JPH08283290A - 新規なnk374186類縁体又はその薬理学上許容される塩 - Google Patents

新規なnk374186類縁体又はその薬理学上許容される塩

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JPH08283290A
JPH08283290A JP8030149A JP3014996A JPH08283290A JP H08283290 A JPH08283290 A JP H08283290A JP 8030149 A JP8030149 A JP 8030149A JP 3014996 A JP3014996 A JP 3014996A JP H08283290 A JPH08283290 A JP H08283290A
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analog
hydroxyl group
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acceptable salt
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JP8030149A
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Tomio Morino
富夫 森野
Akira Masuda
亮 増田
Masaichi Nishimoto
允一 西元
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な抗腫瘍剤及び免疫調節剤の有効成分を提
供する。 【解決手段】NK374186類縁体、例えば下記式N
K374186A3 【化1】 NK374186D3及びNK374186E3はNK
374186生産菌を培養することにより採取して得る
ことができる。又、NK374186Bを原料としこれ
を化学的に誘導体化して他のNK374186類縁体を
得た。NK374186類縁体又はその薬理学上許容さ
れる塩は抗腫瘍剤及び免疫調節剤の有効成分として有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規生理活性物質N
K374186類化合物及びその製造法及びその用途に
関する。本発明の化合物は、細胞増殖抑制作用、リンパ
球幼若化調節作用を有し、抗腫瘍剤、免疫調節剤、等と
して使用される薬理活性物質として期待される。
【0002】
【従来の技術】従来、抗癌剤としては、アドリアマイシ
ン、ブレオマイシン、シスプラチン、等が、免疫調節剤
としては、サイクロスポリン、ミゾリビン等が知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の抗癌剤
は毒性が強く、満足すべきものでない。一方、既存の免
疫調節剤もその効果は満足すべきものではない。これら
の用途に適する新規化合物の発見が待たれている。
【0004】
【発明が解決するための手段】そこで、本発明者らは、
微生物の代謝産物について、種々検索した結果、日本特
許公開番号平成5年第194571号に記載された糸状
菌NK374186株(微工研菌寄第12285号、F
ERMP−12285;ブタペスト条約に従って寄託さ
れた微工研条寄第3870号)が、新規生理活性物質N
K374186A3、NK374186D3及びNK3
74186E3を産生する事を見いだした。一方、日本
特許公開番号平成5年第194571号に記載されたN
K374186Bを原料に化学変換する事により、請求
項1記載の一般式(1) で表される新規NK374186
類縁体及び、新規物質NK374186H、NK374
186I、NK374186P及びNK374186P
Pを製造しうる事を見いだした。そして、これらNK3
74186類縁体及びその薬理学上許容される塩が抗腫
瘍剤または免疫調節剤の有効成分として有用であること
を見出し、本発明を成し遂げた。
【0005】すなわち、本発明は一般式(1)
【化10】
【0006】〔式中m及びnは、いずれか一方が1であ
り、他方が0を示し、Rは炭素数13の飽和アルキル
基、P1 は水酸基またはリン酸基、>A1 は>CH−C
H(CH3 )−X1 または、>C=CH−CH3 を示
す;(X1 は、水酸基あるいは、無機酸基、または炭素
数1から7 の有機酸基をしめし、有機酸基中に、ハロゲ
ン原子を含んで良い。)>A2 は>CH−CH2 −X2
または>C=CH2 を示す;(X2 は水酸基あるいは無
機酸基、または炭素数1から7 の有機酸基を示し、有機
酸基はハロゲン原子を含んで良い。)但し、式中m=
0、n=1、P1 が水酸基、−A1 −が−CH〔CH
(CH3 )−OSO3 H〕−、−A2 −が−CH(CH
2 OCOCH3 )−の場合、m=0、n=1、P1 が水
酸基、−A1 −が−CH〔CH(CH3 )−OH〕−、
−A2 −が−CH(CH2 OCOCH3 )−の場合、m
=1、n=0、P1 が水酸基、−A1 −が−CH〔CH
(CH3 )−OH〕−、−A2 −が−CH(CH2 OC
OCH3 )−の場合、およびm=1、n=0、P1 が水
酸基、−A1 −が−CH〔CH(CH3 )−OH〕−、
−A2−が−CH(CH2 OH)−の場合を除く。]で表
される新規なNK374186類縁体又はその薬理学上
許容される塩に関する。
【0007】更に、本発明は新規なNK374186A
3、
【化11】
