JP2002030093A - グリコシルセラミドの精製方法 - Google Patents

グリコシルセラミドの精製方法

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JP2002030093A
JP2002030093A JP2001067611A JP2001067611A JP2002030093A JP 2002030093 A JP2002030093 A JP 2002030093A JP 2001067611 A JP2001067611 A JP 2001067611A JP 2001067611 A JP2001067611 A JP 2001067611A JP 2002030093 A JP2002030093 A JP 2002030093A
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purifying
acetone
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JP2001067611A
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Minoru Kajima
稔 鹿島
Takashi Matsusue
隆志 松末
Hitoshi Nakada
仁史 中田
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Food Marketing Res & Informati
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Abstract

(57)【要約】 【課題】化粧品用や食品用に使用可能な溶媒のみを用い
たグリコシルセラミドの精製方法であって、純度を高め
たグリコシルセラミドを提供する。 【解決手段】植物原料からアルカリ性含水エタノールを
用いて、アルカリ加水分解可能な脂質をアルカリ分解し
て水溶性として除去し、アルカリ分解されない他の脂質
を抽出した後、グリコシルセラミドを得ることを特徴と
するグリコシルセラミドの精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物を原料とする
グリコシルセラミドの精製方法に関する。さらに詳しく
は、食品等に使用可能な溶媒のみを用いた、化粧品用、
食品用に好適なグリコシルセラミドの精製方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】脂質は、通常、モノ−、ジ−、トリ−型
等のアシルグリセロール、リン脂質、糖脂質、高級エス
テル(ワックス)、構成脂質(脂肪酸を含む)、イソプ
レノイド(ステロール等)に大別される。この中で、糖
脂質は、さらに、(i)グリセロ糖脂質、(ii)スフィ
ンゴ糖脂質に分けられる。(i)のグリセロ糖脂質は、
分子中にグリセロールを含有するエステル型の化合物が
主成分であり、(ii)のスフィンゴ糖脂質は、分子内に
スフィンゴシンと単糖(グルコース、ガラクトース)ま
たはオリゴ糖とのエーテル結合および脂肪酸のアミド結
合した化合物であり、特にスフィンゴ糖脂質の中で、ス
フィンゴシンとグルコースとのグリコシルエーテル結合
および脂肪酸のアミド結合した化合物がグリコシルセラ
ミドである。スフィンゴ糖脂質は、分子内にスフィンゴ
シン塩基の1位の1級水酸基にグリコシルエーテル結合
を含有する化合物である。また、リン脂質は、分子中に
ホスホン酸等のリンを含有する脂質である。関連物質と
して、この糖部分が切断された化合物のスフィンゴ脂質
が挙げられる。関連物質の構造を次式に示す。
【0003】
【化1】
【0004】一方、動物組織、特に脳や神経組織中にス
フィンゴ糖脂質が存在することが知られ、特に動物組織
が原料として使用されてきた。植物中には、特に小麦に
ガラクトースを含有する脂質があることが知られ、スフ
ィンゴ糖脂質とグリセロ糖脂質が含まれるが、グリセロ
糖脂質が多く含まれている。したがって、植物よりスフ
ィンゴ糖脂質を抽出する際には、グリセロ糖脂質が混在
