m)、1.79(1H,m)、1.7
5(3H,s)、1.70(1H,m)、1.45−
1.05(51H,m)、0.84(3H,t,J=
6.7Hz)、0.84(3H,t,J=6.7Hz)。13 C(125MHz、C5 5 N;27℃)δ(ppm)
175.5(s)、135.5(d)、134.2
(s)、132.0(d)、131.9(d)、12
9.9(d)、127.8(d)、105.4(d)、
78.4(d)、78.3(d)、75.0(d)、7
2.5(d)、72.3(d)、71.6(d)、6
9.9(t)、62.8(t)、54.6(d)、3
5.6(t)、33.1(t)、32.6(t)、3
2.0(t)、31.9(t)、29.9(t)、2
9.8(t)、29.5(t)、29.4(t)、2
9.3(t)、28.3(t)、25.8(t)、2
2.8(t)、14.2(q)、12.6(q)。
【0010】実験例2本発明化合物の抗腫瘍活性 1.腹腔内におけるB16 マウスメラノーマ細胞に対
する抗腫瘍活性 日本エスエルシー株式会社より購入した6週令、メスの
BDF1 マウスを1群6匹として実験を行った。B16
マウスメラノーマ細胞8×105 個/マウスを腹腔内に
移植し(移植日を0日目)、移植後より1,5および9
日目に、各用量に調製したサンプルをマウス体重20g
あたり0.2ml腹腔内投与し、死亡するまでの日数を測
定した。 結果を表1に示した。各化合物は顕著な抗腫瘍活性を示
した。 2.皮下におけるB16マウス メラノーマ細胞に対す
る抗腫瘍活性 日本エスエルシー株式会社より購入した6週令、メスの
BDF1 マウスを1群6匹として実験を行った。B16
マウスメラノーマ細胞を1×106 個/マウス皮下に移
植し、その15日後(day15)に背部皮下の腫瘍体
積(長径×短径×高さ)/2を測定し、平均値がほぼ同
じになるように群分けを行なった。サンプルは15、1
7、19、21、23日後(day15,17,19,
21,23)に尾静脈内投与を行い、15,19,2
2,26日後(day15,19,22,26)の腫瘍
体積を測定した。 表 2 サンプル 投与量 腫 瘍 体 積 (mm3 ) (化合物) (mg/kg) day15 day19 day22 day26 対照群 - 340 1073 1749 4283 (1) 0.1 318 577 921 2222 (6.5)* (46.2) (47.3) (48.1) (3) 0.1 310 617 667 1335 (9.0) (42.6) (61.9) (68.8) 表2に示す結果の通り、化合物(1)および化合物
(3)は腫瘍増殖を顕著に抑制した。本発明化合物の免疫賦活活性 1.リンパ球混合培養反応 C57BL/6マウスの脾臓より常法に従って取り出し
た脾臓細胞をマイトマイシンC 50μg/mlで処理し
たものを標的細胞とし、一方BALB/cマウスのリン
パ節より常方に従って取り出したリンパ球を反応細胞と
した。上述の脾臓細胞、及びリンパ球を10%FCS
RPMI 1640を培地として各々2×106 個/ml
に調製した。丸底96穴プレートを用い、上記両細胞浮
遊液各50μl/wellおよびサンプル(10μl/wel
l)を加え、4日間37℃−5%CO2 の条件下で培養
を行なった後、 3H‐サイミジン( 3H−TdR)0.
5μCi/wellを加えた。そして8時間後に細胞のハー
ベストを行い液体シンチレーションカウンターにより 3
H‐TdRの取り込みを測定した。 表 3 3H−TdR 取り込み (対照に対する%) サンプル/濃度(μg/ml) 10-1 10-2 10-3 10-4 10-5 (化合物) (1) 236 220 184 189 179 (2) 169 134 142 127 147 (3) 255 209 179 164 168 (4) 202 182 141 117 127 表3に示す結果より、いずれのサンプルも10-5μg/
mlという低濃度でも強いリンパ球混合培養反応増強活性
を示した。 2.ナチュラル キラー(NK)細胞活性増強作用(in
vivo) 日本エスエルシー株式会社より購入した6週令、メスの
C57BL/6マウスを実験に用いた。サンプル各0.