【0008】新規なNK374186D3
【化12】
【0009】、又はNK374186E3
【化13】 又はそれらの薬理学上許容される塩に関する。
【0010】更に、本発明はペニシリウム属に属し、生
理活性物質NK374186A3、NK374186D
3及びNK374186E3を生産する能力を有する微
生物を、培地に培養し、培養物中に生理活性物質NK3
74186A3、NK374186D3及びNK374
186E3を生成蓄積せしめ、これを採取する事を特徴
とする生理活性物質NK374186A3、NK374
186D3及びNK374186E3の製造法に関す
る。
【0011】更に、本発明は一般式(2)
【化14】 [式中Vは、炭素数7以下のアシル基を示す]で表され
る新規なNK374186類縁体又はその薬理学上許容
される塩に関する。
【0012】更に、本発明は新規なNK374186
H、
【化15】
【0013】新規なNK374186I、
【化16】
【0014】新規なNK374186P
【化17】
【0015】、又は新規なNK374186PP
【化18】 又はそれらの薬理学上許容される塩に関する。
【0016】更に、本発明は一般式(1)で示される新
規なNK374186類縁体又はその薬理学上許容され
る塩を、有効成分とする抗腫瘍剤または免疫調節剤、特
にNK374186A3、NK374186D3、NK
374186E3、NK374186H、NK3741
86I、NK374186P及びNK374186PP
又はそれらの薬理学上許容される塩を、有効成分とする
抗腫瘍剤及び免疫調節剤に関するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において、NK37418
6類縁体は薬理学上許容される塩であっても良く、かか
る塩としては、ナトリウム、カリウム、カルシウムある
いはアンモニウムなどの塩が挙げられる。本発明で、無
機酸基とは無機酸の酸基から1または1以上の水素を除
いた基を示し、例えば硫酸基、リン酸基、ピロリン酸
基、があげられ、本願では硫酸基、リン酸基が好まし
い。
【0018】有機酸基とは有機酸の酸基から1または1
以上の水素を除いた基を示し例えば炭素数1〜7のアシ
ル基が挙げられ、それらは置換基を有していてもよく、
例えばアセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、イ
ソペンタノイル基などの直鎖状または分枝状の置換また
は無置換アルキルカルボニル基や、ベンゾイル基、p−
メトキシベンゾイル基などの置換または無置換アリール
カルボニル基などが挙げられるが、特に実用としては、
アセチル基、プロピオニル基が好ましい。ハロゲン置換
基の場合、特にフッ素原子、クロル原子が好ましい。
【0019】本発明によりNK374186A3、NK
374186D3及びNK374186E3を製造する
には、まず前記菌株NK374186株をカビが利用し
うる栄養物を含有する培地で好気的に培養する。栄養源
としては、従来からカビの培養に利用されている公知の
ものが使用でき、たとえば、炭素源としてはグルコー
ス、フラクトース、グリセリン、シュークロース、デキ
ストリン、ガラクトース、有機酸などを単独かまたは組
み合わせて用いる事ができる。無機物および有機窒素源
としては塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、尿素、
硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、ペプトン、肉エキ
ス、酵母エキス、乾燥酵母、コーン・スチープ・リカ
ー、大豆粉、綿実油カス、カザミノ酸、バクトソイト
ン、ソイブルベジタブルプロテイン、オートミール等を
単独または組み合わせで用いる事ができる。その他必要
に応じて食塩、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫
酸銅、硫酸鉄、硫酸亜鉛、塩化マンガン、燐酸塩などの
無機塩類を加えることが出来るほか有機物、例えばアミ
ノ酸類、ビタミン類、核酸類や無機物を適当に添加する
事ができる。
【0020】培養法としては、液体培養法、特に深部撹
拌培養法が最も適している。培養温度は、15℃〜35
℃、pHは中性ないし微酸性で行うことが望ましい。液
体培養では、通常3〜5日間培養を行うNK37418
6A3、D3及びE3が培養液中に生成蓄積される。培
養菌体中の生成量が最大に達した時に培養を停止し、菌
体と培養液をろ別し、目的物を精製単離する。菌体から
本物質を単離精製するには、一般に微生物代謝産物をそ
の培養液から単離するために、用いられる分離精製法が
利用される。すなわち、培養液は通常のろ過法で菌体部
より分離する。菌体部をメタノールで抽出後、得られた
抽出液に当量の水を加え、次いでDiaionHP−2
0吸着樹脂に吸着させる。洗浄後60%アセトンで溶出
し、画分1を得、次いで80%アセトンで溶出し画分2
を得る。画分1を後記実施例のようにして、Diaio
nHP−20SS、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに順次かけ活性画分を集め、減圧濃縮すると無色のN
K374186A3及びNK374186D3を得るこ
とができる。一方、画分2を後記実施例のようにして、
シリカゲルカラムクロマトグラフィー、Sephade
xLH−20カラムクロマトグラフィーに順次かけ活性
画分を集め、減圧濃縮すると無色のNK374186E
3を得る事ができる。