して、高純度のスフィンゴ糖脂質が得られない問題があ
った。
【0005】また、グリコシルセラミドは、人間の皮膚
の構成成分の一つで、皮膚の保湿、保護作用や肌荒れ防
止・改善の効果を有し、肌をみずみずしく柔軟性のある
状態に保つために不可欠な脂質の一種である。美容分野
では、このようなグリコシルセラミドの特性を生かした
ハンドクリームなどのスキンケア化粧品が開発されてい
る。このように、従来、グリコシルセラミドの利用は、
肌に直接塗布するという観点からの製品が主流であった
が、近年、化粧品素材に止まらず、一般食品や飲料など
に使用可能な食品素材として商品化されはじめてきてい
る。しかしながら、これまで天然のグリコシルセラミド
の原料としては、牛脳が主に用いられてきたが、牛脳抽
出物は、いわゆる「狂牛病」の感染が否定できないこと
から、近年は、牛脳抽出物以外の天然物の抽出物から得
られるグリコシルセラミドが求められている。牛脳以外
の原料からの天然のグリコシルセラミド関連の精製方法
としては、例えば、前記のように小麦等の穀類を原料と
して用いるものや、魚介類を原料とするものが挙げられ
る。具体的には、 1)特表平6−507653号公報 2)特開平7−265089号公報 3)特開平11−279586号公報 が挙げられる。前記の1)の特表平6−507653号
公報には、50〜80℃に加温したアルコールを用い
て、穀物、穀物から抽出したふすまおよび脂質等の植物
抽出物から脂質をろ過ケーキにし、分離し、ろ液からセ
ラミドを得る精製方法が開示されている。具体的には、
小麦全粒を原料として用い、3〜6重量%のセラミドを
得ているが、全工程終了時には、セラミドが80〜90
重量%、糖脂質10〜20重量%、リン脂質10〜20
重量%の粉末として得られるように記載されているもの
の、ここでのセラミドは、グリコシルセラミドと推定さ
れるが、具体的な分析方法も開示されておらず、また、
実施例でも具体的な製造方法が開示されていない。
【0006】前記の2)の特開平7−265089号公
報には、魚貝類からスフィンゴミエリンまたはセラミド
2−アミノエチルホスホン酸を抽出し、ホスホン酸を酵
素で切断してセラミドを単離するセラミドの精製方法が
開示されている。特に原料として、マダコおよびその煮
汁を用いているが、純度や成分についての記載がない。
【0007】前記の3)の特開平11−279586号
公報には、米糠1重量部に対して、水、エタノール、ア
セトン、ヘキサンから選択される溶媒の2種以上の混合
溶媒を1/10〜1/100に濃縮した後、不溶物を除
去し、さらに抽出液を濃縮して得られる高濃度のグリコ
シルセラミドを得る製造方法が開示されている。前記の
1)の特表平6−507653号公報の開示された技術
では、前記のように純度がまだ低い等の問題点がある。
グリコシルセラミドと極性が近いグリセロ脂質が除去さ
れず、結果的に抽出物中にグリコシルセラミドが濃縮さ
れない。前記の2)の特開平7−265089号公報に
開示された技術では、前記のようにスフィンゴシン(狭
義のセラミド=スフィンゴシンと脂肪酸のアミド化物)
と2−アミノエチルホスホン酸型のリン脂質(スフィン
ゴシンのリン脂質)であり、本願発明はスフィンゴシン
と脂肪酸のアミド化でのグリコシルエーテル化した化合
物である。また、セラミドを高濃度に得るためには、魚
介類から酵素処理やアルミナを用いたカラム精製を行っ
ているが、分離溶媒は、食品への使用が禁止されている
メタノールのため、食品の製造には使用できない。前記
の3)の特開平11−279586号公報の開示された
技術では、米糠を原料として混合溶媒を用いて、抽出し
たものであるが、まだ純度が低い問題がある。グリコシ
ルセラミドと極性が近いグリセロ脂質を除去することが
できず、結果的に抽出物中にグリコシルセラミドが濃縮
されない。
【0008】またさらに、グリコシルセラミドの定量に
ついては、最近、薄層クロマトグラフィー(TLCと略
す)とデンシトメトリーを組み合わた定量法が開発され
ている(フレグランスジャーナル、25巻(11月号)
第90〜94頁,1997年)。この方法は、ステリル