1mg/kgを2日間連続腹腔内投与を行い、3日目にマウ
スから脾臓を取り出した。取り出した脾臓より常法に従
って脾細胞を取り出し、塩化アンモニウム‐トリス等張
緩衝液により赤血球を除去後1×107 個/mlとなるよ
うに10%FCS RPMI 1640に浮遊させた。
この細胞浮遊液を96穴丸底マイクロプレートに100
μlずつ分注する(エフェクター細胞1×106 個/we
ll)。一方常法に従って51Cr標識したYAC−1細胞
を1×106 個/mlとなるように10%FCS RPM
I 1640に浮遊させ、これを標的細胞とし10μl
ずつウェルに分注した。この場合E/T比(エフェクタ
ー細胞数/標的細胞数)は100:1となるがエフェク
ター細胞数を変えることにより比率を50:1、25:
1と変えた。上記標的細胞、エフェクター細胞の反応系
を4時間37℃−5%CO2 の条件下で培養する。4時
間後に各ウェルの上清を70μlずつカウンター用バイ
アルに採取し、ガンマーカウンターで標的細胞の溶解量
を測定した。 表 4 特異的細胞障害率(%) * サンプル E/T比 25:1 50:1 100 :1 (化合物) 対 照 0.5 1.3 2.3 (1) 14.0 23.9 39.8 (2) 3.6 8.0 18.7 (3) 18.5 33.5 55.4 (4) 8.3 17.5 37.2 表4に示す結果より、いずれのサンプルもin vivo でN
K細胞活性増強作用を示した。 3.マクロファージ活性化作用(in vivo ) 8週令のBALB/cマウスを実験に用いた。化合物
(3)を0.1mg/kg、2日間連続腹腔内投与を行い3
日目にマウスから腹腔浸出細胞(PEC)を取り出し
た。さらにこのPECをプラスチックディッシュ付着細
胞と非付着細胞とに分け、MethA細胞に対する細胞
増殖抑制作用を検討した。PECあるいはプラスチック
ディッシュ付着細胞、非付着細胞を5×106 個/mlと
なるように10%FCS RPMI 1640に浮遊さ
せた。この細胞浮遊液を96穴丸底マイクロプレート上
に100μlずつ分注する(エフェクター細胞5×10
5 個/well)。一方標的細胞としてMethAを5×1
5 個/mlとなるように10%FCSRPMI 164
0に浮遊させ、この細胞浮遊液を10μlずつウェルに
分注した。この場合E/T比は100:1となるがエフ
ェクター細胞数を変えて比率を表5、6のように変え
た。上記の標的細胞−エフェクター細胞の反応系を48
時間37℃−5%CO2 の条件下で培養を行った後、 3
H−TdR 0.5μCi/wellを加えた。そして6時
間後に細胞のハーベストを行い液体シンチレーションカ
ウンターにより 3H− TdRの取り込みを測定した。
なおエフェクター細胞のみの 3H−TdRの取り込みは
標的細胞の取り込みの1%以下であったことから以下の
式により計算を行った。 表 5 腫瘍細胞増殖抑制作用(%) E/T比 100 :1 50:1 25:1 PEC 対 照 68.2 30.5 −3.8 化合物(3) 95.7 82.7 41.2 表 6 腫瘍細胞増殖抑制作用(%) E/T比 20:1 10:1 5:1 非付着細胞 対 照 9.7 1.4 −11.4 化合物(3) 12.6 0.2 −6.3 付着細胞 対 照 41.4 15.4 1.6 化合物(3) 77.0 54.9 23.5 表5に示したように化合物(3)の投与を行ったマウス
のPECは顕著な細胞増殖抑制作用を示した。そして表
6からも明らかなように、この細胞増殖抑制作用はプラ
スチックディッシュ付着細胞(主としてマクロファー
ジ)に起因することが示された。表5及び表6の結果よ
り化合物(3)はin vivo において顕著なマクロファー
ジ活性化作用を有することが明らかとなった。
【0011】実験例3合成例 化合物(1)の合成法およびその物理化学的性質は下記
の通りである(合成法中の化合物番号については前記反
応経路式を参照されたい)。なお、NMRのデーターは
主たるピークについて記載する。 (i) 化合物1の合成 化合物1は、アグリカルチュラル・アンド・バイオロジ
カル・ケミストリー(Agricultural and Biological Che
mistry), 54 巻,3号,663-667頁,1990 年に従って合成す
ることができる。 (ii)化合物3の合成 ウィテッヒ塩2(化合物2)15.0gにテトラヒドロ
フラン60mlを加え、アルゴン置換した。−10℃に
て、2規定n‐ブチルリチウム‐ヘキサン溶液を14.