【0021】また本発明により、請求項4記載の一般式
(2)〔式中Vは炭素数7以下のアシル基を示す。〕で
表される新規なNK374186類縁体及びNK374
186Hを製造するには、たとえば公知(日本特許公開
番号平成5年第194571号に記載)であるNK37
4186Bより、反応式(1)に示すように合成するこ
とができる。
【0022】
【化19】
【0023】すなわち、NK374186Bをアシル化
することにより、一般式(2)で表される化合物が得ら
れる。一般式(2)において、Vに示す置換基を有して
もよい炭素数7以下のアシル基としては、例えばアセチ
ル基、プロピオニル基、ブタノイル基、イソペンタノイ
ル基などの直鎖状または分枝状の置換または無置換アル
キルカルボニル基や、ベンゾイル基、p−メトキシベン
ゾイル基などの置換または無置換アリールカルボニル基
などが挙げられるが、特に実用としては、アセチル基、
プロピオニル基が好ましい。NK374186BからV
がアシル基である一般式(2)で表される化合物を製造
する際のアシル化は、例えばアシル化剤で処理するかま
たはアシル化剤と塩基を組み合わせて処理することによ
り達成できる。アシル化剤としては、例えば塩化アセチ
ル、塩化ベンゾイルなどの酸ハロゲン化物、無水酢酸、
無水安息香酸などの酸無水物、酢酸、安息香酸などのカ
ルボン酸とジシクロヘキシルカルボジイミドなどの脱水
縮合剤の組み合わせなどが挙げられる。塩基としては、
例えばピリジン、トリエチルアミン、イミダゾール、テ
トラゾール、N−メチルモルホリン、4−ジメチルアミ
ノピリジンなどの有機塩基及び炭酸水素ナトリウム、炭
酸カリウム、水酸化ナトリウムなどの無機塩基などが挙
げられる。アシル化剤の使用量は1当量から10当量程
度、塩基の使用量は0当量から大過剰(溶媒量)程度が
良い。
【0024】一般式(2)で示される化合物の具体例を
示す。 NK374186H
【化20】
【0025】NK374186J
【化21】
【0026】NK374186K
【化22】
【0027】また、本発明により新規なNK37418
6Iを製造するには、例えば公知(日本公開特許番号平
成5年第194571号に記載)であるNK37418
6Bより反応式(2)に示すように合成することができ
る。
【化23】 [式中Uは、脱離基を示す]
【0028】反応式(2)において、Uに示す脱離基と
しては、例えば、メタンスルホニルオキシ基、トルエン
スルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオ
キシ基などのスルホニルオキシ基、クロロ、ブロモなど
のハロゲノ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、
ベンゾイルオキシ基などのアシルオキシ基などが挙げら
れるが、とくに実用としては、メタンスルホニルオキシ
基、トルエンスルホニルオキシ基が好ましい。
【0029】すなわち、NK374186Bを、例えば
塩基存在下酸塩化物または酸無水物と反応させることに
より、反応式(2)中の一般式(b)〔式中Uは、脱離
基を示す。〕で表される化合物が得られる。また、NK
374186Bを、例えば酸と脱水縮合剤で処理するこ
とによっても、一般式(b)で表される化合物が得られ
る。一般式(b)で表される化合物を例えば塩基処理に
よって脱離反応を行うことにより、NK374186I
を得ることができる。NK374186Bから一般式
(b)で表される化合物を製造する際の塩基とは、例え
ばピリジン、トリエチルアミン、イミダゾール、テトラ
ゾール、N−メチルモルホリン、4−ジメチルアミノピ
リジンなどの有機塩基、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、水酸化ナトリウムなどの無機塩基などが挙げら
れる。酸塩化物とは、例えば塩化メタンスルホニル、塩
化トルエンスルホニル、塩化トリフルオロメタンスルホ
ニルなどの塩化スルホニル類、塩化アセチル、塩化プロ
ピオニル、塩化ベンゾイルなどの塩化アシル類、オキシ
塩化リン、塩化チオニル、臭化チオニルなどのハロゲン
化リン、ハロゲン化硫黄などが挙げられる。
【0030】酸無水物とは、例えば無水酢酸、無水安息
香酸、無水トリフロロメタンスルホン酸などが挙げられ
る。また脱水縮合反応における酸としては、酢酸、安息
香酸などのカルボン酸、メタンスルホン酸、トルエンス
ルホン酸などのスルホン酸、塩酸、臭化水素酸などの鉱
酸などが挙げられる。脱水縮合剤とは、例えば、ジシク
ロヘキシルカルボジイミド、ジエチルアゾジカルボン
酸、カルボニルジイミダゾールなどが挙げられる。酸塩
化物もしくは酸無水物の使用量は、1当量から10当量
程度、塩基の使用量は0当量から大過剰(溶媒量)程度
が良い。また、脱水縮合反応における酸の使用量は、1
当量から10当量程度、脱水縮合剤の使用量は、1当量
から10当量程度が良い。
【0031】反応式(2)中の一般式(b)〔式中U
は、脱離基を示す。〕からNK374186Iを製造す
る際の脱離反応とは、例えば塩化メチレン、テトラヒド
ロフラン、メタノール、水などの溶媒中、例えば水酸化
リチウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機
塩基、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシ
ド、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.