グリコシドの定量値からグリコシルセラミド含量を算出
する方法であり、測定試料中にステリルグリコシドが存
在し、しかもTLCによりステリルグリコシドが他の成
分と良好に分離される場合にのみグリコシルセラミド含
量を測定できる方法である。すなわちこの方法は、測定
試料から始めにTLC1によりステリルグリコシドの総
量を定量し、次に測定試料を弱アルカリ分解処理した
後、TLC2によりステリルグリコシドとグリコシルセ
ラミドの比を測定し、TLC1とTLC2の値から計算
によりグリコシルセラミドの量を求める方法である。従
って前記の方法では、測定試料中のステリルグリコシド
含量が測定できない場合、グリコシルセラミドを直接定
量することはできず、特に、多成分系である食品や化粧
品等の製品中の微量のグリコシルセラミドの定量にはほ
とんど適用できないという問題があった。また、この方
法では、ばらつきが大きい。したがって、食品、飲料及
び化粧品等の素材としてのグリコシルセラミド抽出物あ
るいはグリコシルセラミド含有製品中の、グリコシルセ
ラミドの含有量を定量することが、実務上不可欠となっ
てきている。
【0009】また従来、糖脂質やリン脂質に一般的に使
用される抽出溶媒としては、Folchらの方法あるい
はBligh & Dyerらの方法が知られている。
これらの方法に準じて、即ち、試料に対して20倍のク
ロロホルム/メタノール(=2/1、V/V)の混合溶
媒を加えてホモジナイズした後、水を加えてクロロホル
ム/メタノール/水(=8/4/3、V/V/V)の混
合となるようにする溶媒抽出方法が知られているが、前
記のように、化粧品用や食品用にグリコシルセラミドと
して適用するためには、これらの溶媒、特にクロロホル
ムが毒性等の点から使用できない。クロロホルムは、毒
性が強く、許容濃度が50ppm(日本)25ppm
(米国)のように工業的に使用するには、不適である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、化粧
品用、食品用等の用途に使用するのに好適なグリコシル
セラミドの精製方法を提供することにある。詳細には植
物、特に米糠から食品用等の用途に使用できる溶媒のみ
を用いて高純度のグリコシルセラミドを得る精製方法を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、グリコシ
ルセラミドの原料として植物、特に穀物及び穀物由来の
成分に着目し、食品用途に使用可能なヘキサン、アセト
ン、エタノール、水を溶媒として用いて、アルカリ加水
分解処理により一部の脂質を分解して水溶性とし、グリ
コシルセラミドを精製できることの知見を得て、本発明
を完成した。さらに前記の方法に、アセトン沈殿分画、
シリカゲルクロマトグラフィーの条件を組合わせると、
純度が向上し、かつ食品用途や化粧品用途に適用できる
グリコシルセラミドの精製方法を確立するに至り、本発
明を完成した。すなわち、本発明は、次の〔1〕〜
〔5〕である。
【0012】〔1〕 植物原料からアルカリ性含水エタ
ノールを用いて、アルカリ加水分解可能な脂質をアルカ
リ分解して水溶性として除去し、アルカリ分解されない
他の脂質を抽出した後、グリコシルセラミドを得ること
を特徴とするグリコシルセラミドの精製方法。
【0013】〔2〕 植物原料1重量部に対して、アル
カリ性含水エタノールを3〜10重量部用いて、アルカ
リ加水分解可能な脂質をアルカリ分解して、アルカリ分
解されない他の脂質を抽出した後、さらに温度−80〜
30℃のアセトンを用いて沈殿させることを特徴とする
グリコシルセラミドの精製方法。
【0014】〔3〕 植物原料1重量部に対して、アル
カリ性含水エタノールを3〜10重量部用いて、アルカ
リ加水分解可能な脂質をアルカリ分解して除去し、アル
カリ加水分解されない他の脂質を抽出した後、さらに温
度−80〜30℃のアセトンを用いて沈殿させ、さらに
シリカゲルクロマトグラフィーを用いて分離精製するこ
とを特徴とするグリコシルセラミドの精製方法。
【0015】〔4〕 植物原料が米糠である前記の
〔1〕〜〔3〕のグリコシルセラミドの精製方法。
【0016】〔5〕 植物原料が米糠であり純度が90