4ml加え、30分攪拌した。アルデヒド1(化合物1)
5.74gをテトラヒドロフラン10mlに溶かして加え
た。さらにテトラヒドロフラン8mlを加えた。室温に戻
し、15時間攪拌した。濃縮し、食塩水を加えて酢酸エ
チルで2回抽出した。食塩水で洗浄し、濃縮した。シリ
カゲルカラム(ワコーゲルC−200,200g,ヘキ
サン:酢酸エチル=5:1)で精製し、アルコール3
(化合物3)を得た。収量5.06g。収率67.6
%。化合物3のデータ 1 H−NMR(500MHz、CDCl3 δ(ppm)
7.20−7.35(15H,m)、5.71(1H,
m)、5.44(1H,dd,J=10.7,9.5H
z)5.37(1H,m)、5.11(1H,m)、
4.30−4.70(6H,m)、4.42(1H,d
d,J=9.5,5.8Hz)、4.06(1H,m)、
3.55(1H,dd,J=5.8,3.0Hz)、3.
50(2H,d,J=6.1Hz)、2.99(1H,
m)、1.85−2.00(2H,m)、1.51(1
H,m)、1.10−1.40(12H,m)、0.8
5&0.84(each 3H,d,J=6.1Hz)。 (iii) 化合物4の合成 アルコール3の0.19gにピリジン1.9ml加えて、
塩化メタンスルホニル50.3μlを−5℃で加え、室
温で15時間攪拌した。濃縮して、トルエンで共沸し
た。ジエチルエーテルを加え食塩水で洗った。濃縮し
て、シリカゲルカラム(ワコーゲルC−200,10
g,ヘキサン:アセトン=6:1)で精製し、メシル体
4(化合物4)を得た。収量0.21g。収率97.4
%。化合物4のデータ 1 H−NMR(500MHz,CDCl3 δ(ppm)
7.25−7.40(15H,m)、5.79(1H,
m)、5.48(1H,t like,J=10.4H
z)、5.36(1H,m)、5.00−5.12(2
H,m)、4.75(1H,d,J=11.6Hz)、
4.35−4.55(6H,m)、3.76(1H,
m)、3.66(1H,dd,J=10.7,6.7H
z)、3.50(1H,dd,J=10.7,3.0H
z)、2.93(3H,s),1.51(1H,m)、
1.10−1.40(12H,m)、0.85&0.8
4(each3H,d,J=6.7Hz)。 FDMS 663(M+H)+ 。 (iv)化合物5の合成 パラジウムブラック0.58gに、メシル体4の5.8
4gを酢酸エチル50mlに溶かして加えた。水素置換
し、室温で15時間攪拌した。セライト濾過し、濃縮し
た(トリオール5(化合物5))。収量3.37g。収
率96.6%。化合物5のデータ 1 H−NMR(500MHz,CDCl3 δ(ppm)
5.04(1H,m)、4.04(2H,m)、3.6
1(2H,bs)、3.20(3H,s)、1.1−
1.4(23H,m)、0.87(6H,d,J=6.
7Hz)。 (v) 化合物6の合成 トリオール5の3.37gにジメチルホルムアミド6
7.4mlとアジ化ナトリウム4.91gを加えた。10
0℃で15時間攪拌した。濃縮し、食塩水を加え、酢酸
エチルで抽出した。食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲ
ルカラム(ワコーゲルC−200,110g,ヘキサ
ン:アセトン=3:1)で精製し、アジド体6(化合物
6)を得た。収量2.09g。収率71.6%。化合物6のデータ 1 H−NMR(500MHz,CDCl3 δ(ppm)
3.97(1H,dd,J=11.6,4.9Hz)、
3.90(1H,dt,J=11.6,4.3Hz)、
3.77(2H,m)、3.62(1H,m)、1.5
2(1H,m)、1.1−1.4(22H,m)、0.