4.0]ウンデセン、4−ジメチルアミノピリジンなど
の有機塩基、ブチルリチウム、塩化t−ブチルマグネシ
ウムなどの有機金属と処理することにより達成される。
【0032】反応式(2)中の一般式(b)で示される
化合物の具体例の構造式を示す。化合物(b1)
【化24】
【0033】化合物(b2)
【化25】
【0034】化合物(b3)
【化26】
【0035】また、本発明により、NK374186P
及びNK374186PPを製造するには、例えば公知
(日本特許公開番号平成5年第194571号に記載)
であるNK374186Bより、反応式(3)に示すよ
うに合成することができる。
【0036】
【化27】
【0037】[式中Yは、リン酸基を、Zは、水素原
子、またはリン酸基を示す。また、Qは、保護基によっ
て保護されたリン酸基を、Wは、水素原子、または保護
基によって保護されたリン酸基を示す]
【0038】反応式(3)において、QおよびWにおけ
るリン酸基の保護基としては、例えば、置換または無置
換アルキル基、置換または無置換アリール基などが挙げ
られる。アルキル基としては、メチル、2−シアノエチ
ル、ベンジル、o−キシリルなどが挙げられる。アリー
ル基としては、フェニル、p−メトキシフェニルなどが
あげられる。すなわち、NK374186Bを、例えば
塩基存在下リン酸化剤と反応させ、リン酸化することに
より、反応式(3)中の一般式(c)〔式中Qは保護基
によって保護されたリン酸基を、Wは水素原子、または
保護基によって保護されたリン酸基を示す。〕で表され
る化合物が得られる。また、NK374186Bを、例
えば塩基存在下亜リン酸化剤と反応させた後、酸化剤と
処理することによっても、一般式(c)で表される化合
物が得られる。一般式(c)で表される化合物を例えば
接触還元すると、反応式(3)中の一般式(3)で表さ
れる化合物を得ることができる。
【0039】NK374186Bから反応式(3)中の
一般式(c)で表される化合物を製造する際のリン酸化
における塩基とは、例えばピリジン、トリエチルアミ
ン、イミダゾール、テトラゾール、N−メチルモルホリ
ン、4−ジメチルアミノピリジンなどの有機塩基、ブチ
ルリチウム、塩化t−ブチルマグネシウムなどの有機金
属などが挙げられる。リン酸化剤とは、例えばジベンジ
ルホスホロクロリデート、ジフェニルホスホロクロリデ
ートなどが擧げられる。亜リン酸化剤とは、例えばジベ
ンジルジエチルホスホロアミダイト、N,N−ジエチル
−1,5−ジヒドロ−2,4,3−ベンゾジオキサホス
フェピン−3−アミンなどが挙げられる。また、酸化剤
とは、例えば3−クロロ過安息香酸、ヨウ素などが挙げ
られる。リン酸化剤もしくは亜リン酸化剤の使用量は、
1当量から10当量程度、塩基の使用量は0当量から大
過剰(溶媒量)程度が良い。反応式(3)中の一般式
(c)から反応式(3)中の一般式(3)〔式中Yは、
リン酸基を、Zは水素原子またはリン酸基を示す。〕で
表される化合物を製造する際の接触還元は、たとえばエ
タノール、酢酸などの溶媒中、10%パラジウム−炭
素、20%水酸化パラジウム−炭素などの接触還元触媒
存在下に、水素雰囲気中または水素ガスを吹き込みなが
ら撹拌すると一般式(3)で表される化合物が得られ
る。
【0040】反応式(3)中の一般式(c)で示される
化合物の具体例の構造式を示す。 化合物(c1)
【化28】
【0041】化合物(c2)
【化29】
【0042】化合物(c3)
【化30】
【0043】反応式(3)中の一般式(3)で示される
化合物の具体例としては前記構造式記載のNK3741
86P、NK374186PPが挙げられる。本発明の
請求項1記載の一般式(1)で表される新規なNK37
4186類縁体、具体的にはNK374186A3、N
K374186D3、NK374186E3、NK37
4186H NK374186I NK374186P
及びNK374186PP(以下NK374186と言
う。)は、後記の如く、制癌剤、免疫調節剤等の医薬品
として期待されるもので有る。
【0044】医薬品として使用する場合の製剤化及び投
与方法は従来の種々の方法が適用できる。すなわち、投
与方法としては、注射、経口、直腸投与などが可能であ
る。製剤形態としては注射剤、粉末剤、錠剤、座剤など
の形態がとり得る。製剤化の際にNK374186に悪
影響を与えない限り、医薬用に用いられる種々の補助
剤、すなわち、担体やその他の助剤、例えば安定剤、防
腐剤、無痛化剤、乳化剤等が必要に応じて使用されう
る。製剤化において、NK374186の含量は製剤形
態等により広範囲に変える事が可能であり、一般には、
NK374186を0.01〜100%(重量)、好ま
しくは0.1〜70%(重量)含有し、残りは通常医薬
用に使用される担体その他の補助剤からなる。NK37
4186の投与量は症状等により異なるが、成人1人1
日当たり0.01〜800mg程度である。連投を必要
とする場合には1日当たり使用量をおさえることが好ま
しい。
【0045】
【作用】
1.癌細胞増殖抑制活性 10%牛胎児血清を添加したRPMI1640培地を用
いて、培養を37℃、5%CO2下で培養した。各細胞
を96穴プレートに播種し1日間培養した後、薬剤を添
加した。薬剤処理は3日間行い、増殖抑制はMTT法に
より評価した。以下にヒト卵巣癌由来の細胞A2780
株に対する癌細胞増殖抑制活性を示す。
【0046】