%以上である前記〔3〕のグリコシルセラミドの精製方
法。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳し
く説明する。本発明に用いる植物原料としては、例え
ば、小麦、小麦胚芽、米、米糠、大豆、ゴマ、ピーナツ
等のグリコシルセラミドを含有している植物またはそれ
ら植物由来の抽出物が挙げられる。特に、米糠、小麦胚
芽がグリコシルセラミドの含量が多い点から望ましい。
前記植物由来の抽出物とは、例えば、該精製植物油の精
製前の原油あるいは精製工程中の副産物として生成され
る脱ガム画分や残渣成分である。本発明で用いる食品用
に使用できる溶媒としては、水、エタノール、アセト
ン、およびヘキサンが挙げられる。これらの溶媒を1種
単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
【0018】本発明に用いるアルカリ分解の溶媒は、エ
タノールあるいは含水エタノールであり、それにアルカ
リを加えた弱アルカリのエタノール若しくは弱アルカリ
の含水エタノールである。エタノールは一般に市販され
ているものを使用することができる。溶媒の使用量は、
抽出用の植物原料1重量部に対して1〜20重量部、好
ましくは3〜10重量部、より好ましくは4〜9重量部
である。
【0019】アルカリ分解用の溶液は、弱アルカリ性を
示すもので、具体的には例えば、エタノール若しくは、
含水エタノールに水酸化カリウムあるいは水酸化ナトリ
ウムを加えた溶液等が挙げられる。好ましいアルカリの
濃度は、0.05〜0.5Nであり、特に、0.1〜
0.4Nが好ましい。含水エタノールの水/エタノール
の混合容量比は、0.01/99.99〜50/50、
より好ましくは、1/99〜20/80である。弱アル
カリ分解の温度は30℃〜50℃が好ましく挙げられ
る。反応時間は、1〜6時間が好ましく挙げられる。弱
アルカリ分解した後に、その後アルカリ性を中和する。
中和の際には、弱酸性の希塩酸水溶液等で行うのが好ま
しい。弱酸性の希塩酸水溶液の好ましい溶液濃度は0.
05N〜1Nであり、特に、0.1〜0.8Nがより好
ましい。本発明における弱アルカリ加水分解および抽出
は、一般的な抽出釜で行うことが可能である。
【0020】その後、中和した液は、濃縮する。中和液
の濃縮乾燥物からの中和塩を除くには、次ぎの2とおり
の方法が挙げられる。 1)濃縮物を水洗する方法や、 2)エタノールまたはアセトンを用いてさらに抽出して
目的物を抽出する方法等が挙げられる。前記の濃縮物の
水洗の際の水の添加量は、抽出物に対して5倍量〜50
倍量であり、特に20〜30倍量が好ましい。また、前
記の濃縮物に対してのエタノールまたはアセトンを用い
てさらに抽出する際の溶媒量は、3倍〜20倍量が好ま
しく、特に、5〜10倍量が好ましい。溶媒の濃縮に際
しては、エバポレーター、濃縮器付きの抽出釜、遠心薄
膜濃縮器等の装置を用いて行うことができる。また、必
要に応じて乳糖、デキストリン、セルロース等の賦形剤
を添加して、抽出物の物性を調整することができる。そ
の際には、乳糖、デキストリン、セルロース等の賦形剤
を添加した抽出物は、スプレードライヤ、真空凍結乾燥
機等の乾燥方法で行うことができる。
【0021】アセトン沈殿分画には、95%以上のアセ
トン溶媒を使用する。ここで、アセトンは、ヘキサン、
エタノール、水のいずれか1種以上を5%以下の割合で
含んでいてもよい。また、一般に市販されているアセト
ンも使用することができる。アセトン沈殿分画の温度は
−80〜30℃であることが好ましく、特に、−20〜
4℃が好ましい。アセトン沈殿物は、ろ過、デカンテー
ションあるいは遠心分離等により分離することができ
る。
【0022】シリカゲルクロマトグラフィーに用いる充
填剤は、順相系のシリカゲルが好ましい。分離のための
溶出溶媒としては、ヘキサン−ヘキサン/アセトン混合
溶媒−アセトン系の溶媒あるいはヘキサン−ヘキサン/
エタノール混合溶媒−エタノール系の溶媒を用いること
ができる。特に、ヘキサン−ヘキサン/アセトン混合溶
媒−アセトン系の溶媒が好ましい。ヘキサン/アセトン