86(6H,d,J=6.7Hz)。 (vi)化合物7の合成 アジド体6の211mgにピリジン1.1mlと塩化トリフ
ェニルメチル257mgを加えて、50℃で15時間攪拌
した。濃縮し、トルエンで共沸した。シリカゲルカラム
(ワコーゲルC−200,15g,ヘキサン:酢酸エチ
ル=5:1)で精製し、トリチル体7(化合物7)を
0.30g得た。収率84.0%。 (vii) 化合物8の合成 トリチル体7の0.30gにピリジン3.0mlを加え、
塩化ベンゾイル0.18mlと4‐ジメチルアミノピリジ
ン5.8mgを加えて攪拌した。15時間後、エタノール
を少量加えて攪拌し、濃縮した。トルエン共沸し、シリ
カゲルカラム(ワコーゲルC−200,15g,ヘキサ
ン:酢酸エチル=12:1)で精製し、ベンゾイル体8
(化合物8)を0.40g得た。収率定量的。 (viii)化合物9の合成 ベンゾイル体8の0.40gに塩化メチレン8mlとメタ
ノール4mlを加えた。p‐トルエンスルホン酸・1水塩
を48.5mg加え、室温で3日間攪拌した。濃縮し、酢
酸エチルと重曹水を加え、分液した。食塩水で洗浄し、
濃縮した。シリカゲルカラム(ワコーゲルC−200,
10g,ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、ア
ルコール9(化合物9)を0.22g得た。収率79.
7%。化合物9のデータ 1 H−NMR(500MHz,CDCl3 δ(ppm)
8.02(2H,d,J=7.3)、7.98(2H,
d,J=6.7Hz)、7.60(1H,t,J=7.3
Hz)、7.55(1H,t,J=7.6Hz)、7.46
(2H,t,J=7.6Hz)、7.41(2H,t,J
=7.9Hz)、5.51−5.56(2H,m)、3.
98(1H,m)、3.79(2H,m)、0.84
(6H,d,J=6.7Hz)。 (ix)化合物10の合成 パラジウムブラック5mgに、アルコール9の38mgをテ
トラヒドロフラン1mlに溶かして加えた。水素置換し、
室温で15時間攪拌した。セライト濾過し、濃縮した
(アミン10(化合物10))。そのまま、次の反応へ
用いた。 (x) 化合物11の合成 上記反応で得たアミン10に、α‐R‐アセトキシテト
ラコサン酸のp‐ニトロフェニルエステル41mgをテト
ラヒドロフラン2.0mlに溶かして加えた。室温で1日
攪拌後、濃縮し、シリカゲルカラム(ワコーゲルC−2
00,10g,ヘキサン:アセトン=3:1)で精製
し、セラミド11(化合物11)を25.5mg得た。ア
ルコール9からの収率39.6%。化合物11のデータ 1 H−NMR(500MHz,CDCl3 δ(ppm)
8.06&7.96(each 2H,d,J=7.3
Hz)、7.64(1H,t,J=7.3Hz)、7.54
(1H,t,J=7.6Hz)、7.50&7.39(e
ach 2H,t,J=7.9Hz)、7.05(1H,
d,J=9.2Hz)、5.45(1H,dd,J=9.
1,2.4Hz)、5.38(1H,dt,J=9.8,
3.1Hz)、5.20(1H,t,J=6.1Hz)、
4.36(1H,m)、3.55−3.70(2H,
m)、1.51(1H,m)、0.89(3H,t,J
=6.7Hz)、0.86(6H,d,J=6.7Hz)。 FDMS 935(M+H)+ 。 (xi)化合物12の合成 セラミド11の90mgにテトラヒドロフラン3.0ml、
塩化第一スズ42.9mg、過塩素酸銀46.9mg、モレ
キュラーシーブス4Aパウダー300mgを混ぜ、30分
攪拌した。−10℃に冷却し、ベンジルフッ化糖78.