【表1】 表1 NK374186の癌細胞増殖抑制活性 ──────────────────────────────── 化合物 IC50(μg/ml) ──────────────────────────────── A3 26 D3 20 E3 3.7 H 12 I 9.7 P 33 PP >50 ──────────────────────────────── この表1から、明らかな様に、本発明のNK37418
6A3、D3、E3、H、I及びPは、癌細胞増殖抑制
活性を有する。
【0047】2.リンパ球幼若化反応における免疫調節
活性 培養には10%牛胎児血清、25mMHEPESバッフ
ァー、100μg/mlのストレプトマイシン及び10
0単位/mLのペニシリンGを添加したRPMI164
0培地を用いた。培養は96穴の平底マイクロプート
(コースター)で行った。マイトジェンは、2ng/m
lのOKT−3抗体を用いた。ヒト抹消血T細胞は、ヘ
パリン採血後、密度勾配遠心法により集めた。各穴に2
00000個の細胞と、それぞれの希釈濃度の被検化合
物を加え総量0.2mlとし、これを72時間培養し
た。培養終了の8時間前に37KBqのトリチウム─チ
ミジンを添加し、その細胞内への取込みを測定した。効
果の判定は、それぞれの被検化合物添加群の対照に対す
るトリチウム─チミジンの取込みの比率によった(日本
免疫学会編、免疫実験操作法、第2267〜2276
頁)。結果を表2に示した。
【0048】
【表2】 表2 OKT−3によるヒトリンパ球幼若化反応におけるNK374186の 作用 ──────────────────────────────────── 濃度 A3 D3 E3 H I P PP ──────────────────────────────────── 0.03 103.1 112.9 99.4 105.1 108.7 99.6 99.2 0.1 97.6 99.1 106.1 100.9 93.3 100.6 99.9 0.3 103.5 98.7 78.8 104.2 87.5 102.6 98.3 1.0 121.0 111.0 78.8 91.6 69.8 119.7 109.7 3.0 129.1 119.9 7.9 67.0 27.1 131.4 109.3 10.0 88.1 82.5 0.2 0.2 0.2 97.7 87.5 30.0 60.6 67.4 0.2 0.2 0.1 69.3 81.3 ────────────────────────────────────
【0049】この表2から、明らかなように、本発明の
NK374186はOKT−3によるリンパ球の幼若化
反応を低濃度で促進し、また高濃度で抑制した。 3.NK374186の移植片対宿主反応(GVH)に
おける免疫調節反応 Fordら(W.L.Ford et al.,Handbo
ok of ExperimentalImmunology 30 [D.M.Weir, ed.] ;
Blackwell Scientific Publications. 1978,p.1 ) の脾
臓重量法に従った。供与者として、C57BL/6マウ
ス(8週令, 雄性) から分離した脾細胞5 X106個を雑種
第1代受容者であるBDFマウス(7週令、雄性) の腹
腔内に移入した。同時にNK374186、対照薬剤
(いずれも0.25%アラビヤゴムに溶解)、または、
溶媒コントロール(0.25%アラビヤゴム)を背部皮
下に注射した。更に、翌日、翌々日に、同様の投与を行
い、移入後7日目に脾臓重量を測定した。この結果を表
3に示した。
【0050】
【表3】 表3 NK374186の移植片対宿主反応に対する効果 ──────────────────────────────────── 投与量 脾臓の重さ/体重 インデックス サンプル 〔mg/kg] [X10 -3] ──────────────────────────────────── 無処置 4.83 1.00 処置 8.26 1.71 0.25%アラビヤゴム 7.00 1.45 NK374186A3 0.5 9.35 1.94 NK374186A3 5.0 11.35 2.34 NK374186A3 50.0 12.01 2.49 NK374186P 0.5 10.01 2.07 NK374186P 5.0 11.45 2.37 NK374186P 50.0 12.00 2.48 ──────────────────────────────────── これより明らかなように、NK374186A3及びN
K3734186P群において、脾臓の重さ/体重の値
は、用量依存的に上昇し、有意にGVH反応を増強し
た。
【0051】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明
のNK374186は新規制癌剤として、新規免疫調節
剤として期待できる。以下本発明の実施例を示すが、こ
れは単なる1例であって何等本発明を限定するものでは
なく、種々の変法が可能である。
【0052】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明化合物の製造に
ついて具体的に説明する。 実施例1 培養によりNK374186A3、D3及びE3を製造
する。 (1) 醗酵 下記の組成を有する種培養培地を500ml容の三角フ
ラスコに100mlを分注、120度、20分間オート
クレーブ滅菌した。これにNK374186株(微工研
菌寄12285号)の一白金耳を接種し、27℃、20
0回転/分の条件で2日間培養しこれを一次の種母とし
た。 種培養組成 (%) ブドウ糖 2.0 ショ糖 1.0 乳糖 1.0 グリセリン 0.2 大豆粉 2.0 ポリペプトン 0.5 硝酸ナトリウム 0.2 硫酸マグネシウム 0.1 シリコン 0.05 東邦No1 0.03 水道水