の混合比は、例えば8/2〜2/8のものが好ましく挙
げられる。その結果、グリコシルセラミドの純度として
は、中間段階での精製としては、3.5重量%以上、好
ましくは8.8重量%以上、さらに精製した最終段階で
は、90重量%以上、好ましくは95重量%以上のもの
が得られる。
【0023】
【発明の効果】本発明の精製方法は、食品で使用できる
溶媒のみを用いる抽出方法であり、アルカリにより、ア
ルカリ加水分解可能な脂質等を加水分解して、水溶性の
化合物として分離するので、グリコシルセラミドを純度
よく得ることができる。またさらに、アセトン沈殿分画
して、さらに純度を高め、さらにシリカゲルクロマトグ
ラフィーの方法を組み合わせることによって、90%以
上のものが得られる優れた精製方法である。したがっ
て、本発明の精製方法によって得られたグリコシルセラ
ミドは、食品や、化粧品の分野で特に好適に用いること
ができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説
明する。なお、グリコシルセラミドの定量は次の方法に
したがって測定した。 1.グリコシルセラミドの抽出法;測定試料1重量部に
クロロホルム/メタノール/水(1/2/0.8、V/
V/V)混合溶媒を10倍量(W/V)加え、室温で5
分間激しく振とうして抽出を行う。抽出終了後、抽出液
を吸引ろ過し、ろ液は分液ロートに移し、ろ液に対して
クロロホルムとメタノールをそれぞれ当容量ずつ加えて
液々分配を行う。最終的に下層のクロロホルムを分取し
た後溶媒を留去して抽出物とする。
【0025】2.弱アルカリ分解処理及び溶媒抽出;前
記抽出物100mgに含水メタノール性水酸化カリウム
(0.4N)を50ml加え、38℃で2時間インキュ
ベーションする。その後、分液ロートに移し、クロロホ
ルム90ml、精製水29mlを加えてよく混合した
後、静置する。下層(クロロホルム層)を採取し、無水
硫酸ナトリウムを用いて脱水した後、ろ過する。ろ液を
エバポレーターで溶媒留去後、窒素で完全に溶媒を除去
し、クロロホルム/メタノール(=2/1、V/V)混
合溶媒1mlに溶解する。
【0026】3.TLCの展開;前記弱アルカリ分解処
理さらに溶媒抽出した試料をTLCプレートに1〜20
μl定量的にスポットする。次にクロロホルム/メタノ
ール/酢酸(=95/10/2、V/V/V)混合溶媒
を用いて展開する。
【0027】4.発色及び測定;TLC展開後、50%
硫酸溶液を0.5〜2ml噴霧し、105℃で10分間
加熱し発色させ、発色強度をデンシトメーター{2波長
クロマトスキャナCS−930;(株)島津製作所}で
測定した。なお、スタンダードとして下記の方法で得た
グリコシルセラミド標品を用いた。
【0028】5.スタンダードの調製;小麦脂質から前
記の弱アルカリ分解処理さらに溶媒抽出を行いグリコシ
ルセラミド抽出物を得た後、このクロロホルム/メタノ
ール(=2/1、V/V)混合溶媒溶液を下記のHPL
C条件に従って処理し、グリコシルセラミドを単離し
た。 <HPLC条件> HPLC;TOSOH 8020{(株)東ソー}、 カラム;DEVELOSIL 60−5,4.6×25
0mm{野村化学(株)社製}、 カラム温度;30℃、 検出;溶出液を一定量づつ分取し、各分取画分を上記の
TLC分析の方法により分析する、 溶離液;クロロホルム/メタノール(=90:10、V
/V)混合溶媒、 流速;1ml/min。
【0029】実施例1 脱脂米糠100gに対して0.4N水酸化カリウム含有
エタノール/水(=99/1、V/V)混合溶媒600
gを加え、40℃で4時間攪拌し、1N塩酸を加えて中
和し、pH7にした後、吸引濾過した。ろ液はロータリ
ーエバポレーターを用いて濃縮乾固して10.5gの中
和濃縮物を得た。この濃縮物に210gの水を加えて、
40℃で2時間攪拌抽出し、東洋濾紙製No.2濾紙に
より不溶物を採取し、デシケーター中で減圧下で乾燥さ
せた後、乾燥物1.5gを得た。該乾燥物中のグリコシ
ルセラミド含量は、前記の方法により測定した結果、
3.5重量%であった。
【0030】比較例1 脱脂米糠100gに対して0.4N水酸化カリウム含有