4mgをテトラヒドロフラン1.2mlに溶解して加えた。
徐々に室温に戻し、15時間攪拌した。塩化第一スズ4
2.9mg、過塩素酸銀46.9mg、モレキュラーシーブ
ス4Aパウダー300mgを追加し、4時間後、ベンジル
フッ化ガラフトース70mgをテトラヒドロフラン0.9
mlに溶解して加えた。さらに20時間後、同量の塩化第
一スズと過塩素酸銀を加え、24時間攪拌した。セライ
ト濾過し、少量のアセトンで濾物を抽出した。水を加
え、酢酸エチルで3回抽出した。濃縮し、シリカゲルカ
ラム(ワコーゲルC−200,15g,ヘキサン:酢酸
エチル=6:1)で精製し、α−グリコシド12(化合
物12)を50.3mg得た。収率35.8%。原料11
の回収は36.8mg(回収率40.9%)。化合物12のデータ 1 H−NMR(500MHz,CDCl3 δ(ppm)
8.02&7.90(each 2H,d,J=7.9
Hz)、7.59&7.50(each 1H,t,J=
6.4Hz)、7.45(1H,t,J=7.6Hz)、
7.16−7.35(22H,m)、5.78(1H,
dd,J=9.8,2.6Hz)、5.39(1H,
m)、5.09(1H,dd,J=7.6,5.2H
z)、4.87,4.73,4.66,4.63,4.
55,4.48&4.40(each 1H,d,J=
11.3Hz)、4.732(1H,d,J=4.3H
z)、4.07(1H,t,J=7.2Hz)、3.98
(1H,dd,J=10.4,3.3Hz)、3.92
(1H,m)、3.87(1H,dd,J=11.9,
2.4Hz)、3.81(1H,dd,J=9.8,2.
4Hz)、3.59(1H,dd,J=12.1,2.3
Hz)、3.52(1H,dd,J=8.9,6.4H
z)、3.45(1H,dd,J=9.2,6.7H
z)、2.02(3H,s)、0.88(3H,t,J
=7.0Hz)、0.85(6H,d,J=6.7Hz)。 FDMS 1456(M+ )。 (xii) 化合物14(化合物(1))の合成 α‐グリコシド12の50.1mgに酢酸エチル3.0ml
とパラジウムブラック8.0mgを加え、水素置換し、室
温で15時間攪拌した。セライト濾過し、濃縮し、テト
ラオール13(化合物13)33.2mgを得た。収率8
8.1%。FDMS 1096(M+ )。 テトラオール13の33.0mgにメタノール3mlと1規
定のナトリウムメトキシドメタノール溶液0.3ml加
え、3時間放置した。レジン(DOWEX 50W X
8)を加えpH7とし、濾過した。クロロホルム−メタ
ノール(1:1)で濾物をよく抽出し、濃縮した。シリ
カゲルカラム(ワコーゲルC−200,5g,クロロホ
ルム:メタノール=5:1)で精製し、化合物14(化
合物(1))を13.2mg得た。収率51.8%。化合物14のデータ 1 H−NMR,13C−NMR,FDMSのデーターは天
然物より得られた化合物(1)のデーターと同一であっ
た。
【0012】
【発明の効果】本発明化合物は、優れた抗腫瘍活性およ
び免疫賦活活性を有するスフィンゴ糖脂質であり、抗腫
瘍剤および免疫賦活剤として期待できる。本発明化合物
がこのような生理活性を有することは、当業者にとって
思いがけなかったことと解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋 元 功 司 群馬県高崎市宮原町3番地 麒麟麦酒株 式会社 医薬開発研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 15/04 A61K 31/7028 A61P 35/00,37/04 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式(I)で示されるスフィンゴ糖脂質。 【化1】 ここで、Rはα−D−ガラクトピラノシルであり、R
    は下記の基(a)であり、Rは下記の基(b)また
    は(c)である。 (a) −(CH21−CH (b) −CH(OH)−(CH11−CH(CH (c) −CH(OH)−(CH11−CH(CH)−C
    −CH
  2. 【請求項2】請求項1に記載の化合物の1種または2種
    を有効成分として含有する抗腫瘍剤。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の化合物の1種または2種
    を有効成分として含有する免疫賦活剤。
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