【0053】二次の種母培養は、30リットルジャーフ
ァーメンターに、一次と同じ組成を有する培地20リッ
トルを仕込み滅菌した後、前記の方法で得られた一次の
種母200mlを無菌的に移植し、25℃で毎分20リ
ットルの空気を通気し、毎分250回転で攪拌しなが
ら、3日間培養を行い、二次の種母とした。本培養は2
00リットルタンクに種培養培地のグリセリン濃度を
1.0%に変えた組成を有する生産培地150リットル
を仕込み滅菌した後、前記の方法で得られた二次の種母
2リットルを無菌的に移植し25℃で毎分150リット
ルの空気を通気し、毎分250回転で攪拌しながら4日
間培養を行った。200リットルタンク4基より得られ
た培養液から、フィルタープレスを使用してろ過を行
い、ろ液と菌体を分離した。
【0054】(2) 精製 得られた菌体にメタノール200リットルを加え、攪拌
抽出を3時間行った後吸引ろ過で菌体と抽出液を分離し
た。得られた抽出液に当量の水を加えた。この液を20
リットルのHP−20カラムに通し、50%メタノール
で洗浄後、60%アセトン20リットルで溶出し、画分
1を得、次いで80%アセトン30リットルで溶出し画
分2を得た。画分1を濃縮乾固した後、0.2リットル
の水に溶かし、2リットルのHP−20ssカラムの通
し、50%から70%の濃度勾配をもったアセトンで溶
出し、溶出の順に画分1Aと画分1Bを得た。画分1A
及び画分1Bを各々、クロロホルム:メタノール=1:
1で平衡化したLH−20カラムにかけ、画分1Aから
NK374186A3を800mg、画分1BからNK
374186D3を130mg得た。一方、画分2を濃
縮乾固した後、5リットルのシリカゲルカラムにかけ、
クロロホルム5リットルで洗浄した。ついで、クロロホ
ルム:メタノール=50:1で展開し、画分2Aをえ
た。画分2Aをヘキサン:アセトン=3:1で展開する
シルカゲルカラム、LH−20カラムに順次かける事に
より、NK374186E3を500mg得た。各成分
の理化学的性質は以下の様に得られた。
【0055】NK374186A3: MW=735(FAB−Negative Spect
rum) 紫外部吸収スペクトルは図1に示した。重ジメチルスル
ホキシド中で測定した水素核磁気共鳴スペクトルは図2
に示した。重ジメチルスルホキシド中で測定した炭素核
磁気共鳴スペクトルは図3に示した。 NK374186D3: MW=675(FAB−Negative Spect
rum) 紫外部吸収スペクトルは図4に示した。重ジメチルスル
ホキシド中で測定した水素核磁気共鳴スペクトルは図5
に示した。重ジメチルスルホキシド中で測定した炭素核
磁気共鳴スペクトルは図6に示した。 NK374186E3: MW=595(FAB−Negative Spect
rum) 紫外部吸収スペクトルは図7に示した。重ジメチルスル
ホキシド中で測定した水素核磁気共鳴スペクトルは図8
に示した。重ジメチルスルホキシド中で測定した炭素核
磁気共鳴スペクトルは図9に示した。
【0056】実施例2 NK374186Hの製造 NK374186B(42.6mg,0.065mmo
l)をピリジン(6.5mL)に溶解し、無水酢酸(3
0.7μL,0.325mmol)を加えて室温にて一
昼夜攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル5
g,2%メタノール−クロロホルムにて溶出)により精
製し、NK374186H(36.0mg,79%)を
得た。 [NK374186H〕1 H−NMR(200MHz,DMSO−d6 )δ:
8.31(1H,d),8.18(1H,d),7.9
5(1H,d),5.42(1H,d),5.22(1
H,m),4.90(1H,m),4.67(1H,
m),4.54(2H,m),3.98(2H,m),
3.62(1H,m),2.22(1H,m),2.0
7(1H,m),2.00(3H,s),1.95(3
H,s),1.71(1H,m),1.50(2H,
m),1.23(22H,m),1.12(6H,
m),0.89(9H,m),0.76(3H,d);
FAB−MS m/z:698[(M+H)+ ].
【0057】実施例3 化合物(b1)の製造 NK374186B(52.7mg,0.080mmo
l)および 4- ジメチルアミノピリジン(10.1m
g,0.083mmol)を塩化メチレン(0.7m
L)に溶解し、アルゴン雰囲気下−40℃にてトリエチ
ルアミン(15.0μL,0.108mmol)および
塩化メタンスルホニル(7.4μL,0.096mmo
l)を加えた。氷冷下 1.5時間攪拌した後、さらに
−40℃にてトリエチルアミン(15.0μL,0.1
08mmol)および塩化メタンスルホニル(7.4μ
L,0.096mmol)を加え、5℃にて一晩攪拌し
た。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、塩
化メチレンにて抽出した。得られた有機層を飽和食塩水
にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を
減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(シリカゲル8g,0〜2%メタノール−クロロ
ホルムにて溶出)により精製し、化合物(b1)(4
5.6mg,78%)を得た。 [化合物(b1)] FAB−MS m/z:734[(M+H)+ ].