エタノール/水(=99:1、V/V)混合溶媒600
gを加え、40℃で4時間攪拌した後、吸引濾過した。
ろ液にクロロホルム1080ml、精製水348mlを
加えて良く混合した後、静置した。その後、下層のクロ
ロホルム層を採取し、ロータリーエバポレータ−で濃縮
し、抽出物1.3gを得た。得られた抽出物中のグリコ
シルセラミド含量は、前記の方法により3.3量%であ
った。
【0031】実施例2 脱脂米糠100gに対して0.4N水酸化カリウム含有
エタノール/水(=99/1、V/V)混合溶媒600
gを加え、40℃で4時間攪拌し、1N塩酸を加えて中
和し、pH7にした後、吸引濾過した。ろ液はロータリ
ーエバポレーターを用いて濃縮乾固して10.5gの中
和濃縮物を得た。該濃縮物に105gのアセトンを加え
て、40℃で2時間攪拌抽出し、抽出液を−20℃で1
2時間放置して、冷アセトン沈殿分画を行い、沈殿物を
採取した後、デシケーター中で減圧下で乾燥させた。得
られた乾燥物の重量は、0.28gであり、グリコシル
セラミド含量は、前記の方法により8.8重量%であっ
た。
【0032】実施例3 実施例2で得た冷アセトン沈殿乾燥物250mgを分離
サンプルとして下記のシリカゲルクロマトグラフィーに
よりグリコシルセラミドを濃縮した。ガラスカラム(内
径20mm,長さ30cm)に110℃、12時間活性
化したシリカゲル10gをヘキサンに懸濁して平衡化さ
せた。分離サンプル350mgをヘキサン/エタノール
(1/1、V/V)混液に溶解し、ヘキサン、ヘキサン
/アセトン(8/2、V/V)、ヘキサン/アセトン
(6/4、V/V)、ヘキサン/アセトン(2/8、V
/V)、アセトンをそれぞれ30mlずつこの順で溶出
した。グリコシルセラミドは、ヘキサン/アセトン(2
/8)溶出画分に18.7mg得られた。またグリコシ
ルセラミド含量は、前記の方法により95.5重量%で
あった。
【0033】以上の結果より本発明の実施例2、3は、
比較例1に比べて純度が高く抽出に優れていることがわ
かる。なお毒性が高いクロロホルムを用いている比較例
1は食品用としては使用できないのに比べて、エタノー
ルのみを使用している実施例1のグリコシルセラミド
は、含量は同程度であるが、エタノールのみを用いてい
るので、食品用、化粧品の用途には使用することができ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】植物原料からアルカリ性含水エタノールを
    用いて、アルカリ加水分解可能な脂質をアルカリ加水分
    解して水溶性として除去し、アルカリ分解されない他の
    脂質を抽出した後、グリコシルセラミドを得ることを特
    徴とするグリコシルセラミドの精製方法。
  2. 【請求項2】植物原料1重量部に対して、アルカリ性含
    水エタノールを3〜10重量部用いて、アルカリ加水分
    解可能な脂質をアルカリ分解して、アルカリ分解されな
    い他の脂質を抽出した後、温度−80〜30℃のアセト
    ンを用いて沈殿させることを特徴とするグリコシルセラ
    ミドの精製方法。
  3. 【請求項3】植物原料1重量部に対して、アルカリ性含
    水エタノールを3〜10重量部用いて、アルカリ加水分
    解可能な脂質をアルカリ分解して除去し、アルカリ分解
    されない他の脂質を抽出した後、温度−80〜30℃の
    アセトンを用いて沈殿させ、さらにシリカゲルクロマト
    グラフィーを用いて分離精製することを特徴とするグリ
    コシルセラミドの精製方法。
  4. 【請求項4】植物原料が米糠である請求項1〜3のいず
    れか1項に記載のグリコシルセラミドの精製方法。
  5. 【請求項5】植物原料が米糠であり純度が90%以上で
    ある請求項3に記載のグリコシルセラミドの精製方法。
JP2001067611A 2000-03-13 2001-03-09 グリコシルセラミドの精製方法 Pending JP2002030093A (ja)

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