【0058】実施例4 NK374186Iの製造 化合物(b1)(45.0mg,0.061mmol)
をテトラヒドロフラン(0.7mL)に溶解し、室温に
て1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン
(10.1μL,0.067mmol)を加えて攪拌し
た。1.5時間後、さらに1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデセン(5.1μL,0.034m
mol)を加え、4時間攪拌した。反応液に酢酸エチル
を加え、1N塩酸水溶液、水、さらに飽和食塩水で順次
洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減
圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(シリカゲル3g,25〜35% 酢酸エチ
ル−ヘキサンにて溶出)により精製し、NK37418
6I(21.4mg,61%)を得た。 [NK374186I]1 H−NMR(200MHz,CDCl3 )δ:8.1
5(1H,brs),7.77(1H,brs),6.
97(1H,q),6.63(1H,s),6.35
(1H,m),5.98(1H,s),4.91(1
H,brs),4.28(1H,m),3.83(1
H,m),3.42(1H,dd),2.28(2H,
m),1.87(1H,m),1.80(3H,d),
1.40(2H,m),1.24(22H,m),0.
96(6H,m),0.87(6H,m); FAB−MS m/z:578[(M+H)+ ].
【0059】実施例5 化合物(c1)の製造 NK374186B(61.2mg,0.093mmo
l)および1H−テトラゾール(32.6mg,0.4
65mmol)を塩化メチレン(2mL)に溶解し、ア
ルゴン雰囲気下N,N−ジメチル−1,5−ジヒドロ−
2,4,3−ベンゾジオキサホスフェピン−3−アミン
(24.1μL,0.112mmol)を加え、室温に
て攪拌した。30分後、さらにN,N−ジメチル−1,
5−ジヒドロ−2,4,3−ベンゾジオキサホスフェピ
ン−3−アミン(12.0μL,0.056mmol)
を加え、20分間攪拌した。水 (50μL)を加えて
10分間攪拌した後、−40℃に冷却し、3−クロロ過
安息香酸(140mg,0.811mmol)を加え、
室温に戻してからさらに10分間攪拌した。反応液に1
0%亜硫酸ナトリウム水溶液(10mL)を加えて攪拌
した後、酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層を飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、さらに飽和食塩水にて洗
浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧下留
去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル15g,1%メタノール−クロロホルムに
て溶出)により精製し、化合物(c1)(39.4m
g,51%)を得た。 [化合物(c1)] FAB−MS m/z:838[(M+H)+ ],86
0[(M+Na)+ ].
【0060】実施例6 NK374186Pの製造 化合物(c1)(29.1mg,0.035mmol)
を80%エタノール水(5mL)に溶解し、10%パラ
ジウム炭素(含水50%,10mg)を加え、水素ガス
を通じながら40分間攪拌した。反応液をセライトにて
濾過し、パラジウム炭素を除去した。得られた濾液に濃
アンモニア水(0.1mL)を加え、減圧下濃縮した。
水(1mL)に溶解して凍結乾燥を行い、NK3741
86Pをアンモニウム塩(25.9mg,96%)とし
て得た. [NK374186P]1 H−NMR(200MHz,DMSO−d6 )δ:
8.18(1H,d),7.94(1H,d),7.8
8(1H,d),4.90(2H,m),4.60(2
H,m),4.35(2H,m),3.99(2H,
m),3.59(1H,m),2.12(2H,m),
2.00(3H,s),1.60(3H,m),1.2
4(22H,m),1.12(6H,m),0.87
(9H,m),0.72(1H,d); FAB−MS m/z:758[(M+Na)+ ],7
80[(M+2Na)+].
【0061】実施例7 化合物(c3)の製造 NK374186B(65.5mg,0.100mmo
l)および1H−テトラゾール(50.0mg,0.7
14mmol)を塩化メチレン(2mL)に溶解し、ア
ルゴン雰囲気下N,N−ジメチル−1,5−ジヒドロ−
2,4,3−ベンゾジオキサホスフェピン−3−アミン
(0.104mL,0.482mmol)を加え、室温
にて15分間攪拌した。水(0.05mL)を加えて1
5分間攪拌した後、−40℃に冷却し、3−クロロ過安
息香酸(148mg,0.858mmol)を加え、室
温に戻してからさらに15分間攪拌した。反応液に10
%亜硫酸ナトリウム水溶液(10mL)を加えて攪拌し
た後、酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層を飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液、さらに飽和食塩水にて洗浄
し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧下留去
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シ
リカゲル15g,2%メタノール−クロロホルムにて溶
出)により精製し、化合物(c3)(93.8mg,9
3%)を得た。 [化合物(c3)] FAB−MS m/z:1020[(M+H)+ ],1
042[(M+Na)+].
【0062】実施例8 NK374186PPの製造 化合物(c3)(80.0mg,0.079mmol)
を75%エタノール水(20mL)に溶解し、10%パ
ラジウム炭素(含水50%,40mg)を加え、水素ガ
スを通じながら1時間攪拌した。反応液をセライトにて
濾過し、パラジウム炭素を除去した。得られた濾液に濃
アンモニア水(0.6mL)を加え、減圧下濃縮した。
水(1mL)に溶解して凍結乾燥を行い、NK3741
86PPをアンモニウム塩(65.1mg,93%)と
して得た。 [NK374186PP〕1 H−NMR(200MHz,DMSO−d6 )δ:
9.64(1H,d),8.65(1H,d),7.8
2(1H,d),4.70−4.00(8H,m),
2.23(3H,m),1.93(3H,s),1.8
0(1H,m),1.50(2H,m),1.32(6
H,m),1.24(22H,m),1.01(3H,
t),0.83(9H,m); FAB−MS m/z:838[(M+Na)+ ],8
60[(M+2Na)+],882[(M+3N
a)+ ].
【図面の簡単な説明】
【図1】NK374186A3の紫外部吸収スペクト
ル。
【図2】NK374186A3の重ジメチルスルホキシ
ド中で測定した水素核磁気共鳴スペクトル。
【図3】NK374186A3の重ジメチルスルホキシ
ド中で測定した炭素核磁気共鳴スペクトル。
【図4】NK374186D3の紫外部吸収スペクト
ル。
【図5】NK374186D3の重ジメチルスルホキシ
ド中で測定した水素核磁気共鳴スペクトル。
【図6】NK374186D3の重ジメチルスルホキシ
ド中で測定した炭素核磁気共鳴スペクトル。
【図7】NK374186E3の紫外部吸収スペクト
ル。
【図8】NK374186E3の重ジメチルスルホキシ
ド中で測定した水素核磁気共鳴スペクトル。
【図9】NK374186E3の重ジメチルスルホキシ
ド中で測定した炭素核磁気共鳴スペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12P 21/04 C12R 1:80)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 〔式中m及びnは、いずれか一方が1であり、他方が0
    を示し、Rは炭素数13の飽和アルキル基、P1 は水酸
    基またはリン酸基、>A1 は>CH−CH(CH3 )−
    1 または、>C=CH−CH3 を示す;(X1 は、水
    酸基あるいは、無機酸基、または炭素数1から7 の有機
    酸基をしめし、有機酸基中に、ハロゲン原子を含んで良
    い。)>A2 は>CH−CH2 −X2 または>C=CH
    2 を示す;(X2 は水酸基あるいは無機酸基、または炭
    素数1から7 の有機酸基を示し、有機酸基はハロゲン原
    子を含んで良い。)但し、式中m=0、n=1、P1
    水酸基、−A1 −が−CH〔CH(CH3 )−OSO3
    H〕−、−A2 −が−CH(CH2 OCOCH3 )−の
    場合、m=0、n=1、P1 が水酸基、−A1 −が−C
    H〔CH(CH3 )−OH〕−、−A2 −が−CH(C
    2 OCOCH3 )−の場合、m=1、n=0、P1
    水酸基、−A1 −が−CH〔CH(CH3 )−OH〕
    −、−A2 −が−CH(CH2 OCOCH3 )−の場
    合、およびm=1、n=0、P1 が水酸基、−A1 −が
    −CH〔CH(CH3 )−OH〕−、−A2−が−CH
    (CH2 OH)−の場合を除く。]で表される新規なN
    K374186類縁体又はその薬理学上許容される塩。
  2. 【請求項2】請求項1記載のNK374186類縁体で
    ある新規なNK374186A3、 【化2】 新規なNK374186D3 【化3】 、又は新規なNK374186E3 【化4】 又はそれらの薬理学上許容される塩。
  3. 【請求項3】ペニシリウム属に属し、生理活性物質NK
    374186A3、NK374186D3及びNK37
    4186E3を生産する能力を有する微生物を、培地に
    培養し、培養物中に生理活性物質NK374186A
    3、NK374186D3及びNK374186E3を
    生成蓄積せしめ、これを採取する事を特徴とする請求項
    2記載の生理活性物質NK374186A3、NK37
    4186D3及びNK374186E3の製造法。
  4. 【請求項4】 一般式(2) 【化5】 [式中Vは、炭素数7以下のアシル基を示す]で表され
    る新規なNK374186類縁体又はその薬理学上許容
    される塩。
  5. 【請求項5】請求項1記載のNK374186類縁体で
    ある新規なNK374186H、 【化6】 新規なNK374186I、 【化7】 新規なNK374186P 【化8】 、又は、新規なNK374186PP 【化9】 又はそれらの薬理学上許容される塩。
  6. 【請求項6】請求項1記載の新規なNK374186類
    縁体又はその薬理学上許容される塩を有効成分とし、さ
    らに医薬用に用いられる補助剤を含む抗腫瘍剤または免
    疫調節剤。
  7. 【請求項7】請求項2及び請求項5記載のNK3741
    86A3、NK374186D3、NK374186E
    3、NK374186H、NK374186I、NK3
    74186P及びNK374186PP又はそれらの薬
    理学上許容される塩を有効成分とし、さらに医薬用に用
    いられる補助剤を含む抗腫瘍剤及び免疫調節剤。
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WO2009022182A1 (en) * 2007-08-13 2009-02-19 Karus Therapeutics Limited Depsipeptide derivatives and their therapeutic use
CN114605430A (zh) * 2022-03-18 2022-06-10 中国科学院海洋研究所 一种大环双内酯类化合物及其制备方法和应用

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